JP2011070886A - キャップ、コネクタ及びキャップの使用方法 - Google Patents

キャップ、コネクタ及びキャップの使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コネクタへの取付及び取外しが容易でありながら、コネクタへ取付けた状態では不必要にコネクタから外れることがなく、コネクタへ取付けた状態で手指等で容易に把持することができ、取扱いが容易で、作業性が高く、嵩(かさ)張らず、製造が容易で、コストが低くなるコネクタキャップを提供する。
【解決手段】コネクタ1を覆うキャップ31であって、柔軟性を備えるシート材から成り、先端が閉止され、後端に開口を備える袋状の形状を有し、前記コネクタ1との分離を阻止する分離阻止機能を発揮する第1の姿勢と、前記分離阻止機能が解除される第2の姿勢とに姿勢変化可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、キャップ、コネクタ及びキャップの使用方法に関するものである。
従来、コネクタ又はコネクタの端子等を保護するためにキャップが使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
図7は従来のキャップの側断面図であって端子に取付けた状態を示す図である。
図において、851は電線891の終端に接続された端子であり、例えば、自動車の電気回路の検査用端子であり、自動車のエンジンルーム内等に配設される。また、831は端子851に取付けられたキャップであり、例えば、ある程度の弾力性及び伸縮性を有するゴム等から成り、端子851の周囲を取囲み、防水カバーとして機能する。
そして、前記キャップ831は、後端に開口部833を備え、前端が閉塞(そく)された円筒状の鞘(さや)部832と、該鞘部832の内部に形成され、端子851を収容可能な端子収容部834とを有する。該端子収容部834の後端側は、前端側より径の大きな拡径部835であり、該拡径部835の内面には円環状の位置決め突起836及び抜止め突起837が形成されている。
また、前記端子851は、後方に配設されたバレル部853と、前方に配設された板状のタブ部852とを備える。前記バレル部853のうち、前側のワイヤバレル853aは電線891の芯(しん)線にかしめ付けられており、後側のインシュレーションバレル853bは、電線891の被覆に装着された防水栓841にかしめ付けられている。これにより、端子851は、防水栓841と一体化された状態で電線891に接続される。
前記防水栓841は、ゴムから成る全体として円筒状の部材であり、その外周面には全周に亘(わた)って突出する突条842が形成され、前記キャップ831の拡径部835内に嵌(はめ)込まれている。
これにより、端子851は周囲をキャップ831に覆われて水密状態となる。したがって、水がキャップ831に掛かっても、端子851が水に触れることがない。
なお、キャップ831の先端には切込み838が形成されている。これにより、電気回路の検査の際には、図示されないプローブの先端を切込み838からキャップ831内に押込んで、端子851に接触させることができる。
特開2001−155818号公報
しかしながら、前記従来のキャップにおいては、ある程度の弾力性を有するゴム等から成り、かつ、円筒状の鞘部832を有するものであるため、複数本の電線を備えるワイヤの先端に接続されたコネクタを覆うことは困難である。例えば、回路基板等の基板に実装された基板コネクタと嵌(かん)合することによって複数本の電線を備えるワイヤを基板に接続するために使用されるワイヤコネクタの場合、ワイヤの先端に接続された状態で倉庫等に長期間に亘って保存されるときには、空気中の塵埃(じんあい)等の異物が付着することを防止するために、キャップの取付が要求されることがある。しかし、ある程度の弾力性を有するものの柔軟性に乏しいゴム等から成り、かつ、円筒状の部分を有するキャップをワイヤコネクタの周囲を取囲むように取付けると、キャップの円筒状の形状が維持され、嵩(かさ)張るので、保管のために大きなスペースが必要となってしまう。
また、携帯電話機、ビデオカメラ等の小型の電子機器に使用されるワイヤコネクタの場合、配線作業において、ワイヤの先端に接続された状態で電子機器の筐(きょう)体等に形成された微細な孔(あな)を通す必要があるが、このようなときに、ある程度の弾力性を有するものの柔軟性に乏しいゴム等から成り、かつ、円筒状の部分を有するキャップをワイヤコネクタの周囲を取囲むように取付けたままで作業を行うと、キャップが柔軟に変形しないので、作業性が低下してしまう。もっとも、キャップを取外すと、ワイヤが備える複数本の電線がばらばらになってしまうので、やはり、作業性が低下してしまう。
さらに、一般的に、ワイヤコネクタ等のコネクタの形状は、概略直方体であるから、円環状の位置決め突起836及び抜止め突起837が形成されていると、端子収容部834内にコネクタを挿入することが困難であり、かつ、一度端子収容部834内に収容されたコネクタを取出すことも困難である。
本発明は、前記従来のキャップの問題点を解決して、柔軟性を備えるシート材から成り、先端が閉止され後端が開口した袋状の形状を有し、コネクタとの分離を阻止する分離阻止機能を発揮する第1の姿勢と、分離阻止機能が解除される第2の姿勢とに姿勢変化可能なので、コネクタへの取付及び取外しが容易でありながら、コネクタへ取付けた状態では不必要にコネクタから外れることがなく、コネクタへ取付けた状態で手指等で容易に把持することができ、取扱いが容易で、作業性が高く、嵩張らず、製造が容易で、コストの低いキャップ、該キャップを取付けたコネクタ及び前記キャップの使用方法を提供することを目的とする。
そのために、本発明のキャップにおいては、コネクタを覆うキャップであって、柔軟性を備えるシート材から成り、先端が閉止され、後端に開口を備える袋状の形状を有し、前記コネクタとの分離を阻止する分離阻止機能を発揮する第1の姿勢と、前記分離阻止機能が解除される第2の姿勢とに姿勢変化可能である。
本発明の他のキャップにおいては、さらに、前記開口の一部に形成された分離阻止部を有し、前記第1の姿勢では、前記分離阻止部がキャップ内の収容部から前記コネクタが離脱することを阻止する。
本発明の更に他のキャップにおいては、さらに、幅方向両端において前記先端から後端にまで延在する第1端縁部及び第2端縁部を有し、前記分離阻止部は、前記後端において第1端縁部に接続し、前記第1の姿勢では、前記第1端縁部が前記コネクタの第1端面部と対向し、前記第2の姿勢では、前記第2端縁部が前記コネクタの第1端面部と対向する。
本発明の更に他のキャップにおいては、さらに、前記収容部は、キャップ内の扁(へん)平な空間であり、長手方向の寸法が前記コネクタの長さ寸法よりも大きく、後端における幅方向の寸法が先端における幅方向の寸法よりも大きく、かつ、前記コネクタの幅寸法よりも大きい。
本発明の更に他のキャップにおいては、さらに、一対の側壁部と、該側壁部の幅方向両端縁を接続する第1端縁部及び第2端縁部と、前記側壁部の前端縁を接続する前端縁部とを有し、前記分離阻止部は、前記開口の一端において前記側壁部の後端縁の一部を接続し、かつ、前記第1端縁部の後端に接続されている。
本発明の更に他のキャップにおいては、さらに、前記コネクタは、ワイヤの終端に接続されたワイヤコネクタであって、長手方向に延在する第1端面部と、該第1端面部の反対側に位置し、前記ワイヤの電線が挿入される第2端面部とを備える。
本発明のコネクタにおいては、相手方コネクタの相手方ハウジングと嵌合するハウジングと、該ハウジングに装填(てん)された端子であって、前記相手方ハウジングに装填された相手方端子と接触する端子とを有するコネクタであって、柔軟性を備えるシート材から成り、先端が閉止され、後端に開口を備える袋状の形状を有し、コネクタを覆うキャップが、コネクタとの分離を阻止する分離阻止機能を発揮する第1の姿勢と、前記分離阻止機能が解除される第2の姿勢とに姿勢変化可能に取付けられている。
本発明のキャップの使用方法においては、コネクタを覆うキャップの使用方法であって、前記キャップは、柔軟性を備えるシート材から成り、先端が閉止され、後端に開口を備える袋状の形状を有し、前記キャップがコネクタに取付けられているときは、キャップの姿勢を、コネクタとの分離を阻止する分離阻止機能を発揮する第1の姿勢とし、前記キャップをコネクタから取外すときは、キャップの姿勢を、前記分離阻止機能が解除される第2の姿勢とする。
本発明によれば、キャップは、柔軟性を備えるシート材から成り、先端が閉止され後端が開口した袋状の形状を有し、コネクタとの分離を阻止する分離阻止機能を発揮する第1の姿勢と、分離阻止機能が解除される第2の姿勢とに姿勢変化可能である。これにより、コネクタへの取付及び取外しが容易でありながら、コネクタへ取付けた状態では不必要にコネクタから外れることがなく、コネクタへ取付けた状態で手指等で容易に把持することができ、取扱いが容易で、作業性が高く、嵩張らず、製造が容易であり、コストを低くすることができる。
本発明の実施の形態におけるコネクタを収容した状態のキャップを示す図であって、(a)は側面図、(b)はA−A矢視断面図である。 本発明の実施の形態におけるキャップを示す図であって、(a)は背面図、(b)は側面図、(c)はB−B矢視断面図である。 本発明の実施の形態におけるコネクタと相手方コネクタとの嵌合前の状態を示す図である。 本発明の実施の形態におけるキャップの分離阻止機能の変化を説明する図であって、(a)〜(d)は一連のキャップの姿勢を示す。 本発明の実施の形態におけるキャップをコネクタに取付けるプロセスを説明する図であって、(a)〜(d)は一連のプロセスを示す。 本発明の実施の形態におけるキャップをコネクタから取外すプロセスを説明する図であって、(a)〜(d)は一連のプロセスを示す。 従来のキャップの側断面図であって端子に取付けた状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるコネクタを収容した状態のキャップを示す図、図2は本発明の実施の形態におけるキャップを示す図、図3は本発明の実施の形態におけるコネクタと相手方コネクタとの嵌合前の状態を示す図である。なお、図1において、(a)は側面図、(b)はA−A矢視断面図、図2において、(a)は背面図、(b)は側面図、(c)はB−B矢視断面図である。
図において、1は本実施の形態におけるコネクタであり、いかなる種類のコネクタであってもよいが、典型的には、ワイヤ対基板コネクタの一方であるワイヤコネクタであって、複数本の電線91を含むワイヤ90の終端に接続されている。そして、図3に示されるように、前記コネクタ1は相手方コネクタ101に嵌合される。該相手方コネクタ101は、いかなる種類のコネクタであってもよいが、典型的には、ワイヤ対基板コネクタの他方である基板コネクタであって、図示されない回路基板等の基板の表面に実装される表面実装型のコネクタである。
なお、前記基板は、典型的には、電気機器、電子機器等に使用されるプリント回路基板であり、前記ワイヤ90は、典型的には、電気機器、電子機器等の信号ライン、電力ライン等を接続するために使用される導電ワイヤである。さらに、電気機器及び電子機器は、典型的には、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、デジタルカメラ、ビデオカメラ、デジタルテレビ、車両用ナビゲーション装置、ゲーム機等であるが、いかなる種類の電気機器及び電子機器であってもよい。
また、図1に示されるように、前記コネクタ1にはキャップ31を取付けることができる。該キャップ31は、柔軟性を備えるシート材から成り、先端が閉止され、後端に開口を備える袋状の形状を有する部材であり、ワイヤ90の電線91の先端に接続されたコネクタ1への取付及び取外しを容易に行うことができる。なお、前記シート材は、柔軟性を備える材料であれば、いかなる材料から成るものであってもよいが、典型的には、高密度ポリエチレンから成り、厚さが約50〔μm〕の透明又は半透明の薄いシート材である。該シート材は、必ずしも透明又は半透明である必要はなく、光を透過しないものであってもよいが、本実施の形態においては、説明の都合上、透明又は半透明であって、内部に収容されたコネクタ1及び電線91を視認可能なものであるとする。
なお、本実施の形態において、コネクタ1、キャップ31、ワイヤ90、相手方コネクタ101等の部材の各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、前記部材が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
そして、前記コネクタ1は、図3に示されるように、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成され、概略扁平な直方体のような全体形状を備える第1ハウジングとしてのハウジング11と、該ハウジング11に装填された金属製の第1端子としての端子51と、前記ハウジング11に取付けられた金属製の第1ハウジング用補助金具としての補助金具21とを有する。なお、図に示される例においては、40個の端子51が並列に配列されているが、端子51の数は電線91の数に対応して任意に変更することができる。また、端子51のピッチも任意に決定することができる。なお、各端子51は対応する電線91の終端に接続されている。
前記ハウジング11は、端子51を保持して下方に突出する嵌合凸部13と、ハウジング11の上面に位置する概略平板状で長方形の天板部12と、ハウジング11の前面に位置する概略平板状で長方形の前板部としての第1端面部15と、ハウジング11の後面に位置し、電線91の先端部分が挿入される概略平板状で長方形の後板部としての第2端面部16と、ハウジング11の左右両側に位置する一対の側壁部17とを備える。なお、前記ハウジング11の下面は、相手方コネクタ101と嵌合する嵌合面14である。また、補助金具21は、金属板に曲げ加工等を施した部材であり、天板部12及び側壁部17の少なくとも一部を覆うようにしてハウジング11に取付けられている。なお、図に示される例において、前記コネクタ1の長さ(図3における左下から右上方向の寸法)、幅(図3における左上から右下方向の寸法)及び厚さ(図3における上下方向の寸法)は、各々、約17〔mm〕、約3〔mm〕及び約1.5〔mm〕であるが、各部の寸法は、任意に設定することができる。
一方、相手方コネクタ101は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成され、概略扁平な直方体のような全体形状を備える第2ハウジングとしての相手方ハウジング111と、該相手方ハウジング111に装填された金属製の第2端子としての相手方端子151と、前記相手方ハウジング111に取付けられた金属製の第2ハウジング用補助金具としての相手方補助金具121とを有する。なお、図に示される例においては、40個の相手方端子151が並列に配列されているが、相手方端子151の数は端子51の数に対応して任意に変更することができる。また、相手方端子151のピッチも端子51のピッチに対応して変更することができる。なお、各相手方端子151は、そのテール部153が基板の導電トレースの電極に、はんだ付等によって接続されている。
前記相手方ハウジング111は、該相手方ハウジング111の下面に位置し、基板の表面に対向する概略平板状で長方形の底板部114と、相手方ハウジング111の上面に位置し、コネクタ1と嵌合する嵌合面として機能する概略平板状で長方形の相手方天板部112とを備える。なお、該相手方天板部112には、側壁に相手方端子151が露出する凹入部分であって、前記嵌合凸部13を収容する嵌合凹部113が形成されている。
ここで、相手方コネクタ101は、相手方端子151のテール部153が、基板の表面に形成された導電トレースの電極にはんだ付等によって接続されるとともに、相手方補助金具121の一部が前記基板の表面に形成された固定部にはんだ付等によって接続されることにより、前記基板に表面実装されている。そして、オペレータは、コネクタ1の嵌合面14と相手方コネクタ101の相手方天板部112とを対向させた状態とし、コネクタ1の嵌合凸部13を相手方コネクタ101の嵌合凹部113に挿入して、コネクタ1と相手方コネクタ101とを嵌合させる。
また、コネクタ1を相手方コネクタ101と嵌合させないときには、図1に示されるように、コネクタ1にキャップ31を取付けておくことが望ましい。これにより、例えば、空気中の塵埃等の異物がコネクタ1に付着することが防止される。また、コネクタ1が他の部材と干渉した際に、損傷を受けることも防止される。
さらに、ワイヤ90の終端に接続されたコネクタ1をワイヤ90とともに電気機器又は電子機器に取付ける際に、ワイヤ90の取回しが容易となり、作業性が向上する。例えば、コネクタ1が接続されたワイヤ90を電気機器又は電子機器の筐体に形成された貫通孔(こう)を通過させる作業の場合、ワイヤ90の終端近傍及びコネクタ1の周囲がキャップ31に覆われているので、貫通孔の壁面に引掛かることがなく、スムーズに貫通孔を通過させることができる。また、ワイヤ90の終端近傍及びコネクタ1が損傷を受けることもない。貫通孔を通過させる場合に限らず、狭い箇所を通過させるような場合、同様の効果を享受することができる。
前記キャップ31は、先端が閉止され後端が開口した袋状の形状であれば、いかなる形状を有するものであってもよいが、典型的には、図2に示されるような形状を有する。すなわち、側面から観た形状は、緩いテーパの付いた先細りの先端が閉止された筒のような形状であり、後面から観た形状は、極めて薄い唇のような形状である。
なお、前記キャップ31は、柔軟性を備えるシート材から成るので、図2(a)における左右いずれかの側壁が下になるようにして、つまり横にして、テーブルのような台の表面等の平坦(たん)な面上に載置した場合には、自重によって更に扁平になり、後面から観た形状が1枚のシートのような形状となる。したがって、前記キャップ31は、保管の際に横にして積重ねることができるので、保管スペースを節約することができる。
図に示される例において、前記キャップ31は、左右の側壁である第1側壁部32a及び第2側壁部32bと、上下の端縁である第1端縁部33a及び第2端縁部33bと、先端の端縁である前端縁部36と、後端の開口である開口部35と、後端の開口の一端に形成された分離阻止部としての係合部37とを有する。
そして、前端縁部36は、第1側壁部32a及び第2側壁部32bの前端縁を接続する部分であり、側面から観て、ほぼ半円状の円弧形状を有する。また、第1端縁部33a及び第2端縁部33bは、第1側壁部32a及び第2側壁部32bの幅方向両端縁を接続する部分であり、側面から観て、各々、直線状の形状を有し、前端が前端縁部36に接続されている。さらに、後端は、側面から観て、上下に延在する直線状である。そして、係合部37は、開口部35の一端(図1(a)及び2(b)に示される例において下端)において第1側壁部32a及び第2側壁部32bの後端縁を接続し、かつ、その一端(図1(a)及び2(b)に示される例において下端)が第1端縁部33aに接続されている。なお、第1端縁部33aと第2端縁部33bとは、互いに平行でなく、一方が他方に対してある程度の角度で傾斜し、前端縁部36寄りの間隔が後端寄りの間隔よりも狭くなっている。
また、第1端縁部33a及び第2端縁部33bと前端縁部36と係合部37とは閉止しているので、これにより、第1側壁部32aと第2側壁部32bとの間には、周囲が閉止されて開口部35のみが開口する袋状の扁平な空間である収容部34が形成される。該収容部34の側面形状は、キャップ31全体の側面形状と同様である。なお、第1側壁部32a及び第2側壁部32b、並びに、第1端縁部33a及び第2端縁部33bを統合的に説明する場合には、側壁部32及び端縁部33として説明する。
図に示される例において、第1側壁部32a及び第2側壁部32bは、各々が図2(b)に示されるような形状を有する高密度ポリエチレン製の同一形状の一対のシート材である。そして、第1端縁部33a及び第2端縁部33bと前端縁部36とは、第1側壁部32aと第2側壁部32bとを重ねた状態で、その端縁を熱融着、超音波接合等の方法によって接合することにより形成されている。また、係合部37も、同様に、後端の開口の一端、すなわち、後端の端縁における第1端縁部33a寄りの一部を接合することによって形成されている。
なお、キャップ31は、必ずしも、一対のシート材を重合せて端縁を接合することによって製造される必要はなく、例えば、射出成形でボトル状の容器を製造するのと同様の方法によって、金型に樹脂を注入することにより、図2に示されるような形状の袋状のキャップ31を製造することができる。この場合、第1側壁部32aと第2側壁部32bと、第1端縁部33a及び第2端縁部33bと、前端縁部36と、係合部37とは、すべて一体化されたものとなる。
また、図2に示される例において、収容部34の長手方向の寸法(キャップ31の長さにほぼ等しい)である寸法Lは約27〔mm〕、収容部34の先端における幅方向の寸法(キャップ31の先端の幅、すなわち、前端縁部36の幅にほぼ等しい)である寸法W1は約3.5〔mm〕、開口部35の幅である寸法W2は約4.5〔mm〕、係合部37の幅である寸法Hは約1.0〔mm〕、第2端縁部33bの第1端縁部33aに対する傾斜角度は約5〜6〔deg〕である。なお、寸法W2と寸法Hとの合計は、収容部34の後端における幅方向の寸法にほぼ等しい。また、これらの数値は、いずれも例示に過ぎず、必要に応じて適宜変更することができる。
そして、ワイヤ90の終端に接続されたコネクタ1にキャップ31を取付ける際には、外部と収容部34とを連通する開口部35を通して、コネクタ1を収容部34内に挿入する。図1には、キャップ31が取付けられ、収容部34内に収容された状態のワイヤ90の終端に接続されたコネクタ1が示されている。
図において、92は、束ねられた状態のすべての電線91の周囲を被覆する絶縁性のワイヤ被覆であり、ワイヤ90の先端から所定の長さ範囲では、電線91を露出させるために除去されている。なお、93はワイヤ被覆92の端部を保護するための被覆端保護部である。そして、露出した電線91は、1本1本ばらばらとなり、図1(a)に示されるように屈曲している。これにより、コネクタ1の長手方向、すなわち、第1端面部15及び第2端面部16の延在する方向と、ワイヤ90のワイヤ被覆92が存在する部分の少なくとも先端の延在する方向とが、ほぼ平行となり、細長い収容部34内に収容可能となる。また、側面から観て、コネクタ1の第1端面部15は、第1端縁部33aとほぼ平行であり、かつ、第1端縁部33aに対向している。なお、図に示される例において、コネクタ1の第1端面部15は、第1端縁部33aに当接又は近接しているが、必ずしも当接又は近接している必要はなく、第1端縁部33aから離間していてもよい。さらに、後面から観て、幅の広いコネクタ1及び複数本の電線91が収容部34内に収容されたので、第1側壁部32a及び第2側壁部32bは、大きく屈曲した状態となっている。
そして、キャップ31の後端に係合部37が形成されているので、キャップ31をコネクタ1に対して相対的に前進させても、係合部37がコネクタ1の後側の側壁部17と係合するので、キャップ31が外れないであろうことが分かる。そのため、オペレータが手指等によってキャップ31を把持してワイヤ90に接続されたコネクタ1の取回しを行っても、キャップ31が不必要にコネクタ1から外れることがないので、つまり、キャップ31の備える分離阻止機能が発揮されるので、取扱いが容易で、作業性が高いことが理解し得る。
次に、キャップ31の姿勢と分離阻止機能との関係について説明する。
図4は本発明の実施の形態におけるキャップの分離阻止機能の変化を説明する図である。図において、(a)〜(d)は一連のキャップの姿勢を示す。
なお、図においては、キャップ31の姿勢とコネクタ1との関係を明確に示すために、電線91を含むワイヤ90の描画が省略されている。
図4(a)に示されるように、キャップ31の姿勢が、その第1端縁部33aがコネクタ1の第1端面部15と対向するような第1の姿勢である場合、キャップ31をコネクタ1に対して相対的に前進させても、すなわち、コネクタ1をキャップ31に対して相対的に後退させても、係合部37がコネクタ1の後側の側壁部17と係合するので、キャップ31が外れることがない。つまり、キャップ31の姿勢が第1の姿勢であると、キャップ31の備える分離阻止機能が発揮されるので、キャップ31がコネクタ1から外れることがない。
そこで、キャップ31をコネクタ1から外す必要がある場合には、まず、図4(b)において矢印Cで示されるように、コネクタ1をキャップ31に対して相対的に前進させる。これにより、係合部37と側壁部17との係合が解除される。
続いて、図4(b)において矢印Dで示されるように、キャップ31をコネクタ1に対して相対的に180度回転させる。すなわち、キャップ31をコネクタ1に対して相対的に上下反転させる。
これにより、図4(c)に示されるように、キャップ31の姿勢が、その第2端縁部33bがコネクタ1の第1端面部15と対向するような第2の姿勢となる。該第2の姿勢では、係合部37が図における上方において、コネクタ1の第2端面部16から遠く離間した位置にあるので、係合部37と側壁部17とが係合することがない。つまり、キャップ31の姿勢が第2の姿勢であると、キャップ31の備える分離阻止機能が解除され、発揮されない。
したがって、図4(d)において矢印Eで示されるように、キャップ31をコネクタ1に対して相対的に前進させると、係合部37がコネクタ1の後側の側壁部17と係合しないので、コネクタ1は、開口部35を通してキャップ31の後方へ抜け出ることとなる。つまり、キャップ31の備える分離阻止機能が解除されて発揮されないので、キャップ31がコネクタ1から外れることとなる。
なお、図4(b)に示される例においては、コネクタ1の上方に、すなわち、コネクタ1の第2端面部16とキャップ31の第2端縁部33bとの間に大きな空間が存在する。そこで、この状態で、コネクタ1がキャップ31に対して相対的に上方に大きく変位すれば、コネクタ1の第1端面部15がキャップ31の第1端縁部33aから遠く離間した状態となり、キャップ31を180度回転させなくても、コネクタ1に対して相対的に前進させるだけで、係合部37がコネクタ1の後側の側壁部17と係合せずに、キャップ31がコネクタ1から外れるかのように思われる。
しかしながら、後述されるように、キャップ31が取付けられた状態のコネクタ1を移動させる作業では、通常、オペレータはその手指等でキャップ31を把持することとなる。そのため、キャップ31内のコネクタ1は、自重によって、自然と下側に位置する第1端縁部33aに近付くこととなる。そのため、コネクタ1がキャップ31に対して相対的に上方に大きく変位することはあり得ず、コネクタ1の第1端面部15がキャップ31の第1端縁部33aから遠く離間した状態とはなり得ない。
また、本実施の形態で例示した寸法を採用すると、コネクタ1の幅、すなわち、図4(b)に示され状態における側壁部17の上下方向の寸法は約3〔mm〕であり、キャップ31の収容部34の後端における幅方向(図4(b)における上下方向)の寸法はW2+H=約5.5〔mm〕である。この場合、仮にコネクタ1が収容部34の幅方向に関する中心に位置していたとすると、コネクタ1の側壁部17の上下両端から収容部34の後端における幅方向両端までの距離が約0.75〔mm〕となり、係合部37の幅である寸法H=約1.0〔mm〕より小さい値となる。したがって、仮にコネクタ1が収容部34の幅方向に関する中心に位置していたとしても、係合部37がコネクタ1の後側の側壁部17と係合するのであるから、キャップ31の備える分離阻止機能が発揮されるので、キャップ31がコネクタ1から外れることがない。
なお、前記例示された寸法を採用しなくても、キャップ31の寸法をコネクタ1の寸法に対して極端に大きなものとしない限りは、同様のことが言える。
さらに、実際には、コネクタ1が収容部34内に収容された状態では袋状のキャップ31が幅方向(図面に対して垂直な方向)に押広げられ、収容部34の後端の幅方向の寸法は、図2に示されるような状態のときよりも、はるかに減少する。そのため、コネクタ1の側壁部17の上下両端から収容部34の後端における幅方向両端までの距離は、上述の説明よりもはるかに小さいものとなり、係合部37がコネクタ1の後側の側壁部17と係合するので、キャップ31がコネクタ1から外れることがない。
また、コネクタ1にワイヤ90が接続されている場合には、図1に示されるように、複数の電線91が、コネクタ1の第2端面部16とキャップ31の第2端縁部33bとの間の空間に充満している。そのため、図4(b)に示されるような状態であっても、コネクタ1がキャップ31に対して相対的に上方に大きく変位することはあり得ず、コネクタ1の第1端面部15がキャップ31の第1端縁部33aから遠く離間した状態とはなり得ない。したがって、コネクタ1がキャップ31に対して相対的にある程度上方に変位しても、キャップ31の備える分離阻止機能が発揮され、係合部37がコネクタ1の後側の側壁部17と係合するので、キャップ31がコネクタ1から外れることがない。
つまり、第1の姿勢である場合には、キャップ31の備える分離阻止機能が確実に発揮され、キャップ31がコネクタ1から外れることが確実に防止される。
次に、キャップ31をコネクタ1に取付けるプロセスについて説明する。
図5は本発明の実施の形態におけるキャップをコネクタに取付けるプロセスを説明する図である。図において、(a)〜(d)は一連のプロセスを示す。
まず、キャップ31をコネクタ1に取付ける場合、図5(a)に示されるように、ワイヤ被覆92から先の露出した電線91を屈曲させて、コネクタ1の第1端面部15及び第2端面部16の延在する方向と、ワイヤ90のワイヤ被覆92が存在する部分の少なくとも先端の延在する方向とをほぼ平行にする。
また、キャップ31を、その後端がコネクタ1の前側の側壁部17と対向し、第2端縁部33bがコネクタ1の第1端面部15とほぼ平行となり、かつ、第1端面部15と対向するようにする。つまり、キャップ31を第2の姿勢とし、その後端をコネクタ1の前側の側壁部17と対向させる。
続いて、図5(a)において矢印Fで示されるように、コネクタ1をキャップ31に対して相対的に前進させる。これにより、側壁部17が係合部37と干渉することなく、コネクタ1が、ワイヤ90とともに、開口部35を通って収容部34内に進入する。
そして、図5(b)において矢印Gで示されるように、コネクタ1をキャップ31に対して相対的に更に前進させる。第1端縁部33aが第2端縁部33bに対してある程度の角度で傾斜しているので、収容部34は先細りの形状を有する。そのため、コネクタ1は、キャップ31の前端縁部36に当接することなく、図5(b)に示されるように、前端縁部36よりも手前(図における左側)の位置で、収容部34の内面と干渉して停止する。なお、図5(b)に示される例では、コネクタ1の第2端面部16とキャップ31の第1端縁部33aとの間に余裕があるので、コネクタ1と収容部34の内面とは干渉していないかのように見えるが、実際には、コネクタ1が収容部34内に収容された状態では袋状のキャップ31が幅方向(図面に対して垂直な方向)に押広げられるので、コネクタ1と収容部34の内面とは干渉している。
このことから分かるように、キャップ31は、第2の姿勢であっても、コネクタ1に対して後方に移動して外れることはない。
図5(b)に示される状態において、キャップ31の後端からコネクタ1の後側の側壁部17までの寸法は、後述される寸法Pとほぼ同様であり、典型的には、5〜10〔mm〕程度である。つまり、コネクタ1よりも後方にオペレータが手指等で把持しやすい長さの範囲のキャップ31が余剰となっている。したがって、この余剰となったキャップ31の部分を手指等で把持することによって、キャップ31を容易に取扱うことが可能となる。なお、キャップ31におけるコネクタ1よりも後方の余剰部分には、ワイヤ90が存在するが、コネクタ1は存在せず、かつ、先細りの形状の収容部34の後端付近は容積が大きくなっているので、収容物の存在しない空間が大きくなっている。そのため、柔軟なキャップ31を手指等で容易に把持することができる。
続いて、図5(c)において矢印Jで示されるように、キャップ31をコネクタ1に対して相対的に180度回転させる。すなわち、キャップ31をコネクタ1に対して相対的に上下反転させる。この場合、キャップ31におけるコネクタ1よりも後方の余剰部分を手指等で把持することによって、キャップ31を容易に反転させることができる。
これにより、図5(c)に示されるように、キャップ31の姿勢が、その第1端縁部33aがコネクタ1の第1端面部15と対向するような第1の姿勢となる。該第1の姿勢では、係合部37が図における下方に位置するので、係合部37と側壁部17とが係合可能であり、キャップ31の備える分離阻止機能が発揮される。
したがって、図5(d)において矢印Kで示されるように、コネクタ1をキャップ31に対して相対的に後退させても、係合部37がコネクタ1の後側の側壁部17と係合するので、コネクタ1は、開口部35を通してキャップ31の後方へ抜け出ることがない。つまり、キャップ31の備える分離阻止機能が発揮されるので、キャップ31がコネクタ1から外れることがない。なお、図に示される例において、コネクタ1の第1端面部15は、第1端縁部33aに当接又は近接しているが、必ずしも当接又は近接している必要はなく、第1端縁部33aから離間していてもよい。
また、図5(d)に示される状態において、キャップ31の先端からコネクタ1の前側の側壁部17までの寸法は、寸法P以上であり、典型的には、約5〜10〔mm〕以上である。つまり、コネクタ1よりも前方にオペレータが手指等で把持しやすい長さの範囲のキャップ31が余剰となっている。したがって、この余剰となったキャップ31の部分を手指等で把持することによって、キャップ31を容易に取扱うことが可能となる。特に、キャップ31におけるコネクタ1よりも前方の余剰部分は、ワイヤ90もコネクタ1も存在せず、極めて柔軟性が高く、手指による把持が極めて容易となっている。
したがって、ワイヤ90の終端に接続されたコネクタ1をワイヤ90とともに電気機器又は電子機器に取付ける際には、キャップ31におけるコネクタ1よりも前方の余剰部分を手指等で把持して、コネクタ1を所望の方向に所望の変位量だけ変位させることができるので、作業が容易となり、作業性が向上する。例えば、コネクタ1が接続されたワイヤ90を電気機器又は電子機器の筐体に形成された貫通孔を通過させる作業の場合、まず、キャップ31におけるコネクタ1よりも前方の余剰部分を一方の側から貫通孔に押込み、続いて、他方の側から前記余剰部分の先端を把持して引張り出すだけの作業で、コネクタ1をワイヤ90とともにスムーズに貫通孔を通過させることができる。このように、貫通孔のような狭い箇所を通過させるような場合、キャップ31におけるコネクタ1よりも前方の余剰部分を手指等で把持して変位させるだけでよいので、作業性が極めて良好となる。
また、キャップ31は、柔軟性を備えるシート材から成るので、例えば、径の小さな貫通孔を通過する際、貫通孔の内面に押圧されると柔軟に変形するので、スムーズに貫通孔を通過させることができる。つまり、極めて狭い箇所であっても、キャップ31を取付けたコネクタ1を容易に通過させることができる。
なお、ここでは、キャップ31を第2の姿勢としてからコネクタ1を開口部35を通って収容部34内に進入させ、コネクタ1が収容部34内に収容された後に、キャップ31を上下反転させて第1の姿勢とする例について説明した。
しかし、キャップ31を第1の姿勢としたままでコネクタ1を開口部35を通って収容部34内に進入させることもできる。この場合には、コネクタ1が収容部34内に収容された後に、キャップ31を上下反転させるプロセスを省略することができるので、作業時間が短縮される。
次に、キャップ31をコネクタ1から取外すプロセスについて説明する。
図6は本発明の実施の形態におけるキャップをコネクタから取外すプロセスを説明する図である。図において、(a)〜(d)は一連のプロセスを示す。
オペレータが手指等によってキャップ31を把持してワイヤ90に接続されたコネクタ1の取回しを行っている間、又は、取回しを行った後は、図6(a)に示されるように、キャップ31の姿勢が第1の姿勢であって、かつ、コネクタ1がキャップ31に対して相対的に後退し、係合部37がコネクタ1の後側の側壁部17と係合した状態となっている。つまり、図5(d)に示されるのと同様の状態であって、キャップ31の備える分離阻止機能が発揮され、キャップ31がコネクタ1から外れることがない状態となっている。なお、図に示される例において、コネクタ1の第1端面部15は、第1端縁部33aに当接又は近接しているが、必ずしも当接又は近接している必要はなく、第1端縁部33aから離間していてもよい。
また、係合部37がコネクタ1の後側の側壁部17と係合した状態となっているので、キャップ31がコネクタ1に対して相対的に回転し得ない。つまり、コネクタ1の取回しを行っている間、又は、取回しを行った後は、キャップ31は、第2の姿勢となることができない。
そこで、キャップ31をコネクタ1から外す必要がある場合には、まず、図6(b)において矢印Mで示されるように、コネクタ1をキャップ31に対して相対的に前進させる。これにより、係合部37と側壁部17との係合が解除される。また、第2端縁部33bが第1端縁部33aに対してある程度の角度で傾斜し、収容部34は先細りの形状を有する。そのため、コネクタ1は、キャップ31の前端縁部36に当接することなく、図6(b)に示されるように、前端縁部36よりも手前(図における左側)の位置で、収容部34の内面と干渉して停止する。
なお、図6(b)に示される例では、コネクタ1の第2端面部16とキャップ31の第2端縁部33bとの間に余裕があるので、コネクタ1と収容部34の内面とは干渉していないかのように見えるが、実際には、コネクタ1が収容部34内に収容された状態では袋状のキャップ31が幅方向(図面に対して垂直な方向)に押広げられるので、コネクタ1と収容部34の内面とは干渉している。
このことから分かるように、キャップ31は、第2の姿勢の場合と同様に、第1の姿勢の場合も、コネクタ1に対して後方に移動して外れることはない。
図6(b)に示される状態において、キャップ31の後端からコネクタ1の後側の側壁部17までの寸法Pは、典型的には、5〜10〔mm〕程度である。つまり、コネクタ1よりも後方にオペレータが手指等で把持しやすい長さの範囲のキャップ31が余剰となっている。したがって、この余剰となったキャップ31の部分を手指等で把持することによって、キャップ31を容易に取扱うことが可能となる。なお、キャップ31におけるコネクタ1よりも後方の余剰部分には、ワイヤ90が存在するが、コネクタ1は存在せず、かつ、先細りの形状の収容部34の後端付近は容積が大きくなっているので、収容物の存在しない空間が大きくなっている。そのため、柔軟なキャップ31を手指等で容易に把持することができる。
続いて、図6(b)において矢印Nで示されるように、キャップ31をコネクタ1に対して相対的に180度回転させる。すなわち、キャップ31をコネクタ1に対して相対的に上下反転させる。この場合、キャップ31におけるコネクタ1よりも後方の余剰部分を手指等で把持することによって、キャップ31を容易に反転させることができる。
これにより、図6(c)に示されるように、キャップ31の姿勢が、その第2端縁部33bがコネクタ1の第1端面部15と対向するような第2の姿勢となる。該第2の姿勢では、係合部37が図における上方において、コネクタ1の第2端面部16から遠く離間した位置にあるので、係合部37と側壁部17とが係合することがない。つまり、キャップ31の姿勢が第2の姿勢であると、キャップ31の備える分離阻止機能が解除され、発揮されない。
したがって、図6(d)において矢印Qで示されるように、キャップ31をコネクタ1に対して相対的に前進させると、係合部37がコネクタ1の後側の側壁部17と係合しないので、コネクタ1は、ワイヤ90とともに、開口部35を通してキャップ31の後方へ抜け出ることとなる。つまり、キャップ31の備える分離阻止機能が解除されて発揮されないので、キャップ31がコネクタ1から外れることとなる。
そして、キャップ31が取外されたコネクタ1は、図3に示されるような相手方コネクタ101と嵌合される。これにより、コネクタ1の各端子51が相手方コネクタ101の対応する相手方端子151と接触し、ワイヤ90の各電線91が、対応する端子51及び相手方端子151を介して、図示されない基板の対応する導電トレースと導通する。
このように、本実施の形態において、コネクタ1を覆うキャップ31は、柔軟性を備えるシート材から成り、先端が閉止され、後端に開口部35を備える袋状の形状を有し、コネクタ1との分離を阻止する分離阻止機能を発揮する第1の姿勢と、分離阻止機能が解除される第2の姿勢とに姿勢変化可能である。
これにより、コネクタ1への取付及び取外しが容易でありながら、コネクタ1へ取付けた状態では不必要にコネクタ1から外れることがなく、コネクタ1へ取付けた状態で手指等で容易に把持することができ、取扱いが容易で、作業性が高く、嵩張らず、製造が容易であり、コストを低くすることができる。
また、開口部35の一部に形成された分離阻止部としての係合部37を有し、第1の姿勢では、係合部37がキャップ31内の収容部34からコネクタ1が離脱することを阻止する。これにより、コネクタ1をキャップ31に対して相対的に後退させても、係合部37がコネクタ1の後側の側壁部17と係合するので、キャップ31がコネクタ1から外れることがない。
さらに、キャップ31は、幅方向両端において先端から後端にまで延在する第1端縁部33a及び第2端縁部33bを有し、係合部37は、後端において第1端縁部33aに接続し、第1の姿勢では、第1端縁部33aがコネクタ1の第1端面部15と対向し、第2の姿勢では、第2端縁部33bがコネクタ1の第1端面部15と対向する。これにより、キャップ31をコネクタ1に対して姿勢変化させて第2の姿勢とすることによって、容易にキャップ31をコネクタ1から取外すことができ、取扱いが容易で、作業性が高い。
さらに、収容部34は、キャップ31内の扁平な空間であり、長手方向の寸法が前記コネクタ1の長さ寸法よりも大きく、後端における幅方向の寸法が先端における幅方向の寸法よりも大きく、かつ、コネクタ1の幅寸法よりも大きい。これにより、キャップ31のコネクタ1への取付及び取外しが容易になるとともに、嵩張らないので、キャップ31の保管スペースを節減することができる。また、収容部34にコネクタ1を収容した状態であっても、嵩張らないので、キャップ31で覆われたコネクタ1の保管スペースを節減することができる。
さらに、キャップ31は、一対の側壁部32と、側壁部32の幅方向両端縁を接続する第1端縁部33a及び第2端縁部33bと、側壁部32の前端縁を接続する前端縁部36とを有し、係合部37は、開口部35の一端において側壁部32の後端縁の一部を接続し、かつ、第1端縁部33aの後端に接続されている。これにより、簡素な形状であり、製造が容易でありながら、コネクタ1への取付及び取外しが容易であり、かつ、第1の姿勢では、コネクタ1が離脱することを確実に阻止することができる。
さらに、コネクタ1は、ワイヤ90の終端に接続されたワイヤコネクタであって、長手方向に延在する第1端面部15と、第1端面部15の反対側に位置し、ワイヤ90の電線91が挿入される第2端面部16とを備える。したがって、ワイヤ90の終端に接続されたコネクタ1にも取付及び取外しが容易であり、かつ、コネクタ1をワイヤ90とともに電気機器又は電子機器に取付ける際の作業性が向上する。
また、コネクタ1は、相手方コネクタ101の相手方ハウジング111と嵌合するハウジング11と、ハウジング11に装填された端子51であって、相手方ハウジング111に装填された相手方端子151と接触する端子51とを有し、柔軟性を備えるシート材から成り、先端が閉止され、後端に開口部35を備える袋状の形状を有し、コネクタ1を覆うキャップ31が、コネクタ1との分離を阻止する分離阻止機能を発揮する第1の姿勢と、分離阻止機能が解除される第2の姿勢とに姿勢変化可能に取付けられている。
これにより、空中の塵埃等の異物がコネクタ1に付着することが防止されるとともに、キャップ31が取付けられた状態で手指等で容易に把持することができ、取扱いが容易で、作業性が向上する。
さらに、コネクタ1を覆うキャップ31の使用方法では、キャップ31は、柔軟性を備えるシート材から成り、先端が閉止され、後端に開口部35を備える袋状の形状を有し、キャップ31がコネクタ1に取付けられているときは、キャップ31の姿勢を、コネクタ1との分離を阻止する分離阻止機能を発揮する第1の姿勢とし、キャップ31をコネクタ1から取外すときは、キャップ31の姿勢を、前記分離阻止機能が解除される第2の姿勢とする。
これにより、キャップ31のコネクタ1への取付及び取外しが容易でありながら、コネクタ1へ取付けた状態では、キャップ31が不必要にコネクタ1から外れることがなく、キャップ31をコネクタ1へ取付けた状態で手指等で容易に把持することができ、取扱いが容易で、作業性が向上する。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明は、キャップ、コネクタ及びキャップの使用方法に適用することができる。
1 コネクタ
11 ハウジング
12 天板部
13 嵌合凸部
14 嵌合面
15 第1端面部
16 第2端面部
17、32 側壁部
21 補助金具
31、831 キャップ
32a 第1側壁部
32b 第2側壁部
33 端縁部
33a 第1端縁部
33b 第2端縁部
34 収容部
35、833 開口部
36 前端縁部
37 係合部
51、851 端子
90 ワイヤ
91、891 電線
92 ワイヤ被覆
93 被覆端保護部
101 相手方コネクタ
111 相手方ハウジング
112 相手方天板部
113 嵌合凹部
114 底板部
121 相手方補助金具
151 相手方端子
153 テール部
832 鞘部
834 端子収容部
835 拡径部
836 位置決め突起
837 抜止め突起
838 切込み
841 防水栓
842 突条
852 タブ部
853 バレル部
853a ワイヤバレル
853b インシュレーションバレル

Claims (8)

  1. (a)コネクタを覆うキャップであって、
    (b)柔軟性を備えるシート材から成り、
    (c)先端が閉止され、後端に開口を備える袋状の形状を有し、
    (d)前記コネクタとの分離を阻止する分離阻止機能を発揮する第1の姿勢と、前記分離阻止機能が解除される第2の姿勢とに姿勢変化可能であることを特徴とするキャップ。
  2. 前記開口の一部に形成された分離阻止部を有し、
    前記第1の姿勢では、前記分離阻止部がキャップ内の収容部から前記コネクタが離脱することを阻止する請求項1に記載のキャップ。
  3. 幅方向両端において前記先端から後端にまで延在する第1端縁部及び第2端縁部を有し、
    前記分離阻止部は、前記後端において第1端縁部に接続し、
    前記第1の姿勢では、前記第1端縁部が前記コネクタの第1端面部と対向し、
    前記第2の姿勢では、前記第2端縁部が前記コネクタの第1端面部と対向する請求項2に記載のキャップ。
  4. 前記収容部は、キャップ内の扁平な空間であり、長手方向の寸法が前記コネクタの長さ寸法よりも大きく、後端における幅方向の寸法が先端における幅方向の寸法よりも大きく、かつ、前記コネクタの幅寸法よりも大きい請求項2又は3に記載のキャップ。
  5. 一対の側壁部と、該側壁部の幅方向両端縁を接続する第1端縁部及び第2端縁部と、前記側壁部の前端縁を接続する前端縁部とを有し、
    前記分離阻止部は、前記開口の一端において前記側壁部の後端縁の一部を接続し、かつ、前記第1端縁部の後端に接続されている請求項2〜4のいずれか1項に記載のキャップ。
  6. 前記コネクタは、ワイヤの終端に接続されたワイヤコネクタであって、
    長手方向に延在する第1端面部と、該第1端面部の反対側に位置し、前記ワイヤの電線が挿入される第2端面部とを備える請求項1〜5のいずれか1項に記載のキャップ。
  7. (a)相手方コネクタの相手方ハウジングと嵌合するハウジングと、
    (b)該ハウジングに装填された端子であって、前記相手方ハウジングに装填された相手方端子と接触する端子とを有するコネクタであって、
    (c)柔軟性を備えるシート材から成り、先端が閉止され、後端に開口を備える袋状の形状を有し、コネクタを覆うキャップが、
    (d)コネクタとの分離を阻止する分離阻止機能を発揮する第1の姿勢と、前記分離阻止機能が解除される第2の姿勢とに姿勢変化可能に取付けられていることを特徴とするコネクタ。
  8. (a)コネクタを覆うキャップの使用方法であって、
    (b)前記キャップは、柔軟性を備えるシート材から成り、先端が閉止され、後端に開口を備える袋状の形状を有し、
    (c)前記キャップがコネクタに取付けられているときは、キャップの姿勢を、コネクタとの分離を阻止する分離阻止機能を発揮する第1の姿勢とし、
    (d)前記キャップをコネクタから取外すときは、キャップの姿勢を、前記分離阻止機能が解除される第2の姿勢とすることを特徴とするキャップの使用方法。
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