JP2011069691A - 沸騰水型原子炉のジェットポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】ジェットポンプのスロート部の振動を抑制した原子炉を提供する。
【解決手段】
第1の手段では、スロートの直管部にベローを設け、剛体構造から柔構造にして、そのベロー部で振動を吸収する。
第2の手段では、ノズルとスロート上部のベルマウスを接続する固定板の一部または全体を柔構造とし、振動を吸収する。
第3の手段では、スロート下端部とディフューザ上部を柔構造となる振動抑制板で接続し、スロート下端部の振動を抑制する。
【選択図】図9

Description

本発明は、沸騰水型原子炉のジェットポンプに係り、特に、ジェットポンプ部分での流力振動を抑制するに好適な沸騰水型原子炉のジェットポンプに関する。
従来の沸騰水型原子炉(BWR)は、原子炉圧力容器内にジェットポンプを設置している。ジェットポンプは、ノズル、ベルマウス、スロート及びディフューザを備える。また、原子炉圧力容器には、再循環系配管が接続される。この再循環系配管に設けられた再循環ポンプの駆動によって昇圧された冷却水は、再循環系配管を通り、駆動水としてノズルからジェットポンプ内に噴出される。ノズルは、駆動水の速度を増加させる働きをし、噴出された駆動水によって、ノズルの周囲に存在する冷却水である被駆動水がベルマウスからスロート内に流入する。スロートを経てディフューザから排出された冷却水は、下部プレナムを経由して炉心に供給される。
特許文献1には、広がり管部(スロート下部)とディフューザとの接合部のスリップジョイント部内に弾性体(たとえば板ばね)を設け、接合部からのリーク水量を減少させると共に振動を抑制する構造が記載されている。
特許文献2には、広がり管部(スロート下部)とディフューザとの接合部のスリップジョイント部内にラビリンスシール機構を設け、接合部からのリーク水量を減少させると共に振動を抑制する構造が記載されている。
特許文献3には、広がり管部(スロート下部)とディフューザとの接合上部にシールリングを設け、接合部からのリーク水量を減少させると共に振動を抑制する構造が記載されている。
特許文献4には、スロートの内圧が負である部位にスリップジョイントを設け、ジエットポンプからのリークではなく、吸込む構造とした記載がある。
ここで、特許文献1〜3は、接合部からのリーク水量を減少させると共に振動を抑制するもので、特許文献4は、吸込み水を増やし効率上昇を図るものである。
特開2008−170272号公報 特開昭59−48360号公報 特開2002−221589号公報 特開昭58−15798号公報
ジェットポンプの性能は、以下に示すようなM比、N比、効率によって表される。M比は、駆動水(再循環水)の流量Qaに対する、被駆動水(冷却水)の流量Qbの比であり、(1)式で表される。
M比 = Qb/Qa ……(1)
N比は、駆動水に対する被駆動水の全水頭比であり、(2)式で表される。
N比 = (Hc−Hb)/(Ha−Hc) ……(2)
ここで、Haはノズルの駆動水入口における全水頭、Hbはジェットポンプの被駆動水入口における全水頭、Hcはジェットポンプ出口における全水頭である。
効率は、駆動水に対する被駆動水のエネルギーの比であり、M比とN比の積で表される。
効率 = M比 × N比 ……(3)
このように、ジェットポンプとしては、M比、N比及び効率がより高いことが望ましい。小さい容量の再循環ポンプを用いて、ジェットポンプから吐出される冷却水流量を効率良く増加させることができれば、再循環系をコンパクト化することができ、再循環系の設置スペースを低減できる。
例えば、既設の原子炉(例えば、BWR)で出力向上を行う場合には、炉心流量を増加することにより、原子炉出力の向上幅を拡大することができる。また、炉心流量の制御幅の拡大によって、炉心内のボイド率の変化幅が増大し、燃料経済性を高めることができる。
このように、炉心流量を増加させるためには、再循環ポンプ、給水ポンプ及びジェットポンプを改良するとよい。出力向上を目的とした既設の原子炉の改造においては、再循環ポンプ及び給水ポンプなどの大型機器の改造、交換に比べて、小規模な改造ですむジェットポンプを改良し、効率向上を図ることが有効である。ジェットポンプ改良における新たな課題を以下に説明する。
(課題1)
既存のジェットポンプを有するBWRで出力向上を行うためには、ジェットポンプの効率を増大させる必要がある。再循環ポンプを変えないでジェットポンプのN比が同じである場合には、ジェットポンプの効率増大はM比の向上によって達成できる。M比の増大は、被駆動水を増加させることになり、スロート部で発生する振動も大きくなり、ジェットポンプの健全性を損なう可能性がある。したがって、スロート部での振動を低減する必要がある。
(課題2)
また、出力向上を行う既存のBWRに設置されているジェットポンプは、メンテナンスを容易にするため、スロートの下端をディフューザの上端部に挿入するスリップジョイントを採用している(特許文献4参照)。このような構造では、ジェットポンプ内の冷却水がスリップジョイントに形成される隙間から外部に漏洩する。この漏洩水は、ジェットポンプの性能には無効で損失となる。
また、この漏洩水に基づいて流力振動が発生し、ディフューザとスロートの接続部で磨耗が発生する原因となっている。ジェットポンプの性能を向上させると、スロート及びディフューザの内圧が上昇し、漏洩水も増加することになる。したがって、ジェットポンプの健全性を確保するためには、この漏洩水を少なくして、流力振動によるディフューザとスロートの接続部での磨耗を抑える必要がある。
以上のことから本発明の目的は、ジェットポンプの流力振動を抑制し、健全性を確保できる沸騰水型原子炉のジェットポンプを提供することにある。
本発明においては、駆動流体を噴出するノズルと、駆動流体と吸引された被駆動流体が流入するベルマウス、駆動流体と被駆動流体を混合するスロート直管部、広がり管である広がり管部で構成するスロートと、スロート下端でスリップジョイントにより接続されるディフューザ、スリップジョイントとノズルとの間に設けられスロートの触れ止めを行なうリストレーナブラケットとを備え、ノズル上部側とディフューザ下部が固定されたジエットポンプにおいて、流体が流れるジェットポンプの一部に柔構造部を形成しスロート振れ止めがあるリストレーナブラケット位置での振動を低減する。
また、柔構造部は、スロートの直管部で、噴出ノズルとスロート振れ止めであるリストレーナブラケット位置の間にベローを設け、スロートの一部を剛体構造から柔構造としてもよい。
また、柔構造部は、噴出ノズルとスロート上部のベルマウスを接続する固定板の一部または全体を柔構造としてもよい。
また、柔構造部は、スロート下端部とディフューザ上部を柔構造となる振動抑制板で接続してもよい。
さらに柔構造部は、噴出ノズルとスロート上部のベルマウスを接続する固定板の一部または全体を柔構造としたうえで、スロート下端部とディフューザ上部を柔構造となる振動抑制板で接続してもよい。
本発明により、ジェットポンプの流力振動を低減することができ、出力向上によるジェットポンプ吐出流量が増大しても、振動による破損を防止することができる。
沸騰水型原子炉の構成図である。 従来実機ジェットポンプの設置図である。 図2の従来技術によるジェットポンプの詳細図である。 従来スロート振動振幅の模式図である。 図3のA部詳細図である。 図3のB部矢視図である。 本発明の実施例1によるジェットポンプの詳細図である。 本発明の実施例1によるスロート振動振幅の模式図である。 図7のC部詳細図である。 本発明の実施例2によるジェットポンプの詳細図である。 本発明の実施例2によるスロート振動振幅の模式図である。 図10のD部詳細図である。 本発明の実施例3によるジェットポンプの詳細図である。 本発明の実施例3によるスロート振動振幅の模式図である。 図13のE部詳細図である。 図15のF部詳細図である。 ジェットポンプ特性と従来技術及び本発明の振動比較図である。
本発明に係るジェットポンプ並びに沸騰水型原子炉の実施形態の詳細を以下に説明するが、その前に図1〜図6を用いて、ジェットポンプを備えた沸騰水型原子炉(BWR)の概略の構造と従来技術での課題を説明する。 図1に全体構成を示す沸騰水型原子炉(BWR)は、原子炉圧力容器(原子炉容器)1内に各種の機器を収納、設置している。これらのうち、原子炉圧力容器1内の炉心シュラウド2内には、複数の燃料集合体(図示せず)が装荷された炉心3が配置される。炉心3の上方の原子炉圧力容器1内には、気水分離器4及び蒸気乾燥器5が配置される。また原子炉圧力容器1と炉心シュラウド2の間に形成される環状のダウンカマ7内にジェットポンプ6が、配置される。
これに対し、原子炉圧力容器1外にはその上部から主蒸気配管12、給水配管13、再循環系が設けられる。再循環系は、再循環系配管8及び再循環ポンプ9を有する。再循環ポンプ9は再循環系配管8に設けられ、再循環系配管8の一端は、原子炉圧力容器1に接続されてダウンカマ7に連絡されている。再循環系配管8の他端は、ダウンカマ7内に配置されたライザ管10を介して点線で示したジェットポンプ6のノズル11に接続される。
沸騰水型原子炉(BWR)は、概ね以上の機器により構成されているが、次にその働きについて説明する。まず原子炉圧力容器1には給水配管13が接続されており、ここから給水15が原子炉圧力容器1に送られる。原子炉圧力容器1に供給された給水15は、原子炉圧力容器1上部の冷却水(被駆動流体、冷却材)14と混合されて、ダウンカマ7内を下降する。
冷却水14の一部は、先述の再循環ポンプ9の駆動によって再循環系配管8内に流入し、再循環ポンプ9によって昇圧される。この昇圧された冷却水を、便宜的に、駆動水16(駆動流体)という。この駆動水16は、再循環系配管8、ライザ管10を介してジェットポンプ6のノズル11から噴出される。
このとき、ノズル11の周囲に存在する冷却水14は、駆動水16の噴出によって、ベルマウス17からスロート18内に吸い込まれる。この冷却水14は、駆動水16と共にスロート18部内を下降し、ディフューザ19から吐出される。ディフューザ19から吐出される冷却水(冷却水14及び駆動水16を含む)を、冷却水20と称する。冷却水20は、下部プレナム21を経て炉心3に供給される。
冷却水20は、炉心3を通過する際に加熱されて水及び蒸気を含む二相流となり、気水分離器4において蒸気と水に分離される。分離された蒸気は、更に蒸気乾燥器5で湿分を除去されて主蒸気配管12に排出される。この蒸気は、蒸気タービン(図示せず)に導かれ、蒸気タービンを回転させる。蒸気タービンから排出された蒸気は、復水器(図示せず)で凝縮されて水となる。この水は、給水15として給水配管13より原子炉圧力容器1内に再び供給される。気水分離器4及び蒸気乾燥器5で分離された水は、落下して冷却水14となる。
本発明は、以上の沸騰水型原子炉を構成する機器の中で、冷却水を炉心3に供給するためのジェットポンプ6の改良に関する。ノズル11及びスロート18等を主要な構成要素とするジェットポンプ6は、再循環ポンプ9の動力を駆動水16から冷却水14に効果的に伝え、ジェットポンプ6から吐出される冷却水20の流量を駆動水16の流量(Qa)よりも増大させる。具体的には、駆動水16は、炉心3に供給する冷却水20の流量を増加するために用いられる。
再循環ポンプ9によって与えられた駆動水16の運動エネルギーが冷却水14に有効に作用して、ベルマウス17内に吸い込まれる冷却水14の流量(Qb)が増加し、冷却水20の流量が更に増加する。そのため、駆動水16の運動エネルギーが増加するようにノズル11の出口における駆動水16の流速を増加させると共に、スロート部18の入口部で流路面積をベルマウス17のそれよりも小さくすることにより冷却水14の速度を増加して静圧を減圧させる。これにより、冷却水14をスロート部18に吸い込むことができ、少ない動力で必要な炉心流量を確保することができる。
図2には、原子炉でのジェットポンプ取付状況の詳細を示す。なお、この図には、ジェットポンプ6の性能を評価する上で必要となる前記(1)、(2)式で用いた記号(流量Qa,Qb、水頭Ha、Hb、Hc)の緒量が図2のどの位置で計測あるいは観察されるものであるかを示す部位も合わせ記した。なお、Haはノズルの駆動水入口における全水頭、Hbはジェットポンプの被駆動水入口における全水頭、Hcはジェットポンプ出口における全水頭である。またQaは駆動水16の流量、Qbは冷却水14の流量である。
ジェットポンプ6は、図2に示すように、ノズル11、ベルマウス17、スロート部18(スロート直管24と広がり管部25で構成)及びディフューザ19で構成される。実機においては、2台が1組となり、再循環ポンプ9で加圧された駆動水16は、ライザ管10の上部で分岐管22により二手に別れ、それぞれがノズル11に供給される。
図9にこの部分を拡大した図があるので、これを用いて説明するとノズル11は、ベルマウス17の上部開口に対向して配置される。ノズル11とベルマウス17との間には、ノズル11の周囲に存在する冷却水14をベルマウス17内に導く冷却水吸引流路が形成される。ノズルから噴出する駆動水16により吸引される被駆動水14は、この冷却水吸引流路を通り、スロート直管部24に流入する。この冷却水吸引流路には固定板23があり、ノズル11をベルマウス17に固定している。
図2に戻り、ノズルから噴出した駆動水16は、ベルマウス17から下方の流路断面積が最も狭いスロート直管部24を経由して、ラッパ状に広がった広がり管部25に向かい流入する。ディフューザ19と広がり管部25の下端はスリップジョイント26で接続される。ディフューザ19は、上端部で流路断面積が狭く、下方に向かうにしたがって流路断面積が徐々に増大している。
このようなジエットポンプは、分岐管22からディフューザ19の下端までが、約6mと長く、熱膨張を吸収する機構が必要となる。この熱膨張吸収機構としてスリップジョイント26があり、このことにより、ノズル11側のメンテナンスをし易くする利点もあるが、一方では、スリップジョイント26からの漏洩水27の影響によるスロート部18の振動発生要因ともなる。
本発明では、上記したスリップジョイント26からの漏洩水27による振動と、駆動水の流量Qaと被駆動水の流量Qbの混合流体(炉心3に供給する冷却水20)による振動とが重なることで発生する大きな振動を低減し、ジエットポインプの健全性を確保するものである。
つぎに、従来技術における課題を図3〜図6を用いて説明する。まず、図3には、ジェットポンプ組立完了時の構造を示す。ジェットポンプは、下部プレナム21の上部壁28にディフューザ19を溶接により固定し、ディフューザ19の上部に、広がり管部25が差し込まれた構造となっている。なお、広がり管部25から分岐管22までの間は、一体とされた剛体構造である。ちなみに、ノズル11とスロート18の間は、固定板23で接続された強固な剛体構造であり、BWR5形式の沸騰水型原子炉では5本ノズル、5枚の固定板23がある剛体構造である。
この差し込まれ構造の部分は図3のA部であり、このA部の縦断面構造の詳細を図5に示す。この差し込まれ部では、約0.2mmのスリップジョイント26が形成されており、漏洩水27が生じる。この漏洩水27による流力振動により、スロート部18の振動が発生する。この振動は、駆動水の流量Qaと被駆動水の流量Qbの混合流体(炉心3に供給する冷却水20)による流力振動と重なることで大きな振動となる。なお、この図に示したスロート案内板29は、スロート挿入時にスムーズな挿入を可能とする冶具である。
ここに示した振動は、構造物を損傷させることから、従来技術においては、図6(図2のB部の横断面図)に示すように、2組の広がり管部25とライザ管10の間にリストレーナブラケット30を配置し、そのリストレーナブラケット30を固定部とする振れ止めを設置している。振れ止めは、広がり管部25を周方向から押しピン31で2点、ウエッジ(クサビ)32で1点の合計3点によりリストレーナブラケット30に固定することで構成されている。
図4は、図3のP1点(分岐管22の位置)と、P2(リストレーナブラケット30の振れ止め固定点34の位置)の振動の関係を示した図である。この図によれば、ライザ管10上部に固定される分岐管22は、固定冶具33によりライザ管10上部と一体構造となっていることからP1点は固定点(振動しない)となる。この結果、スロート18は、片持ち支持構造の振動となるため、P1点から離れるほど、分岐管22の固定冶具33が支持点となり振動が増大する。このため従来技術では、リストレーナブラケット30の振れ止め固定点34において、振幅が大きく、スロート18の広がり管部25に磨耗が発生していた。
本発明では、以上の課題を基本的には以下のようにして対策する。今回の問題は、図
3の6メートルにも及ぶ構造体を上部(固定治具33)と下部(下部プレナム21の上部壁28)で固定して剛体構造としながら、振動発生源となるさしこまれ構造(スリップジョイント26)を設けたことにある。
本発明では、全体が剛体構造なら、逆にその一部に積極的に振動部分を作ってしまえば(別な言葉で言えば柔構造部分を作ってやれば)、スリップジョイント26部分の振動が減るという考えに至ったものである。
また別な表現をすれば、弱い部分を積極的に作ることでスリップジョイント26部分を振動から開放、低減するものといえる。
本発明の実施例1では、柔構造部分を固定治具33とリストレーナブラケット30の間のスロート直管部24に作り、ここを積極的に振動させることで、リストレーナブラケット30における振動を低減し、広がり管部25の磨耗を軽減する。本発明の実施例1について、図7〜9で説明する。
図7には、本発明による振動抑制機構35をスロート直管部24に設置したジェットポンプ構造を示す。図9には、振動抑制機構35の詳細図を示す。なお、図9は、図7のC部の縦方向の断面図である。
ここで、振動抑制機構35の取り付け位置は、スロート固定部である分岐管22あるいは固定冶具33の位置と、リストレーナブラケット30の取り付け位置間の距離を二分する位置としている。この位置でスロート直管部24を切断し、その切断部36をテーパの合わせ面構造として隙間をあけ、その部分をベロー37で覆った柔構造としたものである。
しかし、この柔構造では、組込時にフラフラしてスムーズな作業ができないことから、ベロー37を跨ぐように棒状の芯出し補強駒38を設置する。ただし、この芯出し補強駒38を設置しても弾性限界内で変形する柔構造を形成するようにする。なお、ベロー内上部に空気抜き穴39が設けられており、ベロー内の空気の排出ができるようになっている。
このような振動抑制機構35を採用することで、図8に示すように、スロート18の振動振幅は、従来技術で磨耗が発生していたリストレーナブラケット30の振れ止め固定点34位置(P2点)で最小となり、振動抑制機構35位置(P3点)で大きくなる。しかし、振動抑制機構35部を柔構造とすることで、破損することはない。これによって、従来技術で磨耗が発生していたリストレーナブラケット30の振れ止め固定点34位置での磨耗を回避できる。
本発明の実施例2では、柔構造部分をノズル11とベルマウス17を接続する固定板23に作った。
実施例2について、図10〜12で説明する。図10には、本発明による振動抑制のためノズル11とベルマウス17を接続する固定板23に切り欠き40を設け、固定板23を柔構造としたジェットポンプ構造を示す。
ジェットポンプの構造上、従来技術との差はさほどないことから、図12の詳細図により説明する。BWR-5型の原子力発電設備では、現状、図に示すように5本のノズル11を一組としたノズルを用いており、そのノズル単体に、それぞれ、ノズル11とベルマウス17を接続する固定板23が設けられているが、従来技術では、強固な剛体構造となっている。そこで、本発明では、この固定板23に切り欠き40を設け、弾性限界内で変形する柔構造とする。
これによって、図11に示すように、切り欠き40部での振幅が大きくなり、リストレーナブラケット30の振れ止め固定点34位置での振動が従来技術による振幅より小さくなる。したがって、リストレーナブラケット30の振れ止め固定点34位置での磨耗を削減できる。
実施例3について、図13〜15で説明する。図13には、本発明による振動抑制板41をディフューザ19上端と広がり管部25を接続するように配置したジェットポンプ構造を示す。
図15には、図13のE部で示した振動抑制板41設置部の詳細構造を縦断面図で示す。振動抑制板41は、ディフューザ19上端と広がり管部25を冶具42で固定し、スロートの振動をスロート下端で押さえ振動を抑制するもので、弾性限界内で変形する柔構造としたものである。
これによると、図14に示すように、スロート下端部(P4点)で振動を抑制することになるため、リストレーナブラケット30の振れ止め固定点34位置(P3点)での振動が従来技術による振幅より小さくなる。したがって、リストレーナブラケット30の振れ止め固定点34位置での磨耗を削減できる。なお、図16は、図15のF部分の詳細図であり、冶具42は、広がり管部25に溶接固定された取付座43と押さえ板44からなり、取付座43と押さえ板44の間に振動抑制板41を挟みこんで固定している。
実施例4としては、実施例2と実施例3の組み合わせがある。実施例2で柔構造となるノズル11とベルマウス17を接続する固定板23の位置は、スロート18上部に位置することから、リストレーナブラケット30の振れ止め固定点34位置で、多少の振動が発生している。この振動をさらに小さくする上で、実施例3を組み合わせると良い。
図17には、ジェットポンプの特性である効率とスリップジョイント26からの漏洩流量と実施例1〜3の振動特性を示す。これによれば、スロート18の振動を抑制する効果は、実施例1が最も良く、次に実施例2、実施例3となることがわかる。程度の差は在るが、それぞれの実施例によりリストレーナブラケット30の振れ止め固定点34位置(P3点)での磨耗を削減できることになる。また、図17には、実施例4によるときの振動の特性を示すように、実施例1に次いで大きさ抑制効果を発揮することがわかる。
本発明によれば、振動を抑制できる結果として効率を高くすることができるので沸騰水型原子炉に適用して好適である。
1----原子炉圧力容器(原子炉容器)
2----炉心シュラウド
3---炉心
4---気水分離器
5---蒸気乾燥器
6---ジェットポンプ
7---ダウンカマ
8---再循環系配管
9---再循環ポンプ9
10---ライザ管
11---ノズル
12---主蒸気配管
13---給水配管
14---冷却水
15---給水
16---駆動水
17---ベルマウス
18---スロート
19---ディフューザ
20---ディフューザ19から吐出される冷却水
21---下部プレナム
22---分岐管
23---固定板
24---スロート直管部
25---広がり管部
26---スリップジョイント
27---漏洩水
28---下部プレナムの上部壁
29---スロート案内板
30---リストレーナブラケット
31---押しピン
32---ウエッジ
33---固定冶具
34---振れ止め固定点
35---振動抑制機構
36---切断部
37---ベロー
38---芯出し補強駒
39---空気抜き穴
40---切り欠き
41---振動抑制板
42---冶具
Qa---駆動水流量
Qb---被駆動水流量
Ha---ノズルの駆動水入口における全水頭
Hb---ジェットポンプの被駆動水入口における全水頭
Hc---ジェットポンプ出口における全水頭

Claims (5)

  1. 駆動流体を噴出するノズルと、前記駆動流体と吸引された被駆動流体が流入するベルマウス、前記駆動流体と前記被駆動流体を混合するスロート直管部、広がり管である広がり管部で構成するスロートと、前記スロート下端でスリップジョイントにより接続されるディフューザ、前記スリップジョイントと前記ノズルとの間に設けられ前記スロートの触れ止めを行なうリストレーナブラケットとを備え、前記ノズルの上部側と前記ディフューザの下部が固定されたジエットポンプにおいて、
    流体が流れるジェットポンプの一部に柔構造部を形成しスロート振れ止めがある前記リストレーナブラケット位置での振動を低減することを特徴とする沸騰水型原子炉のジェットポンプ。
  2. 請求項1記載のジェットポンプにおいて、
    前記スロートの直管部で、前記噴出ノズルとスロート振れ止めである前記リストレーナブラケット位置の間にベローを設け、前記スロートの一部を剛体構造から柔構造にしたことを特徴とする沸騰水型原子炉のジェットポンプ。
  3. 請求項1記載のジェットポンプにおいて、
    前記噴出ノズルと前記スロート上部の前記ベルマウスを接続する固定板の一部または全体を柔構造とし、スロート振れ止めがある前記リストレーナブラケット位置での振動を低減することを特徴とする沸騰水型原子炉のジェットポンプ。
  4. 請求項1記載のジェットポンプにおいて、
    前記スロート下端部と前記ディフューザ上部を柔構造となる振動抑制板で接続し、前記スロート下端部の振動を抑制することで、スロート振れ止めがある前記リストレーナブラケット位置での振動を低減することを特徴とする沸騰水型原子炉のジェットポンプ。
  5. 請求項3記載のジェットポンプにおいて、
    前記スロート下端部と前記ディフューザ上部を柔構造となる振動抑制板で接続し、前記スロート下端部の振動を抑制することで、スロート振れ止めがある前記リストレーナブラケット位置での振動を低減することを特徴とする沸騰水型原子炉のジェットポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013040877A (ja) * 2011-08-18 2013-02-28 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 沸騰水型原子炉のジェットポンプ
CN106855157A (zh) * 2017-01-20 2017-06-16 中广核研究院有限公司 双层套管结构及核反应堆

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