JP2009027873A - 旋回体の駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイブリッドショベルの上部旋回体(3)を電動モータ(27)で駆動する場合に、いかなる状態においても、速度偏差に対するモータ出力トルクの関係が限界を超えないようにして、上部旋回体(3)の振動を防止する。
【解決手段】上部旋回体(3)を旋回させる電動モータ(27)の目標速度を操作装置(31)の操作位置から算出して、該目標速度と電動モータ(27)の実際の速度との速度偏差を求め、該速度偏差に対するモータ出力トルクの関数に基づいて電動モータ(27)の出力トルクを求める。速度偏差に対するモータ出力トルクの関数に対し、その微分値の絶対値が所定未満となるように補正を加える。
【選択図】図3

Description

本発明は、建設車両等の旋回体を駆動制御する旋回体の駆動制御装置に関し、特に、旋回体の旋回時の振動を防止する技術に関するものである。
一般に、建設車両の1つであるショベルでは、各駆動部を油圧アクチュエータによって駆動するようにした油圧式のものがよく知られている。この油圧式のものは、エンジンで油圧ポンプを常時駆動し、この油圧ポンプからの圧油をコントロールバルブを介して色々な駆動部(旋回体、ブレード、クローラ、ブーム、アーム、バケット)のアクチュエータに供給することで、その駆動部を駆動させるようにしている。
しかし、油圧方式の課題は、仕事する量が僅かであるにも拘わらずエンジンが全開で回っているので、圧油の余剰流量が捨てられ、仕事をせずに熱となり、エネルギーが無駄となる欠点がある。
そこで、従来、駆動部としての旋回体等を電動モータによって直接に駆動するものとし、エンジンで発電機を駆動して、その発電された電気を一旦バッテリに充電するとともに、その充電電力によりインバータを介して旋回体等の回転部を駆動するようにしたハイブリッドシステムが提案されている。
例えば特許文献1に示されるように、建設車両の旋回体等の回転系を駆動する電動モータのコントローラにおいて、油圧駆動式のものの動特性をシミュレーションするエミュレーションモデルを設定し、その油圧駆動式エミュレーションモデルにより制御目標値を演算して、電動モータを制御することが知られている。
また、特許文献2に示されるものでは、操作指令信号、及びこの操作指令信号に応じた目標速度と実速度との偏差から、電動アクチュエータの目標トルクを求めるとともに、実速度に応じた最大許容トルクを求め、これらの目標トルク又は最大許容トルクのうちの絶対値の最小の値を電動アクチュエータの最終目標トルクとして、電動アクチュエータを制御するようになっている。そして、このものでは、速度偏差信号により目標出力トルク信号を算出する際に速度偏差信号に許容値でリミットをかけている。
さらに、特許文献3には、操作手段の操作信号に基づいて電動モータの目標速度と制限トルクとを決定し、目標速度と実際の速度速度との偏差からフィードバック制御(PID制御)によるモータの出力トルクを求め、この出力トルクと制限トルクとのうちの絶対値の小さい方を最終の出力トルクとしてモータを制御することが示されている。
また、特許文献4には、旋回操作部の操作量に応じて設定された指令速度値と実速度との偏差を求め、この速度偏差に応じて電動モータの加速・制動トルクを制御し、旋回操作部の操作量が少なくとも最大又は最大近傍のときに最大加速トルクを、また操作量が少なくとも0又は0近傍のときに最大制動トルクをそれぞれ出力するようにすることが提案されている。
特開2003−333876号公報 特開2003−033063号公報 特開2006−112114号公報 特開2001−010783号公報
ところで、旋回体を電動モータで直接に駆動し、そのモータの目標速度と実速度との速度偏差に対するモータ出力トルクの関数からモータ出力トルクを求めて、その出力トルクになるようにモータを制御すると、旋回体の駆動時に加速をした後で旋回速度に変動が生じ(図12の破線参照)、旋回体の振動が生じて旋回体内のオペレータ(作業者)等が違和感や不快感を感じるという問題があった。
すなわち、速度偏差に対するモータ出力トルクの関係は、制御系の応答性、機械系の弾性によって決まる限界があり、速度偏差とトルクとの関係がその限界を超えると振動を引き起こすこととなる。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、いかなる状態においても、速度偏差に対するモータ出力トルクの関係が限界を超えないようにして、旋回体の振動を防止することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、速度偏差に対するトルク変化量の傾きを一定に抑えるようにした。
具体的には、第1の発明では、旋回体(3)を旋回させる電動モータ(27)の目標速度を操作手段(31)の操作位置から算出して、該目標速度と電動モータ(27)の実際の速度との速度偏差を求め、該速度偏差に対するモータ出力トルクの関数に基づいて電動モータ(27)の出力トルクを求めて、該出力トルクで電動モータ(27)を制御するようにした旋回体の駆動制御装置において、上記速度偏差に対するモータ出力トルクの関数に対し、その微分値の絶対値が所定未満となるように補正を加える補正手段(35)を設ける。
上記の構成によると、旋回体(3)を旋回させる電動モータ(27)の目標速度が操作手段(31)の操作位置から算出されとともに、この目標速度と電動モータ(27)の実際の速度との速度偏差が求められ、この速度偏差に対するモータ出力トルクの関数に基づいて電動モータ(27)の出力トルクが求められて、その出力トルクで電動モータ(27)が制御される。そのとき、補正手段(35)において、上記速度偏差に対するモータ出力トルクの関数に対し、その微分値の絶対値が所定未満となるように補正が加えられる。そのため、速度偏差に対するモータ出力トルクの関数での傾きが常に一定未満に抑えられ、旋回体(3)の駆動時に旋回速度の変動により旋回体(3)の振動が生じることはない。
第2の発明では、上記速度偏差に対するモータ出力トルクの関数は、旋回体(3)を油圧アクチュエータで旋回させる油圧回路のエミュレーションモデルから算出されたものとする。
この第2の発明では、速度偏差に対するモータ出力トルクの関数が油圧モデルから算出されるので、旋回体(3)の振動を防止しつつ、油圧方式に近いフィーリングの操作性も同時に実現することができる。
第3の発明では、旋回体(3)は建設車両に備えられたものとし、電動モータ(27)は、旋回体(3)を旋回させる旋回用電動モータとする。
この第3の発明では、建設車両での旋回体(3)を電動モータ(27)によって駆動する場合に、旋回体(3)の駆動時の旋回速度の変動により旋回体(3)の振動が生じることを防止することができる。
第4の発明では、上記電動モータ(27)を制動する制動機構が組み合わせられている。このことで、例えば旋回体(3)を停止保持する必要がある場合、パーキングブレーキや電動モータ(27)による位置保持に代えて制動機構で位置保持することにより、旋回体(3)に加わる過大な外力によるパーキングブレーキの劣化を防止し、或いは電動モータ(27)で位置保持する場合に必要となる電力も不要になり、省エネルギー化を図りかつ電動モータ(27)の寿命を向上することができる。
以上説明したように、第1の発明によると、旋回体(3)を旋回させる電動モータ(27)の目標速度と実際の速度との速度偏差に対するモータ出力トルクの関数に基づいて電動モータ(27)の出力トルクを求めて電動モータ(27)を制御するようにした旋回体の駆動制御装置において、その速度偏差に対するモータ出力トルクの関数に対し、その微分値の絶対値が所定未満となるように補正を加えることにより、速度偏差に対するモータ出力トルクの関数での傾きが常に一定未満に抑えられ、旋回体(3)の駆動時に旋回速度が変動して振動が生じることを防止することができる。
第2の発明によると、速度偏差に対するモータ出力トルクの関数を油圧モデルから算出したことにより、旋回体(3)の振動を防止しつつ、油圧方式に近いフィーリングの操作性も実現することができる。
第3の発明によると、旋回体(3)は建設車両に備えられたものとし、電動モータ(27)は、旋回体(3)を旋回させる旋回用電動モータとしたことにより、建設車両での旋回体(3)の旋回速度の変動により旋回体(3)の振動が生じることを防止することができる。
第4の発明によると、電動モータ(27)を制動する制動機構を組み合わせたことにより、省エネルギー化及び電動モータ(27)の寿命の向上を図ることができる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
図1は建設車両としてのハイブリッドショベル(1)を示し、このハイブリッドショベル(1)は、後述するようにエンジン(21)及び電動モータを備えており、エンジン(21)が発電用にのみ使用されるとともに、走行時や掘削作業時等に必要な動力は全て電動モータの動力に頼る、いわゆるシリーズ方式が採用されている。
上記ハイブリッドショベル(1)は、下部走行体(2)と、該下部走行体(2)の上面に旋回可能に配設された上部旋回体(3)と、該上部旋回体(3)に取り付けられ、掘削作業等を行う掘削作業機(4)とを備えている。また、下部走行体(2)及び上部旋回体(3)は、ハイブリッドショベル(1)の車両本体を構成している。尚、以下の説明では、特に断らない限り「前側」、「後側」、「左側」及び「右側」はそれぞれ下部走行体(2)を基準として前側、後側、左側及び右側を意味する。
上記下部走行体(2)には、走行用のクローラ(5)と、整地作業等を行うためのブレード(6)とが設けられている。そして、下部走行体(2)には、クローラ(5)を駆動するための走行用油圧モータ(15)と、ブレード(6)を駆動するためのブレードシリンダ(16)とが設けられている。
上記上部旋回体(3)にはオペレータキャビン(7)が、またその後側及び右側に作動油タンク(8)及びマシンキャブ(9)がそれぞれ配設されている。そして、上部旋回体(3)には、その上部旋回体(3)を減速機(28)(図2参照)を介して旋回駆動するための旋回用電動モータ(27)が設けられている。
上記掘削作業機(4)は、基端部が上部旋回体(3)のレボルビングフレーム(図示せず)に回動可能に連結されるブーム(10)と、このブーム(10)の先端部に回動可能に連結されるアーム(11)と、このアーム(11)の先端部に回動可能に連結されるバケット(12)とを有している。そして、掘削作業機(4)には、ブーム(10)を駆動するためのブームシリンダ(17)と、アーム(11)を駆動するためのアームシリンダ(18)と、バケット(12)を駆動するためのバケットシリンダ(19)とが設けられている。
上記ブームシリンダ(17)は、一端が上部旋回体(3)に回動可能に支持され、他端であるロッド(17a)先端がブーム(10)の基端部寄りに回動可能に連結されており、伸縮によりブーム(10)を基端部を中心に回動(起伏)させる。
上記アームシリンダ(18)は、一端がブーム(10)の上面に回動可能に支持され、他端であるロッド(18a)先端がアーム(11)に回動可能に連結されており、伸縮によりアーム(11)をブーム(10)との連結軸を中心に回動させる。
上記バケットシリンダ(19)は、一端がアーム(11)の前面に回動可能に支持され、他端であるロッド(19a)先端がバケット(12)に回動可能に連結されており、伸縮によりバケット(12)をアーム(11)との連結軸を中心に回動させる。
図2に示すように、上記ハイブリッドショベル(1)は、上記旋回用電動モータ(27)を制御して上部旋回体(3)の旋回動作を行わせるための駆動制御装置(20)を備えている。尚、ハイブリッドショベル(1)は、この他、図示しないが、上記油圧アクチュエータとしての各種シリンダ(16,17,18,19)や走行用油圧モータ(15)を駆動するための駆動システムを備えている。
上記駆動制御装置(20)は、電気システムとして、エンジン(21)と、交流発電機(23)と、コンバータ(24)と、バッテリ(26)と、旋回用電動モータ(27)とを備えている。
具体的に、上記交流発電機(23)は、エンジン(21)の出力軸に駆動連結されていて、そのエンジン(21)の駆動によって発電するように構成されている。交流発電機(23)は、コンバータ(24)に電気的に接続されている。つまり、交流発電機(23)で発生した交流電力は、コンバータ(24)で直流電力に変換される。バッテリ(26)は、コンバータ(24)に電気的に接続され、充放電するように構成されている。コントローラ(30)は、バッテリ(26)(コンバータ(24))に電気的に接続され、直流電力が供給される。図2中、(29)は上部旋回体(3)を停止保持するためのパーキングブレーキである。
上記上部旋回体(3)を旋回させる旋回用電動モータ(27)は上記コントローラ(30)によって制御される。このコントローラ(30)には、上記オペレータキャビン(7)内に設けられた操作装置(31)(操作手段)からの操作信号と、上記旋回用電動モータ(27)の実際の回転速度を検出する速度検出器(32)からの速度信号とが少なくとも入力されている。操作装置(31)は上位装置(33)を介してコントローラ(30)に接続されている。操作装置(31)は、オペレータキャビン(7)内でオペレータ(作業者)が上部旋回体(3)を旋回させるために操作するもので、操作レバー(31a)を有し、この操作レバー(31a)の操作位置に応じて上部旋回体(3)が旋回又は停止し、例えば操作レバー(31a)が左右中央の中立位置にあるときには、上部旋回体(3)の旋回が停止し、操作レバー(31a)が左側に倒し操作されたときには上部旋回体(3)が左旋回し、右側に倒し操作されたときには上部旋回体(3)が右旋回する。
上記コントローラ(30)においては、上記操作装置(31)の操作信号による操作位置から、上部旋回体(3)を旋回させる旋回用電動モータ(27)の目標速度を算出するとともに、その目標速度と、速度検出器(32)からの速度信号による電動モータ(27)の実際の回転速度との速度偏差を求め、この速度偏差に対するモータ出力トルクの関数に基づいて電動モータ(27)の出力トルクを求めて、該出力トルクで上部旋回体(3)を制御するようになっている。
上記速度偏差に対するモータ出力トルクの関数は、上部旋回体(3)を油圧アクチュエータで旋回させる油圧回路のエミュレーションモデル(以下、油圧モデルともいう)から算出される。図5(b)は上部旋回体(3)を油圧アクチュエータで旋回させる油圧回路を、また図5(a)はその油圧回路をプログラム上でモデル化したエミュレーションモデル(油圧モデル)をそれぞれ示す。図中、(51)は油圧ポンプ、(52)は上部旋回体(3)を駆動するアクチュエータとしての油圧モータ、(53)は6ポート3位置のパイロットバルブ、(54,55,56)はリリーフバルブ、(57,58)はチェックバルブである。また、Qは流量を、Pは圧力を、Aはパイロットバルブ(53)の各ポートのバルブ開口面積(バルブ開度)をそれぞれ表している。
この油圧モデルでの支配方程式は以下に示すようになる。qはポンプ容量、cは定数、Tはモータトルクである。
Qp=Q1+Q3
Q1=Q2
Pp=c(Q3/A3)
Pp−P1=c(Q1/A1)
P2=c(Q2/A2)
T=(P1−P2)・q/(2π)
これらの式により油圧モータ(52)の出力トルクTが求められる。
油圧モデルにおいて、油圧モータ(52)に流れる流量と圧力との関係は図7で表される。また、この図7に示す加速状態(C1)、定速状態(C2)、減速状態(C3)及び減速状態(C4)での油圧回路の動作をそれぞれ図8(a)〜(d)に示しており(圧油の流れる経路を太い実線にて表す)、油圧モータ(52)の入口側の圧力P1が出口側の圧力P2よりも大きいと大きな旋回トルクが発生する。
(1)加速状態(C1)
加速旋回中は、油圧ポンプ(51)からの流量がそのまま油圧モータ(52)に流れ、入口側の圧力P1が出口側の圧力P2よりも遥かに大きくなる。圧力P1が大きくなりすぎると、供給側リリーフバルブ(54)が開いて圧力P1は一定のリリーフバルブ設定圧力P1rに保たれる。そのため、P1=P1rとなり、モータトルクTは、T=(P1r−P2)・q/(2π)となる。
(2)定速状態(C2)
定速旋回中は、リリーフバルブ(54)は開いていない。圧力P1はそのままの値となり、モータトルクTは、T=(P1−P2)・q/(2π)となる。定速旋回で外乱がなく外から力が作用していない場合、油圧モータ(52)に対する圧力P1,P2はP1=P2となる。このとき、図7の圧力P1,P2(両者の関係は操作レバー(31a)の位置に応じて変化する)が交差する流量で油圧モータ(52)が回転する。
(3)減速状態(C3)
この状態では、上部旋回体(3)の慣性によって油圧モータ(52)への供給流量よりも吐出流量の方が大きくなっている。供給側の圧力P1が負圧にならないようにチェックバルブ(57)が開いて供給側に油が供給され、供給側の圧力P1は0になる。このことでモータトルクTは、T=(−P2)・q/(2π)となる。
(4)減速状態(C4)
この減速旋回中は、油圧モータ(52)に加わる上部旋回体(3)の慣性力が大きいため、圧力P2が吐出側リリーフバルブ(55)の設定圧よりも大きくなり、吐出側リリーフバルブ(55)が開いて圧力一定(リリーフバルブ設定圧力P2r)に保たれる。P2=P2rとなるので、モータトルクTは、T=(−P2r)・q/(2π)となる。
以上の各状態(C1)〜(C4)の状態で算出したモータトルクと速度偏差との関係を表すと、図9に示すような曲線となり、速度偏差に対するモータ出力トルクの関数が得られる。
次に、上記コントローラ(30)において、電動モータ(27)の出力トルクを求めて該トルクを電動モータ(27)に出力する処理動作について図3により説明する。図4はその処理動作に関する制御ブロック図である。
最初のステップS1では、操作装置(31)からの操作信号を入力し、ステップS2で油圧モデルにおけるスプール位置を算出する。ステップS3では、上記油圧モデルにおいてパイロットバルブ(53)のバルブ開口面積Aを算出する。このバルブ開口面積Aは、図6に示すように、上記スプール位置(スプール開度)に応じて求められる。ステップS4において、上記操作信号により操作装置(31)の操作位置に基づいて、油圧モータが外力0のときに到達する速度を旋回用電動モータ(27)の目標速度として算出し、次のステップS5では、上記速度検出器(32)により検出された実際の回転速度との偏差Qerrを算出する。その後、ステップS6において、図9に示す油圧モデルによるモータ出力トルクTを算出する。
次いで、ステップS7において、上記速度偏差に対するモータ出力トルクの関数の微分値dT/dQを算出し、ステップS8では微分値dT/dQが速度比例ゲインの限界を超えたかどうかを判定する。この判定がNOのときには、そのままステップS10に進むが、微分値dT/dQが速度比例ゲインの限界を超えて判定がYESであるときには、ステップS9に進んで、トルク補正を行った後にステップS10に進む。すなわち、図11の破線は油圧モデルによる制御の特性を示しており、この油圧の特性による速度偏差の変化量に対するトルク変化量ΔT2/△Qerrが、振動が発生しない限界ΔT1/△Qerrを超えないように、図11の実線にて示すようにトルクと速度偏差との関係を補正する。具体的には、微分値の絶対値が所定未満となるように補正を加える。このことで、図9に示す油圧モデルによる速度偏差に対するモータ出力トルクの関数を図10に示すように補正する。
上記ステップS10では、モータ出力トルクが最大トルクを超えないようにするトルク制限処理を行い、ステップS11においてモータ出力トルクを旋回用電動モータ(27)に出力して旋回用電動モータ(27)をその出力トルクがモータ出力トルクになるように電流制御し、しかる後に終了する。
そして、この実施形態では、上記ステップS7〜S9の機能により、速度偏差に対するモータ出力トルクの関数に対し、その微分値の絶対値が所定未満となるように補正を加える補正手段(35)が構成されている。
−上部旋回体の旋回制御動作−
上部旋回体(3)のオペーレータキャビン(7)においてオペレータが操作装置(31)の操作レバー(31a)を操作することで、上部旋回体(3)が旋回する。具体的には、操作装置(31)からの操作信号がコントローラ(30)に入力され、その操作信号に基づいて油圧モデルにおけるスプール位置が算出されるとともに、そのスプール位置から油圧モデルでのパイロットバルブ(53)のバルブ開口面積Aが算出される。また、上記操作信号による操作装置(31)の操作位置に基づいて、油圧モータが外力0のときに到達する速度を旋回用電動モータ(27)の目標速度として算出し、この目標速度と、速度検出器(32)により検出された実際の回転速度との偏差Qerrが算出され、この偏差Qerrから油圧モデルによるモータ出力トルクTが算出される。
そして、上記速度偏差に対するモータ出力トルクの関数の微分値dT/dQが算出され、その微分値dT/dQが速度比例ゲインの限界を超えると、図11に実線にて示すように、速度偏差に対するトルク変化量が一定を超えないように、トルクと速度偏差との関係が補正され、微分値の絶対値が所定未満となるように補正が加えられ、図9に示す油圧モデルによる速度偏差に対するモータ出力トルクの関数が図10に示すように補正される。
しかる後、モータ出力トルクに対するトルク制限処理が行われた後に、モータ出力トルクが旋回用電動モータ(27)に出力されて該モータ(27)をその出力トルクがモータ出力トルクになるように電流制御される。
−実施形態の効果−
したがって、この実施形態においては、旋回用電動モータ(27)の目標速度と実際の速度との速度偏差に対するモータ出力トルクの関数に基づいて電動モータ(27)の出力トルクが求められて、その出力トルクで電動モータ(27)が回転して上部旋回体(3)が制御される際、速度偏差に対するモータ出力トルクの関数に対し、その微分値の絶対値が所定未満となるように補正が加えられるので、速度偏差に対するモータ出力トルクの関数での傾きが常に一定未満に抑えられ、図12に実線にて示すように、ハイブリッドショベルでの上部旋回体(3)を電動モータ(27)によって駆動する場合に、その旋回速度の変動により上部旋回体(3)の振動が生じるのを防止することができる。尚、図12の破線は振動の発生状態を示している。
また、上記速度偏差に対するモータ出力トルクの関数は、上部旋回体(3)を油圧モータ(52)で旋回させる油圧回路のエミュレーションモデルから算出されたものであるので、速度偏差に対するモータ出力トルクの関数が油圧モデルから算出され、上部旋回体(3)の振動を防止しつつ、油圧方式に近いフィーリングの操作性も同時に実現することができる。
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態において、旋回用電動モータ(27)を制動する油圧式、空気式、機械式等の制動機構を組み合わせることもできる。具体的には、図示しないが、この制動機構は例えばモータ(27)と減速機(28)との間に、両者を駆動連結する連結軸の回転を制動する機構として設けられる。このような制動機構を設けることで、省エネルギー化を図りかつ電動モータ(27)の寿命を向上することができる。
すなわち、ショベルの旋回モータが油圧モータの場合、上部旋回体が旋回していなくて作業中にパーキングブレーキを解除している状態では、旋回外力に対して動力の入力がなくてもリリーフ圧相当までの抵抗力を油圧モータが持っている。これに対し、ショベルの旋回モータを油圧モータから電動モータ(27)に変えたとき、その電動モータ(27)で同じことをするには、外部から電流を流して抵抗トルクを発生させてやらねばならない。また、その旋回外力が変化するときは電流を調節しないと意図した停止位置を保持することができない。さらに、押付堀削時は旋回体(3)に旋回トルクを発生させ続ける必要がある。このため、電動モータ(27)に電流を流し続ける必要があり、発熱により損失が発生する。
また、パーキングブレーキ(29)をかけて強制的に旋回体(3)を位置保持することもできるが、そのブレーキトルク以上の過大な外力が旋回体(3)にかかったときには、パーキングブレーキ(29)の破損や鳴きが発生する。
そこで、旋回用電動モータ(27)を制動する制動機構を電動モータ(27)とは別に設け、その制動機構によって、旋回外力に対する抵抗力を発生させるようにすることで、パーキングブレーキ(29)を損傷し難くして、そのことによるブレーキ劣化を防止するとともに、電動モータ(27)に大電流を供給することを不要にし、よって省エネルギー化を図りかつ電動モータ(27)の高寿命化を図ることができる。
また、上記実施形態では、速度偏差に対するモータ出力トルクの関数を、上部旋回体(3)を油圧モータ(52)で旋回させる油圧回路のエミュレーションモデル(油圧モデル)から算出したものとしているが、この油圧モデルから算出されたものには限定されず、他のモデルから設定したり新規に設定したりしてもよい。
さらに、上記実施形態では、ハイブリッドショベル(1)の上部旋回体(3)を制御するようにしているが、本発明は、この上部旋回体(3)に限定されず、他の建設車両や一般の旋回体を電動モータによって駆動する場合にも適用することができる。
本発明は、旋回体を電動モータで旋回駆動するシステムにおいて極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
図1は、ハイブリッドショベルを示す斜視図である。 図2は、本発明の実施形態に係る上部旋回体の駆動制御装置の全体構成を示す図である。 図3は、コントローラでの処理動作を示すフローチャート図である。 図4は、旋回体の駆動制御装置の制御ブロック図である。 図5(a)は、旋回体を油圧アクチュエータで旋回させる油圧回路のエミュレーションモデルを示す図、図5(b)は油圧回路を示す回路図である。 図6は、スプール位置からバルブ開口面積を算出するための特性図である。 図7は、油圧モータに流れる圧油の流量と圧力との関係を示す図である。 図8は、油圧モータに圧油が流れるときの油圧モデルでの動作を示す図5(a)相当図である。 図9は、油圧モデルによる得られる速度偏差とモータトルクとの関数を示す図である。 図10は、補正後の速度偏差とモータトルクとの関数を示す図9相当図である。 図11は、上部旋回体の振動が発生しないモータトルクの変化量を油圧モデルによる制御と比較して示す図である。 図12は、上部旋回体の加速時の速度変化を示す図である。
符号の説明
1 ハイブリッドショベル
3 上部旋回体
21 エンジン
26 バッテリ
27 旋回用電動モータ
30 コントローラ
31 操作装置(操作手段)
31a 操作レバー
32 速度検出器
33 上位装置
35 補正手段
51 油圧ポンプ
52 油圧モータ
53 パイロットバルブ

Claims (4)

  1. 旋回体(3)を旋回させる電動モータ(27)の目標速度を操作手段(31)の操作位置から算出して、該目標速度と電動モータ(27)の実際の速度との速度偏差を求め、該速度偏差に対するモータ出力トルクの関数に基づいて電動モータ(27)の出力トルクを求めて、該出力トルクで電動モータ(27)を制御するようにした旋回体の駆動制御装置において、
    上記速度偏差に対するモータ出力トルクの関数に対し、その微分値の絶対値が所定未満となるように補正を加える補正手段(35)を設けたことを特徴とする旋回体の駆動制御装置。
  2. 請求項1の旋回体の駆動制御装置において、
    速度偏差に対するモータ出力トルクの関数は、旋回体(3)を油圧アクチュエータで旋回させる油圧回路のエミュレーションモデルから算出されたものであることを特徴とする旋回体の駆動制御装置。
  3. 請求項1又は2の旋回体の駆動制御装置において、
    旋回体(3)は建設車両に備えられたものであり、
    電動モータ(27)は、旋回体(3)を旋回させる旋回用電動モータであることを特徴とする旋回体の駆動制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つの旋回体の駆動制御装置において、
    電動モータ(27)を制動する制動機構が組み合わせられていることを特徴とする旋回体の駆動制御装置。
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