JP2011082485A - 電気二重層キャパシタおよびその製造方法 - Google Patents

電気二重層キャパシタおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アーク放電法によって合成した後に精製した単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用しても、静電容量を増大させることができる電気二重層キャパシタおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】アーク放電により生成した単層カーボンナノチューブを含む煤を精製した後に真空中で加熱して得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブを、大気中で加熱して燃焼酸化するか、あるいは、酸で還流処理することにより、得られた単層カーボンナノチューブを電気二重層キャパシタの分極性電極材料として使用する。
【選択図】図12

Description

本発明は、電気二重層キャパシタおよびその製造方法に関し、特に、分極性電極材料としてカーボンナノチューブを用いた電気二重層キャパシタおよびその製造方法に関する。
電気二重層キャパシタは、電気化学的な界面現象を利用して蓄電するデバイスであり、一対の分極性電極と、これら分極性電極との界面に電気二重層を形成するための電解液と、電気二重層に蓄電された電荷を出し入れするための一対の集電極と、分極性電極同士の電子的な絶縁を保持するためのセパレータと、これらの構成要素を収容する外装ケースとを備えている。このような電気二重層キャパシタでは、電解液を介して一対の分極性電極に直流の電界を印加すると、分極性電極と電解液の界面に電気二重層が形成されて平板型コンデンサの挙動を示す。このような電気二重層キャパシタは、充放電時に化学反応を伴わないので、化学反応を利用して蓄電する二次電池と比べて、急速な大電流の充放電が可能であり、半永久的に充放電が可能である。
従来、エネルギー密度を大きくして小型で大容量の電気二重層キャパシタを得るために、電気二重層キャパシタの分極性電極の材料として、比表面積が非常に大きい活性炭が使用されている。しかし、活性炭の大部分の表面には、直径が1〜2nm程度の微細な孔が形成されており、これらの微細な孔には電解液が入り込むことができないので、実際に電解液が入り込んで電気二重層を形成し得る活性炭の表面の面積は、全表面積の1/3程度になってしまう。そのため、活性炭の分極性電極では、内部抵抗が増大し、大電流を得ることができない。
そのため、近年では、電気二重層キャパシタの分極性電極の材料として、電解液と直接接触可能な表面の面積が非常に大きいカーボンナノチューブを使用することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
カーボンナノチューブは、黒鉛結晶の薄層を円筒状に巻いた構造、すなわち、炭素分子の六員環が亀甲模様のように配列した平面状または曲面状のグラフェンシートを円筒状に巻いた構造を有し、その直径は数nm〜数十nm、長さは直径の数十倍〜数千倍以上である。このようなカーボンナノチューブは、円筒状に巻いたグラフェンシートが実質的に1層である単層カーボンナノチューブと、2層以上である多層カーボンナノチューブに分類される。多層カーボンナノチューブでは、グラフェンシートの多層構造の内部にイオンが侵入することが非常に困難であると考えられるが、単層カーボンナノチューブでは、グラフェンシートの表面層の全てをイオン吸着サイトとして利用することができる。そのため、電気二重層キャパシタの分極性電極の材料として単層カーボンナノチューブを使用すると、単層カーボンナノチューブの表面が電解液と直接接して、高速充放電においてイオンの吸脱着が即座に行われるため、イオンの拡散に起因する内部抵抗を極めて低く抑えることができる。
特開平10−321482号公報(段落番号0006) 特開2001−307951号公報(段落番号0008) 特開2003−234254号公報(段落番号0009−0010)
一般に、カーボンナノチューブは、気相化学蒸着(CVD)、アーク放電法、レーザー蒸着法などの各種の方法によって製造されている。これらの方法のうち、単層カーボンナノチューブの大量合成方法として、気相化学蒸着(CVD)法が有効であることが広く知られている。CVD法は、他の合成方法と比べて、非常に高い収率で単層カーボンナノチューブを合成することができるが、合成された単層カーボンナノチューブの結晶性が低いため、本来の特性の単層カーボンナノチューブであるとは言い難い。一方、アーク放電法は、他の方法と比べて、構造欠陥が少なく、結晶性が高い単層カーボンナノチューブを合成することができる。
しかし、アーク放電法によって合成した単層カーボンナノチューブは、他の合成方法で合成した単層カーボンナノチューブと比べて、比表面積が減少して、電気二重層キャパシタの分極性電極の材料として使用すると静電容量が減少するという問題がある。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、アーク放電法によって合成した後に精製した単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用しても、静電容量を増大させることができる電気二重層キャパシタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、アーク放電により生成した単層カーボンナノチューブを含む煤を精製した後に真空中で加熱して得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブを、大気中で加熱して燃焼酸化するか、あるいは、酸で還流処理することにより、得られた単層カーボンナノチューブを電気二重層キャパシタの分極性電極材料として使用することによって、アーク放電法によって合成した後に精製した単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用しても、静電容量を増大させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による電気二重層キャパシタの製造方法は、アーク放電により単層カーボンナノチューブを含む煤を生成する工程と、生成した単層カーボンナノチューブを含む煤を精製する工程と、精製した単層カーボンナノチューブを含む煤を真空中で加熱して高結晶性の単層カーボンナノチューブを得る工程と、この高結晶性の単層カーボンナノチューブを大気中で加熱して燃焼酸化する工程と、この燃焼酸化後の単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として電解液とともにセパレータの両側に配置し、その両側に一対の集電極を配置して電気二重層キャパシタを組み立てる工程とを備えたことを特徴とする。この電気二重層キャパシタの製造方法において、高結晶性の単層カーボンナノチューブを大気中で加熱する温度が300〜650℃であるのが好ましい。
また、本発明による電気二重層キャパシタの製造方法は、アーク放電により単層カーボンナノチューブを含む煤を生成する工程と、生成した単層カーボンナノチューブを含む煤を精製する工程と、精製した単層カーボンナノチューブを含む煤を真空中で加熱して高結晶性の単層カーボンナノチューブを得る工程と、この高結晶性の単層カーボンナノチューブを酸で還流処理する工程と、この還流処理後の単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として電解液とともにセパレータの両側に配置し、その両側に一対の集電極を配置して電気二重層キャパシタを組み立てる工程とを備えたことを特徴とする。この電気二重層キャパシタの製造方法において、還流処理に使用する酸が硝酸であるのが好ましく、還流処理が1〜10時間行われるのが好ましい。
上記の電気二重層キャパシタの製造方法において、精製が、生成した単層カーボンナノチューブを含む煤を大気中で加熱して燃焼酸化した後に酸で処理するのが好ましい。また、真空中で加熱する温度が1000℃以上であるのが好ましい。
また、本発明による電気二重層キャパシタは、セパレータとその両側に配置された一対の集電極の各々との間に分極性電極材料と電解液が充填された電気二重層キャパシタにおいて、分極性電極材料として、アーク放電により生成した単層カーボンナノチューブを含む煤を精製した後に真空中で加熱して得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブを大気中で加熱して燃焼酸化して得られた単層カーボンナノチューブを使用することを特徴とする。
また、本発明による電気二重層キャパシタは、セパレータとその両側に配置された一対の集電極の各々との間に分極性電極材料と電解液が充填された電気二重層キャパシタにおいて、分極性電極材料として、アーク放電により生成した単層カーボンナノチューブを含む煤を精製した後に真空中で加熱して得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブを酸で還流処理して得られた単層カーボンナノチューブを使用することを特徴とする。
本発明によれば、アーク放電法によって合成した後に精製した単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用しても、静電容量を増大させることができる電気二重層キャパシタを製造することができる。
実施例1、5、6および8〜11で得られた単層カーボンナノチューブのフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)の測定結果を示す図である。 実施例1で得られた精製前後の単層カーボンナノチューブのBET比表面積の測定結果を示す図である。 実施例2〜8で得られた単層カーボンナノチューブのBET比表面積の測定結果を示す図である。 実施例9〜11で得られた単層カーボンナノチューブのBET比表面積の測定結果を示す図である。 実施例および比較例において電気化学測定に用いた水系電気二重層キャパシタの単セルの概略を示す斜視図である。 活性炭を分極性電極材料として使用した比較例1の水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度10〜100mV/secにおけるサイクリックボルタモグラム(CV曲線)を示す図である。 活性炭を分極性電極材料として使用した比較例1の水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度200〜1000mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 活性炭を分極性電極材料として使用した比較例1の水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度2000〜10000mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例1で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度10〜100mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例1で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度200〜1000mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例1で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度2000〜10000mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例5で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度10〜100mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例5で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度200〜1000mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例5で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度2000〜10000mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例8で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度10〜100mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例8で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度200〜1000mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例8で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度2000〜10000mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例9で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度10〜100mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例9で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度200〜1000mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例9で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度2000〜10000mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例10で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度10〜100mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例10で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度200〜1000mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例10で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度2000〜10000mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例11で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度10〜100mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例11で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度200〜1000mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例11で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの電位掃引速度2000〜10000mV/secにおけるCV曲線を示す図である。 実施例1、5および8〜11で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルのCV曲線と、活性炭を分極性電気材料として使用した比較例1の水系電気二重層キャパシタの単セルのCV曲線とから、それぞれ算出した水系電気二重層キャパシタの単セルの比静電容量と電位掃引速度の関係を示す図である。 実施例1、5および8〜11で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルのCV曲線と、活性炭を分極性電気材料として使用した比較例1の水系電気二重層キャパシタの単セルのCV曲線と、市販の単層カーボンナノチューを分極性電極材料として使用した比較例2の水系電気二重層キャパシタの単セルのCV曲線とから、それぞれ算出した出力密度とエネルギー密度の関係を示す図である。
本発明による電気二重層キャパシタの製造方法の実施の形態は、アーク放電により単層カーボンナノチューブを含む煤を生成する工程と、生成した単層カーボンナノチューブを含む煤を大気中において加熱して燃焼酸化した後に酸で処理することによって精製する工程と、精製した単層カーボンナノチューブを含む煤を真空中において1000℃以上で加熱して高結晶性の単層カーボンナノチューブを得る工程と、高結晶性の単層カーボンナノチューブを大気中において300〜650℃で加熱して燃焼酸化する工程および高結晶性の単層カーボンナノチューブを硝酸などの酸で1〜10時間還流処理する工程の一方と、この高結晶性の単層カーボンナノチューブを燃焼酸化または還流処理して得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として電解液とともにセパレータの両側に配置し、その両側に一対の集電極を配置して電気二重層キャパシタを組み立てる工程とを備えている。
アーク放電法により生成した単層カーボンナノチューブは、CVD法などの他の方法で合成する場合と比べて、構造欠陥が少なく結晶性が高い単層カーボンナノチューブである。また、アーク放電法により生成した単層カーボンナノチューブを含む煤は、アモルファスカーボンなどの不純物も多量に含んでいる。これらの不純物は、生成した単層カーボンナノチューブを含む煤を大気中において加熱して燃焼酸化した後に酸で処理することによって除去することができる。また、精製した単層カーボンナノチューブを含む煤を真空中において1000℃以上で加熱することにより、さらに高い結晶性の単層カーボンナノチューブを得ることができる。しかし、このように真空中において1000℃以上で加熱すると、単層カーボンナノチューブの比表面積が減少し、この単層カーボンナノチューブを電気二重層キャパシタの分極性電極の材料として使用すると、電気二重層キャパシタの静電容量が減少する。
本発明による電気二重層キャパシタの製造方法の実施の形態では、高結晶性の単層カーボンナノチューブを大気中において300〜650℃、好ましくは400〜600℃、さらに好ましくは450〜500℃で加熱して燃焼酸化により比表面積を増大させて活性化するか、あるいは、高結晶性の単層カーボンナノチューブを希硝酸などの酸で0.5〜10時間、好ましくは1〜8時間、さらに好ましくは1〜4時間還流処理して親水性の官能基で化学修飾して活性化することにより、電気二重層キャパシタの静電容量を増大させている。
高結晶性の単層カーボンナノチューブを大気雰囲気中において300〜650℃の高温に加熱すると、単層カーボンナノチューブの終端や、側面の局所的に歪みが生じている箇所へ酸化反応が促進されて、比表面積を増大させることができる。また、沸騰した希硝酸が発生する硝酸ガスを酸化剤として高結晶性の単層カーボンナノチューブの表面を酸化すると、カルボキシル基やヒドロキシル基などの親水性の官能基で化学修飾することができる。
このように高結晶性の単層カーボンナノチューブを燃焼酸化または還流処理して得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用して、電解液とともにセパレータの両側に配置し、その両側に一対の集電極を配置して電気二重層キャパシタを組み立てることにより、電気二重層キャパシタを製造する。
この電気二重層キャパシタの特性は、サイクリックボルタンメトリー(Cyclic Voltammetry(CV))によって評価することができる。サイクリックボルタンメトリーでは、電位を時間に対して直線的に掃引し、そのときの電流応答を観測する。このとき得られる電流応答を電位に対してプロットすることにより、サイクリックボルタモグラム(Cyclic Voltammogram(CV曲線))が得られる。
このサイクリックボルタンメトリーでは、電位と電流の関係を直感的に理解しやすく、材料の電極反応を把握することができる。また、電位の掃引方向を反転させ、そのときのアノード電流応答およびカソード電流応答(ピーク電流値およびピーク電位など)を比較することにより、電極反応の可逆性を検討することができる。また、電流応答の掃引速度依存性から電極反応の反応速度を推察することができる。さらに、CV曲線の電流値を積分して得られる電荷量から電極における反応量を計算することができる。
通常、理想的なキャパシタのCVの概形は、電流値が電位によらず一定になり、四角形に近い形になることから、CV曲線から静電容量(二重層容量)Cを算出する場合、電流値をI、電位掃引速度をvとして、簡易な式としてC=I/vから算出するのが一般的である。しかし、電気化学キャパシタの場合、電解液の分解やカーボンの表面の官能基による反応などの影響により、一般に電流値が一定になることがないので、電流値をI、電位範囲をΔVとして、C=Q/ΔV=∫I・dt/ΔVから算出するのが好ましい。また、電気二重層キャパシタの分極性電極として単層カーボンナノチューブを使用する場合、電極の重量当りの二重層容量を計算することが重要である。
なお、電気二重層キャパシタの出力密度Wは、放電時における電流値Aと電圧値Vとすると、W=A×Vから算出することができる。また、電気二重層キャパシタのエネルギー密度Whは、放電開始電位から任意の放電終了電位までの出力密度Wの積分することにより、Wh=∫Wdtから算出することができる。
以下、本発明による電気二重層キャパシタおよびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
まず、Fe、Ni、CおよびS(質量比1:1:3:0.1)の混合粉末からなる金属触媒を調製し、直径6mmのグラファイト棒(純度99.9%、高純度化学(株))に形成された直径3.2mmの穴に充填して陽極棒とした。この陽極棒とグラファイト棒からなる陰極棒をアーク放電装置のチャンバ内の電極アダプタに取り付け、ロータリーポンプを用いてチャンバ内を10−2Torr以下の真空状態にした。その後、陰極棒と陽極棒を接触させた状態において80Aで7分間直流電流を流した。この抵抗加熱により金属触媒とグラファイト粉末が溶解して混合され、陽極の組成が均一になる。25分間待機してチャンバが十分冷えた後、Heガスを100Torrになるように満たし、陰極と陽極の間を2〜3mm程度に保持して、67Aでアーク放電を行った。放電終了後、20分間以上チャンバを冷却し、チャンバ内部の壁面および天板に堆積した煤を回収した。
このようにして合成した単層カーボンナノチューブから試料(約1g)を取り、大気中において723Kで30分間燃焼酸化した後、大気中において773Kで30分間燃焼酸化した。この燃焼酸化後の試料を6MのHCl水溶液100mlに浸して333Kのオーブン中で12時間以上静置した。その後、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)メンブランフィルタ(直径47mm、孔径0.1μm、ADVANTEC社製)を用いて、濾液が中性になるまで精製水で洗浄しながら吸引濾過を行った。この吸引濾過後の濾過物を333Kのオーブン中で12時間以上静置して乾燥した。さらに、大気中において773Kで30分間燃焼酸化し、6MのHCl水溶液100mlに浸して333Kのオーブン中で12時間以上静置した後、上記と同様の方法により、洗浄しながら吸引濾過を行った後に乾燥して、単層カーボンナノチューブの試料を回収した。このようにして燃焼酸化および酸処理によって精製した単層カーボンナノチューブと、この精製処理前の単層カーボンナノチューブを走査電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、SEM写真から、精製処理前の単層カーボンナノチューブには、アモルファスカーボンや金属触媒などの不純物が含まれているが、精製処理後の単層カーボンナノチューブにはこれらの不純物が除去されていることが確認された。
このようにして精製した単層カーボンナノチューブ(約150mg)をグラファイト製の坩堝へ投入した後、高真空炉のチャンバ内に設置し、ロータリーポンプとターボポンプを用いてチャンバ内の圧力が10−5Pa以下になるまで減圧した。その後、赤外線温度センサーを用いて坩堝の温度を測定しながら、坩堝の温度を室温から100℃ずつ昇温させた。なお、この昇温は、保持温度において1時間以上経過するか、内部圧力が10−5Pa以下になったときに行った。坩堝の温度が1000℃になった後は50℃ずつ昇温させ、1200℃に達した時点で30分間保持してアニール処理を施した。その後、室温まで十分に冷却し、アニール処理された単層カーボンナノチューブを回収した。このように高温且つ高真空雰囲気下でアニール処理することにより、精製処理後の単層カーボンナノチューブの壁面に存在する精製処理由来の欠陥構造が殆どなく、高結晶性の単層カーボンナノチューブを得ることができる。
[実施例2〜8]
実施例1で得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブから7つの試料(約50mg)を取り、それぞれアルミナボートに投入して石英管の内部に設置した後、この石英管をマッフル炉に設置し、空気ポンプを用いて石英官の内部に大気を0.4L/分の流量で流入させた。その後、それぞれ300℃(実施例2)、350℃(実施例3)、400℃(実施例4)、450℃(実施例5)、500℃(実施例6)、550℃(実施例7)、600℃(実施例8)まで加熱して30分間保持した後、直ちにアルミナボートを取り出し、冷却して回収した。このように大気雰囲気下で加熱して活性化(乾式活性化)することにより、実施例1で得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブを開管させ、比表面積を増大することができる。
[実施例9〜11]
実施例1で得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブから3つの試料(約100mg)を取り、それぞれ6.8MのHNO(100ml)とともに、200mlの三角フラスコに投入して30分間超音波処理を行った。次いで、三角フラスコをホットプレートスターラーに設置し、三角フラスコの口をリービッヒ冷却管に接続した。次いで、PTFEの攪拌子を用いて攪拌しながら加熱して、三角フラスコ内の溶液が沸騰した時点から、それぞれ1時間(実施例9)、4時間(実施例10)、8時間(実施例11)還流処理を行った後、加熱を停止し、送風機を用いて三角フラスコを速やかに冷却した。その後、PTFEメンブランフィルタを用いて、濾液が中性になるまで精製水で洗浄しながら吸引濾過を行った。この吸引濾過後の濾過物を333Kのオーブン中で12時間以上静置して乾燥させた後、単層カーボンナノチューブを回収した。このように単層カーボンナノチューブを硝酸や硫酸などの強酸中で加熱処理(本実施例では、硝酸で還流処理)を行って活性化(湿式活性化)することによって、単層カーボンナノチューブをカルボキシル基やヒドロキシル基などの親水性の官能基で化学修飾することができる。
[単層カーボンナノチューブの特性の評価]
次に、実施例1〜11で得られた単層カーボンナノチューブの各々について、透過型電子頭微鏡(TEM)、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)、比表面積計(BET法)を用いて特性を調べた。なお、透過型電子頭微鏡として、日立製作所製の電界電子放出型透過電子顕微鏡(HF2000、印加電圧200kV)を使用し、フーリエ変換赤外分光光度計として、Thermo Nicolet社製の赤外分光分析装置(NICOLET 8700、窓剤Diamond)を使用し、比表面積計として、ユアサ・アイオニクス社製のNOVA1200(使用ガスN)を使用した。
(TEMによる観察)
実施例1で得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブのTEM写真では、高結晶化処理(アニール処理)を行う前の精製処理後の単層カーボンナノチューブのTEM写真と比べて、単層カーボンナノチューブの層が鮮明に観察された。また、精製処理後の単層カーボンナノチューブの表面には、アモルファス状の物質が不純物として観察されたが、高結晶性の単層カーボンナノチューブでは、このような不純物はほとんど観察されなかった。また、TEM写真から直接測定した単層カーボンナノチューブの直径は1.2〜1.6nmであり、単層カーボンナノチューブの束(バンドル)の直径は20〜40nmであった。ごく希にバンドルを形成していない単層カーボンナノチューブも観察されたが、全体に占める割合としては極めて少なく、ほとんどの単層カーボンナノチューブはバンドルを形成していた。
実施例2〜8で得られた単層カーボンナノチューブのTEM写真では、空気酸化処理の温度が上昇するにつれて、単層カーボンナノチューブの層構造が徐々に乱れていく様子が観察された。このように単層カーボンナノチューブの層構造が乱れるのは、加熱によって単層カーボンナノチューブが空気中の酸素と反応してCOに酸化されるからであると考えられる。
実施例9〜11で得られた単層カーボンナノチューブのTEM写真では、還流処理の時間が長くなるにつれて、単層カーボンナノチューブの層構造が乱れていく様子が観察された。
(FT−IR測定)
実施例1、5、6および8〜11で得られた単層カーボンナノチューブの試料のFT−IRの測定結果を図1に示す。なお、この測定はATR法で行い、窓材にはダイヤモンドを使用した。また、バックグラウンドは、窓材に試料を設置しないで、ダイヤモンドの表面を露出させて測定した。また、赤外光の露出時間は1秒間とし、1000回測定した平均値を各々の試料のスペクトルとして得た。
図1に示すように、実施例1、5、6および8〜11のいずれの試料からも1578cm―1付近にあらわれるC=Cの伸縮振動はほとんど観察されなかった。この赤外吸収測定におけるC=Cの伸縮振動の吸収について、グラファイト構造内のC=Cは本来赤外不活性であるため、グラファイト構造に欠陥が生じて局在化したときにC=C由来の吸収が観察されることが知られている。したがって、実施例1〜7の単層カーボンナノチューブの結晶性は、いずれも非常に高いことが推察される。
また、実施例1で得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブと実施例5、6および8で得られた空気酸化処理後の単層カーボンナノチューブのスペクトルでは、官能基特有のピークはほとんど観察されなかったことから、これらの試料では官能基がほとんど存在していないと考えられる。一方、実施例9〜11で得られた硝酸還流処理後の単層カーボンナノチューブのスペクトルでは、いくつかの官能基に帰属可能なピークが観察された。3400cm−1付近のブロードなピークは−OHの伸縮振動、1750cm−1のピークはC=Oの伸縮振動、1630cm−1のピークはC−Oの伸縮振動に帰属する。これらの結果から、硝酸還流処理によって、バンドルを形成している外側の単層カーボンナノチューブの表面がヒドロキシル基やカルボキシル基で化学修飾されたと判断することができる。
(BET比表面積の測定)
実施例1、2〜8および9〜11で得られた単層カーボンナノチューブの試料のBET比表面積の測定結果をそれぞれ図2A、図2Bおよび図2Cに示す。
図2Aに示すように、実施例1で得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブのBET比表面積は、高結晶化処理(アニール処理)を行う前の精製処理後の単層カーボンナノチューブのBET比表面積より減少している。このように高結晶性の単層カーボンナノチューブのBET比表面積が減少するのは、精製処理後単層カーボンナノチューブは、精製処理における空気酸化や酸処理によって単層カーボンナノチューブに欠陥が導入されるので、単層カーボンナノチューブの内部のBET比表面積も反映されているが、これらの欠陥は高結晶化処理によって完全に塞がることによると考えることができる。
図2Bに示すように、実施例2〜8で得られた空気酸化処理後の単層カーボンナノチューブのBET比表面積は、実施例1で得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブのBET比表面積と比べて、空気酸化温度350℃から増加し、500℃で極大になり、その後緩やかに低下している。この結果は、単層カーボンナノチューブの空気酸化が350℃から開始することを示している。このように、実施例1で得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブを大気雰囲気で加熱するだけでBET比表面積を増加させることができる。
図2Cに示すように、実施例9〜11で得られた硝酸還流処理後の単層カーボンナノチューブのBET比表面積は、硝酸還流処理1時間では、実施例1で得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブのBET比表面積と比べて僅かに増加したが、硝酸還流処理時間が長くなるほど低下している。なお、実施例9〜11で得られた硝酸還流処理後の単層カーボンナノチューブの試料をSEMで観察したところ、単層カーボンナノチューブ同士が強く凝集し、還流処理時間が長くなるほど凝集が強固になっていた。この単層カーボンナノチューブ同士の凝集体は、窒素分子が内部に入り込めないほどに強く凝集していると推察することができることから、BET比表面積の低下は、単純に単層カーボンナノチューブの消失を示しているわけではなく、硝酸還流処理によって単層カーボンナノチューブ表面の活性が向上した結果である可能性が高い。
[単層カーボンナノチューブの電気化学測定]
次に、実施例1、5、8および9〜11で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として用いた水系電気二重層キャパシタの単セルを作製して電気化学測定を行った。
(水系電気二重層キャパシタの単セルの作製)
図3は、電気化学測定に用いた水系電気二重層キャパシタの単セルの概略図を示している。この水系電気二重層キャパシタの単セルの電極系は、2枚のSUS製集電極10と、2枚のブチルゴム製ガスケット12と、多孔質セパレータ14とを備えている。SUS製集電極10は、測定前に粒径0.3μmのアルミナ粉末で鏡面加工されている。なお、ガスケット12の中央部には、円形の貫通穴12aが形成されており、この貫通穴12aと集電極10とセパレータ14によって画定された円形の空間には、電解液と混練した分極性電極材料としての単層カーボンナノチューブが充填されている。この水系電気二重層キャパシタの単セルの電極系をセルに設置する。このセルは、バネとナットを用いて電極系に圧力を印加できる構造を有し、内部抵抗が安定する140kg重の圧力が加えられるようにする。
(水系電気二重層キャパシタの単セルの電気化学測定)
まず、硫酸電解液中の溶存酸素を除去するため、乾燥したNを用いて30分間以上バブリングを行った。次に、測定する単層カーボンナノチューブ試料を計量した。次に、溶存酸素を除去した30質量%の硫酸電解液と単層カーボンナノチューブ試料を混練してスラリー状にした後、全体の計量を行い、単層カーボンナノチューブと硫酸のそれぞれの含有割合を計算した。次に、それぞれ集電極10に鏡面加工を施し、ガスケット12を圧着させて、集電極全体の計量を行った。次に、硫酸電解液と単層カーボンナノチューブ試料のスラリーをそれぞれガスケット12の貫通穴12aに充填した後に全体を計量し、単層カーボンナノチューブと硫酸のそれぞれの含有割合の計算値から単層カーボンナノチューブの重量を求めた。次に、それぞれのガスケット12がセパレータ14を介して対向するように配置して水系電気二重層キャパシタの単セルの電極系を作製し、キャパシタセルを組み立てて30分間程度静置した後、電位掃引速度10000mV/s、5000mV/s、2000mV/s、1000mV/s、500mV/s、200mV/s、100mV/s、50mV/s,20mV/s、10mV/sの順でCV測定を行った。次に、得られたCV曲線と、単層カーボンナノチューブの重量の計算値を用いて、二重層容量、出力密度、エネルギー密度を計算した。
まず、単層カーボンナノチューブの代わりに活性炭(Aldrich社製の♯24227−6)を分極性電極材料として使用した比較例1について電気化学測定を行った。この比較例1の活性炭電極のサイクリックボルタモグラム(CV曲線)を図4A〜図4Cに示す。図4Aに示すように、電位掃引速度が10mV/sでは、長方形型に近いCV曲線になり、活性炭が電気二重層キャパシタの電極材料として有効であるのがわかる。しかし、電位を貴な方向へ掃引したときの0.9V付近や、電位を卑な方向へ掃引したときの0.0V付近において、電流の立ち上がりが観察された。これらは、活性炭に含まれる官能基による影響であると考えられる。図4A〜図4Cに示すように、電位掃引速度が20mV/s以上では、電位掃引速度が高くなるほどCV曲線の形状が右肩上がりに歪む様子が観察された。これは、活性炭電極における電気二重層の形成が電位掃引速度に追いつけなくなることが原因であると考えられる。活性炭の表面積の大部分は細孔(直径数nm)で形成されているが、電位掃引速度が高い領域(高レート)では、電解質イオンが細孔の内部へ拡散する速度が律速条件になることを示している。すなわち、高レート領域では、電解質イオンが細孔の内部へ拡散する挙動が電極の内部抵抗として顕在化する。したがって、高レートになるほど大きな電流を得ることが困難になり、活性炭電極は高出力の用途には不向きである。
次に、実施例1で得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用して電気化学測定を行った。この高結晶性の単層カーボンナノチューブ電極のCV曲線を図5A〜図5Cに示す。図5Aに示すように、電位掃引速度が10〜100mV/sでは、CV曲線が理想的な長方形に限りなく近いことが観察された。これは、電位掃引によって発生する電流が電気二重層の形成のみに起因していることを意味しており、高結晶性の単層カーボンナノチューブは、電気二重層キャパシタの電極材料として非常に有望である。また、図5A〜図5Cに示すように、電位掃引速度が2000mV/s まで、CV曲線がほぼ長方形に近い形を維持している。電気二重層キャパシタの通常の使用では電位掃引速度が10〜100mV/sであることと、活性炭電極では電位掃引速度が20mV/sからCV曲線の歪みが始まることを考慮すれば、高結晶性の単層カーボンナノチューブは高レート特性に優れている。
次に、実施例5で得られた空気酸化処理後の単層カーボンナノチューブ(450℃で30分間空気酸化処理)を分極性電極材料として使用して電気化学測定を行った。この単層カーボンナノチューブ曲線のCV曲線を図6A〜図6Cに示す。図6A〜図6Cに示すように、この単層カーボンナノチューブ電極のCV曲線では、実施例1で得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブと比べて、全体的に電流値が増大していた。これは、空気酸化処理によってイオンが吸着可能な比表面積が増加したことが原因であると考えられる。また、アノード電流の0.6V→0.9Vおよびカソード電流の0.2V→0.0Vにおいて電流値の上昇が確認された。また、図6Bに示すように、電位掃引速度が2000mV/sでも略長方形のCV曲線が確認された。
次に、実施例8で得られた空気酸化処理後の単層カーボンナノチューブ(600℃で30分間空気酸化処理)を分極性電極材料として使用して電気化学測定を行った。この単層カーボンナノチューブ電極のCV曲線を図7A〜図7Cに示す。図7A〜図7Cに示すように、この単層カーボンナノチューブ電極のCV曲線では、実施例5で得られた空気酸化処理後の単層カーボンナノチューブ(450℃で30分間空気酸化処理)のCV曲線と同様な結果が得られた。実施例5との相違点としては、0.6V→0.9Vおよび0.2V→0.0Vにおける電流値の上昇量が増加していた。また、図7Bに示すように、電位掃引速度が2000mV/sにおいても略長方形のCV曲線が確認された。
次に、実施例9で得られた硝酸還流処理1時間後の単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用して電気化学測定を行った。この単層カーボンナノチューブ電極のCV曲線を図8A〜図8Cに示す。図8Aに示すように、この単層カーボンナノチューブ電極のCV曲線では、実施例1で得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブと比べて、同じ電位掃引速度で得られる電流値が2倍程度に向上していた。しかし、電位掃引速度が100mV/s以下では、0.0V付近の電流値に特異的なピークが観察された。また、図8Bおよび図8Cに示すように、電位掃引速度が200mV/s以上の高い領域においては、この特異的なピークが消失していくことと、実施例1で得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブでは、このようなピークは観察されないことから、この特異的なピークはカルボキシル基やヒドロキシル基などの官能基に起因した反応であると考えられる。このような官能基に起因する反応の速度は、電気二重層の形成速度よりも遅いため、充放電速度が速い領域では、官能基による影響を期待することができない。また、CV曲線が長方形とは言い難い形状になっているが、電位掃引速度が2000mV/sからCV曲線が右肩上がりに歪んでおり、高レート特性に関しては、実施例1で得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブや、実施例5および8で得られた空気酸化処理4時間後の単層カーボンナノチューブよりも劣っている。
次に、実施例10で得られた硝酸還流処理後の単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用して電気化学測定を行った。この単層カーボンナノチューブ電極のCV曲線を図9A〜図9Cに示す。この単層カーボンナノチューブ電極のCV曲線では、実施例9で得られた硝酸還流処理1時間後の単層カーボンナノチューブのCV曲線と同様に、電位掃引速度が100mV/s以下では、0.0V付近に電流値の特異的なピークが現れた。また、電位掃引速度が2000mV/sにおけるCV曲線の歪みが、実施例9で得られた硝酸還流処理1時間後の単層カーボンナノチューブよりも大きくなっていることから、単層カーボンナノチューブがより多くの官能基で化学修節されており、硝酸還流時間を長くすることによって高レート特性が失われていく。
次に、実施例11で得られた硝酸還流処理8時間後の単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用して電気化学測定を行った。この単層カーボンナノチューブ電極のCV曲線を図10A〜図10Cに示す。図10Aに示すように、電位掃引速度が100mV/s以下のCV曲線に注目すると、実施例9で得られた硝酸還流処理1時間後の単層カーボンナノチューブや、実施例10で得られた硝酸還流処理4時間後の単層カーボンナノチューブよりも官能基による影響がより顕著に表れた。また、高速充放電域におけるCV曲線の歪みもより明確になり、官能基の量が多過ぎるのは高レート特性を維持するために有効ではないことが推察される。
(水系電気二重層キャパシタの単セルの静電容量)
次に、実施例1、5および8〜11で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルのCV曲線(図5A〜図10C)と、活性炭を分極性電気材料として使用した比較例1の水系電気二重層キャパシタの単セルのCV曲線(図4A〜図4C)とから、水系電気二重層キャパシタの単セルの比静電容量(重量で規格化された二重層容量)を算出した。算出された比静電容量と電位掃引速度の関係を図11に示す。
図11に示すように、電位掃引速度が10mV/sでは、活性炭を分極性電極材料として使用した比較例1の二重層容量が最も高かった。しかし、比較例1の場合、電位掃引速度の増大とともに二重層容量が著しく減少し、電位掃引速度が500mV/s以上の範囲では、二重層容量が実施例1、5および8〜11のいずれの二重層容量よりも低くなった。一方、実施例1、5および8〜11では、電位掃引速度が速い領域でも二重層容量の著しい低下が観察されず、優れたレート特性を有していた。また、実施例5および8や実施例9〜11のように、空気酸化処理や硝酸還流処理することによって、単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルの二重層容量が増大することが確認された。これらの実施例のうち、硝酸還流処理1時間後の単層カーボンナノチューブを使用した実施例9では、全領域において二重層容量が最も高かった。
また、高結晶性の単層カーボンナノチューブを使用した実施例1と、空気酸化処理した単層カーボンナノチューブを使用した実施例5および8では、硝酸還流処理した単層カーボンナノチューブを使用した実施例9〜11と比べて、電位掃引速度の増大に伴う二重層容量の減少の割合が少なかった。これは、硝酸還流処理した単層カーボンナノチューブを使用した実施例9〜11では、カルボキシル基などの官能基に起因する反応が二重層容量の発現に大きく関与しており、この反応速度が律速になっているからであると考えられる。
次に、実施例1、5および8〜11で得られた単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルのCV曲線(図5A〜図10C)と、活性炭を分極性電気材料として使用した比較例1の水系電気二重層キャパシタの単セルのCV曲線(図4A〜図4C)とから、出力密度とエネルギー密度を算出した。出力密度は、カソードスキャンにおける0.6V時点の電流値から算出した。また、エネルギー密度は、カソードスキャン時に電流値が0になる点を放電開始点とし、放電終了点を0.6Vとして算出した。なお、0.6Vを基準とした理由は、実施例1、5、8〜11および比較例1のいずれのCV曲線でも電流値に著しいピークが現れない領域で比較するためである。算出した出力密度とエネルギー密度の関係を図12に示す。また、比較例2として、市販の単層カーボンナノチューブ(SWeNT社製の95%単層カーボンナノチューブ)を分極性電極材料として使用した水系電気二重層キャパシタの単セルのCV曲線から算出した出力密度とエネルギー密度の関係も図12に示す。
図12に示すように、活性炭を分極性電気材料として使用した比較例1では、出力密度の増大とともにエネルギー密度が著しく減少した。一方、高結晶性の単層カーボンナノチューブを使用した実施例1の場合、出力密度1kW/kg以下では比較例1よりもエネルギー密度が低いものの、出力密度の増大によるエネルギー密度の低下は軽微であり、出力密度10kW/gあたりからエネルギー密度の減少が顕著になった。エネルギー密度を考慮しない場合、高結晶性の単層カーボンナノチューブを使用した実施例1では、最大出力密度が約30kW/gであることがわかった。また、実施例5および8や実施例9〜11のように、高結晶性の単層カーボンナノチューブに空気酸化処理や硝酸還流処理を施すことによって、エネルギー密度や出力密度の増大が可能であることがわかった。一方、実施例10および11のように、硝酸還流処理を4時間以上行うと最大出力密度が減少していく。これは、官能基を介する反応が内部抵抗として働き、大きな電流を流すことができなくなるからであると考えられる。また、実施例9〜11において硝酸還流処理を行った単層カーボンナノチューブのTEM写真から、硝酸還流処理時間の増大とともに単層カーボンナノチューブの結晶構造が乱れていくことが観察されており、単層カーボンナノチューブ本来の特性の消失も原因のひとつであることを示唆している。しかし、最も大きな出力密度を示したのは、硝酸還流1時間処理の単層カーボンナノチューブの実施例9の場合であったことから、硝酸による還流処理によって、高結晶性の単層カーボンナノチューブのキャパシタ特性を向上させることができることがわかる。この場合の最大出力密度は約40kW/gであった。なお、市販の単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として使用した比較例2では、硝酸還流時間が長過ぎて最大出力密度が最も減少した実施例11と同程度に最大出力密度が減少していた。
10 SUS製集電極
12 ブチルゴム製ガスケット
12a 貫通穴
14 多孔質セパレータ

Claims (9)

  1. アーク放電により単層カーボンナノチューブを含む煤を生成する工程と、生成した単層カーボンナノチューブを含む煤を精製する工程と、精製した単層カーボンナノチューブを含む煤を真空中で加熱して高結晶性の単層カーボンナノチューブを得る工程と、この高結晶性の単層カーボンナノチューブを大気中で加熱して燃焼酸化する工程と、この燃焼酸化後の単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として電解液とともにセパレータの両側に配置し、その両側に一対の集電極を配置して電気二重層キャパシタを組み立てる工程とを備えたことを特徴とする、電気二重層キャパシタの製造方法。
  2. 前記高結晶性の単層カーボンナノチューブを大気中で加熱する温度が300〜650℃であることを特徴とする、請求項1に記載の電気二重層キャパシタの製造方法。
  3. アーク放電により単層カーボンナノチューブを含む煤を生成する工程と、生成した単層カーボンナノチューブを含む煤を精製する工程と、精製した単層カーボンナノチューブを含む煤を真空中で加熱して高結晶性の単層カーボンナノチューブを得る工程と、この高結晶性の単層カーボンナノチューブを酸で還流処理する工程と、この還流処理後の単層カーボンナノチューブを分極性電極材料として電解液とともにセパレータの両側に配置し、その両側に一対の集電極を配置して電気二重層キャパシタを組み立てる工程とを備えたことを特徴とする、電気二重層キャパシタの製造方法。
  4. 前記還流処理に使用する酸が硝酸であることを特徴とする、請求項3に記載の電気二重層キャパシタの製造方法。
  5. 前記還流処理が1〜10時間行われることを特徴とする、請求項3または4に記載の電気二重層キャパシタの製造方法。
  6. 前記精製が、前記生成した単層カーボンナノチューブを含む煤を大気中で加熱して燃焼酸化した後に酸で処理することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の電気二重層キャパシタの製造方法。
  7. 前記真空中で加熱する温度が1000℃以上であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の電気二重層キャパシタの製造方法。
  8. セパレータとその両側に配置された一対の集電極の各々との間に分極性電極材料と電解液が充填された電気二重層キャパシタにおいて、分極性電極材料として、アーク放電により生成した単層カーボンナノチューブを含む煤を精製した後に真空中で加熱して得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブを大気中で加熱して燃焼酸化して得られた単層カーボンナノチューブを使用することを特徴とする、電気二重層キャパシタ。
  9. セパレータとその両側に配置された一対の集電極の各々との間に分極性電極材料と電解液が充填された電気二重層キャパシタにおいて、分極性電極材料として、アーク放電により生成した単層カーボンナノチューブを含む煤を精製した後に真空中で加熱して得られた高結晶性の単層カーボンナノチューブを酸で還流処理して得られた単層カーボンナノチューブを使用することを特徴とする、電気二重層キャパシタ。
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