JP2011070942A - X線管及びx線管装置 - Google Patents

X線管及びx線管装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011070942A
JP2011070942A JP2009221250A JP2009221250A JP2011070942A JP 2011070942 A JP2011070942 A JP 2011070942A JP 2009221250 A JP2009221250 A JP 2009221250A JP 2009221250 A JP2009221250 A JP 2009221250A JP 2011070942 A JP2011070942 A JP 2011070942A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ray
target
cathode
focal point
ray tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009221250A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Abu
秀郎 阿武
Tetsuya Yonezawa
哲也 米澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Canon Electron Tubes and Devices Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electron Tubes and Devices Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Electron Tubes and Devices Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2009221250A priority Critical patent/JP2011070942A/ja
Publication of JP2011070942A publication Critical patent/JP2011070942A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • X-Ray Techniques (AREA)

Abstract

【課題】X線放射窓への反跳電子の直撃を抑制することができるX線管及びX線管装置を提供する。
【解決手段】X線管30は、ターゲット面35bを有し、正の高電位に設定される陽極ターゲット35と、第1角度αをなした方向からターゲット面に電子ビームを入射させ、ターゲット面に焦点Fを形成し、負の電位に設定される陰極と、ターゲット面から第2角度βをなした方向に位置したX線放射窓33と、真空側のX線放射窓の表面側を含む内側に設けられ、接地電位に設定される金属表面部34と、を有した真空外囲器31と、を備えている。垂線LP1、並びにターゲット面35b若しくは延長平面Sが交差する交点PAは、陰極36からみて焦点Fより遠くに位置している。
【選択図】図1

Description

この発明は、X線管及びX線管を備えたX線管装置に関する。
X線管装置は、X線管を備えている。X線管は、陽極ターゲットに電子ビームを衝突させてX線を発生する構成になっている。このようなX線管装置は、医療用の診断装置あるいは工業用の非破壊検査装置や材料分析装置など、多くの用途に利用されている。
X線管装置では、陰極から放射された電子ビームは、陰極と陽極ターゲット間の電位勾配により加速、集束され、典型的には20〜150keVのエネルギを持って、陽極ターゲットのターゲット面にほぼ垂直(90°±20°)に衝突してX線発生源となる焦点を形成する。焦点に高いエネルギを持った電子ビームが衝突すると、電子ビームはターゲット材により急速に減速されるためX線が放出される。X線に変換される割合は、陽極ターゲットに衝突する電子の運動エネルギの中の1%以下とわずかである。残りのエネルギは熱に変換される。
一方、ターゲット面に衝突する電子ビームの約50%が後方(電子ビームの入射側)へ散乱されることが知られている。後方に散乱した電子(以下、反跳電子と称する)は、一旦、ターゲット面から遠ざかるが、再び陰極と陽極ターゲット間の電位勾配により陽極ターゲット側に加速され、ほとんどは再びターゲット面の焦点近傍に衝突する。この、反跳電子のターゲット面への再衝突の結果、ターゲット面が加熱されて焦点温度を上昇させてしまう。
これにより、陰極及び陽極ターゲット間に放電が発生し易くなったり、焦点が形成されるターゲット面に荒れが引き起こされ、X線の出力低下を招いてしまう。さらに、焦点以外からX線が放射されるため、X線画像の明瞭度が損なわれてしまう。即ち、反跳電子は、利用可能なX線の発生に寄与せず、ターゲット面を加熱するのみである。このため、上記反跳電子は、X線出力を増大させるために電子ビーム出力をより増加させたり、より頻繁にX線を放出させたり、より長時間に亙ってX線を連続的に放出させるといった、X線管装置の高性能化のための障害となっている。
そこで、X線管のX線出力を増大させる目的で、陰極及び陽極ターゲット間に反跳電子を捕捉するシールド構造体を配置する技術(方式1)が開示されている(例えば、特許文献1乃至4参照)。
方式1のX線管では、陰極及び陽極ターゲット間に、陽極ターゲットと同電位か、又は陰極電位及び陽極電位のほぼ中間電位が供給されるシールド構造体が配置されている。シールド構造体は中心に電子ビームを通過させる開口部を有している。これにより、反跳電子の多くはシールド構造体に衝突して捕捉されるため、ターゲット面に再衝突する反跳電子を減少させることができる。
その他、X線管のX線出力を増大させる技術(方式2)が開示されている(例えば、特許文献5乃至9参照)。
方式2のX線管は、焦点とX線放射窓との位置関係は、方式1のX線管を含む従来のX線管とほぼ同様である。方式2のX線管は、従来の他のX線管と異なり、ターゲット面に対して比較的浅い角度で電子ビームを入射させて焦点を形成させることにより、X線放射窓から放出されるX線出力を増大させている。電子ビーム強度を同一とした条件において、方式2のX線管は、方式1のX線管を含む従来のX線管に比べてX線出力を最大で1.5倍に増大させることができる。
米国特許第4309637号明細書 米国特許第5689542号明細書 米国特許第6215852号明細書 米国特許第6714626号明細書 米国特許第3719846号明細書 米国特許第4607380号明細書 米国特許第5128977号明細書 米国特許第5828727号明細書 米国特許第7068749号明細書
方式1のX線管によれば、以下に述べる問題がある。
焦点で発生した反跳電子は電子ビームの入射方向と反対の方向に、ほぼ入射電子と同じエネルギを持ってターゲット面から広い角度範囲に亙って飛び出す。従って、X線放射窓に向かって飛び出した反跳電子は、依然としてX線放射窓を直撃するため、X線放射窓の加熱を低減させることは困難である。
X線放射窓が加熱されると、X線放射窓が破損する恐れがある。例えば、X線放射窓に亀裂や変形が生じる。このため、真空外囲器の気密性が悪化する恐れがある。また、X線放射窓付近において、X線放射窓の熱により冷却液が沸騰し、ガスが発生すると、X線の透過率が場所により変化し、X線画像の明瞭度が損なわれる恐れがある。
上記したことが原因となって、X線出力を増大させることに限界が生じてしまうという問題がある。この問題は、特にX線放射窓が陽極と同電位である場合に深刻である。
方式2のX線管によれば、以下に述べる問題がある。
方式2のX線管において、X線放射窓の電位は、陽極ターゲットと同電位か、もしくは陰極電位及び陽極電位のほぼ中間の電位である。X線放射窓方向に飛び出した反跳電子はX線放射窓を直撃するため、X線放射窓の加熱を低減させることは困難である。
反跳電子は、焦点からX線放射窓に向かう方向に多くなるような角度分布をもって飛び出すものである。従って、反跳電子がX線放射窓を直撃することによるX線放射窓の加熱は、方式1のX線管を含む従来のX線管に比べてより深刻であると予想される。
上記したことが原因となって、X線出力を増大させることに限界が生じてしまうという問題がある。この問題は、特にX線放射窓が陽極と同電位である場合に深刻である。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、X線放射窓への反跳電子の直撃を抑制することができるX線管及びX線管装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の態様に係るX線管は、
電子ビームが入射されることによりX線を放出するターゲット面を有し、正の高電位に設定される陽極ターゲットと、
前記ターゲット面から第1角度をなした方向から前記ターゲット面に電子ビームを入射させ、前記ターゲット面に焦点を形成し、負の電位に設定される陰極と、
前記陽極ターゲット及び陰極を収容し、内部が真空状態であり、前記ターゲット面から第2角度をなした方向に位置したX線放射窓と、真空側の前記X線放射窓の表面側を含む内側に設けられ、接地電位に設定される金属表面部と、を有した真空外囲器と、を備え、
真空側の前記X線放射窓の表面の中心点から延びた垂線、並びに前記ターゲット面若しくはターゲット面と同一平面上に位置し前記ターゲット面から外れた延長平面が交差する交点は、前記陰極からみて前記焦点より遠くに位置している。
また、本発明の他の態様に係るX線管は、
電子ビームが入射されることによりX線を放出するターゲット面を有し、正の高電位に設定される陽極ターゲットと、
前記ターゲット面から第1角度をなした方向から前記ターゲット面に電子ビームを入射させ、前記ターゲット面に焦点を形成し、負の電位に設定される陰極と、
前記陽極ターゲット及び陰極を収容し、内部が真空状態であり、前記ターゲット面から第2角度をなした方向に位置したX線放射窓と、真空側の前記X線放射窓の表面側を含む内側に設けられ、接地電位に設定される金属表面部と、を有した真空外囲器と、
前記焦点及びX線放射窓間に位置し、前記真空外囲器に取り付けられ、前記焦点と対向し接地電位に設定される等電位面と、前記等電位面の一部を貫通して形成され前記焦点から前記X線放射窓に向かうX線を通過させるX線通過孔と、を有した等電位面形成電極と、を備え、
前記焦点及びX線放射窓の中心点を結ぶ線、並びに前記X線通過孔が交差する点を第1交点、前記等電位面に垂直な方向に前記第1交点から延びた垂線、並びに前記ターゲット面若しくはターゲット面と同一平面上に位置し前記ターゲット面から外れた延長平面が交差する点を第2交点とすると、前記第2交点は、前記陰極からみて前記焦点より遠くに位置している。
また、本発明の他の態様に係るX線管装置は、
電子ビームが入射されることによりX線を放出するターゲット面を有し、正の高電位に設定される陽極ターゲットと、前記ターゲット面から第1角度をなした方向から前記ターゲット面に電子ビームを入射させ、前記ターゲット面に焦点を形成し、負の電位に設定される陰極と、前記陽極ターゲット及び陰極を収容し、内部が真空状態であり、前記ターゲット面から第2角度をなした方向に位置したX線放射窓と、真空側の前記X線放射窓の表面側を含む内側に設けられ、接地電位に設定される金属表面部と、を有した真空外囲器と、を具備したX線管を備え、
真空側の前記X線放射窓の表面の中心点から延びた垂線、並びに前記ターゲット面若しくはターゲット面と同一平面上に位置し前記ターゲット面から外れた延長平面が交差する交点は、前記陰極からみて前記焦点より遠くに位置している。
また、本発明の他の態様に係るX線管装置は、
電子ビームが入射されることによりX線を放出するターゲット面を有し、正の高電位に設定される陽極ターゲットと、前記ターゲット面から第1角度をなした方向から前記ターゲット面に電子ビームを入射させ、前記ターゲット面に焦点を形成し、負の電位に設定される陰極と、前記陽極ターゲット及び陰極を収容し、内部が真空状態であり、前記ターゲット面から第2角度をなした方向に位置したX線放射窓と、真空側の前記X線放射窓の表面側を含む内側に設けられ、接地電位に設定される金属表面部と、を有した真空外囲器と、前記焦点及びX線放射窓間に位置し、前記真空外囲器に取り付けられ、前記焦点と対向し接地電位に設定される等電位面と、前記等電位面の一部を貫通して形成され前記焦点から前記X線放射窓に向かうX線を通過させるX線通過孔と、を有した等電位面形成電極と、を具備したX線管を備え、
前記焦点及びX線放射窓の中心点を結ぶ線、並びに前記X線通過孔が交差する点を第1交点、前記等電位面に垂直な方向に前記第1交点から延びた垂線、並びに前記ターゲット面若しくはターゲット面と同一平面上に位置し前記ターゲット面から外れた延長平面が交差する点を第2交点とすると、前記第2交点は、前記陰極からみて前記焦点より遠くに位置している。
この発明によれば、X線放射窓への反跳電子の直撃を抑制することができるX線管及びX線管装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るX線管を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係るX線管を示す模式図である。 上記第1、第2の実施の形態、方式1の比較例1乃至3及び方式2の比較例1乃至3の、(1)陰極電圧、(2)X線放射窓を含む真空外囲器の電圧、(3)陽極ターゲット電圧、(4)反跳電子捕獲構造体電圧及び(5)等電位面形成電極、を表で示した図である。 本発明の第3の実施の形態に係るX線管を含むX線管装置を示す断面図である。 上記第3の実施の形態に係るX線管において、ターゲット面に形成された焦点の形状を示す斜視図である。 上記第3の実施の形態に係るX線管の軸受けの変形例を示す断面図である。 上記第3の実施の形態のX線管装置の変形例を示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るX線管を含むX線管装置を示す断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係るX線管を含むX線管装置を示す断面図である。 図9に示したX線管装置を示す他の断面図である。 図9に示したX線管の一部を拡大して示した断面図である。 上記第5の実施の形態のX線管装置の変形例を示す断面図である。 図12に示したX線管装置を示す他の断面図である。
以下、図面を参照しながらこの発明の第1の実施の形態に係るX線管について詳細に説明する。第1の実施の形態では、X線管の基本的な概念を説明する。
図1に示すように、X線管30は、陽極ターゲット35と、陰極36と、真空外囲器31とを備えている。
陽極ターゲット35は、この陽極ターゲットの外面の一部に設けられたターゲット面35bを有している。ターゲット面35bは、陰極36から放射される電子ビームが入射されることによりX線を放出する。陽極ターゲット35は、タングステン合金等の金属で形成されている。陽極ターゲット35には相対的に正の電圧が印加される。
陰極36は、ターゲット面35bから第1角度αをなした方向からターゲット面35bに電子ビームを入射させ、ターゲット面35bに焦点Fを形成する。陰極36には相対的に負の電圧が印加され、陰極36の図示しないフィラメント(電子放出源)には陰極36に印加される電圧及び電流が供給される。
真空外囲器31は、陽極ターゲット35及び陰極36を収容している。真空外囲器31は、真空容器32、X線放射窓33及び金属表面部34を有している。真空外囲器31の内部は真空状態である。真空容器32は、銅、ステンレス、アルミニウム等の金属で形成されている。X線放射窓33は、ターゲット面35bから第2角度βをなした方向に位置している。X線放射窓33は、真空容器32に気密に設けられている。ここでは、X線放射窓33は、ベリリウムで形成されている。金属表面部34は、真空側のX線放射窓33の表面側を含む真空外囲器31の内側に設けられ、接地電位(0V)に設定される。
この実施の形態において、真空容器32及びX線放射窓33は金属で形成されているため、真空外囲器31は、真空側の金属表面部34だけでなく全体が金属で形成されている。
第1角度αは、8°乃至30°の範囲の何れかであり、第2角度βは、5°乃至25°の範囲の何れかである。この実施の形態において、α=20°、β=15°である。
真空側のX線放射窓33の表面の中心点から延びた垂線をLP1、ターゲット面35bと同一平面上に位置しターゲット面35bから外れた延長平面をSとする。垂線LP1、並びにターゲット面35b若しくは延長平面Sが交差する交点をPAとする。交点PAは、陰極36からみて焦点Fより遠くに位置している。この実施の形態において、交点PAは、垂線LP1及び延長平面Sが交差した点である。
X線管30には、高電圧電源15が接続されている。高電圧電源15は、陰極36及び陽極ターゲット35に高電圧を供給するためのものである。高電圧電源15は、2つの電源部15a、15bを備えている。電界強度を一定にするため、電源部15a及び電源部15b間の導線は接地されている。
図1及び図3に示すように、X線管30の陰極36及び陽極ターゲット35間に、管電圧Vが印加されている。陽極ターゲット35の電位をVA、陰極36の電位をVCとすると、管電圧Vは、VA−VCである。管電圧Vは、20kV乃至100kVである。
この実施の形態において、高電圧電源15は、陰極36に−V/2の電圧を供給し、陽極ターゲット35に+V/2の電圧を供給している。詳しくは、高電圧電源15は、陰極36に−50Vの電圧を供給し、陽極ターゲット35に+50Vの電圧を供給している。管電圧Vは、100kVである。X線放射窓33を含む真空外囲器31は接地されている(0V)。
陰極36の電位は、−V/2に限定されるものではなく、−V/2以上、接地電位未満の範囲の何れかに設定されていればよい(−V/2≦VC<0)。陽極ターゲット35の電位は、+V/2に限定されるものではなく、+V/2以上、+V未満の範囲の何れかに設定されていればよい(+V/2≦VA<+V)。
このように構成されたX線管30では、陽極ターゲット35に+V/2以上の高電圧を印加する。陰極36に−V/2以上の負の電圧を印加する。真空外囲器31は接地されている。陰極36のフィラメントには、±100V以下の低電圧及びフィラメント電流が与えられる。
これにより、陰極36から陽極ターゲット35のターゲット面35bに電子ビームが放射され、ターゲット面35bに形成される焦点FからX線が放射され、X線は、X線放射窓33を透過して外部へ放射される。
上記のように構成されたX線管30によれば、X線管30は、陽極ターゲット35と、陰極36と、真空外囲器31とを備えている。陽極ターゲット35は正の高電位に設定され、陰極36は負の電位に設定され、X線放射窓33を含む真空外囲器31は接地されている。
交点PAは、陰極36からみて焦点Fより遠くに位置している。このため、X線放射窓33は、反跳電子をターゲット面35bに再衝突させないように押し戻すことができる。上記実施の形態では、交点PAは、垂線LP1及び延長平面Sが交差した点であるため、ターゲット面35bへの反跳電子の再衝突を一層抑制することができる。
X線放射窓33付近の電界の影響により、X線放射窓33に向かう反跳電子の殆どは、X線放射窓33から外れた真空外囲器31に衝撃を与えることとなる。X線放射窓33への反跳電子の直撃を抑制できるため、X線放射窓33の加熱を抑制することができる。そして、X線放射窓33の破損を防止することができる。
第1角度αは、8°乃至30°の範囲の何れかであり、第2角度βは、5°乃至25°の範囲の何れかである。
ターゲット面35bの上方への反跳電子の散乱を低減できるため、焦点F近傍を含むターゲット面35bへの反跳電子の再衝突を抑制することができる。これにより、ターゲット面35b(焦点F)の温度上昇や、ターゲット面35bに引き起こされる荒れを抑制でき、放電の発生やX線の出力低下を抑制することができる。さらに、焦点F以外からのX線の放射を抑制できるため、X線画像の明瞭度の低下を抑制することができる。
また、ターゲット面35bに対して比較的浅い角度で電子ビームを入射させて焦点Fを形成させているため、X線放射窓33から放出されるX線出力を増大させることができる。
反跳電子は、焦点FからX線放射窓33に向かう方向に多くなるような角度分布をもって飛び出すが、この場合も、上記のように反跳電子の殆どは、X線放射窓33から外れた真空外囲器31に衝撃を与えるため、X線放射窓33の破損を防止することができる。
上記したことから、X線放射窓33への反跳電子の直撃を抑制することができ、X線放射窓33の過度の温度上昇を伴わずにX線出力を増大させることができるX線管30を得ることができる。
次に、この発明の第2の実施の形態に係るX線管について説明する。第2の実施の形態では、X線管の構成の基本的な他の概念を説明する。第2の実施の形態の概念は、第1の実施の形態の概念に類似したものである。この実施の形態において、上記第1の実施の形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図2に示すように、X線管30は、陽極ターゲット35と、陰極36と、真空外囲器31と、等電位面形成電極60とを備えている。
等電位面形成電極60は焦点F及びX線放射窓33間に位置している。等電位面形成電極60は真空外囲器31に取り付けられている。等電位面形成電極60は、等電位面61及びX線通過孔62を有している。等電位面61は、焦点Fと対向している。等電位面61は、真空外囲器31と同電位(接地電位)に設定されている。X線通過孔62は、等電位面61の一部を貫通して形成されている。X線通過孔62は、焦点FからX線放射窓33に向かうX線を通過させるものである。
この実施の形態において、等電位面形成電極60は、銅、ステンレス、アルミニウム等の金属で形成されている。このため、等電位面形成電極60は、等電位面61だけでなく全体が金属で形成されている。
第1角度αは、8°乃至30°の範囲の何れかであり、第2角度βは、5°乃至25°の範囲の何れかである。この実施の形態において、α=20°、β=10°である。
焦点F及びX線放射窓33の中心点を結ぶ線をLCとする。線LC及びX線通過孔62が交差する点を第1交点P1とする。等電位面61に垂直な方向に第1交点P1から延びた垂線をLP2とする。垂線LP2、並びにターゲット面若しくは延長平面Sが交差する点を第2交点P2とする。
第2交点P2は、陰極36からみて焦点Fより遠くに位置している。この実施の形態において、第2交点P2は、垂線LP2及び延長平面Sが交差した点である。線LCは、真空側のX線放射窓33の表面の中心点から延びた垂線LP1に重なっている。
図2及び図3に示すように、X線管30の陰極36及び陽極ターゲット35間に、管電圧Vが印加されている。管電圧Vは、20kV乃至100kVである。X線放射窓33を含む真空外囲器31及び等電位面形成電極60は接地されている(0V)。
この実施の形態において、高電圧電源15は、陰極36に−V/2の電圧を供給し、陽極ターゲット35に+V/2の電圧を供給している。詳しくは、高電圧電源15は、陰極36に−50Vの電圧を供給し、陽極ターゲット35に+50Vの電圧を供給している。管電圧Vは、100kVである。X線放射窓33を含む真空外囲器31は接地されている(0V)。
陰極36の電位は、−V/2に限定されるものではなく、−V/2以上、接地電位未満の範囲の何れかに設定されていればよい(−V/2≦VC<0)。陽極ターゲット35の電位は、+V/2に限定されるものではなく、+V/2以上、+V未満の範囲の何れかに設定されていればよい(+V/2≦VA<+V)。
このように構成されたX線管30では、陽極ターゲット35に+V/2以上の高電圧を印加する。陰極36に−V/2以上の負の電圧を印加する。真空外囲器31は接地されている。陰極36のフィラメントには、±100V以下の低電圧及びフィラメント電流が与えられる。
これにより、陰極36から陽極ターゲット35のターゲット面35bに電子ビームが放射され、ターゲット面35bに形成される焦点FからX線が放射され、X線は、X線放射窓33を透過して外部へ放射される。
上記のように構成されたX線管30によれば、X線管30は、陽極ターゲット35と、陰極36と、真空外囲器31と、等電位面形成電極60とを備えている。陽極ターゲット35は正の高電位に設定され、陰極36は負の電位に設定され、X線放射窓33を含む真空外囲器31は接地されている。
第2交点P2は、陰極36からみて焦点Fより遠くに位置している。このため、X線放射窓33は、反跳電子をターゲット面35bに再衝突させないように押し戻すことができる。上記実施の形態では、第2交点P2は、垂線LP2及び延長平面Sが交差した点であるため、ターゲット面35bへの反跳電子の再衝突を一層抑制することができる。
等電位面形成電極60付近の電界の影響により、X線放射窓33に向かう反跳電子の殆どは、X線放射窓33から外れた真空外囲器31に衝撃を与えることとなる。X線放射窓33への反跳電子の直撃を抑制できるため、X線放射窓33の加熱を抑制することができる。そして、X線放射窓33の破損を防止することができる。
線LCは、垂線LP1に重なっている。このため、X線放射窓33によるX線吸収量を最小にすることできる。このことは、管電圧Vが20kV乃至40kVである場合のように、X線のエネルギが比較的小さいX線管に特に効果的である。
第1角度αは、8°乃至30°の範囲の何れかであり、第2角度βは、5°乃至25°の範囲の何れかである。
ターゲット面35bの上方への反跳電子の散乱を低減できるため、焦点F近傍を含むターゲット面35bへの反跳電子の再衝突を抑制することができる。これにより、ターゲット面35b(焦点F)の温度上昇や、ターゲット面35bに引き起こされる荒れを抑制でき、放電の発生やX線の出力低下を抑制することができる。さらに、焦点F以外からのX線の放射を抑制できるため、X線画像の明瞭度の低下を抑制することができる。
また、ターゲット面35bに対して比較的浅い角度で電子ビームを入射させて焦点Fを形成させているため、X線放射窓33から放出されるX線出力を増大させることができる。
反跳電子は、焦点FからX線放射窓33に向かう方向に多くなるような角度分布をもって飛び出すが、この場合も、上記のように反跳電子の殆どは、X線放射窓33から外れた真空外囲器31に衝撃を与えるため、X線放射窓33の破損を防止することができる。
上記したことから、X線放射窓33への反跳電子の直撃を抑制することができ、X線放射窓33の過度の温度上昇を伴わずにX線出力を増大させることができるX線管30を得ることができる。
ここで、本願発明者は、X線管に印加する電圧を変えた場合のX線放射窓33の状態を調査するため、上記第1、第2の実施の形態のX線管30と、下記方式1の比較例1乃至3及び方式2の比較例1乃至3のX線管とを比較した。また、方式1の比較例1乃至3及び方式2の比較例1乃至3のX線管において、X線放射窓の表面の中心点から延びた垂線は、焦点と交差している。
図3に示すように、方式1の比較例1乃至3のX線管は、陰極及び陽極ターゲット間に配置され、反跳電子を捕獲する反跳電子捕獲構造体を有している。方式2の比較例1乃至3のX線管は、ターゲット面に対して比較的浅い角度で電子ビームを入射させて焦点を形成するものである。
(方式1の比較例1)
陰極には電圧−V/2が印加されている。X線放射窓を含む真空外囲器は接地されている(0V)。陽極ターゲット及び反跳電子捕獲構造体には電圧+V/2が印加されている。
(方式1の比較例2)
陰極には電圧−V/2が印加されている。X線放射窓を含む真空外囲器及び反跳電子捕獲構造体は接地されている(0V)。陽極ターゲットには電圧+V/2が印加されている。
(方式1の比較例3)
陰極には電圧−Vが印加されている。X線放射窓を含む真空外囲器、陽極ターゲット及び反跳電子捕獲構造体は接地されている(0V)。
(方式2の比較例1)
陰極には電圧−V/2が印加されている。X線放射窓を含む真空外囲器は接地されている(0V)。陽極ターゲットには電圧+V/2が印加されている。
(方式2の比較例2)
陰極には電圧−V/2が印加されている。X線放射窓を含む真空外囲器及び陽極ターゲットには電圧+V/2が印加されている。
(方式2の比較例3)
陰極には電圧−Vが印加されている。X線放射窓を含む真空外囲器及び陽極ターゲットは接地されている(0V)。
方式1の比較例1乃至3及び方式2の比較例1乃至3のX線管を調査したところ、各X線管は、ターゲット面へ再衝突する反跳電子を減少させるように形成されていることが分かる。しかしながら、各X線管において、X線放射窓の表面の中心点から延びた垂線は、焦点と交差している。これらのX線管において、X線放射窓への反跳電子の直撃を抑制できず、X線放射窓33が加熱されることとなる。このため、これらのX線管において、X線放射窓33が破損する恐れがある。
上記のことから、方式1の比較例1乃至3及び方式2の比較例1乃至3のX線管では、X線放射窓への反跳電子の直撃を抑制できないため、X線放射窓が加熱され、延いてはX線放射窓が破損してしまう。
次に、この発明の第3の実施の形態に係るX線管について説明する。この実施の形態において、X線管は回転陽極型のX線管であり、以下、回転陽極型のX線管を備えた回転陽極型のX線管装置について説明する。この実施の形態において、上記第1の実施の形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図4に示すように、X線管装置10は、一端が閉塞された筒状のハウジング20と、ハウジング20内に収納されたX線管30と、ハウジング20の内部に充填され、X線管30及びハウジング20間を満たす冷却液7と、回転駆動装置としてのステータコイル910とを備えている。ハウジング20には、ゴムベローズ21が設けられ、冷却液7の圧力調整が行われている。ハウジング20は、X線をハウジング20外部に放射する放射窓24を有している。
X線管30は、真空外囲器31を備えている。真空外囲器31は、金属で形成された真空容器32と、高電圧絶縁部材40と、高電圧絶縁部材50とを備えている。高電圧絶縁部材40には陽極ターゲット35が間接的に取り付けられ、高電圧絶縁部材50には陰極36が間接的に取り付けられている。陰極36は、陽極ターゲット35に電子ビームを放射するものである。陽極ターゲット35及び陰極36は、真空外囲器31に収納されている。
真空外囲器31の内部は真空状態である。X線放射窓33は、真空容器32に気密に設けられている。ここでは、X線放射窓33は、ベリリウムで形成されている。金属表面部34は、真空側のX線放射窓33の表面側を含む真空容器32の内側に設けられ、接地電位に設定される。
陽極ターゲット35は、円環状に形成されている。陽極ターゲット35は、この陽極ターゲットの外面の一部に設けられたターゲット層35aを有している。ターゲット層35aは、陰極36から放射される電子ビームが衝突されることによりX線を放出する。ターゲット層35aは、モリブデン、モリブデン合金、タングステン合金等の金属で形成されている。陽極ターゲット35は、管軸を中心に回転可能である。陽極ターゲット35には正の高電圧が印加される。
陰極36には電圧供給端子54が接続されている。電圧供給端子54は、陰極36に負の電圧を印加するともに陰極36の電子放出源(図示せず)に電圧及び電流を供給するものである。
X線管30は、ロータ920、軸受け930、固定体1及び回転体2を備えている。固定体1は円柱状に形成され、高電圧絶縁部材40に固定されている。固定体1は回転体2を回転可能に支持する。回転体2は筒状に形成され、固定体1と同軸的に設けられている。回転体2の外面にロータ920が取り付けられている。回転体2及び陽極ターゲット35は、継手部35cを介して接合されている。回転体2は、陽極ターゲット35とともに回転可能に設けられている。
高電圧絶縁部材40は、真空外囲器31の一部を形成している。高電圧絶縁部材40は、筒部46と、筒部46の一端側を閉塞した底部47とで形成されている。高電圧絶縁部材40は、ハウジング20の外部に露出した外部端面40Sを有している。この実施の形態において、外部端面40Sは平面である。
外部端面40S上には、電圧供給端子44が設けられている。電圧供給端子44は固定体1に接続されている。この実施の形態において、電圧供給端子44は高電圧供給端子である。電圧供給端子44は、固定体1等を介して陽極ターゲット35に高電圧を供給するものである。
支持部材25は、円環状に形成されている。支持部材25は、高電圧絶縁部材40をハウジング20に対し液密に支持するものである。
高電圧絶縁部材50は、真空外囲器31の一部を形成している。高電圧絶縁部材50は、ハウジング20の外部に露出した外部端面50Sを有している。この実施の形態において、外部端面50Sは平面である。
高電圧絶縁部材50の内部には、陰極36に接続され、外部端面50S側へ導出する電圧供給端子54が設けられている。この実施の形態において、電圧供給端子54は高電圧供給端子である。電圧供給端子54は、外部端面50Sを貫通して設けられ、高電圧絶縁部材50に取り付けられた陰極36に高電圧を供給するものである。電圧供給端子54は低膨張合金であるKOV部材55で支持されている。KOV部材55及び陰極36間、並びにKOV部材55及び高電圧絶縁部材50間は、ろう付けされている。
高電圧コネクタ100は、有底筒状のハウジング101と、ハウジング101内にその先端が挿入されたケーブル102と、ハウジング101内に充填され、ケーブル102の端子102aをハウジング101の開口部側に向けて固定するエポキシ樹脂材製の固定部103と、この固定部103と底部47の外部端面40Sとの間に挿入されたシリコーン樹脂材製のシリコーンプレート104とを備えている。この実施の形態において、ケーブル102は、高電圧ケーブルである。固定部103は、電気絶縁材である。
この実施の形態において、高電圧コネクタ100の電気絶縁材としての固定部103は、底部47の外部端面40Sに間接的に密着されている。なお、固定部103は、外部端面40Sに直接密着されていても良い。高電圧コネクタ100は、電圧供給端子44に高電圧を与えるものである。
このように構成されたX線管装置では、次のように用いられる。高電圧コネクタ100をハウジング20に取り付ける際に、シリコーンプレート104が、それぞれ固定部103と、高電圧絶縁部材40の外部端面40Sとに密着するように押圧する。
高電圧コネクタ200は、有底筒状のハウジング201と、ハウジング201内にその先端が挿入されたケーブル202と、ハウジング201内に充填され、ケーブル202の端子をハウジング201の開口部側に向けて固定するエポキシ樹脂材製の固定部203と、この固定部203と高電圧絶縁部材50の外部端面50Sとの間に挿入されたシリコーン樹脂材製のシリコーンプレート204とを備えている。この実施の形態において、ケーブル202は高電圧ケーブルである。固定部203は、電気絶縁材である。
この実施の形態において、高電圧コネクタ200の電気絶縁材としての固定部203は、高電圧絶縁部材50の外部端面50Sに間接的に密着されている。なお、固定部203は、外部端面50Sに直接密着されていても良い。高電圧コネクタ200は、電圧供給端子54に高電圧を与えるものである。
このように構成されたX線管装置では、次のように用いられる。高電圧コネクタ200をハウジング20に取り付ける際に、シリコーンプレート204が、それぞれ固定部203と、高電圧絶縁部材50の外部端面50Sとに密着するように押圧する。
X線遮蔽部としてのX線遮蔽キャップ300は、高電圧コネクタ100を覆うようにハウジング20に着脱可能に取り付けられている。X線遮蔽部としてのX線遮蔽キャップ400は、高電圧コネクタ200を覆うようにハウジング20に着脱可能に取り付けられている。X線遮蔽キャップ300及びX線遮蔽キャップ400は、X線不透過材を含む材料で形成されている。
なお、陽極ターゲット35をモリブデンやモリブデン合金で形成した場合、陽極ターゲット35はX線を遮蔽することができる。この場合、X線管装置10にX線遮蔽キャップ300は設けなくとも良い。
焦点F及び陰極36間には、集束電極9が位置している。集束電極9は、電子ビームを集束するものである。集束電極9は、陰極36から焦点Fに向かう電子ビームの軌道を取り囲むように設けられている。集束電極9は、固定体1に取り付けられている。
冷却液7は、ハウジング20内に充填され、X線管30及びハウジング20間を満たしている。冷却液7としては、絶縁油又は水系冷却液を用いることができる。この実施の形態において、冷却液7として水系冷却液を用いている。
このように構成されたX線管装置10では、ステータコイル910に所定の電流を印加することでロータ920が回転し、陽極ターゲット35が回転する。次に、高電圧コネクタ100、200にそれぞれ所定の高電圧を印加する。
高電圧コネクタ100に印加された高電圧は、電圧供給端子44、固定体1、軸受け930、回転体2及び継手部35cを介して陽極ターゲット35及び集束電極9に与えられる。高電圧コネクタ200に印加された高電圧は、電圧供給端子54を介して陰極36に与えられる。X線放射窓33を含む真空外囲器31は、接地されている。
これにより、陰極36から陽極ターゲット35のターゲット面35bに電子ビームが放射され、ターゲット面35bに形成された焦点FからX線が放射され、X線は、X線放射窓33及び放射窓24を透過して外部へ放射される。
次に、図1を参照しながら図4のX線管装置10について説明する。
陰極36は、ターゲット面35bから第1角度αをなした方向からターゲット面35bに電子ビームを入射させ、ターゲット面35bに焦点Fを形成する。X線放射窓33は、ターゲット面35bから第2角度βをなした方向に位置している。第1角度αは、8°乃至30°の範囲の何れかであり、第2角度βは、5°乃至25°の範囲の何れかである。
真空側のX線放射窓33の表面の中心点から延びた垂線をLP1、ターゲット面35bと同一平面上に位置しターゲット面35bから外れた延長平面をSとする。垂線LP1、並びにターゲット面35b若しくは延長平面Sが交差する交点をPAとする。交点PAは、陰極36からみて焦点Fより遠くに位置している。この実施の形態において、交点PAは、垂線LP1及びターゲット面35bが交差した点である。
次に、陰極36の電子放出源、電子ビーム及び焦点Fについて説明する。
図5に示すように、陰極36の電子放出源は、陰極36から焦点Fに向かう電子ビームの軌道に垂直な方向における断面形状が円形の電子ビームを放射する。このため、電子放出源は、フィラメントではなく、円盤状の電極で形成されている。第1角度αで電子ビームを入射させて焦点Fが形成されるため、焦点Fは長軸Aを有した楕円形状に形成される。第1角度α及び第2角度βは、長軸Aからなす角度である。
上記のように構成されたX線管30及びX線管装置10によれば、X線管30は、陽極ターゲット35と、陰極36と、真空外囲器31とを備えている。陽極ターゲット35は正の高電位に設定され、陰極36は負の高電位に設定され、X線放射窓33を含む真空外囲器31は接地されている。
交点PAは、陰極36からみて焦点Fより遠くに位置している。このため、X線放射窓33は、反跳電子をターゲット面35bに再衝突させないように押し戻すことができる。上記実施の形態では、交点PAは、垂線LP1及び延長平面Sが交差した点であるため、ターゲット面35bへの反跳電子の再衝突を一層抑制することができる。
X線放射窓33付近の電界の影響により、X線放射窓33に向かう反跳電子の殆どは、X線放射窓33から外れた真空外囲器31に衝撃を与えることとなる。X線放射窓33への反跳電子の直撃を抑制できるため、X線放射窓33の加熱を抑制することができる。そして、X線放射窓33の破損を防止することができる。
第1角度αは、8°乃至30°の範囲の何れかであり、第2角度βは、5°乃至25°の範囲の何れかである。
ターゲット面35bの上方への反跳電子の散乱を低減できるため、焦点F近傍を含むターゲット面35bへの反跳電子の再衝突を抑制することができる。これにより、ターゲット面35b(焦点F)の温度上昇や、ターゲット面35bに引き起こされる荒れを抑制でき、放電の発生やX線の出力低下を抑制することができる。さらに、焦点F以外からのX線の放射を抑制できるため、X線画像の明瞭度の低下を抑制することができる。
また、ターゲット面35bに対して比較的浅い角度で電子ビームを入射させて焦点Fを形成させているため、X線放射窓33から放出されるX線出力を増大させることができる。
反跳電子は、焦点FからX線放射窓33に向かう方向に多くなるような角度分布をもって飛び出すが、この場合も、上記のように反跳電子の殆どは、X線放射窓33から外れた真空外囲器31に衝撃を与えるため、X線放射窓33の破損を防止することができる。
さらに、X線放射窓33の加熱は抑制されるため、X線放射窓33付近の冷却液7の沸騰を抑制することができる。冷却液7の沸騰にともなうガスの発生を抑制でき、X線の透過率に悪影響はおよばないため、X線画像の明瞭度の低下を抑制することができる。
冷却液7として、熱伝達率が最も高い、水を主成分とする水系冷却液を用いることができる。このため、冷却液7は、高電圧絶縁部材40、50に伝わる熱を最も有効に奪うことができる。また、水系冷却液は、絶縁油に比べて、比熱が大きい(絶縁油の約2倍)ため、X線管30の放熱による冷却液の温度上昇が低く抑えられる。
また、高電圧絶縁部材40、50は冷却液7に接するため、陽極ターゲット35及び陰極36からの熱を効果的に冷却液7に放散でき、高電圧絶縁部材40、50に接続された高電圧コネクタ100、200の温度を低くでき、長期にわたって高電圧コネクタ100、200の絶縁性を確保することができる。
上記したことから、X線放射窓33への反跳電子の直撃を抑制することができ、X線放射窓33の過度の温度上昇を伴わずにX線出力を増大させることができるX線管30及びX線管装置10を得ることができる。また、熱の放出特性を向上させることができ、しかも、長期にわたって信頼性の高いX線管30及びX線管装置10を得ることができる。特にマンモグラフィー用途のX線管装置として最適である。
次に、上記第3の実施の形態に係るX線管30の変形例について説明する。上記第3の実施の形態に係るX線管30は、軸受けとして、ボールベアリングのようなころがり軸受けを使っている。しかし、図6に示すように、X線管30は、軸受けとして、動圧すべり軸受けを使っていてもよい。なお、図6は、X線管30の一部を示す断面図であるが、固定体1は側面からみた図である。
図6に示すように、回転体2は、この回転体の内面に軸受面2Sを有している。固定体1は、この固定体の外面に軸受面2Sと対向した他の軸受面1Sを有している。回転体2及び固定体1は、軸受面2S及び他の軸受面1Sの対向した領域で、互いに10乃至30μm程度の隙間を置いて設けられている。
回転体2及び固定体1間の隙間には、液体金属潤滑材3が充填されている。この実施の形態において、液体金属潤滑材3は、ガリウム(Ga)又はガリウム・インジウム・錫合金(GaInSn)である。軸受面2S、他の軸受面1S及び液体金属潤滑材3は、動圧すべり軸受けを形成している。
軸受面2S及び他の軸受面1Sの少なくとも一方は、掻き込み部を有している。この実施の形態において、他の軸受面1Sのみ掻き込み部を有している。固定体1は、回転軸(管軸)に沿った方向に並んだ複数の掻き込み部11、12、13、14を有している。
掻き込み部11、12、13、14は、他の軸受面1Sに形成され、かつ、回転体2の回転方向に沿って並べられている。掻き込み部11、12、13、14は、回転方向に対して螺旋状形成されている複数のパターン部1aをそれぞれ有している。この実施の形態において、パターン部1aは、数十μmの深さを有した溝で形成されている。
隣合う一対の掻き込み部11、12は、ヘリンボン・パターンを形作っている。隣合う一対の掻き込み部13、14は、ヘリンボン・パターンを形作っている。このため、2組のヘリンボン・パターンが固定体1に形作られている。
回転体2の内部には、軸受面2Sから突出したシール部2a、2bが設けられている。シール部2a、2bは、円環状に形成され、固定体1の側面全周に亘って隙間を置いて設けられている。シール部2a、2bは、回転体2及び固定体1の回転軸(管軸)に沿った方向の隙間に充填された液体金属潤滑材の働きによりスラスト軸受としても機能する。
シール部2a、2b及び固定体1間のラジアル方向隙間(クリアランス)は、回転体2の回転を維持するとともに液体金属潤滑材3の漏洩を抑制できる値に設定されている。
上記したような動圧すべり軸受けはボールベアリングに比べて回転騒音が小さいため、マンモグラフィー用途のX線管装置のように人体に近接して配置されるX線管装置の陽極回転機構として最適である。
次に、上記第3の実施の形態に係るX線管装置10の変形例について説明する。
図7に示すように、第1角度αは、8°乃至30°の範囲から外れていてもよい。ここでは、第1角度αが75°となるように陰極36が設けられている。集束電極9は設けられていない。
上記のように形成されたX線管装置10において、第1角度αは8°乃至30°の範囲から外れているため、図4に示したX線管装置10に比べてX線出力は低下することになる。しかしながら、陽極ターゲット35は正の高電位に設定され、陰極36は負の高電位に設定され、X線放射窓33を含む真空外囲器31は接地されている。図1及び図7に示すように、交点PAは、陰極36からみて焦点Fより遠くに位置している。このため、X線放射窓33への反跳電子の直撃を抑制できるため、X線放射窓33の加熱を抑制することができる。そして、X線放射窓33の破損を防止することができる。
次に、この発明の第4の実施の形態に係るX線管について説明する。この実施の形態において、X線管は固定陽極型のX線管であり、以下、固定陽極型のX線管を備えた固定陽極型のX線管装置について説明する。この実施の形態において、上記第1の実施の形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図8に示すように、X線管装置10は、有底筒状であるハウジング20と、ハウジング20内に収納されたX線管30と、ハウジング20の内部に充填され、X線管30及びハウジング20間を満たす冷却液7とを備えている。ハウジング20には、ゴムベローズ21及び放射窓24が設けられている。
X線管30は、真空外囲器31を備えている。真空外囲器31は、金属材製の真空容器32と、高電圧絶縁部材40と、高電圧絶縁部材50とを備えている。高電圧絶縁部材40には陽極ターゲット35が取り付けられ、高電圧絶縁部材50には陰極36が間接的に取り付けられている。
高電圧絶縁部材40は、真空外囲器31の一部を形成している。高電圧絶縁部材40は、筒部46と、筒部46の一端側を閉塞した底部47とで形成されている。高電圧絶縁部材40は、ハウジング20の外部に露出した外部端面40Sを有している。この実施の形態において、外部端面40Sは平面である。
支持部材25は、円環状に形成されている。支持部材25は、高電圧絶縁部材40をハウジング20に対し液密に支持するものである。
高電圧絶縁部材40の内部には、陽極ターゲット35に接続され、外部端面40S側へ導出する電圧供給端子44が設けられている。この実施の形態において、電圧供給端子44は高電圧供給端子である。電圧供給端子44は、外部端面40Sを貫通して設けられ、高電圧絶縁部材40に取り付けられた陽極ターゲット35に高電圧を供給するものである。
陽極ターゲット35は、底部47に間隔を置いて位置している。陽極ターゲット35は、筒部46の内面に接合されている。陽極ターゲット35は、筒部46により支持されている。陽極ターゲット35は、金属で形成されている。陽極ターゲット35及び陰極36は、真空外囲器31に収納されている。
陽極ターゲット35は、ターゲット層35aを有している。ターゲット層35aは、陰極36から放射される電子ビームが衝突されることによりX線を放出する。陽極ターゲット35には正の高電圧が印加される。陽極ターゲット35は、真空外囲器31に対して静止している。
高電圧絶縁部材50は、真空外囲器31の一部を形成している。高電圧絶縁部材50は、ハウジング20の外部に露出した外部端面50Sを有している。この実施の形態において、外部端面50Sは平面である。
高電圧絶縁部材50の内部には、陰極36に接続され、外部端面50S側へ導出する電圧供給端子54が設けられている。この実施の形態において、電圧供給端子54は高電圧供給端子である。電圧供給端子54は、外部端面50Sを貫通して設けられ、高電圧絶縁部材50に取り付けられた陰極36に高電圧を供給するものである。電圧供給端子54は低膨張合金であるKOV部材55で支持されている。KOV部材55及び陰極36間、並びにKOV部材55及び高電圧絶縁部材50間は、ろう付けされている。
真空外囲器31の内部は真空状態である。X線放射窓33は、真空容器32に気密に設けられている。ここでは、X線放射窓33は、ベリリウムで形成されている。金属表面部34は、真空側のX線放射窓33の表面側を含む真空容器32の内側に設けられ、接地電位に設定される。
陽極ターゲット35には、シールド電極8が取り付けられている。シールド電極8は、陽極ターゲット35の外周を取り囲むように円環状に形成されている。シールド電極8は、反跳電子の衝撃を受けるものである。シールド電極8は、高電圧絶縁部材40への反跳電子の直撃を抑制するものである。これにより、高電圧絶縁部材40の絶縁性の低下を抑制することができる。
焦点F及び陰極36間には、集束電極9が位置している。集束電極9は、シールド電極8に取り付けられている。ここでは、シールド電極8及び集束電極9は、一体に形成されている。集束電極9は、陰極36から焦点Fに向かう電子ビームの軌道を取り囲むように設けられている。集束電極9は、間接的に陽極ターゲット35に取り付けられている。シールド電極8及び集束電極9は、陽極ターゲット35と同電位である。
高電圧コネクタ100は、有底筒状のハウジング101と、ハウジング101内にその先端が挿入されたケーブル102と、ハウジング101内に充填され、ケーブル102の端子102aをハウジング101の開口部側に向けて固定するエポキシ樹脂材製の固定部103と、この固定部103と底部47の外部端面40Sとの間に挿入されたシリコーン樹脂材製のシリコーンプレート104とを備えている。この実施の形態において、ケーブル102は、高電圧ケーブルである。固定部103は、電気絶縁材である。
この実施の形態において、高電圧コネクタ100の電気絶縁材としての固定部103は、底部47の外部端面40Sに間接的に密着されている。なお、固定部103は、外部端面40Sに直接密着されていても良い。高電圧コネクタ100は、電圧供給端子44に高電圧を与えるものである。
このように構成されたX線管装置では、次のように用いられる。高電圧コネクタ100をハウジング20に取り付ける際に、シリコーンプレート104が、それぞれ固定部103と、高電圧絶縁部材40の外部端面40Sとに密着するように押圧する。
高電圧コネクタ200は、有底筒状のハウジング201と、ハウジング201内にその先端が挿入されたケーブル202と、ハウジング201内に充填され、ケーブル202の端子をハウジング201の開口部側に向けて固定するエポキシ樹脂材製の固定部203と、この固定部203と高電圧絶縁部材50の外部端面50Sとの間に挿入されたシリコーン樹脂材製のシリコーンプレート204とを備えている。この実施の形態において、ケーブル202は高電圧ケーブルである。固定部203は、電気絶縁材である。
この実施の形態において、高電圧コネクタ200の電気絶縁材としての固定部203は、高電圧絶縁部材50の外部端面50Sに間接的に密着されている。なお、固定部203は、外部端面50Sに直接密着されていても良い。高電圧コネクタ200は、電圧供給端子54に高電圧を与えるものである。
このように構成されたX線管装置では、次のように用いられる。高電圧コネクタ200をハウジング20に取り付ける際に、シリコーンプレート204が、それぞれ固定部203と、高電圧絶縁部材50の外部端面50Sとに密着するように押圧する。
X線遮蔽部としてのX線遮蔽キャップ300は、高電圧コネクタ100を覆うようにハウジング20に着脱可能に取り付けられている。X線遮蔽部としてのX線遮蔽キャップ400は、高電圧コネクタ200を覆うようにハウジング20に着脱可能に取り付けられている。X線遮蔽キャップ300及びX線遮蔽キャップ400は、X線不透過材を含む材料で形成されている。
冷却液7は、ハウジング20内に充填され、X線管30及びハウジング20間を満たしている。冷却液7としては、絶縁油又は水系冷却液を用いることができる。この実施の形態において、冷却液7として水系冷却液を用いている。
このように構成されたX線管装置10では、高電圧コネクタ100、200に所定の高電圧を印加する。高電圧コネクタ100に印加された高電圧は、電圧供給端子44を介して陽極ターゲット35、シールド電極8及び集束電極9に与えられる。高電圧コネクタ200に印加された高電圧は、電圧供給端子54を介して陰極36に与えられる。X線放射窓33を含む真空外囲器31は、接地されている。
これにより、陰極36から陽極ターゲット35のターゲット面35bに電子ビームが放射され、ターゲット面35bに形成された焦点FからX線が放射され、X線は、X線放射窓33及び放射窓24を透過して外部へ放射される。
次に、図1を参照しながら図8のX線管装置10について説明する。
陰極36は、ターゲット面35bから第1角度αをなした方向からターゲット面35bに電子ビームを入射させ、ターゲット面35bに焦点Fを形成する。X線放射窓33は、ターゲット面35bから第2角度βをなした方向に位置している。第1角度αは、8°乃至30°の範囲の何れかであり、第2角度βは、5°乃至25°の範囲の何れかである。
真空側のX線放射窓33の表面の中心点から延びた垂線をLP1、ターゲット面35bと同一平面上に位置しターゲット面35bから外れた延長平面をSとする。垂線LP1、並びにターゲット面35b若しくは延長平面Sが交差する交点をPAとする。交点PAは、陰極36からみて焦点Fより遠くに位置している。この実施の形態において、交点PAは、垂線LP1及び延長平面Sが交差した点である。
上記のように構成されたX線管30及びX線管装置10によれば、X線管30は、陽極ターゲット35と、陰極36と、真空外囲器31とを備えている。陽極ターゲット35は正の高電位に設定され、陰極36は負の高電位に設定され、X線放射窓33を含む真空外囲器31は接地されている。
交点PAは、陰極36からみて焦点Fより遠くに位置している。このため、X線放射窓33は、反跳電子をターゲット面35bに再衝突させないように押し戻すことができる。上記実施の形態では、交点PAは、垂線LP1及び延長平面Sが交差した点であるため、ターゲット面35bへの反跳電子の再衝突を一層抑制することができる。
X線放射窓33付近の電界の影響により、X線放射窓33に向かう反跳電子の殆どは、X線放射窓33から外れた真空外囲器31に衝撃を与えることとなる。X線放射窓33への反跳電子の直撃を抑制できるため、X線放射窓33の加熱を抑制することができる。そして、X線放射窓33の破損を防止することができる。
第1角度αは、8°乃至30°の範囲の何れかであり、第2角度βは、5°乃至25°の範囲の何れかである。
ターゲット面35bの上方への反跳電子の散乱を低減できるため、焦点F近傍を含むターゲット面35bへの反跳電子の再衝突を抑制することができる。これにより、ターゲット面35b(焦点F)の温度上昇や、ターゲット面35bに引き起こされる荒れを抑制でき、放電の発生やX線の出力低下を抑制することができる。さらに、焦点F以外からのX線の放射を抑制できるため、X線画像の明瞭度の低下を抑制することができる。
また、ターゲット面35bに対して比較的浅い角度で電子ビームを入射させて焦点Fを形成させているため、X線放射窓33から放出されるX線出力を増大させることができる。
反跳電子は、焦点FからX線放射窓33に向かう方向に多くなるような角度分布をもって飛び出すが、この場合も、上記のように反跳電子の殆どは、X線放射窓33から外れた真空外囲器31に衝撃を与えるため、X線放射窓33の破損を防止することができる。
さらに、X線放射窓33の加熱は抑制されるため、X線放射窓33付近の冷却液7の沸騰を抑制することができる。冷却液7の沸騰にともなうガスの発生を抑制でき、X線の透過率に悪影響はおよばないため、X線画像の明瞭度の低下を抑制することができる。
冷却液7として、熱伝達率が最も高い、水を主成分とする水系冷却液を用いることができる。このため、冷却液7は、高電圧絶縁部材40、50に伝わる熱を最も有効に奪うことができる。また、水系冷却液は、絶縁油に比べて、比熱が大きい(絶縁油の約2倍)ため、X線管30の放熱による冷却液の温度上昇が低く抑えられる。
また、高電圧絶縁部材40、50は冷却液7に接するため、陽極ターゲット35及び陰極36からの熱を効果的に冷却液7に放散でき、高電圧絶縁部材40、50に接続された高電圧コネクタ100、200の温度を低くでき、長期にわたって高電圧コネクタ100、200の絶縁性を確保することができる。
上記したことから、X線放射窓33への反跳電子の直撃を抑制することができ、X線放射窓33の過度の温度上昇を伴わずにX線出力を増大させることができるX線管30及びX線管装置10を得ることができる。また、熱の放出特性を向上させることができ、しかも、長期にわたって信頼性の高いX線管30及びX線管装置10を得ることができる。
次に、この発明の第5の実施の形態に係るX線管について説明する。この実施の形態において、X線管は固定陽極型のX線管であり、以下、固定陽極型のX線管を備えた固定陽極型のX線管装置について説明する。この実施の形態において、上記第4の実施の形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図9乃至11に示すように、X線管装置10は、X線管30と、偏向制御部としての磁場偏向電極70と、ポンプユニット90とを有している。
X線管30は、真空外囲器31を備えている。真空外囲器31は、真空容器32と、高電圧絶縁部材40と、高電圧絶縁部材50とを備えている。高電圧絶縁部材40には陽極ターゲット35が取り付けられ、高電圧絶縁部材40は、真空外囲器31の一部を形成している。高電圧絶縁部材40は、筒部と、筒部の一端に接続された環部とが一体となって形成されている。高電圧絶縁部材50には陰極36が取り付けられ、高電圧絶縁部材50は、真空外囲器31の一部を形成している。
陽極ターゲット35は、高電圧絶縁部材40に接合されている。陽極ターゲット35は、凹部35dを有している。凹部35dは、円盤状に窪めて形成されている。陽極ターゲット35及び陰極36は、真空外囲器31に収納されている。陽極ターゲット35及び集束電極9には正の高電圧が印加される。
真空外囲器31の内部は真空状態である。焦点位置検出用のX線透過窓31aは、真空容器32に気密に設けられている。金属表面部34は、真空側のX線放射窓33の表面側を含む真空容器32の内側に設けられ、接地電位に設定されている。
また、X線管30は、管部51と、環部52と、冷却液53とを備えている。この実施の形態において、冷却液53は絶縁油である。管部51は、高電圧絶縁材で形成されている。管部51は、高電圧絶縁部材40の内部に設けられている。管部51の一端部は、真空外囲器31の外部に延出している。管部51は、この内部に冷却液53を導入される導入路C1を形成している。高電圧絶縁部材40及び管部51は、これらの間に冷却液53を排出するための排出路C2を形成している。
環部52は、凹部35d及び高電圧絶縁部材40で囲まれた領域に設けられている。環部52は、管部51の端部の側面を囲むように管部51と一体に形成されている。環部52は、凹部35d及び高電圧絶縁部材40に隙間を置いて設けられている。
陽極ターゲット35は、内部に設けられた通路C3を有している。通路C3は、導入路C1及び排出路C2に繋げられている。ポンプユニット90は、導入路C1に冷却液53を送出し、排出路C2から冷却液53を取込み、冷却液53を循環させる。このため、導入路C1から導入された冷却液53は、通路C3を循環して、排出路C2から排出される。
磁場偏向電極70は、電子ビームの軌道を取り囲むように真空容器32の外側に設けられている。磁場偏向電極70は、焦点Fがターゲット面35b上を連続的又は間欠的に移動するように陰極36から放射される電子ビームを偏向させるものである。
次に、図1を参照しながら図9乃至11のX線管装置10について説明する。
陰極36は、ターゲット面35bから第1角度αをなした方向からターゲット面35bに電子ビームを入射させ、ターゲット面35bに焦点Fを形成する。X線放射窓33は、ターゲット面35bから第2角度βをなした方向に位置している。第1角度αは、8°乃至30°の範囲の何れかであり、第2角度βは、5°乃至25°の範囲の何れかである。
真空側のX線放射窓33の表面の中心点から延びた垂線をLP1、ターゲット面35bと同一平面上に位置しターゲット面35bから外れた延長平面をSとする。垂線LP1、並びにターゲット面35b若しくは延長平面Sが交差する交点をPAとする。交点PAは、陰極36からみて焦点Fより遠くに位置している。この実施の形態において、交点PAは、垂線LP1及びターゲット面35bが交差した点である。
上記のように構成されたX線管30及びX線管装置10によれば、X線管30は、陽極ターゲット35と、陰極36と、真空外囲器31とを備えている。陽極ターゲット35は正の高電位に設定され、陰極36は負の電位に設定され、X線放射窓33を含む真空外囲器31は接地されている。
交点PAは、陰極36からみて焦点Fより遠くに位置している。このため、X線放射窓33は、反跳電子をターゲット面35bに再衝突させないように押し戻すことができる。上記実施の形態では、交点PAは、垂線LP1及び延長平面Sが交差した点であるため、ターゲット面35bへの反跳電子の再衝突を一層抑制することができる。
X線放射窓33付近の電界の影響により、X線放射窓33に向かう反跳電子の殆どは、X線放射窓33から外れた真空外囲器31に衝撃を与えることとなる。X線放射窓33への反跳電子の直撃を抑制できるため、X線放射窓33の加熱を抑制することができる。そして、X線放射窓33の破損を防止することができる。
第1角度αは、8°乃至30°の範囲の何れかであり、第2角度βは、5°乃至25°の範囲の何れかである。
ターゲット面35bの上方への反跳電子の散乱を低減できるため、焦点F近傍を含むターゲット面35bへの反跳電子の再衝突を抑制することができる。これにより、ターゲット面35b(焦点F)の温度上昇や、ターゲット面35bに引き起こされる荒れを抑制でき、放電の発生やX線の出力低下を抑制することができる。さらに、焦点F以外からのX線の放射を抑制できるため、X線画像の明瞭度の低下を抑制することができる。
また、ターゲット面35bに対して比較的浅い角度で電子ビームを入射させて焦点Fを形成させているため、X線放射窓33から放出されるX線出力を増大させることができる。
反跳電子は、焦点FからX線放射窓33に向かう方向に多くなるような角度分布をもって飛び出すが、この場合も、上記のように反跳電子の殆どは、X線放射窓33から外れた真空外囲器31に衝撃を与えるため、X線放射窓33の破損を防止することができる。
さらに、X線放射窓33の加熱は抑制されるため、X線放射窓33を冷却液によって冷却する必要はない。また、X線管30では、陽極ターゲット35の発生する熱は陽極ターゲット35内部に設けられた通路C3を流れる冷却液53により冷却される。X線管30をハウジング内に冷却液とともに設置しなくても良いため、ハウジング及びハウジング内に充填する冷却液を不要とすることも可能である。その場合にはX線管装置をよりコンパクトでかつより軽量とすることができる。
磁場偏向電極70は、電子ビームをターゲット面35b上を走査させる。このため、この実施の形態のX線管30は、回転陽極型のX線管に比べて重量やサイズを軽減することができる。この実施の形態のX線管装置10をCT装置に搭載した場合、従来よりもCTの架台をより高速に回転させることが可能となり、より撮影時間を短縮することが可能となる。また、この実施の形態のX線管装置10を複数台CT架台に搭載することもできる。この場合、架台の回転速度を高速化しなくとも従来より撮影時間の短縮を図ることができる。
さらにまた、電子ビームは、磁場偏向電極70によってターゲット面35bを十分速い速度で走査されるため、焦点F温度の上昇を軽減することができる。
反跳電子の一部が陽極ターゲット35のターゲット面35bではなく側面や裏面に衝撃を与えて陽極ターゲット35を加熱する場合であっても、この熱は陽極ターゲット35内部に設けられた通路C3を流れる冷却液53に伝達されるため、良好に放熱される。また、ターゲット面35bの焦点Fで発生した熱も、同様に冷却液53に伝達されるため、良好に放熱される。
上記したことから、X線放射窓33への反跳電子の直撃を抑制することができ、X線放射窓33の過度の温度上昇を伴わずにX線出力を増大させることができるX線管30及びX線管装置10を得ることができる。
次に、上記第5の実施の形態に係るX線管装置10の変形例について説明する。
図12及び図13に示すように、X線管装置10は、偏向制御部としての静電偏向電極80を備えていてもよい。
静電偏向電極80は、電子ビームの軌道を取り囲むように真空容器32の内側に設けられている。静電偏向電極80は、焦点Fがターゲット面35b上を連続的又は間欠的に移動するように陰極36から放射される電子ビームを偏向させるものである。
なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
この発明は、上記X線管及びX線管装置に限らず、各種X線管及びX線管装置に適用することができる。
1…固定体、1S…他の軸受面、1a…パターン部、2…回転体、2S…軸受面、3…液体金属潤滑材、7…冷却液、9…集束電極、10…X線管装置、20…ハウジング、30…X線管、31…真空外囲器、32…真空容器、33…X線放射窓、34…金属表面部、35…陽極ターゲット、35b…ターゲット面、36…陰極、40,50…高電圧絶縁部材、51…管部、52…環部、53…冷却液、60…等電位面形成電極、61…等電位面、62…X線通過孔、70…磁場偏向電極、80…静電偏向電極、90…ポンプユニット、A…長軸、C1…導入路、C2…排出路、C3…通路、F…焦点、LP1,LP2…垂線、LC…線、PA…交点、P1…第1交点、P2…第2交点、S…延長平面、α…第1角度、β…第2角度。

Claims (18)

  1. 電子ビームが入射されることによりX線を放出するターゲット面を有し、正の高電位に設定される陽極ターゲットと、
    前記ターゲット面から第1角度をなした方向から前記ターゲット面に電子ビームを入射させ、前記ターゲット面に焦点を形成し、負の電位に設定される陰極と、
    前記陽極ターゲット及び陰極を収容し、内部が真空状態であり、前記ターゲット面から第2角度をなした方向に位置したX線放射窓と、真空側の前記X線放射窓の表面側を含む内側に設けられ、接地電位に設定される金属表面部と、を有した真空外囲器と、を備え、
    真空側の前記X線放射窓の表面の中心点から延びた垂線、並びに前記ターゲット面若しくはターゲット面と同一平面上に位置し前記ターゲット面から外れた延長平面が交差する交点は、前記陰極からみて前記焦点より遠くに位置しているX線管。
  2. 電子ビームが入射されることによりX線を放出するターゲット面を有し、正の高電位に設定される陽極ターゲットと、
    前記ターゲット面から第1角度をなした方向から前記ターゲット面に電子ビームを入射させ、前記ターゲット面に焦点を形成し、負の電位に設定される陰極と、
    前記陽極ターゲット及び陰極を収容し、内部が真空状態であり、前記ターゲット面から第2角度をなした方向に位置したX線放射窓と、真空側の前記X線放射窓の表面側を含む内側に設けられ、接地電位に設定される金属表面部と、を有した真空外囲器と、
    前記焦点及びX線放射窓間に位置し、前記真空外囲器に取り付けられ、前記焦点と対向し接地電位に設定される等電位面と、前記等電位面の一部を貫通して形成され前記焦点から前記X線放射窓に向かうX線を通過させるX線通過孔と、を有した等電位面形成電極と、を備え、
    前記焦点及びX線放射窓の中心点を結ぶ線、並びに前記X線通過孔が交差する点を第1交点、前記等電位面に垂直な方向に前記第1交点から延びた垂線、並びに前記ターゲット面若しくはターゲット面と同一平面上に位置し前記ターゲット面から外れた延長平面が交差する点を第2交点とすると、前記第2交点は、前記陰極からみて前記焦点より遠くに位置しているX線管。
  3. 前記第1角度は、8°乃至30°の範囲の何れかであり、前記第2角度は、5°乃至25°の範囲の何れかである請求項1又は2に記載のX線管。
  4. 前記陽極ターゲットと、前記陰極との間に加えられる電位差をVとすると、前記陰極の電位は、−V/2以上、接地電位未満の範囲の何れかに設定される請求項1又は2に記載のX線管。
  5. 前記陰極の電位は、−V/2に設定され、
    前記陽極ターゲットの電位は、+V/2に設定される請求項4に記載のX線管。
  6. 前記陰極は、前記陰極から前記焦点に向かう電子ビームの軌道に垂直な方向における断面形状が円形の電子ビームを放射し、
    前記焦点は、長軸を有した楕円形状に形成され、
    前記第1角度及び第2角度は、前記長軸からなす角度である請求項1又は2に記載のX線管。
  7. 前記焦点及び陰極間に位置し、前記陰極から前記焦点に向かう電子ビームの軌道を取り囲み、前記陽極ターゲットに取り付けられた集束電極をさらに備えている請求項1又は2に記載のX線管。
  8. 前記交点は、前記垂線及び延長平面が交差した点である請求項1に記載のX線管。
  9. 前記第2交点は、前記垂線及び延長平面が交差した点である請求項2に記載のX線管。
  10. 前記焦点及びX線放射窓の中心点を結ぶ線は、真空側の前記X線放射窓の表面の中心点から延びた垂線に重なっている請求項2に記載のX線管。
  11. 前記陽極ターゲットを固定し、回転軸に沿って延出して筒状に形成され、前記回転軸を中心に回転可能な回転体と、
    前記回転軸に沿って延出して前記回転体の内部を貫通して形成され、前記回転体を回転可能に支持する固定体と、
    前記固定体及び回転体間に設けられた軸受けと、
    前記焦点及び陰極間に位置し、前記陰極から前記焦点に向かう電子ビームの軌道を取り囲み、前記固定体に取り付けられた集束電極と、をさらに備えている請求項1又は2に記載のX線管。
  12. 前記陽極ターゲットを固定し、回転軸に沿って延出して筒状に形成され、内面に軸受面を含み、前記回転軸を中心に回転可能な回転体と、
    前記回転軸に沿って延出して前記回転体の内部を貫通して形成され、外面に前記軸受面と対向した他の軸受面を含み、前記回転体を回転可能に支持する固定体と、
    前記軸受面及び他の軸受面間の隙間に充填され、前記軸受面及び他の軸受面とともに動圧すべり軸受けを形成する液体金属潤滑材と、
    前記焦点及び陰極間に位置し、前記陰極から前記焦点に向かう電子ビームの軌道を取り囲み、前記固定体に取り付けられた集束電極と、をさらに備えている請求項1又は2に記載のX線管。
  13. 前記軸受面及び他の軸受面の少なくとも一方は、螺旋状に形成された溝を有している請求項12に記載のX線管。
  14. 前記陽極ターゲットは、前記真空外囲器に対して静止している請求項1又は2に記載のX線管。
  15. 電子ビームが入射されることによりX線を放出するターゲット面を有し、正の高電位に設定される陽極ターゲットと、前記ターゲット面から第1角度をなした方向から前記ターゲット面に電子ビームを入射させ、前記ターゲット面に焦点を形成し、負の電位に設定される陰極と、前記陽極ターゲット及び陰極を収容し、内部が真空状態であり、前記ターゲット面から第2角度をなした方向に位置したX線放射窓と、真空側の前記X線放射窓の表面側を含む内側に設けられ、接地電位に設定される金属表面部と、を有した真空外囲器と、を具備したX線管を備え、
    真空側の前記X線放射窓の表面の中心点から延びた垂線、並びに前記ターゲット面若しくはターゲット面と同一平面上に位置し前記ターゲット面から外れた延長平面が交差する交点は、前記陰極からみて前記焦点より遠くに位置しているX線管装置。
  16. 電子ビームが入射されることによりX線を放出するターゲット面を有し、正の高電位に設定される陽極ターゲットと、前記ターゲット面から第1角度をなした方向から前記ターゲット面に電子ビームを入射させ、前記ターゲット面に焦点を形成し、負の電位に設定される陰極と、前記陽極ターゲット及び陰極を収容し、内部が真空状態であり、前記ターゲット面から第2角度をなした方向に位置したX線放射窓と、真空側の前記X線放射窓の表面側を含む内側に設けられ、接地電位に設定される金属表面部と、を有した真空外囲器と、前記焦点及びX線放射窓間に位置し、前記真空外囲器に取り付けられ、前記焦点と対向し接地電位に設定される等電位面と、前記等電位面の一部を貫通して形成され前記焦点から前記X線放射窓に向かうX線を通過させるX線通過孔と、を有した等電位面形成電極と、を具備したX線管を備え、
    前記焦点及びX線放射窓の中心点を結ぶ線、並びに前記X線通過孔が交差する点を第1交点、前記等電位面に垂直な方向に前記第1交点から延びた垂線、並びに前記ターゲット面若しくはターゲット面と同一平面上に位置し前記ターゲット面から外れた延長平面が交差する点を第2交点とすると、前記第2交点は、前記陰極からみて前記焦点より遠くに位置しているX線管装置。
  17. 冷却液の導入路と、
    冷却液の排出路と、
    前記導入路に冷却液を送出し、前記排出路から冷却液を取込み、冷却液を循環させるポンプユニットと、をさらに備え、
    前記陽極ターゲットは、内部に設けられ、前記導入路及び排出路に繋げられ、冷却液が循環する通路を有している請求項15又は16に記載のX線管装置。
  18. 前記焦点が前記ターゲット面上を連続的又は間欠的に移動するように前記陰極から放射される電子ビームを偏向させる偏向制御部をさらに備えている請求項15又は16に記載のX線管装置。
JP2009221250A 2009-09-25 2009-09-25 X線管及びx線管装置 Withdrawn JP2011070942A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009221250A JP2011070942A (ja) 2009-09-25 2009-09-25 X線管及びx線管装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009221250A JP2011070942A (ja) 2009-09-25 2009-09-25 X線管及びx線管装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011070942A true JP2011070942A (ja) 2011-04-07

Family

ID=44016030

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009221250A Withdrawn JP2011070942A (ja) 2009-09-25 2009-09-25 X線管及びx線管装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011070942A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5455880B2 (ja) 放射線発生管、放射線発生装置ならびに放射線撮影装置
US8848875B2 (en) Enhanced barrier for liquid metal bearings
JP2013033681A (ja) 放射線発生装置及びそれを用いた放射線撮影装置
JP2013055041A (ja) 放射線発生装置及び放射線撮影装置
US7359486B2 (en) Structure for collecting scattered electrons
JP2013020791A (ja) 放射線発生装置及びそれを用いた放射線撮影装置
US20130156161A1 (en) X-ray tube aperture having expansion joints
JP2010262784A (ja) X線管及びx線管装置
US20100128848A1 (en) X-ray tube having liquid lubricated bearings and liquid cooled target
CN110957201B (zh) X射线阳极、x射线辐射器和用于制造x射线阳极的方法
JP2011233363A (ja) X線管装置及びx線装置
US7260181B2 (en) Enhanced electron backscattering in x-ray tubes
WO2016136373A1 (ja) X線管装置
JP5823206B2 (ja) X線管装置
JP2011233365A (ja) 回転陽極型x線管及び回転陽極型x線管装置
JP6816921B2 (ja) X線管
JP2011070942A (ja) X線管及びx線管装置
JP2009043651A (ja) 回転陽極型x線管装置
JP5437262B2 (ja) 管端部に近接した焦点位置を有するx線管
JP2008084697A (ja) 回転陽極x線管装置
JP5370965B2 (ja) X線管及びx線管装置
JP2012238506A (ja) 回転陽極型x線管装置
JP6026172B2 (ja) X線管装置
JP2015076359A (ja) X線管装置
JP2009272057A (ja) 回転陽極型x線管装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20121204