JP2011082097A - 積層型電池及びその製造方法、並びに、電圧取り出し基板の取り付け方法 - Google Patents

積層型電池及びその製造方法、並びに、電圧取り出し基板の取り付け方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構造で電池内の各単電池の電圧を検出、容量調整することができるとともに、容易に電圧検出タブと電圧取り出し基板とを接続可能な積層型電池及びその製造方法、並びに、電圧取り出し基板の取り付け方法を提供する。
【解決手段】電圧検出タブ1aが突出している単電池要素が複数積層された積層体8と、前記電圧検出タブに接続される電圧取り出し基板20、30とを備え、電圧検出タブの突出位置に対応して、電圧取り出し基板の配線が位置決めされており、電圧検出タブが、積層体の積層方向視で互いに重なり合わないように、単電池要素からそれぞれ突出し、電圧検出タブと電圧取り出し基板とが圧着されている、積層型電池及びその製造方法、並びに、電圧取り出し基板の取り付け方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は積層型電池及びその製造方法、並びに、電圧取り出し基板の取り付け方法に関する。
単電池が複数積層されてなる積層型電池は、薄型化や軽量化が容易であるという利点を有する。特に、単電池の電極を、集電体の表裏に正極層と負極層とを設けたバイポーラ電極とすることにより、出力密度やエネルギー密度の向上が可能であり、放熱性にも優れる積層型電池とすることができる。また、積層型電池の電解質として固体電解質を用いた場合、電池内部からの液漏れや副生ガスの発生がないため、信頼性に優れ、シール部材を必要としない簡易な構造とすることができる。一方、バイポーラ電極が固体電解質層を介して複数積層された積層型電池は、単電池が直列に複数接続された状態となる。従って、各単電池の性能(容量や内部抵抗)にばらつきがある場合、充放電の繰り返しによって、各単電池の電圧のばらつきが大きくなるという問題が生じる。
この問題に対し、各単電池に端子を設け、当該端子間の電圧を検出することによって、各単電池が正常に機能しているか否かを監視する手法が採られてきた。例えば、特許文献1においては、バイポーラ電極の集電体の一部を絶縁処理することなく露出させ、当該露出部に電圧検出・容量調整用コネクタを接続することで、各単電池間の電圧を検出し、各電池の容量の調整を行っている。また、特許文献2、3には、単電池から端子が引き出され、且つ、当該端子が積層方向視で互いに重ならないように、単電池を積層した積層型電池が開示されている。
特許第4100188号公報 特開2008−108477号公報 特開2006−127857号公報
特許文献1に係るバイポーラ電池によれば、電池の構造を複雑にすることも、電池のシール性を損なうこともなく、電池内の各単電池の電圧を検出し、容量調整を行うことができる、とされている。しかしながら、特許文献1に係るバイポーラ電池では、コネクタの切り欠き部に対して、集電体(箔)一枚一枚を別個に位置合わせする必要があり、集電体とコネクタとの位置ずれが生じ易く、取り付けが容易でなかった。また、特許文献2に係る蓄電装置においては、端子とコネクタとの接続に導電性接着剤の塗布が必要となり、生産性に改善の余地があった。これら問題は、特許文献1〜3を組み合わせても解決できなかった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、簡易な構造で電池内の各単電池の電圧を検出、容量調整することができるとともに、容易に電圧検出端子と電圧取り出し基板(コネクタ)とを接続可能な積層型電池及びその製造方法、並びに、電圧取り出し基板の取り付け方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成をとる。すなわち、
第1の本発明は、電圧検出タブが突出している単電池要素が複数積層された積層体と、電圧検出タブに接続される電圧取り出し基板とを備え、電圧検出タブが、積層体の積層方向視で互いに重なり合わないように、単電池要素からそれぞれ突出し、電圧検出タブの突出位置に対応して、電圧取り出し基板の配線が位置決めされており、電圧検出タブと電圧取り出し基板とが圧着されている、積層型電池である。
第1の本発明、及び以下に示す本発明において、「単電池要素」とは、少なくとも電圧検出タブと集電体とを備え、当該集電体の一面或いは両面に任意に正極層、負極層、或いは固体電解質層が設けられたものをいい、例えば、単電池要素を複数積層した場合にバイポーラ電極が複数構成されるようなものを単電池要素とすることができる。また、「電圧検出タブが、積層体の積層方向視で重ならない」とは、例えば、単電池要素を上下方向に積層して積層体とした場合、上面視或いは下面視において、各電圧検出タブの突出方向が互いに重なっていないような形態をいう。また、「電圧検出タブと電圧取り出し基板とが圧着されている」とは、電圧検出タブと電圧取り出し基板とが互いに押圧されることによって固定されていることを意味する。
第1の本発明において、積層体が、集電体と、集電体の表裏に設けられた正極層及び負極層と、正極層又は負極層の集電体とは反対側に設けられた固体電解質層とを備えた単電池要素が積層されてなるものであり、集電体の一部が電圧検出タブとされていることが好ましい。バイポーラ電極と固体電解質層とが交互に積層された積層型電池により、出力密度、エネルギー密度の高い積層型電池とすることができ、且つ、電圧検出タブを集電体の一部とすることで、部材を別途用意する必要がなく、より効率的に製造可能な積層型電池とすることができるからである。
第1の本発明において、積層体の積層方向の少なくとも一側面において、電圧検出タブが積層方向と略直交する方向に並列するように積層体から複数突出していることが好ましい。電圧取り出し基板を取り付ける際、電圧検出タブを同時に圧着することがより容易となるからである。
第1の本発明及び以下に示す本発明において、「積層体の積層方向の少なくとも一側面」とは、積層体の積層方向に沿った側面のうち少なくとも一つの面を意味し、例えば、上下方向に略矩形状の単電池要素を積層し積層体とした場合、単電池要素の矩形の4辺により形成された、積層体の水平方向に直交する側面のうち少なくとも一側面を意味する。また、「積層体の積層方向の少なくとも一側面において、電圧検出タブが積層方向と略直交する方向に並列するように積層体から複数突出して」とは、例えば、上下方向に略矩形状の単電池要素を積層し積層体とした場合、積層体の積層方向に沿った側面において、電圧検出タブが略水平方向に横並びに並列して突出している状態を意味する。
第2の本発明は、電圧検出タブが突出している単電池要素を作製する、単電池要素作製工程、作製された単電池要素を積層方向視で電圧検出タブが重ならないように積層して、積層体とする、積層工程、及び、電圧検出タブの突出位置に対応して配線が予め位置決めされた電圧取り出し基板を、電圧検出タブに圧着する、電圧取り出し基板取り付け工程、を有する、積層型電池の製造方法である。
第2の本発明において、積層体が、集電体と、集電体の表裏に設けられた正極層及び負極層と、正極層又は負極層の集電体とは反対側に設けられた固体電解質層とを備えた単電池要素が積層されてなるものであり、集電体を切り欠いて電圧検出タブを作製することが好ましい。バイポーラ電極と固体電解質層とが交互に積層して積層型電池を製造することで、出力密度、エネルギー密度の高い積層型電池とすることができ、且つ、集電体を切り欠いて電圧検出タブを作製することで、電圧検出タブを集電体の一部とすることができ、部材を別途用意する必要がなく、より効率的に積層型電池を製造することができるからである。
第2の本発明において、積層体の積層方向の少なくとも一側面において、電圧検出タブが積層方向とは略直交する方向に並列して複数突出するように、単電池要素が積層されることが好ましい。電圧取り出し基板を取り付ける際、電圧検出タブを同時に圧着することがより容易となるからである。
第3の本発明は、電圧検出タブが突出している単電池要素を、積層方向視で電圧検出タブが重ならないように積層して積層体とし、電圧検出タブの突出位置に対応して配線が予め位置決めされている電圧取り出し基板を、電圧検出タブに圧着する、電圧取り出し基板の取り付け方法である。
第3の本発明において、積層体が、集電体と、集電体の表裏に設けられた正極層及び負極層と、正極層又は負極層の集電体とは反対側に設けられた固体電解質層とを備えた単電池要素が積層されてなるものであり、電圧検出タブが集電体を切り欠いて作製されたものであることが好ましい。バイポーラ電極と固体電解質層とが交互に積層した積層型電池を対象とすることで、出力密度、エネルギー密度の高い積層型電池とされ、集電体を切り欠いて電圧検出タブとされることで、電圧検出タブを集電体の一部とすることができ、部材を別途用意する必要がなく、且つ、簡易な構造とされ、電圧取り出し基板をより容易且つ強固に取り付けることができるからである。
第3の本発明において、積層体の積層方向の少なくとも一側面において、電圧検出タブが積層方向と略直交する方向に並列して複数突出するように、単電池要素が積層されることが好ましい。電圧取り出し基板を取り付ける際、電圧検出タブを同時に圧着することがより容易となるからである。
第1の本発明によれば、電圧検出タブが、積層体の積層方向視で重ならないように、単電池からそれぞれ突出し、且つ、電圧検出タブと配線位置が予め位置決めされた電圧取り出し基板とが圧着された形態とされるので、簡易な構造で電池内の各単電池の電圧を検出、容量調整することができるとともに、電圧検出タブと電圧取り出し基板との接続を容易と
することができる。
第2の本発明によれば、単電池要素作製工程の後、作製された単電池要素を積層方向視で電圧検出タブが重ならないように積層し、その後、配線位置が予め位置決めされた電圧取り出し基板が電圧検出タブに圧着されて積層型電池が製造されるので、複数の電圧検出タブと電圧取り出し基板とを同時に接続することができ、生産性に優れ、簡易な構造で電池内の各単電池の電圧を検出、容量調整することができる積層型電池を、効率的に製造することができる。
第3の本発明によれば、従来よりも容易に、電圧検出タブと電圧取り出し基板とを接続することができる。
実施形態に係る積層型電池を説明するための概略図である。 積層型電池の製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。 単電池要素の作製から電圧検出タブの作製までを説明するための概略図である。 積層体の作製を説明するための概略図である。 変形例に係る積層体を説明するための概略図である。 積層体のラミネート挿入、及び、電圧検出タブと電圧取り出し基板との接続を説明するための概略図である。 電圧取り出し基板に設けられた外部端子接続用ユニットを説明するための概略図である。 電圧取り出し基板と外部端子接続用ユニットとの接続形態について説明するための概略図である。 電圧取り出し基板と外部端子接続用ユニットとの接続形態について説明するための概略図である。 電圧取り出し基板の係合を説明するための概略図である。 変形例に係る積層型電池を説明するための概略図である。
以下、バイポーラ電極と固体電解質層とを交互に積層した積層型リチウム二次電池を例示して、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、当該形態に限定されるものではなく、種々の積層型電池に適用することができる。
図1は、第1実施形態に係る積層型電池100を概略的に示す図である。図1(A)は、側面から視た場合の積層型電池100の形態を示す概略図であり、図1(B)は、図1(A)に矢印IBで示される方向(すなわち積層方向)から視た場合の積層型電池100の形態を示す概略図である。図1(B)においては、説明のため、積層型電池100の内部部材について、点線で示している。
図1に示されるように、積層型電池100は、発電部である積層体8と外装体9とからなる電池部10を備えている。積層体8には、正極リード6及び負極リード7が設けられ、電池部10から電気エネルギーを取り出し可能とされている。また、積層体8の端部からは電圧検出タブ1a、1a、…が突出しており、ここに電圧取り出し基板20、30が接続されている。電圧取り出し基板20、30は電圧検出タブ1a、1a、…に圧着されている。また、電圧取り出し基板20、30には、外部端子接続用ユニット25、35がそれぞれ設けられており、これと電圧検出回路(不図示)とを接続することで、各単電池の電圧を検出・調整可能としている。
以下、積層型電池100の製造方法を説明しながら、積層型電池100の各構成について詳細に説明する。
図2は、積層型電池100の製造方法S100(以下、単に「製造方法S100」という。)を示すフローチャートである。図2に示されるように、製造方法S100は、集電体の一面側に正極層を設ける工程(工程S1)、集電体の正極層とは反対側に負極層を設ける工程(工程S2)、各層をプレスする工程(工程S3)、正極層上或いは負極層上に固体電解質層を設ける工程(工程S4)、さらにプレスする工程(工程S5)、集電体の一部を切り欠いて電圧検出タブ1aを作製する工程(工程S6)を備えている。工程S1〜S6により、単電池要素5(図3参照)が作製され、工程S1〜S6を繰り返すことにより、積層分の単電池要素5、5、…が作製される。製造方法S100においては、その後、複数の単電池要素5、5、…を積層し、積層体8とする工程(工程S7)、積層体8に正極リード6及び負極リード7を溶着する工程(工程S8)、積層体8を外装体9にラミネート挿入する工程(工程S9)、積層体8の電圧検出タブ1a、1a、…に電圧取り出し基板20、30を圧着する工程(工程S10)を経て、積層型電池100が製造される。以下、図2及びその他図面を適宜参照しつつ、製造方法S100に係る各工程について詳細に説明する。
(工程S1)
工程S1は、集電体に正極ペーストを塗布・乾燥し、集電体の一面に正極層を設ける工程である。集電体としては、バイポーラ電極に用いられる集電体であれば特に限定されるものではなく、例えば、金属箔等を用いることができる。具体的には、ステンレス鋼、Cu、Ni、V、Au、Pt、Al、Mg、Fe、Ti、Co、Zn等の金属箔、或いは、ポリアミド、ポリイミド、PET、PPS、ポリプロピレンなどのフィルムやガラス、シリコン板等の上にCu、Ni、V、Al、Pt、Au等の金属を蒸着したもの等を用いることができる。集電体の厚みや大きさは特に限定されるものではない。
正極ペーストや後述する負極ペーストには、活物質、導電助剤及び結着剤等が含まれている。積層型電池100がリチウム二次電池である場合、活物質としては、LiCoO、LiNiO、Li1+xNi1/3Mn1/3Co1/3、LiMn、Li1+xMn2−x−y(MはAl、Mg、Co、Fe、Ni、Znから選ばれる一種以上)で表される異種元素置換Li−Mnスピネル、LiTiO、LiMPO(MはFe、Mn、Co、Niのいずれか)、V、MoO、TiS、グラファイト、ハードカーボン等の炭素材料、LiCoN、LiSi、リチウム金属又はリチウム合金(LiM、MはSn、Si、Al、Ge、Sb、P等のいずれか)、リチウム貯蔵性金属間化合物(MgM、MはSn、Ge、Sbのいずれか、或いは、NSb、NはIn、Cu、Mnのいずれか)や、これらの誘導体等を用いることができる。ここで、正極活物質と負極活物質には明確な区別はなく、2種類の化合物の充放電電位を比較して貴な電位を示すものを正極に、卑な電位を示すものを負極に用いて、任意の電圧のリチウム二次電池を構成することができる。導電助剤としては、従来のものを特に限定されることなく用いることができ、例えば、アセチレンブラック等の炭素材料を用いることが好ましい。結着剤についても、従来のものを特に限定されることなく用いることができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂やスチレンブタジエンゴム等のゴム性状樹脂等を用いることが好ましい。
上記のような正極ペーストを、集電体上に塗布・乾燥することにより、集電体の一面に正極層を設けることができる。正極ペーストの塗布手段については特に限定されるものではなく、例えば、ドクターブレードを用いて塗布することができる。尚、工程S1においては、集電体の全面に正極層を形成するのではなく、集電体の略中央部に正極層を形成したうえで、それ以外は集電体が露出した状態とする。正極層の厚みについては、特に限定されるものではない。
(工程S2)
工程S2は、集電体の正極層とは反対側面に負極ペーストを塗布・乾燥して負極層を設ける工程である。負極ペーストには、上記の活物質、導電助剤、結着剤等が含まれている。負極ペーストの塗布手段についても特に限定されるものではなく、例えば、ドクターブレードを用いて塗布することができる。負極ペーストは、集電体の裏面側にある正極層と対応する位置に塗布・乾燥される。負極層の厚みについては特に限定されるものではない。
(工程S3)
工程S3は、集電体上に設けた各層をプレスして圧着する工程である。プレス条件としては、集電体上に各層が適切に圧着される条件であれば特に限定されるものではない。工程S3により、集電体と各層とがより強固に結着される。尚、工程S3は必ずしも必要ではない。
(工程S4)
工程S4は、正極層或いは負極層の上に固体電解質ペーストを塗布・乾燥して、固体電解質層を設ける工程である。固体電解質ペーストには、固体電解質と結着剤等が含まれている。積層型電池100がリチウム二次電池である場合、固体電解質としては、LiO−B−P、LiO−SiO、LiO−B−ZnO等の酸化物系非晶質固体電解質、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiS−B、LiPO−LiS−SiS、LiPO−LiS−SiS、LiPO−LiS−SiS,LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、LiS−P等の硫化物系非晶質固体電解質、或いは、LiI−LiI−Al、LiN、LiN−LiI−LiOH等や、Li1.3Al0.3Ti0.7(PO、Li1+x+yTi2−xSi3−y12(AはAl又はGa、0≦x≦0.4、0<y≦0.6)、[(B1/2Li1/21−z]TiO(BはLa、Pr、Nd、Smのいずれか、CはSr又はBa、0≦z≦0.5)、LiLaTa12、LiLaZr12、LiBaLaTa12、LiPO(4−3/2w)(w<1)、Li3.6Si0.60.4等の結晶質酸化物・酸窒化物を用いることができる。結着剤としては、上記と同様のものを用いることができる。
上記のような固体電解質ペーストを、正極層上或いは負極層上に塗布・乾燥することにより、固体電解質層を設けることができる。固体電解質ペーストの塗布手段については特に限定されるものではなく、例えば、ドクターブレードを用いて塗布することができる。尚、工程S4においては、正極層或いは負極層を覆うように固体電解質層を設ける。すなわち、電池積層時に、正極層と後述する負極層とが接触しないように、固体電解質層の塗布面積を、正極層或いは負極層の塗布面積よりも大きくする。固体電解質層の厚みについては特に限定されるものではない。
(工程S5)
工程S5は、正極層、負極層及び固体電解質層が設けられた集電体をさらにプレスし、圧着する工程である。プレス条件としては、集電体上に各層が適切に圧着される条件であれば特に限定されるものではない。工程S5により、集電体と各層とがより強固に結着される。
工程S1〜S5を経ることで、例えば、図3(A)、(B)に示されるような、一面に固体電解質層3を有するバイポーラ電極が作製される。図3(A)は、バイポーラ電極の断面を概略的に示す図であり、図3(B)は、図3(A)に矢印IIIBで示される方向から視た場合の概略図である。図3に示されるように、バイポーラ電極は、集電体1と、当該集電体の表裏に設けられた正極層2、負極層4とを備えており、正極層2の集電体1とは反対側には固体電解質層3が設けられている。
尚、各層の積層位置については、上記形態に限定されるものではない。集電体1の一面側に正極層2が設けられ、当該正極層2上に固体電解質層3が設けられ、当該固体電解質層3上に負極層4が設けられるような形態や、集電体1の一面側に正極層2が、他面側に負極層4が設けられ、当該負極層4の上に固体電解質層3が設けられるような形態であってもよい。また、正極層2と負極層4とを別々の集電体1、1上に設けてもよい。
(工程S6)
工程S6は、電圧検出タブ1aを作製する工程である。電圧検出タブ1aの作製方法については、特に限定されるものではない。例えば、図3(A)、(B)に示されるように、集電体1には、その他の層2、3及び4の外側に余剰部が存在しているので、当該余剰部の一部を切り欠くことで、図3(C)に示されるような電圧検出タブ1aを作製することができる。これにより、別途部材を用意することなく電圧検出タブ1aを作製することができる。図3(C)では1の単電池要素につき電圧検出タブ1aを2つ作製しているが、電圧検出タブ1aの数はこれに限定されるものではなく、1であってもよいし3以上であってもよい。電圧検出タブ1aの大きさは、単電池の電圧を適切に検出できるとともに、後述する電圧取り出し基板に適切に圧着することが可能な程度の大きさであれば、特に限定されるものではない。工程S6により、単電池要素5を作製することができる。
工程S1〜S6を繰り返すことにより、単電池要素5が複数作製される。尚、各単電池要素5、5、…の電圧検出タブ1a、1a、…は、図1(B)に示すように、積層体8とされた状態において、積層方向視で互いに重ならないように突出している。すなわち、単電池要素5の電圧検出タブ1a、1aは、その他の単電池要素5、5、…の電圧検出タブ1a、1a、…の突出位置を考慮しながら作製される。
(工程S7)
工程S7は、単電池要素5、5、…を積層する工程である。ただし、工程S7では、図4(A)に示されるように、積層方向両端が、負極層4が設けられず一面に正極層2及び固体電解質層3のみが設けられた集電体1(単電池要素5a)、及び、正極層2及び固体電解質層3が設けられず、一面に負極層4のみが設けられた集電体1(単電池要素5b)とされ、これら単電池要素5a、5bの間に複数の単電池要素5、5、…が積層される。このとき、上述のように電圧検出タブ1a、1a、…が、積層方向視で互いに重ならないように、複数の単電池要素5a、5、5、…、及び5bを積層する。例えば、図1(B)に示されるように、積層体8とされた状態において、各電圧検出タブ1a、1a、…の間に、積層方向視で所定の間隙が設けられるように、各単電池要素を積層する。積層手段としては、従来の積層型電池の積層手段と同様のものを用いることができる。積層の際は、各単電池要素の位置合わせのため、位置合わせ治具を用いることが好ましい。図4(A)においては、5枚の単電池要素5a、5、5、5、及び5bを積層しているが、単電池要素の数はこれに限定されるものではない。
(工程S8)
工程S8は、積層した単電池要素5a及び5bに、それぞれ正極リード6及び負極リード7を溶着する工程である。正極リード6及び負極リード7としては、積層型電池に用いられるものを特に限定されることなく用いることができる。工程S8を経ることで、図4(B)、(C)に示されるような積層体8が作製される。図4(B)は、積層方向視に係る積層体8の概略図であり、図4(C)は、積層体8を図4(B)にIVCで示される方向から見た場合の概略図である。図4(B)、(C)に示されるように、正極リード6及び負極リード7は、上記電圧検出タブ1a、1a、…が突出している辺とは異なる辺に溶着されている。
積層体8の形態は、上記形態に限定されるものではない。例えば、図5(A)〜(C)に示されるような積層体8a〜8cとしてもよい。すなわち、図5(A)に示すような、積層体8aの1辺のみから積層方向視で互いに重なり合わないように、電圧検出タブ1a、1a、…が取り出され、且つ、積層体8aの電圧検出タブ1a、1a、…が設けられる辺とは異なる辺に互いに対向するように正極リード6と負極リード7とが溶着された形態であってもよいし、図5(B)に示すような、積層体8bの1辺のみから積層方向視で互いに重なり合わないように、電圧検出タブ1a、1a、…が取り出され、且つ、積層体8aの電圧検出タブ1a、1a、…が設けられる辺とは異なる1辺に正極リード6及び負極リード7が並列するように溶着された形態であってもよいし、図5(C)に示すような、積層体8cの対向する2辺から積層方向視で互いに重なり合わないように、電圧検出タブ1a、1a、…が取り出され、且つ、積層体8aの電圧検出タブ1a、1a、…が設けられる辺とは異なる辺に互いに対向するように正極リード6や負極リード7が溶着された形態であってもよい。
(工程S9)
工程S9は、図6(A)に示されるように、積層体8の正極リード6、負極リード7及び電圧検出タブ1a、1a、…が外装体9から突出するように、積層体8を外装体9にラミネート挿入し、電池部10とする工程である。外装体9の材質は特に限定されるものではないが、ラミネート挿入が容易であり、後述する電圧取り出し基板20、30に強固に挟みこませることができる観点から、複数の樹脂層の間にアルミニウム層を介在させてなるアルミニウムラミネートフィルムとすることが好ましい。例えば、ナイロンからなる保護層/アルミニウム層/PPからなる熱融着層の3層からなるフィルムが適用できる。正極リード6、負極リード7及び電圧検出タブ1a、1a、…の外装体9からの突出長さについては、電池部10から適切に電気エネルギーが取り出し可能とされるとともに、電池部10内の各単電池の電圧を検出・調整可能とされる程度であれば特に限定されるものではない。
(工程S10)
工程S10は、積層体8及び外装体9から突出した電圧検出タブ1a、1a、…に電圧取り出し基板20、30を圧着して取り付け、積層型電池100とする工程である。以下、電圧取り出し基板20の電圧検出タブ1a、1a、…への取り付け・配線形態について説明する。電圧取り出し基板30については、電圧取り出し基板20と同様とすることができる。
例えば、図1(A)や図6(B)に示すように、電圧取り出し基板20を、配線が電圧検出タブ1a、1a、…の突出位置に予め位置決めされている電圧取り出し基板(上側電圧取り出し基板20a)と、これと対応する下側電圧取り出し基板20bからなるものとし、当該2枚の電圧取り出し基板20a、20bによって電圧検出タブ1a、1a、…を挟みこんで互いに圧着させることで、電圧取り出し基板20を電圧検出タブ1a、1a、…に適切に取り付けることができる。或いは、図6(C)に示すように、基板上側部20a’及び基板下側部20b’を備える1枚の電圧取り出し基板20を用いて、当該基板上側部20a’と基板下側部20b’との間に形成された間隙に電圧検出タブ1a、1a、…を挿入して挟みこみ、電圧検出タブ1a、1a、…の突出位置に予め位置決めされて、基板上側部20a’の内側に設けられた配線端子21、21、…と、電圧検出タブ1a、1a、…とを接続することによっても、電圧取り出し基板20を電圧検出タブ1a、1a、…に適切に取り付けることができる。このように、電圧検出タブ1a、1a、…を電圧取り出し基板20に挟みこませるようにして互いに圧着することで、電圧取り出し基板20を電圧検出タブ1a、1a、…に容易に取り付けることができる。また、上述のように、電圧検出タブ1a、1a、…の突出位置が積層体8の積層方向視で互いに重なり合わないような形態とされているので、電圧取り出し基板20の配線(又は端子21、21、…)を、電圧検出タブ1a、1a、…の突出位置に予め位置決めしておくことで、電圧取り出し基板20に電圧検出タブ1a、1a、…を同時に挟みこみながら、電圧取り出し基板20の配線と各電圧検出タブ1a、1a、…とを適切に結線することができ、積層型電池100をより容易に製造することができる。尚、電圧取り出し基板20により電圧検出タブ1a、1a、…を挟みこむ際は、電池部10の外装体9ごと挟みこんでもよい。このようにすれば、電圧取り出し基板20をより安定的に電圧検出タブ1a、1a、…(電池部10)に取り付けることができる。
電圧取り出し基板20としては、絶縁体表面或いは絶縁体内部にワイヤーハーネスが施された基板を用いることができ、プリント基板やPP基板等とすることができる。
一方、図7(A)、(B)に示すように、電圧取り出し基板20には、ワイヤーハーネス20e、20e、…に接続されるように、外部端子接続用ユニット25が組み込まれている。以下、電圧取り出し基板20と外部端子接続用ユニット25との接続形態について説明する。
図7(A)に示されるように、電圧取り出し基板20の電池部10が設けられる側とは反対側の端部には、凹部が設けられており、当該凹部に外部端子接続用ユニット25が嵌め込まれている。一方、図7(B)に示されるように、外部端子接続用ユニット25の内部には、配線25b、25b、…が設けられ、これと電圧取り出し基板20のワイヤーハーネス20e、20e、…とが結線されている。配線25b、25b、…とワイヤーハーネス20e、20e、…との結線方法については、特に限定されるものではないが、例えばはんだ付けにより結線することができる。また、配線25b、25b、…は、外部端子25a、25a、…に接続されており、これにより積層型電池100の内部の単電池の各電圧が検出・調整され得る形態とされている。
電圧取り出し基板20と外部端子接続用ユニットとの接続については、上記形態に限定されるものではない。図8(A)〜(C)に、変形例に係る電圧取り出し基板20及び外部端子接続用ユニット125の接続形態を示す。図8(A)に示すように、外部端子接続用ユニット125の一側面には断面略コ字状の挿入部が形成されており、当該コ字状の挿入部の内側には、接続端子126、126、…が設けられている。そして、接続端子126、126、…とコ字状の挿入部とによって挟持されるように、電圧取り出し基板20が挿入部に挿入・固定されている。このとき、電圧取り出し基板20のワイヤーハーネス20e、20e、…は、接続端子126、126、…と接触しており、電圧取り出し基板20と外部端子接続用ユニット125とが電気的に接続可能されている。
この場合におけるワイヤーハーネス20eの外部端子接続用ユニット125側の端部形状は、接続端子126と適切に接続可能な形態であれば特に限定されるものではないが、例えば、図8(B)に示されるような、略矩形状に形成された端部形状とすることができる。一方、接続端子126については、例えば、図8(C)に示されるような、略平板の一部に凹部が形成された凹型端部を有する接続端子126aや、端部がバネ形状とされた接続端子126bや、凸型端部を有する接続端子126cとすることができる。
電圧取り出し基板20と外部端子接続用ユニットとの接続形態については、上記形態の他、図9に示されるような形態とすることもできる。すなわち、電圧取り出し基板20を上側電圧取り出し基板20a及び下側電圧取り出し基板20bからなるものとし、ワイヤーハーネス側基板(図9では、上側電圧取り出し基板20a)に設けられたコ字状凹部に外部端子接続用ユニット175を嵌め込み、ネジ等の固定部材150を用いて電圧取り出し基板20aと外部端子接続用ユニット175とを固定・接続することができる。尚、図9においては、上側電圧取り出し基板20aと下側電圧取り出し基板20bとの接続時、接続面が略面一となるように、下側電圧取り出し基板20bの一部に凹部20fを設け、固定部材150の一部が基板20a、20bの固定に干渉しないようにしている。
電圧取り出し基板20を、上側電圧取り出し基板20a及び下側電圧取り出し基板20bからなるものとする場合、当該2枚の基板20a、20bを互いに固定する必要がある。固定方法については特に限定されるものではないが、例えば、図10(A)に示すように、基板20a及び20bの端部に、鉤状の係合部及び被係合部(図10(A)中の点線に囲まれた部分)を設けることにより、基板20aと20bとを互いに引っ掛けるように容易に固定することができる。また、大型電源に適用する場合等、用途によっては積層型電池100を複数設置する必要が生じる。このような場合、例えば、図10(B)に示すように、基板20a及び20bの互いに対応する位置に接続ピン20c及び被接続孔20dを設けることで、電圧取り出し基板20、20、…を同一の積層方向に連続して固定することができ、積層型電池100、100、…の複数設置が容易となるとともに、省スペース化が可能となる。
上記説明では、電池部10の1辺に電圧取り出し基板20が、他の1辺に電圧取り出し基板30が別個独立して取り付けられる形態について説明したが、電圧取り出し基板の取り付け形態はこれに限定されるものではない。例えば、図11に示すように、正極側バスバー210及び負極側バスバー220を備えた電圧取り出し基板250を用いて、電池部10の外縁(4辺全周)を覆うように、電圧取り出し基板250を電圧検出タブ1a、1a、…に取り付けても良い。これにより、電圧取り出し基板250が電圧検出タブ1a、1a、…(電池部10)に、より強固に取り付けられるとともに、耐震性等に優れる積層型電池200とすることができる。
以上、積層型電池100又は積層型電池200によれば、電圧検出タブ1a、1a、…を有する単電池要素5a、5、5、…、5bが複数積層された積層体8と、電圧検出タブ1a、1a、…に接続される、配線位置が予め位置決めされた電圧取り出し基板20、30とが備えられ、電圧検出タブ1a、1a、…が、積層体8の積層方向視で互いに重なり合わないように、単電池要素5a、5、5、…、5bからそれぞれ突出し、且つ、電圧検出タブ1a、1a、…と電圧取り出し基板20、30とが圧着されている形態とされるので、簡易な構造で電池内の各単電池の電圧を検出、容量調整することができるとともに、電圧検出タブ1a、1a、…と電圧取り出し基板20、30との接続が容易である。
また、製造方法S100によれば、電圧検出タブ1a、1a、…が突出している単電池要素5a、5、5、…、5bを作製し、作製された単電池要素5a、5、5、…、5bを積層方向視で電圧検出タブ1a、1a、…が重ならないように積層して、積層体8が作製され、その後、電圧検出タブ1a、1a、…に配線位置が予め位置決めされた電圧取り出し基板20、30が圧着されるので、複数の電圧検出タブ1a、1a、…と電圧取り出し基板20、30とを同時に接続することができ、生産性に優れ、簡易な構造で電池内の各単電池の電圧を検出、容量調整することができる積層型電池100、200を、効率的に製造することができる。
また、上記のように、電圧検出タブ1a、1a、…が突出している単電池要素を、積層方向視で電圧検出タブ1a、1a、…が重ならないように積層して積層体8とし、電圧検出タブ1a、1a、…に電圧取り出し基板20、30を圧着することで、従来よりも容易に、電圧検出タブ1a、1a、…と電圧取り出し基板20、30とを接続することができる。
実施例により、本発明に係る積層型電池をさらに詳しく説明する。積層型電池を以下のように作製した。
(正極ペーストの作製)
正極活物質としてLiCoO、固体電解質としてLiS−P、導電助剤としてアセチレンブラック、及び結着剤としてSBRを用い、これらを質量基準で45:45:7:3となるように乾式混合した。その後、固形分率が50%となるように、溶媒としてヘプタンを用いて湿式混練し、正極ペーストを作製した。
(正極層の形成)
正極ペーストを、70mm×120mm、厚さ15μmのSUS箔上にドクターブレードによって塗布した。塗布の際、SUS箔の上下と片側に1mm、もう片側に60mmの未塗工部を設け、塗布面積を50mm×50mmとした。塗布後、80℃で乾燥し、SUS箔上に正極層を形成した。
(固体電解質ペーストの作製)
固体電解質としてLiS−P及び結着剤としてSBRを用い、これらを質量基準で95:5となるように乾式混合し、その後、固形分率が50%となるように、ヘプタンを用いて湿式混練し、固体電解質ペーストを作製した。
(固体電解質層の形成)
固体電解質ペーストを上記正極層上にドクターブレードで塗布した。塗布面積は正極層から上下左右に5mmずつはみ出すように60mm×60mmとした。塗布後、80℃で乾燥させ、正極層上に固体電解質層を形成した。
(プレス工程)
SUS箔上の正極層と固体電解質層とを1ton/cmで一括プレスした。プレス後の膜厚は正極層が60μm、固体電解質層が30μmであった。
(負極ペーストの作製)
負極活物質としてLiTi12、固体電解質としてLiS−P、導電助剤としてアセチレンブラック、及び結着剤としてSBRを用い、これらを質量基準で45:45:7:3となるように乾式混合した。その後、固形分率が50%となるように、ヘプタンを用いて湿式混練し、負極ペーストを作製した。
(負極層の形成)
負極ペーストをSUS箔の正極層、固体電解質層とは反対側にドクターブレードで塗布した。負極層はSUS箔の正極層と対応する位置に設け、塗布面積を50mm×50mmとした。塗布後、80℃で乾燥し、SUS箔上に負極層を形成した。
(プレス工程)
SUS箔上の負極層を1ton/cmでプレスした。プレス後の負極層の膜厚は70μmであった。
(電圧検出タブの作製)
上記のように作製したバイポーラ電極を複数用意し、電圧検出タブを残した状態にSUS箔をスリットした。このとき、バイポーラ電極を5層積層した場合に、電圧検出タブの突出位置が積層方向視で重なり合わないように、SUS箔の1辺(70mm辺)において、10mm幅のタブが5mm間隔で5本突出するような構造とした。
(積層工程)
積層用の位置合わせ治具を用いて、バイポーラ電極を5枚積層し、積層バイポーラ電極を作製した。尚、最外層側に電極層を有さないものとした。5枚のバイポーラ電極により4対のバイポーラ電池とした。また、上述のように電圧検出タブの突出位置が積層方向視で互いに重なり合わないように、積層バイポーラ電極の同じ辺から並列するように電圧検出タブを突出させた。
(正極リード、負極リードの溶着)
最外層に正極リード、負極リードを溶着により取り付け積層体とした。このとき、正極リード及び負極リードは、積層バイポーラ電極の、電圧検出タブが突出している辺とは異なる辺に取り付けた。
(ラミネート挿入)
上記のように作製した積層体を外装体にラミネート挿入し、覆った。電圧検出タブは、外装体の外部に突出するようにした。
(電圧取り出し基板の取り付け)
電圧取り出し基板を2枚用いて挟みこむことで、電圧検出タブと電圧取り出し基板との配線を行った。このとき、電圧取り出し基板として、予め配線が施されたプリント配線基板を用いた。また、電圧取り出し基板は、外装体の一部を挟みこむ構造とした。
(外部端子接続ユニットの組み込み)
外部端子接続ユニットを配線取り出し基板に組み込み、外部端子に配線を取り出した。外部端子接続用ユニットの結線部は、配線の一部が電圧取り出し基板側に突出している構造とし、電圧取り出し基板の配線と外部端子接続用ユニットの配線とをはんだ付けにより結線した。
このようにして作製された積層型電池は、内部の単電池それぞれについて、適切に電圧の検出・調整が可能であった。また、電圧検出タブと電圧取り出し基板との接続が容易であり、従来よりも効率的に積層型電池を作製することができた。
以上、現時点において、最も実践的であり、且つ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う積層型電池及びその製造方法、並びに、電圧取り出し基板の取り付け方法もまた本発明の技術範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明は、携帯機器、電気自動車、ハイブリッド車等の電源として好適に用いることができる。
1 集電体
1a 電圧検出タブ
2 正極層
3 固体電解質層
4 負極層
5 単電池要素
6 正極リード
7 負極リード
8 積層体
9 外装体
10 電池部
20 電圧取り出し基板
25 外部端子接続用ユニット
30 電圧取り出し基板
35 外部端子接続用ユニット
100 積層型電池
200 積層型電池

Claims (9)

  1. 電圧検出タブが突出している単電池要素が複数積層された積層体と、前記電圧検出タブに接続される電圧取り出し基板とを備え、
    前記電圧検出タブが、前記積層体の積層方向視で互いに重なり合わないように、前記単電池要素からそれぞれ突出し、
    前記電圧検出タブの突出位置に対応して、前記電圧取り出し基板の配線が位置決めされており、
    前記電圧検出タブと前記電圧取り出し基板とが圧着されている、積層型電池。
  2. 前記積層体が、集電体と、該集電体の表裏に設けられた正極層及び負極層と、該正極層又は該負極層の前記集電体とは反対側に設けられた固体電解質層とを備えた前記単電池要素が積層されてなるものであり、前記集電体の一部が前記電圧検出タブとされている、請求項1に記載の積層型電池。
  3. 前記積層体の積層方向の少なくとも一側面において、前記電圧検出タブが、前記積層方向と略直交する方向に並列するように、前記積層体から複数突出している、請求項1又は2に記載の積層型電池。
  4. 電圧検出タブが突出している単電池要素を作製する、単電池要素作製工程、
    作製された前記単電池要素を積層方向視で前記電圧検出タブが重ならないように積層して、積層体とする、積層工程、及び、
    前記電圧検出タブの突出位置に対応して配線が予め位置決めされた電圧取り出し基板を、前記電圧検出タブに圧着する、電圧取り出し基板取り付け工程、を有する、積層型電池の製造方法。
  5. 前記積層体が、集電体と、該集電体の表裏に設けられた正極層及び負極層と、該正極層又は該負極層の前記集電体とは反対側に設けられた固体電解質層とを備えた前記単電池要素が積層されてなるものであり、前記集電体を切り欠いて前記電圧検出タブを作製する、請求項4に記載の積層型電池の製造方法。
  6. 前記積層体の積層方向の少なくとも一側面において、前記電圧検出タブが前記積層方向と略直交する方向に並列して複数突出するように、前記単電池要素が積層される、請求項4又は5に記載の積層型電池の製造方法。
  7. 電圧検出タブが突出している単電池要素を、積層方向視で前記電圧検出タブが重ならないように積層して積層体とし、前記電圧検出タブの突出位置に対応して配線が予め位置決めされている電圧取り出し基板を、前記電圧検出タブに圧着する、電圧取り出し基板の取り付け方法。
  8. 前記積層体が、集電体と、該集電体の表裏に設けられた正極層及び負極層と、該正極層又は該負極層の前記集電体とは反対側に設けられた固体電解質層とを備えた前記単電池要素が積層されてなるものであり、前記電圧検出タブが、前記集電体を切り欠いて作製されたものである、請求項7に記載の電圧取り出し基板の取り付け方法。
  9. 前記積層体の積層方向の少なくとも一側面において、前記電圧検出タブが前記積層方向と略直交する方向に並列して複数突出するように、前記単電池要素が積層される、請求項7又は8に記載の電圧取り出し基板の取り付け方法。
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