JP2011078277A - 電動式建設機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成でオートアイドル制御を行うことができ、且つ制御調整の負担を軽減することができる電動式建設機械を提供する。
【解決手段】インバータ装置29は、通常モード中、回転数指示装置28で指示された目標回転数に対応する閾値を読込み、永久磁石同期モータ30の一次電流が閾値より小さくなる状態で所定時間が経過したか否かを判定し、これによって全ての油圧アクチュエータが動作していないような低負荷状態であるか否かを判断する。そして、永久磁石同期モータ30の一次電流が閾値未満となる状態で所定時間が経過したと判定された場合は、通常モードからアイドルモードに切替えて、ローアイドル回転数となるように、永久磁石同期モータ30の印加電圧を制御する。
【選択図】図5

Description

本発明は、永久磁石同期モータによって油圧ポンプを駆動する電動式建設機械に係わり、特に、ベクトル制御演算を用いて永久磁石同期モータの印加電圧を制御するインバータ手段を有する電動式建設機械に関する。
建設機械の一つである油圧ショベルは、エンジンを搭載したものが知られている。この油圧ショベルは、例えば、エンジンによって駆動する油圧ポンプと、複数の油圧アクチュエータ(詳細には、例えばブーム用油圧シリンダ、アーム用油圧シリンダ、バケット用油圧シリンダ、旋回用油圧モータ、及び走行用油圧モータ等)と、複数の油圧アクチュエータの動作をそれぞれ指示する複数の操作手段(詳細には、例えば操作レバーの操作位置に対応する油圧操作信号を出力する操作手段)と、これら複数の操作手段の操作に応じて油圧ポンプから複数の油圧アクチュエータへの圧油の流れをそれぞれ制御する複数のコントロールバルブと、エンジンの目標回転数を指示する回転数指示手段と、この回転数指示手段で指示された目標回転数となるように、エンジンの燃料噴射量を制御するガバナとを備えている。
ここで、エンジンの燃料消費の低減を図るため、全ての油圧アクチュエータが動作していないような低負荷状態である場合に、エンジン回転数を予め設定されたローアイドル回転数に低下させ、その後、いずれかの油圧アクチュエータが動作するような負荷が生じる場合に、エンジン回転数を復帰させるオートアイドル制御が提唱されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の従来技術では、全ての操作手段の操作位置若しくは全てのコントロールバルブの切換位置が中立位置にあるか否かを検出・判定し(すなわち、前述した低負荷状態であるか否かを判断し)、中立位置にある場合は、ローアイドル回転数となるように、エンジンの燃料噴射量を制御するようになっている。
特開平6−257184号公報
近年、排気ガスを排出せず、騒音及び振動も大幅に低減する利点を有することから、エンジンの代わりに電動モータ(交流モータ)を搭載した電動式油圧ショベルが提唱されている。この電動式油圧ショベルは、例えば、電動モータによって駆動する油圧ポンプと、複数の油圧アクチュエータと、複数の油圧アクチュエータの動作をそれぞれ指示する複数の操作手段と、これら複数の操作手段の操作に応じて油圧ポンプから複数の油圧アクチュエータへの圧油の流れをそれぞれ制御する複数のコントロールバルブと、エンジンの目標回転数を指示する回転数指示手段と、この回転数指示手段で指示された目標回転数となるように電動モータの印加電圧を制御するインバータ手段とを備えている。
そして、このような電動式油圧ショベルにおいても、電動モータの電力消費の低減を図るため、特許文献1に記載のようなオートアイドル制御を行うことが好ましい。すなわち、例えば、複数の操作装手段の操作位置若しくは複数のコントロールバルブの切換位置が中立位置にあるか否かを検出・判定し(すなわち、前述した低負荷状態であるか否かを判断し)、中立位置にある場合は、ローアイドル回転数となるように、電動モータの電圧を制御するような構成が考えられる。しかし、このような構成においては、以下のような改善の余地が存在する。すなわち、低負荷状態の判断要因となる状態量(操作手段の操作位置若しくはコンロールバルブの切換位置)が操作手段若しくはコントロールバルブの数に対応して多くなることから、それらの検出・判定手段の構成が多くなるか若しくは複雑化する(詳細には、例えばセンサ類が多くなるか、若しくはセンサ類を少なくするための検出構造が複雑化する)。また、検出・判定誤差に影響する要因が多くなってしまい、制御調整の負担が大きくなる。
本発明の目的は、簡素な構成でオートアイドル制御を行うことができ、且つ制御調整の負担を軽減することができる電動式建設機械を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、永久磁石同期モータと、前記永久磁石同期モータによって駆動する油圧ポンプと、複数の油圧アクチュエータと、前記複数の油圧アクチュエータの動作をそれぞれ指示する複数の操作手段と、前記複数の操作手段の操作に応じて前記油圧ポンプから前記複数の油圧アクチュエータへの圧油の流れをそれぞれ制御する複数のコントロールバルブと、前記永久磁石同期モータの目標回転数を指示する回転数指示手段と、少なくとも前記永久磁石同期モータの一次電流若しくはこれを推定するための状態量を検出する検出手段と、通常モードでは、前記回転数指示手段で指示された目標回転数となるように、ベクトル制御演算を用いて前記検出手段の検出結果に基づき前記永久磁石同期モータの印加電圧を制御するインバータ手段とを有する電動式建設機械であって、前記永久磁石同期モータの回転数毎に予め設定されて、前記複数の油圧アクチュエータが動作していないような低負荷状態における前記永久磁石同期モータの一次電流に対し所定値を加えた閾値を記憶する記憶手段と、前記通常モード中、前記目標回転数指示手段で指示された目標回転数に対応する閾値を前記記憶手段から読込み、この読込んだ閾値より前記永久磁石同期モータの一次電流が小さくなる状態で所定時間が経過したか否かを判定し、これによって前記低負荷状態であるか否かを判断する第1の判定手段と、前記第1の判定手段にて前記永久磁石同期モータの一次電流が閾値未満となる状態で所定時間が経過したと判定された場合に、前記通常モードからアイドルモードに切替えるモード切替手段とを有し、前記インバータ手段は、前記アイドルモードでは、予め設定されたローアイドル回転数となるように、ベクトル制御演算を用いて前記検出手段の検出結果に基づき前記永久磁石同期モータの印加電圧を制御する。
このような本発明においては、永久磁石同期モータにかかるポンプ負荷と永久磁石同期モータの一次電流とが比例的な関係にあることから、記憶手段は、永久磁石同期モータの回転数毎に予め設定されて、全ての油圧アクチュエータが動作していないような低負荷状態における永久磁石同期モータの一次電流に対し所定値を加えた閾値を記憶する。そして、第1の判定手段は、通常モード中、目標回転数指示手段で指示された目標回転数に対応する閾値を記憶手段から読込み、永久磁石同期モータの一次電流が閾値より小さくなる状態で所定時間が経過したか否かを判定し、これによって低負荷状態であるか否かを判断する。これにより、例えば複数の操作手段の操作位置若しくは複数のコントロールバルブの切換位置が中立位置にあるか否かを検出・判定し、これによって低負荷状態であるか否かを判断するような場合と比べ、低負荷状態の判断要因となる状態量を少なくすることができる。したがって、状態量の検出・判定手段の構成を簡素化することができる。また、検出・判定誤差に影響する要因を少なくすることができ、制御調整の負担を軽減することができる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記アイドルモード中、前記ローアイドル回転数に対応する閾値を前記記憶手段から読込み、この閾値より前記永久磁石同期モータの一次電流が大きいか否かを判定し、これによって前記複数の油圧アクチュエータのうちのいずれかが動作するような負荷が生じたか否かを判断する第2の判定手段を有し、前記モード切替手段は、前記第2の判定手段にて前記永久磁石同期モータの一次電流が閾値以上であると判定された場合に、前記アイドルモードから前記通常モードに切替える。
(3)上記目的を達成するために、本発明は、永久磁石同期モータと、前記永久磁石同期モータによって駆動する油圧ポンプと、複数の油圧アクチュエータと、前記複数の油圧アクチュエータの動作をそれぞれ指示する複数の操作手段と、前記複数の操作手段の操作に応じて前記油圧ポンプから前記複数の油圧アクチュエータへの圧油の流れをそれぞれ制御する複数のコントロールバルブと、前記永久磁石同期モータの目標回転数を指示する回転数指示手段と、少なくとも前記永久磁石同期モータの一次電流若しくはこれを推定するための状態量を検出する検出手段と、通常モードでは、前記回転数指示手段で指示された目標回転数となるように、ベクトル制御演算を用いて前記検出手段の検出結果に基づき前記永久磁石同期モータの印加電圧を制御するインバータ手段とを有する電動式建設機械であって、前記ベクトル制御演算の過程で前記永久磁石同期モータの発生トルクを演算するトルク演算手段と、前記永久磁石同期モータの回転数毎に予め設定されて、前記複数の油圧アクチュエータが動作していないような低負荷状態における前記永久磁石同期モータの発生トルクに対し所定値を加えた閾値を記憶する記憶手段と、前記通常モード中、前記目標回転数指示手段で指示された目標回転数に対応する閾値を前記記憶手段から読込み、この読込んだ閾値より前記永久磁石同期モータの発生トルクが小さくなる状態で所定時間が経過したか否かを判定し、これによって前記低負荷状態であるか否かを判断する第1の判定手段と、前記第1の判定手段にて前記永久磁石同期モータの発生トルクが閾値未満となる状態で所定時間が経過したと判定された場合に、前記通常モードからアイドルモードに切替えるモード切替手段とを有し、前記インバータ手段は、前記アイドルモードでは、予め設定されたローアイドル回転数となるように、ベクトル制御演算を用いて前記検出手段の検出結果に基づき前記永久磁石同期モータの印加電圧を制御する。
このような本発明においては、記憶手段は、永久磁石同期モータの回転数毎に予め設定されて、全ての油圧アクチュエータが動作していないような低負荷状態における永久磁石同期モータの発生トルクに対し所定値を加えた閾値を記憶している。そして、第1の判定手段は、通常モード中、目標回転数指示手段で指示された目標回転数に対応する閾値を記憶手段から読込み、ベクトル制御演算の過程で得られた永久磁石同期モータの発生トルクが閾値より小さくなる状態で所定時間が経過したか否かを判定し、これによって低負荷状態であるか否かを判断する。これにより、上記(1)と同様、低負荷状態の判断要因となる状態量を少なくすることができる。したがって、簡素な構成でオートアイドル制御を行うことができ、且つ制御調整の負担を軽減することができる。
(4)上記(3)において、好ましくは、前記アイドルモード中、前記ローアイドル回転数に対応する閾値を前記記憶手段から読込み、この読込んだ閾値より前記永久磁石同期モータの発生トルクが大きいか否かを判定し、これによって前記複数の油圧アクチュエータのうちのいずれかが動作するような負荷が生じたか否かを判断する第2の判定手段を有し、前記モード切替手段は、前記第2の判定手段にて前記永久磁石同期モータの発生トルクが閾値以上であると判定された場合に、前記アイドルモードから前記通常モードに切替える。
(5)上記(1)又は(3)において、好ましくは、前記ベクトル制御演算の過程で前記永久磁石同期モータの実回転数を演算する回転数演算手段と、前記アイドルモード中、前記ローアイドル回転数から所定値を減じた閾値より前記永久磁石同期モータの実回転数が小さいか否かを判定し、これによって前記複数の油圧アクチュエータのうちのいずれかが動作するような負荷が生じたか否かを判断する第2の判定手段とを有し、前記モード切替手段は、前記第2の判定手段にて前記永久磁石同期モータの回転数が閾値以下であると判定された場合に、前記アイドルモードから前記通常モードに切替える。
本発明によれば、簡素な構成でオートアイドル制御を行うことができ、且つ制御調整の負担を軽減することができる。
本発明の適用対象である電動式油圧ショベルの全体構造を表す側面図である。 本発明の適用対象である電動式油圧ショベルの油圧駆動装置の構成を表す油圧回路図である。 本発明の第1の実施形態におけるインバータ装置の構成を関連機器とともに表すブロック図である。 本発明の第1の実施形態におけるインバータ装置の演算制御部の機能的構成を関連機器とともに表すブロック図である。 本発明の第1の実施形態におけるモード切替制御の処理内容を表すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における回転数とモータ電流の閾値との関係を表す図である。 本発明の第1の実施形態におけるモータ電流の経時変化を一例として表す図である。 本発明の一変形例におけるモード切替制御の処理内容を表すフローチャートである。 本発明の一変形例における回転数とモータトルクの閾値との関係を表す図である。 本発明の第2の実施形態におけるインバータ装置の構成を関連機器とともに表すブロック図である。 本発明の第2の実施形態におけるインバータ装置の演算制御部の機能的構成を関連機器とともに表すブロック図である。
以下、本発明の適用対象として電動式油圧ショベルを例にとり、本発明の第1の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の適用対象である電動式油圧ショベルの全体構造を表す側面図である。
この図1において、電動式油圧ショベルは、左右の履帯(クローラ)1を備えた下部走行体2と、この下部走行体2の上部に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、この上部旋回体3の基礎下部構造をなす旋回フレーム4と、この旋回フレーム4の前部に水平方向に回動可能に取り付けられたスイングポスト5と、このスイングポスト5に上下方向に回動可能に(俯仰可能に)取り付けられた多関節型のフロント作業機6と、旋回フレーム4上の左側に設けられたキャノピータイプの運転室7と、旋回フレーム4上の後側に設けられバッテリ8(後述の図2参照)を収納するバッテリ搭載部9とを備えている。
下部走行体2は、略H字形状のトラックフレーム10と、このトラックフレーム10の左右両側の後端近傍に回転可能に支持された左右の駆動輪11と、これら左右の駆動輪11をそれぞれ駆動する左右の走行用油圧モータ12と、トラックフレーム10の左右両側の前端近傍に回転可能に支持され、履帯1を介し駆動輪11の駆動力でそれぞれ回転される左右の従動輪(アイドラ)13とを備えている。
また、トラックフレーム10の前側には、排土用のブレード14が上下動可能に設けられており、ブレード14は、ブレード用油圧シリンダ(図示せず)により上下動するようになっている。また、トラックフレーム10の中央部と旋回フレーム4との間には、旋回輪(図示せず)が設けられており、この旋回輪の径方向内側には、下部走行体2に対し旋回フレーム4を旋回させる旋回用油圧モータ(図示せず)が設けられている。
スイングポスト5は、垂直ピン(図示せず)を介して旋回フレーム4に対し水平方向に回動可能となっている。そして、スイング用油圧シリンダ(図示せず)によりスイングポスト5が水平方向に回動し、これによってフロント作業機6が左右にスイングするようになっている。
フロント作業機6は、スイングポスト5に回動可能に連結されたブーム15と、このブーム15の先端部に回動可能に結合されたアーム16と、このアーム16の先端部に回動可能に結合されたバケット17とを備えている。そして、ブーム15、アーム16、及びバケット17は、ブーム用油圧シリンダ18、アーム用油圧シリンダ19、及びバケット用油圧シリンダ20により動作するようになっている。
運転室7は、運転者が着座する運転席(座席)21と、この運転席21の左側に設けられた左のコンソールボックス22と、運転席21の右側に設けられた右のコンソールボックス(図示せず)とを備えている。運転席21の前方には、左右の走行用油圧モータ12をそれぞれ駆動し油圧ショベルの前進又は後進走行等をさせるための手でも足でも操作可能な左右の走行用操作レバー23が設けられている。左の走行用操作レバー23のさらに左側の足元部分には、オプション用油圧アクチュエータ(例えばブレーカ用油圧モータ)を駆動するためのオプション用操作ペダル(図示せず)が設けられている。右の走行用操作レバー23のさらに右側の足元部分には、スイング用油圧シリンダを駆動しスイングポスト5(言い換えればフロント作業機6全体)を左右にスイングさせるためのスイング用操作ペダル(図示せず)が設けられている。
左のコンソールボックス22の前部には、左側又は右側に操作することで旋回用油圧モータを駆動し上部旋回体3を左側又は右側に旋回させるとともに、前側又は後側に操作することでアーム用油圧シリンダ19を駆動しアーム16をダンプ又はクラウドさせる十字操作式の旋回・アーム用操作レバー24と、誤操作防止用のロックレバー25とが設けられている。右のコンソールボックスの前部には、左側又は右側に操作することでバケット用油圧シリンダ20を駆動しバケット17をクラウド又はダンプさせるとともに、前側又は後側に操作することでブーム用油圧シリンダ18を駆動しブーム15を下げ又は上げる十字操作式のバケット・ブーム用操作レバー26(後述の図2参照)と、前側又は後側に操作することでブレード用油圧シリンダを駆動しブレード14を上下動させるためのブレード用操作レバー(図示せず)が設けられている。
また、右のコンソールボックスには、キースイッチ27(後述の図3参照)が設けられている。キースイッチ27は、詳細を図示しないが、キーシリンダ及びこのキーシリンダに挿入可能なキーで構成されており、OFF位置、ON位置、又はSTART位置に回転操作可能としている。また、右のコンソールボックスの後部には、前後方向に操作可能な回転数指示レバー(図示せず)を備えた回転数指示装置28(後述の図3参照)が設けられている。回転数指示装置28は、回転数指示レバーの操作位置を検出する変位検出器(図示せず)を備え、この変位検出器から回転数指示レバーの操作位置に対応した目標回転数(例えば1000〜2400rpm)の指示信号が出力されるようになっている。
上述した左右の履帯1、上部旋回体3、スイングポスト5、ブレード14、ブーム15、アーム16、及びバケット17は、電動式油圧ショベルに備えられた油圧駆動装置により駆動される被駆動部材を構成している。図2は、この油圧駆動装置のうち、ブーム14に係わる要部構成を例にとって表す油圧回路図である。
この図2において、バッテリ8(例えばリチウム電池)からの直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ装置29と、このインバータ装置29からの交流電力によって駆動する永久磁石同期モータ30と、この永久磁石同期モータ30によって駆動する油圧ポンプ31及びパイロットポンプ32と、ブーム用油圧シリンダ18と、油圧ポンプ31からブーム用油圧シリンダ18への圧油の流れを制御するブーム用コントロールバルブ33と、前側又は後側に操作することでブーム14の動作(言い換えれば、ブーム用油圧シリンダ18の動作)を指示するバケット・ブーム用操作レバー26を備えた油圧パイロット式の操作装置34と、パイロットポンプ32からの元圧を遮断可能とするロックバルブ35とが設けられている。
ロックバルブ35は、パイロットポンプ32と操作装置34との間の油圧管路に設けられており、上述したロックレバー25の操作に応じて切換えられて油圧管路を連通・遮断可能とするものである。すなわち、ロックレバー25を下降位置(下げた状態)に引き下げると、ロックバルブ35のソレノイド駆動部35aが通電されて、ロックバルブ35が図中左側に示す連通位置に切換えられる。これにより、パイロットポンプ32からの元圧が操作装置34へ導かれるようになっている。一方、ロックレバー25を上昇位置(上げた状態)に引き上げると、ロックバルブ35のソレノイド駆動部35aが通電されず、バネ35bの付勢力で、ロックバルブ35が図中右側に示す遮断位置に切換えられる。これにより、パイロットポンプ35からの元圧が遮断されるようになっている。なお、ロックレバー25には、アンロック位置であるか否かを検出するロックスイッチ36(後述の図3参照)が設けられている。
操作装置34は、操作レバー26の前後方向の操作量に応じてパイロットポンプ32からの元圧(1次パイロット圧)を減圧した油圧操作信号(2次パイロット圧)を出力する一対の減圧弁34a,34bを備えている。そして、例えば操作レバー26を前側(図中矢印A方向)に操作すると、減圧弁34aで生成した油圧操作信号がブーム用コントロールバルブ33のパイロット操作部33aへ出力されて、コントロールバルブ33が図中右側に示す切換位置に切換えられる。これにより、油圧ポンプ31から吐出された圧油がブーム用油圧シリンダ18のロッド側に供給されて、ブーム用油圧シリンダ18が縮短するようになっている。一方、例えば操作レバー26を後側(図中矢印A方向とは反対方向)に操作すると、減圧弁34bで生成した油圧操作信号がブーム用コントロールバルブ33のパイロット操作部33bへ出力されて、ブーム用コントロールバルブ33が図中左側に示す切換位置に切換えられる。これにより、油圧ポンプ31から吐出された圧油がブーム用油圧シリンダ18のボトム側に供給されて、ブーム用油圧シリンダ18が伸長するようになっている。
なお、図示しないが、他の被駆動部材(左右の履帯1、上部旋回体3、スイングポスト5、ブレード14、アーム16、及びバケット17)に係わる構成も、上記ブーム15に係わる構成と同様であり、永久磁石同期モータ30の負荷となっている。
図3は、インバータ装置29の構成を関連機器とともに表すブロック図である。
この図3において、インバータ装置29は、バッテリ8からの直流の電圧150〜180V程度を270V程度まで昇圧するコンバータ回路37と、このコンバータ回路37で昇圧された直流電力から交流電力を生成して永久磁石同期モータ30に供給するインバータ回路38と、このインバータ回路38を制御する演算制御部(マイクロコンピュータ)39とを有している。
インバータ装置29の演算制御部39は、上述したキースイッチ27、回転数指示装置28、及びロックスイッチ36からの信号を入力し、これらの信号に応じてインバータ回路39を制御し、これによって永久磁石同期モータ30の印加電圧を制御するようになっている。詳しく説明すると、演算制御部39は、ロックスイッチ36からの信号により、ロックレバー25がアンロック位置にあるか否かを判断し、キースイッチ27からの信号により、キースイッチがSTART位置に操作されたか否かを判断する。そして、例えばロックレバー25がアンロック位置にあり、かつキースイッチ27がSTART位置に操作されたと判断した場合は、永久磁石同期モータ30を駆動させる。一方、例えばロックレバー25がロック位置にあるか又はキースイッチ27がOFF位置に操作されたと判断した場合は、永久磁石同期モータ30を停止させるようになっている。
また、通常モードでは、回転数指示装置28で指示された目標回転数となるように、ベクトル制御演算を用いて永久磁石同期モータ30の印加電圧を制御するようになっている。このベクトル制御の詳細を、図4により説明する。
図4は、演算制御部39の機能的構成を関連機器とともに表すブロック図である。
この図4において、永久磁石同期モータ30の一次電流(3相交流電流)Iu,Iv,Iwを検出する電流センサ40及び永久磁石同期モータ30の磁極位置(d軸位置)θdを検出する位置センサ41が設けられており、演算制御部39は、これら電流センサ40及び位置センサ41の検出結果に基づきベクトル制御演算を行うようになっている。
演算制御部39は、磁極位置θdに基づき3相交流電流Iu,Iv,Iwをd軸電流Id及びq軸電流Iqに変換する3相/2軸変換部42と、d軸電流Id及びq軸電流Iqから永久磁石同期モータ30の発生トルクτを演算するトルク演算部43と、磁極位置θdを微分して永久磁石同期モータ30の実回転数ωを演算する回転数演算部44と、回転指示装置28で指示された目標回転数ω0、回転数演算部44で演算された実回転数ω、及びトルク演算部43で演算された発生トルクτ等に基づき、回転数指令ω及びトルク指令τを生成する回転数・トルク指令生成部45と、d軸電流指令Id(通常、Id≒0)を生成するd軸電流指令生成部46と、トルク指令τに基づきq軸電流指令Iqを生成するq軸電流指令生成部47と、d軸電流指令Id、q軸電流指令Iq、d軸電流Id、q軸電流Iq、及び回転数指令ωに基づき、d軸電圧指令Vd及びq軸電圧指令Vqを演算する電圧指令演算部48と、磁極位置θdに基づきd軸電圧指令Vd及びq軸電圧指令Vqを3相交流電圧指令Vu,Vv,Vwに変換する2軸/3相変換部49と、3相交流電圧指令Vu,Vv,Vwにそれぞれ比例したPWM信号(パルス幅変調信号)を生成してインバータ回路38に出力するPWM出力部(図示せず)とを有している。
電圧指令演算部48は、d軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqが実際の電流となるように、d軸電流Id及びq軸電流Iqをフィードバック制御するようになっている。すなわち、第1のd軸電流指令Idとd軸電流Idとの偏差に基づいて第2のd軸電流指令値Id**を生成し、第1のq軸電流指令Iqとq軸電流Iqとの偏差に基づいて第2のq軸電流指令値Iq**を生成する。そして、第2のd軸電流指令値Id**、第2のq軸電流指令値Iq**、モータ定数(詳細には、抵抗R,誘起電圧Ke,d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLq)、及び回転速度指令値ωに基づき、d軸電圧指令Vd及びq軸電圧指令Vqを演算する(下記の数式1参照)。
Figure 2011078277
トルク演算部43は、d軸電流Id、q軸電流Iq、誘起電圧Ke、d軸インダクタンスLd、及びq軸インダクタンスLqに基づき、久磁石同期モータ30の発生トルクτを演算する(下記の数式2参照)。
Figure 2011078277
回転数・トルク指令生成部45は、通常モードでは、回転数指示装置28で指示された目標回転数目標回転数ω0(例えば1000〜2400rpm)が実際の回転数となるように、実回転数ωをフィードバック制御するようになっている。すなわち、目標回転数ω0と実回転数ωとの偏差に基づいて回転数指令ωを生成する。また、例えば回転数指示装置28で指示された目標回転数ω0の変化量や、回転数指令ωと実回転数ωとの偏差に基づいて発生トルクτを補正して、トルク指令τを生成するようになっている。
また、本実施形態の大きな特徴として、回転数・トルク指令生成部45は、永久磁石同期モータ30の一次電流(詳細には、Iu,Iv,Iwのうちのいずれか、若しくは平均値等による総合的な判断)に基づき、全ての油圧アクチュエータが動作していないような低負荷状態であるか否かを判断しており、低負荷状態であると判断した場合には、通常モードからアイドルモードに切替えるようになっている。そして、アイドルモードでは、予め設定されたローアイドル回転数(例えば600rpm又は300rpm等)が実際の回転数となるように、実回転数ωをフィードバック制御するようになっている。すなわち、ローアイドル回転数と実回転数ωとの偏差に基づいて回転数指令ωを生成する。また、例えば回転数指令ωと実回転数ωとの偏差に基づいて発生トルクτを補正して、トルク指令τを生成するようになっている。このようなモード切替制御の詳細手順を図5により説明する。図5は、モード切替制御の処理内容を表すフローチャートである。
この図5において、まずステップ100では、通常モードとして、回転数指示装置28で指示された目標回転数ω0が実際の回転数となるように、回転数指令ω及びトルク指令τを生成する。そして、ステップ110に進み、回転数指示装置28で指示された目標回転数ω0が変化していないか否か(言い換えれば、回転数指示装置28が操作されていないか否か)を判定する。例えば目標回転数ω0が変化している場合は、ステップ110の判定が満たされず、前述のステップ100に戻って上記同様の手順を行う。一方、例えば目標回転数ω0が変化していない場合は、ステップ110の判定が満たされ、ステップ120に移る。
ステップ120では、目標回転数ω0に対応する永久磁石同期モータ30の一次電流の閾値(第1閾値)を内部メモリ等の記憶部(図示せず)から読込む。すなわち、永久磁石同期モータ30にかかる負荷と永久磁石同期モータ30の一次電流とが比例的な関係にあることから、記憶部には、図6に示すように、永久磁石同期モータ30の回転数毎に予め設定され、全ての油圧アクチュエータが動作していないような低負荷状態における永久磁石同期モータ30の一次電流(図中実線で示す)に対し所定値を加えた閾値(図中一点鎖線で示す)が記憶されている。そして、ステップ130に進み、永久磁石同期モータ30の一次電流が第1閾値より小さくなる状態で所定時間(例えば2秒)が経過したか否かを判定し、これによって全ての油圧アクチュエータが動作していないような低負荷状態であるか否かを判断する。例えば永久磁石同期モータ30の一次電流が第1閾値より小さくなる状態で所定時間が経過していない場合は、ステップ130の判定が満たされず、前述のステップ110に戻って上記同様の手順を行う。
一方、例えば図7に示すように、永久磁石同期モータ30の一次電流が第1閾値より小さくなる状態で所定時間が経過した場合は、ステップ130の判定が満たされ、ステップ140に移る。ステップ140では、通常モードからアイドルモードに切替えて、ローアイドル回転数が実際の回転数となるように、回転数指令ω及びトルク指令τを生成する。そして、ステップ150に進み、回転数指示装置28で指示された目標回転数ω0が変化していないか否か(言い換えれば、回転数指示装置28が操作されていないか否か)を判定する。例えば目標回転数ω0が変化している場合は、ステップ150の判定が満たされず、前述のステップ100に戻って、アイドルモードから通常モードに切替える。
一方、例えば目標回転数ω0が変化していない場合は、ステップ150の判定が満たされ、ステップ160に移る。ステップ160では、ローアイドル回転数に対応する永久磁石同期モータ30の一次電流の閾値(第2閾値)を記憶部から読込み、その後、ステップ170に進み、永久磁石同期モータ30の一次電流が第2閾値より小さくなる状態で所定時間(例えば2秒)が経過したか否かを判定し、これによっていずれかの油圧アクチュエータが動作するような負荷が生じたか否かを判断する。例えば永久磁石同期モータ30の一次電流が第2閾値より小さくなる状態で所定時間が経過していない場合は、ステップ170の判定が満たされず、前述のステップ150に戻って上記同様の手順を行う。一方、例えば永久磁石同期モータ30の一次電流が第2閾値より小さくなる状態で所定時間が経過した場合は、ステップ170の判定が満たされ、前述のステップ100に戻って、アイドルモードから通常モードに切替える。
以上のように構成された本実施形態においては、全ての油圧アクチュエータが動作していないような低負荷状態である場合に、通常モードからアイドルモードに切替えて、永久磁石同期モータ30の回転数をローアイドル回転数に低下させる。これにより、永久磁石同期モータ30の電力消費の低減を図ることができ、バッテリ8の消耗の低減を図ることができる。また、アイドルモード中、いずれかの油圧アクチュエータが動作するような負荷が生じた場合に、若しくは回転数指示装置28が操作された場合に、永久磁石同期モータ30の回転数を目標回転数に復帰させる。これにより、作業効率の低下を防止することができる。
また、本実施形態においては、通常モード中、目標回転数指示装置28で指示された目標回転数に対応する閾値を読込み、永久磁石同期モータ30の一次電流が閾値より小さくなる状態で所定時間が経過したか否かを判定し、これによって低負荷状態であるか否かを判断する。これにより、例えば複数の操作手段の操作位置若しくは複数のコントロールバルブの切換位置が中立位置にあるか否かを検出・判定し、これによって低負荷状態であるか否かを判断するような場合と比べ、低負荷状態の判断要因となる状態量を少なくすることができる。したがって、操作装置若しくはコントロールバルブのそれぞれに対応して状態量の検出・判定手段(例えば操作装置からの油圧操作信号を検出・判定する圧力スイッチ等)を設けなくてよいことから、状態量の検出・判定手段の構成を簡素化することができる。また、検出・判定誤差に影響する要因を少なくすることができ、制御調整の負担を軽減することができる。
なお、上記第1の実施形態においては、永久磁石同期モータ30の一次電流によって低負荷状態であるか否かを判断する場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ベクトル制御演算の過程で得られた状態量、例えば永久磁石同期モータ30の発生トルクτによって低負荷状態であるか否かを判断してもよい。このような変形例を図8及び図9により説明する。
図8は、本変形例におけるモード切替制御の処理内容を表すフローチャートである。なお、上述の図5で示す処理内容と同等の部分は同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本変形例では、インバータ装置29の内部メモリ等の記憶部には、図9に示すように、永久磁石同期モータ30の回転数毎に予め設定され、全ての油圧アクチュエータが動作していないような低負荷状態における永久磁石同期モータ30の発生トルクτ(図中実線で示す)に対し所定値を加えた閾値(図中一点鎖線で示す)が記憶されている。そして、図5のステップ120に代わる図8のステップ180では、通常モード中、目標回転数ω0に対応する永久磁石同期モータ30の発生トルクτの閾値(第1閾値)を記憶部から読込む。その後、図5のステップ130に代わる図8のステップ190に進み、永久磁石同期モータ30の発生トルクτが第1閾値より小さくなる状態で所定時間(例えば2秒)が経過したか否かを判定し、これによって全ての油圧アクチュエータが動作していないような低負荷状態であるか否かを判断する。例えば永久磁石同期モータ30の発生トルクτが第1閾値より小さくなる状態で所定時間が経過していない場合は、ステップ190の判定が満たされず、ステップ110に戻る。一方、例えば永久磁石同期モータ30の発生トルクτが第1閾値より小さくなる状態で所定時間が経過した場合は、ステップ190の判定が満たされ、ステップ140に移って、通常モードからアイドルモードに切替える。
また、図5のステップ160に代わるステップ200では、アイドルモード中、ローアイドル回転数に対応する永久磁石同期モータ30の発生トルクの閾値(第2閾値)を記憶部から読込む。その後、図5のステップ170に代わるステップ210に進み、永久磁石同期モータ30の発生トルクτが第2閾値より小さくなる状態で所定時間(例えば2秒)が経過したか否かを判定し、これによっていずれかの油圧アクチュエータが動作するような負荷が生じたか否かを判断する。例えば永久磁石同期モータ30の発生トルクτが第2閾値より小さくなる状態で所定時間が経過していない場合は、ステップ210の判定が満たされず、ステップ150に戻る。一方、例えば永久磁石同期モータ30の発生トルクτが第2閾値より小さくなる状態で所定時間が経過した場合は、ステップ210の判定が満たされ、ステップ100に戻って、アイドルモードから通常モードに切替える。
このような変形例においても、上記第1の実施形態と同様、低負荷状態の判断要因となる状態量を少なくすることができる。したがって、簡素な構成でオートアイドル制御を行うことができ、且つ制御調整の負担を軽減することができる。
また、上記第1の実施形態においては、図5のステップ160及び170等で説明したように、永久磁石同期モータ30の一次電流が閾値より小さくなる状態で所定時間が経過した場合に、アイドルモードから通常モードに切替えるような制御を例にとって説明し、上記一変形例においては、図8のステップ200及び210等で説明したように、永久磁石同期モータ30の発生トルクτが閾値より小さくなる状態で所定時間が経過した場合に、アイドルモードから通常モードに切替えるような制御を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば、アイドルモード中、ローアイドル回転数(例えば600rpm又は300rpm等)から所定値(例えば10rpm程度)を減じた閾値より実回転数ωが小さくなったか否かを判定し、これによっていずれかの油圧アクチュエータが動作するような負荷が生じたか否かを判断してもよい。そして、例えば永久磁石同期モータ30の実回転数ωが閾値より小さくない場合は、ステップ150に戻り、一方、例えば永久磁石同期モータ30の実回転数ωが閾値より小さくなる場合は、ステップ100に戻って、アイドルモードから通常モードに切替えてもよい。このような変形例においても、上記同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の第2の実施形態を図10及び図11により説明する。本実施形態は、上述したモード切替制御機能などをインバータ装置から分離するように構成した実施形態である。
図10は、本実施形態におけるインバータ装置の構成を関連機器とともに表すブロック図である。図11は、本実施形態におけるインバータ装置の演算制御部の機能的構成を関連機器とともに表すブロック図である。
本実施形態では、インバータ装置29Aには、制御系ネットワーク(CAN:Controller Area Network)を介して本体制御装置50が接続されており、この本体制御装置50に、キースイッチ27、回転数指示装置28、及びロックスイッチ36からの信号が入力される。
本体制御装置50は、ロックスイッチ36からの信号により、ロックレバー25がアンロック位置にあるか否かを判断し、キースイッチ27からの信号により、キースイッチがSTART位置に操作されたか否かを判断する。そして、例えばロックレバー25がアンロック位置にあり、かつキースイッチ27がSTART位置に操作されたと判断した場合は、永久磁石同期モータ30の駆動指令をインバータ装置29Aに出力する。一方、例えばロックレバー25がロック位置にあるか又はキースイッチ27がOFF位置に操作されたと判断した場合は、永久磁石同期モータ30の停止指令を出力する。
また、インバータ装置29Aの演算制御部39Aは、上記第1の実施形態におけるインバータ装置29の演算制御部39の機能的構成の一部である回転数・トルク指令生成部45を有しないものであり、本体制御装置50が回転数・トルク指令生成部45を有している。すなわち、本体制御装置50の回転数・トルク指令生成部45は、インバータ装置29Aから永久磁石同期モータ30の3相交流電流Iu,Iv,Iw、発生トルクτ、及び実回転数ω等の情報が入力されている。また、本体制御装置50は、内部メモリ等の記憶部に前述の図6又は図9に示すような閾値が記憶されており、前述の図5又は図8に示すようなモード切替制御を行うようになっている。
このように構成された本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、電流センサ40及び位置センサ41の検出結果に基づきベクトル制御を行うような構成を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば、位置センサ41を設けず、電流・電圧情報等から磁極位置を推定する位置センサレスベクトル制御を行うような構成としてもよい。また、例えば、電流センサ40を設けず、インバータ回路38の入力直流電流(言い換えれば、コンバータ回路37の出力直流電流)から永久磁石同期モータ30の一次電流を再現する電流センサレスベクトル制御を行うような構成としてもよい。これらの場合も、上記同様の効果を得ることができる。
なお、以上においては、本発明の適用対象として、操作レバーの操作位置に対応する油圧操作信号を出力する油圧パイロット式の操作装置を備えた電動式油圧ショベルを例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば操作レバーの操作位置に対応する電気操作信号を出力する電気レバー式の操作装置を備えた電動式油圧ショベルに適用してもよく、また油圧パイロット式の操作装置及び電気レバー式の操作装置が混在する電動式油圧ショベルに適用してもよい。また、本発明の適用対象として、バッテリを搭載し、バッテリからの電力供給によって永久磁石同期モータを駆動するタイプの電動式油圧ショベルを例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば、外部の商用電源に接続し、商用電源からの電力供給によって永久磁石同期モータを駆動するタイプの電動式油圧ショベルに適用してもよい。また、電動式油圧ショベルに限られず、例えば電動式油圧クレーン等、他の電動式建設機械に適用してもよいことは言うまでもない。
12 走行用油圧モータ
18 ブーム用油圧シリンダ
19 アーム用油圧シリンダ
20 バケット用油圧シリンダ
28 回転数指示装置
29 インバータ装置
29A インバータ装置
30 永久磁石同期モータ
31 油圧ポンプ
33 コントロールバルブ
34 操作装置
40 電流センサ
41 位置センサ
50 本体制御装置

Claims (5)

  1. 永久磁石同期モータと、前記永久磁石同期モータによって駆動する油圧ポンプと、複数の油圧アクチュエータと、前記複数の油圧アクチュエータの動作をそれぞれ指示する複数の操作手段と、前記複数の操作手段の操作に応じて前記油圧ポンプから前記複数の油圧アクチュエータへの圧油の流れをそれぞれ制御する複数のコントロールバルブと、前記永久磁石同期モータの目標回転数を指示する回転数指示手段と、少なくとも前記永久磁石同期モータの一次電流若しくはこれを推定するための状態量を検出する検出手段と、通常モードでは、前記回転数指示手段で指示された目標回転数となるように、ベクトル制御演算を用いて前記検出手段の検出結果に基づき前記永久磁石同期モータの印加電圧を制御するインバータ手段とを有する電動式建設機械であって、
    前記永久磁石同期モータの回転数毎に予め設定されて、前記複数の油圧アクチュエータが動作していないような低負荷状態における前記永久磁石同期モータの一次電流に対し所定値を加えた閾値を記憶する記憶手段と、
    前記通常モード中、前記目標回転数指示手段で指示された目標回転数に対応する閾値を前記記憶手段から読込み、この読込んだ閾値より前記永久磁石同期モータの一次電流が小さくなる状態で所定時間が経過したか否かを判定し、これによって前記低負荷状態であるか否かを判断する第1の判定手段と、
    前記第1の判定手段にて前記永久磁石同期モータの一次電流が閾値未満となる状態で所定時間が経過したと判定された場合に、前記通常モードからアイドルモードに切替えるモード切替手段とを有し、
    前記インバータ手段は、前記アイドルモードでは、予め設定されたローアイドル回転数となるように、ベクトル制御演算を用いて前記検出手段の検出結果に基づき前記永久磁石同期モータの印加電圧を制御することを特徴とする電動式建設機械。
  2. 請求項1記載の電動式建設機械において、
    前記アイドルモード中、前記ローアイドル回転数に対応する閾値を前記記憶手段から読込み、この読込んだ閾値より前記永久磁石同期モータの一次電流が大きいか否かを判定し、これによって前記複数の油圧アクチュエータのうちのいずれかが動作するような負荷が生じたか否かを判断する第2の判定手段を有し、
    前記モード切替手段は、前記第2の判定手段にて前記永久磁石同期モータの一次電流が閾値以上であると判定された場合に、前記アイドルモードから前記通常モードに切替えることを特徴とする電動式建設機械。
  3. 永久磁石同期モータと、前記永久磁石同期モータによって駆動する油圧ポンプと、複数の油圧アクチュエータと、前記複数の油圧アクチュエータの動作をそれぞれ指示する複数の操作手段と、前記複数の操作手段の操作に応じて前記油圧ポンプから前記複数の油圧アクチュエータへの圧油の流れをそれぞれ制御する複数のコントロールバルブと、前記永久磁石同期モータの目標回転数を指示する回転数指示手段と、少なくとも前記永久磁石同期モータの一次電流若しくはこれを推定するための状態量を検出する検出手段と、通常モードでは、前記回転数指示手段で指示された目標回転数となるように、ベクトル制御演算を用いて前記検出手段の検出結果に基づき前記永久磁石同期モータの印加電圧を制御するインバータ手段とを有する電動式建設機械であって、
    前記ベクトル制御演算の過程で前記永久磁石同期モータの発生トルクを演算するトルク演算手段と、
    前記永久磁石同期モータの回転数毎に設定されて、前記複数の油圧アクチュエータが動作していないような低負荷状態における前記永久磁石同期モータの発生トルクに対し所定値を加えた閾値を記憶する記憶手段と、
    前記通常モード中、前記目標回転数指示手段で指示された目標回転数に対応する閾値を前記記憶手段から読込み、この読込んだ閾値より前記永久磁石同期モータの発生トルクが小さくなる状態で所定時間が経過したか否かを判定し、これによって前記低負荷状態であるか否かを判断する第1の判定手段と、
    前記第1の判定手段にて前記永久磁石同期モータの発生トルクが閾値未満となる状態で所定時間が経過したと判定された場合に、前記通常モードからアイドルモードに切替えるモード切替手段とを有し、
    前記インバータ手段は、前記アイドルモードでは、予め設定されたローアイドル回転数となるように、ベクトル制御演算を用いて前記検出手段の検出結果に基づき前記永久磁石同期モータの印加電圧を制御することを特徴とする電動式建設機械。
  4. 請求項3記載の電動式建設機械において、
    前記アイドルモード中、前記ローアイドル回転数に対応する閾値を前記記憶手段から読込み、この読込んだ閾値より前記永久磁石同期モータの発生トルクが大きいか否かを判定し、これによって前記複数の油圧アクチュエータのうちのいずれかが動作するような負荷が生じたか否かを判断する第2の判定手段を有し、
    前記モード切替手段は、前記第2の判定手段にて前記永久磁石同期モータの発生トルクが閾値以上であると判定された場合に、前記アイドルモードから前記通常モードに切替えることを特徴とする電動式建設機械。
  5. 請求項1又は3記載の電動式建設機械において、
    前記ベクトル制御演算の過程で前記永久磁石同期モータの実回転数を演算する回転数演算手段と、
    前記アイドルモード中、前記ローアイドル回転数から所定値を減じた閾値より前記永久磁石同期モータの実回転数が小さいか否かを判定し、これによって前記複数の油圧アクチュエータのうちのいずれかが動作するような負荷が生じたか否かを判断する第2の判定手段とを有し、
    前記モード切替手段は、前記第2の判定手段にて前記永久磁石同期モータの回転数が閾値以下であると判定された場合に、前記アイドルモードから前記通常モードに切替えることを特徴とする電動式建設機械。
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