JP2011072448A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検体の心拍が変動しても所望の心位相のときにデータを収集することが可能な磁気共鳴イメージング装置を提供する。
【解決手段】時刻tnにおける心拍数HRと、時刻tn−1における心拍数HRとが同じであるか否かを求めることによって、心拍が変動したか否かを判断する。心拍は変動していないと判断された場合、遅延時間TD1を更新することなく次のパルスシーケンスPSを実行する。心拍は変動したと判断された場合、新たな遅延時間TD1を決定し、遅延時間TD1を更新する。遅延時間TD1を更新した場合、次のパルスシーケンスPSは、更新された遅延時間TD1に従って実行される。不整脈などにより、心位相Hが心収縮期SPと判断された場合、次のパルスシーケンスPSで、データが取り直される。
【選択図】図4

Description

本発明は、被検体からデータを収集する磁気共鳴イメージング装置に関する。
動脈血を撮影する方法として、FSE(Fast Spin Echo)を用いた非造影MRA(Magnetic
Resonance Angiography)が知られている(特許文献1参照)。
特開2008-086748号公報
FSEを用いた非造影MRAでは、心収縮期のときにデータを収集してしまうと、動脈血を強調して描出することができない場合がある。したがって、データ収集は、できるだけ心拡張期のときの行う必要がある。そこで、心拡張期のときにデータ収集が行われるように、心拍に同期して撮影することが行われている。しかし、撮影中に被検体の心拍が変動してしまうと、心拡張期にデータを収集することができない場合がある。
本発明は、上記の事情に鑑み、被検体の心拍が変動しても所望の心位相のときにデータを収集することが可能な磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
上記の問題を解決する本発明の磁気共鳴イメージング装置は、
被検体の心拍を表す生体信号のトリガポイントに同期してパルスシーケンスを繰り返し実行し、前記被検体からデータを収集する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記生体信号のトリガポイントと前記パルスシーケンスとの間の遅延時間を決定する遅延時間決定手段を有し、
前記遅延時間決定手段は、前記被検体の心拍が変動した場合、前記遅延時間の値を更新する。
本発明では、被検体の心拍が変動した場合、被検体の心拍とパルスシーケンスとの間の遅延時間の値を更新している。したがって、被検体の心拍が変動しても所望の心位相のときにデータを収集することが可能となる。
本発明の第1の実施形態の磁気共鳴イメージング装置の概略図である。 被検体14の撮影部位の一例を示す図である。 被検体14を撮影するときに使用されるパルスシーケンスPSの一例を示す図である。 心拍同期法の説明図である。 TI=1.5(sec)、u=0.2、HR=60の場合の係数kの値について説明する図である。 TI=1.5(sec)、u=0.2、HR=40の場合の係数kの値について説明する図である。 係数k=0の場合のPG信号とパルスシーケンスPSとの関係について説明する図である。 撮影中に被検体14の心拍が変動した様子を示す図である。 MRI装置1の処理フローを示す図である。 図9の処理フローが実行されているときのPG信号およびパルスシーケンスPSを示す図である。 図9の処理フローが実行されているときのPG信号およびパルスシーケンスPSを示す図である。 図9の処理フローが実行されているときのPG信号およびパルスシーケンスPSを示す図である。 心拍数cのときのPG信号のピーク間隔PPint=wcが、心拍数aのときのPG信号のピーク間隔PPint=waより短くなった場合の説明図である。 被検体14に不整脈が発生した場合のPG信号とパルスシーケンスPSとの関係を示す図である。 データを取り直すときのフローを説明する図である。 図15の処理フローが実行されているときのPG信号およびパルスシーケンスPSを示す図である。 データ収集シーケンスDAQの終了直後における心位相H’を求めることが好ましい場合の説明図である。
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されることはない。
(1)第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態の磁気共鳴イメージング装置の概略図である。
磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置と呼ぶ)1は、磁場発生装置2、テーブル3、脈波センサ4、受信コイル5などを有している。
磁場発生装置2は、被検体14が収容されるボア21と、超伝導コイル22と、勾配コイル23と、送信コイル24とを有している。超伝導コイル22は静磁場B0を印加し、勾配コイル23は勾配パルスを印加し、送信コイル24はRFパルスを送信する。
テーブル3は、被検体14を搬送するためのクレードル31を有している。クレードル31によって、被検体14はボア21に搬送される。
脈波センサ4は、被検体14の脈波を検出する。
受信コイル5は、被検体14の頭部14aに取り付けられており、頭部14aからの磁気共鳴信号を受信する。
MRI装置1は、更に、シーケンサ6、送信器7、勾配磁場電源8、PGユニット9、受信器10、中央処理装置11、入力装置12、および表示装置13を有している。
シーケンサ6は、中央処理装置11の制御を受けて、RFパルスの情報(中心周波数、バンド幅など)を送信器7に送り、勾配磁場の情報(勾配磁場の強度など)を勾配磁場電源8に送る。
送信器7は、シーケンサ6から送られた情報に基づいて、送信コイル24を駆動する。
勾配磁場電源8は、シーケンサ6から送られた情報に基づいて、勾配コイル23を駆動する。
PGユニット9は、脈波センサ4からのPG(Peripheral Gating)信号にデジタル化処理を含む各種の処理を施し、中央処理装置11に伝送する。
受信器10は、受信コイル5で受信された磁気共鳴信号を信号処理し、中央処理装置11に伝送する。
中央処理装置11は、シーケンサ6および表示装置13に必要な情報を伝送したり、受信器10から受け取った信号に基づいて画像を再構成するなど、MRI装置1の各種の動作を実現するように、MRI装置1の各部の動作を総括する。また、中央処理装置11は、PGユニット9からの信号に基づいて、パルスシーケンスを実行するときの遅延時間TD1(後述する図4参照)を決定する。中央処理装置11は、例えばコンピュータ(computer)によって構成される。尚、中央処理装置11は、特許請求の範囲における遅延時間決定手段、判断手段、データ取直し決定手段、および心拍数算出手段の一例であり、所定のプログラムを実行することにより、これらの手段として機能する。
入力装置12は、オペレータ15の操作に応じて、種々の命令を中央処理装置11に入力する。
表示装置13は種々の情報を表示する。
上記のように構成されたMRI装置1を用いて、被検体14を撮影する。
図2は、被検体14の撮影部位の一例を示す図、図3は、被検体14を撮影するときに使用されるパルスシーケンスPSの一例を示す図である。
本実施形態では、被検体14の頭部14aおよび頸部14bを撮影する。MRI装置1は、心臓14cからの動脈血14dの流入効果を利用して、撮像領域Rにおける動脈血14dを描出するためのパルスシーケンスPSを実行する。
パルスシーケンスPSは、選択反転パルスSIR(Selective Inversion Recovery)およびデータ収集シーケンスDAQを有している。
選択反転パルスSIRは、被検体14の撮像領域R(図2参照)の血液(動脈血および静脈血)の縦磁化を反転させるパルスである。選択反転パルスSIRの反転時間TIは、選択反転パルスSIRによって血液の縦磁化を反転させてから、反転した血液の縦磁化がヌルポイントに到達するまでの時間に設定されている。反転時間TIは、例えば1(sec)〜1.5(sec)程度の値である。反転時間TIの間に、心臓14cからの動脈血14dが撮像領域Rに流入するので、反転時間TIが経過した時点でデータ収集シーケンスDAQを実行することによって、動脈血が強調して描出されるとともに静脈血が抑制されたMR画像を得ることができる。データ収集シーケンスDAQは、例えばFSE(Fast Spin Echo)や、SSFP(Steady
State Free Precession)である。
動脈血14dの流入効果を利用して動脈血14dを描出する場合、心臓14eの心収縮期にデータを収集してしまうと、フローボイド(Flow Void)によって動脈血14dを高コントラストで描出することができなくなるので、データ収集シーケンスDAQはできるだけ心拡張期に実行することが望まれる。そこで、本実施形態では、心拍同期法によってパルスシーケンスPSを実行している。以下に、心拍同期法について説明する。
図4は、心拍同期法の説明図である。
図4(a)は、PG信号を示す図であり、図4(b)は、パルスシーケンスPSを示す図である。
上記のように、データ収集シーケンスDAQは、心拡張期DPに実行されることが望ましい。心拡張期DPの開始時点は、PG信号のピークPn+kからの時間Tsによって規定することができ、心拡張期DPの終了時点は、PG信号のピークPn+kからの時間Teによって規定することができる。時間TsおよびTeは、PG信号のピーク間隔PPintの値を用いて、例えば、以下の式で表すことができる。
Ts=v1×PPint ・・・(1)
Te=v2×PPint ・・・(2)
式(1)の係数v1および式(2)の係数v2は、予め決められる値であり、例えば、v1=0.15、v2=0.85である。v1およびv2の値は、経験的に決めてもよく、PG信号のピーク間隔PPintの値に基づいて決めてもよい。
データ収集シーケンスDAQを心拡張期DPに実行するためには、データ収集シーケンスDAQは、PG信号のピークPn+kから遅延時間TD2だけ遅延させて実行すればよい。遅延時間TD2は、PG信号のピーク間隔PPintの値に基づいて決めており、以下の式で表される。
TD2=u・PPint ・・・(3)
ただし、v1≦u<v2
係数uは、予め決められる値であり、例えば、u=0.2である。uの値は、経験的に決めてもよく、PG信号のピーク間隔PPintの値に基づいて決めてもよい。u=0.2の場合、TD2=0.2PPintとなる。ピークPn+kの直前および直後は心収縮期SPであるが、ピークPn+kから0.2PPintだけ遅れた時刻では、心拡張期DPに十分に移行していると考えられるので、データ収集シーケンスDAQを心拡張期DPに開始することができる。ただし、係数uの値を係数v2の値に近づけすぎると、ピーク間隔PPintの値によっては、データ収集シーケンスDAQが心拡張期DPからはみ出てしまうので、係数uの値は、できるだけ係数v1の値に近いことが望ましい(尚、ここでは、データ収集シーケンスDAQに掛かる時間TAは、心拡張期DPよりもある程度短いとする)。したがって、PG信号のピークPn+kを、データ収集シーケンスDAQを実行するためのトリガポイントにすることができれば、ピークPn+kから遅延時間TD2だけ遅れてデータ収集シーケンスDAQを開始させることによって、データを心拡張期DPに収集できる。
しかし、パルスシーケンスPSは、データ収集シーケンスDAQの前に、選択反転パルスSIRを有している。したがって、データ収集シーケンスDAQの直前に発生するPG信号のピークPn+kをトリガポイントとすることはできず、データ収集シーケンスDAQの直前に発生するPG信号のピークPn+kをトリガポイントにしなければならない。このため、データ収集シーケンスDAQを心拡張期DPに実行するには、データ収集シーケンスDAQがPG信号のピークPn+kから遅延時間TD2だけ遅れて実行されるように、パルスシーケンスPSの遅延時間TD1を決定する必要がある。以下に、パルスシーケンスPSの遅延時間TD1の決定方法について説明する。
図4から、遅延時間TD1、反転時間TI、ピークPnとピークPn+kとの間の間隔L、および遅延時間TD2の間には、以下の関係式が成り立つ。
TD1+TI=L+TD2 ・・・(4)
ここで、ピーク間隔PPintは、パルスシーケンスPSが実行されている間は変化しない一定値であると仮定する。この場合、ピークPnとピークPn+kとの間の間隔Lは、以下の式のように、ピーク間隔PPintの整数倍で表される。
L=k・PPint ・・・(5)
ここで、k:整数
式(5)を式(4)に代入すると、以下の式が得られる。
TD1+TI=k・PPint+TD2 ・・・(6)
式(6)から、遅延時間TD1は、以下の式で表される。
TD1=k・PPint+TD2−TI ・・・(7)
式(3)を式(7)に代入すると、以下の式が得られる。
TD1=k・PPint+u・PPint−TI ・・・(8)
また、ピーク間隔PPintは、心拍数HRを用いて、以下の式で表される。
PPint=60/HR ・・・(9)
したがって、式(9)を式(8)に代入すると、以下の式が得られる。
TD1=k・(60/HR)+u・(60/HR)−TI ・・・(10)
式(10)において、反転時間TIは、パルスシーケンスPSによって決まる固定値であり、心拍数HRは、PG信号から求められる値である。また、係数uは、式(3)を参照しながら説明したように、予め決められる値である。したがって、係数kの値を求めることができれば、遅延時間TD1を決定することができる。以下に、係数kの算出方法について説明する。
係数kを算出する場合、先ず、反転時間TIの値と遅延時間TD2の値とを比較する。反転時間TIはパルスシーケンスPSによって決まる固定値であり、遅延時間TD2は心拍数HRから求められる値であるので(式(3)および(9)参照)、反転時間TIの値および遅延時間TD2の値は知ることができる。反転時間TIの値と遅延時間TD2の値とを比較すると、以下の場合に分けられる。
TI≧TD2、又はTI<TD2 ・・・(11)
以下に、係数kを算出する手順について、TI≧TD2の場合と、TI<TD2の場合とに分けて考察する。
(1) TI≧TD2の場合
先ず、図4から、以下の式が成り立つことがわかる。
TI−TD2<L<TI−TD2+PPint ・・・(12)
ここで、遅延時間TD2は式(3)で表され、間隔Lは式(5)で表され、ピーク間隔PPintは式(9)で表されるので、式(12)は、以下の式に変形できる。
TI−u・(60/HR)<k・(60/HR)<TI−(u−1)・(60/HR) ・・・(13)
式(13)において、反転時間TIはパルスシーケンスPSによって決まる固定値であり、係数uは予め決められる値であり、心拍数HRはPG信号から計測される値である。したがって、式(13)が成り立つ整数kを求めることができる。例えば、TI=1.5(sec)、u=0.2、HR=60の場合、係数kは、以下のようになる。
図5は、TI=1.5(sec)、u=0.2、HR=60の場合の係数kの値について説明する図である。
TI=1.5(sec)、u=0.2、HR=60の場合、式(13)は、以下のようになる。
1.3<k<2.3
したがって、式(13)を満たす整数kは、k=2となることがわかる。k=2の場合、PG信号のピークPnとPn+2との間の間隔Lは、L=2・PPintとなる。
k=2、TI=1.5(sec)、u=0.2、HR=60を式(10)に代入すると、TD1=0.7(sec)となる。したがって、PG信号のピークPnから0.7(sec)だけ遅延させてパルスシーケンスPSを実行させることによって、データ収集シーケンスDAQを心拡張期DPに実行することができる。
また、TI=1.5(sec)、u=0.2、HR=40の場合、係数kは、以下のようになる。
図6は、TI=1.5(sec)、u=0.2、HR=40の場合の係数kの値について説明する図である。
TI=1.5(sec)、u=0.2、HR=40の場合、式(13)は、以下のようになる。
1.2<1.5k<2.7
したがって、式(13)を満たす整数kは、k=1となることがわかる。k=1の場合、PG信号のピークPnとPn+1との間の間隔Lは、L=PPintとなる。
k=1、TI=1.5(sec)、u=0.2、HR=40を式(10)に代入すると、TD1=0.3(sec)となる。したがって、PG信号のピークPnから0.3(sec)だけ遅延させてパルスシーケンスPSを実行させることによって、データ収集シーケンスDAQを心拡張期DPに実行することができる。
(2) TI<TD2の場合
TI<TD2の場合は、図4において、PG信号のピークPnとPn+kが一致していると見なすことができる。したがって、ピークPnとPn+kとの間の間隔L=0となるので、k=0となる。係数k=0の場合、PG信号とパルスシーケンスPSとの関係は、以下のようになる。
図7は、係数k=0の場合のPG信号とパルスシーケンスPSとの関係について説明する図である。
k=0の場合、PG信号のピーク間隔PPintの間に、パルスシーケンスPSが実行されることになる。k=0を式(10)に代入すると、以下の式が得られる。
TD1=u・(60/HR)−TI ・・・(10)’
上記のように、反転時間TIは、パルスシーケンスPSによって決まる固定値であり、心拍数HRはPG信号から求められる値であり、係数uは予め決められる値である。したがって、式(10)’を用いて、遅延時間TD1を決定することができる。
以上説明したように、係数kを算出することができるので、式(12)を用いることいよって、遅延時間TD1が求められることがわかる。
しかし、撮影中に被検体14の心拍が変動することがある。
図8は、撮影中に被検体14の心拍が変動した様子を示す図である。
図8(a)は、心拍数HR=aのときのPG信号を示す図、図8(b)は、心拍数HRがaからbに変化した場合のPG信号を示す図、図8(c)は、n回目のパルスシーケンスPSと、n+1回目のパルスシーケンスPSとを示す図である。
図8を参照すると、心拍数HR=aの場合(図8(a)参照)、遅延時間TD1=td11でパルスシーケンスPSを実行することによって、データ収集シーケンスDAQは心拡張期DPaに実行される。しかし、心拍数HRがHR=bに変化すると(図8(b)参照)、データ収集シーケンスDAQの大部分が心収縮期SPbに実行されてしまうことになる。したがって、心拍が変動したにもかかわらず、遅延時間TD1=td11でパルスシーケンスPSを実行し続けてしまうと、動脈を十分に強調して描出することができない恐れがある。そこで、第1の実施形態のMRI装置1は、撮影中に心拍が変動した場合、遅延時間TD1の値を更新し、パルスシーケンスPSを実行している。
以下に、パルスシーケンスPSを実行するためのMRI装置1の処理フローについて、図9〜図12を参照しながら説明する。
図9は、MRI装置1の処理フローを示す図、図10〜図12は、図9の処理フローが実行されているときのPG信号およびパルスシーケンスPSを示す図である。
図9の処理フローの説明に当たっては、必要に応じて図10〜図12を参照しながら説明する。
先ず、ステップS1において、被検体14の心拍数HRを算出する。ここでは、時刻t1における被検体14の心拍数HRを算出する(図10参照)。算出された時刻t1における心拍数HRは、HR=aであるとする。心拍数HR=aを算出した後、ステップS2に進む。
ステップS2では、図4〜図7を参照しながら説明した手順で、心拍数HR=aのときの係数kを算出する。ここでは、係数k=1であるとする(したがって、PG信号とパルスシーケンスPSとの関係は、図6で表される)。係数kを算出した後、ステップS3に進む。
ステップS3では、算出した心拍数HR=aおよび係数k=1を式(10)に代入し、遅延時間TD1を計算する。式(10)において、uは予め決められている値であり、反転時間TIもパルスシーケンスPSに応じて決まっている固定値であるので、算出した心拍数HR=aおよび係数k=1を式(10)に代入することにより、遅延時間TD1を決定することができる。ここでは、決定された遅延時間TD1=td11とする。遅延時間TD1を決定した後、ステップS4に進む。
ステップS4では、パルスシーケンスPSを実行する。ここでは、先ず、1回目のパルスシーケンスPSが実行される。1回目のパルスシーケンスPSは、PG信号のピークP11から遅延時間td11だけ遅れて実行される。遅延時間td11は、ステップS3において式(10)を用いて決定された値である。したがって、データ収集シーケンスDAQを、PG信号のピークP12から遅延時間TD2だけ遅れて開始させることができるので、データ収集シーケンスDAQを心拡張期DPに実行することができる。1回目のパルスシーケンスPSを実行した後、ステップS5に進む。
ステップS5では、k空間を埋めるために必要な全データが収集されたか否かを判断する。全データが収集された場合、フローを終了する。一方、全データが収集されていない場合は、ステップS6に進む。ここでは、全データが収集されていないと判断され、ステップS6に進む。
ステップS6では、時刻tnにおける心拍数HRを算出する。ここでは、時刻t2における心拍数HRを算出する。算出された時刻t2における心拍数HRは、HR=aであるとする。心拍数HR=aを算出した後、ステップS7に進む。
ステップS7では、時刻tnにおける心拍数HRと、時刻tn−1における心拍数HRとが同じであるか否かを求めることによって、心拍が変動したか否かを判断する。時刻tnにおける心拍数HRが、時刻tn−1に算出された心拍数HRと同じである場合、心拍は変動していないと判断される。この場合、遅延時間TD1を変更することなく、ステップS4に戻る。一方、時刻tnにおける心拍数HRが、時刻tn−1に算出された心拍数HRとは異なる場合、心拍が変動したと判断され、ステップS8に進む。ここでは、時刻t2における心拍数HRが、時刻t1における心拍数HRと同じであるか否かが判断される。時刻t2における心拍数HR、および時刻t1における心拍数HRは、いずれもHR=aであるので、心拍数HRは同じである。したがって、心拍は変動していないと判断され、遅延時間TD1を変更することなくステップS4に戻る。
ステップS4では、パルスシーケンスPSを実行する。ここでは、2回目のパルスシーケンスPSが実行される。遅延時間TD1は変更されていないので、2回目のパルスシーケンスPSは、PG信号のピークP21から遅延時間td11だけ遅れて実行される。したがって、2回目のパルスシーケンスPSにおいても、データ収集シーケンスDAQを心拡張期DPに実行することができる。2回目のパルスシーケンスPSを実行した後、ステップS5に進む。
ステップS5では、k空間を埋めるために必要な全データが収集されたか否かを判断する。ここでは、全データが収集されていないと判断され、ステップS6に進む。
ステップS6では、時刻tnにおける心拍数HRを算出する。ここでは、時刻t3における心拍数HRを算出する(図11参照)。算出された時刻t3における心拍数HRは、HR=aであるとする。心拍数HR=aを算出した後、ステップS7に進む。
ステップS7では、時刻tnにおける心拍数HRと、時刻tn−1における心拍数HRとが同じであるか否かを求めることによって、心拍が変動したか否かを判断する。ここでは、時刻t3における心拍数HRが、時刻t2における心拍数HR(図10参照)と同じであるか否かが判断される。時刻t3における心拍数HR、および時刻t2における心拍数HRは、いずれもHR=aであるので、心拍数HRは同じである。したがって、心拍は変動していないと判断され、遅延時間TD1を変更することなくステップS4に戻る。
ステップS4では、パルスシーケンスPSを実行する。ここでは、3回目のパルスシーケンスPSが実行される(図11参照)。遅延時間TD1は変更されていないので、3回目のパルスシーケンスPSは、PG信号のピークP31から遅延時間td11だけ遅れて実行される。したがって、3回目のパルスシーケンスPSにおいても、データ収集シーケンスDAQを心拡張期DPに実行することができる。3回目のパルスシーケンスPSを実行した後、ステップS5に進む。
ステップS5では、k空間を埋めるために必要な全データが収集されたか否かを判断する。ここでは、全データが収集されていないと判断され、ステップS6に進む。
ステップS6では、時刻tnにおける心拍数HRを算出する。ここでは、時刻t4における心拍数HRを算出する。図11では、時刻t4の前の時刻tjにおいて、心拍数HRが、HR=aからHR=bに変化したとする。したがって、時刻t4における心拍数HRは、HR=bと算出される。心拍数HR=bを算出した後、ステップS7に進む。
ステップS7では、時刻tnにおける心拍数HRと、時刻tn−1における心拍数HRとが同じであるか否かを求めることによって、心拍が変動したか否かを判断する。ここでは、時刻t4における心拍数HRが、時刻t3における心拍数HRと同じであるか否かが判断される。時刻t4における心拍数HRはHR=bであるが、時刻t3における心拍数HRはHR=aである。したがって、心拍数HRは異なるので、心拍は変動したと判断され、ステップS8に進む。
ステップS8では、図4〜図7を参照しながら説明した手順で、心拍数HR=bのときの係数kを算出する。ここでは、係数k=1であるとする。係数kを算出した後、ステップS9に進む。
ステップS9では、ステップS6で算出した心拍数HR=bと、ステップS8で算出した係数k=1を式(10)に代入し、遅延時間TD1を計算する。これにより、新たな遅延時間TD1が決定される。ここでは、決定された新たな遅延時間TD1=td12とする。新たな遅延時間TD1を決定した後、ステップS10に進む。
ステップS10では、遅延時間TD1を、ステップS9において決定された新たな遅延時間TD1に更新する。ステップS9では、新たな遅延時間TD1=td12であるので、遅延時間TD1はTD1=td12に更新される。遅延時間TD1を更新したら、ステップS4に戻る。
ステップS4では、パルスシーケンスPSを実行する。ここでは、4回目のパルスシーケンスPSが実行される。遅延時間TD1は更新されているので、4回目のパルスシーケンスPSは、PG信号のピークP41から新たな遅延時間td12だけ遅れて実行される。遅延時間td12は、ステップS10において式(10)を用いて決定された値である。したがって、データ収集シーケンスDAQを、PG信号のピークP42から遅延時間TD2だけ遅れて開始させることができるので、データ収集シーケンスDAQを心拡張期DPに実行することができる。
以下同様に、ステップS5において全データが収集されたと判断されるまで、図9に示すフローが繰り返し実行される。
図12は、PG信号と、n回目およびn+1回目のパルスシーケンスPSとを示す図である。
図12では、n回目のパルスシーケンスPSが実行される前は、遅延時間TD1=td11、心拍数HR=aであるが、n+1回目のパルスシーケンスPSが実行される前に、心拍数HR=cに変化している。しかし、時刻tn+1において、心拍数HR=cと算出されるので、心拍数HR=cに対応した遅延時間TD1=td13が決定される。したがって、n+1回目のパルスシーケンスPSは、心拡張期DPに実行される。
以上説明したように、第1の実施形態では、パルスシーケンスPSを実行する前に心拍数HRを算出し、心拍が変動した場合、遅延時間TD1を更新する。したがって、撮影中に被検体14の心拍が変動しても、心拡張期でデータを収集することができ、高品質なMR画像を得ることができる。
尚、図12では、心拍数cのときのPG信号のピーク間隔PPint=wcが、心拍数bのときのPG信号のピーク間隔PPint=waよりも長い場合について示されている。しかし、心拍数cのときのPG信号のピーク間隔PPint=wcは、心拍数aのときのPG信号のピーク間隔PPint=waより短くなる場合もある。以下に、心拍数cのときのPG信号のピーク間隔PPint=wcが、心拍数aのときのPG信号のピーク間隔PPint=waより短くなった場合について説明する。
図13は、心拍数cのときのPG信号のピーク間隔PPint=wcが、心拍数aのときのPG信号のピーク間隔PPint=waより短くなった場合の説明図である。
心拍数HRは変動値であるが、パルスシーケンスPSのデータ収集シーケンスDAQの時間TAは固定値である。したがって、心拍数cのときのPG信号のピーク間隔PPint=wcが狭くなりすぎると、データ収集シーケンスDAQの一部DAQsは心拡張期DPに含まれているが、残りの部分DAQrは心収縮期SPに含まれてしまうことがある。しかし、このような場合であっても、データ収集シーケンスDAQの一部DAQsにおいて、k空間の低周波領域のデータを収集しておけば、十分なコントラストを有するMR画像を得ることができる。したがって、ピーク間隔PPintが狭くなっても、式(10)を用いて遅延時間TD1を決定することによって、高品質なMR画像を得ることができる。
尚、第1の実施形態では、式(10)を用いて遅延時間TD1を決定している。しかし、式(10)の代わりに、式(8)を用いて遅延時間TD1を決定してもよい。
第1の実施形態では、脈波信号を用いて被検体14の心拍数HRを算出している。しかし、脈波信号の代わりに、心電信号を用いて被検体14の心拍数HRを算出してもよい。
第1の実施形態では、パルスシーケンスPSは、データ収集シーケンスDAQの前に、選択反転パルスSIRを有しているが、本発明は、パルスシーケンスPSが選択反転パルスSIRを備えておらず、データ収集シーケンスDAQしか備えていない場合にも適用できる。パルスシーケンスPSがデータ収集シーケンスDAQしか備えていない場合、遅延時間TD1は、PG信号のピークと、データ収集シーケンスDAQの一番最初に送信されるRFパルスとの間の時間になる。また、パルスシーケンスPSは、必要に応じて、データ収集シーケンスDAQの後に、一つ以上のRFパルスを有していてもよい。
また、第1の実施形態では、パルスシーケンスPSは、データ収集シーケンスDAQの前に、選択反転パルスSIRを有している。しかし、パルスシーケンスPSは、必要に応じて、選択反転パルスSIRの代わりに、別のRFパルス(例えば、非選択反転パルス、フリップ角αがα≠90°のRFパルス)を有していてもよい。また、パルスシーケンスPSは、必要に応じて、選択反転パルスSIRとデータ収集シーケンスDAQとの間に、一つ以上の別のRFパルスを有していてもよい。
更に、第1の実施形態では、パルスシーケンスPSは、データ収集シーケンスDAQの前に、選択反転パルスSIRのみを有しているが、パルスシーケンスPSは、必要に応じて、データ収集シーケンスDAQの前に、複数のRFパルスを有していてもよい。この場合、遅延時間TD1は、PG信号のピークと、複数のRFパルスのうちの一番最初に送信されるRFパルスとの間の時間となる。
(2)第2の実施形態
第2の実施形態のMRI装置のハードウェア構成は、第1の実施形態のMRI装置と同じであるので、ハードウェア構成の説明は省略し、相違点を主に説明する。
図14は、被検体14に不整脈が発生した場合のPG信号とパルスシーケンスPSとの関係を示す図である。
図14(a)は、被検体14に不整脈が発生していない場合のPG信号を示す図、図14(b)は、被検体14に不整脈が発生した場合のPG信号を示す図、図14(c)は、n回目のパルスシーケンスPSおよびn+1回目のパルスシーケンスを示す図である。
図14(a)に示すように、心拍数HR=aの場合、被検体14に不整脈が発生しなければ、PG信号のピーク間隔PPintは、PPint=waで一定である。したがって、遅延時間TD1=td11でn回目のパルスシーケンスPSを実行した場合、データ収集シーケンスDAQは、心拡張期DPに実行される。
しかし、図14(b)に示すように、心拍数HR=aであっても、被検体14に不整脈が発生した場合、PG信号のピーク間隔PPintが、瞬間的にPPint=wa’に変化する。したがって、PG信号のピーク間隔PPintがwa’からwaに戻っても、データ収集シーケンスDAQの一部DAQsが心収縮期SPに実行されてしまうことになる。そこで、第2の実施形態では、データ収集シーケンスDAQの一部DAQsが心収縮期SPに実行される可能性が高い場合、次のパルスシーケンスPSでデータを取り直している。以下に、データを取り直すときのフローについて説明する。
図15は、データを取り直すときのフローを説明する図、図16は、図15の処理フローが実行されているときのPG信号およびパルスシーケンスPSを示す図である。
尚、図15の説明に当たっては、図16を参照しながら説明する。
先ず、ステップS1において、n回目のパルスシーケンスPSのデータ収集シーケンスDAQの直前の時刻txにおける心位相Hが、心拡張期DPであるのか心収縮期SPであるのかを求める。心拡張期DPの範囲は、図4を参照しながら説明したように、時間Ts(式(1)参照)と、時間Te(式(2)参照)で求めることができる。したがって、PG信号のピークPn3から時刻txまでの時間差をΔtとすると、以下の式(14)が成り立つ場合、時刻txにおける心位相Hは、心拡張期DPであると考えられる。
Ts≦Δt≦Te ・・・(14)
一方、以下の式(15)が成り立つ場合、時刻txにおける心位相Hは、心収縮期SPであると考えられる。
Δt<Ts 又は Δt>Te ・・・(15)
図16を参照すると、Δt>Teである。したがって、式(15)が成り立つので、心位相Hは、心収縮期SPであると判断される。心位相Hを求めた後、ステップS2に進む。
ステップS2では、心位相Hに基づいてデータを取り直すか否かを決定する。時刻txにおける心位相Hが心収縮期SPであるということは、時刻txの直後に開始されるデータ収集シーケンスDAQの始端側の部分DAQsが心収縮期SPの間に実行される可能性が高いことを意味する。したがって、心位相Hが心収縮期SPの場合、n回目のパルスシーケンスPSによって収集されたデータは取り直す必要があると決定し、フローを終了する。
n回目のパルスシーケンスPSによって収集されたデータは取り直す必要があると決定した場合、n+1回目のパルスシーケンスPSは、以下のように行われる。
先ず、時刻tn+1において、心拍数HRが算出される。ここでは、時刻tn+1における心拍数HR=cであるとする。したがって、心拍数HRは、aからcに変化しているので、新たな遅延時間TD1=td13が決定される。n+1回目のパルスシーケンスPSは、新たな遅延時間td13で実行される。ただし、n回目のパルスシーケンスPSによって収集されたデータは取り直す必要があると決定されているので、n+1回目のパルスシーケンスPSでは、n回目のパルスシーケンスPSによって収集されたデータが取り直される。
n+1回目のパルスシーケンスPSにおいても、図15に示すフローが実行される。n+1回目のパルスシーケンスPSにおいては、ステップS1において、データ収集シーケンスDAQの直前の時刻tyにおける心位相Hが、心拡張期DPであるのか心収縮期SPであるのかが求められる。n+1回目のパルスシーケンスPSにおいては、Ts≦Δt≦Teである。したがって、式(14)が成り立つので、心位相Hは、心拡張期DPであると判断される。心位相Hを求めた後、ステップS2に進む。
ステップS2では、心位相Hに基づいてデータを取り直すか否かを決定する。時刻tyにおける心位相Hが心拡張期DPであるということは、時刻tyの直後に開始されるデータ収集シーケンスDAQの大部分は、心拡張期DPの間に実行される可能性が高いことを意味する。したがって、心位相Hが心拡張期DPの場合、n+1回目のパルスシーケンスPSによって収集されたデータは取り直す必要がないと決定し、フローを終了する。
以下同様に、図15に示すフローを実行しながら、パルスシーケンスPSが繰り返し実行される。
第2の実施形態では、データ収集シーケンスDAQの開始直前の心位相Hが心収縮期SPの場合は、データを取り直すことができるので、より高画質なMR画像が得られる。
尚、上記の説明では、データ収集シーケンスDAQの開始直前の心位相Hが心収縮期SPであるのか心拡張期DPであるのかを求めている。しかし、データ収集シーケンスDAQの終了直後における心位相H’が心収縮期SPであるのか心拡張期DPであるのかを求めてもよい。ただし、データ収集シーケンスDAQの終了直後における心位相H’は、データ収集シーケンスDAQの開始直前における心位相Hと異なる場合がある。例えば、図16のn回目のパルスシーケンスPSでは、データ収集シーケンスDAQの開始直前の時刻txにおける心位相Hは心収縮期SPと判断され、一方、データ収集シーケンスDAQの終了直後の時刻tx’における心位相H’は心拡張期DPと判断される。しかし、心位相が心収縮期SPであると判断されるのか、それとも心拡張期DPであると判断されるのかに応じて、データが取り直されるか否かが決まるので、心位相の判断を、データ収集シーケンスDAQの開始直前に行うか終了直後に行うかは重要である。以下に、心位相の判断を、データ収集シーケンスDAQの開始直前に行う方が好ましい場合と、終了直後に行う方が好ましい場合の一例について説明する。
k空間の高周波領域を埋めるデータは、低周波領域を埋めるデータに比べて、画像のコントラストに与える影響は小さい。したがって、k空間の高周波領域を埋めるデータが、心収縮期SPの間に収集されても、画像のコントラストが極端に低下することはない。しかし、k空間の低周波領域を埋めるデータが、心収縮期SPの間に収集されてしまうと、画像のコントラストが大きく低下することがある。したがって、k空間の低周波領域を埋めるデータが、心収縮期SPの間に収集された場合は、データの取直しが実行されるようにすることが望ましい。そこで、k空間の低周波領域を埋めるデータが、データ収集シーケンスDAQの最初の方で収集される場合は、データ収集シーケンスDAQの開始直前における心位相Hを求めることが好ましい。例えば、n回目のパルスシーケンスPSを参照すると、データ収集シーケンスDAQの始端側の部分DAQsは、心収縮期SPの間に実行されている。したがって、k空間の低周波領域を埋めるデータが、データ収集シーケンスDAQの最初の方で収集される場合、n回目のパルスシーケンスPSでは、k空間の低周波領域を埋めるデータは、心収縮期SPに収集されることになる。しかし、データ収集シーケンスDAQの開始直前における心位相Hを求めていれば、心位相Hは心収縮期SPと判断されるので、n+1回目のパルスシーケンスPSで、データが取り直される。したがって、コントラストの低下が抑制された高品質な画像を得ることができる。
一方、k空間の低周波領域を埋めるデータが、データ収集シーケンスDAQの最後の方で収集される場合は、データ収集シーケンスDAQの終了直後における心位相H’を求めることが好ましい(図17参照)。
図17は、データ収集シーケンスDAQの終了直後における心位相H’を求めることが好ましい場合の説明図である。
図17において、n回目のパルスシーケンスPSを参照すると、データ収集シーケンスDAQの終端側の部分DAQeは、心収縮期SPの間に実行されている。したがって、k空間の低周波領域を埋めるデータが、データ収集シーケンスDAQの最後の方で収集される場合、n回目のパルスシーケンスPSでは、k空間の低周波領域を埋めるデータは、心収縮期SPに収集されることになる。しかし、データ収集シーケンスDAQの終了直後における心位相H’を求めていれば、心位相H’は心収縮期SPと判断されるので、n+1回目のパルスシーケンスPS(図示せず)で、データが取り直される。したがって、コントラストの低下が抑制された高品質な画像を得ることができる。
1 MRI装置
2 磁場発生装置
3 テーブル
4 脈波センサ
5 受信コイル
6 シーケンサ
7 送信器
8 勾配磁場電源
9 PGユニット
10 受信器
11 中央処理装置
12 入力装置
13 表示装置
14 被検体
21 ボア
22 超伝導コイル
23 勾配コイル
24 送信コイル
31 クレードル

Claims (13)

  1. 被検体の心拍を表す生体信号のトリガポイントに同期してパルスシーケンスを繰り返し実行し、前記被検体からデータを収集する磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記生体信号のトリガポイントと前記パルスシーケンスとの間の遅延時間を決定する遅延時間決定手段を有し、
    前記遅延時間決定手段は、前記被検体の心拍が変動した場合、前記遅延時間の値を更新する、磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記被検体の心拍が変動したか否かを判断する判断手段を有し、
    前記遅延時間決定手段は、
    前記判断手段が前記被検体の心拍が変動したと判断した場合、前記遅延時間の値を更新する、請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記判断手段は、
    前記被検体の心拍数に基づいて、前記被検体の心拍が変動したか否かを判断する、請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記パルスシーケンスは、前記生体信号のトリガポイントから前記遅延時間が経過した時点で送信されるRFパルスと、前記RFパルスが送信された後に前記被検体からデータを収集するために実行されるデータ収集シーケンスとを有し、
    前記遅延時間決定手段は、前記データ収集シーケンスが心拡張期で実行されるように、前記遅延時間を決定する、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記RFパルスは、反転パルスである、請求項4に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記遅延時間決定手段は、以下の式を用いて前記遅延時間を決定する、請求項5に記載の磁気共鳴イメージング装置。

    TD1=k・(60/HR)+u・(60/HR)−TI
    ここで、TD1:前記遅延時間
    HR:前記被検体の心拍数
    TI:前記反転パルスの反転時間
    k、u:係数

    ただし、係数kは、以下の式が成り立つときの整数値である。
    TI−u・(60/HR)<k・(60/HR)<TI−(u−1)・(60/HR)
  7. 前記遅延時間決定手段は、以下の式を用いて前記遅延時間を決定する、請求項5に記載の磁気共鳴イメージング装置。

    TD1=u・(60/HR)−TI
    ここで、TD1:前記遅延時間
    HR:前記被検体の心拍数
    TI:前記RFパルスの反転時間
    u:係数
  8. 前記被検体の心位相に基づいて、前記被検体から収集されたデータを取り直すか否かを決定するデータ取直し決定手段、
    を有する、請求項4〜7のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  9. 前記データ取直し決定手段は、
    前記RFパルスと前記データ収集シーケンスとの間の任意の時刻における前記被検体の心位相に基づいて、前記被検体から収集されたデータを取り直すか否かを決定する、請求項8に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  10. 前記データ取直し決定手段は、
    前記パルスシーケンスが終了した後、次のパルスシーケンスが開始される前の任意の時刻における前記被検体の心位相に基づいて、前記被検体から収集されたデータを取り直すか否かを決定する、請求項8又は9に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  11. 前記パルスシーケンスは、前記RFパルスと前記データ収集シーケンスとの間に、一つ以上の別のRFパルスを有する、請求項4〜10のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  12. 前記生体信号のトリガポイントは、前記被検体の脈波信号のピーク、又は前記被検体の心電信号のR波である、請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  13. 前記生体信号に基づいて前記被検体の心拍数を算出する心拍数算出手段を有する、請求項1〜12のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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