JP2011082097A - 積層型電池及びその製造方法、並びに、電圧取り出し基板の取り付け方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電圧検出タブ1aが突出している単電池要素が複数積層された積層体8と、前記電圧検出タブに接続される電圧取り出し基板20、30とを備え、電圧検出タブの突出位置に対応して、電圧取り出し基板の配線が位置決めされており、電圧検出タブが、積層体の積層方向視で互いに重なり合わないように、単電池要素からそれぞれ突出し、電圧検出タブと電圧取り出し基板とが圧着されている、積層型電池及びその製造方法、並びに、電圧取り出し基板の取り付け方法とする。
【選択図】図1
Description
第1の本発明は、電圧検出タブが突出している単電池要素が複数積層された積層体と、電圧検出タブに接続される電圧取り出し基板とを備え、電圧検出タブが、積層体の積層方向視で互いに重なり合わないように、単電池要素からそれぞれ突出し、電圧検出タブの突出位置に対応して、電圧取り出し基板の配線が位置決めされており、電圧検出タブと電圧取り出し基板とが圧着されている、積層型電池である。
することができる。
工程S1は、集電体に正極ペーストを塗布・乾燥し、集電体の一面に正極層を設ける工程である。集電体としては、バイポーラ電極に用いられる集電体であれば特に限定されるものではなく、例えば、金属箔等を用いることができる。具体的には、ステンレス鋼、Cu、Ni、V、Au、Pt、Al、Mg、Fe、Ti、Co、Zn等の金属箔、或いは、ポリアミド、ポリイミド、PET、PPS、ポリプロピレンなどのフィルムやガラス、シリコン板等の上にCu、Ni、V、Al、Pt、Au等の金属を蒸着したもの等を用いることができる。集電体の厚みや大きさは特に限定されるものではない。
工程S2は、集電体の正極層とは反対側面に負極ペーストを塗布・乾燥して負極層を設ける工程である。負極ペーストには、上記の活物質、導電助剤、結着剤等が含まれている。負極ペーストの塗布手段についても特に限定されるものではなく、例えば、ドクターブレードを用いて塗布することができる。負極ペーストは、集電体の裏面側にある正極層と対応する位置に塗布・乾燥される。負極層の厚みについては特に限定されるものではない。
工程S3は、集電体上に設けた各層をプレスして圧着する工程である。プレス条件としては、集電体上に各層が適切に圧着される条件であれば特に限定されるものではない。工程S3により、集電体と各層とがより強固に結着される。尚、工程S3は必ずしも必要ではない。
工程S4は、正極層或いは負極層の上に固体電解質ペーストを塗布・乾燥して、固体電解質層を設ける工程である。固体電解質ペーストには、固体電解質と結着剤等が含まれている。積層型電池100がリチウム二次電池である場合、固体電解質としては、Li2O−B2O3−P2O5、Li2O−SiO2、Li2O−B2O3−ZnO等の酸化物系非晶質固体電解質、Li2S−SiS2、LiI−Li2S−SiS2、LiI−Li2S−P2S5、LiI−Li2S−B2S3、Li3PO4−Li2S−Si2S、Li3PO4−Li2S−SiS2、LiPO4−Li2S−SiS,LiI−Li2S−P2O5、LiI−Li3PO4−P2S5、Li2S−P2S5等の硫化物系非晶質固体電解質、或いは、LiI−LiI−Al2O3、Li3N、Li3N−LiI−LiOH等や、Li1.3Al0.3Ti0.7(PO4)3、Li1+x+yAxTi2−xSiyP3−yO12(AはAl又はGa、0≦x≦0.4、0<y≦0.6)、[(B1/2Li1/2)1−zCz]TiO3(BはLa、Pr、Nd、Smのいずれか、CはSr又はBa、0≦z≦0.5)、Li5La3Ta2O12、Li7La3Zr2O12、Li6BaLa2Ta2O12、Li3PO(4−3/2w)Nw(w<1)、Li3.6Si0.6P0.4O4等の結晶質酸化物・酸窒化物を用いることができる。結着剤としては、上記と同様のものを用いることができる。
工程S5は、正極層、負極層及び固体電解質層が設けられた集電体をさらにプレスし、圧着する工程である。プレス条件としては、集電体上に各層が適切に圧着される条件であれば特に限定されるものではない。工程S5により、集電体と各層とがより強固に結着される。
工程S6は、電圧検出タブ1aを作製する工程である。電圧検出タブ1aの作製方法については、特に限定されるものではない。例えば、図3(A)、(B)に示されるように、集電体1には、その他の層2、3及び4の外側に余剰部が存在しているので、当該余剰部の一部を切り欠くことで、図3(C)に示されるような電圧検出タブ1aを作製することができる。これにより、別途部材を用意することなく電圧検出タブ1aを作製することができる。図3(C)では1の単電池要素につき電圧検出タブ1aを2つ作製しているが、電圧検出タブ1aの数はこれに限定されるものではなく、1であってもよいし3以上であってもよい。電圧検出タブ1aの大きさは、単電池の電圧を適切に検出できるとともに、後述する電圧取り出し基板に適切に圧着することが可能な程度の大きさであれば、特に限定されるものではない。工程S6により、単電池要素5を作製することができる。
工程S7は、単電池要素5、5、…を積層する工程である。ただし、工程S7では、図4(A)に示されるように、積層方向両端が、負極層4が設けられず一面に正極層2及び固体電解質層3のみが設けられた集電体1(単電池要素5a)、及び、正極層2及び固体電解質層3が設けられず、一面に負極層4のみが設けられた集電体1(単電池要素5b)とされ、これら単電池要素5a、5bの間に複数の単電池要素5、5、…が積層される。このとき、上述のように電圧検出タブ1a、1a、…が、積層方向視で互いに重ならないように、複数の単電池要素5a、5、5、…、及び5bを積層する。例えば、図1(B)に示されるように、積層体8とされた状態において、各電圧検出タブ1a、1a、…の間に、積層方向視で所定の間隙が設けられるように、各単電池要素を積層する。積層手段としては、従来の積層型電池の積層手段と同様のものを用いることができる。積層の際は、各単電池要素の位置合わせのため、位置合わせ治具を用いることが好ましい。図4(A)においては、5枚の単電池要素5a、5、5、5、及び5bを積層しているが、単電池要素の数はこれに限定されるものではない。
工程S8は、積層した単電池要素5a及び5bに、それぞれ正極リード6及び負極リード7を溶着する工程である。正極リード6及び負極リード7としては、積層型電池に用いられるものを特に限定されることなく用いることができる。工程S8を経ることで、図4(B)、(C)に示されるような積層体8が作製される。図4(B)は、積層方向視に係る積層体8の概略図であり、図4(C)は、積層体8を図4(B)にIVCで示される方向から見た場合の概略図である。図4(B)、(C)に示されるように、正極リード6及び負極リード7は、上記電圧検出タブ1a、1a、…が突出している辺とは異なる辺に溶着されている。
工程S9は、図6(A)に示されるように、積層体8の正極リード6、負極リード7及び電圧検出タブ1a、1a、…が外装体9から突出するように、積層体8を外装体9にラミネート挿入し、電池部10とする工程である。外装体9の材質は特に限定されるものではないが、ラミネート挿入が容易であり、後述する電圧取り出し基板20、30に強固に挟みこませることができる観点から、複数の樹脂層の間にアルミニウム層を介在させてなるアルミニウムラミネートフィルムとすることが好ましい。例えば、ナイロンからなる保護層/アルミニウム層/PPからなる熱融着層の3層からなるフィルムが適用できる。正極リード6、負極リード7及び電圧検出タブ1a、1a、…の外装体9からの突出長さについては、電池部10から適切に電気エネルギーが取り出し可能とされるとともに、電池部10内の各単電池の電圧を検出・調整可能とされる程度であれば特に限定されるものではない。
工程S10は、積層体8及び外装体9から突出した電圧検出タブ1a、1a、…に電圧取り出し基板20、30を圧着して取り付け、積層型電池100とする工程である。以下、電圧取り出し基板20の電圧検出タブ1a、1a、…への取り付け・配線形態について説明する。電圧取り出し基板30については、電圧取り出し基板20と同様とすることができる。
正極活物質としてLiCoO2、固体電解質としてLi2S−P2S5、導電助剤としてアセチレンブラック、及び結着剤としてSBRを用い、これらを質量基準で45:45:7:3となるように乾式混合した。その後、固形分率が50%となるように、溶媒としてヘプタンを用いて湿式混練し、正極ペーストを作製した。
正極ペーストを、70mm×120mm、厚さ15μmのSUS箔上にドクターブレードによって塗布した。塗布の際、SUS箔の上下と片側に1mm、もう片側に60mmの未塗工部を設け、塗布面積を50mm×50mmとした。塗布後、80℃で乾燥し、SUS箔上に正極層を形成した。
固体電解質としてLi2S−P2S5及び結着剤としてSBRを用い、これらを質量基準で95:5となるように乾式混合し、その後、固形分率が50%となるように、ヘプタンを用いて湿式混練し、固体電解質ペーストを作製した。
固体電解質ペーストを上記正極層上にドクターブレードで塗布した。塗布面積は正極層から上下左右に5mmずつはみ出すように60mm×60mmとした。塗布後、80℃で乾燥させ、正極層上に固体電解質層を形成した。
SUS箔上の正極層と固体電解質層とを1ton/cm2で一括プレスした。プレス後の膜厚は正極層が60μm、固体電解質層が30μmであった。
負極活物質としてLi4Ti5O12、固体電解質としてLi2S−P2S5、導電助剤としてアセチレンブラック、及び結着剤としてSBRを用い、これらを質量基準で45:45:7:3となるように乾式混合した。その後、固形分率が50%となるように、ヘプタンを用いて湿式混練し、負極ペーストを作製した。
負極ペーストをSUS箔の正極層、固体電解質層とは反対側にドクターブレードで塗布した。負極層はSUS箔の正極層と対応する位置に設け、塗布面積を50mm×50mmとした。塗布後、80℃で乾燥し、SUS箔上に負極層を形成した。
SUS箔上の負極層を1ton/cm2でプレスした。プレス後の負極層の膜厚は70μmであった。
上記のように作製したバイポーラ電極を複数用意し、電圧検出タブを残した状態にSUS箔をスリットした。このとき、バイポーラ電極を5層積層した場合に、電圧検出タブの突出位置が積層方向視で重なり合わないように、SUS箔の1辺(70mm辺)において、10mm幅のタブが5mm間隔で5本突出するような構造とした。
積層用の位置合わせ治具を用いて、バイポーラ電極を5枚積層し、積層バイポーラ電極を作製した。尚、最外層側に電極層を有さないものとした。5枚のバイポーラ電極により4対のバイポーラ電池とした。また、上述のように電圧検出タブの突出位置が積層方向視で互いに重なり合わないように、積層バイポーラ電極の同じ辺から並列するように電圧検出タブを突出させた。
最外層に正極リード、負極リードを溶着により取り付け積層体とした。このとき、正極リード及び負極リードは、積層バイポーラ電極の、電圧検出タブが突出している辺とは異なる辺に取り付けた。
上記のように作製した積層体を外装体にラミネート挿入し、覆った。電圧検出タブは、外装体の外部に突出するようにした。
電圧取り出し基板を2枚用いて挟みこむことで、電圧検出タブと電圧取り出し基板との配線を行った。このとき、電圧取り出し基板として、予め配線が施されたプリント配線基板を用いた。また、電圧取り出し基板は、外装体の一部を挟みこむ構造とした。
外部端子接続ユニットを配線取り出し基板に組み込み、外部端子に配線を取り出した。外部端子接続用ユニットの結線部は、配線の一部が電圧取り出し基板側に突出している構造とし、電圧取り出し基板の配線と外部端子接続用ユニットの配線とをはんだ付けにより結線した。
1a 電圧検出タブ
2 正極層
3 固体電解質層
4 負極層
5 単電池要素
6 正極リード
7 負極リード
8 積層体
9 外装体
10 電池部
20 電圧取り出し基板
25 外部端子接続用ユニット
30 電圧取り出し基板
35 外部端子接続用ユニット
100 積層型電池
200 積層型電池
Claims (9)
- 電圧検出タブが突出している単電池要素が複数積層された積層体と、前記電圧検出タブに接続される電圧取り出し基板とを備え、
前記電圧検出タブが、前記積層体の積層方向視で互いに重なり合わないように、前記単電池要素からそれぞれ突出し、
前記電圧検出タブの突出位置に対応して、前記電圧取り出し基板の配線が位置決めされており、
前記電圧検出タブと前記電圧取り出し基板とが圧着されている、積層型電池。 - 前記積層体が、集電体と、該集電体の表裏に設けられた正極層及び負極層と、該正極層又は該負極層の前記集電体とは反対側に設けられた固体電解質層とを備えた前記単電池要素が積層されてなるものであり、前記集電体の一部が前記電圧検出タブとされている、請求項1に記載の積層型電池。
- 前記積層体の積層方向の少なくとも一側面において、前記電圧検出タブが、前記積層方向と略直交する方向に並列するように、前記積層体から複数突出している、請求項1又は2に記載の積層型電池。
- 電圧検出タブが突出している単電池要素を作製する、単電池要素作製工程、
作製された前記単電池要素を積層方向視で前記電圧検出タブが重ならないように積層して、積層体とする、積層工程、及び、
前記電圧検出タブの突出位置に対応して配線が予め位置決めされた電圧取り出し基板を、前記電圧検出タブに圧着する、電圧取り出し基板取り付け工程、を有する、積層型電池の製造方法。 - 前記積層体が、集電体と、該集電体の表裏に設けられた正極層及び負極層と、該正極層又は該負極層の前記集電体とは反対側に設けられた固体電解質層とを備えた前記単電池要素が積層されてなるものであり、前記集電体を切り欠いて前記電圧検出タブを作製する、請求項4に記載の積層型電池の製造方法。
- 前記積層体の積層方向の少なくとも一側面において、前記電圧検出タブが前記積層方向と略直交する方向に並列して複数突出するように、前記単電池要素が積層される、請求項4又は5に記載の積層型電池の製造方法。
- 電圧検出タブが突出している単電池要素を、積層方向視で前記電圧検出タブが重ならないように積層して積層体とし、前記電圧検出タブの突出位置に対応して配線が予め位置決めされている電圧取り出し基板を、前記電圧検出タブに圧着する、電圧取り出し基板の取り付け方法。
- 前記積層体が、集電体と、該集電体の表裏に設けられた正極層及び負極層と、該正極層又は該負極層の前記集電体とは反対側に設けられた固体電解質層とを備えた前記単電池要素が積層されてなるものであり、前記電圧検出タブが、前記集電体を切り欠いて作製されたものである、請求項7に記載の電圧取り出し基板の取り付け方法。
- 前記積層体の積層方向の少なくとも一側面において、前記電圧検出タブが前記積層方向と略直交する方向に並列して複数突出するように、前記単電池要素が積層される、請求項7又は8に記載の電圧取り出し基板の取り付け方法。
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