JP2011074965A - トーションダンパ - Google Patents

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仁人 竹下
Fumiaki Michizeki
文章 道関
Masaaki Yamaguchi
昌昭 山口
Hiroshi Suzuki
拓 鈴木
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    • F16D7/00Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock
    • F16D7/02Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock of the friction type
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    • F16D7/025Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock of the friction type with axially applied torque limiting friction surfaces with flat clutching surfaces, e.g. discs
    • F16D7/027Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock of the friction type with axially applied torque limiting friction surfaces with flat clutching surfaces, e.g. discs with multiple lamellae

Abstract

【課題】変速装置の入力軸の回転速度が急激に変化してトルクリミッタにおいて滑りが生じたときに、変速装置の入力軸に作用する負荷を低減することのできるトーションダンパを提供する。
【解決手段】トーションダンパ100にあっては、ハイブリッドトランスアクスルの入力軸200が連結される内周側構造体(ハブ110)とフライホイール400を介して内燃機関のクランクシャフト300に連結される外周側構造体(側壁部材126,127、ディスク部材131、収容部材132,133、コイルスプリング135、ヒステリシス機構114)との間に、摩擦板121,122に生じる摩擦力を利用して内周側構造体と外周側構造体との間でトルクを伝達するトルクリミッタ120が設けられている。トルクリミッタ120は、内周側構造体の質量が外周側構造体の質量よりも軽くなるようにトーションダンパ100の径方向における配設位置が設定されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、トルク変動による捩り振動を吸収するトーションダンパに関し、特に、過大なトルクの伝達を抑制する摩擦式のトルクリミッタを備えるトーションダンパに関する。
自動車における内燃機関の出力軸と変速装置の入力軸との連結部分には、トルク変動による捩り振動を吸収するトーションダンパが設けられている。また、こうしたトーションダンパとして、過大なトルクが入力されたときに滑りを生じさせ、同トーションダンパによって連結された機構の各部に過大な負荷が作用することを抑制する摩擦式のトルクリミッタを備えるトーションダンパも知られている。
例えば、図8に示されるように特許文献1に記載のトーションダンパにあっては、図8の中央左側に二点鎖線で示される変速装置の入力軸1と連結されるハブ2の外周部に一対の収容部材3,4を連結している。そして、これら一対の収容部材3,4の間にディスク部材5を挟み込み、これら収容部材3,4とディスク部材5とをコイルスプリング6を介して連結することにより、トルク変動によって生じる捩り振動を吸収するダンパ8を形成している。
そして、更にディスク部材5の外周部に摩擦部材9を固定するとともに、この摩擦部材9を、図8の中央右側に二点鎖線で示される内燃機関の出力軸10に連結されるフロントケース11とリング部材12とによって挟持することにより、摩擦式のトルクリミッタ13を形成している。尚、リング部材12は、フロントケース11とリアケース14との間に摩擦部材9及びリング部材12とともに挟み込まれた皿バネ15の付勢力によってフロントケース11側に付勢されている。そして、この付勢力によってフロントケース11及びリング部材12と摩擦部材9との間に生じる摩擦力の大きさが調整され、トルクリミッタ13において滑りを生じさせずに伝達することのできる最大のトルクである伝達許容トルクの大きさが調整されている。
こうしたトーションダンパによれば、入力されるトルクが伝達許容トルク以下のときには、摩擦部材9に生じる摩擦力を利用してフロントケース11とディスク部材5とを一体に回転させ、内燃機関の出力軸10と変速装置の入力軸1との間でトルクを伝達することができる。一方で、入力されるトルクが伝達許容トルクよりも大きいときには、摩擦部材9がフロントケース11とリング部材12との間で滑るようになり、同トーションダンパを介して連結される変速装置及び内燃機関の各部に過大な負荷が作用することを抑制することができるようになる。
特開2008‐274968号公報
ところで、上記特許文献1に記載のトーションダンパにあっては、トルクリミッタ13が同トーションダンパの径方向における外周側の部分に設けられている。
空転していた駆動輪が接地して路面をグリップしたとき等のように、変速装置の入力軸1の回転速度が急激に変化した場合には、上述したようにトルクリミッタ13において滑りが生じ、過大な負荷が内燃機関側に作用することが抑制される。しかし、入力軸1には、トーションダンパの摩擦部材9よりも内周側の部分を構成する部材の質量による慣性力が作用する。このとき、上記特許文献1のトーションダンパのように径方向外周側の部分にトルクリミッタ13が設けられている場合には、具体的にはディスク部材5、収容部材3,4、コイルスプリング6、ハブ2の質量による慣性力が入力軸1に作用する。そのため、入力軸1にはこの慣性力による比較的大きな負荷が作用することとなる。
こうした大きな負荷に耐え得る強度を確保するためには、入力軸1を太くする等して入力軸1の強度を向上させることが考えられる。しかし、入力軸1を太くした場合には、変速装置の製造コストが増大するとともに、変速装置の体格が大きくなったり、重量が増大したりしてしまう。
そのため、こうした変速装置のコストの増大や重量の増大等を抑制しつつ、トーションダンパの慣性力による入力軸1の捩れ等の損傷を抑制するためには、トーションダンパの慣性力に起因して入力軸1に作用する負荷自体を低減させることが望ましい。
この発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は変速装置の入力軸の回転速度が急激に変化してトルクリミッタにおいて滑りが生じたときに、変速装置の入力軸に作用する負荷を低減することのできるトーションダンパを提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内周側に変速装置の入力軸が連結される一方、外周側に内燃機関の出力軸が連結される円盤状のトーションダンパであって、前記入力軸が連結される内周側構造体と前記出力軸が連結される外周側構造体との間に摩擦部材を介在させ、同摩擦部材に生じる摩擦力を利用して前記内周側構造体と前記外周側構造体との間でトルクを伝達するトルクリミッタを備えるトーションダンパにおいて、前記内周側構造体の質量が前記外周側構造体の質量よりも軽くなるように、同トーションダンパの径方向における前記トルクリミッタの配設位置が設定されていることをその要旨とする。
トルクリミッタに滑りが生じているときには、変速装置の入力軸には、主にトルクリミッタよりも径方向内周側に配設されている内周側構造体の慣性力が作用する。
また、内周側構造体と外周側構造体とをトルクリミッタを介して連結した円盤状のトーションダンパにあっては、トルクリミッタがトーションダンパの径方向内周側に配設されているほど、内周側構造体が小さくなり、内周側構造体の質量が軽くなる。
この点、上記請求項1に記載の発明にあっては、内周側構造体の質量が、外周側構造体の質量よりも軽くなるようにトルクリミッタの配設位置を設定するようにしている。そのため、内周側構造体の質量を軽くして、変速装置の入力軸に作用する内周側構造体の慣性力を小さくすることができる。これにより、変速装置の入力軸の回転速度が急激に変化してトルクリミッタにおいて滑りが生じたときに、この慣性力に起因して変速装置の入力軸に作用する負荷を低減することができるようになる。
尚、トルクリミッタを径方向内周側に設けることにより、内周側構造体の慣性力に起因して変速装置の入力軸に作用する負荷を低減する上では、トルクリミッタの配設位置をできる限りトーションダンパの回転軸に近づけ、内周側構造体を小さくしてその質量をできる限り軽くすることが望ましい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のトーションダンパにおいて、同トーションダンパの半径を「R」、前記内周側構造体の半径を「r」としたときに、前記内周側構造体の半径「r」は、「R/2」未満に設定されており、前記トルクリミッタは、前記摩擦部材が同トーションダンパの回転軸を中心とする半径が「R/2」の円よりも内側に位置するように、その配設位置が設定されていることをその要旨とする。
トルクリミッタを径方向内周側に設けることにより、内周側構造体の慣性力に起因して変速装置の入力軸に作用する負荷を低減する構成として具体的には、請求項2に記載されているように、内周側構造体の半径「r」をトーションダンパの半径「R」の半分(R/2)未満とし、トルクリミッタの摩擦部材がトーションダンパの回転軸を中心とする半径が「R/2」の円よりも内側に位置するようにトルクリミッタの配設位置を設定する構成を採用することができる。こうした構成を採用すれば、内周側構造体の質量が外周側構造体の質量よりも軽くなる構成を容易に実現することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のトーションダンパにおいて、同トーションダンパは、コイルスプリングの弾性変形を利用して捩り振動を吸収するダンパを備えるものであって、前記トルクリミッタは、同ダンパよりも径方向内周側に設けられていることをその要旨とする。
上記構成によれば、内周側構造体と外周側構造体との間に設けられるトルクリミッタがダンパよりも内周側に設けられるようになるため、外周側構造体にダンパが設けられる構成となる。そのため、トルクリミッタがダンパよりも径方向外周側に配設されている場合、すなわち内周側構造体にダンパが設けられる場合と比較して内周側構造体の質量を軽くすることができる。
また、コイルスプリングの弾性変形によって捩り振動を吸収する上記のようなダンパにあっては、コイルスプリングを挟んでトルク伝達方向の上流側と下流側に位置する部材の質量が小さく、コイルスプリングに作用する慣性力が小さすぎる場合には、効果的に捩り振動を吸収することができない。これに対して、上記請求項3に記載の発明にあっては、外周側構造体にダンパを設けるようにしている。そのため、外周側構造体におけるコイルスプリングの上流側と下流側の部材の質量を増大させることにより、内周側構造体の質量を増大させずにコイルスプリングを挟んでトルク伝達方向の上流側と下流側に位置する部材の慣性力を増大させることができる。すなわち、内周側構造体の慣性力に起因して変速装置の入力軸に作用する負荷を増大させずに、ダンパのコイルスプリングに作用する慣性力の大きさを調整することができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトーションダンパにおいて、前記トルクリミッタは、前記摩擦部材が潤滑油の充填された油室内で挟持されている湿式トルクリミッタであり、前記油室は、前記外周側構造体から同トーションダンパの径方向内周側に向かって前記摩擦部材を取り囲むように延びる側壁と、前記内周側構造体と前記側壁とが対向する部分に圧入されたオイルシールとによって形成されていることをその要旨とする。
上記構成によれば、外周側構造体からトーションダンパの径方向内周側に向かって延びる側壁によって油室を形成するようにしているため、油室を形成する側壁の質量は外周側構造体の質量となる。すなわち、上記請求項4に記載の構成を採用すれば、内周側構造体から延びる側壁によって油室を形成する構成を採用した場合と比較して内周側構造体の質量を軽くすることができるようになり、内周側構造体の慣性力に起因して変速装置の入力軸に作用する負荷を低減する上で有利である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のトーションダンパにおいて、前記湿式トルクリミッタは、前記入力軸に連結されるハブに相対回動不能に噛合された第1摩擦部材と、前記側壁を構成する一対の側壁部材に相対回動不能に噛合された第2摩擦部材とを交互に積層し、積層された状態のこれら摩擦部材を前記一対の側壁部材で挟持するものであることをその要旨とする。
請求項5に記載の発明にあっては、油室を形成する一対の側壁部材によって第1摩擦部材と第2摩擦部材とを挟持するようにしている。そのため、油室を形成する部材と摩擦部材を挟持する部材とを別々に設ける場合と比較して、トーションダンパを構成する部品の点数を少なくすることができ、トーションダンパの製造コストを低減するとともに、トーションダンパを軽量化することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のトーションダンパにおいて、前記ダンパは、内燃機関の出力軸に連結されるディスク部材を、前記一対の側壁部材で挟み込み、前記ディスク部材及び前記一対の側壁部材にそれぞれ形成された貫通孔を重ね合わせた状態で同貫通孔内に前記コイルスプリングを収容することにより、前記出力軸に連結されるディスク部材と前記一対の側壁部材とが相対回動したときに前記コイルスプリングが弾性変形するように形成されたものであることをその要旨とする。
請求項6に記載の発明にあっては、一対の側壁部材によってディスク部材を挟み込み、ディスク部材及び側壁部材のそれぞれに形成された貫通孔内にコイルスプリングを収容することによってダンパを形成するようにしている。そのため、油室を形成する部材とディスク部材を挟み込んでダンパを形成する部材とを別々に設ける場合と比較して、トーションダンパを構成する部品の点数を少なくすることができ、製造コストを低減するとともに、トーションダンパを軽量化することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6のいずれか一項に記載のトーションダンパにおいて、前記油室は、前記摩擦部材を取り囲むように密閉された状態で形成されており、潤滑油が予め封入されている潤滑油封入型の油室であることをその要旨とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項4〜6のいずれか一項に記載のトーションダンパにおいて、前記油室には潤滑油供給通路が接続されており、同油室は、前記潤滑油供給通路を通じて潤滑油が供給される潤滑油供給型の油室であることをその要旨とする。
湿式トルクリミッタの油室としては、請求項8に記載されているように潤滑油供給通路を通じて潤滑油が供給される潤滑油供給型の油室や、上記請求項7に記載されているように予め潤滑油が封入されている潤滑油封入型の油室を採用することができる。
この発明の第1の実施形態にかかるトーションダンパの断面図。 同実施形態にかかるトーションダンパの一部を破断して示す正面図。 同実施形態の変更例にかかるトーションダンパの断面図。 同実施形態の変更例にかかるトーションダンパの断面図。 同実施形態の変更例にかかるトーションダンパの断面図。 同実施形態の変更例にかかるトーションダンパの断面図。 この発明の第2の実施形態にかかるトーションダンパの断面図。 従来のトーションダンパの断面図。
(第1の実施形態)
以下、この発明にかかるトーションダンパを、ハイブリッド車の変速装置として機能するハイブリッドトランスアクスルと、内燃機関とを連結するトーションダンパに具体化した第1の実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。尚、図1は本実施形態にかかるトーションダンパ100の断面図であり、図2は本実施形態にかかるトーションダンパ100の一部を破断して示す正面図である。また、図1では図2におけるA‐A線に沿った方向の断面を示している。
図1及び図2に示されるように本実施形態にかかるトーションダンパ100は円盤状をなしている。そして、その内周側部分が図1の中央左側に二点鎖線で示されているハイブリッドトランスアクスルの入力軸200に連結される一方、その外周側部分が図1の右側に二点鎖線で示されるようにフライホイール400を介して内燃機関のクランクシャフト300に連結され、入力軸200とクランクシャフト300との間でトルクを伝達する。
図1に示されるように入力軸200が連結されるハブ110は筒状をなしており、その内周面には挿入された入力軸200が噛合するスプライン110aが形成されている。ハブ110の外周部分には、トーションダンパ100の厚さ方向(図1における左右方向)に延びるスプラインを備えた支持部110bが設けられている。この支持部110bのスプラインには、図1に示されるように複数の第1摩擦板121が第2摩擦板122と交互に積層された状態で噛合している。
そして、このように積層された摩擦板121,122は皿バネ125とともに、第1側壁部材126と第2側壁部材127とによって挟持されている。図1に示されるように第1側壁部材126は径方向外周側の部分が第2側壁部材127と当接する一方、径方向内周側の部分が第2側壁部材127から離間するように屈曲した形状をなしている。そして、この第1側壁部材126におけるトーションダンパ100の厚さ方向(図1における左右方向)に延びる部分の径方向内周側の面には、第2摩擦板122が相対回動不能に噛合するスプラインが形成されている。第1摩擦板121とともに側壁部材126,127の間に挟持された第2摩擦板122は、この第1側壁部材126に形成されたスプラインに噛合している。
尚、第1側壁部材126と第2側壁部材127との間には、上述したように摩擦板121,122とともに皿バネ125が挟持されており、この皿バネ125の付勢力によって各摩擦板121,122の間に生じる摩擦力が調整されている。
第1側壁部材126と第2側壁部材127はその外周側部分において、トーションダンパ100の径方向外周側に向かって延びるディスク部材131とともに、リベット113によって連結されている。
第1側壁部材126及び第2側壁部材127は、上述したように摩擦板121,122、皿バネ125を挟持するとともに、径方向内周側に向かって延び、図1に示されるように摩擦板121,122、皿バネ125及びハブ110の支持部110bを取り囲んでいる。そして、図1に示されるように、ハブ110と第1側壁部材126の内周側端部とが対向する部分、及びハブ110と第2側壁部材127の内周側端部とが対向する部分には、オイルシール128がそれぞれ圧入されている。
これにより、トーションダンパ100にあっては、第1側壁部材126及び第2側壁部材127と、オイルシール128とによって摩擦板121,122を取り囲む油室129が形成されている。
このように形成された油室129内には、潤滑油が充填されており、これにより、摩擦板121,122が潤滑油に浸された状態で挟持された湿式のトルクリミッタ120が構成されている。
一方、第1側壁部材126及び第2側壁部材127とともに、リベット113で固定されているディスク部材131には、図2の下方に示されるように周方向に延びる貫通孔131aが間隔をあけて6つ形成されている。また、ディスク部材131は、図1に示されるように円盤状の第1収容部材132と第2収容部材133との間に相対回動可能に挟み込まれている。
各収容部材132,133における貫通孔131aと対応する位置には、6つの貫通孔132a,133aがそれぞれ形成されている。すなわち、第1収容部材132にはディスク部材131の貫通孔131aと対応する位置に貫通孔132aが形成されており、第2収容部材133にはディスク部材131の貫通孔131aと対応する位置に貫通孔133aが形成されている。
各収容部材132,133は、ディスク部材131を挟み込んだ状態で図1の下方に示されるようにその外周側部分がリベット115によって接合されている。このようにディスク部材131を挟んだ状態で第1収容部材132と第2収容部材133とを接合することにより第1収容部材132に形成された貫通孔132aと、第2収容部材133に形成された貫通孔133aとが連通し、図1の上方に示されるようにディスク部材131の貫通孔131aと対応する位置に収容空間134が形成されている。そして、図2に示されるように収容空間134と貫通孔131aとを重ね合わせるように収容部材132,133と、ディスク部材131との回転位相をあわせた上で、その内部にコイルスプリング135が1つずつ収容されている。
本実施形態のトーションダンパ100にあっては、このように第1収容部材132と第2収容部材133との間にディスク部材131を回動可能に挟み込み、貫通孔131aと収容空間134とを重ね合わせた状態でこれらの内部にコイルスプリング135を収容することにより、ディスク部材131と収容部材132,133とをコイルスプリング135を介して連結し、ダンパ130を形成している。
ダンパ130にあっては、収容空間134と貫通孔131aとがずれるように収容部材132,133とディスク部材131とが相対回動したときに、コイルスプリング135が押し縮められるように弾性変形するようになる。すなわち、入力軸200とフライホイール400との間に生じるトルク変動によって、ハブ110にトルクリミッタ120を介して接続されているディスク部材131と、収容部材132,133とが相対回動したときにコイルスプリング135が弾性変形するようになる。これにより、入力軸200とフライホイール400との間に生じる捩り振動がコイルスプリング135の弾性変形によって吸収され、内燃機関とハイブリッドトランスアクスルとの間のトルク変動によって生じる捩り振動が抑制されるようになる。
尚、コイルスプリング135の弾性変形によって捩り振動を吸収する上記のようなダンパ130にあっては、コイルスプリング135を挟んでトルク伝達方向の上流側と下流側に位置する部材の質量が小さく、コイルスプリング135に作用する慣性力が小さすぎる場合には、効果的に捩り振動を吸収することができない。そこで、本実施形態のトーションダンパ100にあっては、コイルスプリング135を介して連結されている収容部材132,133の質量と、ディスク部材131及び側壁部材126,127の質量とを調整することにより、コイルスプリング135に作用する慣性力の大きさを調整するようにしている。
また、第1収容部材132及び第2収容部材133の径方向内周側端部には、ディスク部材131とこれら収容部材132,133との位相差が所定量以上になったときに、位相差がそれ以上大きくなることを抑制するブレーキとして作用するヒステリシス機構114が設けられている。
このように形成された本実施形態にかかるトーションダンパ100にあっては、ハブ110の半径「r」が、トーションダンパ100の半径「R」の半分の「R/2」未満になるように、ハブ110の大きさが設定されている。そして、これにより、図2に示されるように、摩擦板121,122が挟持されている部分が、トーションダンパ100の回転軸Cを中心とする半径が「R/2」の円Xよりも内側に位置するように径方向におけるトルクリミッタ120の配設位置が設定されている。
本実施形態のトーションダンパ100にあっては、径方向におけるトルクリミッタ120の配設位置をこのように設定することにより、トルクリミッタ120よりも径方向内周側の部分を構成する内周側構造体(ハブ110)の質量と、トルクリミッタ120よりも径方向外周側の部分を構成する外周側構造体(側壁部材126,127、リベット113、ヒステリシス機構114、ディスク部材131、収容部材132,133、コイルスプリング135、リベット115)の質量とを比較したときに、内周側構造体の質量が外周側構造体の質量よりも軽くなるようにしている。
以上説明した第1の実施形態にかかるトーションダンパ100によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)トルクリミッタ120の摩擦板121,122に滑りが生じているときには、ハイブリッドトランスアクスルの入力軸200には、主に内周側構造体の慣性力が作用する。
また、内周側構造体と外周側構造体とをトルクリミッタ120を介して連結した上記のような円盤状のトーションダンパ100にあっては、トルクリミッタ120がトーションダンパ100の径方向内周側に配設されているほど、内周側構造体が小さくなり、内周側構造体の質量が軽くなる。
この点、上記第1の実施形態のトーションダンパ100にあっては、内周側構造体の質量が、外周側構造体の質量よりも軽くなるようにトルクリミッタ120の配設位置を設定するようにしている。そのため、内周側構造体の質量を軽くして、入力軸200に作用する内周側構造体の慣性力を小さくすることができる。これにより、入力軸200の回転速度が急激に変化してトルクリミッタ120において滑りが生じたときに、この慣性力に起因して入力軸200に作用する負荷を低減することができる。
(2)内周側構造体であるハブ110の半径「r」をトーションダンパ100の半径「R」の半分の「R/2」未満とし、摩擦板121,122が挟持されている部分がトーションダンパ100の回転軸Cを中心とする半径が「R/2」の円Xよりも内側に位置するようにトルクリミッタ120の配設位置を設定している。そのため、内周側構造体が小さくなり、内周側構造体の質量が外周側構造体の質量よりも軽くなる構成を容易に実現することができる。
(3)トーションダンパ100の径方向において、トルクリミッタ120がダンパ130よりも内周側に設けられているため、ダンパ130が外周側構造体に含まれている。そのため、トルクリミッタ120がダンパ130よりも径方向外周側に配設されている場合、すなわちダンパが内周側構造体に含まれるような構成を採用した場合と比較して内周側構造体の質量を軽くすることができ、入力軸200に作用する負荷を低減することができる。
(4)上述したようにコイルスプリング135の弾性変形によって捩り振動を吸収する上記のようなダンパ130にあっては、コイルスプリング135を挟んでトルク伝達方向の上流側と下流側に位置する部材の質量が小さく、コイルスプリング135に作用する慣性力が小さすぎる場合には、効果的に捩り振動を吸収することができない。これに対して、上記第1の実施形態にかかるトーションダンパ100にあっては、トルクリミッタ120よりも外周側に位置する外周側構造体にダンパ130を設けるようにしている。そのため、外周側構造体におけるコイルスプリング135の上流側と下流側の部材の質量を増大させることにより、内周側構造体の質量を増大させずにコイルスプリング135に作用する慣性力を増大させることができる。すなわち、内周側構造体の慣性力に起因して変速装置の入力軸に作用する負荷を増大させずに、ダンパ130のコイルスプリング135に作用する慣性力の大きさを調整することができる。
(5)外周側構造体からトーションダンパ100の径方向内周側に向かって延びる側壁部材126,127によって油室129を形成するようにしているため、油室129を形成する側壁の質量は外周側構造体の質量となる。すなわち、内周側構造体から延びる側壁によって油室129を形成する構成を採用した場合と比較して内周側構造体の質量を軽くすることができる。
尚、上記第1の実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・トルクリミッタ120の構成として、ハブ110の支持部110bに相対回動不能に噛合された第1摩擦板121と、側壁を構成する第1側壁部材126に相対回動不能に噛合された第2摩擦板122とを交互に積層し、これら摩擦板121,122を皿バネ125とともに側壁部材126,127で挟持する構成を示した。これに対して、トルクリミッタ120の構成はこうした構成に限定されるものではない。例えば、図3に示されるようにハブ110の外周面に径方向外周側に向かって延びるフランジを設け、このフランジに摩擦板121,122を挟持する第1支持部材123及び第2支持部材124を固定するようにしてもよい。尚、図3にあっては第1支持部材123及び第2支持部材124をリベット111でフランジに固定する構成を示している。また、図3に示されるトーションダンパ100にあっては、側壁部材126,127とディスク部材131とを中間部材112にリベット113で固定するようにしている。中間部材112の内周面には、第2摩擦板122と噛合するスプラインが形成されており、このトーションダンパ100にあっては、図3に示されるようにスプラインが形成された第2支持部材124に第1摩擦板121を噛合させる一方、中間部材112に第2摩擦板122を噛合させるようにしている。
このように摩擦板121,122を支持部材123,124によって挟持するとともに、側壁部材126,127によってこれら摩擦板121,122と支持部材123,124とを取り囲む油室129を形成する構成を採用した場合であっても、ハブ110、支持部材123,124、リベット111からなる内周側構造体の質量が軽くなっていれば、内周側構造体の慣性力によって入力軸200に作用する負荷を低減することができる。
しかし、このように油室129を形成する側壁部材126,127と摩擦板121,122を挟持する支持部材123,124とを別々に設けた場合には、油室129を形成する側壁部材126,127によって摩擦板121,122を挟持する上記第1の実施形態のトーションダンパ100と比較して、部品の点数が増えてしまう。そのため、トーションダンパ100の製造コストを低減するとともに、トーションダンパ100を軽量化する上では、上記第1の実施形態のトーションダンパ100のように、油室129を形成する側壁部材126,127によって摩擦板121,122を挟持する構成を採用することが望ましい。
・上記第1の実施形態にあっては、図1に示されるようにハブ110の外周側に摩擦板121,122を取り囲むように油室129を形成する構成を示したが、油室129の形状はこうした形状に限定されるものではない。例えば、第2側壁部材127の形状を、図4に示されるようにその中央部が入力軸200の先端部を覆うような蓋状の形状に変更し、図4に示されるように入力軸200の先端部を取り囲むような形状の油室129を形成する構成を採用こともできる。尚、こうした構成を採用すれば、図4に示されるように入力軸200の基端側(図4における左側)に1つだけオイルシール128を圧入すれば油室129をシールすることができるようになる。
・また、上記のトーションダンパ100における油室129は、予め潤滑油が充填された状態で密閉されている潤滑油封入型の油室であったが、油室129は潤滑油供給通路を通じて外部から潤滑油が供給される潤滑油供給型の油室であってもよい。
具体的には、図5に二点鎖線で示されるように入力軸200の内部に潤滑油供給通路210を設け、矢印で示されるようにこの潤滑油供給通路210を通じて油室129内に潤滑油を供給する構成を採用すれば、潤滑油供給型の油室を実現することができる。
・また、その他、図6に示されるように、第1側壁部材126の内周側端部を変速装置のハウジング220側に延びるフランジ状にし、この部分と変速装置のハウジング220との間にオイルシール230を圧入して矢印で示されるように変速装置側から油室129内に潤滑油を供給する構成を採用することもできる。
(第2の実施形態)
以下、この発明にかかるトーションダンパを、ハイブリッド車の変速装置として機能するハイブリッドトランスアクスルと、内燃機関とを連結するトーションダンパに具体化した第2の実施形態について、図7を参照して説明する。尚、図7は本実施形態にかかるトーションダンパ500の断面図である。
本実施形態にかかるトーションダンパ500は、第1の実施形態にかかるトーションダンパ100と同様に円盤状をなしている。そして、その内周側部分が図7の中央左側に二点鎖線で示されているハイブリッドトランスアクスルの入力軸200に連結される一方、その外周側部分が図7の右側に二点鎖線で示されるようにフライホイール400を介して内燃機関のクランクシャフト300に連結され、入力軸200とクランクシャフト300との間でトルクを伝達する。
図7に示されるように入力軸200が連結されるハブ510は筒状をなしており、その内周面には挿入された入力軸200が噛合するスプライン510aが形成されている。ハブ510の外周部分には、トーションダンパ500の厚さ方向(図7における左右方向)に延びるスプラインを備えた支持部510bが設けられている。この支持部510bのスプラインには、図7に示されるように複数の第1摩擦板521が第2摩擦板522と交互に積層された状態で噛合している。そして、このように積層された摩擦板521,522は皿バネ525とともに、第1側壁部材526と第2側壁部材527とによって挟持されている。
図7に示されるように第1側壁部材526は、その径方向中央部が第2側壁部材527と当接する一方、径方向内周側の部分が第2側壁部材527から離間するように屈曲した形状をなしている。そして、この第1側壁部材526におけるトーションダンパ500の厚さ方向(図7における左右方向)に延びる部分の径方向内周側の面には、第2摩擦板522が相対回動不能に噛合するスプラインが形成されている。第1摩擦板521とともに側壁部材526,527の間に挟持された第2摩擦板522は、この第1側壁部材526に形成されたスプラインに噛合している。図7の上方に示されるように第1側壁部材526と第2側壁部材527はその中央部分においてリベット513によって接合されている。尚、第1側壁部材526と第2側壁部材527との間には、上述したように摩擦板521,522とともに皿バネ525が挟持されており、この皿バネ525の付勢力によって各摩擦板521,522の間に生じる摩擦力が調整されている。
第1側壁部材526及び第2側壁部材527は、上述したように摩擦板521,522、皿バネ525を挟持するとともに、図7に示されるように径方向内周側に向かって延び、摩擦板521,522、皿バネ525及びハブ510の支持部510bを取り囲んでいる。そして、ハブ510と第1側壁部材526の内周側端部とが対向する部分、及びハブ510と第2側壁部材527の内周側端部とが対向する部分には、オイルシール528がそれぞれ圧入されている。これにより、トーションダンパ500にあっては、第1側壁部材526及び第2側壁部材527と、オイルシール528とによって摩擦板521,522を取り囲む油室529が形成されている。
このように形成された油室529内には、潤滑油が充填されており、これにより、摩擦板521,522が潤滑油に浸された状態で挟持された湿式のトルクリミッタ520が構成されている。
図7の上方に示されるように第1側壁部材526及び第2側壁部材527におけるリベット513で接合された部分よりも径方向外周側の部分には、フライホイール400と連結されるディスク部材531が相対回動可能に挟み込まれている。ディスク部材531には、第1の実施形態におけるトーションダンパ100のディスク部材131と同様に、周方向に延びる貫通孔531aが間隔をあけて6つ形成されている。
各側壁部材526,527における貫通孔531aと対応する位置には、6つの貫通孔526a,527aがそれぞれ形成されている。すなわち、第1側壁部材526にはディスク部材531の貫通孔531aと対応する位置に貫通孔526aが形成されており、第2側壁部材527にはディスク部材531の貫通孔531aと対応する位置に貫通孔527aが形成されている。これにより、上記のようにディスク部材531を挟んだ状態で第1側壁部材526と第2側壁部材527とを接合することによって第1側壁部材526に形成された貫通孔526aと、第2側壁部材527に形成された貫通孔527aとが連通し、収容空間534が形成されるようになっている。そして、トーションダンパ500にあっては、図7に示されるように収容空間534と貫通孔531aとを重ね合わせるように側壁部材526,527と、ディスク部材531との回転位相をあわせた上で、その内部にコイルスプリング535が1つずつ収容されている。
本実施形態のトーションダンパ500にあっては、このように貫通孔531aと収容空間534とを重ね合わせた状態でこれらの内部にコイルスプリング535を収容することにより、ディスク部材531と側壁部材526,527とをコイルスプリング535を介して連結し、ダンパ530を形成している。
ダンパ530にあっては、収容空間534と貫通孔531aとがずれるように側壁部材526,527とディスク部材531とが相対回動したときに、コイルスプリング535が押し縮められるように弾性変形するようになる。すなわち、入力軸200とフライホイール400との間に生じるトルク変動によって、ハブ510にトルクリミッタ520を介して接続されている側壁部材526,527と、ディスク部材531とが相対回動したときにコイルスプリング535が弾性変形するようになる。これにより、入力軸200とフライホイール400との間に生じる捩り振動がコイルスプリング535の弾性変形によって吸収され、内燃機関とハイブリッドトランスアクスルとの間のトルク変動によって生じる捩り振動が抑制されるようになる。
尚、コイルスプリング535の弾性変形によって捩り振動を吸収する上記のようなダンパ530にあっては、コイルスプリング535を挟んでトルク伝達方向の上流側と下流側に位置する部材の質量が小さく、コイルスプリング535に作用する慣性力が小さすぎる場合には、効果的に捩り振動を吸収することができない。そこで、本実施形態のトーションダンパ500にあっては、コイルスプリング535を介して連結されている側壁部材526,527の質量と、ディスク部材531の質量とを調整することにより、コイルスプリング535に作用する慣性力の大きさを調整するようにしている。
また、第1側壁部材526及び第2側壁部材527の径方向外周側端部には、ディスク部材531とこれら側壁部材526,527との位相差が所定量以上になったときに、位相差がそれ以上大きくなることを抑制するブレーキとして作用するヒステリシス機構514が設けられている。
このように形成された本実施形態にかかるトーションダンパ500にあっては、ハブ510の半径「r」が、トーションダンパ500の半径「R」の半分の「R/2」未満になるように、ハブ510の大きさが設定されている。そして、これにより、上記第1の実施形態のトーションダンパ100と同様に、摩擦板521,522が挟持されている部分が、トーションダンパ500の回転軸Cを中心とする半径が「R/2」の円よりも内側に位置するように径方向におけるトルクリミッタ520の配設位置が設定されている。
本実施形態のトーションダンパ500にあっては、径方向におけるトルクリミッタ520の配設位置をこのように設定することにより、トルクリミッタ520よりも径方向内周側の部分を構成する内周側構造体(ハブ510)の質量と、トルクリミッタ520よりも径方向外周側の部分を構成する外周側構造体(側壁部材526,527、リベット513、ディスク部材531、コイルスプリング535、ヒステリシス機構514)の質量とを比較したときに、内周側構造体の質量が外周側構造体の質量よりも軽くなるようにしている。
以上説明した第2の実施形態にかかるトーションダンパ500によれば、上記第1の実施形態に記載した(1)〜(5)の作用効果に準ずる作用効果に加えて、以下の作用効果が得られるようになる。
(6)側壁部材526,527によってディスク部材531を挟み込み、ディスク部材531及び側壁部材526,527のそれぞれに形成された貫通孔531a,526a,527a内にコイルスプリング535を収容することによってダンパ530を形成するようにしている。そのため、第1の実施形態のトーションダンパ100のように油室129を形成する側壁部材126,127と、ディスク部材131を挟み込んでダンパ130を形成する収容部材132,133とを別々に設ける場合と比較して、トーションダンパ500を構成する部品の点数を少なくすることができ、製造コストを低減するとともに、トーションダンパ500を軽量化することができる。
尚、上記第2の実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記第2の実施形態にあっては、図7に示されるようにハブ510の外周側に摩擦板521,522を取り囲むように油室529を形成する構成を示したが、油室529の形状はこうした形状に限定されるものではない。上記第1の実施形態にかかるトーションダンパ100と同様に、第2側壁部材527の形状を、その中央部が入力軸200の先端部を覆うような蓋状の形状に変更し、入力軸200の先端部を取り囲むような形状の油室529を形成する構成を採用こともできる。
・また、上記のトーションダンパ500における油室529は、予め潤滑油が充填された状態で密閉されている潤滑油封入型の油室であったが、油室529は潤滑油供給通路を通じて外部から潤滑油が供給される潤滑油供給型の油室であってもよい。
具体的には、上記第1の実施形態にかかるトーションダンパ100と同様に、入力軸200の内部に潤滑油供給通路を設け、潤滑油供給通路を通じて油室529内に潤滑油を供給する構成を採用すれば、潤滑油供給型の油室を実現することができる。
・また、その他、上記第1の実施形態にかかるトーションダンパ100と同様に、第1側壁部材526の内周側端部を変速装置のハウジング側に延びるフランジ状にし、この部分と変速装置のハウジングとの間にオイルシールを圧入して変速装置側から油室529内に潤滑油を供給する構成を採用することもできる。
その他、上記各実施形態に共通して変更可能な要素としては次のようなものがある。
・上記各実施形態にあっては、トルクリミッタをダンパよりも径方向内周側に設けたトーションダンパを例示したが、少なくとも内周側構造体の質量が外周側構造体の質量よりも軽くなるように、トルクリミッタの配設位置が設定されていれば、上記(1)に記載の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、トルクリミッタをダンパよりも径方向外周側に配設したトーションダンパであっても、内周側構造体の質量が外周側構造体の質量よりも軽くなっていれば、内周側構造体の質量が外周側構造体の質量よりも重くなっている場合と比較して内周側構造体の慣性力に起因して変速装置の入力軸に作用する負荷を低減することができるようになる。
・上記各実施形態にあっては、トーションダンパの半径を「R」、内周側構造体の半径を「r」としたときに、内周側構造体の半径「r」を「R/2」未満に設定し、摩擦部材がトーションダンパの回転軸を中心とする半径が「R/2」の円よりも内側に位置するように、トルクリミッタの配設位置を設定する構成を示した。これに対して、内周側構造体の大きさや、トルクリミッタの配設位置の設定はこうした設定態様に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
尚、トルクリミッタを径方向内周側に設けることにより、内周側構造体を小さくして、その慣性力に起因して変速装置の入力軸に作用する負荷を低減する上では、トルクリミッタの配設位置をできる限りトーションダンパの回転軸に近づけ、内周側構造体を小さくしてその質量をできる限り軽くすることが望ましい。
・上記実施形態では、ヒステリシス機構を備えるトーションダンパを例示したが、ヒステリシス機構は省略してもよい。
・また、トルクリミッタの油室の形状や油室を形成するための構成は適宜変更することができる。例えば、内周側構造体からトーションダンパの径方向外周側に向かって延びる側壁によって油室を形成する構成を採用することもできる。
・また、上記各実施形態にあっては、潤滑油の充填された油室内で摩擦部材を挟持する湿式のトルクリミッタを備えるトーションダンパを例示したが、乾式のトルクリミッタを備えるトーションダンパに本発明を適用することもできる。
・また、潤滑油の充填された油室内にコイルスプリングを収容する湿式のダンパを備えるトーションダンパに本発明を適用することもできる。
・摩擦部材として、第1摩擦部材(第1摩擦板)と第2摩擦部材(第2摩擦板)を備え、これらを積層させた状態で挟持するトルクリミッタを例示したが、トルクリミッタの構成はこうした構成に限定されるものではない。少なくとも内周側構造体と外周側構造体との間に摩擦部材を介在させ、摩擦部材の摩擦力を利用して内周側構造体と外周側構造体との間でトルクを伝達する摩擦式のトルクリミッタであればよい。
・上記各実施形態では、ハイブリッド車のハイブリッドトランスアクスルと内燃機関とを連結するトーションダンパとして本発明を具体化した構成を例示したが、本発明にかかるトーションダンパはハイブリッドトランスアクスルと内燃機関とを連結するものに限定して適用されるものではない。例えば、複数の遊星歯車を組み合わせて構成された多段式の自動変速機と内燃機関とを連結する部分等にも本発明にかかるトーションダンパを適用することができる。
100…トーションダンパ、110…ハブ、110a…スプライン、110b…支持部、111…リベット、112…中間部材、113…リベット、114…ヒステリシス機構、115…リベット、120…トルクリミッタ、121…第1摩擦板、122…第2摩擦板、123…第1支持部材、124…第2支持部材、125…皿バネ、126…第1側壁部材、127…第2側壁部材、128…オイルシール、129…油室、130…ダンパ、131…ディスク部材、131a…貫通孔、132…第1収容部材、132a…貫通孔、133…第2収容部材、133a…貫通孔、134…収容空間、135…コイルスプリング、200…入力軸、210…潤滑油供給通路、220…ハウジング、230…オイルシール、300…クランクシャフト、400…フライホイール、500…トーションダンパ、510…ハブ、510a…スプライン、510b…支持部、513…リベット、514…ヒステリシス機構、520…トルクリミッタ、521…第1摩擦板、522…第2摩擦板、525…皿バネ、526…第1側壁部材、526a…貫通孔、527…第2側壁部材、527a…貫通孔、528…オイルシール、529…油室、530…ダンパ、531…ディスク部材、531a…貫通孔、534…収容空間、535…コイルスプリング。

Claims (8)

  1. 内周側に変速装置の入力軸が連結される一方、外周側に内燃機関の出力軸が連結される円盤状のトーションダンパであって、前記入力軸が連結される内周側構造体と前記出力軸が連結される外周側構造体との間に摩擦部材を介在させ、同摩擦部材に生じる摩擦力を利用して前記内周側構造体と前記外周側構造体との間でトルクを伝達するトルクリミッタを備えるトーションダンパにおいて、
    前記内周側構造体の質量が前記外周側構造体の質量よりも軽くなるように、同トーションダンパの径方向における前記トルクリミッタの配設位置が設定されている
    ことを特徴とするトーションダンパ。
  2. 請求項1に記載のトーションダンパにおいて、
    同トーションダンパの半径を「R」、前記内周側構造体の半径を「r」としたときに、
    前記内周側構造体の半径「r」は、「R/2」未満に設定されており、
    前記トルクリミッタは、前記摩擦部材が同トーションダンパの回転軸を中心とする半径が「R/2」の円よりも内側に位置するように、その配設位置が設定されている
    ことを特徴とするトーションダンパ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のトーションダンパにおいて、
    同トーションダンパは、コイルスプリングの弾性変形を利用して捩り振動を吸収するダンパを備えるものであって、
    前記トルクリミッタは、同ダンパよりも径方向内周側に設けられている
    ことを特徴とするトーションダンパ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のトーションダンパにおいて、
    前記トルクリミッタは、前記摩擦部材が潤滑油の充填された油室内で挟持されている湿式トルクリミッタであり、
    前記油室は、前記外周側構造体から同トーションダンパの径方向内周側に向かって前記摩擦部材を取り囲むように延びる側壁と、前記内周側構造体と前記側壁とが対向する部分に圧入されたオイルシールとによって形成されている
    ことを特徴とするトーションダンパ。
  5. 請求項4に記載のトーションダンパにおいて、
    前記湿式トルクリミッタは、前記入力軸に連結されるハブに相対回動不能に噛合された第1摩擦部材と、前記側壁を構成する一対の側壁部材に相対回動不能に噛合された第2摩擦部材とを交互に積層し、積層された状態のこれら摩擦部材を前記一対の側壁部材で挟持するものである
    ことを特徴とするトーションダンパ。
  6. 請求項5に記載のトーションダンパにおいて、
    前記ダンパは、内燃機関の出力軸に連結されるディスク部材を、前記一対の側壁部材で挟み込み、前記ディスク部材及び前記一対の側壁部材にそれぞれ形成された貫通孔を重ね合わせた状態で同貫通孔内に前記コイルスプリングを収容することにより、前記出力軸に連結されるディスク部材と前記一対の側壁部材とが相対回動したときに前記コイルスプリングが弾性変形するように形成されたものである
    ことを特徴とするトーションダンパ。
  7. 請求項4〜6のいずれか一項に記載のトーションダンパにおいて、
    前記油室は、前記摩擦部材を取り囲むように密閉された状態で形成されており、潤滑油が予め封入されている潤滑油封入型の油室である
    ことを特徴とするトーションダンパ。
  8. 請求項4〜6のいずれか一項に記載のトーションダンパにおいて、
    前記油室には潤滑油供給通路が接続されており、同油室は、前記潤滑油供給通路を通じて潤滑油が供給される潤滑油供給型の油室である
    ことを特徴とするトーションダンパ。
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