JP2011069005A - ノンサポート型使い捨て手袋及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃焼後の灰分が0.6重量%以下であることを特徴とするノンサポート型使い捨て手袋、及び濃度が15重量%以下の凝固剤水溶液を用いて、ポリウレタンエマルジョンの浸漬法により、燃焼後の灰分を0.6重量%以下とすることを特徴とするノンサポート型使い捨て手袋の製造方法である。
【選択図】なし
Description
更に、原子力発電所及び核燃料再処理施設内で使用された作業用手袋を焼却処理する場合、焼却灰の管理スペースを可能な限り小さくするため、焼却後の灰分の量は1重量%以下とすることが望まれている。
しかし、上記のように一回の使用で焼却処理するような場合は、焼却時の大気汚染、発熱量、焼却灰の量などの点で課題が残る。
例えば、軟質ポリ塩化ビニルは焼却した際に、焼却の条件によっては塩化水素やダイオキシン等の発生のおそれがある。ポリエチレンでは作業性のよい手袋の製作が難しく、焼却時には多量の発熱を伴い焼却炉を損傷する等の問題がある。天然ゴムでは強度は確保できるが、強度確保のために用いられる加硫剤や加硫促進剤等に起因する焼却灰が多く、また発熱量が大きい等の理由で安定な焼却処理が出来ない等の問題がある。ポリウレタンは比較的バランスの取れた性能が得られるが、現行のポリウレタンでは必ずしも十分とはいえない。クロロプレンゴムでは上記軟質ポリ塩化ビニルの場合と同様の問題があり、また配合剤に由来する焼却灰が多い。イソプレンゴムではエマルジョンの安定化に多量の乳化剤を使用しなければならず、また加硫剤等も使用し、それらに由来する焼却灰の問題がある。ニトリルブタジエンゴムでも同様に加硫剤等による焼却灰の問題がある。アクリルゴムではいまだ十分な強度が得られていない。
採用可能な方法としては、例えば、2枚のフィルムを重ね、手を挿入する部分を残して手の形に沿って溶着して手袋の端部とし、溶着部分の外周で該フィルムを切断して作る方法が挙げられる。
なお、この方法で作成した手袋は、大量生産が容易で、安価に製造できる半面、立体性に欠ける為に手の形状にフィットせず着用時の作業性が若干劣り、また溶着部分における溶着不良が発生し易いので、安全が特に優先される分野での使用には不向きである。
なお、前者の方法は、可塑剤や有機溶剤が手袋製品に残留することや加工過程でそれらの気体が揮発し回収等の処理を行わなければならない等の問題があるのに対し、後者の方法ではこのような問題がない点で後者の方法が好ましい。
また、焼却時において金属酸化物は焼却炉内の熱風吹き出し口やフィルターの閉塞を引き起こし易いため、望ましくは、焼却後の金属酸化物は、珪素酸化物0.021 重量%以下、亜鉛酸化物0.006 重量%以下、且つ鉛酸化物0.005 重量%以下となるような素材を使用する。このような素材としては、具体的には、例えば、特表2008−506830号公報で開示されているような水性ポリウレタンエマルジョン組成物が好ましい。
また、本発明の手袋の厚みは、0.05〜0.30mm程度が好ましい。
手袋の試料をアルミナ製鋏で裁断し、その約1.5gをサンプルとし、磁性ルツボに入れて秤量し、800℃で2時間電気炉内で灰化する。灰分量は下記の計算式による。
灰分量(%)= [灰分重量(g)/サンプル重量(g)]×100
凝固剤としての硝酸カルシウムに蒸留水を加え離形剤LEAGYGUARD R-6G (広野化学工業株式会社製、ステアリン酸カルシウム・炭酸カルシウム混合水分散物)を固形分で3重量%になるように溶解した。なお、硝酸カルシウムの濃度は、それぞれを5重量%、7重量%、15重量%、23重量%、40重量%に調整した。
水系ポリウレタンエマルジョンNEOTEX-9000 (DONGSUNG CHMICAL Co. Ltd. 製)を固形分が30重量%になるよう蒸留水で希釈した。
防着剤LEAGYGARD U-5SR (広野化学工業株式会社製、アクリル樹脂・ ポリウレタン樹脂混合物)10重量部を蒸留水90重量部に加えて室温下で2時間攪拌した。
70℃に加温した陶器製手型を上記のように調整した5重量%凝固剤水溶液に浸漬し、すぐに引き上げて、この手型を70℃のオーブン乾燥機中で2分間乾燥させた。次に、乾燥させた手型を50℃まで冷却後、上記ポリウレタンエマルジョンに約60秒間浸漬し、引き上げて余分のエマルジョンを滴下させ、70℃のオーブン乾燥機内で約2分間乾燥させた。このポリウレタンでコートされた手型を60℃の温水中に約1分間浸漬することにより、余分の凝固剤、界面活性剤などを取り除いた。
手型上のポリウレタンのコート被膜の袖部にビード加工を施し、上記した手袋内面スリップコート剤に手型とともに浸漬し、すぐに引き上げて70℃のオーブン乾燥機中で約2分間、続いて120 ℃のオーブン乾燥機中で約20分間加熱して乾燥させた。このようにして出来上がったコート被膜を手型から反転剥離することにより、厚さ0.13mmのポリウレタン製手袋を得た。
凝固剤水溶液として硝酸カルシウム7重量%凝固剤水溶液を用い、上記ポリウレタンエマルジョンに約30秒間浸漬した以外は実施例1と同様にして、厚さ0.13mmのポリウレタン製手袋を得た。
凝固剤水溶液として硝酸カルシウム15重量%凝固剤水溶液を用い、上記ポリウレタンエマルジョンに約10秒間浸漬した以外は実施例1と同様にして、厚さ0.13mmのポリウレタン製手袋を得た。
凝固剤水溶液として硝酸カルシウム23重量%凝固剤水溶液を用い、上記ポリウレタンエマルジョンに約7秒間浸漬した以外は実施例1と同様にして、厚さ0.13mmのポリウレタン製手袋を得た。
凝固剤水溶液として硝酸カルシウム40重量%凝固剤水溶液を用い、上記ポリウレタンエマルジョンに約4秒間浸漬した以外は実施例1と同様にして、厚さ0.13mmのポリウレタン製手袋を得た。
更に、焼却時の燃焼熱が小さいので焼却炉を損傷することがなく、また、特定の金属酸化物の量が少ないので焼却炉の熱風吹き出し口やフィルターを閉塞させるといったトラブルもなく、更に、ダイオキシン等の有害物質を発生させないので環境への負荷も小さい、等数多くの利点を有する。
Claims (10)
- 燃焼後の灰分が0.6重量%以下であることを特徴とするノンサポート型使い捨て手袋。
- 燃焼後の灰分が0.4重量%以下であることを特徴とするノンサポート型使い捨て手袋。
- 燃焼後の灰分が0.3重量%以下であることを特徴とするノンサポート型使い捨て手袋。
- ポリウレタン製であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のノンサポート型使い捨て手袋。
- 放射性物質取扱管理区域内の作業用であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のノンサポート型使い捨て手袋。
- 焼却後の金属酸化物が、珪素酸化物0.021 重量%以下、亜鉛酸化物0.006 重量%以下、且つ鉛酸化物0.005 重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のノンサポート型使い捨て手袋。
- 濃度が15重量%以下の凝固剤水溶液を用いて、ポリウレタンエマルジョンの浸漬法により、燃焼後の灰分を0.6重量%以下とすることを特徴とするノンサポート型使い捨て手袋の製造方法。
- 凝固剤水溶液の濃度が10重量%以下であることを特徴とする請求項7記載のノンサポート型使い捨て手袋の製造方法。
- 凝固剤が硝酸カルシウムであることを特徴とする請求項6又は7記載のノンサポート型使い捨て手袋の製造方法。
- 焼却後の金属酸化物が、珪素酸化物0.021 重量%以下、亜鉛酸化物0.006 重量%以下、且つ鉛酸化物0.005 重量%以下であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載のノンサポート型使い捨て手袋の製造方法。
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