JP2011071936A - 通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の大型化を招いたり複雑な制御を行うことなく、アンテナ特性を容易に制御する。
【解決手段】通信装置20は、複数のループ導体100,200の少なくとも1つを電磁波の基本放射方向及び当該基本放射方向と略直交する基本放射直交方向に移動可能としたアンテナ1と、アンテナ1の通信領域を変化させるための調整要求信号を取得する調整要求取得部13Aと、調整要求取得部13Aにより取得された調整要求信号に基づき、駆動制御信号を生成し出力する調整信号生成部13Bとを有し、調整信号生成部13Bにより出力された駆動制御信号に応じて、移動可能な少なくとも1つのループ導体100,200の、それ以外の導体100,200に対する相対的位置関係を調整する。
【選択図】図10

Description

本発明は、複数の構成導体を備えたアンテナを用いて無線通信を行う通信装置に関する。
従来、通信装置に用いられるアンテナの特性を制御する方法が提唱されている。例えばアンテナの指向方向を制御する手法としては、複数のアンテナ素子を使用してその給電位相を制御する手法が知られており、アンテナの指向幅を制御する手法としては、アンテナを可動式とする手法が知られている。
上記アンテナを可動式としてアンテナの指向幅を制御する従来技術としては、例えば特許文献1に記載のものがある。この従来技術の通信装置では、アンテナが、電波を放射するアンテナ素子と、このアンテナ素子から放射された電波を前方に反射する反射器とから構成されている。反射器は、複数の反射片から構成された、広がり角が可変のパラボラ型反射器である。各反射片の一端側は軸に回動可能に支持され、それら反射片に対し前後方向にスライド可能なスライドバーが連結されている。そして、モータの駆動力によるスライドバーの前進・後退によって複数の反射片が上記軸を中心として回転する結果、反射器の広がり角が大小変化し、これによって指向性の幅が制御される。
特開2008−90796号公報
上述した位相制御により指向方向を制御する手法では、多数のアンテナ素子が必要となるため装置の大型化を招くと共に、制御が複雑化してしまうという問題があった。また、上記指向幅を制御する手法では、アンテナを可動にするための複雑な構造により装置が大型化するという問題があった。さらにこの場合、指向方向を調整するためには、台座ごとアンテナの向きを変える必要があるため、さらに大掛かりな設備が必要になるという問題があった。このように、従来技術では、装置の大型化や制御の複雑化を伴わずに指向方向及び指向幅の両方のアンテナ特性を制御することができなかった。
本発明の目的は、装置の大型化を招いたり複雑な制御を行うことなく、アンテナ特性を容易に制御することができる通信装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、少なくとも1つの反射器、若しくは、少なくとも1つの導波器、及び、1つの放射器を含む、複数の構成導体を備え、各構成導体の中心に立てられた各導体自身を含む各平面に対して直交する直線が互いに一致するよう各構成導体を配置したときの直線の方向で、放射器に対し導波器方向あるいは放射器に対し反射器と反対の方向を基本放射方向としたとき、前記複数の構成導体のうち少なくとも1つの構成導体を電磁波の基本放射方向及び当該基本放射方向と略直交する基本放射直交方向に移動可能としたアンテナと、前記アンテナの通信領域を変化させるための調整要求信号を取得する調整要求取得手段と、前記調整要求取得手段により取得された前記調整要求信号に基づき、駆動制御信号を生成し出力する制御信号生成手段と、前記制御信号生成手段により出力された前記駆動制御信号に応じて、前記移動可能な前記少なくとも1つの構成導体の、それ以外の構成導体に対する相対的位置関係を調整する調整駆動手段とを有することを特徴とする。
本願第1発明においては、アンテナは、少なくとも1つの反射器若しくは導波器と放射器とを含む複数の構成導体を備え、いわゆる八木アンテナと同等の機能を実現する。すなわち、電磁波放射方向後方側に位置する構成導体が反射器となり、電磁波放射方向前方側に位置する構成導体が放射器となって、反射器側から放射器側へ向かう方向に電磁波を放射することができる。
このとき、少なくとも1つの構成導体が、電磁波の基本放射方向及び当該基本放射方向と直交する基本放射直交方向に、移動可能に構成されている。このため、その構成導体と他の構成導体との相対位置関係によって、電磁波の放射態様を変化可能となる。すなわち、上記移動可能な構成導体を基本放射方向に移動させ、放射器と反射器との基本放射方向における距離を大きくすることで、電磁波を放射するときの指向性の幅を狭くすることができる。逆に放射器と反射器との基本放射方向における距離を小さくすることで、電磁波を放射するときの指向性の幅を広くすることができる。また、上記移動可能な構成導体を基本放射直交方向に移動させることで、電磁波放射方向からの平面視における放射器の中心位置と反射器の中心位置とを一致させずずらすことができる。これにより、放射器の構成導体の中心位置をずらした方向に、放射される電磁波の指向方向を制御することができる。
上記のような特性を備えたアンテナに対応し、アンテナの通信領域を変化させるための調整要求信号が調整要求取得手段により取得されると、その調整要求信号に基づき制御信号生成手段が駆動制御信号を生成し、調整駆動手段へ出力する。調整駆動手段は、入力された上記駆動制御信号に応じて、上記移動可能な構成導体とそれ以外の構成導体との相対位置関係を調整する。
これにより、調整要求信号の内容に対応して、アンテナの指向性の幅を広く又は狭く変更することができ、あるいは、アンテナの指向方向を変更することができる。これにより、位相制御による手法やアンテナ可動構造とする場合のように装置の大型化を招いたり複雑な制御が必要となることなく、アンテナ特性を容易に制御することができる。
第2発明は、上記第1発明において、前記調整要求取得手段により取得された前記調整要求信号における、前記アンテナの通信領域の変化に係わる要求内容を判定する信号判定手段をさらに有し、前記制御信号生成手段は、前記信号判定手段により前記調整要求信号が前記アンテナの指向方向を変える信号であると判定された場合には、前記調整駆動手段が前記移動可能な構成導体の前記相対位置を前記基本放射直交方向に移動させるための前記駆動制御信号を出力することを特徴とする。
これにより、調整要求信号による要求に応じ、構成導体を基本放射直交方向に移動させてアンテナの指向方向を確実に変更することができる。
第3発明は、上記第1発明において、前記調整要求取得手段により取得された前記調整要求信号における、前記アンテナの通信領域の変化に係わる要求内容を判定する信号判定手段をさらに有し、前記制御信号生成手段は、前記信号判定手段により前記調整要求信号が前記アンテナの指向性の幅を変える信号であると判定された場合には、前記調整駆動手段が前記移動可能な構成導体の前記相対位置を前記基本放射方向に移動させるための前記駆動制御信号を出力することを特徴とする。
これにより、調整要求信号による要求に応じ、構成導体を基本放射方向に移動させてアンテナの指向性の幅を確実に変更することができる。
第4発明は、上記第2又は第3発明において、前記アンテナの指向方向の角度値及び前記アンテナの指向性の幅の角度範囲と、当該角度値及び角度範囲を実現するために必要な、前記移動可能な構成導体に係わる前記基本放射方向又は前記基本放射直交方向における位置座標とを、互いに関連付けて記憶したアンテナ特性テーブルを記憶した第1記憶手段をさらに有し、前記制御信号生成手段は、前記第1記憶手段の前記アンテナ特性テーブルにアクセスし、前記調整要求信号の前記要求内容に含まれる前記アンテナの指向方向の角度値及び前記アンテナの指向性の幅の角度範囲に対応した、前記移動可能な構成導体に係わる前記基本放射方向又は前記基本放射直交方向における位置座標を取得し、当該位置座標を実現するための前記駆動制御信号を生成して前記調整駆動手段へ出力することを特徴とする。
要求されたアンテナの指向方向の角度値やアンテナの指向性の角度範囲に対応した位置座標が取得され、調整駆動手段が当該位置座標へと構成導体を駆動する。このように、アンテナの指向方向やアンテナの指向性の幅に応じた位置座標を予めテーブル化しておくことで、要求されるアンテナ特性をスムーズかつ確実に実現することができる。
第5発明は、上記第4発明において、前記アンテナは、前記移動可能な構成導体に含まれる少なくとも1つの導体要素が当該導体要素の軸方向寸法を増減可能な伸縮部を備えており、前記制御信号生成手段は、前記伸縮部を伸縮させるための前記駆動制御信号を生成して前記調整駆動手段へ出力することを特徴とする。
本願第5発明では、導体要素に備えられる伸縮部を伸縮させて、導体要素の長さを自在に変化させることができる。伸縮部を用いた導体要素の長さの変化により、構成導体の放射直交方向における面積を相対的に小さくしたり大きくすることができる。したがって、移動可能な構成導体自体を放射直交方向に移動させるのに加え、電磁波を放射するときの指向性の幅をさらに細かく調整することができる。また、上記伸縮部の伸縮を利用して、電磁波放射方向からの平面視における構成導体の中心位置と、他の構成導体の中心位置とのずらし寸法を変えることができる。したがって、移動可能な構成導体自体を基本放射方向に移動させるのに加え、放射される電磁波の指向性の幅をさらに細かく制御することができる。
第6発明は、上記第5発明において、前記第1記憶手段に記憶された前記アンテナ特性テーブルは、前記移動可能な構成導体が複数の前記伸縮部を備えている場合、前記アンテナの指向方向の角度値及び前記アンテナの指向性の幅の角度範囲と、前記移動可能な構成導体の位置座標と、前記複数の伸縮部の伸縮動作順序とを、互いに関連付けて記憶しており、前記制御信号生成手段は、前記アンテナの指向方向の角度値及び前記アンテナの指向性の幅の角度範囲に対応した、前記移動可能な構成導体に係わる前記基本放射方向又は前記基本放射直交方向における位置座標を取得し、当該位置座標を実現するための前記複数の伸縮部それぞれに係わる複数の前記駆動制御信号を生成し、前記複数の伸縮部の伸縮動作順序にしたがった順序で、前記複数の駆動制御信号を順次前記調整駆動手段へ出力することを特徴とする。
本願第6発明においては、アンテナの指向方向やアンテナの指向性の幅に応じた位置座標を予めアンテナ特性テーブルとして記憶させるとき、複数の伸縮部の伸縮動作を伴う場合には、当該複数の伸縮部の伸縮動作順序を併せて記憶させておく。これにより、当該複数の伸縮部を備えた構成導体を基本放射直交方向に移動させるときに、複数の伸縮部の伸縮動作を順序よく実行しつつ、スムーズに移動を実行することができる。
第7発明は、上記第2乃至第6発明のいずれかにおいて、前記アンテナの指向方向の角度値と前記アンテナの指向性の幅の角度範囲との組み合わせをそれぞれ含む複数の調整要求データを、前記アンテナの通信領域の変化に係わる要求内容として備えた調整要求テーブルを記憶した第2記憶手段をさらに有し、前記調整要求取得手段は、前記第2記憶手段の前記アンテナ特性テーブルに所定周期でアクセスすることにより、前記アンテナ特性テーブルに含まれる前記複数の調整要求データを、前記調整要求信号として所定の順序で順次取得し、前記制御信号生成手段は、前記調整要求取得手段により順次取得される前記複数の前記調整要求データにそれぞれ含まれる前記アンテナの指向方向の角度値及び前記アンテナの指向性の幅の角度範囲に対応した、複数の前記駆動制御信号を順次生成し、前記調整駆動手段へ出力することを特徴とする。
本願第7発明においては、アンテナ特性を時間的に切り替えて通信を行う場合に、当該アンテナ特性に対応した複数の調整要求データを調整要求テーブルに記載しておく。そして、調整要求取得手段がそれら複数の調整要求データを所定周期で順次取得し、制御信号生成手段が各調整要求データに対応した駆動制御信号を順次生成出力する。これにより、上記時間的に切り替わるアンテナ特性を確実に実現することができる。
第8発明は、上記第2乃至第6発明のいずれかにおいて、操作態様によって前記アンテナの通信領域の変化態様を指示入力可能であり、当該指示入力された前記アンテナの通信領域の変化態様を含む前記調整要求信号を前記調整要求取得手段へ出力する操作手段をさらに有し、前記制御信号生成手段は、前記調整要求取得手段により取得された前記調整要求信号に応じて、前記操作手段で指示入力された前記アンテナの通信領域の変化態様に含まれる前記アンテナの指向方向の角度値及び前記アンテナの指向性の幅の角度範囲に対応した、前記移動可能な構成導体に係わる前記基本放射方向又は前記基本放射直交方向における位置座標を取得し、当該位置座標を実現するための前記駆動制御信号を生成して前記調整駆動手段へ出力することを特徴とする。
これにより、操作者が意図するアンテナ特性を確実に実現することができる。
第9発明は、上記第1乃至第8発明のいずれかにおいて、前記調整駆動手段による前記構成導体の移動により生じた前記アンテナのインピーダンスの不整合による、当該アンテナでの反射電力を検出する反射電力検出手段をさらに有し、前記調整要求取得手段は、前記反射電力検出手段による前記反射電力の検出結果に対応した、前記アンテナの通信領域の変化に係わる要求内容の前記調整要求信号を取得することを特徴とする。
これにより、構成導体の移動によりアンテナのインピーダンスが変化する場合でも、アンテナに接続される回路側のインピーダンスとの不整合が発生しないようにして、当該不整合による機器回路の損傷を抑制することができる。
第10発明は、上記第9発明において、前記反射電力検出手段による前記反射電力の検出値を入力し、当該検出値が所定のしきい値以下となるように前記アンテナのインピーダンスの不整合の是正を要求する前記調整要求信号を、前記調整要求取得手段へ出力する是正要求出力手段をさらに有し、前記制御信号生成手段は、前記調整要求取得手段により取得された、前記是正要求出力手段からの前記調整要求信号に基づき、前記駆動制御信号を生成し出力することを特徴とする。
これにより、インピーダンス不整合により発生しうる機器回路の損傷を、確実に防止することができる。
第11発明は、上記第1乃至第10発明のいずれかにおいて、少なくとも前記調整駆動手段による前記相対的位置関係の調整開始より前に、前記アンテナの出力を所定値に抑制すると共に、前記調整駆動手段による前記相対的位置関係の調整終了後は前記アンテナ出力の抑制を解除する、出力制御手段を有することを特徴とする。
アンテナ特性の調整中はアンテナ出力を抑制することにより、機器回路の損傷を防止することができる。
本発明によれば、装置の大型化を招いたり複雑な制御を行うことなく、アンテナ特性を容易に制御することができる。
本発明の一実施形態の通信装置に備えられたアンテナの詳細構造を、筐体を透視して表す斜視図である。 本発明の一実施形態の通信装置に備えられたアンテナの全体構造を概念的に表す斜視図及び正面図である。 伸縮部の構造の変形例を表す図である。 ナット部の構造を表す一部断面図である。 歯車機構の概略構成を表す上面図である。 指向性の幅を制御する際に行うループ導体の変形の一例を表す図である。 放射される電磁波の指向方向を制御する際に行うループ導体の変形の一例を表す図である。 共振周波数を制御する際に行うループ導体の変形の一例を表す図である。 ループ導体の2つの給電部による偏波面のなす角度を大きく制御する際に行うループ導体の変形の一例と、小さく制御する際に行うループ導体の変形の一例を表す図である。 本発明の一実施形態の通信装置の機能構成を表す機能ブロック図である。 制御回路部の機能構成を表す機能ブロック図である。 アンテナ特性テーブルの一例を表す図である。 通信装置の制御回路部によって行われる制御内容を表すフローチャートである。 調整要求テーブルを備える変形例における、制御回路部の機能構成を表す機能ブロック図である。 調整要求テーブルの一例を表す図である。 通信装置の制御回路部の変形例によって行われる制御内容を表すフローチャートである。 ループ導体間の前後方向距離寸法を調整する変形例における、アンテナの詳細構造を筐体を透視して表す斜視図である。 通信装置の機能構成を表す機能ブロック図である。 携帯型通信装置として構成した変形例における、通信装置の外観を表す側面図である。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、構成導体としてループ型の導体を備えたアンテナを持つ、通信装置の実施形態である。
まず、本実施形態の通信装置の構造上の最大の特徴である、ループ型のアンテナを図1及び図2により説明する。なお、本明細書の説明において前、後、左、右、上、下というときは、図1及び図2等の各図中に示す電磁波を放射する方向、すなわちループ導体の中心線方向を基準とする各方向を指す。
図1及び図2において、本実施形態の通信装置20(後述の図10参照)は、アンテナ1を備えている。アンテナ1は、筐体2と、複数の構成導体としての2つのループ導体100,200とを有している。
ループ導体100,200は筐体2内に配列されており、いわゆる八木アンテナと同等の機能を実現する。すなわち、後方側に位置するループ導体200が反射器、前方側に位置するループ導体100が放射器として機能する。
ループ導体100,200は、前方側へ向かって順次ループ面積が小さくなるように構成されている。ループ導体100,200は、図2(b)に示すように、前方側からの平面視において、前方側に位置するループ導体100が、後方側に位置するループ導体200の径方向内側に位置するように配置されている。すなわち全体的な大きさとして、放射器であるループ導体100より反射器であるループ導体200が大きくなっている。またループ導体100,200は、互いのループ面同士が略平行となるように配置されている。また各ループ導体100,200は、4つの導体要素100A〜100D及び200A〜200Dがそれぞれ略四角形のループ形状に配列された構成となっており、ループ導体100,200は互いに相似なループ形状となっている。なお、上記のループ面とは、各ループ導体100,200の導体要素100A〜100D及び200A〜200Dの軸心線を結ぶ四角形のなす平面、言い換えれば、各構成導体100,200の中心に立てられた各導体100,200自身を含む平面のことである。そして、アンテナ1は、反射器側であるループ導体200から放射器側であるループ導体100へ向かう方向に電磁波を放射する。すなわち、図2(a)の右側に示すように、上記ループ面に対して直交する直線が互いに一致するよう各ループ導体100,200を配置したときの直線の方向が、電磁波放射方向となる。したがって、この電磁者放射方向すなわち前後方向が、各請求項記載の基本放射方向となり、上記でいう左右方向が電磁波放射方向に直交する基本放射直交方向となる。
ループ導体100の上側の導体要素100Aには第1給電部110Aが設けられ、右側の導体要素100Bには第2給電部110Bが設けられている。図1に示すように、ループ導体100の第1給電部110A及び第2給電部110Bでは、導体要素100A,100Bがそれぞれ分断されている。第1給電部110Aでは、第1給電線41(後述の図10参照)の内部導体及び外部導体が導体要素100Aの導体端部111a,112aにそれぞれ接続される。同様に第2給電部110Bでは、第2給電線42(後述の図10参照)の内部導体及び外部導体が導体要素100Bの導体端部111b,112bにそれぞれ接続される。なお、第1給電部110A及び第2給電部110Bに給電線41,42が接続されると、図1中破線で示すように、導体端部111a,112a間及び導体端部111b,112b間がそれぞれ一定間隔でかつ両導体同士で軸を同じくするように固定された状態となる。
ループ導体100の各導体要素100A〜100Dには、各導体要素の軸方向寸法を増減可能な伸縮部120A〜120Dがそれぞれ設けられている。この伸縮部によって、ループ導体100は変形してループ長やループ面積等を変更可能な構成となっている。ループ導体200についても同様に、各導体要素200A〜200Dには、各導体要素の軸方向寸法を増減可能な伸縮部220A〜220Dがそれぞれ設けられている。この伸縮部によって、ループ導体200は変形してループ長やループ面積等を変更可能な構成となっている。なお、伸縮部の詳細構造については後述する。
ここで、上記のループ長とは、ループ導体100,200を構成する各導体要素100A〜100D及び200A〜200Dの軸心線の長さの和である。ループ面積とは、各導体要素100A〜100D及び200A〜200Dの軸心線を結ぶ四角形のなす平面の面積である。後述する変形を行っていない状態では、ループ導体100のループ長は、およそ通信に係る1波長分の長さ寸法となっている。この状態では、第1給電部110A及び第2給電部110Bは、それぞれ導体要素100A,100Bの長手方向略中央位置に位置する。したがって、この状態では、第1給電部110Aと第2給電部110Bとは、互いに1/4波長分ずれた位置に配置され、直交した2偏波を実現することができる。
次に、ループ導体100に備えられた上記伸縮部の構造について、導体要素100Aの伸縮部120Aを例にとって説明する。伸縮部120Aは、導体要素100Aの第1給電部110Aと異なる位置、図1に示す例では第1給電部110Aの左側に設けられている。この伸縮部120Aは、分断された導体要素100Aの一方側の端部121aに設けられた芯部122aが、他方側の端部123aに設けた穴部124aに対し摺動可能に挿入された構造となっている。このような構造により、伸縮部120Aにおいて芯部122aが穴部124a内を摺動しつつ、導体要素100Aの軸方向寸法が増減可能な構成となっている。
なお、ループ導体の他の導体要素100B〜100Dの伸縮部120B〜120Dや、ループ導体200の導体要素200A〜200Dの伸縮部220A〜220Dについても同様の構造であるため、詳細な説明を省略する。
なお、伸縮部として、上記以外の構造を採用してもよい。例えば伸縮部120Aの例で説明すると、上記実施形態では図3(a)に示すように、伸縮部120Aにおける一方側の端部121aに設けられた芯部122aが他方側の端部123aに設けた穴部124aに対し摺動可能に挿入された構造とした。しかしながら、これに代えて、例えば図3(b)に示すように、端部121aの上下方向中心部を軸方向に突出させ、この突出部122a′が他方側の端部123aに設けた凹部124a′に対し摺動可能に嵌合された構造である伸縮部120A′としてもよい。すなわち、伸縮部の左右両側の部材の左右方向の移動差を許容し、上下方向の移動差を規制する構造であればよい。
図1及び図2に戻り、ループ導体100の各導体要素100A〜100Dは、非導電性の材料で構成された支持駆動部130A〜130Dにより筐体2に対しそれぞれ支持されている。次にこの支持駆動部の構造について、導体要素100Aを支持する支持駆動部130Aを例にとって説明する。
図4に示すように、支持駆動部130Aは、導体要素100Aの外周部を把持する略円環状の把持部131aと、この把持部131aを下端に固定したボルト部132aと、このボルト部132aの上側に形成されたネジと螺合するナット部133aとを有している。ナット部133aの外周面の下方側には溝dが形成されている。
ナット部133aは、溝dに筐体2の上面2Aに設けられた開口21aの縁が嵌合した状態で開口21aに挿通されている。これにより、ナット部133aは開口21a内において左右方向に移動可能となっており、その結果、支持駆動部130Aは左右方向に移動可能に導体要素100Aを支持している。ナット部133aは、歯車機構150Aを介しモータM1(図示せず。後述の図10も参照)の駆動力が伝達されることにより、ボルト部132aの回りに回転駆動される。上記のようにナット部133aは筐体2に対して回転のみ可能に支持されているため、上記ナット部133aの回転駆動によってボルト部132aが軸方向に移動する。この結果、ボルト部132aが導体要素100Aと共に筐体上面2Aに対して進退することができる。また、この進退によって、必要に応じて伸縮部120B,120Dが伸縮する。
上記歯車機構150Aについて、図5を用いて説明する。歯車機構150Aは、相互に噛合する小歯車151a及び大歯車152aから構成されている。小歯車151aは上記支持駆動部130Aのナット部133aに対し同軸に連結されている。大歯車152aは、モータM1の出力軸に対し同軸に連結されている。モータM1の出力軸の駆動力が大歯車152aに伝達されると、この駆動力が小歯車151aを介しナット部133aに伝達され、上記のように導体要素100Aを進退させる。これにより、モータM1の駆動制御を行うことによって、導体要素100Aの筐体上面2Aに対する進退駆動を制御することができる。
図1及び図2に戻り、他の導体要素100B〜100Dを支持する支持駆動部130B〜130Dについても同様の構造となっている。すなわち、支持駆動部130Bでは、歯車機構150Bを介しモータM2(図示せず。後述の図10も参照)の駆動力が伝達されてナット部133bがボルト部132bの回りに回転し、ボルト部132bが導体要素100Bと共に筐体右面2Bに対して進退する。また、この進退によって、必要に応じて伸縮部120A,120Cが伸縮する。また、支持駆動部130Cでは、歯車機構150Cを介しモータM3(図示せず。後述の図10も参照)の駆動力が伝達されてナット部133cがボルト部132cの回りに回転し、ボルト部132cが導体要素100Cと共に筐体下面2Cに対して進退する。また、この進退によって、必要に応じて伸縮部120A,120Cが伸縮する。さらに、支持駆動部130Dでは、歯車機構150Dを介しモータM4(図示せず。後述の図10も参照)の駆動力が伝達されてナット部133dがボルト部132dの回りに回転し、ボルト部132dが導体要素100Dと共に筐体左面2Dに対して進退する。また、この進退によって、必要に応じて伸縮部120A,120Cが伸縮する。なお、上記歯車機構150B,150C,150Dは、図5に示した歯車機構150Aと同様の構成である。これにより、モータM2,M3,M4の駆動制御をそれぞれ行うことによって、導体要素100B,100C,100Dの筐体各面2B,2C,2Dに対する進退駆動を制御することができる。
また、反射器であるループ導体200の導体要素200A〜200Dについても、詳細な説明は省略するが、上記同様の支持構造である。すなわち、導体要素200A〜200Dは、ナット部233a〜233dを備えた支持駆動部230A〜230Dによりそれぞれ支持され、上記同様、歯車機構を介したモータM5〜M8(図示せず。後述の図10も参照)の駆動力の伝達によって筐体各面2A〜2Dに対して進退する。また、この進退によって、必要に応じて伸縮部220A〜220Dが伸縮する。なお、各導体要素200A〜200Dを駆動する上記歯車機構も図5に示した歯車機構150Aと同様の構成である。すなわち、モータM5,M6,M7,M8の駆動制御をそれぞれ行うことによって、導体要素200A,200B,200C,200Dの筐体各面2A,2B,2C,2Dに対する進退駆動を制御することができる。
以上のようにして、モータM1〜M8から歯車機構150A〜150D等を介した駆動力の伝達により、筐体2の外部より、ループ導体100,200の導体要素100A〜100D,200A〜200Dを進退駆動させ、ループ導体100,200のループ面積等を調整することができる。
例えばループ導体100の左右方向の大きさを増減させる場合には、モータM2,M4の少なくとも一方を制御し、支持駆動部130B,130Dのナット部133b,133dの少なくとも一方を回転させる。これにより、導体要素100B,100Dを筐体右面2B及び左面2Dに対して進退させることができる。このとき、適宜、導体要素100A,100Cが伸縮部120A,120Cにより伸縮し、上記導体要素100B,100Dの筐体2B,2Dに対する進退を許容する。また、導体要素100A,100Cを支持する支持駆動部130A,130Cは、上記導体要素100A,100Cの伸縮に応じて開口21a,21c内を左右方向に移動しつつ、当該導体要素100A,100Cを支持する。以上により、ループ導体100の左右方向の大きさを増減させることができるのである。
また例えば、ループ導体100の上下方向の大きさを増減させる場合には、導体要素100A,100Cを支持する支持駆動部130A,130Cのうち少なくとも一方について、そのナット部133a,133cをボルト部132a,132c回りに回転させ、導体要素100A,100Cを筐体上面2A及び下面2Cに対して進退させる。このとき、導体要素100B,100Dが伸縮部120B,120Dにより伸縮し、上記導体要素100A,100Cの筐体2A,2Cに対する進退を許容する。また導体要素100B,100Dを支持する支持駆動部130B,130Dは、上記導体要素100B,100Dの伸縮に応じて開口21b,21d内を上下方向に移動しつつ、当該導体要素100B,100Dを支持する。これにより、ループ導体100の上下方向の大きさを増減させることができるのである。
上記では説明を省略したが、モータM1〜M4のうち適宜のものを制御し、導体要素100A〜100Dのうち適宜のものを進退させることで、ループ導体100の左右方向と上下方向の大きさを併せて増減することもできる。この場合、左右方向については寸法増大させつつ上下方向については寸法縮小、あるいは、左右方向寸法を縮小しつつ上下方向寸法増大、を実行することも可能である。また、ループ導体200の左右方向・上下方向の大きさの増減についても、同様にモータM5〜M8の制御によって実行することができる(詳細な説明は省略)。
本実施形態では、通信装置でのアンテナの通信領域、特にアンテナ1の指向性の幅や指向方向を所望の特性に制御するために、当該所望の通信領域に対応した上記モータM1〜M8の制御を実行し、前述のようにループ導体100,200を変形させる。以下、そのようなループ導体100,200の変形の態様について説明する。
指向性の幅を制御する際に行うループ導体の変形の一例を、図6を用いて説明する。
例えば、図6中矢印アで示すように、ループ導体100,200のループ中心位置を一致させた状態で、後方側のループ導体200のループ面積が大きくなるように変形すると、アンテナ1から電磁波を放射するときの指向性の幅を狭くすることができる。なおこのとき、ループ導体200のループ面積を大きくするのではなく、前方側のループ導体100のループ面積を小さくしてもよい。なおこの場合には共振周波数も変化するため、この共振周波数を調整するための制御が必要となるが、この制御については後述する。このようにして、後方側のループ導体200のループ面積に対する前方側のループ導体100のループ面積を相対的に小さくすることで、電磁波を放射するときの指向性の幅を狭くすることができる。なお、本明細書では、前述の基本放射方向に対する放射電磁波半減方向のなす角を、「指向性の幅」と定義し使用している。
一方、図6中矢印イで示すように、ループ導体100,200のループ中心位置を一致させた状態で、後方側のループ導体200のループ面積が小さくなるように変形することにより、電磁波を放射するときの指向性の幅を広くすることができる。なおこのとき、ループ導体200のループ面積を小さくするのではなく、前方側のループ導体100のループ面積を大きくしてもよい。この場合の共振周波数の変化に対応した制御についても後述する。このようにして、後方側のループ導体200のループ面積に対する前方側のループ導体100のループ面積を相対的に大きくすることで、電磁波を放射するときの指向性の幅を広くすることができる。
なお、指向性の幅を広くしたり狭くしたりするためには、上記の手法のほか、ループ導体100とループ導体100との前後方向、すなわち電磁波放射方向における距離を可変に制御するようにしてもよい(後述の(2)の変形例を参照)。
放射される電磁波の指向方向を制御する際に行うループ導体の変形の一例を、図7を用いて説明する。
例えば、図7中矢印ウで示す例では、ループ導体100のループ中心位置が、ループ導体200の中心位置から右下方向にずれている。このようなループ導体100の変形は、導体要素100A,100Dについては筐体2の上面2A及び左面2Dより遠ざかるように移動させ、導体要素100B,100Cについては筐体2の右面2B及び左面2Cに近づけるように移動させることで実現できる。これにより、放射される電磁波の指向方向をループ導体100のループ中心位置をずらした方向である右下方向に制御することができる。なおこのとき、ループ導体100のループ中心位置をずらすのではなく、後方側のループ導体200のループ中心位置をずらすようにしてもよい。例えば後方側のループ導体200のループ中心位置を左上にずらすことにより、上記と同様に放射される電磁波の指向方向を右下方向に制御することができる。右下以外の方向についても同様である。なお、本明細書では、前述の基本放射方向に対する最大電磁波放射方向のなす角度を、「指向方向」と定義し使用している。
このようにして、ループ導体100のループ中心位置とループ導体200のループ中心位置との相対的な位置関係を調整することにより、放射される電磁波の指向方向を所望の方向に制御することができる。
共振周波数を制御する際に行うループ導体の変形の一例を、図8により説明する。
本実施形態のアンテナ1は、給電部110A,110Bを有するループ導体100のループ長と略等しい波長を有する周波数で共振する。したがって、図8中矢印エで示すように、ループ導体100,200のループ中心位置を一致させた状態で、ループ導体100のループ長が長くなるように変形することにより、共振周波数を低くすることができる。また、図8中矢印オで示すように、ループ導体100のループ長が短くなるように変形することにより、共振周波数を高くすることができる。
ループ導体100の給電部110A,110Bによる偏波面のなす角度を制御する際に行う、ループ導体の変形の一例を図9により説明する。
図9(a)中矢印カに示すように、ループ導体100の導体要素100A,100Cの長さを伸縮部120A,120Cにより共に短くし、矢印キに示すように、導体要素100B,100Dの長さを伸縮部120B,120Dにより共に長くし、短くした分の長さと長くした分の長さを一致させる。これにより、ループ導体100のループ長を変更せずに、第1給電部110Aと第2給電部110Bとの間隔を大きくすることができる。このようにして、給電部110A,110Bの間隔を1/4波長〜1/2波長の間で調整することにより、ループ導体100の給電部110A,110Bにより放射される電磁波の、偏波のなす角度を90度〜およそ180度の間で調整することができる。
一方、図9(b)中矢印クに示すように、ループ導体100の導体要素100B,100Dの長さを伸縮部120B,120Dにより共に短くし、矢印ケに示すように、導体要素100A,00Cの長さを伸縮部120A,120Cにより共に長くし、短くした分の長さと長くした分の長さを一致させる。これにより、ループ導体100のループ長を変更せずに第1給電部110Aと第2給電部110Bとの間隔を小さくすることができる。このようにして、給電部110A,110Bの間隔を0〜1/4波長の間で調整することにより、ループ導体100の給電部110A,110Bにより放射される電磁波の偏波のなす角度をおよそ0度〜90度の間で調整することができる。
なお、前述したように、上記のようなループ導体100の変形を行っていない状態では、給電部110A,110Bが互いに1/4波長分ずれた位置となるため、ループ導体100の給電部110A,110Bにより放射される電磁波の偏波のなす角度は90度となる。
また、上記図9(a)及び図9(b)では、ループ導体100の変形に合わせ、ループ導体100が径方向内側に位置しかつ相似形となるように、ループ導体200についても適宜変形を行っている。
次に、上記のようにしてアンテナの通信領域を制御可能なアンテナ1を備えた、通信装置20について、図10を用いて説明する。なお、図示の煩雑を防止するために、図10において、アンテナ1のループ導体200の図示は省略している。
通信装置20は、図10に示すように、上記アンテナ1と、通信装置本体10とを有している。前述したように、アンテナ1の2つの給電部である第1給電部110A及び第2給電部110Bは、共に同一のループ導体100に設けられている。第1給電部110Aには第1給電線41が接続され、第2給電部110Bには第2給電線42が接続されている。これら第1給電線41及び第2給電線42は、内部導体及び外部導体が同軸に構成された同軸ケーブルであり、スイッチSWにより選択的に通信装置本体10と接続される。
すなわち、スイッチSWが第1給電線41側に切り替わると、通信装置本体10の高周波回路11の送受分離器12とループ導体100の第1給電部110Aとが、第1給電線41を経由して接続され、ループ導体100は1つの偏波アンテナとして機能する。一方、スイッチSWが第2給電線42側に切り替わると、通信装置本体10の送受分離器12とループ導体100の第2給電部110Bとが、第2給電線42を経由して接続され、ループ導体100は上記1つの偏波アンテナとは異なる偏波面を備えた別の偏波アンテナとして機能する。スイッチSWは、例えば後述する制御回路部13の出力抑制命令部13Cにより切替制御される。
ループ導体100を変形していない状態では、上述したように給電部110A,110Bが互いに1/4波長分ずれた位置となるため、ループ導体100は給電部110A,110Bにより互いに直交する偏波面を有する電磁波を放射するアンテナとして機能する。
通信装置本体10は、図10に示すように、上記高周波回路11と、制御回路部13と、方向性結合器14と、送信電力検出部15と、反射電力検出手段としての反射電力検出部16と、報知部17と、操作手段としての操作部18と、調整制御部駆動部19とを有している。
高周波回路11は、前述の送受分離器12が備えられている。制御回路部13は、高周波回路11に対し各種コマンドを出力し、アンテナ1を介した通信制御を行う。
方向性結合器14は、高周波回路11とスイッチSWとの間の伝送線路上に設けられている。方向性結合器14は、高周波回路11からアンテナ1へ伝搬する送信電力の一部を取り出すと共に、アンテナ1から高周波回路11へ伝搬する反射電力の一部を取り出す。
送信電力検出部15は、上記方向性結合器14により取り出された送信電力を検出し、その検出結果を制御回路部13に出力する。
反射電力検出部16は、上記方向性結合器14により取り出された反射電力を公知の手法で検出する。すなわち、反射電力検出部16は、前述したループ導体100,200の変形、すなわち導体要素100A〜100D,200A〜200Dの進退移動により生じたアンテナ1のインピーダンスの不整合に由来する上記反射電力を検出する。そして、この検出された検出値が所定値を超えていた場合には、当該所定値以下になるように上記不整合の是正を要求する内容の調整要求信号を制御回路部13の調整要求取得部13A(後述)へ出力する。したがって、反射電力検出部16は、各請求項記載の是正要求出力手段としても機能する。
報知部17は、例えば液晶表示部等により構成される。
操作部18は、操作者が、例えばスイッチ連打、スイッチ押下時間の長短、2段階等の種々の操作態様等により、前述したアンテナ1の通信領域の所望の態様を指示入力可能である。例えば、操作部18が多段式押下スイッチによる場合は、より深く押下するほど、アンテナ1から放射される電磁波の指向性の幅が小さくなるような指示を行うことができる。この指示入力に応じて、当該指示されたアンテナ1の通信領域の変化態様を含む調整要求信号が、制御回路部13へ入力される。
調整制御部駆動部19は、上記調整要求信号に基づいて制御回路部13から出力された駆動制御信号(後述)に応じて、前述したループ導体100,200の変形を実現するために、モータM1〜M8を制御し駆動する。なお、この調整制御部駆動部19は、前述したモータM1〜M8、歯車機構150A〜150D等、及び支持機構130A〜130D,230A〜230Dと共に、各請求項記載の調整駆動手段として機能する。
制御回路部13の詳細機能構成を図11に示す。図11に示すように、制御回路部13は、調整要求取得手段としての調整要求取得部13Aと、制御信号生成手段としての調整信号生成部13Bと、出力制御手段としての出力抑制命令部13Cと、アンテナ特性テーブルT1を記憶した、第1記憶手段としての記憶部とを備えている。
調整要求取得部13Aは、前記アンテナ1の通信領域を変化させるための上記調整要求信号を、操作部18や反射電力検出部16から取得する。なお、上記では、反射電力検出部16が、検出された検出値が所定値を超えていた場合に、当該所定値以下になるように上記不整合の是正を要求する内容の調整要求信号を調整要求取得部13Aへ出力していたが、これに限られない。すなわち、反射電力検出部16が検出値の値に関係なく検出結果を制御回路部13の調整要求取得部13Aへ出力し、調整要求取得部13Aが、当該入力した検出値が所定値を超えていた場合に、当該所定値以下になるような制御信号を調整信号生成部13Bへ出力するようにしてもよい。
また、調整要求取得部13Aは、取得された調整要求信号に基づき報知部17を制御する。これにより、報知部17は、操作者に対し当該調整要求情報の内容を報知する。
調整信号生成部13Bは、調整要求取得手段13Aが取得した上記調整要求信号に基づき、上記駆動制御信号を生成する。具体的には、上記アンテナ特性テーブルT1を参照して、調整要求信号に含まれる要求内容を実現するためのループ導体100,200の位置座標等のデータを取得する。そして、当該ループ導体100,200の位置座標を実現するための駆動制御信号を生成して、調整制御部駆動部19へ出力する。
上記アンテナ特性テーブルT1の一例を図12に示す。図12に示すように、アンテナ特性テーブルT1では、実現可能なアンテナ1のアンテナ特性として、アンテナ1の指向方向の角度値である指向方向(θ,φ)[deg]、アンテナ1の指向性の幅の角度範囲である指向幅寸法w[deg]、及びアンテナ1の利得G[dBi]の各項目が設けられている。また、それらのアンテナ特性を実現するために必要な、ループ導体100の中心位置である放射器中心座標(x,y,z)と、ループ導体200の中心座標である反射器中心座標(x,y,z)と、ループ導体200の上下方向及び左右方向寸法である反射器縦幅寸法h[mm]及び反射器横幅寸法w[mm]の各項目が設定されている。そして、指向方向(θ,φ)、指向幅寸法w、及び利得Gの具体的数値と、その数値を実現するために必要な放射器中心座標(x,y,z)、反射器中心座標(x,y,z)、反射器縦幅寸法h、及び反射器横幅寸法wの具体的数値とが、互いに関連付けて記憶されている。なお、利得Gの数値は、例えば通信装置20周囲の環境に応じて適宜設定されている。
調整信号生成部13Bは、上記アンテナ特性テーブルT1を参照し、上記調整要求信号の要求内容に含まれる、上記指向方向(θ,φ)、指向幅寸法w、利得G等に対応した、放射器中心座標(x,y,z)、反射器中心座標(x,y,z)、反射器縦幅寸法h、及び反射器横幅寸法wを取得する。そして、取得した中心座標や反射器縦・横幅寸法h,wを実現するための上記駆動制御信号を生成し、調整制御部駆動部19へ出力するのである。
この結果、調整信号生成部13Bは、例えば調整要求信号に含まれる要求がアンテナ1の指向方向を変える信号である場合には、図7を用いて説明したように、ループ導体100やループ導体200の中心位置を左右方向、すなわち電磁波放射方向と略直交する方向にずらすような駆動制御信号を出力する。したがって、結果として、調整信号生成部13Bは、調整要求取得部13Aにより取得された調整要求信号におけるアンテナ1の通信領域の変化に係わる要求内容を判定するための、信号判定手段としても機能している。なお、この機能を調整信号生成部13Bでなく調整要求取得部13Aが備えるようにしてもよい。
なお、上記図1に示したように、ループ導体100が複数の伸縮部120A〜120Dを備えたり、あるいはループ導体200が複数の伸縮部220A〜220Dを備えている場合、それら複数の伸縮部の伸縮動作を複数回に個別に分け、各伸縮部ごとに複数回駆動制御信号を出力するようにしてもよい。
この場合、上記アンテナ特性テーブルには、上記指向方向(θ,φ)、指向幅寸法w、利得G等に対応付けて、上記放射器中心座標(x,y,z)、反射器中心座標(x,y,z)、反射器縦幅寸法h、及び反射器横幅寸法wに加え、上記複数の伸縮部を伸縮させるべき伸縮動作順序も併せて記憶させておく。
この場合、調整信号生成部13Bは、上記アンテナ特性テーブルT1にアクセスし、上記調整要求信号の要求内容に含まれる、上記指向方向(θ,φ)、指向幅寸法w、利得G等に対応した、放射器中心座標(x,y,z)、反射器中心座標(x,y,z)、反射器縦幅寸法h、反射器横幅寸法w、及び伸縮部の伸縮動作順序を取得する。その後の上記駆動制御信号の生成のときには、各回の伸縮動作ごとに上記駆動制御信号を生成する。すなわち、例えば、ある伸縮部の伸縮動作→別の伸縮部の伸縮動作→さらに別の伸縮部の伸縮動作、・・のように複数の伸縮部それぞれの複数回の伸縮動作がアンテナ特性テーブルT1に記載してあった場合、調整信号生成部13Bは、各回に対応して、上記ある伸縮部の伸縮動作に対応した駆動制御信号→上記別の伸縮部の伸縮動作に対応した駆動制御信号→さらに別の伸縮部の伸縮動作に対応した駆動制御信号、というように複数回に分けて上記駆動制御信号を順次調整制御部駆動部19へ出力する。これにより、複数の伸縮部の伸縮動作を順序よく実行しつつ、スムーズにループ導体100,200の変形を実行することができる。
図11に戻り、調整制御部駆動部19は、上記調整信号生成部13Bにより出力された駆動制御信号に応じて、モータM1〜M8を駆動制御してループ導体100,200を変形させ、アンテナ1のアンテナ特性を可変に制御する。
出力抑制命令部13Cは、少なくとも調整制御部駆動部19によるループ導体100,200の変形によるアンテナ特性の調整開始より前に、アンテナ1の出力を所定値以下、例えばそれまでの1/10以下、あるいは予め定められた最小出力値、に抑制するよう、高周波回路11を制御する。出力抑制命令部13Cは、調整制御部駆動部19による上記アンテナ特性の調整終了後は、上記アンテナ1の出力の抑制を解除するよう高周波回路11を制御する。このように、アンテナ特性の調整中はアンテナ1の出力を抑制することにより、機器回路の損傷を防止することができる。
以上説明した制御を実行するために、通信装置本体10の制御回路部13によって行われる制御内容を図13に示す。
ステップS10では、調整要求取得部13Aが、操作者により操作部18での調整要求の操作入力があったか否かを判定する。具体的には、操作部18での操作者の操作入力に基づく調整要求信号が、調整要求取得部13Aに入力されたか否か、を判定する。当該調整要求信号が入力されるまでステップS10の判定が満たされずループ待機し、要請要求信号が入力されるとステップS10の判定が満たされ、ステップS20に移る。
ステップS20では、出力抑制命令部13Cが、高周波回路11に出力抑制命令を出力し、これ以降、アンテナ1の出力を所定値以下に抑制するように高周波回路11を制御する。
その後、ステップS21に移り、調整信号生成部13Bが、上記アンテナ特性テーブルT1を記憶した記憶部にアクセスし、アンテナ特性テーブルT1を読み込む。
そして、ステップS22において、調整信号生成部13Bが、ステップS21で読み込んだアンテナ特性テーブルT1を参照し、ステップS10で入力した調整要求信号の要求内容に適合したアンテナ特性、すなわち前述の放射器中心座標(x,y,z)、反射器中心座標(x,y,z)、反射器縦幅寸法h、及び反射器横幅寸法w等を決定する。その後、ステップS23に移る。
ステップS23では、調整信号生成部13Bが、その時点で設定され実現済みのアンテナ特性パラメータ、すなわち前述の放射器中心座標(x,y,z)、反射器中心座標(x,y,z)、反射器縦幅寸法h、及び反射器横幅寸法w等と、ステップS22で決定された放射器中心座標(x,y,z)、反射器中心座標(x,y,z)、反射器縦幅寸法h、及び反射器横幅寸法w等とを比較する。その後、ステップS24に移る。
ステップS24では、調整信号生成部13Bが、ステップS23での比較において、現在設定されているアンテナ特性パラメータの値と、ステップS22で決定されたアンテナ特性パラメータの値とが、一致したか否かを判定する。両パラメータの値が一致しない場合は、判定が満たされず、ステップS25に移る。
ステップS25では、調整信号生成部13Bが、上記ステップS22で決定されたアンテナ特性パラメータに対応した上記駆動制御信号を生成する。その後、ステップS26で、調整信号生成部13Bが、当該生成した駆動制御信号を調整制御部駆動部19へ出力する。これにより、上記ステップS22で決定されたアンテナ特性パラメータを実現するために、ループ導体100,200が適宜駆動される。その後、ステップS23へ戻り、同様の手順を繰り返す。したがって、上記ループ導体100,200の駆動は、現在設定されているアンテナ特性パラメータの値と、ステップS22で決定されたアンテナ特性パラメータの値とが、一致するまで実行されることとなる。なお、このようなアンテナ1のアンテナ特性の調整中の間は、調整要求取得部13Aが報知部17へ制御信号を出力し、調整中である旨を報知部17が操作者に報知する。
一方、ステップS24において、現在設定されているアンテナ特性パラメータの値と、ステップS22で決定されたアンテナ特性パラメータの値とが、一致した場合、ステップS24の判定が満たされ、ステップS27に移る。
ステップS27では、出力抑制命令部13Cが、高周波回路11に出力抑制命令を出力し、高周波回路11が、ステップS20で抑制された出力値によって、電磁波の放射を開始する。その後、ステップS29に移る。
ステップS29では、調整信号生成部13Bが、ステップS27での電磁波放射に対応して反射電力検出部16が検出した反射電力に基づき、反射電力検出部16から前述の不整合の是正を要求する内容の調整要求信号が入力されたかどうかを判定する。反射電力の検出値が前述の所定値に達し上記調整要求信号が入力されていた場合は判定が満たされ、ステップS31に移る。
ステップS31では、上記ステップS25と同様、調整信号生成部13Bが、上記ステップS29での入力に対応した、インピーダンス不整合を是正するための上記駆動制御信号を生成する。その後、ステップS32で、調整信号生成部13Bが、当該生成した駆動制御信号を調整制御部駆動部19へ出力する。これにより、上記インピーダンスの不整合を是正するために、ループ導体100,200が適宜駆動される。その後、ステップS29へ戻り、同様の手順を繰り返す。したがって、上記ループ導体100,200の駆動は、反射電力検出部16で検出した反射電力の検出値が前述の所定値未満となり上記調整要求信号が入力されなくなるまで実行されることとなる。なお、上記同様、このようなアンテナ1のアンテナ特性の調整中の間は、調整要求取得部13Aが報知部17へ制御信号を出力し、調整中である旨を報知部17が操作者に報知する。
一方、ステップS29において、反射電力検出部16が検出した反射電力が前述の所定値未満であり上記調整要求信号が入力されていない場合には判定が満たされず、ステップS33に移る。
ステップS33では、出力抑制命令部13Cが、ステップS20で高周波回路11に出力した出力抑制命令を解除する解除命令を出力し、これ以降、アンテナ1の出力の上記抑制を解除するように高周波回路11を制御する。
その後、ステップS34に移り、出力抑制命令部13Cが、スイッチSWに切替制御信号を出力してスイッチSWを第1給電線41側及び第2給電線42側のいずれかに切り替える。また出力抑制命令部13Cは、高周波回路11に制御信号を出力し、送受分離器12よりアンテナ1のループ導体100の第1給電部110A及び第2給電部110Bのいずれかに電力を出力する。これによりアンテナ1より電磁波が放射され、アンテナ1を介した通信対象との通信が開始される。
その後、ステップS35に移り、通信が終了したか否かを判定する。この判定は、例えば操作者が操作部18において適宜の通信終了操作を行ったかどうかを判定すればよい。通信が終了するまでは判定が満たされず、ステップS29に戻り、同様の手順を繰り返す。通信が終了した場合にはステップS35の判定が満たされ、このフローを終了する。
以上説明したように、本実施形態の通信装置20においては、アンテナ1が、ループ導体200及びループ導体100の変形により指向性の幅や指向方向などの電磁波の放射態様を変化可能となっている。すなわち、前方側のループ導体100のループ面積を相対的に大きくし、後方側のループ導体200のループ面積を相対的に小さくすることで、電磁波を放射するときの指向性の幅を広くすることができる。逆に前方側100のループ導体のループ面積を相対的に小さくし、後方側のループ導体200のループ面積を相対的に大きくすることで、電磁波を放射するときの指向性の幅を狭くすることができる。また、電磁波放射方向からの平面視における前方側のループ導体100のループ中心位置を、後方側のループ導体200のループ中心位置と一致させず、ずらすことができる。これにより、前方側のループ導体100のループ中心位置をずらした方向に、放射される電磁波の指向方向を制御することができる。
そして、上記のような特性を備えたアンテナ1に対応し、調整要求取得部13Aで取得された調整要求信号に基づき調整信号生成部13Bが駆動制御信号を生成し、調整制御部駆動部19へ出力する。これにより、モータM1〜M8のうち適宜のモータが駆動されてループ導体200やループ導体100が変形し、上記調整要求信号の要求内容に沿った指向性の幅や指向方向などの電磁波の放射態様が実現される。この結果、位相制御による手法やアンテナ可動構造とする場合のように装置の大型化を招いたり複雑な制御が必要となることなく、アンテナ1のアンテナ特性を容易に制御し、操作者が意図するアンテナ特性を確実に実現することができる。
なお、上記ループ導体100,200の両方に必ずしも伸縮部を設ける必要はなく、いずれか一方にループ導体に伸縮部を設けてもよい。またいずれのループ導体100,200にも伸縮部を設けない構成も考えられる。この場合も、図7を用いて前述したように、ループ導体100,200の大きさを変えることなくループ導体100のループ中心位置とループ導体200の中心位置とをずらすことで、これにより、放射される電磁波の指向方向を制御することができ、前述と同様、装置の大型化を招いたり複雑な制御が必要となることなく、操作者が意図する電磁波の指向方向を確実に実現することができる。
また、本実施形態では特に、調整信号生成部13Bがアンテナ特性テーブルT1にアクセスし、調整要求信号の要求内容に含まれるアンテナ1の指向方向や指向性の幅に対応したループ導体100,200の位置座標を取得し、当該位置座標を実現するための駆動制御信号を生成し出力する。このように、アンテナ1の指向方向やアンテナ1の指向性の幅に応じた位置座標を予めテーブル化しておくことで、要求されるアンテナ特性をスムーズかつ確実に実現することができる。
また、本実施形態では特に、調整要求取得部13Aが、反射電力検出部16による反射電力の検出結果に対応した調整要求信号を取得し、調整制御部駆動部19がインピーダンスを是正するよう駆動制御信号を出力する。これにより、ループ導体100,200の移動によりアンテナ1のインピーダンスが変化する場合でも、アンテナ1に接続される回路側のインピーダンスとの不整合が発生しないようにして、当該不整合による機器回路の損傷を抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)調整要求テーブルを備える場合
上記実施形態においては、操作部18での操作者の操作入力を契機に、制御回路部13が、当該操作入力の内容に応じた調整要求信号に沿ってアンテナ特性の調整を開始し、無線通信を実行したが、これに限られない。すなわち、予め定めたアンテナ1の通信領域の変化態様を調整要求テーブルに記憶させておき、その調整要求テーブルから、順次読み取りを行いながら、自動的にアンテナ特性の調整を行うようにしてもよい。以下、そのような変形例を説明する。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
本変形例の制御回路部13の詳細機能構成を図14に示す。図示のように、本変形例では、調整要求テーブルT2を記憶した、第2記憶手段としての記憶部が新たに設けられている。この調整要求テーブルT2は、アンテナ1の指向方向の角度値とアンテナ1の指向性の幅の角度範囲との組み合わせをそれぞれ含む調整要求データとしての複数のレコードを、アンテナ1の通信領域の変化に係わる要求内容として備えている。
調整要求取得部13Aは、前記アンテナ1の通信領域を変化させるための上記調整要求信号を、反射電力検出部16と、上記調整要求テーブルT2からの上記読み取りによって取得する。
上記調整要求テーブルT2の一例を図15に示す。図15に示すように、調整要求テーブルT2では、要求するアンテナ1のアンテナ特性として、アンテナ1の指向方向の角度値である指向方向(θ,φ)[deg]、アンテナ1の指向性の幅の角度範囲である指向幅寸法w[deg]、及びアンテナ1の利得G[dBi]の各項目が設けられている。そして、各項目に対する具体的な数値が、各レコードナンバーごとに設定されている。
調整要求取得部13Aは、例えば所定周期で調整要求テーブルT2にアクセスし、当該調整要求テーブルT2の各レコードナンバーの各項目の数値からなる調整要求データを所定の順序で順次読み取り、上記調整要求信号として取得する。
図14に戻り、調整信号生成部13Bは、調整要求取得部13Aが順次取得する上記複数の調整要求データにそれぞれ含まれる、アンテナ1の指向方向や指向性の幅に対応した複数の駆動制御信号を、前述と同様にアンテナ特性テーブルT1を参照して順次生成する。そして、調整信号生成部13Bは、生成した駆動制御信号を調整制御部駆動部19へ出力する。
本変形例において、制御回路部13によって行われる制御内容を図16に示す。図16に示すフローでは、前述の図13に示すフローのステップS10に代えて、新たにステップS100が設けられている。ステップS100では、調整要求取得部13Aが、前述の調整要求テーブルT2を記憶した記憶部へアクセスし、当該調整要求テーブルT2のレコードの読込を行う。なお、この図16のフローは、前述の所定間隔ごとに自動的に実行され、ステップS100では、当該所定間隔ごとに、予め定められた順序で各レコードの調整要求データを読み込む。
その後のステップS20以降の各手順は図13と同様である。ステップS22では、前述と同様、調整信号生成部13Bが、ステップS21で読み込んだアンテナ特性テーブルT1を参照し、ステップS100で調整要求テーブルT2から入力した調整要求データの内容に適合したアンテナ特性、すなわち前述の放射器中心座標(x,y,z)、反射器中心座標(x,y,z)、反射器縦幅寸法h、及び反射器横幅寸法w等を決定する。これにより、上記の所定間隔で、調整要求テーブルT2の各レコードに沿った内容にアンテナ特性が自動的に切り替えられつつ、無線通信が実行されることになる。
本変形例によれば、複数の調整要求データを調整要求テーブルT2に予め記載しておき、所定間隔で順次読み取りを行うことで、アンテナ1のアンテナ特性を時間的に自動切替することができる。
(2)ループ導体100,200間の前後方向距離を調整する場合
上記実施形態では、調整要求信号の要求内容にアンテナ1の指向性幅の広狭に関する要求が含まれていた場合、アンテナ特性テーブルT1を参照し、その指向幅寸法wを実現するために、ループ導体100,200の中心位置を固定しつつそれぞれのループ面積を大小変化させるような駆動制御を行った。しかしながら、この手法に限られない。すなわち、アンテナ100のループ導体100及びループ導体200を前後方向に移動可能な構造とし、上記アンテナ特性テーブルT1を参照し、上記指向幅寸法wを実現するために、ループ導体100,200の少なくとも一方を前後方向に駆動して、ループ導体100,200間の前後方向距離を変化させてもよい。このような変形例を以下説明する。
上記実施形態及び(1)の変形例と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
本変形例のアンテナ1の詳細構造を図17に示す。図17において、本変形例では、ループ導体100の導体要素100A,100B,100C,100Dをそれぞれ把持する把持部131a,131b,131c,131dに、ループ導体200のループの内側を挿通して後方側に向かって延在する前後駆動部140A〜140Dがそれぞれ設けられている。
前後駆動部140A,140B,140C,140Dは、棒状の駆動部材159a,159b,159c,159dをそれぞれ備えている。駆動部材159a,159b,159c,159dは、導体要素100A,100B,100C,100Dと略垂直な方向に沿って、把持部131a,131b,131c,131dから筐体2の後面2E近傍までそれぞれ延設されている。駆動部材159a〜159dの各先端には、前述の支持駆動部130A,130B,130C,130Dのボルト部132a,132b,132c,132dと同様のボルト部160a,160b,160c及び160d(図示せず)が形成されている。これらボルト部160a〜160dには、支持駆動部130A〜130Dのナット部133a〜133dと同様のナット部が螺合している。そして、これらのナット部は、詳細な説明を省略するが、ナット部133a〜133dと同様、上下方向又は左右方向に移動可能な状態で、筐体2の後面2Eに設けた開口に挿通されている。この結果、前後駆動部140A〜140Dは、上下方向に移動可能に導体要素100A〜100Dを支持している。また、筐体2の後面2Eには、前述の歯車機構150A〜150Dの歯車機構161A,161B,161C及び161D(図示せず)が設けられている。
そして、前後駆動部140Aのボルト部160aに螺合するナット部は、図4及び図5に示した歯車機構150A〜150Dと同様の構造により、歯車機構161Aを介しモータM9(図示せず。後述の図18参照)の駆動力が伝達され、当該ナット部はボルト部160aの回りに回転駆動される。ナット部は筐体2の後面2Eに対して回転のみ可能に支持されているため、上記ナット部の回転駆動によってボルト部160aが軸方向に移動する。この結果、ボルト部160a及び駆動部材159aが、導体要素100Aと共に、筐体後面2Eやループ導体200に対して進退することができる。これにより、モータM9の駆動制御を行うことによって、導体要素100Aの筐体後面2Eやループ導体200に対する進退駆動を制御することができる。
また、他の導体要素100B〜100Dに係わる前後駆動部140B〜130Dについても同様の構造となっている。すなわち、前後駆動部140Bでは、歯車機構160Bを介しモータM10(図示せず。後述の図18参照)の駆動力が伝達されてナット部がボルト部160bの回りに回転し、ボルト部160b及び駆動部材159bが導体要素100Bと共に筐体後面2E及びループ導体200に対して進退する。また前後駆動部140Cでは、歯車機構160Cを介しモータM11(図示せず。後述の図18参照)の駆動力が伝達されてナット部がボルト部160cの回りに回転し、ボルト部160c及び駆動部材159cが導体要素100Cと共に筐体後面2E及びループ導体200に対して進退する。また前後駆動部140Dでは、歯車機構160Dを介しモータM12(図示せず。後述の図18参照)の駆動力が伝達されてナット部がボルト部160dの回りに回転し、ボルト部160d及び駆動部材159dが導体要素100Dと共に筐体後面2E及びループ導体200に対して進退する。これにより、モータM10,M11,M12の駆動制御をそれぞれ行うことによって、導体要素100B,100C,100Dの筐体後面2E及びループ導体200に対する進退駆動を制御することができる。なお、上記進退に対応し、支持駆動部130A〜130Dのナット部133a〜133dが挿通される上記開口21a〜21dは、ナット部133a〜133dの前後方向の移動をも許容できる形状となっている。
なお、上記のようなループ導体100の導体要素100A〜100Dの前後方向進退構造に加え、又はそれに代えて、反射器であるループ導体200の導体要素200A〜200Dについても、上記同様の前後方向進退構造としてもよい。
以上のようにして、モータM9〜M12から歯車機構161A〜161Dを介した駆動力の伝達により、ループ導体100の導体要素100A〜100Dを前後方向に進退駆動させ、ループ導体100とループ導体200との間の前後方向距離を調整することができる。
本変形例の通信装置20の機能構成を図18に示す。前述と同様、アンテナ1におけるループ導体200の図示を省略している。
図18に示すように、本変形例の通信装置20の通信装置本体10に設けられている調整制御部駆動部19は、前述のモータM1〜M8のほかに、各前後駆動部140A〜140Dを前後方向に駆動させるための、上記モータM9〜M12を制御し駆動する。
本変形例においても、前述と同様、上記アンテナ特性テーブルT1において、実現可能なアンテナ1のアンテナ特性として、アンテナ1の指向方向の角度値である指向方向(θ,φ)[deg]、アンテナ1の指向性の幅の角度範囲である指向幅寸法w[deg]、及びアンテナ1の利得G[dBi]の各項目が設けられる。そして、詳細な図示を省略するが、アンテナ特性テーブルT1では、それらのアンテナ特性を実現するために必要な、上記放射器中心座標(x,y,z)、上記反射器中心座標(x,y,z)、上記反射器縦幅寸法h[mm]、上記反射器横幅寸法w[mm]に加え、ループ導体100とループ導体200との間の距離である放射器反射器間距離l[mm]の項目が設定されている。そして、指向方向(θ,φ)、指向幅寸法w、及び利得Gの具体的数値と、その数値を実現するために必要な放射器中心座標(x,y,z)、反射器中心座標(x,y,z)、反射器縦幅寸法h、反射器横幅寸法w、及び放射器反射器間距離lの具体的数値とが、互いに関連付けて記憶されている。
調整信号生成部13Bは、上記アンテナ特性テーブルT1を参照し、上記調整要求信号の要求内容に含まれる、上記指向方向(θ,φ)、指向幅寸法w、利得G等に対応した、放射器中心座標(x,y,z)、反射器中心座標(x,y,z)、反射器縦幅寸法h、反射器横幅寸法w、及び放射器反射器間距離lを取得する。そして、取得した中心座標や反射器縦・横幅寸法h,wや放射器反射器間距離lを実現するための上記駆動制御信号を生成し、調整制御部駆動部19へ出力する。
すなわち、本変形例の調整信号生成部13Bは、例えば調整要求信号に含まれる要求がアンテナ1の指向幅を変える信号である場合に、ループ導体100とループ導体200の前後方向すなわち電磁波放射方向における距離を変更するような駆動制御信号を出力する。したがって、結果として、調整信号生成部13Bは、調整要求取得部13Aにより取得された調整要求信号におけるアンテナ1の通信領域の変化に係わる要求内容を判定するための、信号判定手段としても機能している。なお、この機能を調整信号生成部13Bでなく調整要求取得部13Aが備えるようにしてもよい。
調整制御部駆動部19は、上記調整信号生成部13Bにより出力された駆動制御信号に応じて、モータM1〜M8を駆動制御してループ導体100,200を変形させたり、モータM9〜M12を駆動制御してループ導体100,200間の前後方向距離を変化させ、これによってアンテナ1の指向性の幅や指向方向を調整するのである。
本変形例によっても、上記実施形態と同様、操作部18や反射電力検出部16からの調整要求信号の要求内容に沿った指向性の幅や指向方向などの電磁波の放射態様が実現される。この結果、位相制御による手法やアンテナ可動構造とする場合のように装置の大型化を招いたり複雑な制御が必要となることなく、アンテナ1のアンテナ特性を容易に制御し、操作者が意図するアンテナ特性を確実に実現することができる。
なお、この(2)変形例の手法による、ループ導体100,200の前後方向距離の駆動調整と、上記実施形態におけるループ導体100,200の中心位置を固定しつつのループ面積の大小変化とを、併せて実行してもよい。この場合、放射される電磁波の指向性の幅をさらに細かく制御することができる。
(3)携帯型通信装置として構成した場合
以上においては、通信装置20の外観形状や用途について特に説明しなかったが、通信装置20を、特に携帯型の通信装置として構成してもよい。そのような携帯型の通信装置20の一例を図19に示す。
図19は、上記携帯型の通信装置20の外観を表す側面図である。この通信装置20は、操作者が手に持つための把持部26を本体部30の下側に備えた、いわゆるガンタイプの通信装置である。把持部26には、上記操作部18と同等又はその一部の機能を備えたトリガスイッチ27が設けられている。また、軸29を中心に回転する表示部28が本体部30に設けられている。さらに、本体部30の下側の先端には、アンテナ部31が設けられている。このアンテナ部31に、この例ではダイポール型のアンテナ1′が内装されている。
アンテナ1′は、中央の給電部110′の両側に伸縮部120′,120′を備え、放射器として機能する直線導体100′と、中央に伸縮部220′を備え、反射器として機能する直線導体200′によって構成されている。放射器である直線導体100′より反射器である直線導体200′が大きくなっている。そして、図19の上部右側に示すように、各導体100′,200′の中心に立てられた各導体100′,200′自身を含む平面に対して直交する直線が互いに一致するよう各導体100′,200′を配置したときの直線の方向が、基本放射方向としての電磁波放射方向となる。また、この電磁波放射方向に直交する左右方向が、各請求項記載の基本放射直交方向となる。
アンテナ1′は、上記したループ型のアンテナ1と同様にして駆動制御される。すなわち、直線導体100′と直線導体200′との間の前後方向距離を変化させることで、放射する電磁波の指向性の幅を可変に制御することができる。また、伸縮部120′や伸縮部220′を伸縮させ、直線導体100′や直線導体200′の軸方向長さを変化させることで、放射する電磁波の指向放射する電磁波の指向性の幅を可変に制御することができる。方向を可変に制御することができる。これにより、前述と同様、装置の大型化を招いたり複雑な制御が必要となることなく、アンテナ1のアンテナ特性を容易に制御し、操作者が意図するアンテナ特性を確実に実現することができる。
(4)その他
上記実施形態では、アンテナ1が、放射器として機能するループ導体100及び反射器として機能するループ導体200の2つのループ導体を有する構成としたが、これに限られず、ループ導体100のさらに前方側に導波器として機能する少なくとも1つのループ導体を設け、アンテナ1が3つ以上のループ導体を有する構成としてもよい。反射器としてのループ導体や放射器としてのループ導体も1つに限られず複数でもよく、すなわち少なくとも1つあればよい。この場合、導波器として機能するループ導体にも伸縮部を設けることで、さらにきめ細かなアンテナ特性の調整を行うことができる。また、それら導波器、放射器、反射器を構成するループ導体のそれぞれに必ずしも伸縮部を設ける必要はなく、いずれか1つのループ導体に伸縮部を設ければよい。
また、上記実施形態では、アンテナ1が、放射器として機能するループ導体100及び反射器として機能するループ導体200を有する構成としたが、これに限られず、例えば放射器として機能するループ導体を後方に配置し、導波器として機能するループ導体を前方に配置した、反射器を設けない構成としてもよい。この場合、全体的な大きさとして、放射器であるループ導体100より導波器は小さくする。この場合にも上記実施形態と同様の効果を得る。すなわち、放射器としての後方側のループ導体のループ面積に対する導波器としての前方側のループ導体のループ面積を相対的に小さくすると、電磁波を放射するときの指向性の幅を狭くすることができ、後方側のループ導体のループ面積に対する前方側のループ導体のループ面積を相対的に大きくすると、電磁波を放射するときの指向性の幅を広くすることができる。
以上ではループ導体100,200のループ形状を略四角形に構成したが、円形にしてもよいし、三角形等の四角以外の多角形としてもよい。また以上では、ループ導体100に2つの給電部110A,110Bを設ける構成としたが、給電部の数は1つでもよい。
なお、以上において、図13及び図16に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 アンテナ
2 筐体
10 通信装置本体
13 制御回路部
13A 調整要求取得部(調整要求取得手段)
13B 調整信号生成部(制御信号生成手段)
13C 出力抑制命令部(出力制御手段)
14 方向性結合器
15 送信電力検出部
16 反射電力検出部
17 報知部
18 操作部
19 調整制御部駆動部
20 通信装置
100 ループ導体
100A〜100D 導体要素
120A〜120D 伸縮部
133a〜133d ナット部
140A〜140D 前後駆動部
200 ループ導体
200A〜200D 導体要素
220A〜220D 伸縮部
233a〜233d ナット部
T1 アンテナ特性テーブル
T2 調整要求テーブル

Claims (11)

  1. 少なくとも1つの反射器、若しくは、少なくとも1つの導波器、及び、1つの放射器を含む、複数の構成導体を備え、各構成導体の中心に立てられた各導体自身を含む各平面に対して直交する直線が互いに一致するよう各構成導体を配置したときの直線の方向で、放射器に対し導波器方向あるいは放射器に対し反射器と反対の方向を基本放射方向としたとき、前記複数の構成導体のうち少なくとも1つの構成導体を電磁波の基本放射方向及び当該基本放射方向と略直交する基本放射直交方向に移動可能としたアンテナと、
    前記アンテナの通信領域を変化させるための調整要求信号を取得する調整要求取得手段と、
    前記調整要求取得手段により取得された前記調整要求信号に基づき、駆動制御信号を生成し出力する制御信号生成手段と、
    前記制御信号生成手段により出力された前記駆動制御信号に応じて、前記移動可能な前記少なくとも1つの構成導体の、それ以外の構成導体に対する相対的位置関係を調整する調整駆動手段と
    を有することを特徴とする通信装置。
  2. 前記調整要求取得手段により取得された前記調整要求信号における、前記アンテナの通信領域の変化に係わる要求内容を判定する信号判定手段をさらに有し、
    前記制御信号生成手段は、
    前記信号判定手段により前記調整要求信号が前記アンテナの指向方向を変える信号であると判定された場合には、前記調整駆動手段が前記移動可能な構成導体の前記相対位置を前記基本放射直交方向に移動させるための前記駆動制御信号を出力する
    ことを特徴とする請求項1記載の通信装置。
  3. 前記調整要求取得手段により取得された前記調整要求信号における、前記アンテナの通信領域の変化に係わる要求内容を判定する信号判定手段をさらに有し、
    前記制御信号生成手段は、
    前記信号判定手段により前記調整要求信号が前記アンテナの指向性の幅を変える信号であると判定された場合には、前記調整駆動手段が前記移動可能な構成導体の前記相対位置を前記基本放射方向に移動させるための前記駆動制御信号を出力する
    ことを特徴とする請求項1記載の通信装置。
  4. 前記アンテナの指向方向の角度値及び前記アンテナの指向性の幅の角度範囲と、当該角度値及び角度範囲を実現するために必要な、前記移動可能な構成導体に係わる前記基本放射方向又は前記基本放射直交方向における位置座標とを、互いに関連付けて記憶したアンテナ特性テーブルを記憶した第1記憶手段をさらに有し、
    前記制御信号生成手段は、
    前記第1記憶手段の前記アンテナ特性テーブルにアクセスし、前記調整要求信号の前記要求内容に含まれる前記アンテナの指向方向の角度値及び前記アンテナの指向性の幅の角度範囲に対応した、前記移動可能な構成導体に係わる前記基本放射方向又は前記基本放射直交方向における位置座標を取得し、当該位置座標を実現するための前記駆動制御信号を生成して前記調整駆動手段へ出力する
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の通信装置。
  5. 前記アンテナは、
    前記移動可能な構成導体に含まれる少なくとも1つの導体要素が当該導体要素の軸方向寸法を増減可能な伸縮部を備えており、
    前記制御信号生成手段は、
    前記伸縮部を伸縮させるための前記駆動制御信号を生成して前記調整駆動手段へ出力する
    ことを特徴とする請求項4記載の通信装置。
  6. 前記第1記憶手段に記憶された前記アンテナ特性テーブルは、
    前記移動可能な構成導体が複数の前記伸縮部を備えている場合、前記アンテナの指向方向の角度値及び前記アンテナの指向性の幅の角度範囲と、前記移動可能な構成導体の位置座標と、前記複数の伸縮部の伸縮動作順序とを、互いに関連付けて記憶しており、
    前記制御信号生成手段は、
    前記アンテナの指向方向の角度値及び前記アンテナの指向性の幅の角度範囲に対応した、前記移動可能な構成導体に係わる前記基本放射方向又は前記基本放射直交方向における位置座標を取得し、当該位置座標を実現するための前記複数の伸縮部それぞれに係わる複数の前記駆動制御信号を生成し、前記複数の伸縮部の伸縮動作順序にしたがった順序で、前記複数の駆動制御信号を順次前記調整駆動手段へ出力する
    ことを特徴とする請求項5記載の通信装置。
  7. 前記アンテナの指向方向の角度値と前記アンテナの指向性の幅の角度範囲との組み合わせをそれぞれ含む複数の調整要求データを、前記アンテナの通信領域の変化に係わる要求内容として備えた調整要求テーブルを記憶した第2記憶手段をさらに有し、
    前記調整要求取得手段は、
    前記第2記憶手段の前記アンテナ特性テーブルに所定周期でアクセスすることにより、前記アンテナ特性テーブルに含まれる前記複数の調整要求データを、前記調整要求信号として所定の順序で順次取得し、
    前記制御信号生成手段は、
    前記調整要求取得手段により順次取得される前記複数の前記調整要求データにそれぞれ含まれる前記アンテナの指向方向の角度値及び前記アンテナの指向性の幅の角度範囲に対応した、複数の前記駆動制御信号を順次生成し、前記調整駆動手段へ出力する
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項記載の通信装置。
  8. 操作態様によって前記アンテナの通信領域の変化態様を指示入力可能であり、当該指示入力された前記アンテナの通信領域の変化態様を含む前記調整要求信号を前記調整要求取得手段へ出力する操作手段をさらに有し、
    前記制御信号生成手段は、
    前記調整要求取得手段により取得された前記調整要求信号に応じて、前記操作手段で指示入力された前記アンテナの通信領域の変化態様に含まれる前記アンテナの指向方向の角度値及び前記アンテナの指向性の幅の角度範囲に対応した、前記移動可能な構成導体に係わる前記基本放射方向又は前記基本放射直交方向における位置座標を取得し、当該位置座標を実現するための前記駆動制御信号を生成して前記調整駆動手段へ出力する
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項記載の通信装置。
  9. 前記調整駆動手段による前記構成導体の移動により生じた前記アンテナのインピーダンスの不整合による、当該アンテナでの反射電力を検出する反射電力検出手段をさらに有し、
    前記調整要求取得手段は、
    前記反射電力検出手段による前記反射電力の検出結果に対応した、前記アンテナの通信領域の変化に係わる要求内容の前記調整要求信号を取得する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の通信装置。
  10. 前記反射電力検出手段による前記反射電力の検出値を入力し、当該検出値が所定のしきい値以下となるように前記アンテナのインピーダンスの不整合の是正を要求する前記調整要求信号を、前記調整要求取得手段へ出力する是正要求出力手段をさらに有し、
    前記制御信号生成手段は、
    前記調整要求取得手段により取得された、前記是正要求出力手段からの前記調整要求信号に基づき、前記駆動制御信号を生成し出力する
    ことを特徴とする請求項9記載の通信装置。
  11. 少なくとも前記調整駆動手段による前記相対的位置関係の調整開始より前に、前記アンテナの出力を所定値に抑制すると共に、前記調整駆動手段による前記相対的位置関係の調整終了後は前記アンテナ出力の抑制を解除する、出力制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の通信装置。
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