JP2011074965A - トーションダンパ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トーションダンパ100にあっては、ハイブリッドトランスアクスルの入力軸200が連結される内周側構造体(ハブ110)とフライホイール400を介して内燃機関のクランクシャフト300に連結される外周側構造体(側壁部材126,127、ディスク部材131、収容部材132,133、コイルスプリング135、ヒステリシス機構114)との間に、摩擦板121,122に生じる摩擦力を利用して内周側構造体と外周側構造体との間でトルクを伝達するトルクリミッタ120が設けられている。トルクリミッタ120は、内周側構造体の質量が外周側構造体の質量よりも軽くなるようにトーションダンパ100の径方向における配設位置が設定されている。
【選択図】図1
Description
空転していた駆動輪が接地して路面をグリップしたとき等のように、変速装置の入力軸1の回転速度が急激に変化した場合には、上述したようにトルクリミッタ13において滑りが生じ、過大な負荷が内燃機関側に作用することが抑制される。しかし、入力軸1には、トーションダンパの摩擦部材9よりも内周側の部分を構成する部材の質量による慣性力が作用する。このとき、上記特許文献1のトーションダンパのように径方向外周側の部分にトルクリミッタ13が設けられている場合には、具体的にはディスク部材5、収容部材3,4、コイルスプリング6、ハブ2の質量による慣性力が入力軸1に作用する。そのため、入力軸1にはこの慣性力による比較的大きな負荷が作用することとなる。
請求項1に記載の発明は、内周側に変速装置の入力軸が連結される一方、外周側に内燃機関の出力軸が連結される円盤状のトーションダンパであって、前記入力軸が連結される内周側構造体と前記出力軸が連結される外周側構造体との間に摩擦部材を介在させ、同摩擦部材に生じる摩擦力を利用して前記内周側構造体と前記外周側構造体との間でトルクを伝達するトルクリミッタを備えるトーションダンパにおいて、前記内周側構造体の質量が前記外周側構造体の質量よりも軽くなるように、同トーションダンパの径方向における前記トルクリミッタの配設位置が設定されていることをその要旨とする。
また、内周側構造体と外周側構造体とをトルクリミッタを介して連結した円盤状のトーションダンパにあっては、トルクリミッタがトーションダンパの径方向内周側に配設されているほど、内周側構造体が小さくなり、内周側構造体の質量が軽くなる。
以下、この発明にかかるトーションダンパを、ハイブリッド車の変速装置として機能するハイブリッドトランスアクスルと、内燃機関とを連結するトーションダンパに具体化した第1の実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。尚、図1は本実施形態にかかるトーションダンパ100の断面図であり、図2は本実施形態にかかるトーションダンパ100の一部を破断して示す正面図である。また、図1では図2におけるA‐A線に沿った方向の断面を示している。
(1)トルクリミッタ120の摩擦板121,122に滑りが生じているときには、ハイブリッドトランスアクスルの入力軸200には、主に内周側構造体の慣性力が作用する。
・トルクリミッタ120の構成として、ハブ110の支持部110bに相対回動不能に噛合された第1摩擦板121と、側壁を構成する第1側壁部材126に相対回動不能に噛合された第2摩擦板122とを交互に積層し、これら摩擦板121,122を皿バネ125とともに側壁部材126,127で挟持する構成を示した。これに対して、トルクリミッタ120の構成はこうした構成に限定されるものではない。例えば、図3に示されるようにハブ110の外周面に径方向外周側に向かって延びるフランジを設け、このフランジに摩擦板121,122を挟持する第1支持部材123及び第2支持部材124を固定するようにしてもよい。尚、図3にあっては第1支持部材123及び第2支持部材124をリベット111でフランジに固定する構成を示している。また、図3に示されるトーションダンパ100にあっては、側壁部材126,127とディスク部材131とを中間部材112にリベット113で固定するようにしている。中間部材112の内周面には、第2摩擦板122と噛合するスプラインが形成されており、このトーションダンパ100にあっては、図3に示されるようにスプラインが形成された第2支持部材124に第1摩擦板121を噛合させる一方、中間部材112に第2摩擦板122を噛合させるようにしている。
(第2の実施形態)
以下、この発明にかかるトーションダンパを、ハイブリッド車の変速装置として機能するハイブリッドトランスアクスルと、内燃機関とを連結するトーションダンパに具体化した第2の実施形態について、図7を参照して説明する。尚、図7は本実施形態にかかるトーションダンパ500の断面図である。
・上記第2の実施形態にあっては、図7に示されるようにハブ510の外周側に摩擦板521,522を取り囲むように油室529を形成する構成を示したが、油室529の形状はこうした形状に限定されるものではない。上記第1の実施形態にかかるトーションダンパ100と同様に、第2側壁部材527の形状を、その中央部が入力軸200の先端部を覆うような蓋状の形状に変更し、入力軸200の先端部を取り囲むような形状の油室529を形成する構成を採用こともできる。
・上記各実施形態にあっては、トルクリミッタをダンパよりも径方向内周側に設けたトーションダンパを例示したが、少なくとも内周側構造体の質量が外周側構造体の質量よりも軽くなるように、トルクリミッタの配設位置が設定されていれば、上記(1)に記載の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、トルクリミッタをダンパよりも径方向外周側に配設したトーションダンパであっても、内周側構造体の質量が外周側構造体の質量よりも軽くなっていれば、内周側構造体の質量が外周側構造体の質量よりも重くなっている場合と比較して内周側構造体の慣性力に起因して変速装置の入力軸に作用する負荷を低減することができるようになる。
・また、トルクリミッタの油室の形状や油室を形成するための構成は適宜変更することができる。例えば、内周側構造体からトーションダンパの径方向外周側に向かって延びる側壁によって油室を形成する構成を採用することもできる。
・摩擦部材として、第1摩擦部材(第1摩擦板)と第2摩擦部材(第2摩擦板)を備え、これらを積層させた状態で挟持するトルクリミッタを例示したが、トルクリミッタの構成はこうした構成に限定されるものではない。少なくとも内周側構造体と外周側構造体との間に摩擦部材を介在させ、摩擦部材の摩擦力を利用して内周側構造体と外周側構造体との間でトルクを伝達する摩擦式のトルクリミッタであればよい。
Claims (8)
- 内周側に変速装置の入力軸が連結される一方、外周側に内燃機関の出力軸が連結される円盤状のトーションダンパであって、前記入力軸が連結される内周側構造体と前記出力軸が連結される外周側構造体との間に摩擦部材を介在させ、同摩擦部材に生じる摩擦力を利用して前記内周側構造体と前記外周側構造体との間でトルクを伝達するトルクリミッタを備えるトーションダンパにおいて、
前記内周側構造体の質量が前記外周側構造体の質量よりも軽くなるように、同トーションダンパの径方向における前記トルクリミッタの配設位置が設定されている
ことを特徴とするトーションダンパ。 - 請求項1に記載のトーションダンパにおいて、
同トーションダンパの半径を「R」、前記内周側構造体の半径を「r」としたときに、
前記内周側構造体の半径「r」は、「R/2」未満に設定されており、
前記トルクリミッタは、前記摩擦部材が同トーションダンパの回転軸を中心とする半径が「R/2」の円よりも内側に位置するように、その配設位置が設定されている
ことを特徴とするトーションダンパ。 - 請求項1又は請求項2に記載のトーションダンパにおいて、
同トーションダンパは、コイルスプリングの弾性変形を利用して捩り振動を吸収するダンパを備えるものであって、
前記トルクリミッタは、同ダンパよりも径方向内周側に設けられている
ことを特徴とするトーションダンパ。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のトーションダンパにおいて、
前記トルクリミッタは、前記摩擦部材が潤滑油の充填された油室内で挟持されている湿式トルクリミッタであり、
前記油室は、前記外周側構造体から同トーションダンパの径方向内周側に向かって前記摩擦部材を取り囲むように延びる側壁と、前記内周側構造体と前記側壁とが対向する部分に圧入されたオイルシールとによって形成されている
ことを特徴とするトーションダンパ。 - 請求項4に記載のトーションダンパにおいて、
前記湿式トルクリミッタは、前記入力軸に連結されるハブに相対回動不能に噛合された第1摩擦部材と、前記側壁を構成する一対の側壁部材に相対回動不能に噛合された第2摩擦部材とを交互に積層し、積層された状態のこれら摩擦部材を前記一対の側壁部材で挟持するものである
ことを特徴とするトーションダンパ。 - 請求項5に記載のトーションダンパにおいて、
前記ダンパは、内燃機関の出力軸に連結されるディスク部材を、前記一対の側壁部材で挟み込み、前記ディスク部材及び前記一対の側壁部材にそれぞれ形成された貫通孔を重ね合わせた状態で同貫通孔内に前記コイルスプリングを収容することにより、前記出力軸に連結されるディスク部材と前記一対の側壁部材とが相対回動したときに前記コイルスプリングが弾性変形するように形成されたものである
ことを特徴とするトーションダンパ。 - 請求項4〜6のいずれか一項に記載のトーションダンパにおいて、
前記油室は、前記摩擦部材を取り囲むように密閉された状態で形成されており、潤滑油が予め封入されている潤滑油封入型の油室である
ことを特徴とするトーションダンパ。 - 請求項4〜6のいずれか一項に記載のトーションダンパにおいて、
前記油室には潤滑油供給通路が接続されており、同油室は、前記潤滑油供給通路を通じて潤滑油が供給される潤滑油供給型の油室である
ことを特徴とするトーションダンパ。
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