JP2009221664A - 旋回体制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】旋回体の旋回を電動モータで電動化しても、油圧装置での旋回体の操作感と変わらない上に、旋回体に外力が作用しても、旋回体の逆方向の旋回を防ぐことができる旋回体制御装置を提供する。
【解決手段】油圧特性模擬制御部33は、外力により旋回体が逆回転するのを防止するチェック弁を含む油圧装置の特性を模擬した特性を有するようにして上部旋回体を旋回させるように、上記旋回用電動モータを油圧モデル制御する。油圧特性模擬制御部33が、そのチェック弁を模擬した仮想チェック弁59を閉鎖している状態で制御している最中に、速度検出器32は、上部旋回体が所望方向と逆方向に旋回し始めた瞬間を検知する。速度検出器32が逆方向の旋回を検出すると、コントローラ30は、旋回用電動モータを上部旋回体を停止させるように制御する。
【選択図】図3
【解決手段】油圧特性模擬制御部33は、外力により旋回体が逆回転するのを防止するチェック弁を含む油圧装置の特性を模擬した特性を有するようにして上部旋回体を旋回させるように、上記旋回用電動モータを油圧モデル制御する。油圧特性模擬制御部33が、そのチェック弁を模擬した仮想チェック弁59を閉鎖している状態で制御している最中に、速度検出器32は、上部旋回体が所望方向と逆方向に旋回し始めた瞬間を検知する。速度検出器32が逆方向の旋回を検出すると、コントローラ30は、旋回用電動モータを上部旋回体を停止させるように制御する。
【選択図】図3
Description
本発明は、例えば建設機械や特装車等の旋回体を制御する旋回体制御装置に関する。
一般に、建設車両の一つであるショベルでは、各駆動部を油圧アクチュエータによって駆動するようにした油圧式のものがよく知られている。この油圧式ショベルは、エンジンで油圧ポンプを常時駆動し、この油圧ポンプからの圧油をコントロールバルブを介して各駆動部(旋回体、ブレード、クローラ、ブーム、アーム、バケット)のアクチュエータに供給することで、その駆動部を駆動させるようにしている。
このような油圧式ショベルには、仕事する量が僅かであるにも拘わらずエンジンが全開で回っているので、圧油の余剰流量が捨てられ、仕事をせずに熱となり、エネルギーが無駄となる欠点がある。
そこで、従来、一駆動部の旋回体を電動モータで直接に駆動するハイブリッドショベルが提案されていた。より詳しくは、上記ハイブリッドショベルでは、エンジンで発電機を駆動して、その発電された電気を一旦バッテリに充電する。そして、上記電動モータが、そのバッテリの電気を使用して、旋回体を旋回させる。
例えば特許文献1(特開2003−333876号公報)のハイブリッドショベルは、旋回体と、この旋回体を旋回させる電動モータと、その旋回体に設けられ、オペレータが操作する操作レバーと、この操作レバーの操作量に応じた信号を受けるコントローラとを備えている。
上記コントローラには、油圧式の装置の動特性をシミュレーションするエミュレーションモデルを設定している。このコントローラは、エミュレーションモデルにより制御目標値を演算し、その制御目標値に基づいて電動モータを制御する。
しかしながら、操作レバーの操作量に従った制御目標値だけであると、操作方向と逆向きに外力が働き操作に従うトルク指令を上回る際に、旋回体は逆方向に強制回転してしまう。
なお、油圧式ショベルでは、油圧回路にチェック弁を設けているので、上述したような旋回体の逆方向の旋回を防ぐことができる。
特開2003−333876号公報
そこで、本発明の課題は、旋回体の旋回を電動モータで電動化しても、油圧装置での旋回体の操作感と変わらない上に、旋回体に外力が作用しても、旋回体の逆方向の旋回を防ぐことができる旋回体制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の旋回体制御装置は、
旋回体と、
上記旋回体を旋回させる電動モータと、
上記旋回体を、外力により旋回体が逆回転するのを防止するチェック弁を含む油圧装置の特性を模擬した特性を有するようにして旋回させるように、上記電動モータを油圧モデル制御する油圧モデル制御装置と、
上記油圧モデル制御装置が上記チェック弁を模擬した仮想チェック弁を閉鎖している状態で制御している最中に、上記旋回体が所望方向と逆方向に旋回し始めた瞬間を検知する検知手段と、
上記旋回体の位置を保持するように上記電動モータを位置制御すると共に、上記検知手段が上記逆方向の旋回を検出すると、上記電動モータを上記旋回体を停止させるように制御する位置制御手段と
を備えることを特徴としている。
旋回体と、
上記旋回体を旋回させる電動モータと、
上記旋回体を、外力により旋回体が逆回転するのを防止するチェック弁を含む油圧装置の特性を模擬した特性を有するようにして旋回させるように、上記電動モータを油圧モデル制御する油圧モデル制御装置と、
上記油圧モデル制御装置が上記チェック弁を模擬した仮想チェック弁を閉鎖している状態で制御している最中に、上記旋回体が所望方向と逆方向に旋回し始めた瞬間を検知する検知手段と、
上記旋回体の位置を保持するように上記電動モータを位置制御すると共に、上記検知手段が上記逆方向の旋回を検出すると、上記電動モータを上記旋回体を停止させるように制御する位置制御手段と
を備えることを特徴としている。
上記構成の旋回体制御装置によれば、上記油圧モデル制御装置が、旋回体を、油圧装置の特性を模擬した特性を有するようにして旋回させるように、電動モータを油圧モデル制御するので、油圧装置での旋回体の操作感を得ることができる。
また、上記油圧モデル制御装置が、外力により旋回体が逆回転するのを防止するチェック弁を模擬した仮想チェック弁を閉鎖している状態で制御している最中に、旋回体が所望方向と逆方向に旋回し始めた場合、検知手段がその逆方向の旋回の開始の瞬間を検知する。そうすると、上記位置制御手段は、検知手段が逆方向の旋回を検出すると、電動モータを旋回体を停止させるように制御するので、旋回体の逆方向の旋回を防ぐことができる。
一実施形態の旋回体制御装置では、
上記油圧モデル制御から上記位置制御に移行した際、上記位置制御手段が上記旋回体を停止させる目標停止位置は、上記油圧モデル制御から上記位置制御に移行する前の上記電動モータのトルクの大きさと、上記油圧モデル制御から上記位置制御に移行する瞬間の上記旋回体の旋回速度の大きさとに応じて決定する。
上記油圧モデル制御から上記位置制御に移行した際、上記位置制御手段が上記旋回体を停止させる目標停止位置は、上記油圧モデル制御から上記位置制御に移行する前の上記電動モータのトルクの大きさと、上記油圧モデル制御から上記位置制御に移行する瞬間の上記旋回体の旋回速度の大きさとに応じて決定する。
上記実施形態の旋回体制御装置によれば、上記油圧モデル制御から位置制御に移行した際、位置制御手段が旋回体を停止させる目標停止位置は、油圧モデル制御から位置制御に移行する前の電動モータのトルクの大きさと、油圧モデル制御から位置制御に移行する瞬間の旋回体の旋回速度の大きさとに応じて決定するので、電動モータのトルクが大きく変動するのを防ぐことができる。
一実施形態の旋回体制御装置では、
上記油圧モデル制御装置は、上記位置制御から上記油圧モデル制御に移行した時から所定の時間までは、上記仮想チェック弁が閉じている否かの判定は行わない待ち時間となるように制御する。
上記油圧モデル制御装置は、上記位置制御から上記油圧モデル制御に移行した時から所定の時間までは、上記仮想チェック弁が閉じている否かの判定は行わない待ち時間となるように制御する。
上記実施形態の旋回体制御装置によれば、上記油圧モデル制御装置は、位置制御から油圧モデル制御に移行した時から所定の時間までは、仮想チェック弁が閉じている否かの判定は行わない待ち時間となるように制御するので、仮想チェック弁が開いているのに閉じているとの誤判定の発生を防ぐことができる。
本発明の旋回体制御装置によれば、油圧モデル制御装置が、旋回体を、油圧装置の特性を模擬した特性を有するようにして旋回させるように、電動モータを油圧モデル制御するので、油圧装置での旋回体の操作感を得ることができる。
また、上記位置制御手段が、検知手段が逆方向の旋回を検出すると、電動モータを旋回体を停止させるように制御するので、旋回体の逆方向の旋回を防ぐことができる。
また、上記油圧モデル制御装置が、外力により旋回体が逆回転するのを防止するチェック弁を模擬した仮想チェック弁を閉鎖している状態で制御している最中に、旋回体が所望方向と逆方向に旋回し始めても、検知手段がその逆方向の旋回の開始の瞬間を検知することによって、この検知手段の検知に応じて、位置制御手段が電動モータを旋回体を停止させるように制御するので、旋回体の逆方向の旋回を防ぐことができる。
以下、本発明の旋回体制御装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、ハイブリッドショベル1を斜め上方から見た概略図である。
上記ハイブリッドショベル1は、下部走行体2と、この下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、この上部旋回体3に取り付けられ、掘削作業等を行う掘削作業機4とを備えている。また、上記下部走行体2および上部旋回体3は、ハイブリッドショベル1の車両本体を構成している。なお、以下の説明では、特に断らない限り「前側」、「後側」、「左側」および「右側」はそれぞれ下部走行体2を基準として前側、後側、左側および右側を意味する。なお、上記上部旋回体3は旋回体の一例である。
上記下部走行体2には、走行用のクローラ5と、整地作業等を行うためのブレード6とが設けられている。そして、上記下部走行体2には、クローラ5を駆動するための走行用油圧モータ15と、ブレード6を駆動するためのブレードシリンダ16とが設けられている。
上記上部旋回体3にはオペレータキャビン7が設けられている。このオペレータキャビン7の後側には作動油タンク8を、また、オペレータキャビン7の右側にはマシンキャブ9を設置している。そして、上記上部旋回体3には、その上部旋回体3を減速機28(図2参照)を介して旋回駆動するための旋回用電動モータ27が設けられている。なお、上記旋回用電動モータ27は電動モータの一例である。
上記掘削作業機4は、基端部が上部旋回体3に回動可能に連結されるブーム10と、このブーム10の先端部に回動可能に連結されるアーム11と、このアーム11の先端部に回動可能に連結されるバケット12とを有している。そして、上記掘削作業機4には、ブーム10を駆動するためのブームシリンダ17と、アーム11を駆動するためのアームシリンダ18と、バケット12を駆動するためのバケットシリンダ19とが設けられている。
上記ブームシリンダ17は、一端が上部旋回体3に回動可能に支持され、他端であるロッド17aの先端がブーム10の基端部寄りに回動可能に連結されており、伸縮によりブーム10を基端部を中心に回動(起伏)させる。
上記アームシリンダ18は、一端がブーム10の上面に回動可能に支持され、他端であるロッド18aの先端がアーム11に回動可能に連結されており、伸縮によりアーム11をブーム10との連結軸を中心に回動させる。
上記バケットシリンダ19は、一端がアーム11の前面に回動可能に支持され、他端であるロッド19aの先端がバケット12に回動可能に連結されており、伸縮によりバケット12をアーム11との連結軸を中心に回動させる。
図示しないが、上記ハイブリッドショベル1は、ブレードシリンダ16、ブームシリンダ17、バケットシリンダ19および走行用油圧モータ15を駆動するための駆動システムも備えている。
図2は、上記ハイブリッドショベル1に搭載された駆動制御装置20の概略構成図である。なお、上記駆動制御装置20は旋回体制御装置の一例である。
上記駆動制御装置20は、上部旋回体3を旋回させる旋回用電動モータ27と、この旋回用電動モータ27を制御するコントローラ30とを備えている。なお、上記コントローラ30は位置制御手段の一例である。
上記旋回用電動モータ27には、上部旋回体3を停止保持するためのパーキングブレーキが取り付けられている。
上記コントローラ30は、オペレータキャビン7内に設けられた操作レバー31の操作量に応じた操作信号と、旋回用電動モータ27の回転速度を検出する速度検出器32の出力信号とを少なくとも受ける。また、上記コントローラ30はコンバータ24およびバッテリ26に電気的に接続されている。なお、上記速度検出器32は検知手段の一例である。
上記操作レバー31は、オペレータキャビン7内でオペレータ(作業者)が上部旋回体3を旋回させるために操作するものである。この操作レバー31の操作位置に応じて上部旋回体3が旋回また停止し、例えば操作レバー31が左右中央の中立位置にあるときには、上部旋回体3の旋回が停止し、操作レバー31が左側に倒されたときには上部旋回体3が左旋回し、右側に倒されたときには上部旋回体3が右旋回する。
上記コンバータ24は、交流発電機23で発電された交流電気を受け、この交流電気を直流電気に変換する。
上記交流発電機23は、エンジン21の出力軸に駆動連結されていて、そのエンジン21の駆動によって発電するように構成されている。
上記バッテリ26はコンバータ24からの直流電気を充電する。このバッテリ26に充電された直流電気は、必要時、コントローラ30に供給される。
図3は上記駆動制御装置20の制御ブロック図である。
上記コントローラ30は油圧特性模擬制御部33および切替器34を有している。そして、上記コントローラ30は、操作レバー31の操作位置が中立位置にあって、上部旋回体3を停止させる停止指令を操作レバー31から受けているときには、旋回用電動モータ27に位置保持トルクを出力させて、上部旋回体3を停止保持するようにする位置制御を行う。また、上記コントローラ30は、操作レバー31の操作位置が中立位置以外の位置にあって、上部旋回体3を旋回させる旋回指令を操作レバー31から受けているときには、油圧特性模擬制御部33を用いて、上部旋回体3が後述の仮想油圧装置の特性を有するようにして旋回するようにする油圧モデル制御を行う。なお、上記油圧特性模擬制御部33は油圧モデル制御装置の一例である。
上記切替器34は、操作レバー31から、旋回用電動モータ27に関するトルク指令方向の信号を受け、また、油圧特性模擬制御部33から、仮想油圧モータ52(図4参照)の出力トルクの信号を受け、また、速度検出器32から、旋回用電動モータ27の回転方向の信号を受け、また、旋回用電動モータ27に送られるべき現在トルク信号と同じ信号を受ける。そして、上記切替器34は、受けた信号に基づき、位置制御から油圧モデル制御に切り替えたり、油圧モデル制御から位置制御に切り替えたりする。
図4は上記油圧モデル制御のモデルである仮想油圧装置の油圧回路図であり、51は仮想油圧ポンプ、52は仮想油圧モータ、53は仮想パイロットバルブ、54,55,56は仮想リリーフバルブ、57,58,59は仮想チェック弁である。この仮想チェック弁59が閉鎖されている状態で、油圧特性模擬制御部33が油圧モデルを制御を行っている最中に、上部旋回体3が所望方向と逆方向に旋回し始めた場合、上部旋回体3がその逆方向に旋回し始めた瞬間を速度検出器32で検出するようになっている。そして、上記瞬間が速度検出器32に検出されると、上部旋回体3が停止するように、コントローラ30が旋回用電動モータ27を制御する。
ここで、上記ハイブリッドショベル1が坂道で止まっていて、自重で外力を受けているとする。そして、上記仮想油圧モータ52が回転方向とは逆方向の外力を受けているとすると、仮想パイロットバルブ53のBポート側は負圧となるためチェック弁58を通して仮想油圧モータ52に油が供給される。一方、上記仮想パイロットバルブのAポート側へは仮想油圧モータ52を通して油が流れる。このとき、上記操作レバー31の操作量が小さいと、仮想油圧ポンプ51のポンプ圧Ppは小さくなり、以下の式(1)の関係となる。
負荷圧P1>ポンプ圧Pp …(1)
負荷圧P1>ポンプ圧Pp …(1)
その結果、上記仮想チェック弁59が閉じ、外力とつり合う反力が発生して仮想油圧モータは停止する。
逆に、上記ポンプ圧Ppが大きくなり、以下の式(2)の関係となると、
ポンプ圧Pp>負荷圧P1 …(2)
チェック弁59が開き、仮想油圧モータ52は外力と逆向きに回転する。
ポンプ圧Pp>負荷圧P1 …(2)
チェック弁59が開き、仮想油圧モータ52は外力と逆向きに回転する。
このように、上記仮想油圧装置では、外力が生じても、仮想チェック弁59により、仮想油圧モータ52の逆転を防ぐことができる。
上記油圧特性模擬制御部33が、上部旋回体3を、上記仮想油圧装置の特性を模擬した特性を有するようにして旋回させるように、旋回用電動モータ27を油圧モデル制御するので、油圧装置での上部旋回体3の操作感を得ることができ、その上、上部旋回体3の逆転を防ぐことができる。
また、上記油圧モデル制御中、速度検出器32によって、旋回用電動モータ27の回転方向が旋回用電動モータ27に関するトルク指令方向と異なることを検出した場合、ポンプ圧Ppが上記式(1)の関係を満たし、仮想チェック弁59が閉じたと判断し、切替器34で位置制御に切り替えて、上部旋回体3を停止させる。
また、上記位置制御中に、以下の(i),(ii)のいずれかの状態となるとき、仮想チェック弁59が閉じたと判断し、仮想チェック弁59が開いた判断し、切替器34で油圧モデル制御に切り替えて、上部旋回体3を旋回させる。
(i)ポンプ圧Ppが負荷圧P1より大きく、次の3つの条件が揃った状態
・油圧モデル制御で算出したトルク指令方向と旋回用電動モータ27の現在のトルク方向とが同じ(トルク指令方向が外力の方向とは逆方向)
・油圧モデル制御で算出したトルク指令値が現在トルク値よりも大きい(現在トルク値が外力と等しい)
・上記2つの条件を満たされた状態で一定時間経過
(ii)外力と同じ方向にモータトルクが発生する状態
トルク指令方向と現在トルク方向が異なるとき(トルク指令方向が外力の方向と同じ方向)
上記(ii)の状態の例としては、上記式(1)が成立している状態で、操作レバー31の操作によって、仮想パイロットバルブ53が切り替わり、仮想チェック弁59が閉から開になった場合などがある。
・油圧モデル制御で算出したトルク指令方向と旋回用電動モータ27の現在のトルク方向とが同じ(トルク指令方向が外力の方向とは逆方向)
・油圧モデル制御で算出したトルク指令値が現在トルク値よりも大きい(現在トルク値が外力と等しい)
・上記2つの条件を満たされた状態で一定時間経過
(ii)外力と同じ方向にモータトルクが発生する状態
トルク指令方向と現在トルク方向が異なるとき(トルク指令方向が外力の方向と同じ方向)
上記(ii)の状態の例としては、上記式(1)が成立している状態で、操作レバー31の操作によって、仮想パイロットバルブ53が切り替わり、仮想チェック弁59が閉から開になった場合などがある。
また、図5に示すように、上記操作レバー31の中立位置から異なる位置へ操作されて、位置制御から油圧モデル制御に切り替わった場合、位置制御から油圧モデル制御に切り替わってから所定の待ち時間が経過するまで、仮想チェック弁59の開閉判定は行わない。この理由は、上記位置制御から油圧モデル制御に切り替わってから時間Tの間は、仮想チェック弁59が開いていると判定すべきだが、その間は現在トルク方向がトルク指令方向と逆になるため、仮想チェック弁59が閉まっていると誤判定してしまう。
したがって、上記待ち時間の間は仮想チェック弁59の開閉判定は行わないことにより、位置制御から油圧モデル制御に切り替わった直後において、旋回用電動モータ27を適切に制御することができる。
また、上記油圧モデル制御から位置制御に切り替える前後においては、上部旋回体3を停止させる目標位置を補正することにより、旋回用電動モータ27の出力トルクを維持し、滑らかな制御切替えを実現することができる。
具体的には、下記の式(3),式(4)を用いて、位置偏差△Posを算出する。
T=(△Pos*Kp−Vel)×Kv …(3)
△Pos=(T/Kv +Vel)/Kp …(4)
Kp:位置制御比例ゲイン
Kv:油圧モデル制御比例ゲイン
T=(△Pos*Kp−Vel)×Kv …(3)
△Pos=(T/Kv +Vel)/Kp …(4)
Kp:位置制御比例ゲイン
Kv:油圧モデル制御比例ゲイン
そして、下記の式(5)のように、位置偏差△Posを上部旋回体3の現在位置に加えて、上記目標位置を算出する。
目標位置=現在位置+△Pos …(5)
目標位置=現在位置+△Pos …(5)
上記目標位置に上部旋回体3を停止させるように、旋回用電動モータ27を制御することにより、油圧モデル制御から位置制御に切り替わる前後で旋回用電動モータ27の出力トルクが大きく変動するのを防ぐことができる。
また、積分項を用いて、油圧モデル制御から位置制御に切り替わった時の現在位置を目標位置として、以下のように、旋回用電動モータ27の出力トルクの変動を抑えることもできる。なお、以下では、上記積分項の一例として油圧モデル制御ループの積分項を示す。
上記旋回用電動モータ27の出力トルクTは、以下の式(6)から算出することができる。
T={Verr+fbI×Ti}×Kv …(6)
Kv:油圧モデル制御比例ゲイン
Ti:油圧モデル制御積分時定数
fbI:積分項
Verr:速度偏差
T={Verr+fbI×Ti}×Kv …(6)
Kv:油圧モデル制御比例ゲイン
Ti:油圧モデル制御積分時定数
fbI:積分項
Verr:速度偏差
そして、上記式(6)に基づき、油圧モデル制御から位置制御への切替え時においても現在の出力トルクTを保持するために、積分項補正値△fbIを以下の式(7)のように決定する。
△fbI=(T/Kv+Vel)/Ti …(7)
△fbI=(T/Kv+Vel)/Ti …(7)
以下、図6のフローチャートを用いて、上記位置制御から油圧モデル制御に切り替わった後に行う制御について説明する。
まず、上記位置制御から油圧モデル制御に切り替わると、まず、ステップS1で、位置制御から油圧モデル制御へ切り替わってから一定時間(図5の「待ち時間」に相当する時間)が経過したか否かを判定する。このステップS1で、位置制御から油圧モデル制御へ切り替わってから一定時間が経過したと判定すると、次のステップS2に進む。一方、上記ステップS1で、位置制御から油圧モデル制御へ切り替わってから一定時間が経過していないと判定するとステップS11で油圧モデル制御を開始した後、後述のステップS5に進む。
次に、ステップS2で、コントローラ30が操作レバー31から停止指令を受けているか否かを判定する。このステップS2で、コントローラ30が操作レバー31から停止指令を受けていないと判定すると、次のステップS3に進む。一方、上記ステップS2で、コントローラ30が操作レバー31から停止指令を受けていると判定すると、後述のステップS4に進む。
次に、ステップS3で、旋回用電動モータ27に関するトルク指令方向と旋回用電動モータ27の現在の回転方向とが異なるか否かを判定する。このステップS3で、旋回用電動モータ27に関するトルク指令方向と旋回用電動モータ27の現在の回転方向とが異なると判定すると、次のステップS4に進む。一方、上記ステップS3で、旋回用電動モータ27に関するトルク指令方向と旋回用電動モータ27の現在の回転方向とが異ならないと判定すると、ステップS11で油圧モデル制御を開始した後、後述のステップS5に進む。
次に、ステップS4で、油圧モデル制御から位置制御に切り替え、位置制御を開始する。なお、上記油圧モデル制御から位置制御への切り替えは切替器34で行う。
次に、ステップS5で、モータ出力トルクが最大トルクを超えないようにするトルク制限処理を行った後、ステップS6で、モータ出力トルクを旋回用電動モータ27に出力し、旋回用電動モータ27をその出力トルクがモータ出力トルクになるように電流制御して終了する。
以下、図7のフローチャートを用いて、上記油圧モデル制御から位置制御に切り替わった後に行う制御について説明する。
まず、上記油圧モデル制御から位置制御に切り替わると、ステップS21で、コントローラ30が操作レバー31から停止指令を受けているか否かを判定する。このステップS21で、コントローラ30が操作レバー31から停止指令を受けていないと判定すると、次のステップS22に進む。一方、上記ステップS21で、コントローラ30が操作レバー31から停止指令を受けていると判定すると、ステップS28で位置制御を開始した後、後述のステップS26に進む。
次に、ステップS22で、油圧モデル制御での油圧モデルトルクを油圧特性模擬制御部33に算出させる。
次に、ステップS23で、上記油圧モデルトルク方向が旋回用電動モータ27の現在のトルク方向と同じか否かを判定する。このステップS23で、油圧モデルトルク方向が旋回用電動モータ27の現在のトルク方向と同じと判定すると、次のステップS24に進む。一方、上記ステップS23で、油圧モデルトルク方向が旋回用電動モータ27の現在のトルク方向と同じでないと判定すると、後述のステップS25に進む。
次に、ステップS24で、上記油圧モデルトルクが旋回用電動モータ27の現在のトルクよりも大きいか否かを判定する。このステップS24で、上記油圧モデルトルクが旋回用電動モータ27の現在のトルクよりも大きいと判定すると、次のステップS25に進む。一方、上記油圧モデルトルクが旋回用電動モータ27の現在のトルク以下だと判定すると、ステップS28で位置制御を開始した後、後述のステップS26に進む。
次に、ステップS25で、位置制御から油圧モデル制御に切り替え、油圧モデル制御を開始する。なお、上記位置制御から油圧モデル制御への切り替えは切替器34で行う。
次に、ステップS26で、モータ出力トルクが最大トルクを超えないようにするトルク制限処理を行った後、ステップS27で、モータ出力トルクを旋回用電動モータ27に出力し、旋回用電動モータ27をその出力トルクがモータ出力トルクになるように電流制御して終了する。
本発明の油圧モデル制御は、弁の開度に応じた油圧機器の動作状態を模擬したものである。
3 上部旋回体
27 旋回用電動モータ
30 コントローラ
32 速度検出器
33 油圧特性模擬制御部
59 仮想チェック弁
27 旋回用電動モータ
30 コントローラ
32 速度検出器
33 油圧特性模擬制御部
59 仮想チェック弁
Claims (3)
- 旋回体(3)と、
上記旋回体(3)を旋回させる電動モータ(27)と、
上記旋回体(3)を、外力により旋回体が逆回転するのを防止するチェック弁を含む油圧装置の特性を模擬した特性を有するようにして旋回させるように、上記電動モータ(27)を油圧モデル制御する油圧モデル制御装置(33)と、
上記油圧モデル制御装置(33)が上記チェック弁を模擬した仮想チェック弁(59)を閉鎖している状態で制御している最中に、上記旋回体(3)が所望方向と逆方向に旋回し始めた瞬間を検知する検知手段(32)と、
上記旋回体(3)の位置を保持するように上記電動モータ(27)を位置制御すると共に、上記検知手段(32)が上記逆方向の旋回を検出すると、上記電動モータ(27)を上記旋回体(3)を停止させるように制御する位置制御手段(30)と
を備えることを特徴とする旋回体制御装置。 - 請求項1に記載の旋回体制御装置において、
上記油圧モデル制御から上記位置制御に移行した際、上記位置制御手段(30)が上記旋回体(3)を停止させる目標停止位置は、上記油圧モデル制御から上記位置制御に移行する前の上記電動モータ(27)のトルクの大きさと、上記油圧モデル制御から上記位置制御に移行する瞬間の上記旋回体(3)の旋回速度の大きさとに応じて決定することを特徴とする旋回体制御装置。 - 請求項1または2に記載の旋回体制御装置において、
上記油圧モデル制御装置(33)は、上記位置制御から上記油圧モデル制御に移行した時から所定の時間までは、上記仮想チェック弁(59)が閉じている否かの判定は行わない待ち時間となるように制御することを特徴とする旋回体制御装置。
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