JP2011080588A - チェーンテンショナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 テンショナリフタのプランジャにサブアームを介して接続されたメインアームが無端チェーンを押圧する荷重が、無端チェーンが伸びても略一定に維持されるようにする。
【解決手段】 無端チェーン21の伸びが最大になったとき、プランジャ33およびサブアーム29の当接部33a,29aにおいてプランジャ33の移動方向A1と当接部33a,29aの接線T1の方向とが直交するので、このときにプランジャ33の荷重F1のサブアーム29への伝達効率が最大になり、無端チェーン21の伸びが最大でないときは、プランジャ33の荷重F1のサブアーム29への伝達効率はそれよりも低くなる。よって、無端チェーン21の伸びが増加するのに伴い、テンショナリフタのスプリングが伸長してプランジャ33の荷重F1が減少した分を、前記伝達効率の増加により補償することで、無端チェーン21の伸びの大小に関わらずにメインアーム26は略一定の荷重で無端チェーン21を押圧することができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、駆動スプロケットおよび従動スプロケット間に巻き掛けた無端チェーンに摺接するメインアームに、テンショナリフタのプランジャの付勢力をサブアームを介して伝達するチェーンテンショナ装置に関する。
かかるチェーンテンショナ装置は下記特許文献1により公知である。
このチェーンテンショナ装置によれば、サブアームのレバー比を大きく設定することで、ばね定数が大きいスプリングを使用しながらメインアームを適度な荷重で無端チェーンに圧接することができるだけでなく、無端チェーンが摩耗等の径年変化で伸びた場合でも、スプリングの伸びを小さくしてメインアームが無端チェーンを押圧する荷重の変動を最小限に抑えることができる。
実開昭60−86665号公報
ところで、かかるチェーンテンショナ装置では、無端チェーンが伸びてもメインアームが無端チェーンを押圧する荷重が一定に維持されることが望ましいが、上記従来のものであっても、無端チェーンの伸びに伴ってスプリングが伸びることは避けられず、その結果として無端チェーンの伸びに応じてメインアームが無端チェーンを押圧する荷重が次第に減少する問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、テンショナリフタのプランジャにサブアームを介して接続されたメインアームが無端チェーンを押圧する荷重が、無端チェーンが伸びても略一定に維持されるようにする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動軸に設けられた駆動スプロケットと従動軸に設けられた従動スプロケットとに巻き掛けられた無端チェーンに所定の張力を付与すべく、第1支軸に揺動自在に枢支されて前記無端チェーンに摺接するメインアームと、前記メインアームを前記無端チェーンに向けて付勢する付勢力を発生すべく、ハウジングに摺動自在に支持されたプランジャをスプリングで突出方向に付勢するテンショナリフタと、前記メインアームおよび前記テンショナリフタの間に介在し、第2支軸に揺動自在に枢支されて前記テンショナリフタのプランジャの付勢力を前記メインア−ムに伝達するサブアームとを備えるチェーンテンショナ装置において、前記無端チェーンの伸びが最大になったとき、前記プランジャおよび前記サブアームの当接部において、前記プランジャの移動方向と前記当接部の接線の方向とが直交することを特徴とするチェーンテンショナ装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記プランジャおよび前記サブアームの当接部のうち、少なくとも前記プランジャの当接部は前記第2支軸の軸線方向に見て円弧状に形成されることを特徴とするチェーンテンショナ装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、駆動軸に設けられた駆動スプロケットと従動軸に設けられた従動スプロケットとに巻き掛けられた無端チェーンに所定の張力を付与すべく、第1支軸に揺動自在に枢支されて前記無端チェーンに摺接するメインアームと、前記メインアームを前記無端チェーンに向けて付勢する付勢力を発生すべく、ハウジングに摺動自在に支持されたプランジャをスプリングで突出方向に付勢するテンショナリフタと、前記メインアームおよび前記テンショナリフタの間に介在し、第2支軸に揺動自在に枢支されて前記テンショナリフタのプランジャの付勢力を前記メインア−ムに伝達するサブアームとを備えるチェーンテンショナ装置において、前記サブアームおよび前記メインアームの当接部は、前記第1支軸および前記第2支軸を結ぶ直線上あるいは該直線を挟んで前記無端チェーンと反対側に位置することを特徴とするチェーンテンショナ装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項3の構成に加えて、前記無端チェーンの伸びが最大になったとき、前記第1支軸および前記第2支軸を結ぶ直線上に前記サブアームおよび前記メインアームの当接部が位置することを特徴とするチェーンテンショナ装置が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項4の構成に加えて、前記サブアームおよび前記メインアームの当接部において、前記サブアームの移動方向と前記当接部の接線の方向とが直交することを特徴とするチェーンテンショナ装置が提案される。
また請求項6に記載された発明によれば、請求項5の構成に加えて、前記サブアームおよび前記メインアームの当接部の少なくとも一方は、前記第2支軸の軸線方向に見て円弧状に形成されることを特徴とするチェーンテンショナ装置が提案される。
尚、実施の形態のクランクシャフト13は本発明の駆動軸に対応し、実施の形態の吸気カムシャフト16および排気カムシャフト17は本発明の従動軸に対応し、実施の形態のタイミングチェーン21は本発明の無端チェーンに対応し、実施の形態の第1、第2当接部29a,29bは本発明の当接部に対応し、実施の形態のテンショナハウジング32は本発明のハウジングに対応する。
請求項1の構成によれば、テンショナリフタのハウジングに摺動自在に支持されたプランジャをスプリングで突出方向に付勢し、このプランジャの付勢力で第2支軸まわりに揺動自在に支持したサブアームを付勢し、このサブアームの付勢力で第1支軸まわりに揺動自在に支持したメインアームを付勢し、このメインアームに摺接する無端チェーンに所定の張力を付与することができる。無端チェーンの伸びが最大になったとき、プランジャおよびサブアームの当接部においてプランジャの移動方向と当接部の接線の方向とが直交するので、このときにプランジャの荷重のサブアームへの伝達効率が最大になり、無端チェーンの伸びが最大でないときは、プランジャの荷重のサブアームへの伝達効率はそれよりも低くなる。よって、無端チェーンの伸びが増加するのに伴い、スプリングが伸長してプランジャの荷重が減少した分を、前記伝達効率の増加により補償することで、無端チェーンの伸びの大小に関わらずにメインアームは略一定の荷重で無端チェーンを押圧することができる。
また請求項2の構成によれば、プランジャおよびサブアームの当接部のうち、少なくともプランジャの当接部を第2支軸の軸線方向に見て円弧状に形成したので、無端チェーンの伸びが最大でないときには、プランジャの移動方向と当接部の接線の方向とが成す角度を90°から大きくずらし、プランジャからサブアームに伝達される荷重を顕著に低減することができる。
また請求項3の構成によれば、テンショナリフタのハウジングに摺動自在に支持されたプランジャをスプリングで突出方向に付勢し、このプランジャの付勢力で第2支軸まわりに揺動自在に支持したサブアームを付勢し、このサブアームの付勢力で第1支軸まわりに揺動自在に支持したメインアームを付勢し、このメインアームに摺接する無端チェーンに所定の張力を付与することができる。サブアームおよびメインアームの当接部は、第1支軸および第2支軸を結ぶ直線上あるいは該直線を挟んで無端チェーンと反対側に位置するので、無端チェーンの伸びが増加すると前記当接部が前記直線に近づくように移動し、サブアームの荷重のメインアームへの伝達効率が向上する。これにより、無端チェーンの伸びが増加するのに伴い、スプリングが伸長してプランジャの荷重が減少した分を、前記伝達効率の増加により補償することで、無端チェーンの伸びの大小に関わらずにメインアームは略一定の荷重で無端チェーンを押圧することができる。
また請求項4の構成によれば、無端チェーンの伸びが最大になったとき、第1支軸および第2支軸を結ぶ直線上にサブアームおよびメインアームの当接部が位置するので、このときにサブアームの荷重のメインアームへの伝達効率を最大にすることができ、無端チェーンの伸びが増加するのに伴ってスプリングが伸長してプランジャの荷重が減少した分を、前記伝達効率の増加により確実に補償することができる。
また請求項5の構成によれば、無端チェーンの伸びが最大になったとき、サブアームおよびメインアームの当接部において、サブアームの移動方向と当接部の接線の方向とが直交するので、サブアームの荷重のメインアームへの伝達効率を更に高めることができる。
また請求項6の構成によれば、サブアームおよびメインアームの当接部の少なくとも一方を第2支軸の軸線方向に見て円弧状に形成したので、無端チェーンの伸びが最大でないときには、サブアームの移動方向と当接部の接線の方向とが成す角度を90°から大きくずらし、サブアームからメインアームに伝達される荷重を顕著に低減することができる。
エンジンのチェーンカバーを外した状態での部分正面図。[第1の実施の形態] 図1の要部拡大図。[第1の実施の形態] 図2の3方向矢視図。[第1の実施の形態] 図2の4方向矢視図。[第1の実施の形態] タイミングチェーンの伸び率とメインアームに作用する荷重との関係を示すグラフ。[第1の実施の形態] タイミングチェーンの最大伸び時の作用説明図。[第1の実施の形態] タイミングチェーンの最小伸び時の作用説明図。[第1の実施の形態] エンジンのチェーンカバーを外した状態での部分正面図(タイミングチェーンの最大伸び時)。[第2の実施の形態] エンジンのチェーンカバーを外した状態での部分正面図(タイミングチェーンの最小伸び時)。[第2の実施の形態] 図8の10部拡大図。[第2の実施の形態] タイミングチェーンの伸び率とメインアームに作用する荷重との関係を示すグラフ。[第2の実施の形態] チェーンテンショナ装置の応答周波数と反力との関係を示すグラフ。[第2の実施の形態] エンジン回転数とメインアームに作用する荷重との関係を示すグラフ。[第2の実施の形態] シングルアーム式チェーンテンショナにおけるエンジン回転数とプランジャの振幅とのとの関係を示すグラフ。[第2の実施の形態] ダブルアーム式チェーンテンショナにおけるエンジン回転数とプランジャの振幅とのとの関係を示すグラフ。[第2の実施の形態]
以下、図1〜図7に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、エンジンEのシリンダブロック11と、その下面に結合されたクランクケース12との間にクランクシャフト13が回転自在に支持される。またシリンダブロック11の上面に結合されたシリンダヘッド14と、その上面に結合されたヘッドカバー15との間に吸気カムシャフト16および排気カムシャフト17が回転自在に支持される。クランクシャフト13の軸端に設けた駆動スプロケット18と、吸気カムシャフト16および排気カムシャフト17の軸端にそれぞれ設けた2個の従動スプロケット19,20とに無端チェーンよりなるタイミングチェーン21が巻き掛けられており、吸気カムシャフト16および排気カムシャフト17はクランクシャフト13の回転数の2分の1の回転数で駆動される。
駆動スプロケット18と排気カムシャフト17の従動スプロケット20との間に位置するタイミングチェーン21の張り側の弦に摺接する第1固定チェーンガイド22が、シリンダブロック11およびシリンダヘッド14に跨がるように複数のボルト23…で固定される。また吸気カムシャフト16および排気カムシャフト17の2個の従動スプロケット19,20の間に位置するタイミングチェーン21の弦に摺接する第2固定チェーンガイド24が、ヘッドカバー15に複数本のボルト25…で固定される。
駆動スプロケット18と吸気カムシャフト16の従動スプロケット19との間に位置するタイミングチェーン21の緩み側の弦に摺接するメインアーム26は、その上端がシリンダヘッド14に第1支軸27を介して揺動自在に枢支される。またシリンダブロック11に第2支軸28を介してサブアーム29の下端が揺動自在に枢支される。シリンダブロック11に2本のボルト30,30で固定された油圧式のテンショナリフタ31は、サブアーム29を介してメインアーム26をタイミングチェーン21に押し付け、その緩みを防止すべく所定の張力を付与する。
図2〜図4から明らかなように、テンショナリフタ31はボルト30,30でシリンダブロック11に固定されるテンショナハウジング32と、テンショナハウジング32に形成されたシリンダ32aに摺動自在に嵌合するプランジャ33と、プランジャ33をシリンダ32aから突出する方向に付勢するスプリング34と、シリンダ32aに作動油を供給するチェックバルブ35と、シリンダ32aから作動油を排出するリリーフバルブ36とを備える。プランジャ33が発生する付勢力は、作動油の油圧の大きさやスプリング34の弾発力の大きさを調整することで増減することができる。
チェックバルブ35は、バルブハウジング37に収納されたチェックボール38と、チェックボール38をバルブシート39に着座する方向に付勢するバルブスプリング40とを備えており、図示せぬオイルポンプから供給される作動油がテンショナハウジング32に形成された油路32bを介してバルブシート39の背部に供給される。リリーフバルブ36は、テンショナハウジング32を貫通する開口32cに配置されたピストン41と、ピストン41を閉弁方向に付勢するバルブスプリング42とで構成される。
サブアーム29は概略直角三角形状であって、その直角の角部が第2支軸28によって枢支され、その短辺の先端に設けた第1当接部29aがプランジャ33の先端の当接部33aに当接するとともに、その長辺の先端に設けた第2当接部29bがメインアーム26の下部に設けた当接部26aに当接する。
プランジャ33の当接部33a、サブアーム29の第1、第2当接部29a,29bおよびメインアーム26の当接部26aは、第1、第2支軸27,28と平行な軸線を有する部分円筒面で構成される。即ち、図2において前記各当接部33a,29a,29b,26aは円弧で表されているが、その円弧は紙面に直角な方向に投影されるように延びている。従って、プランジャ33の当接部33aおよびサブアーム29の第1当接部29aは前記軸線と平行な線で線接触するとともに、サブアーム29の第2当接部29bおよびメインアーム26の当接部26aは前記軸線と平行な線で線接触する。
しかして、エンジンEの運転に伴って、駆動スプロケット18および2個の従動スプロケット19,20に巻き掛けたタイミングチェーン21が回転するとき、クランクシャフト13の回転速度の変動等の原因によりタイミングチェーン21の張力が変動すると、動力伝達性能が低下したりタイミングチェーン21の耐久性が低下する可能性がある。
これを防止するために、駆動スプロケット18および従動スプロケット19に挟まれたタイミングチェーン21の緩み側の弦の張力が減少し、メインアーム26およびタイミングチェーン21の接触面圧が低下すると、スプリング34の弾発力でプランジャ33がシリンダ32aから突出する方向に移動し、それに伴ってテンショナリフタ31の油路32bから供給された高圧の作動油がチェックバルブ35のチェックボール38を押し開いてシリンダ32a内に流入する。その結果、プランジャ33の当接部33aに第1当接部29aを押圧されたサブアーム29が第2支軸28まわりに時計方向に揺動し、その第2当接部29bでメインアーム26の当接部26aを押圧することで、メインアーム26は第1支軸27まわりに反時計方向に揺動し、タイミングチェーン21の緩み側の弦を押圧して張力を増加させる。
逆に、駆動スプロケット18および従動スプロケット19に挟まれたタイミングチェーン21の緩み側の弦の張力が増加すると、タイミングチェーン21からメインアーム26およびサブアーム29を介して伝達される荷重によりプランジャ33が圧縮され、シリンダ32aの内圧が高まることでチェックバルブ35が閉弁してリリーフバルブ36が開弁し、プランジャ33はスプリング34を圧縮しながらシリンダ32aの内部に没する方向に後退する。
このように、タイミングチェーン21の張力の増減に応じてテンショナリフタ31のプランジャ33がテンショナハウジング32から出没することで、タイミングチェーン21の張力を安定させることができ、これにより無端チェーン21の動力伝達性能の向上や耐久性の向上を図ることができる。
図5は、横軸にタイミングチェーン21の伸び率をとり、縦軸にメインアーム26がタイミングチェーン21を押圧する押圧荷重をとったものであり、最大許容伸び率とは、それ以上タイミングチェーン21が伸びると、タイミングチェーン21の内周面どうしが干渉したり、タイミングチェーン21が他部材と干渉したりする伸び率である。押圧荷重が一定値f0のラインaの下の斜線を施したNG領域は前記押圧荷重が不足してタイミングチェーン21に緩みが発生する領域であり、押圧荷重が一定値f1(f1>f0)のラインbは理想の特性を示している。
従来は、以下のような理由で上記理想の特性(ラインb参照)を得ることができなかった。即ち、ラインcで示すように、伸び率0.0%のときの押圧荷重をf2(f2>f1)とすると、タイミングチェーン21の伸びが進行してテンショナリフタ31のスプリング34が伸長するのに伴い、スプリング34の弾発力が漸減するためにラインaを下まわってNG領域に入ってしまう。これを防止するために、ラインdで示すように、スプリング34のセット荷重を高めて伸び率0.0%のときの押圧荷重をf3(f3>f2)とすると、タイミングチェーン21に伸びが発生していないときの押圧荷重が過大になり、メインアーム26とタイミングチェーン21との摺動抵抗が増加してしまう問題がある。
そこで本実施の形態では、テンショナリフタ31のプランジャ33からメインアーム26に伝達されるスプリング34の荷重を、タイミングチェーン21の伸びの増加に応じて増加させ、タイミングチェーン21が最も伸びたときに最大になるように設定している。これにより、タイミングチェーン21の伸びの増加に応じて減少するスプリング34の弾発力の特性を相殺し、タイミングチェーン21の伸び量に関わらずに略一定の荷重でメインアーム26を付勢することができる。
次に、図6および図7に基づいて、テンショナリフタ31のプランジャ33からメインアーム26に伝達されるスプリング34の荷重を、タイミングチェーン21の伸びの増加に応じて増加させるための構成を説明する。
図6はタイミングチェーン21が最も伸びたときの状態を示すもので、プランジャ33の当接部33aとサブアーム29の第1当接部29aとの接触点(実際には線接触)をP1とすると、T1は接触点P1における接線であり、N1は接触点P1における法線である。このとき、第2支軸28は接線T1上に位置しており、かつプランジャ33の移動方向A1(つまりスプリング34の荷重F1の方向)は法線N1と平行である。接触点P1の摩擦力が無視できると考えると、接触点P1を介して伝達される荷重は法線N1方向の荷重であるため、スプリング34の荷重F1は全量が法線N1方向に伝達され、サブアーム29に時計方向のモーメントMを最も効率良く発生させることができる。前記モーメントMは、第2支軸28および接触点P1間のモーメントアームをR1とすると、
M=F1×R1
で表される。
またサブアーム29の第2当接部29bとメインアーム26の当接部26aとの接触点(実際には線接触)をP2とすると、T2は接触点P2における接線であり、N2は接触点P2における法線である。このとき、第2支軸28は接線T2上に位置しており、かつサブアーム29の移動方向A2(つまりサブアーム29の荷重F2の方向)は法線N2と平行である。接触点P2の摩擦力が無視できると考えると、接触点P2を介して伝達される荷重は法線N2方向の荷重であるため、サブアーム29の荷重F2は全量が法線N2方向に伝達され、メインアーム26を最も効率良く押圧することができる。第2支軸28および接触点P2間のモーメントアームをR2とすると、サブアーム29がメインアーム26を押圧する荷重F2は、
F2=M/R2=F1×(R1/R2)
となる。つまり、サブアーム29がメインアーム26を押圧する荷重F2は、プランジャ33がサブアーム29を押圧する荷重F1に、サブアーム29のレバー比の逆数であるR1/R2を乗算したものとなる。
以上のように、タイミングチェーン21が最も伸びた状態で、プランジャ33およびサブアーム29の接触点P1において、プランジャ33の移動方向A1と接線T1の方向とが直交することで、プランジャ33の荷重F1をサブアーム29に最も効率良く伝達することができ、かつサブアーム29およびメインアーム26の接触点P2において、サブアーム29の移動方向A2と接線T2の方向とが直交することで、サブアーム29の荷重F2をメインアーム26に最も効率良く伝達することができる。
図7はタイミングチェーン21が最も伸びる前の状態(例えば、新品の状態)を示すもので、タイミングチェーン21が最も伸びたときの状態に比べて、プランジャ33の突出量は少なく、サブアーム29の時計方向の揺動量は小さく、メインアーム26の反時計方向の揺動量は小さくなっている。
このとき、プランジャ33の当接部33aおよびサブアーム29の第1当接部29aは、第2支軸28の軸線L方向に見て円弧状に形成されているため、サブアーム29の揺動に伴ってそれらの接触点P1の位置は図中左側(第2支軸28と反対側)にずれ、その接線T1の方向は図6に比べて反時計方向に変化する。その結果、図6ではプランジャ33の移動方向A1と接触点P1の接線T1とが直交していたものが、図7では接線T1および法線N1の方向が角度θ1だけ反時計方向に回転し、プランジャ33の移動方向A1と法線N1の方向とが角度θ1だけずれることになる。
前述したように、プランジャ33の荷重F1は接触点P1の法線N1の方向にしか伝達されないため、プランジャ33の荷重F1のうちでサブアーム29に伝達される荷重は、その法線N1方向の成分であるF1×cosθ1に減少する。
またサブアーム29の第2当接部29bおよびメインアーム26の当接部26aは、第2支軸28の軸線L方向に見て円弧状に形成されているため、サブアーム29の揺動に伴ってそれらの接触点P2の位置がずれ、その接線T2の方向は図6に比べて反時計方向に変化する。その結果、図6ではサブアーム29の移動方向A2と接触点P2の接線T2とが直交していたものが、図7では接線T2および法線N2の方向が角度θ2だけ反時計方向に回転し、サブアーム29の移動方向A2と法線N2の方向とが角度θ2だけずれることになる。
前述したように、サブアーム29の荷重F2は接触点P2の法線N2の方向にしか伝達されないため、サブアーム29の荷重F2のうちでメインアーム26に伝達される荷重は、その法線N2方向の成分であるF2×cosθ2に減少する。
以上のように、タイミングチェーン21の摩耗が最大値に達する前は、その伸びが小さいときほどテンショナリフタ31のスプリング34の荷重、つまりプランジャ33の荷重がメインアーム26に伝達され難くなり、タイミングチェーン21の伸びが進行するに伴ってプランジャ33の荷重がメインアーム26に伝達され易くなる。この特性は、タイミングチェーン21の伸びが進行するに伴ってスプリング34が伸長してプランジャ33の荷重が減少する特性と逆であるため、両特性を相殺させることでタイミングチェーン21の摩耗量の大小の関わらずにメインアーム26がタイミングチェーン21を押圧する荷重を略一定に保持し、メインアーム26およびタイミングチェーン21の摺動抵抗が過大になるのを防止しながらタイミングチェーン21の緩みを防止することができる。
次に、図8〜図15に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態(図1参照)では、メインアーム26の第1支軸27およびサブアーム29の第2支軸28を結ぶ直線L1に対して、メインアーム26およびサブアーム29の当接部26a,29bは常にタイミングチェーン21側にある。それに対して第2の実施の形態では、図9に示すように、メインアーム26の第1支軸27およびサブアーム29の第2支軸28を結ぶ直線L1に対して、メインアーム26およびサブアーム29の当接部26a,29bはタイミングチェーン21と反対側にあり、図8に示すように、タイミングチェーン21の伸びが最大になったとき、前記直線L1上にメインアーム26およびサブアーム29の当接部26a,29bが位置するようになっている。
またメインアーム26の当接部26aは円弧面で構成されているが、サブアーム29の当接部29bは平坦面で構成されており、両当接部26a,29bの接線T2の方向と前記直線L1の方向とは、タイミングチェーン21の伸びが小さいときには平行でなく(図9参照)、タイミングチェーン21の伸びが最大になったときに平行になる(図8参照)。
図10から明らかなように、テンショナリフタ51はボルト52,52でシリンダブロック11に固定されるテンショナハウジング53と、テンショナハウジング53に形成されたシリンダ53aに摺動自在に嵌合するプランジャ54と、プランジャ54をシリンダ53aから突出する方向に付勢するスプリング55と、シリンダ53aに作動油を供給するチェックバルブ56と、シリンダ53aから作動油を排出するリリーフバルブ57と、プランジャ54の移動速度を規制するカム機構58とを備える。
チェックバルブ56は、バルブハウジング59に収納されたチェックボール60と、チェックボール60をバルブシート61に着座する方向に付勢するバルブスプリング62とを備えており、図示せぬオイルポンプから供給される作動油がテンショナハウジング53に形成された油路53bを介してバルブシート61の背部に供給される。
リリーフバルブ57は中空のプランジャ54の内部に設けられており、そのバルブハウジング63は前記スプリング55の弾発力でスプリングシート64のフランジ部64aを介してプランジャ54の底壁に押し付けられて固定される。バルブハウジング63にはプランジャ54の内部に連通するバルブシート63aが形成されており、このバルブシート63aに対向するチェックボール65がスプリングシート64のストッパ部64bとの間に配置されたバルブスプリング66で着座方向に付勢される。バルブハウジング63の内部空間は、スプリングシート64のフランジ部64aに形成した開口64cと、プランジャ54の先端に形成した油路54aとを介して大気に開放する。
カム機構58は、テンショナハウジング53にピン67で枢支されたカムプレート68と、プランジャ54の外周面に形成されてカムプレート68に噛合するラック54bと、カムプレート68をピン67まわりに付勢するカムスプリング69とを備える。
次に、上記構成を備えた本発明の第2の実施の形態の作用を説明する。
図8に示すように、タイミングチェーン21の伸びが最大になったとき、メインアーム26の第1支軸27およびサブアーム29の第2支軸28を結ぶ直線L1上に、メインアーム26およびサブアーム29の当接部26a,29bが位置するため、サブアーム29の当接部29bの移動方向およびメインアーム26の当接部26aの移動方向は共に直線L1に対して直交する。従って、サブアーム29がメインアーム26を押す荷重F2の方向は、サブアーム29の第2支軸28および当接部29bを結ぶ直線(つまり直線L1)に直交し、かつメインアーム26の第1支軸27および当接部26aを結ぶ直線(つまり直線L1)に直交し、前記荷重F2は最も効率良くメインアーム26に伝達される。
それに対し、図9に示すように、タイミングチェーン21の伸びが小さいときは、メインアーム26の第1支軸27およびサブアーム29の第2支軸28を結ぶ直線L1に対し、メインアーム26およびサブアーム29の当接部26a,29bがタイミングチェーン21と反対側に位置するため、サブアーム29の荷重F2がメインアーム26を押す効率はタイミングチェーン21の最大伸び時に比べて低くなる。即ち、サブアーム29がメインアーム26を押す荷重F2の方向はサブアーム29の第2支軸28および当接部29bを結ぶ直線L2に直交しているが、その荷重F2の方向はメインアーム26の第1支軸27および当接部26aを結ぶ直線L3に対して直交する方向に一致しないため、メインアーム26を有効に押すことができるのは前記荷重F2の分力F2′だけになり、サブアーム29がメインアーム26を押す効率が低くなる。
よって、タイミングチェーン21の伸びに伴ってテンショナリフタ51のプランジャ54が突出することで、バルブスプリング66がプランジャ54をサブアーム29に押し付ける荷重F1が次第に減少しても、メインアーム26およびサブアーム29の当接部26a,29bの位置が、メインアーム26の第1支軸27およびサブアーム29の第2支軸28を結ぶ直線L1に次第に接近して荷重F2の伝達効率が高まることで、前記荷重F1の減少を補償してメインアーム26を略一定の荷重でタイミングチェーン21に押し付けることができる。
これを第1の実施の形態の図5に対応する図11に基づいて説明する。OK領域とNG領域との境界は押圧荷重が一定値f0のラインaであり、押圧荷重が一定値f0よりも大きい一定値f1になるラインbが理想の特性である。従来のチェーンテンショナ装置は、タイミングチェーン21の伸びが増加するに伴って押圧荷重が次第に減少するため、タイミングチェーン21の最大伸び時にf1の押圧荷重を維持しようとすると、タイミングチェーン21の非伸び時に押圧荷重が過剰になり(ラインe参照)、メインアーム26とタイミングチェーン21との摺動抵抗が増加してしまう問題がある。
図11におけるラインfはサブアーム29からメインアーム26への荷重の伝達効率の特性を示すもので、既に説明したように、前記伝達効率はタイミングチェーン21の最大伸び時に最も高くなり、タイミングチェーン21の非伸び時には小さくなる。よって、ラインeの押圧荷重の特性にラインfの伝達効率を乗算したラインgが本願実施の形態の押圧荷重の特性となり、その押圧荷重の特性をラインbの理想特性に近づけることができる。
第2の実施の形態のテンショナリフタ51のチェックバルブ56の作用は、第1の実施の形態のテンショナリフタ31のチェックバルブ35の作用と同じであるが、第2の実施の形態のリリーフバルブ57は第1の実施の形態のリリーフバルブ36と構造および作用が異なっている。即ち、駆動スプロケット18および従動スプロケット19に挟まれたタイミングチェーン21の緩み側の弦の張力が増加すると、タイミングチェーン21からメインアーム26およびサブアーム29を介して伝達される荷重によりプランジャ54が圧縮され、シリンダ53aの内圧が高まることでチェックバルブ56が閉弁し、かつリリーフバルブ57が開弁してチェックボール65がバルブスプリング66を圧縮しながらバルブシート63aから離反し、シリンダ53a内のオイルがバルブハウジング63の内部、スプリングシート64の開口64cおよびプランジャ54の油路54aを通過して外部に排出されることで、プランジャ54がシリンダ53aの内部に没する方向に後退する。
第1の実施の形態のリリーフバルブ36は、弁体として比較的に重量の大きいピストン41を用いたピストンリリーフ型のものであるのに対し、第2の実施の形態のリリーフバルブ57は、弁体として比較的に重量の小さいチェックボール65を用いたボールリリーフ型のものであるため、メインアーム26およびサブアーム29を備えるチェーンテンショナ装置に適用すると、以下のような利点がある。
即ち、ピストンリリーフ型のリリーフバルブ36は、弁体としてのピストン41の重量が大きいため、図12に示すように、エンジンEの特定の回転数(3000〜4000rpm)で共振して動きが鈍って追従性が低下し、バルブシートを閉めきれずにオイルが漏れる状態が発生して反力が低下する。そのため、図13に示すように、エンジン回転数が3500rpmに付近でチェーンテンショナ装置がタイミングチェーン21の動きに追従できなくなり、互いに衝撃を与え合ってタイミングチェーン21の荷重が急激に高まる現象が発生する問題がある。
図14は、メインアーム26だけを持ってサブアーム29を持たないシングルアーム式のチェーンテンショナ装置に、ボールリリーフ型のリリーフバルブ57を適用した結果を示すものである。ボールリリーフ型のリリーフバルブ57はチェックボール65が軽量であり、かつチェックボール65が直接バルブシート63aに接触しているため、チェックボール65が僅かに移動するだけでバルブシート63aが開閉される。よって、エンジンEの高回転領域では追従性が良いものの、エンジンEの低回転領域ではチェックボール65がバルブシート63aから大きく離反してしまい、プランジャ54の振幅が過大になるという問題がある。
図15は、メインアーム26およびサブアーム29の両方を持つダブルアーム式のチェーンテンショナ装置(つまり本実施の形態のチェーンテンショナ装置)に、ボールリリーフ型のリリーフバルブ57を適用した結果を示すものであり、図14でプランジャ54の振幅が過大になっていた領域を含む全ての領域で、プランジャ54の振幅が大幅に低減していることが確認される。その理由は、ダブルアーム式のチェーンテンショナ装置では、サブアーム29がレバー比b/aを持つため(図8参照)、メインアーム26の変位量に対してプランジャ54の変位量を低減することができるからである。
以上のように、ダブルアーム式のチェーンテンショナ装置に対しては、ピストンリリーフ型のリリーフバルブ36を適用するよりも、ボールリリーフ型のリリーフバルブ57を適用した方が、テンショナリフタ51の作動を安定させることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明には、第1の実施の形態の何れかの特徴と第2の実施の形態の何れかの特徴とを併せ持つもの含まれる。
また第1、第2の実施の形態ではプランジャ33の当接部33aおよびサブアーム29の第1当接部29aの両方を円弧面としているが、サブアーム29の第1当接部29aを平坦面とし、プランジャ33の当接部33aだけを円弧面としても良い。プランジャ33の当接部33aを円弧面とすることは必須である。その理由は、仮にプランジャ33の当接部33aを平坦面とすると、プランジャ33は移動方向A1の直線運動しかしないため、その接触点P1の接線T1の方向が一定になってサブアーム29に伝達される法線N1方向の荷重F1が一定になってしまうからである。
また第1の実施の形態ではサブアーム29の第2当接部29bおよびメインアーム26の当接部26aの両方を円弧面としているが、その一方だけを円弧面とし、その他方を平坦面としても良い。サブアーム29の第2当接部29bおよびメインアーム26の当接部26aの一方を平坦面としても、その平坦面はサブアーム29あるいはメインアーム26の揺動運動により接触点P2の接線T2の方向が変化するため、メインアーム26に伝達される法線N2方向の荷重F2が一定になってしまうことはない。
また第2の実施の形態ではサブアーム29の第2当接部29bを平坦面とし、メインアーム26の当接部26aを円弧面としているが、その両方を円弧面としても良い。両方を円弧面とした場合の方が、メインアーム26およびサブアーム29の当接部26a,29bの位置が直線L1から外れたときの伝達効率の落ち込みが大きいため、タイミングチェーン21が伸びたときにメインアーム26をタイミングチェーン21に押し付ける荷重の変化を更に小さくすることができる。
また第1、第2の実施の形態では、第2支軸28をサブアーム29の下端に設けているが、第2支軸28をサブアーム29の上端に設けても良い。但し、第2支軸28をサブアーム29の下端に設けた場合の方が、エンジンEの幅方向の寸法を小型化する上で有利である。
また第1、第2の実施の形態のテンショナリフタ31は油圧式であるが、本発明は油圧を用いずにプランジャをスプリングだけで付勢する機械式のテンショナリフタに対しても適用することができる。
また第1、第2の実施の形態では従動スプロケット19,20の個数は2個であるが、1個であっても良い。
またメインアーム26は剛体である必要はなく、弾性体(例えば樹脂製)であっても良い。
13 クランクシャフト(駆動軸)
16 吸気カムシャフト(従動軸)
17 排気カムシャフト(従動軸)
18 駆動スプロケット
19 従動スプロケット
20 従動スプロケット
21 タイミングチェーン(無端チェーン)
26 メインアーム
26a 当接部
27 第1支軸
28 第2支軸
29 サブアーム
29a 第1当接部(当接部)
29a 第2当接部(当接部)
31 テンショナリフタ
32 テンショナハウジング(ハウジング)
33 プランジャ
33a 当接部
34 スプリング
51 テンショナリフタ
54 プランジャ
55 スプリング
A1 プランジャの移動方向
A2 サブアームの移動方向
L1 直線
T1 接線
T2 接線

Claims (6)

  1. 駆動軸(13)に設けられた駆動スプロケット(18)と従動軸(16,17)に設けられた従動スプロケット(19,20)とに巻き掛けられた無端チェーン(21)に所定の張力を付与すべく、
    第1支軸(27)に揺動自在に枢支されて前記無端チェーン(21)に摺接するメインアーム(26)と、
    前記メインアーム(26)を前記無端チェーン(21)に向けて付勢する付勢力を発生すべく、ハウジング(32)に摺動自在に支持されたプランジャ(33)をスプリング(34)で突出方向に付勢するテンショナリフタ(31)と、
    前記メインアーム(26)および前記テンショナリフタ(31)の間に介在し、第2支軸(28)に揺動自在に枢支されて前記テンショナリフタ(31)のプランジャ(33)の付勢力を前記メインア−ム(26)に伝達するサブアーム(29)とを備えるチェーンテンショナ装置において、
    前記無端チェーン(21)の伸びが最大になったとき、前記プランジャ(33)および前記サブアーム(29)の当接部(33a,29a)において、前記プランジャ(33)の移動方向(A1)と前記当接部(33a,29a)の接線(T1)の方向とが直交することを特徴とするチェーンテンショナ装置。
  2. 前記プランジャ(33)および前記サブアーム(29)の当接部(33a,29a)のうち、少なくとも前記プランジャ(33)の当接部(33a)は前記第2支軸(28)の軸線方向に見て円弧状に形成されることを特徴とする、請求項1に記載のチェーンテンショナ装置。
  3. 駆動軸(13)に設けられた駆動スプロケット(18)と従動軸(16,17)に設けられた従動スプロケット(19,20)とに巻き掛けられた無端チェーン(21)に所定の張力を付与すべく、
    第1支軸(27)に揺動自在に枢支されて前記無端チェーン(21)に摺接するメインアーム(26)と、
    前記メインアーム(26)を前記無端チェーン(21)に向けて付勢する付勢力を発生すべく、ハウジング(32)に摺動自在に支持されたプランジャ(54)をスプリング(55)で突出方向に付勢するテンショナリフタ(51)と、
    前記メインアーム(26)および前記テンショナリフタ(51)の間に介在し、第2支軸(28)に揺動自在に枢支されて前記テンショナリフタ(51)のプランジャ(54)の付勢力を前記メインア−ム(26)に伝達するサブアーム(29)とを備えるチェーンテンショナ装置において、
    前記サブアーム(29)および前記メインアーム(26)の当接部(29b,26a)は、前記第1支軸(27)および前記第2支軸(28)を結ぶ直線(L1)上あるいは該直線(L1)を挟んで前記無端チェーン(21)と反対側に位置することを特徴とするチェーンテンショナ装置。
  4. 前記無端チェーン(21)の伸びが最大になったとき、前記第1支軸(27)および前記第2支軸(28)を結ぶ直線(L1)上に前記サブアーム(29)および前記メインアーム(26)の当接部(29b,26a)が位置することを特徴とする、請求項3に記載のチェーンテンショナ装置。
  5. 前記サブアーム(29)および前記メインアーム(26)の当接部(29b,26a)において、前記サブアーム(29)の移動方向(A2)と前記当接部(29b,26a)の接線(T2)の方向とが直交することを特徴とする、請求項4に記載のチェーンテンショナ装置。
  6. 前記サブアーム(29)および前記メインアーム(26)の当接部(29b,26a)の少なくとも一方は、前記第2支軸(28)の軸線方向に見て円弧状に形成されることを特徴とする、請求項5に記載のチェーンテンショナ装置。
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