JP5240173B2 - 液圧テンショナ - Google Patents

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Description

本発明は、液圧テンショナ、特にプランジャから摺動ガイド部材を介して伝達される押圧力によりチェーン等の無端伝動要素の張力を保持する液圧テンショナに関する。
内燃機関(以下、単にエンジンともいう)においてクランク軸からの回転動力を動弁機構のカム軸に伝達するタイミングチェーンのような無端伝動要素には、弛み無く正確なタイミングで作動することが要求されることから、エンジンの温度変化やエンジン回転数の変動によるチェーンの張力変化、あるいは経年変化によるチェーンの張力低下を吸収し、その張力を適正範囲内に保つテンショナ、すなわち、テンショニング装置が使用されている。また、エンジンの潤滑油を循環させるオイルポンプからの油圧(液圧)によってチェーンに張力を付与する押圧力を加えるとともに、張力の急変動時にはプランジャ摺動部やバルブ隙間部等からの漏れを利用して油圧ダンパ効果を生じさせるようにした液圧テンショナが多用されている。
従来のこの種の液圧テンショナとしては、例えば給油通路を有するテンショナボデーにプランジャを摺動可能に保持させて両者間に給油通路に連通する液圧室を形成し、液圧室内の液圧を受圧するプランジャによりカム軸駆動用の無端伝動要素の張力を保持するための押圧力を加えるように構成するとともに、液圧低下時におけるプランジャとテンショナボデーの衝突による打音あるいはプランジャ復帰用のコイルスプリングの密着による打音を抑えるために、液圧室の内底部に緩衝材を設けたり復帰用のコイルスプリングに緩衝材を装着したりしているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、チェーンの特定の移動区間に沿ってチェーンをガイドし、かつ、プランジャからの押圧力をチェーンに伝達するよう揺動可能なチェーンガイド部材を設けるとともに、このチェーンガイド部材のプランジャとの当接部にテンショナボデーの端面に接触可能なゴム材料部を設けて、プランジャがテンショナボデー内に没入したとき、そのゴム材料部がテンショナボデーの端面に接触することでチェーンガイドとテンショナボデーの衝突による衝撃を緩和するようにしたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、揺動可能なチェーンガイド部材に係合するプランジャの外端部を拡径した頭部とし、その頭部をテンシャナボデーのプランジャ穴の入口部に配置した軸受部材に衝合させることで、プランジャのテンシャナボデー内への後退位置を規定するようにしたものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
一方、チェーンの張力低下時にプランジャの突出方向への移動を許容するとともに、チェーンの張力増加時にプランジャの後退方向への移動を一定範囲内に制限するように、テンショナボデーとプランジャとの間にラチェット機構を介装したものも知られている(例えば、特許文献4参照)。
実開昭61−198758号公報 特開平02−225847号公報 特開平09−264389号公報 特開2006−234088号公報
しかしながら、上述のような従来の液圧テンショナにあっては、液圧ポンプからの供給液圧(油圧)が低下したときにプランジャがテンショナボデー側に衝止されることで、そのプランジャを介してチェーンガイド部材の緩み側への揺動が規制される構成となっていた。そのため、供給液圧が低圧であってチェーン等の無端伝動要素の張力が変動するときあるいは供給液圧がエア(空気)の混入等により変動するときに、液圧や復帰用のスプリング圧を受けつつチェーンガイド部材側からの振動を入力するプランジャがテンシャナボデー側に繰返し衝突することによる打音等の異音が生じるという問題があった。
例えば、運転中に所要のオイルダンパ効果を発揮させるべくプランジャの摺動部に一定の隙間が設定されている場合、エンジンの停止中に液圧室中の作動油が徐々にエンジン内に漏れ出すため、長時間の停止後にエンジンが始動されるときには液圧室内がオイル液相と空気相の2相で平衡した状態となることが多い。その場合、エンジン始動時には、液圧室内に空気が存在することで液圧が迅速に高まらず、液圧テンショナの押圧力が十分に得られない状態でカム軸の回転変動(トルク変動)によりチェーンの張力が変動するため、チェーンガイド部材側からの振動を入力するプランジャがテンシャナボデー側に繰返し衝突することによる打音等の異音が生じ易かった。
また、エンジン始動から液圧が所定レベルに達するまでの間のみならず、液圧が所定レベルに達した直後にあっても、オイル通路内のエアが液圧テンショナ内に侵入することで液圧が変動し、プランジャがテンシャナボデー側に繰返し衝突することによる打音等の異音が生じることがあった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、無端伝動要素の張力やプランジャの受圧する液圧が変動するときにプランジャがテンシャナボデー側に繰返し衝突することがなく、打音等の異音を有効に抑制することができる液圧テンショナを提供することを目的とする。
本発明に係る液圧テンショナは、上記目的達成のため、(1)加圧された液体が供給される供給通路を有するテンショナボデーと、前記テンショナボデーと共に液圧室を形成するよう前記テンショナボデーに摺動可能に保持されたプランジャと、駆動軸と被駆動軸の間に巻回される無端伝動要素の特定の移動区間に摺動可能に係合するとともに前記液圧室に前記加圧された液体が供給されるとき前記プランジャからの押圧力を受けるガイド部材と、を備え、前記ガイド部材により前記プランジャからの押圧力に応じて前記無端伝動要素の張力を調整する液圧テンショナにおいて、前記プランジャの近傍で前記テンショナボデーに対向する前記ガイド部材の一部と前記プランジャの周囲で前記ガイド部材に対向する前記テンショナボデーの対向端面部とのうちいずれか一方に、前記プランジャが前記テンショナボデーの内奥側に後退可能な状態で前記テンショナボデーと前記ガイド部材とを衝合させるストッパ部として、前記プランジャの軸線を挟んで互いに離間する一方および他方の突出部が設けられ、前記一方および他方の突出部が、前記ガイド部材の長手方向軸線および前記プランジャの軸線によって規定される平面と平行なそれぞれの断面上で、前記ガイド部材の一部と前記テンショナボデーの対向端面部とのうちいずれか他方に向かって凸となるよう湾曲するとともに、前記ガイド部材が、前記一方および他方の突出部の間で前記プランジャの外端面部に係合する係合面を有し、該係合面が、前記ガイド部材の長手方向軸線および前記プランジャの軸線によって規定される断面上で前記プランジャの外端面部に向かって凸となるよう湾曲していることを特徴とする。
この構成により、プランジャがテンショナボデーの内奥側に後退可能な状態において、テンショナボデーとガイド部材とがストッパ部で衝合する。したがって、例えば供給液圧が低圧であって無端伝動要素の張力が変動するとき、あるいは供給液圧がエアの混入により変動するとき等であっても、液圧推力を発生するプランジャに対し無端伝動要素の張力変動によるガイド部材からの振幅の過大な振動の入力が規制されることになり、プランジャがテンシャナボデー側に繰返し衝突することによる打音等の異音が有効に抑制されることになる。なお、テンショナボデー側ではプランジャと協働してガイド部材からの振動を広い範囲で担持可能であるから、打音等の異音を有効に抑制できる。
本発明の液圧テンショナにおいては、(2)前記一方および他方の突出部が、前記プランジャの周囲で前記テンショナボデーの対向端面部に対向するよう前記ガイド部材に設けられた一方および他方のリブによって構成されていることが好ましい。
この構成により、ストッパ部としてガイド部材にテンショナボデーに対向する一方および他方のリブを設けるだけで、打音等の異音が有効に抑制できることになり、既存の液圧テンショナにも容易に適用可能となる。しかも、ストッパ部におけるテンショナボデーとガイド部材との接触面積を確保することができる。
本発明の液圧テンショナにおいては、(3)前記ガイド部材が前記プランジャの進退動方向に揺動可能であるのが好ましい。
この構成により、打音等の異音をより有効に抑制できる。
本発明の液圧テンショナにおいては、(4)前記プランジャと前記テンショナボデーとの間に、前記プランジャを前記ガイド部材側に付勢する付勢手段が介装され、前記テンショナボデーと前記ガイド部材とが前記ストッパ部で衝突するとき、前記プランジャの外端面部は、前記ガイド部材の一部に対向する前記テンショナボデーの対向端面部より前記ガイド部材側に突出するのがよい。
この構成により、プランジャの外端部とテンショナボデーの対向端面部との双方でガイド部材との接触面積を常時確保でき、打音等の異音を有効に抑制できる。
本発明によれば、プランジャがテンショナボデーの内奥側に後退可能な状態でテンショナボデーとガイド部材とがストッパ部で衝合するようにしているので、無端伝動要素の張力やプランジャの受圧する液圧が変動するときにプランジャがテンシャナボデー側に繰返し衝突することがなく、打音等の異音を有効に抑制することができる液圧テンショナを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る液圧テンショナの正面断面図である。 一実施形態に係る液圧テンショナを備えたエンジンの要部概略正面図である。 一実施形態に係る液圧テンショナのテンシャナボデーおよびプランジャとチェーンガイド部材との当接状態を示す要部断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3に本発明の一実施形態に係る液圧テンショナを示している。
まず、その構成について説明すると、図1および図2に示すように、本実施形態の液圧テンショナ10は、テンショナボデー11と、このテンショナボデー11との間に容積可変の液圧室12を形成するようテンショナボデー11に摺動可能に保持された円形断面のプランジャ13とを備えている。
テンショナボデー11は、その内方側に、加圧されたオイル(液体;例えばエンジンオイル)が供給される供給通路11a(液圧供給通路)と、プランジャ13が摺動可能に収納されるプランジャ収納孔11bとを有しており、その外方側に、エンジン1(内燃機関)の図示しないエンジンブロックに支持される取付け穴部11f、11gを有している。
プランジャ13は、プランジャ収納孔11bの内底面11c側に対向する凹部13aと、その周りを取り囲む略円筒状のスカート部13bとを有しており、テンショナボデー11とプランジャ13との間には、プランジャ13をテンショナボデー11の外方側、すなわちチェーンスリッパ35側に付勢する付勢手段としての圧縮コイルスプリング14(弾性部材)が介装されている。
図2に示すように、チェーンスリッパ35は、略弧状に形成された部材であり、エンジン1の下部に配置されたクランク軸31(駆動軸)とエンジン1の上部に配置された吸気側および排気側のカム軸32、33(被駆動軸)との間に巻回されるチェーン34(無端伝動要素)の特定の移動区間に近接して配置されている。そして、液圧テンショナ10のプランジャ13は、チェーンスリッパ35(ガイド部材)の上端側の押圧部35aに対して、チェーン34側に向かって押圧力を加えるようになっている。
また、チェーンスリッパ35は、図2中の下端側の揺動支点部35bでエンジン1のエンジンブロックに対し同図中の左右方向に揺動可能に支持されており、液圧テンショナ10のプランジャ13によって押圧部35aを同図中の右側に押圧されるとき、チェーン34をその湾曲したガイド面部35c側で摺動可能に案内しつつチェーン34の弛みをなくし、または、そのチェーン34の張力を増加させることができるようになっている。
より具体的には、図1および図2に示すように、テンショナボデー11の供給通路11aには、エンジン1の運転中、その潤滑油であるオイルを循環させる図示しないオイルポンプから加圧されたオイルが供給されるようになっており、このオイルの液圧(油圧)が供給通路11aから液圧室12に供給されてプランジャ13に受圧される。
また、液圧室12に連通する供給通路11aの内端部には、供給通路11aから液圧室12側へのオイルの流れを許容する一方、液圧室12側から供給通路11a側へのオイルの流れを阻止する逆止弁36が設けられている。この逆止弁36は、球状弁体36aと、その球状弁体36aが着座する略円筒状の弁座部36bと、弁座部36bの近傍からの球状弁体36aの脱落を阻止するキャップ状のバルブガイド36cとを有している。また、バルブガイド36cに球状弁体36aの直径より小さい複数の連通孔(符号なし)が形成されることで、供給通路11a側と液圧室12側とが連通可能になっている。
そして、この逆止弁36を介して液圧室12に加圧されたオイルが供給されるとき、プランジャ13は、そのオイルの液圧により液圧室12の容積を増加させるよう押し出され、チェーンスリッパ35を介してチェーン34の特定の移動区間に所要の張力を付与するための押圧力を加えることができる。また、プランジャ13は、供給通路11aから供給されるオイルの液圧が低下したとき、圧縮コイルスプリング14からの付勢力を受けつつ、チェーンスリッパ35を介してチェーン34の特定の移動区間に前記押圧力より小さい押圧力を加えるようになっている。なお、ここにいう特定の移動区間とは、チェーン34の伝動回転時に他の移動区間よりも張力が小さく弛み側となる移動区間である。
この液圧テンショナ10は、エンジン回転数の変動によるチェーン34の張力の急変動時には、チェーンスリッパ35からの反力の急増に対しプランジャ13とのテンショナボデー11の間の摺動隙間部等からの漏れを利用して液圧ダンパ効果を生じさせる構造となっている。また、液圧テンショナ10は、チェーンスリッパ35からの反力の低下時にはプランジャ13を押し出してチェーン34の弛みを抑制するようになっており、チェーン34の張力を適正な範囲内に保持する機能を有している。
ところで、プランジャ13は、液圧室12内の液圧に基づく推力によりチェーンスリッパ35を介してチェーン34の特定の移動区間を押圧するが、それと同時に、液圧による推力とは逆の方向にチェーン34の張力に応じたチェーンスリッパ35側からの反力を受ける。したがって、液圧室12にオイルポンプからの一定圧力レベル以上の液圧が供給され、液圧によるプランジャ13の推力がチェーン34側からの反力を上回るときには、プランジャ13が前進する、すなわち、テンショナボデー11に対しチェーン34に接近する方向に伸長動作することで、チェーン34の張力が増加する。一方、チェーン34の張力の増加等によりチェーン34側からの反力が液圧によるプランジャ13の推力を上回るときには、チェーンスリッパ35が図2中の反時計方向に揺動するとともに、プランジャ13が液圧推力および圧縮コイルスプリング14の付勢力に抗してテンシャナボデー11のプランジャ収納孔11bの内奥側に押し返され、後退する。すなわち、テンショナボデー11に対しチェーン34から離隔する方向に収縮動作する。
このような液圧テンショナ10は、圧縮コイルスプリング14の付勢力と液圧室12に供給される液圧に基づく推力とを作用させたプランジャ13によってチェーンスリッパ35をチェーン34の張力増加方向に押圧させ、この押圧力とチェーン34の張力に応じた反力とを受けるチェーンスリッパ35によって、エンジン回転数の変動に伴うチェーン34の張力の急変動が抑制されるとともに、その張力が適正範囲内になるように調整されるようになっている。
一方、本実施形態の液圧テンショナ10においては、プランジャ13の近傍でテンショナボデー11に対向するチェーンスリッパ35の一部、すなわち押圧部35aと、プランジャ13の周囲でチェーンスリッパ35に対向するテンショナボデー11の対向端面部11eとのうちいずれか一方に、プランジャ13がテンショナボデー11の内奥側に後退可能な状態(プランジャ13とテンショナボデー11の内底面11cとの間に隙間があり、かつ、圧縮コイルスプリング14も密着高さに達していない状態)でテンショナボデー11とチェーンスリッパ35とを衝合させるストッパ部40が設けられている。
このストッパ部40は、プランジャ13の周囲でテンショナボデー11の対向端面部11eに対向するようチェーンスリッパ35に設けられた少なくとも1つの突出部35pによって構成されている。
チェーンスリッパ35はプランジャ13の進退動方向に揺動可能であるが、このストッパ部40の突出部35pは、チェーンスリッパ35の揺動方向のうちプランジャ13を後退させる側に突出している。
図1および図3に示すように、ストッパ部40の突出部35pは、より具体的には、プランジャ13の中心軸線を挟んでプランジャ13の軸直角方向に互いに離間する一方および他方のリブ35pa、35pb(一方および他方の突出部)によって構成されており、これら一方および他方のリブ35pa、35pbは、チェーンスリッパ35の長手方向軸線およびプランジャ13の中心軸線によって規定される平面(図1に示す断面に対応する)と平行なそれぞれの断面上で、テンショナボデー11の対向端面部11eに向かって凸となるように湾曲している。
また、チェーンスリッパ35は、一方および他方のリブ35pa、35pbの間でプランジャ13の外端面部13eに係合する係合面35eを有しており、この係合面35eは、チェーンスリッパ35の長手方向軸線およびプランジャ13の軸線によって規定される断面(図1に示すチェーンスリッパ35の断面)上でプランジャ13の外端面部13eに向かって凸となるように湾曲している。
プランジャ13とテンショナボデー11との間には圧縮コイルスプリング14が介装されているので、テンショナボデー11とチェーンスリッパ35とがストッパ部40で衝突するときには、図3に示すように、プランジャ13の外端面部13eは、チェーンスリッパ35に対向するテンショナボデー11の対向端面部11eよりチェーンスリッパ35側に突出高さhだけ突出するようになっている。なお、プランジャ13の進退動によるストロークは、通常、数mm程度であるが、特に制限されるものではない。
図2に示すように、チェーン34は、チェーンスリッパ35によってガイドされる移動区間以外に、カム軸32、33の間の移動区間と、カム軸33からクランク軸31への移動区間とで、それぞれ固定ガイドユニット25、26により、チェーン34を構成するリンク部分でそれぞれガイドされている。
なお、図2に示すエンジン1においては、運転状態に応じてバルブタイミングを連続的に可変制御する可変動弁制御装置として、液圧式の可変バルブタイミング機構(VVT)を有しており、その可変バルブタイミング機構は、詳細を図示しないが、カム軸32、33の一端部にそれぞれ複数のベーンを有するベーンロータを装着する一方、クランク軸31によりチェーン34を介して駆動されるチェーンスプロケット22a、23aを装着したVVTテンショナボデー22、23によってそのベーンロータを回転可能に収納させたものとなっている。この場合、ベーンロータおよびテンショナボデーの間には、ベーンを挟んで回転方向に対向する進角用の液室(以下、進角室という)と遅角用の液室(以下、遅角室という)が形成され、進角室と遅角室のうち進角室にオイルを供給しつつ遅角室から排出させることでバルブタイミングを進角側に変化させ、進角室と遅角室のうち遅角室にオイルを供給しつつ進角室から排出させることでバルブタイミングを遅角側に変化させるようになっている。
次に、作用について説明する。
上述のように構成された本実施形態の液圧テンショナ10においては、エンジン1の始動によってオイルポンプが作動し始めるとき、エンジン1の始動から液圧室12内の液圧が所定の圧力レベルに達するまでの間、液圧室12の内部にエア(気相)が存在することによってプランジャ13の推力が変動し易い状態となる。また、オイル通路内のエアが液圧室12に侵入することによっても、液圧室12の内部の液圧が変動し易い。
そして、エンジン1の始動時点から液圧室12にオイルポンプからの一定圧力レベル以上の液圧が安定供給されるまでの間、チェーン34の張力に基づくチェーン34側からプランジャ13側への反力が液圧室12内の液圧に基づくプランジャ13の推力を上回る状態が発生し易く、その状態になると、チェーンスリッパ35が図2中の反時計方向に揺動するとともに、プランジャ13が液圧推力および圧縮コイルスプリング14の付勢力に抗してテンシャナボデー11のプランジャ収納孔11bの内奥側に後退する。
このとき、プランジャ13がテンショナボデー11の内奥側に後退可能な状態で、テンショナボデー11とチェーンスリッパ35とがストッパ部40で衝合する。すなわち、チェーンスリッパ35の係合面35eがプランジャ13の外端面部13eに圧接する状態で、チェーンスリッパ35がプランジャ13を後退させる方向(以下、後退方向という)に揺動する。
そして、チェーンスリッパ35の一方および他方のリブ35pa、35pbが、プランジャ13の周囲でテンショナボデー11の対向端面部11eに当接すると、チェーンスリッパ35のそれ以上の後退方向への揺動が規制される。一方、プランジャ13は、液圧室12内の液圧に基づく前進方向の推力と圧縮コイルスプリング14からの前進方向への付勢力とによってチェーンスリッパ35に圧接していることから、チェーンスリッパ35の揺動が停止すると、その後退動作を停止させることになる。
したがって、液圧室12内への供給液圧が低圧であってチェーン34の張力が変動したり、液圧室12内への供給液圧がエアの混入により変動したりするときでも、液圧推力を発生するプランジャ13に対しチェーン34の張力変動によるチェーンスリッパ35からの振幅の過大な振動の入力が規制されることになる。その結果、プランジャ13がテンシャナボデー11側に繰返し衝突することによる打音等の異音が有効に抑制される。
また、テンショナボデー11側ではプランジャ13と協働してチェーンスリッパ35からの振動が広い範囲で担持されることになるから、打音等の異音が有効に抑制されることになる。
本実施形態においては、ストッパ部40としてチェーンスリッパ35にテンショナボデー11の対向端面部11eに対向する突出部35pを設けるだけで、新たな部品を追加したりすることなく打音等の異音が有効に抑制できることになるから、既存のテンショニング装置にも容易に適用可能である。
また、ストッパ部40が、プランジャ13の軸線を挟んで互いに離間する一方および他方のリブ35pa、35pbによって構成されているので、ストッパ部40におけるテンショナボデー11とチェーンスリッパ35との接触面積を増大させることができる。しかも、プランジャ13の外端面部13eに向かって凸となるよう湾曲した一方および他方のリブ35pa、35pbにより、チェーンスリッパ35が揺動してもストッパ部40におけるテンショナボデー11とチェーンスリッパ35との接触面積を安定して確保することができる。
さらに、チェーンスリッパ35の係合面35eもプランジャ13の外端面部13eに向かって凸となるよう湾曲しているので、チェーンスリッパ35が揺動しても、プランジャ13の外端面部13eとテンショナボデー11の対向端面部11eとの双方でチェーンスリッパ35との接触面積を確保することができる。特に、プランジャ13とテンショナボデー11との間に、プランジャ13をチェーンスリッパ35側に付勢する圧縮コイルスプリング14が介装されているので、プランジャ13の外端部とテンショナボデー11の対向端面部との双方でチェーンスリッパ35との接触面積を常時確保でき、打音等の異音を有効に抑制できる。
一方、液圧室12にオイルポンプからの一定圧力レベル以上の液圧が安定供給される状態では、液圧室12内の液圧に基づくプランジャ13の推力は、専らチェーン34の張力に基づく反力を上回るものとなり、このプランジャ13からの押圧力とチェーン34の張力に応じた反力とを受けるチェーンスリッパ35により、チェーン34の張力の変動が抑制されて適正範囲内に調整される。さらに、この液圧テンショナ10の作用により、エンジン1の温度変化によるチェーン34の張力変化や、経年変化によるチェーン34の張力低下等も吸収される。
このように、本実施形態によれば、プランジャ13がテンショナボデー11の内奥側に後退可能な状態でテンショナボデー11とチェーンスリッパ35とがストッパ部40で衝合するようにしているので、チェーン34の張力やプランジャ13に受圧される液圧が変動するときにプランジャ13がテンシャナボデー11側に繰返し衝突することがなく、打音等の異音を有効に抑制することができる液圧テンショナを提供することができる。
なお、上述の実施形態では、ストッパ部40をチェーンスリッパ35側の一方および他方のリブ35pa、35pb(突出部)によって構成したが、チェーンスリッパ35からテンショナボデー11の対向端面部11eに向かって略楕円形状の環状の凸部としてもよい。また、ストッパ部40は、テンシャナボデー11側にその対向端面部11eからチェーンスリッパ35に向かって突出する突出部であってもよく、対向端面部11eの大部分をチェーンスリッパ35に向かって凸となる湾曲面とするようなこともできる。
さらに、駆動軸と被駆動軸の間に巻回される無端伝動要素は、上述の実施形態ではエンジン1のクランク軸とカム軸の間に巻回されるチェーンとしていたが、無端伝動要素は、チェーンに代わる金属製のタイミングベルト等であってもよい。
また、上述の実施形態では、液圧室12内に供給される液体をオイルとしたが、本発明においては、液圧室内に供給される液体はオイル以外の実質的に非圧縮性の流体であってもよい。また、圧縮コイルスプリング14のような弾性部材は必ずしも必要ではない。
以上説明したように、本発明に係る液圧テンショナは、プランジャがテンショナボデーの内奥側に後退可能な状態でテンショナボデーとガイド部材とがストッパ部で衝合するようにしているので、無端伝動要素の張力やプランジャの受圧する液圧が変動するときにプランジャがテンシャナボデー側に繰返し衝突することがなく、打音等の異音を有効に抑制することができる液圧テンショナを提供することができるという効果を奏するものであり、プランジャから摺動ガイド部材を介して伝達される押圧力によりチェーン等の無端伝動要素の張力を保持する液圧テンショナ全般に有用である。
1 エンジン(内燃機関)
10 液圧テンショナ
11 テンショナボデー
11a 供給通路(液圧供給通路)
11b プランジャ収納孔
11c 内底面
11e 対向端面部
11f、11g 取付け穴部
12 液圧室
13 プランジャ
13a 凹部
13b スカート部
13e 外端面部
14 圧縮コイルスプリング(付勢手段、弾性部材)
22、23 VVTテンショナボデー
22a、23a チェーンスプロケット
25、26 固定ガイドユニット
31 クランク軸
32、33 カム軸
34 チェーン(無端伝動要素)
35 チェーンスリッパ(ガイド部材)
35a 押圧部
35b 揺動支点部
35c ガイド面部
35e 係合面
35p 突出部
35pa、35pb 一方および他方のリブ(一方および他方の突出部)
36 逆止弁
36a 球状弁体
36b 弁座部
36c バルブガイド
40 ストッパ部

Claims (4)

  1. 加圧された液体が供給される供給通路を有するテンショナボデーと、前記テンショナボデーと共に液圧室を形成するよう前記テンショナボデーに摺動可能に保持されたプランジャと、駆動軸と被駆動軸の間に巻回される無端伝動要素の特定の移動区間に摺動可能に係合するとともに前記液圧室に前記加圧された液体が供給されるとき前記プランジャからの押圧力を受けるガイド部材と、を備え、前記ガイド部材により前記プランジャからの押圧力に応じて前記無端伝動要素の張力を調整する液圧テンショナにおいて、
    前記プランジャの近傍で前記テンショナボデーに対向する前記ガイド部材の一部と前記プランジャの周囲で前記ガイド部材に対向する前記テンショナボデーの対向端面部とのうちいずれか一方に、前記プランジャが前記テンショナボデーの内奥側に後退可能な状態で前記テンショナボデーと前記ガイド部材とを衝合させるストッパ部として、前記プランジャの軸線を挟んで互いに離間する一方および他方の突出部が設けられ、
    前記一方および他方の突出部が、前記ガイド部材の長手方向軸線および前記プランジャの軸線によって規定される平面と平行なそれぞれの断面上で、前記ガイド部材の一部と前記テンショナボデーの対向端面部とのうちいずれか他方に向かって凸となるよう湾曲するとともに、
    前記ガイド部材が、前記一方および他方の突出部の間で前記プランジャの外端面部に係合する係合面を有し、該係合面が、前記ガイド部材の長手方向軸線および前記プランジャの軸線によって規定される断面上で前記プランジャの外端面部に向かって凸となるよう湾曲していることを特徴とする液圧テンショナ。
  2. 前記一方および他方の突出部が、前記プランジャの周囲で前記テンショナボデーの対向端面部に対向するよう前記ガイド部材に設けられた一方および他方のリブによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液圧テンショナ。
  3. 前記ガイド部材が前記プランジャの進退動方向に揺動可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液圧テンショナ。
  4. 前記プランジャと前記テンショナボデーとの間に、前記プランジャを前記ガイド部材側に付勢する付勢手段が介装され、
    前記テンショナボデーと前記ガイド部材とが前記ストッパ部で衝突するとき、前記プランジャの外端面部は、前記ガイド部材の一部に対向する前記テンショナボデーの対向端面部より前記ガイド部材側に突出することを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか1の請求項に記載の液圧テンショナ。
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