JP2011064258A - 防振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造の複雑化およびコストの増加することなく、エンジンマントの振動を低減させることができる防振装置を提供する。
【解決手段】コア部材1および外筒部材2のそれぞれを設け、コア部材1の外周面と、外筒部材2の内周面とを、弾性部材3により全周にわたって液密に連結するとともに、外筒部材2の、コア部材1とは反対の側をダイアフラム4によって液密に封止し、このダイアフラム4と弾性部材3とで囲繞される空間を、液体を封入した流体室とし、この流体室を、仕切部材5をもって、コア部材側に位置する主液室6と、ダイアフラム側に位置する副液室7とに区画し、それらの両液室を、振動の減衰をもたらす制限通路8で、相互に連通させ、外筒部材2は、ダイアフラム4の装着部分2aと、仕切部材5の装着部分2bとの間で二分割してなり、両分割部分が弾性部材を介して連結してなることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】コア部材1および外筒部材2のそれぞれを設け、コア部材1の外周面と、外筒部材2の内周面とを、弾性部材3により全周にわたって液密に連結するとともに、外筒部材2の、コア部材1とは反対の側をダイアフラム4によって液密に封止し、このダイアフラム4と弾性部材3とで囲繞される空間を、液体を封入した流体室とし、この流体室を、仕切部材5をもって、コア部材側に位置する主液室6と、ダイアフラム側に位置する副液室7とに区画し、それらの両液室を、振動の減衰をもたらす制限通路8で、相互に連通させ、外筒部材2は、ダイアフラム4の装着部分2aと、仕切部材5の装着部分2bとの間で二分割してなり、両分割部分が弾性部材を介して連結してなることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンマウント等として適用されて、内部に封入した非圧縮性の液体の流動に基づいて振動減衰機能を発揮させることができる防振装置に関するものである。
例えば、エンジンからの振動がエンジンマウントに伝達されると、エンジンマウントがそれの車体側取付部を支点として振動し、車室内にエンジン振動が伝播されるため、エンジンマウントそれ自体の振動を抑制するためにエンジンマウントにダイナミックダンパーを設けることが行われている。
ところで、このようなダイナミックダンパーでは、質量部材としてのマスを、エンジンマウント本体から独立させて別途設けることが多いため、ダイナミックダンパーの構造の複雑化、大型化およびコストの増加等が否めなかった。
これがため、例えば、特許文献1には、「第1取付金具と車体側取付部材をインシュレータで結合し、内側に形成される主液室と副液室を仕切部材で仕切り、オリフィス通路で連通する。仕切部材はインシュレータの延長部とダイアフラムの外周部で挟持する。ダイアフラムの外周厚肉部に一体化された取付リングの外フランジを延長部にせん断方向で支持される連結金具とカシメ固定することにより、仕切部材とダイアフラムを延長部で浮動支持して剛体共振させる。」ことにより、主液室に発生するキャビテーション現象の衝撃を車体側取付部材へ伝達しないよう、仕切部材の剛体共振する技術が提案されている。
しかるに、このような技術では、ダイナミックダンパーの作用に当たって、ダイアフラムと仕切部材の位置が移動して、主液室の容積が変位するため、主液室と副液室との間での液体の流動に基づく、特に低周波振動の所望の防振性能の達成ができないおそれがあった。
また、特許文献2には、「第一の支持金具と第二の支持金具とを、それらの間に介装されたゴム弾性体にて連結する一方、壁部の一部がゴム弾性体にて構成されて振動入力時に内圧変動が惹起される受圧室と、壁部の一部が可撓性膜にて構成されて容積変化が容易に許容される平衡室とを、第二の支持金具によって支持された仕切部材を挟んだ両側にそれぞれ形成せしめて成る流体封入式マウント装置において、前記可撓性膜を覆う蓋金具を、前記第二の支持金具に対して、支持ゴム弾性体を介して弾性的に取り付けることにより、それら支持ゴム弾性体と蓋金具とによって、動的吸振器を構成せしめた。」技術が提案されている。
ところが、特許文献2に記載の技術では、蓋金具のみがダイナミックダンパーのマスとしての機能を発揮するため、十分な質量を達成することが難しくなり、ダイナミックダンパーとしての効果が低減するおそれがあった。
そこで、本発明は、構造の複雑化およびコストの増加することなく、エンジンマウントの振動を低減させることができる防振装置を提供することにある。
この発明にかかる防振装置は、振動発生側部材または振動伝達側部材のいずれか一方側に連結されるコア部材および、他方側に連結される外筒部材のそれぞれを設け、コア部材の外周面と、外筒部材の内周面とを、弾性部材により全周にわたって液密に連結するとともに、外筒部材の、コア部材とは反対の側をダイアフラムによって液密に封止し、少なくとも、このダイアフラムと弾性部材とで囲繞される空間を、液体を封入した流体室とし、この流体室を、仕切部材をもって、コア部材側に位置する主液室と、ダイアフラム側に位置する副液室とに区画し、それらの両液室を、振動の減衰をもたらす制限通路で、相互に連通させてなるものであって、前記外筒部材は、ダイアフラムの装着部分と、仕切部材の装着部分との間で二分割してなり、両分割部分が弾性部材を介して連結してなることを特徴とするものである。
このような防振装置においてより好ましくは、外筒部材の、仕切部材の装着側の分割部分を振動発生側部材に、コア部材を振動伝達側部材に連結し、ダイアフラムを車両装着上側に配置する。
また好ましくは、ダイアフラムの周囲を、質量部材の一部としての内筒部材に加硫接着させる。
好ましくは、前記内筒部材を、外筒部材の、ダイアフラムの装着側の分割部分に、かしめ固定する。
好ましくは、前記内筒部材を、外筒部材の、ダイアフラムの装着側の分割部分に、かしめ固定する。
ところで、外筒部材の、ダイアフラムの装着側の分割部分に被覆部材を設けることが好ましい。
この発明の防振装置では、外筒部材は、ダイアフラムの装着部分と、仕切部材の装着部分との間で二分割してなり、両分割部分が弾性部材を介して連結することで、外筒部材の、ダイアフラムの装着側の分割部分にダイナミックダンパーのマス機能を持たせることができ、このマスの増加分の防振装置全体の周波数を下げることができる。その結果、構造の複雑化およびコストの増加することなく、防振装置にダイナミックダンパー効果を実現して、高周波の振動を低減することができる。
また、両分割部分が弾性部材を介して連結することで、外筒部材にばね要素の弾性を持たせて、振動減衰機能を達成することができる。
そして、ダイアフラムは剛性が低いため、ダイナミックダンパー効果によってダイアフラムの装着側部分がマス機能を発揮しても、副液室を大気圧に保つようにダイアフラムが可動することになり、副液室の容積は変化しない。その結果、本発明では、ダイナミックダンパーの共振と流体性能を両立することができる。
以下に、図面を参照しながら防振装置を詳細に説明する。
図1は、本発明の防振装置の一の実施状態を示す図であり、図2は図1の防振装置を車両に装着した状態を示す縦断面図である。
この発明の防振装置では、エンジンその他の振動発生側部材または、車体等の振動伝達側部材のいずれか一方側、図では下方に位置する振動伝達側部材である車体に連結されるコア部材1および、他方側、図では側方に位置するエンジンと連結される外筒部材2のそれぞれを設け、これらのコア部材1の外周面と、外筒部材2の内周面とを、ゴム、エラストマー、プラスチック等からなる弾性部材3によって全周にわたって液密に連結するとともに、弾性部材3のコア部材1と反対側を、ゴム等からなるダイアフラム4によって液密に封止する。
図1は、本発明の防振装置の一の実施状態を示す図であり、図2は図1の防振装置を車両に装着した状態を示す縦断面図である。
この発明の防振装置では、エンジンその他の振動発生側部材または、車体等の振動伝達側部材のいずれか一方側、図では下方に位置する振動伝達側部材である車体に連結されるコア部材1および、他方側、図では側方に位置するエンジンと連結される外筒部材2のそれぞれを設け、これらのコア部材1の外周面と、外筒部材2の内周面とを、ゴム、エラストマー、プラスチック等からなる弾性部材3によって全周にわたって液密に連結するとともに、弾性部材3のコア部材1と反対側を、ゴム等からなるダイアフラム4によって液密に封止する。
またこの図では、弾性部材3の上端部分を、外筒部材2の内周面を覆う薄肉部3aとし、図に示すところでは、弾性部材3をもって、コア部材1の下端部は弾性部材3から露出させることとしているも、コア部材1の下端面まで覆うことも可能である。
ここでは、少なくとも、ダイアフラム4と、弾性部材3とで囲繞される空間、ときには、それらに加えて、弾性部材3から露出するコア部材1とで囲繞される空間を、エチレングリコール等の、非圧縮性の所要の液体を封入した流体室とし、そして、この流体室を、仕切部材5によって、弾性部材側に位置する主液室6と、ダイアフラム側に位置する副液室7に区画する。
そして、これらの主液室6と副液室7とを、図では仕切部材5に設けられる制限通路8で、相互に連通させる。この制限通路8は、断面形状がチャンネル状をなす環状剛性材料を、外筒部材2の内周面に沿って全周にわたって、薄肉部3aを介して間接的に、外筒部材2のかしめ固定等する。この仕切部材5は外筒部材2に固定されているため、仕切部材5の位置が振動により変位することなく主液室6の液圧減少はなく、流体本来の特性を損ねることはない。
また、この仕切部材5の主液室側には弾性部材からなるメンブラン9を配置することができる。
このような防振装置では、コア部材1または外筒部材2のいずれか一方に連結された振動発生部から入力された振動は、弾性部材3の変形によって吸収される他、主・副液室内の液体が、圧力変化に基づいて、制限通路8を経て、それらの間で流動することによる液柱共振、流動抵抗等によって減衰されることになるので、他方の部材が防振されるのは振動伝達側に連結された十分に防振されることになる。
この一方で、高周波の振動が入力されて、制限通路8が目詰まり状態となって、封入液体のそこへの流動が不能となった場合は、メンブラン9が、例えば弾性変形下で振動することで、液室内圧の異常な増加を防止するので、弾性部材3の変形に基づく防振機能は依然として発揮することができ、動ばね定数を十分に低く抑えることができる。
そしてこの防振装置では、外筒部材2は、ダイアフラム4の装着側の分割部分2aと、仕切部材5の装着側の分割部分2bとの間で二分割し、両分割部分2a,2bが弾性部材、図では薄肉部3aを介して連結し、好ましくは、ダイアフラム4の周囲を、質量部材の一部としての内筒部材10に加硫接着する。
このような防振装置において好ましくは、外筒部材2の、仕切部材5の装着側の分割部分2bを振動発生側部材に、コア部材1を振動伝達側部材に連結し、ダイアフラム4を車両装着上側に配置することで、液室内で発生するキャビテーション異音が、ゴムを介して車体に伝達されるため、異音レベルを低減することができる。
また好ましくは、ダイアフラム4の周囲を、内筒部材10に加硫接着することで、この内筒部材10がダイアフラム4の径方向の伸び縮みを規制するとともに、マス効果と発揮させることができる。
そしてまた好ましくは内筒部材10を、外筒部材2の、ダイアフラムの装着側の分割部分2aでかしめ固定することで、ダイアフラム4全体および副液室7の液体の一部をマスとして機能させることができる。
図3は、本発明の防振装置の他の実施状態を示す図である。
なお、先の図1に示したタイヤと同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態では、外筒部材12の、ダイアフラム4の装着側の分割部分12aの下側端部および仕切部材の装着側の分割部分12bの上側端部が、弾性部材3の薄肉部を介して重ね配置して連結する。この構成によりダイアフラム4の装着側の分割部分12aに位置するゴム部材の薄肉部の剪断変形を仕切部材5の装着側の分割部分12bで拘束することができる。
なお、先の図1に示したタイヤと同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態では、外筒部材12の、ダイアフラム4の装着側の分割部分12aの下側端部および仕切部材の装着側の分割部分12bの上側端部が、弾性部材3の薄肉部を介して重ね配置して連結する。この構成によりダイアフラム4の装着側の分割部分12aに位置するゴム部材の薄肉部の剪断変形を仕切部材5の装着側の分割部分12bで拘束することができる。
図4は、本発明の防振装置の他の実施状態を示す図である。
なお、先の図1に示したタイヤと同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態では、外筒部材2の、ダイアフラム4の装着側の分割部分2aの外周側から上部を、略浅底の逆カップ形状の、ダイアフラム4の装着側の分割部分2aの開口を被覆する被覆部材20を、かしめ固定する。
この構成により、ダイアフラム4の外側が、かかる被覆部材20にて覆われて、保護され、傷や塗装を防止することができるとともに、被覆部材20をダイナミックダンパーのマスとすることができる。
なお、先の図1に示したタイヤと同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態では、外筒部材2の、ダイアフラム4の装着側の分割部分2aの外周側から上部を、略浅底の逆カップ形状の、ダイアフラム4の装着側の分割部分2aの開口を被覆する被覆部材20を、かしめ固定する。
この構成により、ダイアフラム4の外側が、かかる被覆部材20にて覆われて、保護され、傷や塗装を防止することができるとともに、被覆部材20をダイナミックダンパーのマスとすることができる。
図5は、本発明の防振装置の他の実施状態を示す図である。
なお、先の図1に示したタイヤと同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態のように、本発明では、上方に位置するエンジンにコア部材1を連結し、側方に位置する振動伝達側部材である車体に外筒部材2を連結することもできる。
なお、先の図1に示したタイヤと同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態のように、本発明では、上方に位置するエンジンにコア部材1を連結し、側方に位置する振動伝達側部材である車体に外筒部材2を連結することもできる。
1 コア部材
2,12 外筒部材
2a,12a ダイアフラムの装着側の分割部分
2b,12b 仕切部材の装着側の分割部分
3 弾性部材
3a 薄肉部
4 ダイアフラム
5 仕切部材
6 主液室
7 副液室
8 制限通路
9 メンブラン
10 内筒部材
20 被覆部材
2,12 外筒部材
2a,12a ダイアフラムの装着側の分割部分
2b,12b 仕切部材の装着側の分割部分
3 弾性部材
3a 薄肉部
4 ダイアフラム
5 仕切部材
6 主液室
7 副液室
8 制限通路
9 メンブラン
10 内筒部材
20 被覆部材
Claims (5)
- 振動発生側部材または振動伝達側部材のいずれか一方側に連結されるコア部材および、他方側に連結される外筒部材のそれぞれを設け、コア部材の外周面と、外筒部材の内周面とを、弾性部材により全周にわたって液密に連結するとともに、外筒部材の、コア部材とは反対の側をダイアフラムによって液密に封止し、少なくとも、このダイアフラムと弾性部材とで囲繞される空間を、液体を封入した流体室とし、この流体室を、仕切部材をもって、コア部材側に位置する主液室と、ダイアフラム側に位置する副液室とに区画し、それらの両液室を、振動の減衰をもたらす制限通路で、相互に連通させてなる防振装置において、
前記外筒部材は、ダイアフラムの装着部分と、仕切部材の装着部分との間で二分割してなり、両分割部分が弾性部材を介して連結してなることを特徴とする防振装置。 - 外筒部材の、仕切部材の装着側の分割部分を振動発生側部材に、コア部材を振動伝達側部材に連結し、ダイアフラムを車両装着上側に配置してなる請求項1に記載の防振装置。
- ダイアフラムの周囲を、質量部材の一部としての内筒部材に加硫接着してなる請求項1または2に記載の防振装置。
- 前記内筒部材を、外筒部材の、ダイアフラムの装着側の分割部分に、かしめ固定してなる請求項3に記載の防振装置。
- 外筒部材の、ダイアフラムの装着側の分割部分に被覆部材を設けてなる請求項1〜4のいずれかに記載の防振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009214927A JP2011064258A (ja) | 2009-09-16 | 2009-09-16 | 防振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009214927A JP2011064258A (ja) | 2009-09-16 | 2009-09-16 | 防振装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011064258A true JP2011064258A (ja) | 2011-03-31 |
Family
ID=43950730
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009214927A Withdrawn JP2011064258A (ja) | 2009-09-16 | 2009-09-16 | 防振装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011064258A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9360079B2 (en) | 2012-02-14 | 2016-06-07 | Sumitomo Riko Company Limited | Vibration damping device |
US10279670B2 (en) | 2015-01-23 | 2019-05-07 | Yamashita Rubber Co. Ltd. | Anti-vibration device and damper device |
-
2009
- 2009-09-16 JP JP2009214927A patent/JP2011064258A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9360079B2 (en) | 2012-02-14 | 2016-06-07 | Sumitomo Riko Company Limited | Vibration damping device |
US10279670B2 (en) | 2015-01-23 | 2019-05-07 | Yamashita Rubber Co. Ltd. | Anti-vibration device and damper device |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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