JP2011064481A - 沸騰水型原子炉及び気水分離器 - Google Patents

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Abstract

【課題】シュラウドヘッドの強度の低下を抑制し、原子炉圧力容器の中心軸の位置での水位と原子炉圧力容器の周辺部での水位の差を低減できる沸騰水型原子炉を提供する。
【解決手段】沸騰水型原子炉1は、原子炉圧力容器2内のシュラウドヘッド5の上方で円筒の蒸気乾燥器スカート19内に、複数の気水分離器6を配置している。気水分離器6のスタンドパイプ7がシュラウドヘッド5に設置される。スタンドパイプ7の横断面形状が流線形をしており、この流線形の先端部である前頭部16が原子炉圧力容器2の中心軸に向って配置される。スタンドパイプ7の横断面形状が流線形であって流線形の先端部が原子炉圧力容器2の中心軸側を向いているので、スタンドパイプ7の形状損失を低減することができ、原子炉圧力容器2の中心軸付近での水位24と蒸気乾燥器スカート19の内面の位置での水位25の差を低減することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、沸騰水型原子炉及び気水分離器に係り、特に、気液二相流を気体と液体とに分離する気水分離器を備えた沸騰水型原子炉及びこの気水分離器に関する。
沸騰水型原子炉は、複数の燃料集合体を装荷した炉心を原子炉圧力容器内に配置し、原子炉圧力容器内に設置した炉心シュラウドで炉心を取り囲んでいる。シュラウドヘッドが炉心シュラウドの上端部に設置され、複数の気水分離器がシュラウドヘッドに取り付けられている。
炉心に供給された冷却水は、燃料集合体に含まれた核燃料物質の核分裂で発生した熱によって加熱されて沸騰する。この沸騰によって冷却水の一部が蒸気になる。蒸気及び冷却水を含む気液二相流が、炉心から流出して気水分離器内に流入する。気水分離器は、流入した気液二相流に含まれた蒸気と冷却水を分離する(例えば、特開2000−155191号公報参照)。分離された蒸気は、蒸気乾燥器でさらに水分を除去された後、原子炉圧力容器から排出されてタービンに供給され、タービンを回転させる。タービンに連結された発電機が回転して電力を発生させる。
気水分離器で分離された冷却水は、シュラウドヘッドに沿って、原子炉圧力容器と炉心シュラウドの間に形成された環状のダウンカマに導かれる。ダウンカマに流入した冷却水は、原子炉圧力容器内に供給された給水と共に、ダウンカマ内を下降し、原子炉圧力容器の底部に設けられたインターナルポンプによって昇圧されて炉心に供給される。
気水分離器は、シュラウドヘッドに取り付けられるスタンドパイプ、スワラーが内部に設けられてスタンドパイプの上端に取り付けられたディフューザ及び三つの気水分離段を有する。各気水分離段は、内筒、外筒及びピックオフリングを有し、内筒を外筒で取り囲み内筒の上端にピックオフリングを設置して構成される。第1気水分離段、第2気水分離段及び第3気水分離段がディフューザの上端から上方に向って順次設置される。スタンドパイプから流入した気液二相流はスワラーにより旋回力を与えられ、遠心分離作用により密度の大きい冷却水が外側に飛ばされて内筒の内面に液膜を形成しながら上昇し、密度の小さい蒸気が内筒の中心付近に集まって上昇する。内筒の内面に沿って上昇した冷却水は、ピックオフリングに衝突して内筒と外筒の間に形成された排水流路に排出され、気水分離器外に排出される。
沸騰水型原子炉は、運転中において原子炉圧力容器内の冷却水の水位を設定レベルに保持している。この冷却水の液面が、シュラウドヘッドよりも上方で第1気水分離段の位置に形成される。気水分離器で分離された冷却水は、林立する多数のスタンドパイプの間を通り、原子炉圧力容器の中心軸から原子炉圧力容器の内面に向って流れる。このような冷却水の流れによって、原子炉圧力容器の中心軸の位置と気水分離器を取り囲む蒸気乾燥器スカートの内面の位置で、原子炉水位に差が生じる(特開平8−179077号公報の図5参照)。すなわち、原子炉圧力容器の中心軸の位置での水位が蒸気乾燥器スカートの内面の位置での水位よりも高くなっている。
原子炉圧力容器の中心軸付近での水位が蒸気乾燥器スカートの内面の位置での水位よりも高くなる原因として、以下の三つがあげられる。第1の原因は、湾曲したシュラウドヘッドの上面の高さが、シュラウドヘッドの外周よりも原子炉圧力容器の中心軸で高くなっていることである。このため、原子炉圧力容器の中心軸の位置でのシュラウドヘッドの高さとシュラウドヘッドの外周でのシュラウドヘッドの高さの差により冷却水の水平方向の流れが加速され、結果的に、原子炉圧力容器の中心軸の位置での水位が蒸気乾燥器スカートの内面の位置での水位よりも高くなる。第2の原因は、冷却水の水平方向の流れにおいて、スタンドパイプによる形状損失によって原子炉圧力容器の中心軸付近での冷却水の静圧が、蒸気乾燥器スカートの内面の位置での静圧よりも大きくなることである。第3の原因は、冷却水の水平方向の流れにおいて、シュラウドヘッド上面での摩擦損失によって原子炉圧力容器の中心軸付近での冷却水の静圧が、蒸気乾燥器スカートの内面の位置での静圧よりも大きくなることである。
原子炉圧力容器の中心軸付近での水位と蒸気乾燥器スカートの内面の位置での水位の差を小さくすることが、沸騰水型原子炉の運転性を向上させる観点から望まれている。すなわち、蒸気乾燥器スカートの内面の位置での水位が、蒸気乾燥器スカートの下端よりも低くなると、気水分離器で分離された冷却水に付随した蒸気が、蒸気乾燥器スカートと原子炉圧力容器の間に形成される隙間を通ってタービンに導かれる。蒸気乾燥器スカートと原子炉圧力容器の間に形成される隙間を通る蒸気は、蒸気乾燥器を通過しないので湿分を含んだ状態でタービンに供給されることになる。このため、タービン翼がその湿分により損傷する恐れがある。沸騰水型原子炉では、蒸気乾燥器スカートの内面の位置での水位が蒸気乾燥器スカートの下端よりも低くならないように水位の下限値が設定されている。一方、原子炉圧力容器の中心軸付近での水位に対しては、気水分離器の気水分離性能が制限値を満たすように上限値が設定されている。原子炉圧力容器の中心軸付近の水位と蒸気乾燥器スカートの内面の位置での水位の差が大きいと、水位の制御範囲が狭くなり、沸騰水型原子炉の運転性が低下する。
特開平8−179077号公報には、第1の原因を解消するために、シュラウドヘッドの湾曲の度合いを小さくし、シュラウドヘッドの、原子炉圧力容器の中心軸の位置の高さとシュラウドヘッドの外周の位置での高さの差を小さくすることが提案されている。
気水分離器の性能指標として、シュラウドヘッドの下面に取り付けられた気水分離器のスタンドパイプの入口から、第三段の気水分離段のピックオフリングの出口までの気水分離器内の全圧力損失がある。気水分離器内の全圧力損失を低減できれば、例えばインターナルポンプの容量を低減できるため、より経済性の高い沸騰水型原子炉を提供できる。特開昭59−18490号公報には、気水分離器内の全圧力損失を低減するため、スタンドパイプの外径を大きくする技術が記載されている。
特開2000−155191号公報 特開平8−179077号公報 特開昭59−18490号公報
特開平8−179077号公報のように、シュラウドヘッドの湾曲を小さくすることは、シュラウドヘッドの肉厚が現状のその肉厚と同じである場合には、シュラウドヘッドの強度が低下してしまう。
特開昭59−18490号公報のようにスタンドパイプの外径を大きくした場合には、気水分離器の全圧力損失を低減できる。しかしながら、シュラウドヘッド上方での冷却水の水平方向の流れに対してスタンドパイプ相互間における流路面積が狭くなるので、その水平方向の流れの流速が増加する。このため、冷却水の水平方向の流れにおけるスタンドパイプによる形状損失が増加し、原子炉圧力容器の中心軸付近の水位と蒸気乾燥器スカートの内面の位置での水位の差がさらに大きくなってしまう。
本発明の目的は、シュラウドヘッドの強度の低下を抑制し、原子炉圧力容器の中心軸の位置での水位と原子炉圧力容器の周辺部での水位の差を低減できる沸騰水型原子炉及び気水分離器を提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、気水分離器がシュラウドヘッドに取り付けられたスタンドパイプを有し、このスタンドパイプの横断面の形状は、原子炉圧力容器の第1中心軸とスタンドパイプの第2中心軸を結ぶ直線上でのスタンドパイプの第1の長さが、その直線と直交する方向でのスタンドパイプの第2の長さよりも長くなっている形状を有しており、スタンドパイプの、原子炉圧力容器の中心軸側の側面がその横断面形状において曲面を形成していることにある。
スタンドパイプの横断面の形状は、原子炉圧力容器の第1中心軸とスタンドパイプの第2中心軸を結ぶ直線上でのスタンドパイプの第1の長さが、その直線と直交する方向でのスタンドパイプの第2の長さよりも長くなる形状を有しており、スタンドパイプの、原子炉圧力容器の中心軸側の側面がその横断面形状において曲面を形成しているので、スタンドパイプによる形状損失を低減することができる。このため、原子炉圧力容器の中心軸の位置での水位と原子炉圧力容器の周辺部での水位の差を低減することができる。また、スタンドパイプが上記のような横断面形状を有することによって、シュラウドヘッドの、原子炉圧力容器の中心軸の位置での高さとシュラウドヘッドの周辺部での高さの差を小さくする必要がないので、シュラウドヘッドの強度の低下を抑制することができる。
好ましくは、スタンドパイプ内に形成された、気液二相流が上昇する上昇通路の横断面の形状が、上記の第1中心軸と上記の第2中心軸を結ぶ直線上での上昇通路の長さが、この直線と直交する方向での上昇通路の長さよりも長くなっている形状を有していることが望ましい。
このような横断面形状を有する上昇通路をスタンドパイプ内に形成することによって、上昇通路の摩擦損失が減少し、気水分離器の全圧力損失を低減できる。
本発明によれば、シュラウドヘッドの強度の低下を抑制し、原子炉圧力容器の中心軸の位置での水位と原子炉圧力容器の周辺部での水位の差を低減することができる。
本発明の好適な一実施例である実施例1の沸騰水型原子炉の縦断面図をである。 図1に示す気水分離器付近の拡大図である。 図2のIII−III断面図である。 図2に示す気水分離器の拡大縦断面図である。 図4のV−V断面図である。 乱流中に置かれたスタンドパイプの横断面形状とそのスタンドパイプの抵抗係数の関係を示す説明図である。 従来の沸騰水型原子炉に用いられる気水分離器のスタンドパイプ付近での冷却水の流速及びスタンドパイプの形状損失を示す模式図である。 図4に示す気水分離器のスタンドパイプ付近での冷却水の流速及びスタンドパイプの形状損失を示す模式図である。 本発明の他の実施例である実施例2の沸騰水型原子炉における気水分離器付近の拡大縦断面図である。 図9のX−X断面図である。 図10のXI−XI断面図である。 本発明の他の実施例である実施例3の沸騰水型原子炉における気水分離器のスタンドパイプ付近での横断面図である。 図12に示すスタンドパイプの拡大横断面図である。 本発明の他の実施例である実施例4の沸騰水型原子炉における気水分離器のスタンドパイプの横断面図である。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1の沸騰水型原子炉を、図1、図2及び図3を用いて説明する。本実施例の沸騰水型原子炉1は、原子炉圧力容器2、炉心3、炉心シュラウド4、シュラウドヘッド5、気水分離器6及びインターナルポンプ20を備えている。炉心3、炉心シュラウド4、シュラウドヘッド5及び気水分離器6は、原子炉圧力容器2内に配置される。
複数の燃料集合体が装荷された炉心3は、炉心シュラウド4によって取り囲まれている。シュラウドヘッド5が炉心シュラウド4の上端部に設置される。複数の気水分離器6がシュラウドヘッド5に取り付けられる(図2参照)。蒸気乾燥器18が、原子炉圧力容器2内で気水分離器6の上方に配置され、原子炉圧力容器2に設置される。円筒である蒸気乾燥器スカート19が、蒸気乾燥器18に取り付けられ、下方に向って伸びている。全ての気水分離器6は、蒸気乾燥器スカート19内に配置される。複数のインターナルポンプ20が、原子炉圧力容器2の底部に設置される。インターナルポンプ20のインペラが、原子炉圧力容器2と炉心シュラウド4の間に形成される環状のダウンカマ21に配置される。
原子炉圧力容器2に接続された主蒸気配管26がタービン27に接続される。発電機28がタービン27に連結される。復水器29は給水配管32によって原子炉圧力容器2に接続される。給水ポンプ30及び給水加熱器31が給水配管32に設置される。
気水分離器6を、図4を用いて詳細に説明する。気水分離器6は、スタンドパイプ7、ディフューザ8、スワラー9、第1気水分離段22a、第2気水分離段22b及び第3気水分離段22cを有する。スタンドパイプ7はシュラウドヘッド5に取り付けられる。ディフューザ8がスタンドパイプ7の上端(下流端)に取り付けられ、スワラー9がディフューザ8内に設置される。第1気水分離段22aがディフューザ8の上端(下流端)に設置され、第2気水分離段22bが第1気水分離段22aの上端に設置され、第3気水分離段22cが第2気水分離段22bの上端に設置される。
第1気水分離段22aは、内筒10a、外筒11a及びピックオフリング12aを有する。円筒である内筒10aの下端(上流端)がディフューザ8の上端に設置される。外筒11aは内筒10aを取り囲んでおり、環状の排水通路14aが内筒10aと外筒11aの間に形成される。開口部35aが形成されたピックオフリング12aが外筒11aの上端(下流端)に取り付けられる。排出口13aが、内筒10aとピックオフリング12aの間に形成され、排水通路14aに連絡される。外筒11aの下端は、ディフューザ8の下端よりも下方(上流)に位置しており、スタンドパイプ7の上端部を取り囲んでいる。
第2気水分離段22bは、内筒10b、外筒11b及びピックオフリング12bを有する。円筒である内筒10bの下端がピックオフリング12aの上面に設置される。外筒11bは内筒10bを取り囲んでおり、環状の排水通路14bが内筒10bと外筒11bの間に形成される。開口部35bが形成されたピックオフリング12bが外筒11bの上端に取り付けられる。排出口13bが、内筒10bとピックオフリング12bの間に形成され、排水通路14bに連絡される。排水通路14bに連通する排出口15aが、外筒11bの下端部に形成される。
第3気水分離段22cは、内筒10c、外筒11c及びピックオフリング12cを有する。円筒である内筒10cの下端がピックオフリング12bの上面に設置される。外筒11cは内筒10cを取り囲んでおり、環状の排水通路14cが内筒10cと外筒11cの間に形成される。開口部35cが形成されたピックオフリング12cが外筒11cの上端に取り付けられる。排出口13cが、内筒10cとピックオフリング12cの間に形成され、排水通路14cに連絡される。排水通路14cに連通する排出口15bが、外筒11cの下端部に形成される。
気水分離器6のスタンドパイプ7の横断面の形状は、図5に示すように、外面で流線形を形成している。曲面で形成された前頭部16、及び直線状の2つの側面を有する縮流部17がスタンドパイプ7に含まれるチューブ33の外面に設けられる。スタンドパイプ7の横断面において、前頭部16及び縮流部17はチューブ33の中心軸を通る1つの直線上に配置され、前頭部16と縮流部17の間にチューブ33が配置される。前頭部16及び縮流部17はチューブ33の周方向において180°ずれた位置に存在する。本実施例に用いられる気水分離器6では、原子炉圧力容器2の中心軸とスタンドパイプ7の中心軸(チューブ33の中心軸)を結ぶ直線上での、スタンドパイプ7の横断面におけるスタンドパイプ7の長さcが、この直線と直交する方向での、スタンドパイプ7の長さdよりも長くなっている。前頭部16及び縮流部17の上端は外筒11aの下端よりも下方に位置しており、前頭部16及び縮流部17の下端はシュラウドヘッド5の上面より上方に存在する。
スタンドパイプ7は、外筒11aの下端より上方で横断面が円形をしており、シュラウドヘッド5の上面より上方で外筒11aの下端より下方の領域で横断面が流線形をしている。スタンドパイプ7は、流線形の部分から円形の部分に向って横断面積が滑らかに縮小している。このように、スタンドパイプ7が流線形の部分から円形の部分に向って横断面積が滑らかに縮小しているので、排水通路14aの出口において、排水通路14aの流路断面積の急拡大による圧力損失の増加を抑制することができる。
また、外筒11aの下端とディフューザ8の下端の間で、スタンドパイプ7の横断面積を流線形とした場合、スタンドパイプ7の中心軸と原子炉圧力容器2の中心軸を結ぶ方向でのスタンドパイプ7の長さは外筒11aの内径よりも大きくなり、スタンドパイプ7の上端部が外筒11a内に入らなくなってしまう。外筒11aの下端とディフューザ8の下端の間において、スタンドパイプ7の中心軸と原子炉圧力容器2の中心軸を結ぶ方向でのスタンドパイプ7の長さは外筒11aの内径よりも小さくしてスタンドパイプ7の横断面形状を流線形にした場合には、スタンドパイプ7の外面と外筒11aの外面との間に形成された場合では、排水通路14aの流路断面積が小さくなる。本実施例のように、スタンドパイプ7の流線形の部分を外筒11aの下端よりも下方に形成することによって、スタンドパイプ7を取り囲む排水通路14aの流路断面積を大きくすることができる。このため、排水通路14aの圧力損失の増加を抑制できる。
各気水分離器6は、図3に示すように、前頭部16が原子炉圧力容器2の中心軸を向くように配置されている。このように配置された各気水分離器6では、スタンドパイプ7の横断面において前頭部16の先端、チューブ33の中心、及び縮流部17の2つの側面の交点を結ぶ直線が、原子炉圧力容器2の中心軸を通っている。
沸騰水型原子炉1の運転時において、インターナルポンプ20によって昇圧された冷却水が、炉心3に装荷された各燃料集合体内に供給され、燃料集合体内を上昇する。燃料集合体内を上昇する冷却水は、燃料集合体内に存在する核燃料物質の核分裂で発生した熱によって加熱されて沸騰し、その冷却水の一部が蒸気になる。蒸気及び冷却水を含む気液二相流が、炉心3から流出して各気水分離器6内に流入する。
気水分離器6に導かれた気液二相流は、スタンドパイプ7のチューブ33内の上昇通路34(図5参照)内を上昇する。この気液二相流は、スワラー9によって旋回力が付与されて旋回され、第1気液分離段22aの内筒10a内に流入する。この旋回によって気液二相流に含まれた、蒸気よりも密度の大きい冷却水は、内筒10aの内面に向って飛ばされて内筒10aの内面に液膜を形成し、この内面に沿って上昇する。冷却水よりも密度が小さい蒸気は、気液二相流がスワラー9によって旋回しても、内筒10aの中心軸付近に集まって内筒10a内を上昇する。
液膜状になって内筒10aの内面に沿って上昇した冷却水は、ピックオフリング12aに衝突して排出口13aを通って排水通路14aに排出される。排水通路14a内に排出された冷却水は、排水通路14a内を下降し、排水通路14a下端の環状開口から気水分離器6の外へ排出される。沸騰水型原子炉1の運転時において、原子炉圧力容器2内でシュラウドヘッド5より上方に冷却水の水面23が形成される。外筒11aの下端が水面23よりも下方に位置しているので、第1気水分離段22aで気液二相流から分離されて排水通路14a内を下降する冷却水は、シュラウドヘッド5よりも上方に存在する冷却水中に放出される。内筒10aの中心軸付近を上昇する蒸気は、第1気水分離段22aで分離されなかった一部の冷却水を含み、ピックオフリング12aの中心部に形成された開口部35aを通って、第2気水分離段22bの内筒10b内に流入する。
内筒10b内に流入した冷却水を含む蒸気は旋回しているので、この蒸気と共に上昇した冷却水の一部は、遠心力により、内筒10bの内面に向って飛ばされる。内面に向って飛ばされた冷却水は、液膜状になって内筒10bの内面に沿って上昇する。この冷却水は、ピックオフリング12bに衝突して排出口13bを通って排水通路14bに排出される。第2気水分離段22bで分離された冷却水は、排水通路14b内を下降し、排出口15aから気水分離器6の外へ排出される。この冷却水は、排出口15aからシュラウドヘッド5よりも上方に存在する水面23より下方の冷却水中に落下する。内筒10bの中心軸付近を上昇する蒸気は、第2気水分離段22bで分離されなかった冷却水を含み、ピックオフリング12bの中心部に形成された開口部35bを通って、第3気水分離段22cの内筒10c内に流入する。
内筒10c内に流入した冷却水を含む蒸気は旋回しているので、この蒸気と共に上昇した冷却水は、遠心力により、内筒10cの内面に向って飛ばされる。内面に向って飛ばされた冷却水は、液膜状になって内筒10cの内面に沿って上昇する。この冷却水は、ピックオフリング12cに衝突して排出口13cを通って排水通路14cに排出される。第3気水分離段22cで分離された冷却水は、排水通路14c内を下降し、排出口15bから気水分離器6の外へ排出される。この冷却水は、排出口15bからシュラウドヘッド5よりも上方に存在する冷却水中に落下する。内筒10cの中心軸付近を上昇する蒸気は、わずかな湿分を含み、ピックオフリング12cの中心部に形成された開口部35cから上方に排気され、気水分離器6から排気される。
気水分離器6で分離された、わずかな湿分を含む蒸気は、蒸気乾燥器18に導入される。蒸気乾燥器18で湿分が除去された蒸気は、原子炉圧力容器2から排気され、主蒸気配管26を通ってタービン27に導かれる。タービン27が蒸気によって回転され、発電機28も回転する。発電機28の回転によって発電が行われる。タービン27から復水器29に排気された蒸気は、復水器29で凝縮されて水になる。この水は、給水として、給水配管32を通って原子炉圧力容器2内に供給される。給水配管32内を流れる給水は、給水ポンプ30で昇圧され、給水加熱器31によって加熱されて温度が上昇する。
第1気水分離段22aで分離されて排水通路14aから排出された冷却水、第2気水分離段22bで分離されて排水通路14bを通り、排出口15aから排出された冷却水、及び第3気水分離段22cで分離されて排水通路14cを通り、排出口15bから排出された冷却水は、シュラウドヘッド5より上方で水面23より下方において、原子炉圧力容器2の中心軸から原子炉圧力容器2の内面に向って流れ、ダウンカマ21内に流入する。これらの冷却水は、給水配管32から供給された給水と共に、ダウンカマ21内を下降し、インターナルポンプ20によって昇圧される。
本実施例は、原子炉圧力容器2の中心軸とスタンドパイプ7の中心軸(チューブ33の中心軸)を結ぶ直線上での、スタンドパイプ7の横断面におけるスタンドパイプ7の長さが、この直線と直交する方向での、スタンドパイプ7の長さよりも長くなっている、すなわち、スタンドパイプ7の横断面の形状が流線形をしているので、前述した第2の原因であるスタンドパイプによる形状損失を低減することができる。このため、原子炉圧力容器の中心軸付近での水位と蒸気乾燥器スカートの内面の位置での水位の差を低減することができる。
横断面の形状が異なるスタンドパイプを、水の水平方向の流れに対して垂直に配置し、それぞれのスタンドパイプの抗力係数CDを図6に示す。水の流れは乱流である。図6には、横断面の形状が円形、楕円形及び流線形の各スタンドパイプの抗力係数CDが示されている。図6に示されたcは、原子炉圧力容器2の中心軸とスタンドパイプの中心軸を結ぶ直線上での、スタンドパイプの横断面におけるスタンドパイプの長さである。図6に示されたdは、この直線と直交する方向での、スタンドパイプの長さである。長さcは長さdよりも長くなっている。従来の沸騰水型原子炉に用いられる気水分離器のスタンドパイプの横断面形状は円形である。この円形のスタンドパイプの抗力係数CDは1.0である。これに対し、d/cが0.4である、横断面が流線形をしているスタンドパイプの抗力係数CDは0.05以下である。横断面が流線形であるスタンドパイプの抗力係数CDが、横断面が円形であるスタンドパイプの抗力係数CDの20分の1以下になる。したがって、気水分離器6のスタンドパイプ7の横断面が流線形をしているので、スタンドパイプの抗力係数CDが小さく、前述したように、スタンドパイプ7による形状損失を低減することができる。
また、長さcが長さdよりも長い横断面が楕円形であるスタンドパイプでは、d/cが0.4であるとき、抗力係数CDが円形の場合より小さな0.6になる。
発明者らは、本実施例において、原子炉圧力容器2の中心軸付近での水位と蒸気乾燥器スカート19の内面の位置での水位の差のうち、冷却水の水平方向の流れにおけるスタンドパイプ7の形状損失を原因として生じる水位差の低減効果を検討した。
この検討は、従来の沸騰水型原子炉に用いられる気水分離器(図7参照)及び本実施例の沸騰水型原子炉1に用いられる気水分離器6(図8参照)を対象に行った。図7及び図8は、それぞれの気水分離器のスタンドパイプ付近を示している。いずれの気水分離器においても、シュラウドヘッド5の上面から第1気水分離段の外筒11aの下端までの距離がLになっている。
シュラウドヘッド5の上方の領域で原子炉圧力容器の中心軸から原子炉圧力容器の内面に向って流れる冷却水のスタンドパイプ周囲での流速をUとしたとき、スタンドパイプの形状損失ΔPは(1)式で求められる。
ΔP=kCD2 ……(1)
ここで、CDはスタンドパイプの横断面の形状によって決まる抗力係数であり、kは物性値のみによって決まる定数である。
従来の沸騰水型原子炉に用いられる気水分離器では、図7に示すように、シュラウドヘッド5の上面から外筒11aの下端までの距離Lの区間において、シュラウドヘッド5の上方の領域における原子炉圧力容器の中心軸から原子炉圧力容器の内面に向って流れる冷却水の流れが従来の横断面が円形のスタンドパイプ7Eの外面に沿って通過するとき、スタンドパイプ7Eの形状損失ΔP0は(2)式で求められる。
ΔP0=kCD00 2 ……(2)
ここで、CD0は横断面が円形のスタンドチューブ7Eが、乱流中に流れに対して垂直に置かれたときの抵抗係数、U0はスタンドチューブ7Eを配置したときに原子炉圧力容器の中心軸から原子炉圧力容器の内面に向って流れる冷却水の流速である。
本実施例の従来の沸騰水型原子炉1に用いられる気水分離器6では、図8に示す距離Lにおいて、スタンドパイプ7が横断面を流線形をしている(図5参照)。その距離Lの区間において、シュラウドヘッド5の上方の領域における原子炉圧力容器の中心軸から原子炉圧力容器の内面に向って流れる冷却水の流れがスタンドパイプ7の外面に沿って通過するとき、スタンドパイプ7における形状損失ΔP1は(3)式で求められる。
ΔP1=kCD11 2 ……(3)
ここで、CD1は横断面が流線形のスタンドチューブ7が、乱流中に流れに対して垂直に置かれたときの抵抗係数、U1はスタンドチューブ7を配置したときに原子炉圧力容器の中心軸から原子炉圧力容器の内面に向って流れる冷却水の流速である。
シュラウドヘッド5の上方の領域で上記した方向に流れる冷却水の流量が従来例(図7)及び本実施例(図8)で同じであるとしたときにおいて、形状損失ΔP0と形状損失ΔP1を比較した。本実施例に用いられる気水分離器6のスタンドパイプ7の横断面での長さdは、従来例で用いられる気水分離器のスタンドパイプ7Eの外径と同じである。このため、原子炉圧力容器の中心軸から原子炉圧力容器の内面に向う冷却水の流れに対して、周方向に隣り合うスタンドパイプ7間に形成される流路面積と周方向に隣り合うスタンドパイプ7E間に形成される流路面積は同じであるとみなせる。また、シュラウドヘッド5の上方の領域で上記した方向に流れる冷却水の流れは、主に、各気水分離器の排水通路14aから排出された冷却水により生じる流れである。このため、シュラウドヘッド5の上方の領域で原子炉圧力容器の中心軸から原子炉圧力容器の内面に向う冷却水の流れは、シュラウドヘッド5の上面から外筒11aの下端までの距離Lの区間で生じる。シュラウドヘッドの上方の領域において、スタンドパイプの軸方向における冷却水の流速は一様とみなせる。以上に述べたことから、シュラウドヘッドの上方の領域での従来例(図7)及び本実施例(図8)の冷却水流量が同じ条件では、(4)式が成り立つ。
0=U1 ……(4)
スタンドパイプ7Eを含む気水分離器を有する従来例の沸騰水型原子炉において、原子炉圧力容器の中心軸の位置での水位と蒸気乾燥器スカートの内面の位置での水位との差のうち、原子炉圧力容器の中心軸から原子炉圧力容器の内面に向う冷却水の流れによるスタンドパイプ7Eの形状損失ΔP0によって生じる水位差をΔL0とする。また、スタンドパイプ7を含む気水分離器6を有する本実施例の沸騰水型原子炉1において、原子炉圧力容器の中心軸の位置での水位と蒸気乾燥器スカートの内面の位置での水位との差のうち、原子炉圧力容器の中心軸から原子炉圧力容器の内面に向う冷却水の流れによるスタンドパイプ7の形状損失ΔP1によって生じる水位差をΔL1とする。形状損失ΔP0と水位差ΔL0との間には、(5)式の関係が成り立つ。また、形状損失ΔP1と水位差ΔL1との間には、(6)式の関係が成り立つ。
NΔP0=ρgΔL0 ……(5)
NΔP1=ρgΔL1 ……(6)
ここで、ρは冷却水の密度、gは重力加速度、及びNは原子炉圧力容器の中心軸から原子炉圧力容器の内面に向って流れる冷却水が通過するスタンドパイプの本数である。
(2)式、(3)式、(4)式、(5)式及び(6)式に基づいて、(7)式が得られる。
ΔL1/ΔL0=ΔCD1/ΔCD0 ……(7)
横断面の形状が流線形になっているスタンドパイプ7を有する本実施例(図8)では、原子炉圧力容器2の中心軸の位置での水位と蒸気乾燥器スカート19の内面の位置での水位との差のうち、原子炉圧力容器の中心軸から原子炉圧力容器の内面に向う冷却水によるスタンドパイプ7の形状損失ΔP1によって生じる水位差が、(7)式による演算によれば、従来例(図7)で生じるその水位差の5%以下に低減できることが分かった。
本実施例では、スタンドパイプ7が、長さcが長さdよりも長くなっている流線形の横断面形状を有するので、特開平8−179077号公報の図1に示されるように、シュラウドヘッドの、原子炉圧力容器の中心軸の位置での高さとシュラウドヘッドの周辺部での高さの差を小さくする必要がない。このため、本実施例では、シュラウドヘッド5の強度の低下を抑制することができる。
本発明の他の実施例である実施例2の沸騰水型原子炉を、図9、図10及び図11を用いて説明する。本実施例の沸騰水型原子炉1Aは、実施例1の沸騰水型原子炉1において気水分離器6を気水分離器6Aに替えた構成を有する。沸騰水型原子炉1Aの他の構成は沸騰水型原子炉1と同じである。
本実施例に用いられる気水分離器6Aは、気水分離器6においてスタンドパイプ7をスタンドパイプ7Aに替えた構成を有する。気水分離器6Aの他の構成は気水分離器6と同じである。スタンドパイプ7Aの横断面の形状は、スタンドパイプ7の横断面と同様に流線形をしている。上昇通路34Aがスタンドパイプ7A内に形成される(図11参照)。上昇通路34Aの横断面の形状も流線形をしている。このため、スタンドパイプ7Aの肉厚は、スタンドパイプ7Aの横断面の全体を通して実質的に同じである。上昇通路34Aの流路断面積は実施例1におけるスタンドパイプ7内の上昇通路34の流路断面積よりも大きくなる。スタンドパイプ7Aは、外筒11aの下端より上方で横断面が円形をしており、シュラウドヘッド5の上面より上方で外筒11aの下端より下方の領域で横断面が流線形をしている。スタンドパイプ7Aは、流線形の部分から円形の部分に向って横断面積が滑らかに縮小している。
本実施例においても、原子炉圧力容器2の中心軸とスタンドパイプ7Aの中心軸を結ぶ直線上での、スタンドパイプ7Aの横断面におけるスタンドパイプ7Aの長さが、この直線と直交する方向での、スタンドパイプ7Aの長さよりも長くなっている。スタンドパイプ7Aは前頭部16A及び縮流部17Aを有し、前頭部16Aが原子炉圧力容器2の中心軸の方を向いている。前頭部16A及び縮流部17Aは原子炉圧力容器2の中心軸とスタンドパイプ7Aの中心軸を結ぶ直線上に配置されている。スタンドパイプ7Aの横断面における前頭部16Aの先端部(原子炉圧力容器2の中心軸側の端部)は流路抵抗を低減するために曲面になっている。
本実施例によれば、横断面形状が流線形をしたスタンドパイプ7Aを用いているので、実施例1と同様に、原子炉圧力容器の中心軸から原子炉圧力容器の内面に向う冷却水によるスタンドパイプ7の形状損失ΔP1を低減することができ、原子炉圧力容器2の中心軸付近での水位と蒸気乾燥器スカート19の内面の位置での水位の差を低減することができる。さらに、本実施例は、スタンドパイプ7A内に形成される上昇通路34Aの流路断面積が、上昇通路34Aの横断面形状が流線形をしている関係上、スタンドパイプ7内に形成される流路断面積よりも大きくなるので、スタンドパイプ7A内に形成された上昇通路34Aの摩擦損失が、実施例1よりも減少する。このため、本実施例では、気水分離器6Aの全圧力損失が気水分離器6のそれよりも低減される。
本実施例では、実施例1と同様に、シュラウドヘッド5の強度の低下を抑制できる。
本発明の他の実施例である実施例3の沸騰水型原子炉を、図12及び図13を用いて説明する。本実施例の沸騰水型原子炉1Bは、実施例1の沸騰水型原子炉1において気水分離器6を気水分離器6Bに替えた構成を有する。沸騰水型原子炉1Bの他の構成は沸騰水型原子炉1と同じである。
本実施例に用いられる気水分離器6Bは、気水分離器6においてスタンドパイプ7をスタンドパイプ7Bに替えた構成を有する。気水分離器6Bの他の構成は気水分離器6と同じである。スタンドパイプ7Bの横断面の形状は、楕円形をしている。上昇通路34Bがスタンドパイプ7B内に形成される(図13参照)。上昇通路34Bの横断面の形状も楕円形をしている。このため、スタンドパイプ7Bの肉厚は、スタンドパイプ7Bの横断面の全体を通して実質的に同じである。上昇通路34Bの流路断面積は実施例1におけるスタンドパイプ7内の上昇通路34の流路断面積よりも大きくなる。スタンドパイプ7Bは、外筒11aの下端より上方で横断面が円形をしており、シュラウドヘッド5の上面より上方で外筒11aの下端より下方の領域で横断面が楕円形をしている。スタンドパイプ7Bは、楕円形の部分から円形の部分に向って横断面積が滑らかに縮小している。
本実施例においても、原子炉圧力容器2の中心軸とスタンドパイプ7Bの中心軸を結ぶ直線上での、スタンドパイプ7Bの横断面におけるスタンドパイプ7Bの長さが、この直線と直交する方向での、スタンドパイプ7Bの長さよりも長くなっている。すなわち、スタンドパイプ7Bの横断面形状の楕円の長軸が原子炉圧力容器2の中心軸とスタンドパイプ7Bの中心軸を結ぶ直線上にあり、この楕円の短軸がその直線と直交する方向に存在する。
横断面の形状が楕円形であるスタンドパイプの抗力係数CDは、横断面の形状が円形である従来のスタンドパイプ7Eの抗力係数CDよりも小さくなる(図6参照)。このため、前述した第2の原因であるスタンドパイプ7Bによる形状損失ΔP1を低減することができる。スタンドパイプ7Bを有する気水分離器6Bを備えた本実施例の沸騰水型原子炉1Bでは、従来の沸騰水型原子炉に比べて、原子炉圧力容器2の中心軸付近での水位と蒸気乾燥器スカート19の内面の位置での水位の差を低減することができる。本実施例は、スタンドパイプ7B内の上昇通路34Bの流路断面積が実施例1で用いられる気水分離器6のスタンドパイプ7内に形成された上昇通路34の流路断面積よりも大きいので、気水分離器6Bの全圧力損失が気水分離器6のそれよりも低減される。
本実施例における水差の低減幅を実施例1と同様にして求めた。本実施例で用いられる横断面が楕円形をしたスタンドパイプ7Bのd/cが0.5である場合、このスタンドパイプ7Bの抗力係数CDは、0.6になり、横断面が円形であるスタンドパイプ7Eの抗力係数CDの1.0と比較して小さくなる。横断面の形状が楕円形になっているスタンドパイプ7Bを有する本実施例では、原子炉圧力容器2の中心軸の位置での水位と蒸気乾燥器スカート19の内面の位置での水位との差のうち、原子炉圧力容器2の中心軸から原子炉圧力容器2の内面に向う冷却水によるスタンドパイプ7Bの形状損失ΔP1によって生じる水位差が、(7)式による演算によれば、従来例(図7)で生じるその水位差の60%に低減されることが分かった。
本実施例では、スタンドパイプ7Bが、長さcが長さdよりも長くなっている楕円形の横断面形状を有するので、実施例1と同様に、シュラウドヘッド5の、原子炉圧力容器2の中心軸の位置での高さとシュラウドヘッド5の周辺部での高さの差を小さくする必要がない。このため、本実施例では、シュラウドヘッド5の強度の低下を抑制することができる。
本発明の他の実施例である実施例4の沸騰水型原子炉を以下に説明する。本実施例の沸騰水型原子炉は、実施例1の沸騰水型原子炉1において気水分離器6を気水分離器6C(図14参照)に替えた構成を有する。本実施例の沸騰水型原子炉の他の構成は沸騰水型原子炉1と同じである。
本実施例に用いられる気水分離器6Cは、気水分離器6においてスタンドパイプ7をスタンドパイプ7Cに替えた構成を有する。気水分離器6Cの他の構成は気水分離器6と同じである。スタンドパイプ7Cの横断面の形状は、実施例1に用いられる気水分離器6のスタンドパイプ7と同様に流線形をしている。上昇通路34Cがスタンドパイプ7C内に形成され、この上昇通路34Cの横断面形状は、実施例3に用いられる気水分離器6Bのスタンドパイプ7B内の上昇通路34Bの横断面形状と同様に、楕円形をしている。このため、スタンドパイプ7Cの肉厚は、スタンドパイプ7Cの横断面の位置によって異なっている。しかしながら、上昇通路34Cの横断面形状が楕円形をしているので、上昇通路34Cの流路断面積は実施例1におけるスタンドパイプ7内の上昇通路34の流路断面積よりも大きくなる。スタンドパイプ7Cは、外筒11aの下端より上方で横断面が円形をしており、シュラウドヘッド5の上面より上方で外筒11aの下端より下方の領域で横断面が流線形になっている。スタンドパイプ7Dは、楕円形の部分から円形の部分に向って横断面積が滑らかに縮小している。
本実施例においても、実施例1と同様に、前頭部16が原子炉圧力容器2の中心軸側を向いており、原子炉圧力容器2の中心軸とスタンドパイプ7Cの中心軸を結ぶ直線上での、スタンドパイプ7Cの横断面におけるスタンドパイプ7Cの長さが、この直線と直交する方向での、スタンドパイプ7Cの長さよりも長くなっている。
本実施例によれば、実施例1と同様に、原子炉圧力容器の中心軸から原子炉圧力容器の内面に向う冷却水によるスタンドパイプ7Cの形状損失ΔP1を低減することができ、原子炉圧力容器2の中心軸付近での水位と蒸気乾燥器スカート19の内面の位置での水位の差を低減することができる。さらに、本実施例は、上昇通路34Cの流路断面積が上昇通路34の流路断面積よりも大きくなるので、上昇通路34Cの摩擦損失が、実施例1よりも減少する。このため、本実施例では、気水分離器6Cの全圧力損失が気水分離器6のそれよりも低減される。本実施例でも、シュラウドヘッド5の強度の低下を抑制することができる。
本発明は沸騰水型原子炉に適用することができる。
1,1A,1B…沸騰水型原子炉、2…原子炉圧力容器、3…炉心、4…炉心シュラウド、5…シュラウドヘッド、6,6A,6B,6C…気水分離器、7,7A,7B,7C…スタンドパイプ、8…ディフューザ、9…スワラー、10a,10b,10c…内筒、11a,11b,11c…外筒、12a,12b,12c…ピックオフリング、16,16A…前頭部、17,17A…縮流部、19…蒸気乾燥器スカート、23…水面、34,34A,34B,34C…上昇通路。

Claims (7)

  1. 原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器内に配置されて炉心を取り囲む環状の炉心シュラウドと、前記原子炉圧力容器内で前記炉心シュラウドの上端部に取り付けられたシュラウドヘッドと、前記原子炉圧力容器内に配置されて前記シュラウドヘッドに設置され、前記シュラウドヘッドよりも上方に向かって伸びている複数の気水分離器とを備え、
    前記気水分離器が前記シュラウドヘッドに取り付けられたスタンドパイプを有し、
    前記スタンドパイプの横断面の形状は、前記原子炉圧力容器の第1中心軸と前記スタンドパイプの第2中心軸を結ぶ直線上での前記スタンドパイプの第1の長さが、前記直線と直交する方向での前記スタンドパイプの第2の長さよりも長くなっている形状を有しており、
    前記スタンドパイプの、前記原子炉圧力容器の中心軸側の側面が前記横断面において曲面を形成していることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  2. 前記炉心から供給される気液二相流が上昇する上昇通路が、前記スタンドパイプ内に形成され、
    前記上昇通路の横断面の形状が、前記第1中心軸と前記第2中心軸を結ぶ前記直線上での前記上昇通路の長さが、前記直線と直交する方向での前記上昇通路の長さよりも長くなっている形状を有している請求項1に記載の沸騰水型原子炉。
  3. 前記気水分離器が、前記スタンドパイプの上端に接続され、上方に向って広がるディフューザと、前記ディフューザ内に設置されたスワラーと、内筒、前記内筒を取り囲む外筒、及び前記外筒の上端に取り付けられて開口部が形成されたピックオフリングを有し、前記内筒と前記ピックオフリングとの間にギャップを形成している複数段の気水分離部とを備え、
    前記複数段の気水分離部がディフューザより上方に向かって順次配置され、最も下方に位置する前記気水分離部の前記内筒が前記ディフューザに取り付けられ、
    最も下方に位置する前記気水分離部の前記外筒の下端が前記ディフューザよりも下方に位置しており、
    最も下方に位置する前記気水分離部の前記外筒の下端より下方で前記シュラウドヘッドの上面よりも上方の領域において、前記スタンドパイプが、前記第1の長さが前記第2の長さよりも長くなっている前記横断面形状を有している請求項1または2に記載の沸騰水型原子炉。
  4. 前記横断面形状が、流線形及び楕円形のいずれかの形状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉。
  5. スタンドパイプと、前記スタンドパイプの下流端に接続され、下流に向って広がるディフューザと、前記ディフューザ内に設置されたスワラーと、内筒、前記内筒を取り囲む外筒、及び前記外筒の下流端に取り付けられて開口部が形成されたピックオフリングを有し、前記内筒と前記ピックオフリングとの間にギャップを形成している複数段の気水分離部とを備え、
    前記複数段の気水分離部がディフューザより下流に向かって順次配置され、最も上流に位置する前記気水分離部の前記内筒が前記ディフューザに取り付けられ、
    最も上流に位置する前記気水分離部の前記外筒の上流端が前記ディフューザよりも上流に位置しており、
    前記スタンドパイプの横断面の形状は、前記スタンドパイプの中心軸を通る1つの直線上での前記スタンドパイプの第1の長さが、前記直線と直交する方向での前記スタンドパイプの第2の長さよりも長くなっている形状を有しており、
    前記スタンドパイプの、前記直線が交差する2つの側面のうち、1つの前記側面または両方の前記側面が曲面を形成していることを特徴とする気水分離器。
  6. 前記最も上流に位置する気水分離部の前記外筒の上流端より上流で前記スタンドパイプの上流端よりも下流の領域において、前記スタンドパイプが、前記第1の長さが前記第2の長さよりも長くなっている前記横断面形状を有している請求項5に記載の気水分離器。
  7. 前記横断面形状が、流線形及び楕円形のいずれかの形状である請求項5または6に記載の気水分離器。
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