JP2011074434A - 成膜方法および成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材上に多層膜を形成する際に、より高精度な膜厚制御が可能な成膜装置および成膜方法を提供する。
【解決手段】基材上に多層膜を形成する成膜方法であって、前記多層膜の膜原料源を備える真空槽の内部に、基材と、基材上に形成される多層膜をモニタリングするためのモニタ基板とを配置する配置ステップと、真空中で膜原料源にエネルギーを付与して、基材上に膜原料を堆積させて多層膜のうちの3層以上の層を形成するとともに、モニタ基板上に、単層膜および、複数の互い異なる層構成の多層膜を同時に形成する形成ステップと、形成ステップにおいて、単層膜の光学膜厚を測定する光学膜厚測定ステップと、モニタ基板上の多層膜の分光光学特性を測定する分光光学測定ステップ、および測定された光学膜厚および/または分光光学特性から、基材上に形成される多層膜の残りの各層の厚みを再設定する再設定ステップを含む成膜方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基材上に多層膜を形成するための成膜方法およびそのための成膜装置に関する。
光学フィルタ、レンズ、反射鏡などの光学部材に所望の光学特性(光透過率や反射率、位相特性など)を付与したり、反射防止機能を付与したりするため、その表面に複数層からなる光学薄膜を形成することが多い。このように基材表面に光学薄膜などの薄膜を複数層形成する場合、真空蒸着装置やスパッタ装置などの成膜装置が従来から用いられている。
しかしながら、従来の成膜装置では膜厚制御誤差や屈折率のばらつきなどにより目標とする光学特性と実際に形成される多層膜の光学特性との間に差が生じることがあった。このため、膜厚制御誤差を小さくするために種々の成膜装置が提案されている。
例えば、特開2002−115053号公報(特許文献1)には、内部に蒸発源を備える真空装置内に、蒸発源の上方に光学特性基板と膜厚制御モニタ基板と製品の基板を設置する基板ホルダとが配置された成膜装置が開示されている。また、特開2007−51347号公報(特許文献2)には、内部に蒸発源を備えるチャンバ内に、複数の基板を保持するホルダと、基板上に形成される各層の膜厚をモニタリングするために各層を形成するごとに切り替わってホルダの開口を介して露出する複数の第一のモニタ基板と、基板上に形成される多層膜の光学特性をモニタリングする第二のモニタ基板とを有する多層膜形成装置が開示されている。これらの装置では光学特性をモニタリングする基板と膜厚をモニタリングする基板とが別個独立に設けられており、多層膜の光学特性と各層の膜厚とを独立にモニタリングすることによって従来の成膜装置を用いた場合よりも高精度の膜厚制御を可能にした。
特開2002−115053号公報 特開2007−51347号公報
しかしながら、多層膜の光学特性の更なる高精度化が求められるのに伴い、より高精度な膜厚制御が可能な成膜装置および成膜方法が求められている。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、基材上に多層膜を形成する際に、より高精度な膜厚制御が可能な成膜装置および成膜方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、基材上に多層膜を形成する成膜方法であって、前記多層膜の膜原料源を備える真空槽の内部に、前記基材と、該基材上に形成される多層膜をモニタリングするためのモニタ基板とを配置する配置ステップと、真空中で前記膜原料源にエネルギーを付与して、前記基材上に前記膜原料を堆積させて前記多層膜のうちの3層以上の層を形成するとともに、前記モニタ基板上に、単層膜および、複数の互い異なる層構成の多層膜を同時に形成する形成ステップと、前記形成ステップにおいて、前記単層膜の光学膜厚を測定する光学膜厚測定ステップと、前記モニタ基板上の多層膜の分光光学特性を測定する分光光学測定ステップ、および前記測定された光学膜厚および/または分光光学特性から、前記基材上に形成される多層膜の残りの各層の厚みを再設定する再設定ステップを含む成膜方法が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、内部で基材上へ多層膜の成膜を行う真空槽と、前記多層膜の各層の光学膜厚のモニタリングを行う光学膜厚モニタと、前記多層膜の分光光学特性のモニタリングを行う分光光学特性モニタと、前記光学膜厚および/または前記分光光学特性のモニタリング結果から多層膜の成膜の制御を行う演算・制御システムとを有し、前記真空槽の内部には、前記多層膜の膜原料源と、複数の前記基材を回転自在に保持するための基材ホルダと回転軸を有し、前記基材上に形成される多層膜をモニタリングするためのモニタ基板と、前記膜原料源と前記モニタ基板の間に配置され、前記モニタ基板を前記膜原料源から遮蔽するモニタ基板マスクと、前記モニタ基板を前記回転軸を中心に、前記モニタ基板マスクに相対して回転する回転装置とを備え、前記モニタ基板マスクは、前記回転軸を中心とした所定の角度で開いた円弧状の開口を有し、前記回転装置が、前記多層膜の各層の成膜毎に、前記円弧を区画する前記所定の角度よりも小さい回転角度で前記モニタ基板を回転する成膜装置が提供される。
本発明によれば、基材上に多層膜を形成する際に、多層膜の形成と並行して、モニタリング基板上に単層膜が成膜された光学膜厚測定部および、複数の互い異なる層構成の多層膜が成膜された分光光学特性測定部を形成する。複数の分光光学特性部からは、複数の分光光学特性を得ることができる。これら複数の分光光学特性に基づいて、基材上に形成される多層膜の各層の高度な膜厚制御が可能となり、基材上に形成される多層膜の最終的な光学特性を設定値に近づけることができる。
本発明の実施形態における膜厚制御装置の概略図である。 本発明の実施形態におけるモニタ基板マスクの概略図である。 (a)〜(e)は本発明の実施形態におけるモニタ基板およびモニタ基板マスクの概略図であって、モニタ基板上に光学膜厚測定部および複数の分光光学特性測定部を形成する様子を示す図である。 本発明の実施形態における成膜方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例1および比較例1における第1層から第3層まで積層した多層膜が形成された分光光学特性測定部の分光光学特性を示す図である。 本発明の実施例1における第2層および第3層からなる多層膜が形成された分光光学特性測定部の分光光学特性を示す図である。 本発明の実施例1における基材上に形成された多層膜の最終的な光学特性を示す図である。 本発明の比較例1における基材上に形成された多層膜の最終的な光学特性を示す図である。 本発明の比較例1における従来の膜厚制御装置の概略図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこの図面に限定されるものではない。
<成膜装置>
本発明の成膜装置100について、図1を参照しながら説明する。成膜装置100は、基材3上に多層膜を成膜する装置であり、その内部で基材3上へ多層膜の成膜を行う真空槽1と、基材3上の多層膜の各層の光学膜厚のモニタリングを行う光学膜厚モニタ8と、基材3上の多層膜の分光光学特性のモニタリングを行う分光光学特性モニタ7と、光学膜厚および/または分光光学特性のモニタリング結果から多層膜の成膜の制御を行う演算・制御システム11とを主に有する。
図1における真空槽1内の下部には膜原料源12が配置されている。膜原料源12は、採用する成膜方法により適切な膜原料源を配置することができ、例えば、真空蒸着法の場合には抵抗加熱や電子銃加熱などが可能な蒸発源が配置され、スパッタリング法の場合にはスパッタ源が配置される。
真空槽1内の上部には、複数の基材3を回転自在に保持するための基材ホルダ2と、基材3上に形成される多層膜をモニタリングするためのモニタ基板6と、モニタ基板マスク4とが配置されている。
基材ホルダ2は、膜原料源12を中心としたドーム形状であり、回転軸21を中心に回転可能である。回転軸21の延長上には、膜原料源12が位置する。基材ホルダをこのようなドーム形状とすることで、基板ホルダ2に保持される複数の基材3を膜原料源12から等距離に保持できる。
基材ホルダ2は、回転軸21の周囲に開口20を有し、この開口20にモニタ基板6が回転自在に設置されている。モニタ基板6は通常、モニタ基板ホルダ5にセットされて設置されているが、回転自在に設置されていればモニタ基板6の設置手段は特に限定されない。基材ホルダ2とモニタ基板6は略同一の回転軸21で独立に回転する。モニタ基板6がモニタ基板ホルダ5にセットされている場合には、モニタ基板ホルダ5を回転装置(図示せず)により回転駆動させることによって、モニタ基板6とモニタ基板ホルダ5は一体となって略同一の回転軸21を中心に基材ホルダ2に対して独立に回転する。
図1に示すように、モニタ基板6は、基板ホルダ2の開口20において、基板ホルダ2のドーム状の曲面と略面一に配置されている。したがって、基板ホルダ2に保持される複数の基材3と、モニタ基板6は、膜原料源12から、ほぼ等距離に配置されている。モニタ基板6上には、基材3上に多層膜を成膜すると同時に、単層膜が成膜された光学膜厚測定部62および複数の互い異なる層構成の多層膜が成膜された分光光学特性測定部61が形成される。これら光学膜厚測定部62および光光学特性測定部61の詳細は後述する。モニタ基板6と基材3を膜原料12からほぼ等距離に配置することによって、基材3上での多層膜の成膜条件に近似した条件で、モニタ基板6上に、光学膜厚測定部62および光光学特性測定部61を形成することができる。
モニタ基板マスク4は、装置100に固定した状態でモニタ基板6の膜原料源12側に配置される。モニタ基板マスク4は、図2に示すように円盤状であり、回転軸21を中心として所定の角度θで開いた円弧状の開口41が形成されている。本実施形態では、θは180°である。この開口41を通じて、モニタ基板6の周辺部の一部が膜原料源12に対して露出する。本実施形態では、後述するように基材3上に多層膜を成膜するのと同時に、開口41を通じて露出するモニタ基板6の一部に、単層膜が成膜された光学膜厚測定部62、および複数の互いに層構成の異なる多層膜が成膜された分光光学特性測定部61が形成される。
図1に示すように、真空槽1内の上部には、光学膜厚測定部62に成膜される単層膜の光学膜厚を測定する光学膜厚モニタ8が接続される。光学膜厚モニタ8は、第1投受光部8a、光学膜厚測定用光源および受光装置9、第1投受光部8aと光学膜厚測定用光源および受光装置9を接続する光ファイバ8bからなる。第1投受光部8aは、真空槽1の内部においてモニタ基板6の裏面すなわち、モニタ基板マスク4と対向する面とは反対側の面に対向している。光学膜厚モニタ8は、光学膜厚測定用光源9の単波長の光を第1投受光部8aから、モニタ基板6を介して光学膜厚測定部62に照射する。また、照射された光の反射光を第1投受光部8aで受光して光ファイバ8bを介して光学膜厚測定用受光装置9に伝搬し、そこで、膜厚を求めることができる。成膜装置100は、光学膜厚測定部62に成膜される単層膜の光学膜厚を測定することにより、基材3上に形成される多層膜の各層の光学膜厚をモニタリングする。光学膜厚測定用受光装置9としては、低照度から高照度まで光電流の直線性が良好であることから光電子増倍管(PMT)が好ましい。また、光ファイバ8bを用いることにより、第1投受光部8aをモニタ基板6に対して近づけることができ、測定精度が向上する。
更に、成膜装置100には、分光光学特性測定部61に成膜される、複数の互い異なる層構成の多層膜の分光光学特性を測定する分光光学特性モニタ7が設けられている。分光光学特性モニタ7は、真空槽1の上部に光学膜厚モニタ8と並んで接続されている。分光光学特性モニタ7は、第2投受光部7a、分光光学特性測定用光源および受光装置10、第2投受光部7aと分光光学特性測定用光源および受光装置10を接続する光ファイバ7bからなる。第2投受光部7aは、真空槽1の内部においてモニタ基板6の裏面すなわち、モニタ基板マスク4と対向する面とは反対側の面に対向している。分光光学特性モニタ7は、分光光学特性測定用光源10の多波長の光を第2投受光部7aから、モニタ基板6を介して分光光学特性測定部61に照射する。また、照射された光の反射光を第2投受光部7aで受光して光ファイバ7bを介して分光光学特性測定用受光装置10に伝搬し、そこで分光計測する。成膜装置100は、分光光学特性測定部61に成膜される多層膜の分光光学特性を測定することにより、基材3上に形成される多層膜の分光光学特性をモニタリングすることができる。分光光学特性測定用受光装置10としては、計測時間が短いラインセンサを搭載した瞬間マルチ分光光度計が好ましい。また、光ファイバ7bを用いることにより、第2投受光部7aをモニタ基板6に対して近づけることができ、測定精度が向上する。尚、第2投受光部7aの位置は固定されている。モニタ基板6を回転させることにより、複数の分光光学特性測定部61のうち測定対象となるものを第2投受光部7aに位置合わせし、測定対象の分光光学特性を測定する。
光学膜厚測定用受光装置9および分光光学特性測定用受光装置10は演算・制御システム11に接続されている。演算・制御システム11では、光学膜厚測定用受光装置9および分光光学特性測定用受光装置10で得られた測定結果、基材3上に積層された多層膜各層の膜厚の設定値および多層膜各層の膜原料の屈折率等から、基材3上に積層された多層膜の各層の膜厚を計算する。そして、計算した多層膜の各層の膜厚に基づいて、さらに積層する層の膜厚および成膜条件を再設定する。演算・制御システム11は、膜原料源12等に接続されており、再設定した成膜条件に基づいて膜原料源12等を制御する。
次に、モニタ基板6およびモニタ基板マスク4について説明する。モニタ基板6の直径は120mm以下であることが好ましく、100mm以下であることがより好ましい。モニタ基板6の直径が120mmを超えるとモニタ基板6内での温度分布が大きくなり、さらに膜原料源12との距離に差が生じるため、複数の分光光学特性測定部61および光学膜厚測定部62に堆積する膜の厚みの差が大きくなる傾向にある。
モニタ基板マスク4の円弧状の開口41の幅は、第1投受光部8aおよび第2投受光部7aの直径に対して3倍以上の大きさであることが好ましい。開口41の幅が上記下限未満になると開口41を通じて露出するモニタ基板6に膜原料が堆積する時に、モニタ基板マスク4の厚みによりモニタ基板6と膜原料源12との間に陰が形成され、これに起因する膜厚ムラが発生して正確な分光光学特性および光学膜厚を測定できなくなる。一方、開口41の幅を大きくすると膜厚ムラの影響を受けることなく正確な分光光学特性および光学膜厚を測定することができるため、開口41の幅の上限は特に制限されない。しかしながら、熱変形が起きた場合などのマスクの機械強度維持の観点から、開口41の幅は第1投受光部8aおよび第2投受光部7aの直径に対して5倍以下の大きさであることが好ましい。以上の観点から、第1投受光部8aおよび第2投受光部7aの直径がφ5mmである場合には開口41の幅はφ15〜25mmであることが好ましい。尚、開口41の幅が第1投受光部8aおよび第2投受光部7aの直径の3倍未満の場合でも、例えば、第1投受光部8aおよび第2投受光部7aと開口41との間に、集光レンズを設ける等により、正確な光学膜厚測定および分光光学特性を測定することができる。また、開口41の円弧を区画する所定の角度θは、120°〜240°の範囲とすることが、より多くの層の組合わせを成膜出来るという観点から好ましい。
モニタ基板6の好ましい材料としては、一般的に白板ガラスや青板ガラスと称されるソーダライムガラスや合成石英ガラスが挙げられ、モニタ基板マスク4の好ましい材料としては、JIS記号でSUS304やSUS316と称されるステンレス鋼が挙げられる。
<成膜方法>
次に、本発明の成膜方法について図1から図4を参照しながら説明する。本実施形態において、成膜装置100は蒸着装置である。
<第1層の形成>
図1に示すように、真空槽1の内部に、基材3上に形成する第1層の膜材料を膜原料源12として設置し、基板ホルダ2に基材3、モニタ基板6およびモニタ基板マスク4を配置する(ステップS1)。このとき、図3(a)に示すように、モニタ基板6はモニタ基板マスク4により膜原料源12から隠蔽されており、モニタ基板マスク4の開口41に対向するモニタ基板6の領域70のみが膜原料源12に対して露出する。
次に、基材3上に形成する多層膜の各層の膜厚を設定する。得られた多層膜の設定値から光学膜厚の制御値を計算する。得られた光学膜厚制御値に基づいて、真空槽1内を真空状態にし、次いで膜原料源(蒸発源)12を加熱して膜原料を蒸発させ、基材3上に膜原料を蒸着(堆積)させる。このとき、モニタ基板マスク4の開口41を通じて露出しているモニタ基板6の領域70上にも膜原料が堆積する。こうして、第1層が基材3およびモニタ基板6上に形成される。第1層の形成中、光学膜厚モニタ8により、モニタ基板6の領域70に堆積する第1層の光学膜厚を単波長の光で測定し、領域70の第1層の光学膜厚が光学膜厚制御値になるまで膜原料を堆積させる。
第1層の成膜が終了した後、領域70に形成された第1層の分光光学特性を分光光学特性モニタ7により、多波長の光で測定する。
光学膜厚測定用受光装置9および分光光学特性測定用受光装置10で得られた測定結果は、演算・制御システム11に送られる。演算・制御システム11では、光学膜厚測定用受光装置9および分光光学特性測定用受光装置10で得られた測定結果、基材3上に積層された第1層の膜厚の設定値および第1層の膜材料の屈折率等から、基材3上に積層された第1層の膜厚を計算する。計算した第1層の膜厚に基づいて、第2層以降の各層の成膜条件および膜厚の設定値を再設定する。
次に、モニタ基板6を図3(a)に示す矢印の方向へ回転軸21を中心として所定の角度αだけ回転移動させる。本実施形態では、αは20°である。モニタ基板マスク4が膜材料源12に対して固定されているため、モニタ基板6を回転させることにより、第1層が形成された領域70の一部が膜原料12から隠蔽され、新たに膜原料が堆積していないモニタ基板6の領域が開口41を介して露出する。図3(b)は、新たに開口41を介して露出したモニタ基板6の領域を領域71、第1層が形成されており引き続き開口を介して露出している領域を領域72、第1層が形成されており膜原料12から隠蔽される領域を領域73としてそれぞれ示した。尚、モニタ基板6を回転移動させる角度αは、開口70の円弧を区画する所定の角度θより小さい。角度αは、モニタ基板マスクの厚みによって発生する膜厚ムラを考慮し、かつより多くの層の組合わせを成膜する観点から、15°〜30°が好ましい。
<第2層の形成>
膜原料源12として、第2層の膜材料を第1層の膜材料に代えて真空槽1の内部に設置する。演算・制御システム11が、再設定した成膜条件および膜厚に基づいて膜原料源12を制御して、基材3およびモニタ基板6の領域71および領域72に、第2層の膜原料を蒸着(堆積)させる。このとき、図3(c)に示すように、領域71には第2層が単層膜として形成される。この第2層の単層膜が形成された領域71が、光学膜厚測定部62である。同時に、領域72には第1層の上に第2層が積層され、第1層および第2層からなる分光光学特性測定部61が形成される。基材3に第2層が形成された時点では、分光光学特性測定部61は1個のみ形成される。第2層の成膜は、光学膜厚モニタ8により、光学膜厚測定部62に堆積する第2層の光学膜厚を単波長の光で測定し、第2層の光学膜厚が光学膜厚制御値になるまで膜原料を堆積させる。尚、モニタ基板6上には、第1層が単層膜として形成された領域73が引き続き存在している。
第2層の成膜が終了した後、分光光学特性測定部61に形成された第1層および第2層からなる多層膜の分光光学特性を分光光学特性モニタ7により、多波長の光で測定する。
第1層を成膜したときと同様に、光学膜厚測定用受光装置9および分光光学特性測定用受光装置10で得られた測定結果は、演算・制御システム11に送られ、基材3上に積層された第2層の膜厚を計算する。計算した第2層の膜厚を基に、第3層以降の各層の成膜条件および膜厚を再設定する。
<第3層以降の形成>
第2層を形成した後、再びモニタ基板6を図3(c)に示す矢印の方向に回転軸21を中心として所定の角度αだけ回転移動し、第2層と同様にして基材3上に第3層を形成する。このとき、図3(d)に示すように、開口41を介して露出した領域の一部に、第3層が単層膜として成膜された光学膜厚測定部62が形成される。同時に、異なる層構成の3個の分光光学特性測定部61が形成される。第2層および第3層が積層した分光光学特性測定部61A、第1層から第3層が積層した分光光学特性測定部61B、第2層および第1層が積層した分光光学特性測定部61Cである(ステップS2)。第3層の成膜は、光学膜厚モニタ8により、光学膜厚測定部62に堆積する第3層の光学膜厚を単波長の光で測定し、第3層の光学膜厚が光学膜厚制御値になるまで膜原料を堆積させる(ステップS3)。
第3層の成膜が終了した後、分光光学特性測定部61A〜61Cに形成された異なる層構成の多層膜の分光光学特性を分光光学特性モニタ7により、多波長の光で測定する(ステップS4)。
第1層を成膜したときと同様に、光学膜厚測定用受光装置9および分光光学特性測定用受光装置10で得られた測定結果は、演算・制御システム11に送られ、基材3上に積層された第3層の膜厚を計算する。計算した第3層の膜厚を基に、第4層以降の各層の成膜条件および膜厚を再設定する(ステップS5)。
本実施形態では、基材3に第3層を積層した時点で、モニタ基板6上に、異なる層構成の多層膜が成膜された3個の分光光学特性測定部61A〜61Cが形成され、それぞれの分光光学特性を測定することができる。複数の分光光学特性を得ることで、演算・制御システム11において、より正確な第3層の膜厚を計算することができる。
多層膜の構成によっては、第1層から第3層まで積層した積層膜の分光光学特性のみでは、第3層の膜厚を検出することが難しい場合がある。第1層から第3層まで積層した積層膜の分光光学特性から第3層の膜厚を検出するには、その測定結果と、第1層および第2層からなる積層膜の分光光学特性の測定値あるいは演算値とを比較して、分光光学特性の変化量から第3層の膜厚を計算する。あるいは、第3層が設定した膜厚で成膜されたと仮定して、第1層から第3層まで積層した積層膜の分光光学特性を、各層の膜材料の屈折率および膜厚の設定値等から計算する。その計算結果と実際の測定結果とを比較して、分光光学特性の差から実際に成膜された第3層の膜厚を計算する。どちらの場合も、第3層の膜厚の変化によって、第1層から第3層まで積層した積層膜の分光光学特性が変化する必要がある。多層膜の干渉条件によっては、この第3層の膜厚の変化による多層膜の分光光学特性の変化が小さい場合がある。その結果、第3層の膜厚を高い精度で検出することが出来ず、実際に成膜された膜厚と計算で求めた膜厚の間に誤差が生じる。第3層で生じた膜厚の誤差は、第4層以降の膜厚の再設定にも影響を与え、結果として、多層膜の最終的な光学特性が設定値から大きくずれてしまう。従来の成膜方法では、例えば特許文献1および特許文献2に開示されているように、基材3上に第3層まで積層した時点において、第1層から第3層まで積層した積層膜の分光光学特性しか得られず、第3層および第3層以降の高度な膜厚制御は困難であった。
本実施形態では、第1層から第3層まで積層された積層膜以外に、第2層と第3層からなる積層膜、または第2層と第1層からなる積層膜の分光光学特性を得ることで、これら複数の情報から、演算・制御システム11において第3層の膜厚をより正確に求めることができる。例えば、第1層から第3層まで積層した積層膜の分光光学特性のみでは、第3層の膜厚を検出することが難しい場合であっても、他の構成の多層膜においては、その分光光学特性が第3層の膜厚の変化に高感度で反応する場合がある。このように、複数の互い異なる層構成の多層膜を形成し、複数の分光光学特性を得られる本実施形態の成膜方法は、高度な膜厚制御に有用な成膜方法である。
尚、分析者(測定者)は、必ずしも形成された全ての分光光学特性測定部の分光光学測定を行う必要はない。必要に応じて、適宜選択した分光光学特性測定部についてのみ分光光学測定を行ってもよい。
第4層目以降は、第3層と同様の方法を繰り返して成膜を行う。基材3上に第6層まで成膜したときのモニタ基板6を図3(e)に示す。開口41を介して露出した領域の一部に、第6層が単層膜として形成された光学膜厚測定部62が形成される。同時に、異なる層構成の多層膜が成膜された9個の分光光学特性測定部61a〜61iが形成される。分光光学特性測定部61a〜61iの層構成を表1に示す。尚、モニタ基板6上には、第1層が単層膜として形成された領域73が引き続き存在している。
更に、基材3上に第n層まで成膜したときの分光光学特性測定部61の層構成を表1に示す。第1層から第n層まで基材3上に形成したとき、モニタ基板6上には、第n層が単層膜として成膜された光学膜厚測定部62が形成される。同時に、表1に示す(2n-3)個の異なる層構成の多層膜が成膜された光学膜厚測定部61がモニタ基板6上に形成される。
Figure 2011074434
この操作を所望の層数について繰り返すことによって、基材3上に得られる多層膜の最終的な光学特性を、設定値の光学特性により近づけることができる。ただし、真空槽の内部では、場所によって作成される膜の膜厚や光学特性がばらつく場合がある。このため、必要に応じて、基板3とモニタ基板6との膜厚や光学特性の相関を予め調べておき、その結果に基づきモニタ基板6での測定結果を補正してもよい。モニタリング基板6の補正した測定結果を用いることで、より高い精度で基材3上の多層膜をモニタリングすることができる。また、分光光学特性から実際の膜厚を算出する際に測定している膜は真空状態または真空加熱状態のものであり、実際に膜を使用する環境とは異なる場合がある。例えば、真空加熱状態から大気常温状態に環境が変わると、膜中に大気中の水分が入り込み、見かけの光学膜厚が高くなることがある。このため、必要に応じて真空状態または真空加熱状態と、膜を使用する状態とにおける光学膜厚の差を考慮する必要がある。
以下、実施例1および比較例2に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例1および比較例1は、基材3上に多層膜を形成した場合に、各層の膜厚制御が多層膜の最終光学特性に与える影響についてシュミレーションしたものである。
図1に示す本発明の成膜装置100を用い、基材3上に第1層から第7層までを積層して多層膜を成膜する場合を想定した。第3層の膜厚制御を行い、第3層の膜厚が多層膜の最終光学特性に与える影響についてシミュレーションを行った。尚、基材3は光学ガラスBK7、モニタ基板6は白板コントロールガラス、設計波長λは550nmとした。第1層から第7層までの組成および膜厚を表2に示す。分光光学特性として、波長450〜800nmについての反射率Rを計算した。分光反射測定器の測定分解能は、±0.2%とした。各層に用いた材料の屈折率は、Al:1.65、ZrO:2.02、MgF:1.38である。また、計算は一般的な四端子行列法を用いて実施した。
Figure 2011074434
図3(a)から図3(d)に示すように、第1層積層後にモニタ基板6を矢印方向へ回転し、更に第2層積層後にも矢印方向へモニタ基板6を回転し、その後、第3層を積層したと想定する。このとき、モニタ基板6には、図3(d)に示すように、3個の膜構成の異なる分光光学特性測定部61A、61B、61Cが形成される。分光光学特性測定部61Aは第2層と第3層からなる積層膜、分光光学特性測定部61Bは第1層から第3層まで積層した積層膜、光光学特性測定部61Cは、第1層と第2層からなる積層膜である。このうち、分光光学特性測定部61A、61Bについて、分光光学特性(反射率R)を計算した。ここで、第1層および第2層は、設定値の膜厚で形成したと想定し、第3層について、設定値で形成した場合、および設定値から膜厚がずれた場合について計算した。
分光光学特性測定部61Bについては、第3層の膜厚が設定値(31.3nm)の場合、設定値から5nm厚い(36.3nm)場合、および設定値より7nm薄い(24.3nm)場合の3通りの分光光学特性を計算した。分光光学特性測定部61Aについては、第3層の膜厚が設定値(31.3nm)の場合と、設定値から2nm厚い(33.3nm)場合、および設定値より2nm薄い(29.3nm)場合の3通りの分光光学特性を計算した。
分光光学特性測定部61Bの計算結果を図5に、分光光学特性測定部61Aの測定結果を図6に示す。図5および図6に示すように、第3層の膜厚が変化すると分光光学特性測定部61BおよびAの分光光学特性(反射率R)が変化する。
分光光学特性測定部61Bは、分光光学特性測定部61Aと比較して、第3層の膜厚の変化に対する分光光学特性の変化が小さい。本実施例の分光反射測定器を用いた場合、図5に示す分光光学特性測定部61Bの反射率において、第3層の膜厚が設定値より5nm以上厚いとき、または、設定値より7nm以上薄いとき、第3層の膜厚変化に伴う光学特性(反射率R)の変化を検出できる。
これに対し、図6に示すように、分光光学特性測定部61Aは、第3層の膜厚の変化に対する分光光学特性の変化が大きい。本実施例の分光反射測定器を用いた場合、図6に示す分光光学特性測定部61Aの反射率において、第3層の膜厚が設定値と±2nm以上の差を有すれば、第3層の膜厚変化に伴う光学特性(反射率R)の変化を検出できる。
分光光学特性測定部61Bでは、そこに形成された第1層から第3層を積層した多層膜における光の干渉条件が、第3層の膜厚変化が検出しづらい(分光光学特性に影響を与え難い)条件であったと考えられる。一方、分光光学特性測定部61Aでは、第1層から第3層を積層した多層膜から第1層が除かれた構成であり、光の干渉条件が第3層の膜厚変化が検出し易い(分光光学特性に影響を与え易い)条件に変化したと考えられる。本実施例では、第3層の膜厚検出感度の高い分光光学特性測定部61Aの分光光学特性を用いて、第3層を設定値から±2nmまで制御することができる。
次に、基材3上に第7層まで多層膜を形成した場合に、多層膜の最終光学特性に与える第3層の膜厚の影響をシュミレーションした。最終光学特性として、波長400〜800nmについての反射率Rを計算した。分光反射測定器の測定分解能は、±0.2%とし、第3層以外の各層の膜厚は設定値とした。第3層の膜厚は、設定値の場合、設定値より2nm薄い場合、設定値より2nm厚い場合の3通りについて計算を行った。結果を図7に示す。
図7から、第3層の膜厚を設定値から±2nmの範囲に制御することにより、基材3上に形成した多層膜の最終的な光学特性(反射率)は、計算した波長域において設定値から最大で±0.2%のずれしか示さないことがわかった。
[比較例1]
図8に示す従来の成膜装置200を用い、基材3上に第1層から第7層までを積層して多層膜を成膜する場合を想定した。実施例1と同様に、第3層の膜厚制御を行い、第3層の膜厚が多層膜の最終光学特性に与える影響についてシミュレーションを行った。成形装置200は、単層膜が成膜される分光膜厚モニタ部82および多層膜が成膜される光光学特性モニタ部81を有する。
尚、基材3、モニタ基板6、設計波長λ、第1層から第7層までの組成、膜厚および各層に用いた材料の屈折率については、実施例1と同様と想定した。分光光学特性として、実施例1と同様に、波長450〜800nmについての反射率Rを計算した。分光反射測定器の測定分解能は、実施例1と同様に、±0.2%とした。
基材3上に第1層から第3層まで積層したと想定する。このとき、分光光学特性モニタ部81には、第1層から第3層まで積層された積層膜が形成される。分光光学特性モニタ部81に形成させる多層膜の層構成は、実施例1の分光光学特性測定部61Bに形成される層構成と同様である。
分光光学特性モニタ部81について、分光光学特性(反射率R)を計算した。実施例1の分光光学特性測定部61Bについて行った分光光学特性の計算と同様に、第1層および第2層は設定値の膜厚で成膜したと想定し、第3層について、膜厚が設定値の場合、設定値から5nm厚い(36.3nm)場合、および設定値より7nm薄い(24.3nm)場合の3通りの分光光学特性を計算した。計算結果は、実施例1の分光光学特性測定部61Bの計算結果と同様であり、その結果を図5に示す。
実施例1で説明したように、実施例1および本比較例の分光反射測定器を用いた場合、図5に示す分光光学特性モニタ部81(分光光学特性測定部61B)の反射率において、第3層の膜厚が設定値より5nm以上厚いとき、または、設定値より7nm以上薄いとき、第3層の膜厚変化に伴う光学特性(反射率R)の変化を検出できる。
分光光学特性モニタ部81では、そこに形成された第1層から第3層を積層した多層膜における光の干渉条件が、第3層の膜厚変化が検出しづらい(分光光学特性に影響を与え難い)条件であったと考えられる。本比較例では、分光光学特性モニタ部81の分光光学特性を用いて、第3層の膜厚を設定値から5nm薄い値から設定値から7nm厚い値の範囲にしか制御することができない。
次に、基材3上に第7層まで多層膜を形成した場合に、多層膜の最終光学特性に与える第3層の膜厚の影響をシュミレーションした。実施例1と同様に、最終光学特性として、波長400〜800nmについての反射率Rを計算した。分光反射測定器の測定分解能は、±0.2%とし、第3層以外の各層の膜厚は設定値とした。第3層の膜厚は、設定値の場合、設定値より5nm薄い場合、設定値より7nm厚い場合の3通りについて計算を行った。結果を図8に示す。
図8から、第3層の膜厚を設定値から5nm薄い値から設定値から7nm厚い値の範囲に制御することにより、基材3上に形成した多層膜の光学特性(反射率)は、計算した波長域において最大で+0.8%ものずれを示すことがわかった。
尚、本実施形態においては、モニタ基板6を回転させて、モニタ基板6上に複数の互い異なる層構成の多層膜が成膜された分光光学特性測定部61を形成したが、必ずしもモニタ基板6を回転させる必要はない。例えば、モニタ基板マスク4に多数の開閉可能なシャッター付き開口部を形成し、必要に応じてシャッターの開閉をすることが考えられる。
本実施形態においては、モニタ基板6上の分光光学特性測定部61に形成される多層膜の層構成は、例えば、第1層から第3層まで積層した多層膜、第2層および第3層からなる多層膜というように、基材3上に積層される多層膜における連続した層の組み合わせであるが、必ずしもそのような積層膜である必要はない。例えば、第1層と第3層からなる多層膜、第1層と第4層と第5層からなる多層膜、等であってもよい。これらの多層膜は、例えば、モニタ基板マスク4に多数の開閉可能なシャッター付き開口部を形成し、必要に応じてシャッターの開閉をすることによって、モニタ基板6上に形成することができる。
また、本実施形態においては、モニタ基板マスク4を固定して、モニタ基板6を回転させて、モニタ基板6上に複数の互い異なる層構成の多層膜が成膜された分光光学特性測定部61を形成したが、反対に、モニタ基板6を固定して、モニタ基板マスク4を回転させてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、基材上に多層膜を形成する際に、より高精度な膜厚制御が可能となる。
したがって、本発明の成膜方法は、膜厚制御性に優れるため、より高精度の膜厚制御が要求される狭帯域反射防止膜、広帯域反射防止膜、干渉フィルタ、エッジフィルタなどを製造する場合に有用である。
1…真空槽、2…基材ホルダ、3…基材、4…モニタ基板マスク、5…モニタ基板ホルダ、6…モニタ基板、7…分光光学特性モニタ、7a…第2投受光部、7b…光ファイバ、8…光学膜厚モニタ、8a…第1投受光部、8b…光ファイバ、9…光学膜厚測定用光源および受光装置、10…分光光学特性測定用光源および受光装置、11…演算・制御システム、12…膜原料源、41…開口、61…分光光学特性測定部、62…光学膜厚測定部、70〜73…モニタ基板6の一部の領域、81…分光光学特性モニタ部、82…光学膜厚モニタ部

Claims (9)

  1. 基材上に多層膜を形成する成膜方法であって、
    前記多層膜の膜原料源を備える真空槽の内部に、前記基材と、該基材上に形成される多層膜をモニタリングするためのモニタ基板とを配置する配置ステップと、
    真空中で前記膜原料源にエネルギーを付与して、前記基材上に前記膜原料を堆積させて前記多層膜のうちの3層以上の層を形成するとともに、前記モニタ基板上に、単層膜および、複数の互い異なる層構成の多層膜を同時に形成する形成ステップと、
    前記形成ステップにおいて、前記単層膜の光学膜厚を測定する光学膜厚測定ステップと、
    前記モニタ基板上の多層膜の分光光学特性を測定する分光光学測定ステップ、および
    前記測定された光学膜厚および/または分光光学特性から、前記基材上に形成される多層膜の残りの各層の厚みを再設定する再設定ステップを含む成膜方法。
  2. 前記形成ステップが、
    開口が形成されたモニタ基板マスクを前記モニタ基板と前記膜材料源の間で、かつモニタ基板に隣接して配置することと、
    前記基材上に前記膜材料を堆積させながら、前記開口を介して前記膜材料源に対して露出する前記モニタ基板の領域に前記膜材料を堆積させること、および
    前記モニタ基板マスクに対して前記モニタ基板を変位させて、前記モニタ基板の前記膜材料が堆積した領域の一部を前記膜材料源に対して隠蔽し、且つ、該膜材料が堆積していないモニタ基板の領域を前記開口によって前記膜材料源に対して露出させることを含む請求項1に記載の成膜方法。
  3. 前記モニタ基板マスクに対する前記モニタ基板の変位が、回転である請求項2に記載の成膜方法。
  4. 前記モニタ基板は回転軸を有しており、
    前記モニタ基板マスクは円盤状であり、前記開口が前記モニタ基板の回転軸を中心とした円弧状である請求項3に記載の成膜方法。
  5. 前記分光光学特性が、反射率であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の成膜方法。
  6. 前記基材上に前記多層膜のうち第1層から第3層まで形成するとともに、前記モニタ基板上に、第3層の単層膜と、第2層および第3層からなる多層膜と、第1層から第3層まで積層した多層膜および第1層および第2層からなる多層膜とを同時に形成する前記形成ステップと、
    前記形成ステップにおいて、前記第3層の単層膜の光学膜厚を測定する前記光学膜厚測定ステップと、
    前記モニタ基板上の多層膜のうち、少なくとも1個の分光光学特性を測定する前記分光光学測定ステップと、
    前記測定された光学膜厚および/または分光光学特性から、前記基材上に形成される多層膜の第4層以降の厚みを再設定する前記再設定ステップを含む請求項1から5のいずれか一項に記載の成膜方法。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の成膜方法を実施するための成膜装置。
  8. 内部で基材上へ多層膜の成膜を行う真空槽と、
    前記多層膜の各層の光学膜厚のモニタリングを行う光学膜厚モニタと、
    前記多層膜の分光光学特性のモニタリングを行う分光光学特性モニタと、
    前記光学膜厚および/または前記分光光学特性のモニタリング結果から多層膜の成膜の制御を行う演算・制御システムとを有し、
    前記真空槽の内部には、
    前記多層膜の膜原料源と、
    複数の前記基材を回転自在に保持するための基材ホルダと、
    回転軸を有し、前記基材上に形成される多層膜をモニタリングするためのモニタ基板と、
    前記膜原料源と前記モニタ基板の間に配置され、前記モニタ基板を前記膜原料源から遮蔽するモニタ基板マスクと、
    前記モニタ基板を前記回転軸を中心に、前記モニタ基板マスクに相対して回転する回転装置とを備え、
    前記モニタ基板マスクは、前記回転軸を中心とした所定の角度で開いた円弧状の開口を有し、
    前記回転装置が、前記多層膜の各層の成膜毎に、前記円弧を区画する前記所定の角度よりも小さい回転角度で前記モニタ基板を回転する成膜装置。
  9. 前記モニタ基板は、前記モニタ基板マスクの前記開口を介して前記膜材料源に対して露出する露出領域を有し、
    前記露出領域には、単層膜および、複数の互い異なる層構成の多層膜が形成され、
    前記光学膜厚モニタは、前記単層膜の光学膜厚の測定を行うことで、前記基材上の多層膜の各層の光学膜厚のモニタリングを行い、
    前記分光光学特性モニタは、前記モニタ基板上の多層膜の分光光学特性の測定を行うことで、前記基材上の多層膜の分光光学特性のモニタリングを行う請求項8記載の成膜装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113755806A (zh) * 2021-09-10 2021-12-07 四川旭虹光电科技有限公司 反射式磁控溅射镀膜厚度监测装置、镀膜机及方法

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