JP2011074418A - Mo系スパッタリングターゲット - Google Patents

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卓也 石川
Katsunori Iwasaki
克典 岩崎
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Abstract

【課題】 スパッタリング時の異常放電の防止、あるいはターゲットの製造中やスパッタリング中の割れや欠けを防止できる緻密で高強度のNaを含有するMo系スパッタリングターゲットを提供する。
【解決手段】 平均粒径15μm以下のNaF粉末と平均粒径20μm以上のMo粉末との焼結体からなり、NaFを0.1〜8質量%含有し、相対密度90%以上かつ抗折力が150N/mm2以上であるMo系スパッタリングターゲットである。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、カルコパイライト系薄膜太陽電池等の背面電極の形成に用いられるMo系スパッタリングターゲットに関するものである。
現在、シリコン太陽電池、薄膜太陽電池、化合物太陽電池等の様々な太陽電池の開発が進んでおり、その中でも、薄膜太陽電池は薄膜技術を応用した光デバイスとして製造プロセスが簡易かつ低エネルギーで可能となる利点から商品化が進んでいる。また、薄膜太陽電池の中でも、カルコパイライト化合物であるCu(InGa)Se(以下CIGS)系を光吸収層として備えた薄膜太陽電池が有望視されている。
CIGS系薄膜太陽電池は、一般的に、ソーダライムガラス基板、Mo金属からなる背面電極層、CIGS層からなる光吸収層、透明導電膜からなる前面電極で構成される多層積層構造である。
また、CIGS系薄膜太陽電池においては、光吸収層であるCIGS層内にアルカリ金属が適量存在すると、製造された太陽電池の発電効率が向上することが知られている。CIGS層内にNa等のアルカリ金属を含有させる方法としては、ソーダライムガラス基板に含まれるアルカリ金属を加熱することによりCIGS層に拡散させる方法が一般的である。しかし、背面電極を介してソーダライムガラス基板からのアルカリ金属の拡散量を定量的にコントロールすることは難しいため、別途、背面電極上にアルカリ金属を含有する層を形成した上で、CIGS層へのアルカリ金属元素を拡散させ、含有量をコントロールする方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、基板にソーダライムガラスを用いない場合はアルカリ金属の供給源としてNa、NaS、NaSe、NaFなどのNa化合物を用いてNaをCIGS層へドーピングする方法も知られている(例えば非特許文献1参照)。
一方で、ソーダライムガラスからのアルカリ金属の拡散を利用しない方法においては、アルカリ金属を含有する層を別途形成しなければならないため製造工程が増えるという問題がある。そこで、背面電極を形成するためのMoスパッタリングターゲット中へNa等のアルカリ金属元素を添加することで、一度のスパッタリングでアルカリ金属元素を含有したMoの背面電極形成する要望が高まっている。
特開2007−266626号公報
濱川圭弘編著、「フォトニクスシリーズ3 太陽電池」、コロナ社、2004年7月、p144
一般的に、融点が2600℃を超えるような高融点金属であるMoは、ターゲットを作製するのに溶解鋳造法を適用するのが困難であるため、Mo粉末を原料とした粉末焼結法が適用されている。
そこで、Naを含有するMo系ターゲットを粉末焼結法で作製することを検討したところ、Naを単体で使用する場合には、Na単体では水分と激しく反応するため、粉末を混合する際の扱いが困難であるという問題がある。また、Naは融点が97.6℃、沸点が883℃と低く、そのまま添加するとMoの焼結が進行する温度域まで焼結温度を高く設定することが困難なため、緻密化が困難であり、スパッタリング時の異常放電の原因となる他、ターゲットの製造時やスパッタリング中に割れや欠けが発生するという問題がある。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、緻密で高強度のNaを含有するMo系スパッタリングターゲットを提供することである。
本発明者は、十分なNa含有量を確保すると同時に、Na源として融点の高いNaF粉末を使用し、一定粒度へ粗粒化したMo粉末との焼結体とすることで、緻密で高強度のNa含有Moターゲットが得られることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明は平均粒径15μm以下のNaF粉末と平均粒径20μm以上のMo粉末との焼結体からなり、NaFを0.1〜8質量%含有し、相対密度90%以上かつ抗折力が150N/mm2以上であるMo系スパッタリングターゲットである。
本発明によれば、Naを含有した緻密で高強度のMo系スパッタリングターゲットを得ることが可能であり、スパッタリング時の異常放電の防止、あるいはターゲットの製造中やスパッタリング中の割れ、欠けを防止できる。また、本発明のMo系スパッタリングターゲットを使用してスパッタ成膜することでNaを含有した太陽電池の背面電極が形成できるため、太陽電池の製造において極めて有効である。
本発明の重要な特徴は、上述したように十分なNa含有量を確保すると同時に、Na源として融点の高いNaF粉末を使用して、一定粒度へ粗粒化したMo粉末との焼結体とすることで緻密で高強度のターゲットを得たことにある。
以下本発明の実施形態に付いて説明する。
本発明においては、Mo系スパッタリングターゲットは、平均粒径15μm以下のNaF粉末と平均粒径20μm以上のMo粉末との焼結体とする。
Na源として、NaF粉末を適用する理由は、NaOやNaといったNa酸化物やNaSの粉末に比べて水に溶けにくいため扱いやすく、また、融点が993℃と高く、Mo粉末との粉末焼結において、Mo粉末の焼結が進行する温度域へ焼結温度を上げることが可能となるため、Naを含有するMo焼結体の緻密化に効果的であるためである。
このように融点の高いとされるNaFの適用は有効であるが、その融点直下の焼結温度であっても、2600℃を超える融点を持つMo粉末を焼結するのは容易ではない。
また、本発明者の検討によれば、低温での焼結に有利なはずの10μm以下の微細なMoを使用すると、局所的な焼結は進行し強度(抗折力)は向上するが、反面密度を向上することができないことを確認した。
そこで、本発明では、平均粒径15μm以下のNaF粉末と少なくとも平均粒径20μm以上のMo粉末という、Moの粒径を相対的に大きくした所定の粉末粒度に調整した。
本発明においては、この粒度調整により、緻密かつ高強度を有する、具体的には相対密度90%以上かつ抗折力が150N/mm以上、好ましくは相対密度98%以上かつ抗折力200N/mm以上、であるスパッタリングターゲットを得ることができたのである。 なお、粉末のハンドリング性を確保するためにNaF粉末の平均粒径は2μm以上であることが好ましく、焼結性の確保するためにMo粉末の平均粒径は200μm以下が好ましい。
また、本発明においては、NaFの含有量を0.1〜8質量%とする。それは、NaFが0.1質量%未満であると、スパッタ成膜したNaを含有したMo背面電極中のNa量が十分でなく、CIGS層へのNaドープ効果が十分に発揮されないためである。一方で、NaFの含有量が8質量%を超えると、焼結体中のMo粉末粒子間に多量のNaFが存在することになるため、Mo粉末粒子同士の拡散結合が十分得られなくなり、ターゲットとして必要な抗折力が得づらくなるためである。また、NaFの好ましい範囲は0.5〜5質量%である。
また、緻密化した焼結体のターゲットを得るためには、NaF粉末とMo粉末との混合粉末を加圧焼結法によって作製することが望ましい。加圧焼結法としては、ホットプレス、熱間静水圧プレス、通電加圧焼結、熱間押し出しなどの方法を適用することができる。中でも熱間静水圧プレスは加圧圧力が高く、最高温度を低く抑えても、緻密な焼結体が得られ易いため、特に好ましい。
なお、加圧焼結時の最高温度は850℃以上、990℃以下の温度に設定することが好ましい。この理由は焼結温度が850℃を下回ると、緻密な焼結体が得られ難く、990℃を超えるとNaF粉末が溶融する可能性があり、加圧焼結の容器に使用される軟鉄等に含まれる鉄との反応が発生することが考えられるためである。
また、加圧焼結時の最高圧力は20MPa以上に設定することが好ましい。その理由は最高圧力が20MPaを下回ると緻密な焼結体が得にくいためである。
以下の実施例で本発明を更に詳しく説明する。
まず、市販の平均粒径6μmのMo粉末(粉末A)を準備し、混合機で混合後に軟鋼製加圧容器に充填して熱間静水圧プレスで加圧焼結したMo焼結体を得た。得られたMo焼結体を削り出してダライ粉を得、これを粉砕処理して粉末とし、次いで還元処理を行なって平均粒径100μmに調整したMo粉末(粉末B)を得た。
続いて、上記のMo粉末(粉末B)に、平均粒径7μmのNaF粉末をそれぞれ2、5、10質量%となるように秤量し、クロスロータリーミキサーで混合して混合粉末を得た。この混合粉末を軟鉄製の加圧容器に充填した後に400℃で加熱しながら1×10−3Paまで減圧脱気して封止した。この密封した軟鉄製の加圧容器を熱間静水圧プレス装置の炉体内部に設置して950℃、120MPa、1時間の加圧焼結を実施した。加圧焼結後に軟鉄製の加圧容器を除去して焼結体を得た。
また、上記の平均粒径6μmのMo粉末(粉末A)をそのまま使用して、平均粒径7μmのNaF粉末を2質量%となるように秤量する以外は、上記と同様に加圧焼結して焼結体を得た。
その後、上記で得られた各焼結体から5mm×5mm×30mmの試験片をそれぞれ4本採取し、抗折力を測定した。なお抗折力の測定方法は以下の通りとした。25mmの間隔で設置された2つの支えに試験片を乗せ、中央部に押し金を当てて移動速度0.5mm/minで徐々に荷重を加えて、静的に破断した時の荷重より算出した。それぞれの抗折力測定結果の平均値を表1に示す。
また、相対密度は、得られた各焼結体から試験片を採取し、試験片から真密度を測定して、真密度/理論密度×100=相対密度(%)として表した。それぞれの相対密度を表1に示す。
Figure 2011074418
表1から、本発明例である平均粒径20μm以上のMo粉末を使用した焼結体で、NaFを2質量%、5質量%含有した試料1、2では、抗折力を150N/mm以上、相対密度90%以上とすることが可能であることが分かる。また、平均粒径20μm以上のMo粉末を使用した焼結体でも8質量%を超えた10質量%のNaFを含有した試料3では、相対密度90%以上を実現できるが、抗折力は58.3N/mmと低い抗折力の焼結体しか得られないことが分かる。また、試料4から平均粒径6μmの微細なMo粉末を使用した場合には相対密度が90%に満たない焼結体しか得られないことが分かる。

Claims (1)

  1. 平均粒径15μm以下のNaF粉末と平均粒径20μm以上のMo粉末との焼結体からなり、NaFを0.1〜8質量%含有し、相対密度90%以上かつ抗折力が150N/mm以上であることを特徴とするMo系スパッタリングターゲット。
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