JP2011074109A - 保護シート - Google Patents

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Mikihiro Endo
幹大 遠藤
Yusuke Sugiyama
裕輔 杉山
Tatsuya Itakura
達也 板倉
Katsuhiko Ikeda
勝彦 池田
Tomiyoshi Tsuruoka
富義 鶴岡
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Nichiban Co Ltd
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Abstract

【課題】 塗装表面からはがしたときに端部に貼り跡が視認できない保護シートの提供。
【解決手段】 樹脂フィルムの少なくとも一方の面に粘着剤層を設けた保護シートにおいて、裁断した該シートの端部における粘着剤層方向に突き出した凸部の高さが該シートの粘着剤層の厚さ以下である保護シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、塗装表面等を保護する表面保護シートに関する。
従来、塗装表面等を埃や酸性雨等から保護するために、粘着剤層を有する樹脂フィルムを貼付する方法が知られている。例えば特許文献1には、塗装表面に貼り付けて表面を保護し、粘着剤が残留することなしに塗装表面から剥がすことができる表面保護粘着シート用の粘着剤が開示されている。その他、特許文献2には、フィルムの端部に粘着剤がはみ出して残留することのない表面保護フィルムが開示されている。
特開平11−131031号公報 特開平11−256116号公報
しかし、従来の表面保護シートでは、貼付後、塗装表面から剥がしたとき、粘着剤の残留はないが、シートの端部に、貼り跡が発生することがわかった。この端部にのみ発生する貼り跡を解消した保護シートはこれまで存在しなかった。例えば、特許文献2では、これは端部の粘着剤残留については言及しているものの、貼り跡については何ら記載されていない。
従来の表面保護シートの端部の貼り跡は、肉眼でかすかに視認できる。しかし、例えば自動車や家具のような高価かつ外観が重要な製品の表面保護においては、外観上の美観が損なわれると、外観上の品質が低下する。したがって、端部に貼り跡の発生しない保護シートが求められていた。すなわち、本発明の課題は、塗装表面からはがしたときに端部に貼り跡が視認できない保護シートを提供することにある。
本発明による保護シートは、樹脂フィルムの少なくとも一方の面に粘着剤層を設けた保護シートにおいて、該シートの端部における凸部の高さがシートの粘着剤層の厚さ以下である保護シートである。
本発明における裁断には、スライサー方式による裁断、スリッター方式による裁断、打ち抜き方式による裁断も含まれる。
本発明による保護シートは、シートの裁断方式がレザーカットスリッター方式であってもよい。
本発明による保護シートは、ウレタン系塗装被膜保護用である保護シートであってもよい。
本発明によれば、塗装表面から剥がしたときに端部に貼り跡が視認できない保護シートを提供することができるという効果が得られる。
図1は、保護シートの貼り跡が発生する問題の保護シートの凸部の模式図である。 図2は、保護シートの貼り跡が発生する問題の保護シートの凸部の顕微鏡写真である。 図3は、保護シートの貼り跡が発生する問題の保護シートの凸部の模式図である。 図4は、貼り跡段差を示す概念断面図である。
《構成》
本発明では、樹脂フィルムの少なくとも一方の面に粘着剤層を設けた保護シートにおいて、該シートの端部に粘着剤層方向に凸部(バリ)が突き出していない、即ち、凸部が存在しない又は基材(樹脂フィルム)方向に凸部が突き出していることがより好適である。
本発明における凸部とは、保護シートの端部で保護シートよりも薄く延びた突き出し部分を意味する。これはシートを裁断する時に発生することがある。本発明における「凸部の高さ」とは、保護シートの端部における粘着剤層と基材層の界面から、凸部の先端までの垂直方向の高さを言う。
ここで、本最良形態でない、保護シートの貼り跡が発生する問題の保護シートの凸部の模式図を図1に示す。ここで、問題となる保護シートは、基材層10に粘着剤層20が設けられており、保護シートの端部に凸部30が発生している。凸部は基材由来の硬度の高いものが特に問題となる。
また問題となる凸部の部分の顕微鏡写真を図2に示す。図2は、保護シートの側面から撮影した写真である。1は保護シートの厚みであり、2は粘着剤層の厚みであり、3は凸部の高さを示す。このように、凸部の高さが粘着剤層の厚さよりも大きい場合、保護シートの貼り跡が発生する。ここで、「粘着剤層の厚さ」とは、保護シートの端部における粘着剤層の厚さを意味する。
本発明のシートの裁断方式は特に限定されないが、レザーカットスリッター方式が好ましい。スリッター方式とは、原反ロールを巻きほどきながら任意の幅で、長さ方向に連続的に切断、すなわちスリットし、再び巻き取る裁断方式である。ここで、レザーカットスリッター方式とは、裁断に剃刀(レザー)を用いるスリッター方式である。レザーカットスリッター方式については、日本粘着テープ工業会「粘着ハンドブック(第3版)」(2005年10月1日発行)の206頁に解説がなされている。また、レザーカットスリッター方式において、粘着剤面から入刃することが好適である。
本発明の保護シートの厚さは特に限定されないが、300μm以下が好ましい。特に限定されないが、下限値は、25μmである。
基材
本発明の保護シートの基材として用いる樹脂フィルムは特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/αオレフィン共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂等を適宜用いることができる。また、基材はこれらの樹脂単体でも、混合物や2層以上の積層体でもよい。基材として用いる樹脂フィルムは、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましく、ポリオレフィン系樹脂がより好ましい。
基材として用いる樹脂フィルムには、文字、情報、模様、絵、写真等の図案や単一色を印刷してもよい、さらに貼り付け時に混入しやすい気泡を除去するために連続的な凹凸模様を設けてもよい。
基材として用いる樹脂フィルムには、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて酸化チタンやカーボンブラック、炭酸カルシウムのような充填剤を含んでもよい。充填剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、基材全体の重量に対して、20〜0質量%が好適であり、15〜0質量%がより好適であり、10〜0.1質量%が更に好適である。
基材として用いる樹脂フィルムには、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤のうちから選択される少なくともひとつを含んでいてもよい。これらの成分の含有量は、特に限定されないが、例えば、基材全体の重量に対して、5〜0質量%が好適であり、3〜0.1質量%がより好適であり、3〜0.5質量%が更に好適である。
基材として用いる樹脂フィルムは、単層でも積層でもよい。これらのシートに粘着剤層を設けることにより保護シートを製造することができる。
粘着剤層
粘着剤層に用いる粘着剤は特に限定されず、ポリイソブチレン等のポリマーや、ポリイソプレンやポリブタジエン等のジエン系ポリマーおよびその水添物、エチレン/プロピレンエラストマー、エチレン/αオレフィン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン/αオレフィン3元共重合体などのポリオレフィン系エラストマー、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体(SBS)、ポリイソブチレン/ポリブテンブロック重合体、及びその水添物等のブロック共重合体、スチレン/ブタジエンランダム共重合体やその水添物などのランダム共重合体、アクリル系ポリマー等を一種または二種以上含むことができる。
粘着剤層に用いる粘着剤は、本発明の目的を損なわない範囲で、軟化剤、粘着付与樹脂を含んでいてもよい。これらの成分の含有量は、特に限定されないが、例えば、粘着剤全体の重量に対して、50〜0質量%が好適であり、40〜1質量%がより好適であり、30〜5質量%が更に好適である。
粘着剤層に用いる粘着剤には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて酸化チタンやカーボンブラック、炭酸カルシウムのような充填剤を含んでもよい。充填剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、粘着剤全体の重量に対して、20〜0質量%が好適であり、15〜0質量%がより好適であり、10〜0.1質量%が更に好適である。
粘着剤層に用いる粘着剤には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤のうちから選択される少なくともひとつを含んでいてもよい。これらの成分の含有量は、特に限定されないが、例えば、粘着剤全体の重量に対して、5〜0質量%が好適であり、3〜0質量%がより好適であり、2〜0.1質量%が更に好適である。
《製造方法》
本最良形態に係る保護シートの製造方法は、特に限定されないが、例えば、基材となる樹脂フィルムに、粘着剤層を設ける粘着剤層形成工程と、前記粘着剤層を有する基材を裁断する裁断工程と、を含む工程により製造される。前記粘着剤層形成工程においては、更に、粘着剤を塗工する塗工工程と、前記塗工膜を乾燥させる乾燥工程が含まれていてもよい。以下、各工程について詳細に説明する。
粘着剤層形成工程では、樹脂フィルム上に粘着剤層を設ける。基材として用いる樹脂フィルムに粘着剤層を設ける方法は、特に限定されず、溶展塗工法、ホットメルト塗工法、共押出し法など公知の方法を用いることができる。ここで、溶展塗工法により基材表面に粘着剤を塗布する場合には、その後に、乾燥工程が必要となる。
裁断工程では、粘着剤層を設けた樹脂フィルムを裁断する。ここで、裁断方法は、得られる保護シートの凸部が本最良形態において規定した範囲内であれば特に限定されないが、例えば、スライサー方式であっても、スリッター方式であってもよい。これらの中でもスリッター方式が好適である。スリッター方式としては、シャーカット方式、レザーカット方式、スコアカット方式が挙げられる。また、これらのスリッター方式の中でも、レザーカット方式が特に好適である。レザーカットスリッター方式により裁断することにより、特に凸部を少なくすることができる。
スライサー方式により裁断を行う場合、保護シートを逆まき(粘着剤層を外向き)にしてロールを形成して裁断し、凸部を基材側に突き出させることにより、粘着剤層側に凸部が突き出なくなり、貼り跡の視認できない保護シートとすることができる。
《使用方法》
本最良形態に係る保護シートの使用方法としては、特に限定されないが、自動車や家具のような製品の塗装面に傷つき防止のために貼り付けて使用する。特に、ウレタン系塗料等を塗装した後、塗料が完全に固まっていない柔らかい状態の塗装面に保護フィルムを貼り付けても貼り跡が視認できない。
実施例
基材となる樹脂フィルム:ポリエチレン(PE)片面マット、厚さ100μm(弾性率150MPa)
粘着剤:ポリイソブチレン:ポリブテン=70重量部:30重量部、厚さ10μm
裁断方式:レザーカットスリッター方式(糊面から入刃)
上記ポリエチレンフィルムのマット面の反対側に、上記粘着剤を溶展塗工法を用いて、乾燥後10μmの厚さで塗布した。このシートをレザーカットスリッター方式で糊面から入刃して裁断した。顕微鏡でシート裁断端部を観察したところシート裁断部端部には凸部が全く見られなかった。
被着体とした塗装パネル:
厚さ3mmのポリプロピレン樹脂板にオレフィン系プライマーを乾燥後厚さ8μmとなるように塗布し常温で10分乾燥、その上に1液型のアクリル系ベースコートを乾燥後厚さ15μmとなるように塗布し常温で10分乾燥、さらにその上に2液型ウレタン硬化型クリヤコートを乾燥後厚さ30μmとなるように塗布し80℃にて20分間で焼き付けた。
また、塗膜A(黒)で用いたアクリル系ベースコートは(株)関西ペイント製のソフレックス(商標名)415Hであり、ウレタン系クリヤコートは(株)関西ペイント製のソフレックス(商標名)7500Hである。また、塗膜B(赤)で用いたアクリル系ベースコートは日本ビー・ケミカル(株)製のR301であり、ウレタン系クリヤコートは日本ビー・ケミカル(株)製のR290である。
塗装パネルにテープを貼付後、下表のテスト条件下に放置し、24h後取出してテープを剥がした。その後、常温に24h放置して、テープ端部に発生した貼り跡段差を(株)小坂研究所製のサーフコーダーET4000Aにて測定した。端部貼り跡の谷部と山部の高さを貼り跡段差とした。貼り跡段差を示す概念断面図を図4に示す。
比較例
基材となる樹脂フィルム:同上
粘着剤:実施例に準じた。
裁断方式:スライサーカット方式 (糊面と逆の面から入刃)
裁断方式をスライサーカット方式とした他は実施例に準じた。
シート裁断部を顕微鏡を用いて観察したところ端部には高さ180μmの粘着剤層方向に突き出した凸部が発生していた。
貼り跡段差の測定条件
測定機:小坂研究所(製)サーフコーダーET4000A
測定針:R2μm
測定荷重:100μN
測定速度:0.02m/s
測定距離:0.4mm
カットオフ:0.25mm
測定回数:N=3
結果
実施例は、貼り跡が発生しなかった。一方、比較例は、保護シートをはがしたとき、端部に貼り跡が発生していた。これらの結果を表1に示す。

Claims (4)

  1. 樹脂フィルムの少なくとも一方の面に粘着剤層を設けた保護シートにおいて、裁断した該シートの端部において粘着剤層方向に凸部が突き出していない、又は、粘着剤層方向に凸部が突き出している場合であっても当該凸部の高さが該シートの粘着剤層の厚さ以下である保護シート。
  2. 前記樹脂フィルムの裁断方式がスリッター方式である、請求項1に記載の保護シート。
  3. 前記樹脂フィルムの裁断方式がレザーカットスリッター方式である、請求項2に記載の保護シート。
  4. ウレタン系塗装被膜保護用である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の保護シート。
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