JP2011077225A - 半導体装置と接続構造及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置と接続構造及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体チップをCu電極で挟んだ実装構造では、熱膨張差によりチップに発生する剪断方向の熱応力が高く、鉛フリーの硬い高温はんだや高強度のナノAg接合ではチップ割れを生じる。このため、250℃の耐熱性が要求される半導体装置では鉛フリー化が実現できていない。鉛フリーで高融点の接続材料を用いて、熱・電気特性と温度サイクル信頼性と高温耐性に優れる低コストの実装構造を提供する。
【解決手段】半導体チップとCu電極間に低熱膨張板を挿入し、チップ側を鉛フリーの高温はんだ、Cu電極側を空孔率が20〜70%の多孔質のAg層で接合した構造とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特に自動車用途に用いられ、鉛フリーの接合構造を有する半導体装置に関する。
従来、オルタネータダイオード等の半導体チップの接合には、Pbが90%以上で他にSn,Agなどを数%含む高融点はんだ材料が使われている。その構造は、Cuベース電極,Cu/Fe−Ni合金/Cuからなる低熱膨張板,半導体チップ,Cuリード電極を積層した構成で、各部材間を鉛入り高融点はんだで接合した構造である。各部材および半導体素子の上下電極には、Niめっきが施されている。
一方、近年は欧州のRoHS指令で宣言されているように、環境を有害物質の汚染から守ることが重要となってきており、電子装置の組立部材から鉛を除去することが求められている。しかし、従来の鉛入り高温はんだ材にそのまま置き換え可能な鉛を使用しない高温はんだ材は開発されておらず、金属系ではZnAl系やSnSb系の高温はんだ材が知られているものの、実用上種々の問題を有しており、半導体装置への適用は困難となっている。
特開2009−113050号公報
近年の自動車は、駆動系の電子化に伴い使用する電流容量が急激に増大しており、発電機からの電流を直流に整流する半導体装置はチップ素子当たりの電流容量を増加することが求められている。通常、通電電流を増加すると半導体チップからの発熱が増加し、半導体装置の使用温度が高くなる。このため、半導体装置の耐熱性向上と繰返される温度変動に起因する熱疲労寿命の確保が大きな課題になっている。要求される250℃耐熱性に関しては、部材のNiめっき膜質を改善することで高鉛はんだでも1000hの保障が可能であるが、熱疲労寿命は半導体チップの温度が220〜250℃になると部材間の熱膨張差に伴う熱歪が大きくなり、その歪をはんだが全て吸収するため寿命は急激に低下し、必要な信頼性が得られなくなるという問題がある。熱歪的に最も厳しいのは半導体チップとCuのリード電極間であるが、熱膨張率が10ppm付近の低熱膨張版を採用した場合でも、半導体チップと低熱膨張板間および低熱膨張板とベース電極間の両方のはんだ内に大きなクラックが発生してしまい、全ての接合箇所が耐えられない。
また、もう一つの課題は、環境保護の観点から欧州を中心に規制が加えられようとしている自動車機器あるいは電子機器の高鉛含有はんだ使用禁止の問題である。
従来の鉛入り高温はんだを用いた半導体装置では、はんだ材が柔らかいため半導体チップとCuリード電極あるいは半導体チップとCu/Fe−Ni合金/Cuの低熱膨張板間の熱歪をほとんどはんだ部が吸収してチップ割れを防いでいた。しかし、鉛を使用しない高温はんだ材は、例えばZnAl系高融点はんだでは、はんだ表面に化学的に安定なAl酸化膜を形成して濡れ拡がり性が悪く、しかも材質が硬いため半導体チップが割れるという問題がある。また、SnSbAgCu系高融点はんだは濡れ性は良いものの、ZnAl系材料よりもさらに材質が硬いためはんだ接合後の冷却過程で半導体チップが剥離するように割れるという問題がある。これは、両面に熱膨張の大きいCu部材が接合されるため、低熱膨張板を中間に挿入しても硬いはんだでは応力緩和がそれほど行われないためである。また、最近ではナノAgペーストを使った接合が開発され、高耐熱な接合部が得られることが知られているが、対象部材がNiの場合は接合強度が低くて取扱い時の外力で界面が破断したり、必要な長期信頼性が得られないという問題がある。また、貴金属めっき部材を使用して強固に接合した場合は、部材間の熱膨張差による熱応力によって半導体チップが割れるという問題や製品コストが上昇するといった問題がある。また、半導体チップの接合に用いた場合、ナノAgペーストはSiにも付着するためチップの側面に付着する可能性があり、絶縁を側面の沿面距離で確保している製品では、絶縁特性の低下を招くといった問題もある。
本発明の第1の目的は、接続材料として鉛を含まない材料を用い、かつ組立時の冷却過程で発生する熱応力による半導体チップの損傷を防止することができ、使用時の高温環境や温度差の大きい繰返しの温度変動が加えられる熱サイクル環境においても半導体装置としての機能が維持される高信頼な半導体装置を提供することである。
本発明の第2の目的は、焼結Agの接合性が低い低コストのNi部材に対して焼結型Agペーストの接着性を改善できる低コストの表面処理法及び、その処理によって得られる高信頼な接続構造を提供し、高信頼で低コストの半導体装置を提供することである。
本発明の第3の目的は、温度差の大きい繰り返しの温度サイクルが加わる環境で熱疲労寿命の長い接続構造が得られる焼結型Agペースト材料を提供することである。
第1の目的を達成するために、焼結後の空孔率が20〜70%で焼結したAgが網目構造を形成する焼結型Agペーストと、材質的には硬いもののNiへの濡れ性に優れるSn−Sb−Ag−Cu系高温はんだの2種類の接続材料を用い、半導体チップの両側に熱膨張率が8ppm以下のMoやCu/Fe−Ni合金/Cu積層材やCu−Mo焼結材などの低熱膨張板を前記高温はんだで接合層厚さが50μm以下となるように接合し、低熱膨張板とCuのリード電極やベース電極とを前記焼結型Agペーストで接合層厚さが70μm以上となるように調整して接合した構造とした。
まず、接続材料の焼結型Agペーストと高温はんだは共に鉛フリー材料であり、いずれも融点が300℃以上と高いため、これらで組み立てた半導体装置は鉛フリーで高耐熱性を有する装置となる。
また、半導体チップと硬質の高温はんだで接合する部材を熱膨張率が8ppm以下の低熱膨張板とし、その低熱膨張板と熱膨張の大きいCuのリード電極やベース電極とは空孔率が20〜70%の多孔質で厚いAg接合層で接合した構造としたことにより、Cu電極と低熱膨張板の熱膨張差による熱歪は構造的に降伏応力が小さい多孔質のAg層で吸収されて低熱膨張板にはCuの熱歪が伝わらず、半導体チップには低熱膨張板と半導体チップの熱膨張差5ppm以下の熱歪のみが加わることになるため、接合後の冷却過程で発生する熱応力によって半導体チップが破損することがなくなる。高温はんだの熱膨張率はCu以上に高いが、接合層の厚さを50μm以下と薄くしているため、低熱膨張板によってその熱歪の影響を抑制できているのである。
また、半導体チップの上下面の接合にSiに濡れない高温はんだを用いたため、半導体チップの側面に接続材料が付着することがなく、絶縁を側面の沿面距離で確保している半導体装置であっても電気絶縁特性を低下させる恐れがない。
また、温度差の大きい温度サイクル環境下において、半導体チップと低熱膨張板の間の高温はんだ接合層は、両者の熱膨張差が小さいため、熱疲労によってチップと平行方向の割れで破断することがなく、長い寿命を維持できる。一方、Cu製のリードやベース電極と低熱膨張板間は大きな熱膨張差が生じるが、空孔率の高い網目構造によってAg柱の塑性変形が小さい条件で両部材の大きな熱歪を吸収することができるため、多孔質のAg接合層の熱疲労寿命を長く維持でき、半導体装置としての高い信頼性を確保できるのである。
第2の目的を達成するために、半導体装置のNiめっき組立部品の接合領域にネオデカン酸Agやカルボン酸Agやオクチル酸Agなどの有機Ag錯体を有機溶媒に溶解・希釈した溶液あるいは有機保護膜を形成したナノAg粒子を有機溶媒に分散した溶液を塗布し、大気中で200〜350℃の温度、望ましくは250〜300℃の温度に加熱・焼成してAgメタライズを施す表面処理法を採用し、Ag膜の構造を内部に空孔を1〜30%含有し、その膜の表面に膜厚と同等レンジのピッチで凹凸が形成された構造とした。
まず、Ni面に有機Ag化合物やナノAg粒子を含む溶液を塗布することや大気中で200〜350℃の温度に加熱することは特別な装置や技術がなくても容易に行え、Agを含む溶液は必要な領域に限定して塗布するため必要最小限の使用量に抑制できかつ全てAgメタライズに費やされるためAgの利用効率が100%近くなり、プロセスコストや材料コストをめっきなどの手法に比べて低く抑えてNi面のAg化処理が可能となる。焼成処理で形成したAgメタライズ膜は、内部に空孔を多数含み、かつ表面に凹凸が多く形成されるため、Agメタライズ膜内の残留応力が小さくなることと、焼結型AgペーストとAgメタライズ膜の接触面積が増大すること、さらには凹部への焼結Agの侵入によるアンカー効果も加わってその界面強度を大幅に向上できる効果が得られる。なお、Agメタライズ膜がNi面に高強度に密着するのは、有機Ag錯体から遊離したAg原子あるいは有機保護膜が除去されたナノAg粒子が非常に活性で、しかも周囲には還元性の有機溶媒や有機分解ガスが存在しているため、Ni面が酸化される前にAgメタライズが進行するためであると推定している。図1は、その現象を実験的に確かめたもので、NiめっきCu部材に有機Ag溶液を塗布し250℃で焼成した後に焼結型Agペーストで接合した接合部の断面組織である。メタライズ界面や接合界面に大きな欠陥は認められず、良好に接合できることが分る。
以上のことから、低コストのNi部品を用いて半導体装置を組み立てられ、Ni面のAg化処理液コストやプロセスコストも化学めっき法などに比べて安く抑えることができ、焼結Agとの接着性も上がるため、低コストで高信頼の半導体装置を提供できるのである。
第3の目的を達成するために、焼結型Agペーストを平均粒径0.1〜3μmの粒状Agで表面に200℃以下で分解する有機保護膜を形成したAg粒子と、ペースト化のための有機溶媒と、粒径3〜30μmのAg粒子と、粒径50〜500μmの球状の貴金属粒子あるいは貴金属めっきした球状の高導電金属粒子とから構成したAgペーストとした。
平均粒径が0.1〜3μmのAg粒子は、300℃以下の比較的低温で焼結する性質がありAg粉末だけでも接合が進むが、粒子の移動を伴わないと全体の均一な焼結が行われずむらが生じてしまう。このため、有機溶媒の溶液で流動性を与え、組立て時のペースト供給性も確保している。また、Ag表面の清浄さは焼結性に影響するため、予め有機保護膜で覆っておき、焼結時に除去して清浄面を得ることで高い焼結性を確保している。粒径3〜30μmのAg粒子は空孔率を調整すると共に強度を改善するために混合したおり、粒径50〜500μmの金属粒子は厚い接合層の傾きを抑制するためのスペーサ的役割と低コスト化のための接続材料の増量を目的に混合している。この材料で接合した場合の接合層は、接合厚さが70μm以上と厚くなり、粒径の大きい金属粒子の粒径を揃えることで接合層の傾きも抑えることができ、多孔質な構造が得られるので、温度差の大きい繰り返しの温度サイクルが加わる環境で熱疲労寿命の長い半導体装置の組み立てに適する焼結型Agペースト材料を提供できるのである。
本発明において、半導体チップの上下面に熱膨張率が8ppm以下の低熱膨張板を高温はんだで接合し、低熱膨張板とCuのリード電極やベース電極とを空孔率が20〜70%の多孔質な焼結Ag層で接合層厚さが50μm以上となるように接合した構造としたことにより、接続材料として鉛を含まない材料を用い、かつ組立時の冷却過程で発生する熱応力による半導体チップの損傷を防止することができ、使用時の高温環境や温度差の大きい繰返しの温度変動が加えられる熱サイクル環境においても半導体装置としての機能が維持される高信頼な半導体装置を提供することができるのである。
また、Niめっき部品の接合領域に有機Ag錯体溶液やナノAg粒子を分散した有機溶液を塗布し、大気中で加熱・焼成してAgメタライズを行う処理を採用したことにより、Ni部品に対して焼結型Agペーストの接着性を低コストプロセスで改善できる表面処理法及び高信頼な接続構造を提供でき、低コストで高信頼の半導体装置を提供できるのである。
また、温度差の大きい繰り返しの温度サイクルが加わる環境でも熱疲労寿命の長い接続構造が得られる焼結型Agペースト材料を提供できるのである。
本発明による半導体装置の断面構造の一実施例を示す図。 本発明による半導体装置の断面構造の他の実施例を示す図。 半導体装置を単一の接続材料で実装した場合の各種評価結果を示す図。 半導体装置のチップ側と電極側の接続材料を変えて実装した場合の各種評価結果を示す図。 本発明による接続構造を示す断面構造の一実施例を示す図。 本発明による接続部の断面組織の一実施例を示す図。 本発明による半導体装置の他の実施例を示す図。 本発明による半導体装置の他の実施例を示す図。 本発明による半導体装置の他の実施例を示す図。 本発明によるNi上Ag焼成膜の断面構造の一実施例を示す図。 本発明によるNi上Ag焼成膜の断面構造の他の実施例を示す図。 本発明によるNi上Ag焼成膜の表面外観の一実施例を示す図。
以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明による半導体装置の断面構造の一実施例を示す。図において、半導体チップ1の上下面にはNiPの無電解めっき膜が形成されている。その下にはチップサイズより大きいMo製のNiめっきされた低熱膨張板4が配置され、半導体チップの上にはチップサイズより小さいMo製のNiめっきされた低熱膨張板5が配置され、それらの部材は固相温度が300℃以上で液相温度が約360℃の45Sn−37Sb−10Ag−8Cu高温はんだ6,7で接合している。はんだ層の厚さは50μm以下の20μmにしている。各低熱膨張板のベース電極2及びリード電極3と接合する面と、ベース電極及びリード電極の接合面には、ネオデカン酸Agを有機溶媒に混ぜた有機溶液を塗布し大気中で250℃に加熱して焼成したAg膜が形成されている。それらの膜には空孔率1〜30%の密閉タイプを多く含むボイドが形成されている。それらのAg膜を介して厚さが70〜500μmで空孔率が20〜70%の多孔質なAg層8,9が金属的に接合された構造となっている。この多孔質なAg層の空洞部は、外気と空間的に繋がっているものの割合が50%以上あり、その空洞にはゲル状樹脂あるいは熱硬化性の樹脂が充填された領域が形成されている。ベース電極2はお椀形状をしており、その内側にはゲル状のシリコーン樹脂が充填され、リード電極の下部まで覆った状態で半導体装置を保護している。
本実施例によれば、接続材料に鉛を含まず固相温度300℃以上の高融点のはんだやAgを使っているので、環境に悪影響を与えず耐熱性の高い半導体装置を提供できる。また、半導体チップが高温はんだで接合される部材が低熱膨張5ppmのMo板となっているため、この接合部に発生する熱応力は小さく、接合後の冷却過程において半導体チップが破損することはない。また、Mo板と熱膨張差が大きいCu製のベース電極やリード電極とは空孔率が20〜70%で50μm以上と厚い多孔質のAg層で接合されているため、低応力かつ小さい塑性変形で熱歪を吸収する変形能が高く、Cu製電極との熱膨張差によってMo板が大きな歪を受けることがなく、その結果として半導体チップが熱応力で破損することがなくなる。また、Ag接合層は多孔質ではあるが空孔率が70%以下に抑えられていることやAgの熱伝導率は鉛はんだより10倍以上優れた最も高熱伝導の金属であるため、そのAg接合層の放熱性は従来の高鉛はんだの接合層より十分高い放熱特性が得られる。半導体チップの電気絶縁特性については、半導体チップの上下の接続材料がSiに濡れない高温はんだであるため、半導体チップの側面に接続材料が付着することがなく、側面の沿面距離で確保している絶縁特性を劣化させることがない。また、半導体装置の使用時において、半導体チップの発熱によって生じる半導体装置の温度変動に対しては、最も熱膨張差が大きい接合部が柔軟構造を有する多孔質で厚いAg層で構成されているのでその熱疲労寿命は十分長く、半導体チップとMo板の接合部は熱膨張差が小さいため高剛性で延性の小さい高温はんだ材であっても熱疲労で破壊することがなく、高い信頼性を有する鉛フリーの半導体装置を提供できるのである。
また、組立部品は全てNiめっきの低コスト部品であり、有機Ag溶液の使用量は少なくかつAgメタライズのプロセスも低コストであるため、半導体装置のコストを焼結型Agペーストの材料コスト増加分程度のコスト上昇に抑えられて、鉛フリーはんだの半導体装置としては比較的低コストにできるのである。
なお、本実施例においてはAg層の空孔率を20〜70%としたが、空孔率が20%より小さいと接合層の降伏強度が高くなって接合後の冷却過程で半導体チップが破損する可能性が生じ、空孔率が70%より高くなると熱応力的には楽になるが放熱性が低下して半導体チップの温度が上昇して動作しなくなるという問題がある。また、高温はんだの厚さを50μm以下としたが、この厚さを50μm以上とするとはんだの熱膨張率が大きいためはんだの熱応力によって半導体チップが破損する可能性が生じるという問題があり、薄くする必要があるのである。
また本実施例では、Ni面上のAgメタライズ処理にネオデカン酸Ag溶液を用いたが、オクチル酸Agやカルボン酸Agや脂肪族カルボン酸Agなどの有機Ag溶液、あるいはナノAg粒子を有機溶媒に分散した溶液を用いてもよい。
また本実施例では、低熱膨張板にMo板を用いたが、Cu/Fe−Ni合金/Cu(CIC:銅/インバー/銅)のクラッド材で熱膨張率が8ppm以下となる板厚比率(例えば1:3:1)の積層板や、熱膨張率が8ppm以下であるCu−C複合材,Cu−Mo焼結材などを用いてもよい。
また本実施例では、鉛フリーの高温はんだ材にSn−Sb−Ag−Cu系の材料を用いたが、Zn−Al系やBi−Ag系の高温はんだ材を使ってもよい。
図2は、本発明による半導体装置の断面構造の他の実施例を示す。図において、半導体チップ11の上下面には最表面がAgの多層の電極膜が形成されている。半導体チップの下側にはチップサイズより大きいCIC製のNiめっきされた低熱膨張板14が配置され、それらの部材は固相温度が300℃以上のSn−Sb−Ag−Cu系高温はんだ15で接合されている。はんだ層の厚さは50μm以下になるように薄くしている。低熱膨張板14のベース電極と接合する面と、ベース電極12及びリード電極13の接合面には、オクチル酸Agを有機溶媒に溶かした有機金属化合物溶液を塗布し大気中で焼成して形成した空孔率1〜30%のAg膜が形成されている(図には記載されていない。)。これらのAg膜を介して厚さが150μm以上で空孔率が20〜70%の多孔質なAg層17,18によって各部材が金属的に接合された構造となっている。リード電極の接合面の大きさは、半導体チップのサイズに比べて十分小さい大きさとしており、半導体チップ上に供給する焼結型Agペーストがチップの側面に流れ落ちる恐れを排除している。多孔質のAg層の開放系空洞部には熱硬化性の樹脂が含浸されて硬化処理され、また、ベース電極とリード電極の一部を除いて熱硬化性の絶縁樹脂が全体を覆って保護した構造となっている。
本実施例においては、図1に記載した効果のほかに、全体を高強度で高剛性の熱硬化樹脂で覆った構造としているため、各部材の接合部には常に部材を押し付ける圧縮方向の応力が加わっているので、半導体装置が大きな温度変動を受けるような環境に置かれても、接合部の熱疲労による水平方向のクラックの発生が抑制され、長期信頼性に優れた特性が得られる。この効果を含め本実施例によれば、図1と同様に鉛フリーで、組み立て時のチップ割れの恐れがなく、使用時の熱衝撃サイクルに対して長期信頼性に優れ、耐熱温度が250℃以上の半導体装置を提供できる。
図3は、図1の半導体装置を単一の接続材料で実装した場合の各種評価結果を示す一実施例である。部材の最表面のめっき膜としてNiめっき膜,Agめっき膜,Ag焼成膜を用い、接続材料として従来の柔らかい高鉛はんだ、硬質のSnSbAgCu系鉛フリーはんだ、焼結型Agペーストで実装している。組立性や特性,信頼性を調べた結果を示す。部材がNiめっき膜の場合、接合性が良好なのは両はんだ材のみで、焼結型Agペーストは接着性が悪いため半導体装置に実装できず、その後の評価ができなかった。また、鉛フリーはんだの実装品は、はんだ接合後の冷却過程で半導体チップが割れ、信頼性や電気的評価ができなかった。全ての評価が可能だったのは、各メタライズの高鉛はんだ実装品と、Agめっき膜やAg焼成膜の焼結型Agペースト実装品であった。高鉛はんだは環境規制で使用できず最終評価は適用不可であり、焼結型Agペーストは電機絶縁特性の歩留まりが悪く、特性的に良品があるものの量産プロセスに用いるには問題がある。従って、鉛フリーの接続材料で上下がCu電極で構成される半導体装置に適用可能な材料を見出すのは困難なことが分った。そこで、チップ側の接続材料と電極側の接続材料を変えた構成で実装評価した結果を図4に示す。接続材料は、チップ側を鉛フリーのSnSbAgCu系高温はんだ、電極側を焼結型Agペーストとした場合を主に調べ、逆の構成も比較して調べた。低熱膨張板を8ppmとSiに近い値を選定し、焼結Ag接合厚さを100μmとして高温はんだの厚さを変えたNo.1〜3を見ると、はんだ厚さが70μmと厚いとはんだの熱歪で半導体チップが割れ、はんだ厚さを20μmとして焼結Ag厚さを30〜700μmに変えたNo.4〜8を見ると、30μmと薄いと接合層にかかる熱歪が大きくなってTFT寿命が持たず、700μmと厚くすると放熱特性に問題が生じることが分る。また、高温はんだ及び焼結Ag厚さを適正範囲に選んで低熱膨張板の熱膨張率を変えたNo.6,9,10を見ると、熱膨張率が10ppmと高い場合は高温はんだの接合厚さを20μmと薄くしてもチップ割れが生じており、熱膨張率を8ppm以下にする必要があることが分る。接続材料を逆の組み合わせで使ったNo.11,12を見ると、この構成でチップ割れを防ぐことは可能になるが、TFT寿命が短くなる問題、絶縁特性が低下する問題が生じることが分る。以上のことから、半導体チップの上下がCu電極で構成される半導体装置では、高温はんだの接合厚さ50μm以下、焼結Ag層の接合厚さ70〜500μm、低熱膨張板の熱膨張率は8ppm以下が適することが確認できた。
図5は、本発明による低コストで高信頼な半導体チップとCu電極との接続構造を示す断面構成図、また図6は本発明の方法で実際に試作した接続部の断面組織を示す。図5において、半導体チップ21の表面には最表面が貴金属の多層の電極膜22が形成されCu電極部材23の表面にはNiめっき24が形成されている。それらの表面には有機Ag溶液やナノAg分散溶液を塗布・焼成して形成した内部に気泡26,28を含むAg焼成膜25,27が形成され、それらの膜を介して焼結Agの網目組織29が金属的に結合して両者が一体化している。焼結Agの網目組織は体積比率の大きい空洞部30が連結するように形成されており、その空洞部は外気に繋がった構造をしている。図6は、Cu電極部材のNiめっき面にネオデカン酸Ag溶液を塗布し、大気中で250℃−60分の焼成処理を施した後に、焼成Ag膜面に有機保護膜を形成した数μmのAg粒子と未処理の20μmのAg粒子の混合物を粘性のある有機溶剤でペースト化したものを塗布して、大気中で250℃−60分の焼結処理をした接続部の断面組織である。Ag焼成膜の組織はNi側が緻密で膜表面側に空洞部が多い傾斜組織を呈している。Ni/焼成Ag膜の界面の拡大写真をみても見接合欠陥は観察されず、密着性の高いAg膜の形成が確認できる。焼成Ag膜の表面は内部の空洞が開放された部分も見られ、めっき面に比べて凹凸が増した構造となっており、網目状の焼結Ag層のAg骨格と金属的に結合して一体化した状況を確認することができる。すなわち、有機Ag焼成膜をNiめっき上に一層形成することで、Niとの界面や焼結Agとの界面の密着性が向上していることが分る。
本実施例によれば、有機Ag溶液の焼成過程の化学的作用によってNi面上に高密着でかつ多孔質のAg焼成膜を形成でき、また焼成Ag膜の上に金属結合した網目状の焼結Ag層を形成した構造となっているので、接続部に熱歪等の応力が加わった場合でも、接続界面で低強度で剥離破断することがなく、高い信頼性の接続部を提供できる。また、Ag焼成膜が多孔質であるためAg膜の内部応力が低くなり、最も破断しやすいNi/Ag界面に残る焼成時の残留応力を小さくできて、結果として界面強度の向上が図れているのである。また、焼結Ag層の網目状の構造を見て分るように、骨格を形成するAg柱の径は数μmと細く、接合層に加えられる剪断歪をAg柱の曲げ変形で吸収することができ、その結果塑性歪量を小さく抑えられるので熱疲労寿命を大幅に向上した接続構造を提供できて、半導体装置の信頼性を向上できるのである。また、Niめっき部材を使えることによって、半導体装置のコストを低減できるという効果も得られるのである。
図7は、本発明による半導体装置の他の実施例を示す。図において、半導体チップ31の両面には最表面がAgの多層電極膜が形成されている。その上下には、最表面にAg膜が形成されたベース電極32とリード電極33が配置されている。接続材料には焼結型Agペーストを用い、多孔質な接合層34,35を形成して金属的に接合している。熱膨張率差が大きい半導体チップとCu電極を直接に接合した構造としているため、接合層の厚さを300μm以上の厚さとして温度サイクル信頼性を確保している。お椀状のベース電極の内部には、液状の樹脂を注入して硬化処理した熱硬化性樹脂36がリード電極下部が埋まる状態に充填されている。また、熱硬化性樹脂は多孔質な接合層の半導体チップを直接に焼結型Agペーストで接続する構造としているため、チップ側面へのAgの付着に伴う絶縁特性の低下が懸念されるが、Ag含有率を上げてAgペーストの粘度を高くすることでその確率を低減している。絶縁特性に関する歩留まりは、図1の半導体チップを高温はんだで接合する構造に比べて劣るが、部材点数が少ないためコスト低減が図れており、実現は可能である。
本実施例によれば、半導体装置を構成する組立部材点数を最小限に低減しているため、鉛フリーで熱・電機特性を満足し十分な信頼性が得られる低コストの半導体装置を提供できる。
なお、図7の構造において半導体チップとベース電極の間に低熱膨張板を挿入し、接続材料に焼結型Agペーストを用いて実装してもよい。図8は、その実施例である。低熱膨張板40の熱膨張率は8ppm以下とし、半導体チップと低熱膨張板間の接合層の厚さは20〜100μmとし、低熱膨張板とベース電極間の接合層の厚さは70〜500μmとしている。
本実施例によれば、図7と同等の効果が得られる他に、低熱膨張板を挿入したことで半導体チップとベース電極間の合計の焼結Ag接合層の厚さを厚くでき、温度サイクル信頼性をさらに向上できる効果がある。
図9は、本発明による半導体装置の他の実施例を示す。図において、半導体チップ51の両面には最表面がAgの多層電極膜が形成されている。その上下には、表面にNiめっきが施されたベース電極52とリード電極54が配置され、半導体チップとベース電極間にはNiめっきが施された低熱膨張板55が挿入されている。半導体チップと低熱膨張板の間はSnSbAgCu系の高温はんだ層56で接合されている。両電極及び低熱膨張板のNiめっきの他の接合領域には、有機Ag溶液を塗布・焼成してAg焼成膜が形成されている。接続材料には、平均粒径0.1〜3μmの粒状Agで表面に200℃以下で分解する有機保護膜を形成したAg粒子と、ペースト化のための有機溶媒と、粒径3〜30μmのAg粒子と、粒径200〜300μmの球状の貴金属粒子あるいは貴金属めっきした球状のCu,Ni,Al,Mg,Mo,Wなどの高導電粒子とから構成されたペースト状の接続材料から成る焼結型Agペーストを用い、多孔質な接合層57,59を形成して金属的に接合している。従ってこの接合層中には、粒径の大きい高導電粒子58,60が分散配置されており、接合層厚さは300μm以上の厚さに形成されている。また、ベース電極の接合領域には底面から逆台形に突き出た台座53が形成されており、全体を封止する熱硬化性樹脂がベース電極から剥離しにくい構造とし、封止樹脂61の硬化収縮応力によって、各接合部に圧縮応力が加わる構造としている。
本実施例によれば、焼結型Agペーストに粒径の大きい高導電粒子を混合した材料を用いているため、接合組立時に特段の工夫を加えることなく、焼結Ag接合層の厚さを確実に厚く形成でき、かつその接合層の傾きを小さく抑えることができる。このため、組立歩留まりが高く安定した品質で、さらに温度サイクル環境化で高い信頼性を有する半導体装置を提供できる。さらに、熱硬化性の封止樹脂で常に各接合部に圧縮方向の応力を加え続けられるので、温度差の大きい温度サイクルによって接合部に大きな剪断歪が加わる環境化においても、接合層中に断線する方向のクラック成長が進行しづらく、高い信頼性を確保できるのである。
図10は、本発明によるNi上に形成した焼成Ag膜の断面構造の一実施例を示す。図において、Cu部材45のNiめっき膜46上に、空洞部を有する多孔質のAg膜47が形成され、そのAg膜に埋設するように膜厚と同等か膜厚より大きいAg粒子が全域に分散配置され、Ag膜表面に細かいピッチで多数の突起箇所を形成している。この膜は、ネオデカン酸Ag溶液とAg粒子を混合した液をNiめっき面にAg粒子が分散されるように塗布し、大気中で250℃−60分の加熱処理を行って作製している。
本実施例によれば、Ag焼成膜表面に細かいピッチで凹凸を形成しているので、焼結型Agペーストを塗布し加熱焼結処理したときにAg膜と焼結Agの接触界面が増加して両者の金属接合面積が増加すること、凹部に焼結型Agペーストが侵入して焼結することでアンカー効果的な作用が働くことなどの理由によって界面強度が増加し、最も破断し易い界面強度を改善できると言う効果がある。
図11は、本発明によるNi上に形成した焼成Ag膜の断面構造の他の実施例を示す。図において、Cu部材51のNiめっき膜52上に、空洞部を有する多孔質のAg膜52が形成され、その空洞部の一部が外気に開放された状態で形成されて凹み領域54を形成し、表面に細かいピッチの凹凸が形成された膜となっている。このAg膜は、ネオデカン酸Ag溶液をNiめっき面に塗布した後、大気中で加熱速度20℃/分以上の急速加熱を行い、その後250℃−60分の高温保持処理を行って作製している。急速加熱を行うと、有機Agが分解してAg焼成膜を形成する途中の工程でAg膜中に未分解の有機Agを多量に取り込み、その後加熱で取り込まれた有機Agから出るガスによって、内部に多くの空洞が形成されると考えられる。図12は、Niめっき面にネオデカン酸Ag溶液を十分な量塗布し、250℃に加熱した高温槽に投入して60分間保持して作製したサンプルの表面外観である。拡大写真を見ると、平坦に見えるAg膜の各所に陥没した開口部が多数形成されている状況が確認できる。
本実施例によれば、Ag膜表面に凹み部が形成された凹凸ではあるが、図10と同様に焼結Ag層との界面強度を高める効果がある。

Claims (14)

  1. 半導体基板の両面に金属電極膜が形成された半導体チップと、前記半導体チップの下に第一の接合層を介して接合された第一の低熱膨張板と、前記第一の低熱膨張板の下に第二の接合層を介して接合されたベース電極と、前記半導体チップの上に第三の接合層を介して接合された第二の低熱膨張板と、前記第二の低熱膨張板の上に第四の接合層を介して接合されたリード電極と、前記ベース電極及びリード電極の一部と半導体チップと低熱膨張板と各接合層を覆うように形成された絶縁樹脂とを備え、前記第一と第三の接合層が液相温度:300〜500℃の鉛を含まないはんだ材料で構成されており、前記第二と第三の接合層が空孔率20〜70%の多孔質なAg層から構成されいることを特徴とする半導体装置。
  2. 半導体基板の両面に金属電極膜が形成された半導体チップと、前記半導体チップの下に第一の接合層を介して接合された低熱膨張板と、前記低熱膨張板の下に第二の接合層を介して接合されたベース電極と、前記半導体チップの上に第五の接合層を介して接合されたリード電極と、前記リード電極及びベース電極の一部と半導体チップと低熱膨張板と各接合層を覆うように形成された絶縁樹脂とを備え、前記第一の接合層が液相温度:300〜500℃の鉛を含まないはんだ材料から構成され、前記第二と第三の接合層が空孔率20〜70%の多孔質なAg層で構成された構造となっていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1または2において、液相温度:300〜500℃の鉛を含まないはんだ材料が、Sn,Sb,Ag,Cuを主要構成元素とする多元系の高温はんだで構成され、低熱膨張板の面方向の熱膨張率が8ppm以下となっていることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1または2において、ベース電極及びリード電極及び低熱膨張板及び半導体チップがNiめっきされた部品であり、多孔質なAg層で金属接合されるNiめっき部品の接続面に、接合層に比べて空孔率が小さくかつ空孔サイズも小さい多孔質なAgの膜が形成された構造となっていることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1または2において、多孔質なAg層で構成された接合層中に、最大粒径がAg接合層の1/2以上のサイズを有する貴金属めっきされたCu,Ni,Al,Mg,Mo,Wのいずれか1種以上の高導電金属粒子が分散配置されていることを特徴とする半導体装置。
  6. 半導体チップとリード電極とベース電極と低熱膨張板と絶縁樹脂からなる半導体装置において、部材のNiめっき面の上に空孔率が1〜30%で、その内の密閉系の空孔比率が50%以上で、厚さが1〜30μmの多孔質なAgのメタライズ膜が形成され、その上に空孔率が20〜70%で、その内の開放系の空孔比率が50%以上で、厚さが70〜500μmの多孔質なAgの接合層が形成され、多孔質なAg接合層内の開放形の空洞部の少なくとも一部に熱硬化性の樹脂が充填された接続構造を有し、リード電極とベース電極の一部を除いて全体が絶縁樹脂で覆われた構造となっていることを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項6において、リード電極及びベース電極がCuにNiめっきされた部材であり、Agメタライズ膜は接続面周辺の限られた領域のみに形成されていることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項6において、多孔質なAgメタライズ膜中に、膜厚と同等以上のAg粒子が埋設された構造を有していることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項7において、Agメタライズ膜はNi面上に有機Ag錯体の溶液を塗布し、大気中で加熱・焼成する方法で形成されたAg膜であることを特徴とする半導体装置。
  10. 表面にNiめっきが施された高導電性のリード電極及びベース電極と、表面にNiめっきが施された低熱膨張板と、半導体基板の両面にNiを含む金属電極膜が形成された半導体チップと、リード電極及びベース電極の一部を除いて全体を覆うように形成された絶縁樹脂からなる半導体装置の製造方法において、リード電極及びベース電極の接合面と低熱膨張板の片方の面に有機Ag錯体溶液あるいはナノAg粒子を分散した有機溶液を塗布して大気中で200〜350℃に加熱焼成処理してAgメタライズする工程と、半導体チップの両面に前記低熱膨張板のNiめっき側を還元雰囲気中の加熱処理によって高温鉛フリーはんだで接合して接合部品を作製する工程と、ベース電極のAgメタライズされた領域に焼結タイプのAgペーストを塗布しその上に半導体チップと低熱膨張板の前記接合部品を搭載しさらに接合部品の上側のAgメタライズされた領域に焼結タイプのAgペーストを塗布してその上にリード電極を搭載するマウント工程と、マウントされた組立体を大気中で加熱速度20℃/分以下の緩やかな昇温で200〜350℃の温度に加熱して焼結・接合する工程と、リード電極とベース電極の一部を除いて絶縁樹脂が全体を覆うように供給し加熱・硬化処理する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 請求項10において、組立体を焼結・接合処理した後に、多孔質の焼結Ag接合層に液状の熱硬化性樹脂を含浸させ加熱・硬化処理する工程を追加したことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 請求項11において、多孔質の焼結Ag接合層に液状の熱硬化性樹脂を含浸させる前に、組立接合体に有機Zn錯体溶液を塗布し250〜350℃の温度で大気中の焼成処理を行う工程を加えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 平均粒径0.1〜3μmの粒状Agで表面に200℃以下で分解する有機保護膜を形成したAg粒子と、ペースト化のための有機溶媒と、粒径3〜30μmのAg粒子と、粒径50〜500μmの球状の貴金属粒子あるいは貴金属めっきした球状のCu,Ni,Al,Mg,Mo,Wなどの高導電粒子とから構成されたペースト状の接続材料。
  14. 接続部材の熱膨張率差が5ppm以上で接続面の長手方向の寸法が3mm以上である接続箇所が多孔質のAg層を介して金属接合された構造を有し、接続部の熱膨張差が5ppm未満の接続箇所が鉛フリーの高温はんだで接合された構造を有し、半導体チップと1つ以上の低熱膨張部材と複数の高導電性電極部材から構成された半導体装置。
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