JP2011064998A - 樹脂版の製造方法および電子デバイスの製造方法 - Google Patents

樹脂版の製造方法および電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非常に高い印刷精度・膜厚精度が必要とされる有機パターン層を形成することができる樹脂版を作成する上で有利な樹脂版の製造方法および電子デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】基材101上に感光性樹脂からなる感光性樹脂層102を成膜し、基材101と感光性樹脂層とを有するパターン転移媒体を作成する。次いで感光性樹脂層102が架橋反応する波長のレーザ光を予め入力された情報に基づいて光変調手段により変調することにより露光光のパターンを形成して感光性樹脂層102に照射し、パターン転移媒体と露光光とを相対移動させることで感光性樹脂層102をパターン露光する。次いで感光性樹脂層102のうち未露光部分の感光性樹脂を除去し、レーザ光のスポット径に対応する線幅の樹脂パターンが形成された感光性樹脂凸版を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、凸版印刷法に用いられる凸版、また、凸版印刷法により製造された印刷物に関するものである。この印刷物としては有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子)が例示でき、この有機EL素子の有機発光層等を凸版印刷法により形成する。また、前記印刷物としては、有機EL素子の他にカラーフィルタ、回路基材、薄膜トランジスタ、マイクロレンズ、バイオチップ等を印刷物として例示することができる。
有機EL素子は、二つの対向する電極の間に有機発光材料からなる有機発光層を形成し、有機発光層に電流を流すことで発光させるものであるが、効率良く発光させるには発光層の膜厚が重要であり、100nm程度の薄膜にする必要がある。さらに、これをディスプレイ化するには高精細にパターニングする必要がある。
有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は抵抗加熱蒸着法等により薄膜形成し、このときに微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出にくいという問題がある。
最近では有機発光材料に高分子材料を用い、有機発光材料を溶媒に溶かして塗工液にし、これをウェットコーティング法や印刷法にて薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。薄膜形成するためのウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法等があるが、高精細にパターニングしたりRGB3色に塗り分けしたりするためには、これらのウェットコーティング法では難しい。よって、塗り分けパターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が有効である。
さらに各種印刷法の中でも、有機EL素子やディスプレイでは、基板としてガラス基板を用いることが多いため、グラビア印刷法等のように金属製の印刷版等の硬い版を用いる方法は不向きであり、弾性を有するゴム版を用いたオフセット印刷法や、ゴムやその他の樹脂を主成分とした感光性樹脂版を用いる凸版印刷法が最適である。これらの印刷法の試みとして、オフセット印刷による方法(特許文献1)、凸版印刷による方法(特許文献2)などが提案されている。
一般的な印刷の用途で用いられる樹脂凸版は、樹脂材料として感光性樹脂を用い、製版方法としてフォトリソグラフィー法(フォトリソ法)が用いられている。
フォトリソ法により印刷用凸版を形成するにあっては、目的のパターンのネガパターンが形成されたフィルムマスク(エマルジョンマスク)を準備し、基材上に感光性樹脂層を形成した樹脂材(版材)を、遮光部と透光部からなるマスクを用いて露光し、次いで現像することにより、凸部が形成され、印刷用凸版となる。
感光性樹脂層を形成する感光性樹脂にネガ型の感光性樹脂(光硬化性樹脂)を用いた場合、露光工程によってマスクの透光部を通過した光が照射された部分が硬化し、現像工程によって、光が照射されない部分が除去される。これを版材に当てて紫外光で露光を行い、現像をすることで印刷版のパターンを得る。(特許文献3)
有機ELをはじめとするエレクトロニクス分野ではパターニングの正確さを必要とするため、フィルムマスクでは寸法精度、解像度が不足する場合がある。この場合、マスクの基材にフィルムではなくガラス(ソーダライムガラス)を用いたマスク(青板マスク)が使用されることが多い。フレキシブルなフィルムマスクに対し、リジッドな青板マスクを用いることで寸法精度、解像度は向上する。また、遮光部もエマルジョン層からクロム/酸化クロム層を用いたクロムマスクにすることで精細度も向上する。
有機EL素子において有機発光層のパターンは、テレビ用途の大型ディスプレイの場合、例えば対角40インチのワイドディスプレイではライン幅が100μm、画素ピッチが500μmとなる。また、携帯電話などの小型ディスプレイの場合、例えば対角2インチで主流のQVGA(320×240画素)では、1角サブピクセルの幅は40μm、画素ピッチは120μmとなる。このように高精細なディスプレイを有機発光材料を溶媒に溶解又は分散させた有機発光インキを用い凸版印刷法により形成しようとした場合、±5μmといった非常に高い印刷精度を必要とされ、形成される有機発光層の膜厚は50〜150nm程度と非常に薄い層である。そして、形成される有機発光層は膜厚が均一で高平滑であることが要求される。
しかし有機エレクトロルミネッセンス表示素子などのフラットパネルディスプレイは年々基板の大型化とディスプレイの高精細化が進み、大画面ディスプレイや高精細ディスプレイが次々と上市されており、これに対応するために凸版印刷法で作製される有機エレクトロルミネッセンス表示素子も大型化、高精細化する必要がある。そのため、印刷工程に用いられる樹脂凸版も大型化、高精細化させる必要があり、その場合、青板マスクでも寸法精度、解像度が不足してしまう。
この問題は、製版工程で更に精度の高い合成石英を基材にした石英マスクを用いることで解決が可能である。しかしながら、合成石英、特に大型の合成石英基材は非常に高価で、これによって製版された樹脂凸版を用いて製造される有機エレクトロルミネッセンス表示素子のコストアップにつながり、特にディスプレイを少量多品種で生産する場合や、ディスプレイの試作段階では大きな負担になってしまう。
特開2001−93668号公報 特開2001−155858号公報 特開2008−46441号公報
そこで、本発明では、大サイズの高額なフォトマスクを使用することなく、有機EL素子における有機発光層を有機発光インキを用いて凸版印刷法により形成する場合に代表される、非常に高い印刷精度・膜厚精度が必要とされる有機パターン層を形成する高精細印刷用凸版を得る上で有利な樹脂版の製造方法および電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、基材上に、親水性のポリマー成分と架橋性を有するモノマー成分と光重合開始剤とを含む感光性樹脂からなる感光性樹脂層を成膜し、前記基材と前記感光性樹脂層とを有するパターン転移媒体を作成する媒体作成工程と、前記感光性樹脂層が架橋反応する波長のレーザ光を予め入力された情報に基づいて光変調手段により変調することにより露光光のパターンを形成して前記感光性樹脂層に照射し、前記パターン転移媒体と前記露光光とを相対移動させることで前記感光性樹脂層をパターン露光する露光工程と、前記感光性樹脂層のうち未露光部分の感光性樹脂を除去し、前記レーザ光のスポット径に対応する線幅の樹脂パターンが形成された感光性樹脂凸版を得る現像工程とを含むことを特徴とする樹脂版の製造方法である。
請求項2に係る発明は、前記レーザの光の波長は、405nm又は375nmであることを特徴とする請求項1記載の樹脂版の製造方法である。
請求項3に係る発明は、前記感光性樹脂凸版の露光部表面の十点平均粗さRzが、前記樹脂パターンの線幅の25%以下であることを特徴とする請求項1乃至2いずれか1項に樹脂版の製造方法である。
請求項4に係る発明は、前記基材が、熱膨張係数12.1×10−6/K以下の金属からなることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の樹脂版の製造方法である。
請求項5に係る発明は、前記媒体作成工程により成膜された感光性樹脂層の硬化後の厚みが10μm以上80μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に樹脂版の製造方法である。
請求項6に係る発明は、前記媒体作成工程による前記感光性樹脂層の成膜は、前記基材の上に熱硬化性の樹脂からなる熱硬化性樹脂層を形成したのち、前記熱硬化樹脂層の上に前記感光性樹脂層を形成することでなされることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に樹脂版の製造方法である。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6に記載の樹脂版の製造方法を用いてストライプ状の凸部パターンを有する感光性樹脂凸版を形成し、該感光性樹脂凸版の凸部に機能性材料インキを供給し、電子デバイス作成用の被印刷基板に転写することを特徴とする電子デバイスの製造方法である。
本発明により、大サイズの高額なフォトマスクを使用することなく、有機EL素子における有機発光層を有機発光インキを用いて凸版印刷法により形成する場合に代表される、非常に高い印刷精度・膜厚精度が必要とされる有機パターン層を形成することが可能な高精細印刷用凸版を得る事ができた。
本発明の実施の形態における高精細印刷用凸版版材の構成例を断面で示す説明図である。 本発明の実施の形態における高精細印刷用凸版版材における凸部パターンと最短辺の説明概略図である。 本発明の実施の形態におけるフレキソ印刷機の例を示す概略図である。 本発明の実施の形態における露光装置の例を示す概略図である。 本発明の実施の形態における有機EL素子の例を示す概略図である。 (A)及び(B)はそれぞれ有機発光層504及び発光補助層601をストライプ状に印刷したパターンを示す図である。
以下、この発明の実施の形態を説明する。なお、本発明にかかる印刷物は表示ディスプレイの表示画面を構成する光学部品として好適に利用できる。光学部品としては、例えば、有機EL素子を例示することができ、また、カラー液晶ディスプレイを構成するカラーフィルタを例示することができる。また、このほか、本発明にかかる印刷物として、回路基材、薄膜トランジスタ、マイクロレンズ、バイオチップ等を例示することができる。
図1は、本実施形態における印刷用凸版の断面図である。図1において101は基材、102は感光性樹脂層、103は熱硬化性樹脂層を示す。
感光性樹脂層102の主成分である親水性のポリマー成分としては、例えばポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等が用いられる。
これに架橋性を有するモノマーとしてアクリレートやメタクリレート系のモノマー及び光重合開始剤としてオキシムエステル系やフォスフィン系の開始剤を加えて感光性樹脂層102を構成する。
光重合開始剤は、後述する露光用レーザ光の発振波長を含む吸収ピークを持つものを用いる。
有機EL素子に代表される有機電子デバイスにはインキ溶媒として、有機溶媒、特にトルエン、キシレン等の芳香族系の有機溶媒を用いることが多いが、親水性のポリマーを主成分とした感光性樹脂とすることで、膨潤の少ない版とすることができる。
これらのほかに樹脂層を基材101上に塗布する際に塗布しやすくするために可塑剤を添加することも可能であるし、また、適切な溶剤を加えてもよい。
感光性樹脂層102を基材101上に塗布する手段としては、公知の手法を用いることができる。例えば、感光性樹脂層102を形成するための樹脂組成物に溶剤を添加して適当な粘度の溶液を作製し、基材上にキャストした後、溶剤を除去する方法や、溶剤を添加せずに加熱によって樹脂組成物を軟化させ、ダイコータ、ブレードコータ、バーコータ、ロールコータなどの既知のコーティング手段を用いて基材の上に塗布した後、保護フィルムでラミネートする方法などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
感光性樹脂層102と基材101の間の中間層として熱硬化性樹脂層103を形成することが好ましい。
熱硬化性樹脂層103に用いる材料も、熱硬化作用が高く、耐水性で金属との接着性が良いものであれば特に限定されない。また、この中間層は感光性樹脂層102と基材101(金属基材)との接着性を高めることを目的とした層であり、感光性樹脂層102の主成分と同一のものにすることで、感光性樹脂層102との界面の相溶性が向上して感光性樹脂層102との接着性も向上する。熱硬化性樹脂層103も上記感光性樹脂102と同様の方法で積層することができる。
上述の工程は、基材101上に、親水性のポリマー成分と架橋性を有するモノマー成分と光重合開始剤とを含む感光性樹脂からなる感光性樹脂層102を成膜し、基材101と感光性樹脂層102とを有するパターン転移媒体を作成する媒体作成工程に相当する。
そして、媒体作成工程による感光性樹脂層102の成膜は、基材101の上に熱硬化性の樹脂からなる熱硬化性樹脂層103を形成したのち、熱硬化樹脂層103の上に感光性樹脂層102を形成することでなされる。
基材101は湿度や温度による寸法変化を起こしにくく、また印刷機の版胴に巻きつけて使用することが可能なものが望ましく、金属性の薄板からなる基材が適するが、加工性、経済性からスチール基板やアルミ基板が好適である。
さらに、樹脂版が寸法変化を起こす要因として、温度変化による寸法変化が考えられるが、これについても基材自身が温度による寸法変化起こしにくいものであれば、版としての寸法変化も抑えることが可能であり、よって使用する基材としては熱膨張係数の小さいものが望ましい。
ちなみに鉄等の金属は、熱膨張係数100×10−6/K以上のポリエステルフィルムに比べると十分に低い熱膨張係数を示し、この点からも本発明の樹脂版の基材として適する。
ちなみに鉄の熱膨張係数は12.1×10−6/Kである。さらに、鉄とニッケル系の合金は鉄よりも低い熱膨張率を示し、中でも鉄64%、ニッケル36%の比率の合金いわゆるインバー材は、鉄や一般的な金属の10分の1以下の熱膨張率を示し、温度による寸法変化をさらに小さくできる。
感光性樹脂102を基材101上に形成した後、レーザ露光によりパターン露光する。本願発明では、感光性樹脂102上に照射されるレーザの走査(基材との相対移動)により、レーザの照射領域に対応した所定の線幅の凸部(露光硬化部)を形成することができる。レーザを用いることで、マスクによる粗面化がなくなり、任意のパターンを形成することができ、さらに非常に高精細な版を形成できる。
図4に光照射手段(レーザ)からの光を変調させる光変調手段を有する露光装置の一例を示す。なお本発明では、この露光装置の構成に限られず、レーザ描画により露光パターンを形成可能な様態であれば、用いることが可能である。
光照射手段401から射出したレーザ露光光はレンズ410およびミラー412を介して光変調素子402の表面に照射される。
感光性樹脂上に照射されるレーザ光のサイズ(スポット径)は、レンズ等により径焦点を取るように制御することができる。
光照射手段401からの光を変調させる光変調手段402としては微小な鏡を駆動させて光を変調するデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、微小なリボン状の素子を並べたアレイを駆動させ、光の回折を制御するグレーティング・ライト・バルブ(GLV)、光起電力により、光歪効果を有するPLZT(チタン酸鉛ランタンジルコニウム)素子、LCD(液晶)素子などの光変調素子が用いられ、特にデジタル・マイクロミラー・デバイスが好適に用いられる。
制御装置403は、予め入力された情報に基づいて制御信号を生成し、この制御信号を光変調手段402に送信している。
これにより、同じく制御装置403によって制御されているステージ404の移動に同期して光変調手段402によって露光光が制御されることでパターン光が形成される。
さらに光変調手段402を通して得られたパターン光はミラー414、レンズ416、対物レンズ418を通してXYθ方向に移動可能なステージ404上の被露光基板405表面で結像し、樹脂凸版の感光性樹脂層102を露光する。ここで、被露光基板405とは、基材101上に感光性樹脂102が形成されたものをいう。
また、制御装置403による被露光基板405の位置情報の確認は、アライメント用非露光光源(図示せず)からの光を被露光基板405に照射し、被露光基板405上(版材上)に予め形成された位置確認パターンなどの画像情報をアライメントカメラ406を用いて検出することによってなされる。
なお、図中符号407はレンズ416と対物レンズ418との間の光路上に設けられ、被露光基板405の画像をアライメントカメラ406に導くハーフミラーを示す。また、符号408はハーフミラー407とアライメントカメラ406との間の光路上に設けられ、ハーフミラー407で反射された上記画像をアライメントカメラ406に導くミラーを示す。
ただし、版材上に予め形成された位置確認パターンなどがない場合、アライメントカメラ406は不要である。この場合、版材はステージ404上に設置されたピンなどで位置あわせを行うことができる。
上述した工程は、感光性樹脂層102が架橋反応する波長のレーザ光を予め入力された情報に基づいて光変調手段402により変調することにより露光光のパターンを形成して感光性樹脂層102に照射し、パターン転移媒体と露光光とを相対移動させることで感光性樹脂層102をパターン露光する露光工程に相当する。
また、この場合、レーザの光の波長は405nm又は375nmである。
上記露光方法によれば、ストライプ状の画線部を持つ樹脂版を形成する場合に、光変調素子やレンズ等によりレーザ光のスポット径を制御することにより、一回の走査によって、一つのストライプ状の凸部を形成することができるため、非常に高精細な樹脂版、特に凸版が実現できる。
次いで、露光工程において露光光が照射されなかった部分の感光性樹脂層102を除去する現像工程を行い、凸版パターンを得る。
現像工程に用いる現像液としては一般的に有機溶剤、TMAH水溶液などの有機アルカリ水溶液、炭酸ナトリウム水溶液や炭酸水素ナトリウムなどの無機アルカリ水溶液、水などを挙げることができるが、環境負荷の軽減を図る点から水現像を行うことが好ましい。
また水現像を行う際に、単に未露光の感光性樹脂層102を水に浸漬して溶解させるだけで現像を行うことも可能ではあるが、感光性樹脂層102が厚い場合現像がうまく進まないことが多く、版材に対して物理的な力を加えて現像を促進させることが好ましい。
一般的に樹脂凸版の現像に用いられる物理力としてブラシを押し当てて擦ることによって未硬化の樹脂を掻きとる方法が用いられるが、本発明の樹脂版の現像方法としてはスプレー式の噴射装置より現像液を噴射して現像する方法が好ましい。スプレー方式の噴射装置であれば、版上に均一に現像液の圧を掛けることができることから、現像のムラや欠けを抑制することができる。
スプレー式の噴射装置に用いられるスプレーの方式には特に制限はなく、円形拡散型、扇状拡散型、乱射型、噴霧型といった公知のものを用いてよい。
またスプレーの数、段数、樹脂凸版とスプレーのノズル先端との距離、スプレー圧力、噴射される現像液の液温、噴射量などは適宜選択される。
また、現像中のスプレー式現像装置内での樹脂凸版の移動方式は特に制限はなく、コンベアやコロを用いたライン式、版材をスピンアームに固定させてスピンするスピン式など公知の手法を用いてよい。
さらに移動方式をライン式にする場合、版材が流れ方向に直線状に移動するため、スプレーの位置が固定していると現像後のパターンに流れ方向の現像ムラが発生する場合がある。そのためスプレーノズルに揺動機構があることが好ましい。
上述した工程は、感光性樹脂層102のうち未露光部分の感光性樹脂を除去し、レーザ光のスポット径に対応する線幅の樹脂パターンが形成された感光性樹脂凸版を得る現像工程に相当する。
このようにして現像された樹脂凸版における凸部と凸部の間の凹部の深さであるレリーフ深度は10μm以上80μm以下であることが好ましい。
レリーフ深度が10μm未満の場合、被印刷基材がガラスや金属等の硬質基材のときに、被印刷基材や被印刷基材上にあるパターンが傷つくことがある。
また、レリーフ深度が80μmを超える場合、特に樹脂凸版の凸部において変形や破壊が発生する。
レリーフ深度を10μm以上80μm以下とするためには、前記の媒体作成工程により成膜された感光性樹脂層102の硬化後の厚みを10μm以上80μm以下とする必要がある。
図2に本発明の印刷用凸版における凸部パターンと最短辺の説明概略図を示した。
最短辺Lとは凸部パターン4がストライプ状であればストライプの幅(線幅)となる。言い換えると、最短辺Lは、ストライプの長手方向(延在方向)と直交する方向の寸法である。
凸部パターン表面の十点平均粗さRzを凸部パターンの最短辺の長さの25%以下とすることにより、得られるインキパターンの膜厚は均一なものとなり、またパターン形状も良好なものとなる。
なお、凸部パターン表面の十点平均粗さRzについては、原子間力顕微鏡(AFM)、接触式表面形状測定装置、非接触式表面形状測定装置といった装置で測定することができる。
有機パターン層の形成に用いる印刷機は、平板に印刷する方式のフレキソ印刷機であれば使用可能であるが、以下に示すような印刷機が望ましい。
図3に印刷機の概略図を示した。
本製造装置は、インキタンク5とインキチャンバー6とアニロックスロール7とフレキソ版または樹脂凸版8を取り付けした版胴9を有している。
インクタンク5には、有機発光インキが収容されており、インキチャンバー6にはインクタンク5より有機発光インキが送り込まれるようになっている。
アニロックスロール7は、インキチャンバー6のインキ供給部及び版胴9に接して回転するようになっている。
アニロックスロール7の回転にともない、インキチャンバー6から供給されたインキはアニロクスロール7の表面に均一に保持されたあと、版胴9に取り付けされた樹脂凸版8の凸部に均一な膜厚で転移する。
さらに、被印刷基板10は摺動可能な基板固定台11上に固定され、樹脂凸版8のパターンと被印刷基板10のパターンの位置調整機構により、位置調整しながら印刷開始位置まで移動して、版胴9の回転に合わせて樹脂凸版8(フレキソ版)の凸部が被印刷基板10に接しながらさらに移動し、被印刷基板10の所定位置にパターニングしてインキを転移する。
本発明の樹脂版を用いた製造方法を用いて作製することができる電子デバイスとして、有機エレクトロルミネッセンス表示素子、プリント配線板などの回路基板、光回路基板、カラーフィルタ、有機薄膜トランジスタ、マイクロレンズ、バイオチップなどを例示することができる。
中でも、対象基板の大型化やパターンの精細度の点で特に有機エレクトロルミネッセンス表示素子に好適に用いることができる。
電子デバイスの作成においては、電子デバイスの機能性材料を有機溶媒に分散あるいは溶解し、機能性材料インキとし、例えば上述のような印刷機を用いて基板上に印刷形成することができる。
言い換えると、上述した樹脂版の製造方法を用いてストライプ状の凸部パターンを有する感光性樹脂凸版を形成し、該感光性樹脂凸版の凸部に機能性材料インキを供給し、電子デバイス作成用の被印刷基板に転写することができる。
本発明によれば、高精細なパターンを形成することができ、さらに版平坦性が高いことから、ムラの少ないパターン形成が可能である。
本発明によってパターン形成した樹脂凸版を用いた印刷物の製造方法の一例として、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法について説明する。
図5は本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示素子の例を断面でみた説明図である。
ドットマトリックスタイプの有機エレクトロルミネッセンス表示素子としては、パッシブマトリックス方式とアクティブマトリックス方式があるが、本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示素子はパッシブマトリックス方式の有機エレクトロルミネッセンス表示素子、アクティブマトリックス方式の有機エレクトロルミネッセンス表示素子のどちらにも適用可能である。
パッシブマトリックス方式とは画素の縦横幅に応じたストライプ状の電極を直交させるように対向させ、その交点を発光させる方式であるのに対し、アクティブマトリックス方式は薄膜トランジスタ(TFT)基板を用いることにより、画素毎に独立して発光する方式である。
パッシブマトリックス方式の有機エレクトロルミネッセンス表示素子を例示すると、図5に示すように、本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示素子は、基板501の上に、陽極としてストライプ状に第一電極502を有している。
隔壁507は隣り合った第一電極502間に設けられ、第一電極502の端部を覆うようになっており、第一電極502端部のバリ等によるショートを防いでいる。
そして、本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示素子は、第一電極502上であって、隔壁507で区画された領域(発光領域、画素部)に有機発光層及び発光補助層からなる有機発光層を有している。
電極間に挟まれる有機発光層は、有機発光層単独から構成されたものであってもよいし、有機発光層と発光補助層との積層構造から構成されたものでもよい。
発光補助層としては正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層が挙げられる。
図5では発光補助層である正孔輸送層503と有機発光層504(504a、504b、504c)との積層構造からなる構成を示している。第一電極502上に正孔輸送層503が設けられ、正孔輸送層503上に赤色(R)有機発光層504a、緑色(G)有機発光層504b、青色(B)有機発光層504cがそれぞれ設けられている。
これら有機発光層、発光補助層の材料をインキ化し、本発明の樹脂版を用いて印刷することによって各層を形成することができる。
図6(A)及び(B)にそれぞれ有機発光層504及び発光補助層601をストライプ状に印刷したパターンを示した。
特に有機発光層504を各色に塗り分けて形成する場合には、図6(A)に示すように、各色の有機発光層504a、504b、504cの画素(あるいは同じ発光色の画素列)ごとのパターン形成が必要となることから、本発明の高精細な樹脂凸版を用いて形成することが好ましい。
また、塗り分けを必要としない層(例えば発光補助層601)であっても、膜厚の均一性や、クロストーク等の問題から、図6(B)のように画素(あるいは同じ発光色の画素列)ごとに塗り分けた場合、版の凸部パターンとしては、有機発光層504を形成する場合よりも線密度が高くなるため、本発明の高精細な樹脂凸版が有効である。
次に、有機発光層上に陽極である第一電極502と対向するように陰極として第二電極505が配置される。
第二電極505は基板面(基板501の上面)において第一電極502のストライプに直交する向きに形成される。
第二電極505は陰極金属の蒸着によって形成され、ストライプパターンの形成にはライン状に開口が形成されたメタルマスクを用いる。
更に、環境中の水分、酸素の第一電極、有機発光層、発光補助層、第二電極への侵入を防ぐために有効画素全面に対してガラスあるいは絶縁加工を施した金属製の封止キャップ508等による封止体が設けられ、接着剤506を介して基板501と貼りあわされる。
また、封止キャップを用いる方法の他に、ガスバリア性の高い無機膜、無機有機複合膜などを真空成膜法により陰極上に形成して薄膜封止を行う方法もある。
<実施例>
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(印刷用凸版の作製)
親水性のポリマーとしてポリアミド、架橋性を有するモノマーとしてトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルアクリレート、350〜450nmに吸収ピークを持つ光重合開始剤としてオキシムエステル系開始剤からなる感光性樹脂を、熱硬化性の樹脂層を有する厚さ200μmのSUS304基材に、40μmとなるように溶融塗工し、凸版のもととなる感光性樹脂材を形成した。
この版材に対し、前述の被印刷基板に相当するネガパターンを、デジタル・マイクロミラー・デバイス描画方式による露光装置(図4)を用いて、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の画素領域に対応する画素幅である25μmのラインと125μmのスペースが形成されるようにデータを入力し、樹脂凸版の感光性樹脂層に対し感光性樹脂層と露光ヘッドとを相対移動させながら、500mJ/cm相当の露光量になるように照射を行った。
この露光装置(図4参照)は光照射手段(半導体・UVレーザ)401、デジタルマイクロミラー402、制御装置403、ステージ404、アライメントカメラ406、レンズ410、416、対物レンズ418、ミラー412、414、ハーフミラー407を具備している。ステージ404の上に被露光基板405を配置する。
なお露光波長は405nmであった。
露光の後、ライン搬送式スプレー現像機を用いて現像液である水を噴射し現像パターンを得た。現像後、熱風乾燥を行い、窒素雰囲気下(酸素濃度0.1%)で樹脂凸版全体に365nmの紫外線を照射し、未反応のラジカル重合性モノマーおよび光重合開始剤を反応させ、樹脂凸版を得た。
凸版パターンの表面を非接触式表面形状測定装置(日本ビーコ社製WYKO−NT8000)を用いて、表面の十点平均粗さRzを測定した所0.005μmであった。
(印刷工程)
上記樹脂凸版を枚葉式の凸版印刷機の版胴に固定した。ついで、有機発光インキを凸版印刷機のインキタンクに供給し、インキ吐出部から600ライン/インチのハニカムアニロックスロールに塗工し、ドクターブレードでかき取った後、樹脂凸版の凸部のラインパターンをインキングした。
さらにインキングされた樹脂凸版を被印刷基板に押し当てて転動させ、被印刷基板上にストライプパターンを印刷した。
この工程を赤色有機発光層、緑色有機発光層、青色有機発光層それぞれに繰り返すことで有機発光層パターンを得た。
各色について印刷をおこなった後、オーブン内にて130℃で1時間乾燥を行った。
形成されたパターン各色の平均膜厚は80nmだった。
また、画素に対する印刷ずれを評価し、さらに、この高精細印刷用凸版版材で連続100回の印刷を実施し、その印刷耐性も評価した。
<比較例1>
親水性のポリマーとしてポリアミド、架橋性を有するモノマーとしてトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルアクリレート、350〜450nmに吸収ピークを持つ光重合開始剤としてオキシムエステル系開始剤からなる感光性樹脂を、熱硬化性の樹脂層を有する厚さ200μmのSUS304基材に、40μmとなるように溶融塗工し、凸版のもととなる感光性樹脂材を形成した。
この版材に対し、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の画素領域に対応して上記被印刷基板の画素幅である25μmのストライプ状の開口と125μmの遮光部が形成された合成石英基材のクロムマスクを樹脂凸版パターンの原版とし、このマスクをプロキシミティ露光装置にセットしたものを用いて樹脂凸版を露光した。
プロキシミティギャップは100μmで、405nmにおける露光量は400mJ/cmであった。露光の後、ライン搬送式スプレー現像機を用いて現像液である水を噴射し現像パターンを得た。現像後、熱風乾燥を行い、窒素雰囲気下((酸素濃度0.1%)で樹脂凸版全体に365nmの紫外線を照射し、未反応のラジカル重合性モノマーおよび光重合開始剤を反応させ、樹脂凸版を得た。表面の十点平均粗さRzを測定した所0.005μmであった。
実施例との違いは樹脂凸版の露光工程において、通常用いられる、プロキシミティ露光方式を行ったことである。
(印刷工程)
上記樹脂凸版を枚葉式の凸版印刷機の版胴に固定した。
ついで、有機発光インキを凸版印刷機のインキタンクに供給し、インキ吐出部から600ライン/インチのハニカムアニロックスロールに塗工し、ドクターブレードでかき取った後、樹脂凸版の凸部のラインパターンをインキングした。
さらにインキングされた樹脂凸版を被印刷基板に押し当てて転動させ、被印刷基板上にストライプパターンを印刷した。
この工程を赤色有機発光層、緑色有機発光層、青色有機発光層それぞれに繰り返すことで有機発光層パターンを得た。
各色について印刷をおこなった後、オーブン内にて130℃で1時間乾燥を行った。
形成されたパターン各色の平均膜厚は80nmだった。
実施例と同様に画素に対する印刷ずれを評価し、さらに、この高精細印刷用凸版版材で連続100回の印刷を実施し、その印刷耐性も評価した。
<比較例2>
親水性のポリマーとしてポリアミド、架橋性を有するモノマーとしてトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルアクリレート、350〜450nmに吸収ピークを持つ光重合開始剤としてオキシムエステル系開始剤からなる感光性樹脂を、熱硬化性の樹脂層を有する厚さ200μmのSUS304基材に、40μmとなるように溶融塗工し、凸版のもととなる感光性樹脂材を形成した。
その上に表面の十点平均粗さRzが10μmのPETフィルムをラミネートし、感光性樹脂表面を荒らした。
その後PETフィルムを剥離し、この版材に対し、前述の被印刷基板に相当するネガパターンを、空間光変調素子としてデジタル・マイクロミラー・デバイス描画方式による露光装置を用いて、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の画素領域に対応する画素幅である25μmのラインと125μmのスペースが形成されるようにデータを入力し、樹脂凸版の感光性樹脂層に対し感光性樹脂層と露光ヘッドとを相対移動させながら、500mJ/cm相当の露光量になるように照射を行った。
露光波長は405nmであった。
露光の後、ライン搬送式スプレー現像機を用いて現像液である水を噴射し現像パターンを得た。現像後、熱風乾燥を行い、窒素雰囲気下(酸素濃度0.1%)で樹脂凸版全体に365nmの紫外線を照射し、未反応のラジカル重合性モノマーおよび光重合開始剤を反応させ、樹脂凸版を得た。
凸版パターンの表面を非接触式表面形状測定装置((日本ビーコ社製WYKO−NT8000)を用いて、表面の十点平均粗さRzを測定した所10μmであった。
(印刷工程)
上記樹脂凸版を枚葉式の凸版印刷機の版胴に固定した。ついで、有機発光インキを凸版印刷機のインキタンクに供給し、インキ吐出部から600ライン/インチのハニカムアニロックスロールに塗工し、ドクターブレードでかき取った後、樹脂凸版の凸部のラインパターンをインキングした。
さらにインキングされた樹脂凸版を被印刷基板に押し当てて転動させ、被印刷基板上にストライプパターンを印刷した。
この工程を赤色有機発光層、緑色有機発光層、青色有機発光層それぞれに繰り返すことで有機発光層パターンを得た。
各色について印刷をおこなった後、オーブン内にて130℃で1時間乾燥を行った。
形成されたパターン各色の平均膜厚は70〜85nmだった。
実施例と同様に画素に対する印刷ずれを評価し、さらに、この高精細印刷用凸版版材で連続100回の印刷を実施し、その印刷耐性も評価した。
<比較例3>
親水性のポリマーとしてポリアミド、架橋性を有するモノマーとしてトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルアクリレート、350〜450nmに吸収ピークを持つ光重合開始剤としてオキシムエステル系開始剤からなる感光性樹脂を、熱硬化性の樹脂層を有する厚さ200μmのSUS304基材に、5μmあるいは100μmとなるように溶融塗工し、凸版のもととなる感光性樹脂材を形成した。
この版材に対し、前述の被印刷基板に相当するネガパターンを、空間光変調素子としてデジタル・マイクロミラー・デバイス描画方式による露光装置を用いて、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の画素領域に対応する画素幅である25μmのラインと125μmのスペースが形成されるようにデータを入力し、樹脂凸版の感光性樹脂層に対し感光性樹脂層と露光ヘッドとを相対移動させながら、500mJ/cm相当の露光量になるように照射を行った。露光波長は405nmであった。
露光の後、ライン搬送式スプレー現像機を用いて現像液である水を噴射し現像した。現像後、熱風乾燥を行い、窒素雰囲気下(酸素濃度0.1%)で樹脂凸版全体に365nmの紫外線を照射し、未反応のラジカル重合性モノマーおよび光重合開始剤を反応させ、樹脂凸版を得た。表面の十点平均粗さRzを測定した所0.005μmであった。
5μではパターンが得られたが、100μmではパターンが変形・破壊がみられ樹脂凸版を得る事ができなかった。
(印刷工程)
上記5μ厚の樹脂凸版を枚葉式の凸版印刷機の版胴に固定した。
ついで、有機発光インキを凸版印刷機のインキタンクに供給し、インキ吐出部から600ライン/インチのハニカムアニロックスロールに塗工し、ドクターブレードでかき取った後、樹脂凸版の凸部のラインパターンをインキングした。
さらにインキングされた樹脂凸版を被印刷基板に押し当てて転動させ、被印刷基板上にストライプパターンを印刷した。
版で形成されたレリーフの高さも低くすぎたため、印刷のパターニングが鮮明にできなかった。
実施例と同様に画素に対する印刷ずれを評価し、さらに、この高精細印刷用凸版版材で連続100回の印刷を実施し、その印刷耐性も評価した。
<比較例4>
親水性のポリマーとしてポリアミド、架橋性を有するモノマーとしてトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルアクリレート、350〜450nmに吸収ピークを持つ光重合開始剤としてオキシムエステル系開始剤からなる感光性樹脂を、厚さ200μmのSUS304基材表面に、40μmとなるように溶融塗工し、凸版のもととなる感光性樹脂材を形成した。
この版材に対し、前述の被印刷基板に相当するネガパターンを、空間光変調素子としてデジタル・マイクロミラー・デバイス描画方式による露光装置を用いて、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の画素領域に対応する画素幅である25μmのラインと125μmのスペースが形成されるようにデータを入力し、樹脂凸版の感光性樹脂層に対し感光性樹脂層と露光ヘッドとを相対移動させながら、500mJ/cm相当の露光量になるように照射を行った。
露光波長は405nmであった。
露光の後、ライン搬送式スプレー現像機を用いて現像液である水を噴射し現像パターンを得た。現像後、熱風乾燥を行い、窒素雰囲気下(酸素濃度0.1%)で樹脂凸版全体に365nmの紫外線を照射し、未反応のラジカル重合性モノマーおよび光重合開始剤を反応させ、樹脂凸版を得た。
表面の十点平均粗さRzを測定した所0.005μmであった。
(印刷工程)
上記樹脂凸版を枚葉式の凸版印刷機の版胴に固定した。
ついで、有機発光インキを凸版印刷機のインキタンクに供給し、インキ吐出部から600ライン/インチのハニカムアニロックスロールに塗工し、ドクターブレードでかき取った後、樹脂凸版の凸部のラインパターンをインキングした。
さらにインキングされた樹脂凸版を被印刷基板に押し当てて転動させ、被印刷基板上にストライプパターンを印刷した。
この工程を赤色有機発光層、緑色有機発光層、青色有機発光層それぞれに繰り返すことで有機発光層パターンを得た。
各色について印刷をおこなった後、オーブン内にて130℃で1時間乾燥を行った。
形成されたパターン各色の平均膜厚は80nmだった。
実施例と同様に画素に対する印刷ずれを評価し、さらに、この高精細印刷用凸版版材で連続100回の印刷を実施し、その印刷耐性も評価した。
<比較例5>
親水性のポリマーとしてポリアミド、架橋性を有するモノマーとしてトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルアクリレート、350〜450nmに吸収ピークを持つ光重合開始剤としてオキシムエステル系開始剤からなる感光性樹脂を、厚さ250μmのPET基材表面に、40μmとなるように溶融塗工し、凸版のもととなる感光性樹脂材を形成した。
この版材に対し、前述の被印刷基板に相当するネガパターンを、空間光変調素子としてデジタル・マイクロミラー・デバイス描画方式による露光装置を用いて、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の画素領域に対応する画素幅である25μmのラインと125μmのスペースが形成されるようにデータを入力し、樹脂凸版の感光性樹脂層に対し感光性樹脂層と露光ヘッドとを相対移動させながら、500mJ/cm相当の露光量になるように照射を行った。
露光波長は405nmであった。
露光の後、ライン搬送式スプレー現像機を用いて現像液である水を噴射し現像パターンを得た。現像後、熱風乾燥を行い、窒素雰囲気下(酸素濃度0.1%)で樹脂凸版全体に365nmの紫外線を照射し、未反応のラジカル重合性モノマーおよび光重合開始剤を反応させ、樹脂凸版を得た。表面の十点平均粗さRzを測定した所0.005μmであった。
(印刷工程)
上記樹脂凸版を枚葉式の凸版印刷機の版胴に固定した。
ついで、有機発光インキを凸版印刷機のインキタンクに供給し、インキ吐出部から600ライン/インチのハニカムアニロックスロールに塗工し、ドクターブレードでかき取った後、樹脂凸版の凸部のラインパターンをインキングした。
さらにインキングされた樹脂凸版を被印刷基板に押し当てて転動させ、被印刷基板上にストライプパターンを印刷した。
この工程を赤色有機発光層、緑色有機発光層、青色有機発光層それぞれに繰り返すことで有機発光層パターンを得た。
各色について印刷をおこなった後、オーブン内にて130℃で1時間乾燥を行った。
形成されたパターン各色の平均膜厚は80nmだった。
実施例と同様に画素に対する印刷ずれを評価し、さらに、この高精細印刷用凸版版材で連続100回の印刷を実施し、その印刷耐性も評価した。
Figure 2011064998
表1の結果より本発明の高精細印刷用凸版版材を用いることで、大サイズの高額なフォトマスクを使用することなく、有機EL素子における有機発光層を有機発光インキを用いて凸版印刷法により形成する場合に代表される、非常に高い印刷精度・膜厚精度が必要とされる有機パターン層を形成することが可能な高精細印刷用凸版版材を提供することが可能である事が示された。
101…基材、102…感光性樹脂層、103…樹脂層、4…凸部パターン、5…インキタンク、6…インキチャンバー、7…アニロックスロール、8…樹脂凸版、9…版胴、10…被印刷基板、11…基板固定台、12・・・ドクターブレード、401……光照射手段、402…光変調手段、403…制御装置、404…ステージ、405…被露光基板、406…アライメントカメラ、407…ハーフミラー、501…基板、502…第一電極、503…発光補助層(正孔輸送層)、504a…赤色有機発光層、504b…緑色有機発光層、504c…青色有機発光層、505…第二電極、506…接着剤、507…隔壁、508…ガラスキャップ。

Claims (7)

  1. 基材上に、親水性のポリマー成分と架橋性を有するモノマー成分と光重合開始剤とを含む感光性樹脂からなる感光性樹脂層を成膜し、前記基材と前記感光性樹脂層とを有するパターン転移媒体を作成する媒体作成工程と、
    前記感光性樹脂層が架橋反応する波長のレーザ光を予め入力された情報に基づいて光変調手段により変調することにより露光光のパターンを形成して前記感光性樹脂層に照射し、前記パターン転移媒体と前記露光光とを相対移動させることで前記感光性樹脂層をパターン露光する露光工程と、
    前記感光性樹脂層のうち未露光部分の感光性樹脂を除去し、前記レーザ光のスポット径に対応する線幅の樹脂パターンが形成された感光性樹脂凸版を得る現像工程と、
    を含むことを特徴とする樹脂版の製造方法。
  2. 前記レーザの光の波長は、405nm又は375nmであることを特徴とする請求項1記載の樹脂版の製造方法。
  3. 前記感光性樹脂凸版の露光部表面の十点平均粗さRzが、前記樹脂パターンの線幅の25%以下であることを特徴とする請求項1乃至2いずれか1項に樹脂版の製造方法。
  4. 前記基材が、熱膨張係数12.1×10−6/K以下の金属からなることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の樹脂版の製造方法。
  5. 前記媒体作成工程により成膜された感光性樹脂層の硬化後の厚みが10μm以上80μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に樹脂版の製造方法。
  6. 前記媒体作成工程による前記感光性樹脂層の成膜は、前記基材の上に熱硬化性の樹脂からなる熱硬化性樹脂層を形成したのち、前記熱硬化樹脂層の上に前記感光性樹脂層を形成することでなされることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に樹脂版の製造方法。
  7. 請求項1乃至6に記載の樹脂版の製造方法を用いてストライプ状の凸部パターンを有する感光性樹脂凸版を形成し、該感光性樹脂凸版の凸部に機能性材料インキを供給し、電子デバイス作成用の被印刷基板に転写することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
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