JP6100514B2 - 磁気共鳴装置およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、被検体の血流画像を取得する磁気共鳴装置、およびこの磁気共鳴装置に適用可能なプログラムに関する。
時相の異なる血流画像を取得する方法として、Time-resolved MRA(Magnetic Resonance Angiography)が知られている。
特開2012−196537号公報
読影者は、Time-resolved MRAにより取得された血流画像を見ることにより、血流の動態を観察することができる。しかし、場合によっては、血流画像に、脂肪などの背景組織も描出されることがある。このような背景組織は、血流動態を観察する上では不要であるので、背景組織の信号値はできるだけ低減することが望まれている。そこで、背景組織の信号値を低減する方法として、スキャンを2回実行し、1回目のスキャンにより得られた画像データと2回目のスキャンにより得られた画像データとの差分データを求める差分法が知られている。しかし、差分法では、スキャンを2回実行する必要があるので、トータルのスキャン時間が長くなるという問題や、被検体の体動により差分エラーが発生し、血流画像の品質が劣化するという問題がある。
したがって、スキャン時間を長くすることなく、高品質な血流画像を得ることが望まれている。
本発明の第1の観点は、血液が流れる撮影領域にプリパレーションパルスを送信した後に、前記撮影領域の各時相の画像データを取得するためのシーケンスを実行するスキャン手段と、
スピンの縦磁化の回復の時間変化を表すT1回復データに基づいて、前記各時相の画像データの中から血液の位置を検出する検出手段と、
を有する、磁気共鳴装置である。
本発明の第2の観点は、血液が流れる撮影領域にプリパレーションパルスを送信した後に、前記撮影領域の各時相の画像データを取得するためのシーケンスを実行する磁気共鳴装置のプログラムであって、
スピンの縦磁化の回復の時間変化を表すT1回復データに基づいて、前記各時相の画像データの中から血液の位置を検出する検出処理、
を計算機に実行させるためのプログラムである。
スピンの縦磁化の回復の時間変化を表すT1回復データに基づいて、各時相の画像データの中から血液の位置を検出することができる。したがって、差分処理を行わずに血流画像を作成することができるので、スキャン時間の延長や、差分エラーによる画質劣化を防止することができる。
本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。 本形態における撮影領域を概略的に示す図である。 撮影領域からデータを収集するために実行されるスキャンの説明図である。 本形態におけるフローを示す図である。 画像データE〜Eの各々から、被検体内の生体組織の領域と空気の領域とを分ける処理の説明図である。 各画像データから取り出された各ボクセルの信号値を概略的に示す図である。 所定のデータ処理が実行された後のデータSおよびSを概略的に示す図である。 ボクセルV〜Vごとに得られたプロファイルW〜Wを概略的に示す図である。 式(2)により得られた複数のT1回復データK〜Kを示す図である。 ボクセルVが背景組織のボクセルであるか動脈血のボクセルであるかを判断する方法の説明図である。 ボクセルVが背景組織のボクセルであるか動脈血のボクセルであるかを判断する方法の説明図である。 背景組織のボクセルの信号値を「ゼロ」に設定したときの様子を模式的に示す図である。 画像データを360°方向に投影するときの説明図である。 NiSOファントムにRFパルスを送信した後、グラディエントエコー系のパルスシーケンスを使用してNiSOファントムからデータを収集した場合のT1回復曲線を示す図である。
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
図1は、本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ。MR:Magnetic Resonance)100は、マグネット2、テーブル3、受信コイル4などを有している。
マグネット2は、被検体11が収容されるボア21を有している。また、マグネット2は、超伝導コイル22と、勾配コイル23と、RFコイル24とを有している。超伝導コイル22は静磁場を印加し、勾配コイル23は勾配磁場を印加し、RFコイル24はRFパルスを送信する。尚、超伝導コイル22の代わりに、永久磁石を用いてもよい。
テーブル3は、被検体11を支持するクレードル3aを有している。クレードル3aは、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体11はボア21に搬送される。
受信コイル4は、被検体11の頭部に取り付けられている。受信コイル4は、被検体11からの磁気共鳴信号を受信する。
MR装置100は、更に、送信器5、勾配磁場電源6、受信器7、制御部8、操作部9、および表示部10などを有している。
送信器5はRFコイル24に電流を供給し、勾配磁場電源6は勾配コイル23に電流を供給する。
受信器7は、受信コイル4から受け取った信号に対して、検波などの信号処理を実行する。
制御部8は、表示部10に必要な情報を伝送したり、受信器7から受け取ったデータに基づいて画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。制御部8は、画像データ作成手段81〜投影手段84などを有している。
画像データ作成手段81は、被検体11の撮影領域の画像データを作成する。
検出手段82は動脈血の位置を検出する。
信号値設定手段83は背景組織の信号値をゼロに設定する。
投影手段84は画像データを投影する。
制御部8は、画像データ作成手段81〜投影手段84を構成する一例であり、所定のプログラムを実行することにより、これらの手段として機能する。
操作部9は、オペレータにより操作され、種々の情報を制御部8に入力する。表示部10は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。
図2は本形態における撮影領域を概略的に示す図、図3は撮影領域からデータを収集するために実行されるスキャンの説明図である。
スキャンでは、シーケンス群G(i=1〜m)が実行される。シーケンス群Gは、反転パルスPRと、n個のシーケンスAi1〜Ainとを有している。n個のシーケンスAi1〜Ainは、時相t〜tにおけるk空間のデータDi1〜Dinを収集するためのシーケンスである。以下に、本形態のスキャンがどのように実行されるかについて説明する。
本形態では、先ず、シーケンス群Gが実行される。シーケンス群Gでは、反転パルスPRが送信される。ここでは、反転パルスPRは、脳を含む領域R(図2参照)のスピンを180°反転させるためのパルスである。したがって、反転パルスPRが送信されることにより、領域Rのスピンが180°反転する。反転パルスPRが送信された後、シーケンスA11〜A1nが順に実行される。シーケンスA11〜A1nを実行することにより、時相t〜tにおけるkz=1のk空間のデータD11〜D1nが収集される。シーケンス群Gを実行した後、次のシーケンス群Gが実行される。
シーケンス群Gでも、先ず、反転パルスPRが送信される。反転パルスPRが送信された後、シーケンスA21〜A2nが順に実行される。シーケンスA21〜A2nを実行することにより、時相t〜tにおけるkz=2のk空間のデータD21〜D2nが収集される。
以下同様に、シーケンス群Gが実行され、最後に、シーケンス群Gが実行される。
シーケンス群Gでは、時相t〜tにおけるkz=mのk空間のデータDm1〜Dmnが収集される。このようにして、時相t〜tにおけるk空間のデータを得ることができる。k空間のデータをフーリエ変換することにより、時相t〜tにおける画像データE〜Eが得られる。画像データE〜Eを時相ごとに比較することにより、時間が進むにつれて動脈血が血管内をどのように流れていくのか(血流動態)を確認することができる。
また、シーケンス群Gの反転パルスPRは、背景組織(例えば、脂肪、白質、灰白質)の信号を低減させるために送信されている。しかし、背景組織の縦磁化は、シーケンス群Gが実行されている間に回復してくるので、反転パルスPRを送信しても、背景組織の信号を十分に抑制することができないこともある。また、背景組織の種類によって縦磁化の回復度合いも異なるので、或る背景組織の信号は十分に抑制できるが、別の背景組織の信号は十分に抑制できないこともある。したがって、画像データE〜Eの中に背景組織が描出されてしまい、血流の動態を確認する妨げになることがある。そこで、本形態では、スキャンにより画像データE〜Eを取得した後、画像データE〜Eから動脈血のデータを取り出し、動脈血のデータを表示している。以下に、本形態において、図3に示すスキャンを実行してから、動脈血のデータを表示するまでのフローについて説明する。
図4は、本形態におけるフローを示す図である。
ステップST1では、図3に示すスキャンを実行する。したがって、時相t〜tごとにk空間のデータを収集することができる。画像データ作成手段81(図1参照)は、k空間のデータに基づいて画像再構成を行い、画像データE〜Eを作成する。尚、本形態では、画像再構成の方法として、PSIR(Phase Sensitive Inversion Reconstruction)法を用いる。この方法で画像再構成をすることにより、各ボクセルの信号の極性情報(正又は負)を保持することができる。スキャンを実行した後、ステップST2に進む。
ステップST2では、検出手段82(図1参照)が、画像データE〜Eに基づいて、動脈血の位置を検出する。以下の、ステップST2について説明する。尚、ステップST2は、ステップST21〜ST23を有しているので、これらのステップST21〜ST23について順に説明する。
ステップST21では、検出手段82が、画像データE〜Eの各々から、被検体内の生体組織の領域と空気の領域とを分ける処理を行う(図5参照)。
図5は、画像データE〜Eの各々から、被検体内の生体組織の領域と空気の領域とを分ける処理の説明図である。
空気の領域Q〜Qから収集される磁気共鳴信号は、被検体の生体組織の領域P〜Pから収集される磁気共鳴信号よりも、かなり信号値が小さくなる。したがって、信号値の違いを利用することにより、被検体内の生体組織の領域P〜Pと空気の領域Q〜Qとを区別することができる。この区別を行う方法としては、例えば、ノイズマスキング処理を用いることができる。
被検体内の生体組織の領域P〜Pと空気の領域Q〜Qとを区別した後、ステップST22に進む。
ステップST22では、検出手段82が、画像データE〜Eの生体組織の領域P〜Pから、各ボクセルの時相t〜tの信号値を取り出す(図6参照)。
図6は、各画像データから取り出された各ボクセルの信号値を概略的に示す図である。図6では、説明の便宜上、ボクセルVの信号値のデータSと、ボクセルVの信号値のデータSのみを示してある。ここで、ボクセルVは、背景組織(ここでは、脂肪などの静止組織とする)のボクセルであり、ボクセルVは、血管の位置のボクセルであるとする。以下、ボクセルVの信号値のデータS、ボクセルVの信号値のデータSについて順に説明する。
(1)ボクセルVの信号値のデータS
本形態では、シーケンス群Gを実行する直前に、反転パルスPRが送信されている(図3参照)。反転パルスPRは、脳を含む領域Rのスピンを180°反転させる。したがって、時相tでは、ボクセルVの信号値は、負の値である。そして、領域R内の背景組織のスピンの縦磁化は次第にT1回復する。したがって、ボクセルVの信号値は、スピンのT1回復に従って緩やかに増加し、時相tにおいて信号値はゼロとなる。その後の時相t〜tにおいても、ボクセルVの信号値はスピンのT1回復に従って緩やかに増加し続ける。
(2)ボクセルVの信号値のデータCについて
反転パルスPRにより、領域R内に含まれる動脈血のスピンは180°反転する。したがって、時相tでは、ボクセルVの信号値は、ボクセルVの信号値と同様に、負の値である。そして、反転パルスPRによりスピンが反転した動脈血は、T1回復しながら、被検体の頭部内を流れる。
一方、心臓は領域Rから外れているので、心臓は、反転パルスPRの影響を受けていない血液を頭部に流出し続ける。したがって、反転パルスPRの影響を受けていない血液は撮影領域Rに流入し、ボクセルV内の血液が、反転パルスPRの影響を受けていない血液に入れ替わる。反転パルスPRの影響を受けていない血液は、縦磁化が反転していないので、ボクセルV内の信号値は大きくなる。したがって、ボクセルVの信号値は、時相が進むにつれて、ボクセルVの信号値よりも急激に大きくなり、時相t以降は、ボクセルVの信号値はほとんど変化しなくなる。
次に、検出手段82は、ボクセルVの信号値のデータSと、ボクセルVの時相t〜tの信号値のデータSについて、所定のデータ処理を行う(図7参照)。
図7は、所定のデータ処理が実行された後のデータSおよびSを概略的に示す図である。
検出手段82は、ボクセルVの信号値のデータSと、ボクセルVの時相t〜tの信号値のデータSについて、所定のデータ処理を行う。所定のデータ処理としては、スムージング、正規化処理、しきい値処理などを実行する。このデータ処理を行うことにより、ボクセルVの信号値と時相との関係を表すプロファイルWと、ボクセルVの信号値と時相との関係を表すプロファイルWが得られる。この所定のデータ処理を実行することにより、信号値のデータに含まれるノイズを低減することができる。
尚、上記の説明では、ボクセルVおよびVについて述べられているが、他のボクセルについても、同様に、時相t〜tの信号値を取り出し、所定のデータ処理を実行する。したがって、全てのボクセルV〜Vに対して、信号値と時相との関係を表すプロファイルを得ることができる。図8に、ボクセルV〜Vごとに得られたプロファイルW〜Wを概略的に示す。これらのプロファイルW〜Wを得た後、ステップST23に進む。
ステップST23では、検出手段82が、ボクセルV〜Vごとに得られたプロファイルW〜Wに基づいて、ボクセルV〜Vが、背景組織のボクセルなのか動脈血のボクセルなのかを判断する。以下にこの判断方法について説明する。
検出手段82は、先ず、背景組織の縦磁化Mzの回復の時間変化を表す複数のT1回復データを用意する。本形態では、以下の式を用いて、複数のT1回復データを用意する。
Figure 0006100514


ここで、 Mφ:熱平衡状態における縦磁化の大きさ
α:反転パルスPRのフリップ角
t:反転パルスPRを送信してからの経過時間
T1:縦緩和時間
反転パルスPRのフリップ角αは、α=180°である。したがって、α=180°を式(1)に代入すると、以下の式が得られる。
Figure 0006100514
したがって、式(2)のT1値を変化させることにより、複数のT1回復データを得ることができる。図9に、式(2)により得られた複数のT1回復データK〜Kを示す。本形態では、T1を1(ms)〜r(ms)の範囲で変化させている。例えば、式(2)のT1に、T1=1msを代入すると、式(2)は以下の式で表される。
Figure 0006100514

したがって、式(3)で表されるMzが、T1=1msのときのT1回復データKとして得られる。
以下同様に、T1の値を変更することにより、各T1値に対応したT1回復データK〜Kを得ることができる。本形態では、T1を1(ms)〜r(ms)の範囲で変化させているが、rの値としては、例えばr=2000(ms)とすることができる。したがって、広範囲のT1値に対応したT1回復データK〜Kを得ることができる。
次に、検出手段82は、T1回復データK〜Kの各々と、ステップST22で得られたボクセルV〜VのプロファイルW〜Wの各々との類似度を求め、求めた類似度に基づいて、ボクセルV〜Vが背景組織のボクセルであるか動脈血のボクセルであるかを判断する。以下では、説明の便宜上、ボクセルV〜Vの中の任意のボクセルVを取り上げて、ボクセルVが背景組織のボクセルであるか動脈血のボクセルであるかを判断する方法について具体的に説明する。
図10および図11は、ボクセルVが背景組織のボクセルであるか動脈血のボクセルであるかを判断する方法の説明図である。
検出手段82は、ボクセルVのプロファイルWとT1回復データK〜Kの各々との類似度Lx1〜Lxrを算出する。図6を参照しながら説明したように、背景組織の信号値は、時相が進むにつれて、T1回復に従って変化する傾向があるが、動脈血の信号値は、背景組織よりも急峻に増加し、その後は信号値があまり変化しない傾向がある。したがって、ボクセルVが背景組織の場合、類似度Lx1〜Lxrのうちの少なくとも一つの類似度は大きい値になるが、ボクセルVが動脈血の場合、全ての類似度Lx1〜Lxrは小さい値になる。このため、類似度Lx1〜Lxrに基づいて、ボクセルVが動脈血のボクセルであるか背景組織のボクセルであるかを判断することができる。本形態では、類似度が大きいか小さいかを判断するための閾値THを予め用意しておき、類似度Lx1〜Lxrの各々と閾値THとを比較する。そして、類似度Lx1〜Lxrの中に閾値THを超える類似度が含まれている場合、ボクセルVは背景組織のボクセルであると判断し、一方、類似度Lx1〜Lxrの中に閾値THを超える類似度が含まれていない場合、ボクセルVは動脈血のボクセルであると判断する。したがって、類似度Lx1〜Lxrに基づいて、ボクセルVが背景組織のボクセルであるか動脈血のボクセルであるかを判断することができる。図10では、類似度Lxaが閾値THよりも大きいので、ボクセルVは背景組織のボクセルであると判断される。一方、図11では、類似度Lx1〜Lxrの中に閾値THを超える類似度は含まれていないので、ボクセルVは動脈血のボクセルであると判断される。
したがって、動脈血と背景組織とを区別することができる。尚、上記の説明では、背景組織として、脂肪などの静止組織を仮定している。しかし、動脈血を撮影する場合、頭部を流れる液体も、背景組織となるので、動脈血と静脈血や脳脊髄液とを区別できることが望ましい。一般的には、静脈血や脳脊髄液は、動脈血よりも流速が十分遅いので、静脈血や脳脊髄液の信号値は、静止組織の信号値と同様に、T1回復に従って増加すると考えることができる。したがって、静脈血のプロファイルや脳脊髄液のプロファイルも、T1回復データK〜Kと比較することにより、背景組織と判断することができる。
このようにして、各ボクセルについて動脈血か背景組織かを判断することができる。ことができる。動脈血と背景組織とを区別した後、ステップST3に進む。
ステップST3では、信号値設定手段83(図1参照)が、背景組織のボクセルの信号値を「ゼロ」に設定する。図12に、背景組織のボクセルの信号値を「ゼロ」に設定したときの様子を模式的に示す。動脈血のボクセルは元の信号値を保持しているので、背景組織に対して動脈血を強調することができる。背景組織のボクセルの信号値を「ゼロ」に設定した後、ステップST4に進む。
ステップST4では、投影手段84(図1参照)が、背景組織のボクセルの信号値が「ゼロ」に設定された画像データE〜Eを360°方向に投影する。
図13は、画像データを360°方向に投影するときの説明図である。
投影手段84は、画像データを360°方向に投影する。図13では、説明の便宜上、画像データEを5つの方向H11〜H15に投影したときの様子が示されている。このように、画像データを投影することにより、投影方向が異なる血管の投影データが作成される。投影方法としては、最大値投影法(MIP)などを使用することができる。
尚、図13では、画像データEを360°方向に投影する例を示したが、他の画像データも、同様に、360°方向に投影する。したがって、時相t〜tの各々の2次元の血流データを作成することができる。血流データを作成したら、ステップST5に進む。ステップST5では、オペレータが操作部を操作し、ステップST4で作成された血流データを表示部する。したがって、オペレータは、被検体の血流を様々な方向から見たときの血流の様子を認識することができる。
このようにして、フローが終了する。
本形態では、各ボクセルのプロファイルとT1回復データとを比較し、類似度を求めている。背景組織のボクセルは類似度が高くなるが、動脈血のボクセルは類似度が低くなるので、類似度の違いにより、動脈血と背景組織とを区別することができる。したがって、動脈血の血流状態を視認するのに適した血流データを得ることができる。
また、本形態では、各時相t〜tの画像データE〜Eを収集するためのスキャンを1回行うだけでよいので、スキャンを2回行わなければならない差分法と比較して、スキャン時間を短縮することができる。また、画像データの差分を行わずに背景組織を除去することができるので、差分エラーが発生せず、高品質な血流画像を得ることが可能となる。
また、本形態では、画像データE〜Eから取り出した信号値のデータに対して所定のデータ処理を行うことにより、信号値と時相との関係を表すプロファイルW〜Wを得ている(図7および図8参照)。しかし、画像データE〜Eから取り出した信号値のデータを、信号値と時相との関係を表すプロファイルW〜Wとして用いてもよい。
本形態では、シーケンス群Gにおいて、シーケンスAi1〜Ainを実行する前に、反転パルスPR(180°パルス)が送信されている。しかし、反転パルスPRの代わりに、フリップ角が180°よりも小さいプリパレーションパルス(例えば、フリップ角170°のプリパレーションパルス)を送信してもよい。
尚、シーケンス群GのシーケンスAi1〜Ainがグラディエントエコー系のシーケンスの場合、シーケンスAi1〜Ainで使用されるRFパルスのフリップ角は、比較的小さいことが望ましい。このことを裏付ける論文が発表されている(Magnetic Resonance in Medicine 45:720-723(2001))。図14に、論文に発表されているグラフを示す。
図14を参照すると、グラディエントエコー系のパルスシーケンスとしてTrueFISP(True fast imaging with steady-state precession)を使用した場合、TrueFISPで使用されるRFパルスのフリップ角が50°以下であれば、エコー信号の振幅の時間変化がレファレンス(reference)に近い挙動を示すことが分かる。したがって、シーケンス群GのシーケンスAi1〜Ainとして、TrueFISPを使用する場合、RFパルスのフリップ角は50°以下に設定することが望ましい。
また、グラディエントエコー系のパルスシーケンスとしてFLASH(fast low-angle shot)を使用した場合、FLASHで使用されるRFパルスのフリップ角が5°以下であれば、エコー信号の振幅の時間変化がレファレンスに近い挙動を示すことが分かる。したがって、シーケンス群GのシーケンスAi1〜Ainとして、FLASHを使用する場合、RFパルスのフリップ角は5°以下に設定することが望ましい。
尚、本形態では、背景組織のボクセルの信号値のデータはT1回復データに近い特性を有している。したがって、背景組織のボクセルの信号値のデータに基づいて、背景組織のT1マップを作成してもよい。
本形態では、動脈血を検出する場合について説明している。しかし、撮影領域内を流れる静脈血の流速が十分に高速であると見なせる場合には、静脈血のボクセルと背景組織のボクセルとを区別することができるので、静脈血の位置を検出することも可能である。
2 マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 送信器
6 勾配磁場電源
7 受信器
8 制御部
9 操作部
10 表示部
11 被検体
21 ボア
22 超伝導コイル
23 勾配コイル
24 RFコイル
81 画像データ作成手段
82 検出手段
83 信号値設定手段
84 投影手段

Claims (12)

  1. 血液が流れる撮影領域にプリパレーションパルスを送信した後に、前記撮影領域の各時相の画像データを取得するためのシーケンスを実行するスキャン手段と、
    スピンの縦磁化の回復の時間変化を表す複数のT1回復データであって、T1値の異なる複数のT1回復データに基づいて、前記各時相の画像データの中から血液の位置を検出する検出手段と、
    を有
    前記検出手段は、
    スピンの縦磁化と時間との関係を表す式を用いて、前記複数のT1回復データを求める、磁気共鳴装置。
  2. 前記検出手段は、
    前記各時相の画像データに基づいて、前記撮影領域内の各位置における信号値と時相との関係を表す複数のプロファイルを求め、前記複数のプロファイルと前記複数のT1回復データとに基づいて、前記血液の位置を検出する、請求項に記載の磁気共鳴装置。
  3. 前記式は、T1値を表す変数を含んでおり、
    前記複数のT1回復データは、前記変数の値を変更することにより求められる、請求項に記載の磁気共鳴装置。
  4. 前記検出手段は、
    前記複数のプロファイルのうちの一つのプロファイルと前記複数のT1回復データの各々との類似度を求め、求めた複数の類似度に基づいて、前記一つのプロファイルのボクセルが血液のボクセルであるか否かを判断する、請求項2又は3に記載の磁気共鳴装置。
  5. 前記検出手段は、
    前記複数の類似度に基づいて、前記一つのプロファイルのボクセルが血液のボクセルであるか背景組織のボクセルであるかを判断する、請求項に記載の磁気共鳴装置。
  6. 前記検出手段は、
    血液と背景組織とを分けるための類似度の閾値と、前記複数の類似度の各々とを比較し、比較結果に基づいて、前記一つのプロファイルのボクセルが血液のボクセルであるか背景組織のボクセルであるかを判断する、請求項に記載の磁気共鳴装置。
  7. 前記検出手段は、
    各時相の画像データからボクセルの信号値のデータを取り出し、取り出されたデータに対して所定のデータ処理を施すことにより、前記プロファイルを作成する、請求項に記載の磁気共鳴装置。
  8. 前記所定のデータ処理は、取り出されたデータに含まれるノイズを低減するための処理である、請求項に記載の磁気共鳴装置。
  9. 前記ノイズを低減するための処理には、スムージングが含まれている、請求項に記載の磁気共鳴装置。
  10. 前記背景組織の信号値をゼロに設定する信号値設定手段と、
    前記前記背景組織の信号値がゼロに設定された画像データを投影する投影手段と、
    を有する、請求項5〜9のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  11. 前記プリパレーションパルスは反転パルスである、請求項1〜10のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  12. 血液が流れる撮影領域にプリパレーションパルスを送信した後に、前記撮影領域の各時相の画像データを取得するためのシーケンスを実行する磁気共鳴装置のプログラムであって、
    スピンの縦磁化の回復の時間変化を表す複数のT1回復データであって、T1値の異なる複数のT1回復データに基づいて、前記各時相の画像データの中から血液の位置を検出する検出処理、
    を計算機に実行させるためのプログラムであり、
    前記検出処理は、
    スピンの縦磁化と時間との関係を表す式を用いて、前記複数のT1回復データを求める、プログラム
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