JP4103804B2 - 液体封入式防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車両のエンジンマウントやボディマウント等として好適に用いられる液体封入式防振装置に関する。
従来より、例えば特許文献1〜6等に開示されているように、車両のエンジンマウント等として用いられる液体封入式防振装置が知られている。このうち特許文献1〜3には、軸状の第1取付部材と、該第1取付部材の一端側に固着されたゴム弾性体と、該ゴム弾性体の外周に内周が固着された筒状の第2取付部材と、第2取付部材の一方の開口端部内周に周縁部を保持されて前記第2取付部材の一方の開口を閉塞し、前記ゴム弾性体との間に液体が封入された液体室を形成するダイヤフラムと、前記第2取付部材の内周に周縁部を保持されて前記液体室を主液室と副液室とに仕切り、前記主液室と前記副液室とを連通するオリフィス通路を形成する仕切部材とを備えた液体封入式防振装置が開示されている。
また、特許文献4〜6には、平面状の取付座部を有する第1取付部材と、該第1取付部材の前記取付座部に一端側が固着され少なくとも他端側に開口を有する筒状のゴム弾性体と、該ゴム弾性体の開口端部に連結固定された第2取付部材と、前記ゴム弾性体の前記開口を閉塞して前記ゴム弾性体の内部に液体が封入された液体室を形成するダイヤフラムと、前記ゴム弾性体の前記開口端部に周縁部を保持されて前記液体室を主液室と副液室とに仕切り、前記主液室と前記副液室とを連通するオリフィス通路を形成する仕切部材とを備えた液体封入式防振装置が開示されている。
上記の液体封入式防振装置は、車体及びパワーユニットのいずれか一方の取付部に第1取付部材を連結固定するとともに、そのいずれか他方の取付部に第2取付部材を連結固定することにより取付けられて使用される。
そして、エンジンの作動により発生する高周波数領域の振動は、振動入力に基づくゴム弾性体の弾性作用により吸収されて効果的に減衰される。また、エンジンシェイク等の低周波数領域の振動は、振動入力に基づく主液室及び副液室の容積変化に伴ってオリフィス通路を流動する液体の液柱共振作用により吸収されて効果的に減衰される。
ところで、上記の液体封入式防振装置では、オリフィス通路における共振周波数をチューニングする場合、オリフィス通路の断面積及び通路長さやダイヤフラムの剛性等に基づいて、低減すべき振動周波数に合わせてチューニングされる。このとき、オリフィス通路を流動する液体の液柱共振作用による振動の減衰効果は、オリフィス通路を流動する液体の流動量が多いほど高くなることから、高減衰効果を得るためにはオリフィス通路の通路長さを長くする方が有利となる。
しかし、上記の液体封入式防振装置においては、高減衰の要求を満足させるためにオリフィス通路の通路長さを長くしようとしても、防振装置本体内部の限られたスペースしか無くしかも構造が複雑になることから、必要な長さを確保することができず、目的とする高減衰性能を得ることが困難となっていた。
特許第3362575号公報 特開平6−129479号公報 特開2001−234968号公報 特開昭62−113934号公報 特開平9−196109号公報 特開2001−65628号公報
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、充分に長いオリフィス通路を確保することができ、高減衰性能を得ることができる液体封入式防振装置を提供することを解決すべき課題とするものである。
上記課題を解決する第一の発明に係る液体封入式防振装置は、軸状の第1取付部材と、該第1取付部材の一端側に固着されたゴム弾性体と、該ゴム弾性体の外周に内周が固着された筒状の第2取付部材と、該第2取付部材の一方の開口端部内周に周縁部を保持されて前記第2取付部材の一方の開口を閉塞し、前記ゴム弾性体との間に液体が封入された主液室を形成する閉塞部材と、一端が前記主液室に接続され他端部が前記第2取付部材の外部に延出して前記主液室よりも上方に位置するように保持され、一端側に形成されて液体が充満された副液室を兼ねるオリフィス通路と他端側に形成される空気室とを有するホース部材と、から構成されていることを特徴としている。
そして、上記課題を解決する第二の発明に係る液体封入式防振装置は、平面状の取付座部を有する第1取付部材と、該第1取付部材の前記取付座部に一端側が固着され少なくとも他端側に開口を有する筒状のゴム弾性体と、該ゴム弾性体の開口端部に周縁部を保持されて前記開口を閉塞し、前記ゴム弾性体の内部に液体が封入された主液室を形成する閉塞部材と、前記ゴム弾性体の前記開口端部に連結固定された第2取付部材と、一端が前記主液室に接続され他端部が前記第2取付部材の外部に延出して前記主液室よりも上方に位置するように保持され、一端側に形成されて液体が充満された副液室を兼ねるオリフィス通路と他端側に形成される空気室とを有するホース部材と、から構成されていることを特徴としている。
第一及び第二の発明の液体封入式防振装置においては、副液室を兼ねるオリフィス通路が、防振装置本体部の外部に大部分或いは全部が配設されたホース部材により形成されていることから、オリフィス通路の配置スペースの制約が殆ど無い。そのため、ホース部材の長さを自由に変更することができるので、オリフィス通路の通路長さを充分に長い任意の長さに設定することが可能となる。これにより、目的とする高減衰性能を容易に得ることが可能となる。
また、オリフィス通路の大部分或いは全部が防振装置本体部の外部に設けられていることに加えて、オリフィス通路と兼ねて形成された副液室もその大部分或いは全部が防振装置本体部の外部に設けられていることから、防振装置本体部がコンパクト化する。
第一及び第二の発明において、ホース部材の他端側に形成される空気室は、ホース部材の他端側の端面と副液室を兼ねるオリフィス通路の液面との間に形成される。この空気室が形成されるホース部材の他端部は、空気室内の空気がオリフィス通路(副液室)を通って主液室に流入しないようにするために、主液室よりも上方に位置するようにホルダにより保持される。なお、ホルダは、第1取付部材及び第2取付部材のいずれかに設けることができるが、第1取付部材側に設けるよりも第2取付部材側に設ける方が、振動入力時の変位が少ないので好ましい。また、場合によっては、車体フレーム等にホルダを設けけることも可能である。
空気室は、通常、ホース部材の他端側の開口に栓部材を装着することによって密閉されるが、振動入力時にホース部材の他端側開口からオリフィス通路(副液室)の液体が流出しない程度に、ホース部材の他端側開口が主液室よりも充分に高い上方に位置するようされていれば、ホース部材の他端側開口の少なくとも一部を開放状態にしておいてもよい。この場合、空気室は、大気と連通していることから振動入力時の圧力変化が少ないので、オリフィス通路を流動する液体の流動量が増大する。
第一及び第二の発明におけるホース部材としては、ゴムや軟質樹脂等の柔軟性材料で形成された可撓性を有するホースが採用され、繊維や金属線等で補強されたものでもよい。例えば、センシングホースやバキュームホース等の可撓性を有するゴムホースが好適に採用される。可撓性を有するゴムホースを採用すると、オリフィス通路(副液室)を流動する液体の流動性が良好となって、オリフィス通路(副液室)での液体の共振周波数を越えた周波数域に生じる反共振作用が抑制され、その周波数域における著しい高動ばね化が有効に軽減乃至は防止される。
また、第一及び第二の発明における閉塞部材としては、通常、例えば金属や硬質樹脂等の剛性材料で板状に形成されたものが採用されるが、例えばゴム等の柔軟性材料で板状に形成された可動板や、第2取付部材又はゴム弾性体の開口の一部を閉塞するように配置される可動板を有するものを採用することができる。可動板を有する閉塞部材を採用すると、振動入力時に可動ゴム板の変形によって生じる液体の流動作用乃至は共振作用に基づいて、中乃至高周波数領域の振動に対する低動ばね効果が発揮されるので、防振特性が向上する。
第一及び第二の発明の液体封入式防振装置は、一端が主液室に接続され他端部が第2取付部材の外部に延出して主液室よりも上方に位置するように保持され、一端側に形成されて液体が充満された副液室を兼ねるオリフィス通路と他端側に形成される空気室とを有するホース部材を有するため、充分に長いオリフィス通路を確保することができ、高減衰性能を得ることができる。さらに、オリフィス通路の大部分或いは全部が防振装置本体部の外部に設けられているため、防振装置本体部をコンパクト化することができる。
そして、第一及び第二の発明において、ホース部材として、可撓性を有するゴムホースを採用すれば、オリフィス通路を流動する液体の流動性が良好となることから、オリフィス通路での液体の共振周波数を越えた周波数域に生じる反共振作用を抑制して、著しい高動ばね化を有効に軽減乃至は防止することができる。
また、第一及び第二の発明において、第2取付部材の開口の少なくとも一部を閉塞するように配置される可動ゴム板を有する閉塞部材を採用すれば、振動入力時に可動ゴム板の変形によって生じる液体の流動作用乃至は共振作用に基づいて、中乃至高周波数領域の振動に対する低動ばね効果が発揮されるので、防振特性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔実施形態1〕
図1は本発明の実施形態1に係る液体封入式防振装置の断面図である。
本実施形態の液体封入式防振装置は、車両に搭載されるパワーユニットを防振支持するエンジンマウントとして使用されるものである。この液体封入式防振装置は、図1に示すように、第1取付部材1と、第1取付部材1に一端側が固着され他端側に開口する凹部21を有するゴム弾性体2と、ゴム弾性体2の他端側外周に固着された筒状の第2取付部材3と、第2取付部材3の一方の開口を閉塞してゴム弾性体2の凹部21との間に主液室45を形成する閉塞部材4と、一端が主液室45に接続され他端部が主液室45よりも上方に位置するように保持されて、一端側に形成される副液室52を兼ねるオリフィス通路51と他端側に形成される空気室53とを有するホース部材5と、から構成されている。
第1取付部材1は、軸状部11と、軸状部11の先端に形成された略円錐台状のブロック部12と、軸状部11とブロック部12の間に形成されたフランジ部13とからなり、鉄系金属により一体に形成されている。軸状部11には、軸方向に延びるねじ穴11aが設けられており、このねじ穴11aには、第1取付部材1を取付ける際に取付ボルト(図示せず)が螺合される。
ゴム弾性体2は、ゴム材料を加硫成形することにより略円錐台形状に形成されており、小径側の端部(図1において上方側端部)の中央部が第1取付部材1のブロック部12及びフランジ部13の表面に加硫接着により固着されている。ゴム弾性体2の大径側の端部(図1において下方側の端部)には、大径側に開口する凹部21が形成されている。ゴム弾性体2の大径側端部には、下端側に延出する薄肉状の円筒部22が一体に設けられている。
第2取付部材3は、一端にリング状のフランジ部31aをもつ内側筒金具31と、内側筒金具31に外嵌されフランジ部31aと重なり合うフランジ部32aをもつ外側筒金具32と、内側筒金具31及び外側筒金具32のフランジ部31a、32aを挟持固定するかしめ部33aをもちそのかしめ部33aを介して内側筒金具31及び外側筒金具32に連結された筒状金具33と、外側筒金具32の外周面の軸対称となる部位に設けられた一対の脚状ブラケット34、34とからなる。
内側筒金具31の内周面には、その内周面の略全体を覆うようにして、ゴム弾性体2の大径側の外周面及び円筒部22の外周面が加硫接着により固着されている。これにより、内側筒金具31と第1取付部材1は、それらの間に介在するゴム弾性体2によって弾性的に連結されている。また、筒状金具33のかしめ部33aと反対側の端部(図1において上端)には、第1取付金具1と第2取付部材3との主として軸方向(主振動入力方向)の所定以上の相対変位を規制するようにするために、径方向内方へ屈曲されて鍔状に形成されたストッパ部33bが設けられている。このストッパ部33bの内外面及び内周面には、緩衝ゴム層36が加硫接着により取付けられている。
また、筒状金具33の外周面には、ホース部材5の他端部を保持するホルダ37が取付けられている。このホルダ37は、これに保持されるホース部材5の他端部が第2取付部材3の内部に形成される液体室45よりも上方となる位置に設けられている。
閉塞部材4は、金属により薄い円形板状に形成されている。閉塞部材4の中央部には、厚さ方向に貫通する連通孔が設けられており、その連通孔には、金属製の接続パイプ43が一端部を挿入された状態で液密的に取付けられている。この閉塞部材4は、第2取付金具3の内側筒金具31の内周下端部にゴム弾性体2の円筒部22を間に介してその周縁部が当接した状態に配置された後、内側筒金具31の下端部が内側へ屈曲されることにより固定保持されている。このように取付けられた閉塞部材4により、第2取付部材3の開口が閉塞され、閉塞部材4とゴム弾性体2の凹部21との間には、密閉状の主液室45が形成されている。この主液室45には、水やアルキレングリコール、シリコンオイル等の非圧縮性の液体Lが封入されている。
ホース部材5は、所定の内径と長さをもち可撓性を有するゴムホースである。このホース部材5は、一端が閉塞部材4に取付けられた接続パイプ43に液密的に連結固定されるとともに、他端部が第2取付部材3の外部に延出して第2取付部材3に設けられたホルダ37に液体室45よりも上方に位置する状態に保持されている。これにより、ホース部材5は、防振装置本体部の外部に全部が配設されている。
ホース部材5の内孔には、一端側(主液室45側)に位置する副液室52を兼ねるオリフィス通路51と、他端側に位置する空気室53とが形成されている。副液室52を兼ねるオリフィス通路51は、接続パイプ43を介して主液室45と連通しており、このオリフィス通路51(副液室52)には主液室45と同じ非圧縮性の液体Lが充満されている。空気室53は、ホース部材5の他端側の開口に装着された栓部材54により密閉されている。オリフィス通路51(副液室52)内の液体Lの液面は、主液室45の上端と略同じ位置にあり、その液面と栓部材54との間に空気室53が形成されている。
この空気室53の容積は、振動の入力により主液室45からオリフィス通路51(副液室52)に液体Lが流入してオリフィス通路51(副液室52)の容積が増加するのに伴って減少し、逆に、オリフィス通路51(副液室52)から主液室45に液体Lが流出してオリフィス通路51(副液室52)の容積が減少するのに伴って増加することとなる。また、オリフィス通路51(副液室52)の容積が変化するときには、オリフィス通路51(副液室52)内の液体L全体がオリフィス通路51を流動することとなる。
なお、オリフィス通路51を流動する液体Lの共振周波数をチューニングする際のオリフィス通路51の通路長さは、この液体封入式防振装置が車両に搭載されてパワーユニットの分担荷重(1W)が負荷された状態での、接続パイプ43の主液室45側の端面から空気室53側の液面までの長さが基準として採用される。
以上のように構成された本実施形態の液体封入式防振装置は、車両のエンジンマウントとして使用され、例えば、取付ボルト(図示せず)を第1取付部材1のねじ穴11aに螺合させてパワーユニット側の取付部に第1取付部材1を連結固定するとともに、第2取付部材2の脚状ブラケット34、34を取付ボルト(図示せず)等で車体側の取付部に連結固定することにより取付けられる。
そして、エンジンの作動により発生する高周波数領域の振動は、振動入力に基づくゴム弾性体2の弾性作用により吸収されて効果的に減衰される。また、エンジンシェイク等の低周波数領域の振動が発生したときには、振動入力に基づく主液室45の圧力変化に伴って主液室45と副液室52(オリフィス通路51)との間を液体Lが往来することにより副液室52(オリフィス通路51)の容積が変化する。この副液室52(オリフィス通路51)の容積変化に伴って、副液室52内の液体L全体がオリフィス通路51を流動することとなり、このとき、オリフィス通路51を流動する液体Lが発揮する液柱共振作用により、エンジンシェイク等の低周波数領域の振動は効果的に減衰される。
また、副液室52を兼ねたオリフィス通路51を形成するホース部材5は可撓性を有するゴムホースであるため、オリフィス通路51を流動する液体Lの流動性が良好となる。これにより、オリフィス通路51での液体Lの共振周波数を越えた周波数域に生じる反共振作用が抑制され、その周波数域における著しい高動ばね化が有効に軽減乃至は防止される。
以上のように、本実施形態の液体封入式防振装置は、副液室52を兼ねたオリフィス通路51と空気室53とを有し一端が主液室45に接続され他端部が第2取付部材3の外部に延出して主液室45よりも上方に位置するように保持されたホース部材5を備えていることから、オリフィス通路51の通路長さを充分に長い任意の長さに設定することができるため、目的とする高減衰性能を容易に得ることができる。さらに、副液室52を兼ねたオリフィス通路51を有するホース部材5の全部が防振装置本体部の外部に設けられていることから、防振装置本体部をコンパクト化することができる。
また、本実施形態の液体封入式防振装置では、ホース部材5として、可撓性を有するゴムホースを採用しているため、オリフィス通路51での液体Lの共振周波数を越えた周波数域に生じる反共振作用を抑制することができ、これによりその周波数域における著しい高動ばね化を有効に軽減乃至は防止することができる。
なお、本実施形態の液体封入式防振装置においては、ホース部材5の一端が接続される接続パイプ43は閉塞部材4に取付けられているが、この接続パイプ43は、第2取付部材3の内側筒金具31と外側筒金具32とが重なり合った部分に取付けるようにしてもよい。
また、本実施形態の液体封入式防振装置は、副液室52を兼ねるオリフィス通路51が防振装置本体部の外部に設けられているため、例えば、防振装置本体の内部に、液体室の内圧を変動させる振動部材やその振動部材を電磁力により加振する電磁駆動手段等を備えた加振制御型の液体封入式防振装置に有利に応用することができる。
〔実施形態2〕
図2は本発明の実施形態2に係る液体封入式防振装置の断面図である。
本実施形態の液体封入式防振装置は、実施形態1と同様に車両のエンジンマウントとして使用されるものであって、図2に示すように、第1取付部材101と、第1取付部材101に一端側が固着され他端側に開口する凹部121を有するゴム弾性体102と、ゴム弾性体102の開口を閉塞してゴム弾性体102の内部に液体Lが封入された主液室135を形成する閉塞部材103と、ゴム弾性体102の開口端部に連結固定された第2取付部材104と、一端が主液室135に接続され他端部が主液室135よりも上方に位置するように保持されて、一端側に形成される副液室152を兼ねるオリフィス通路151と他端側に形成される空気室153とを有するホース部材105と、から構成されている。
第1取付部材101は、鉄系金属により円形板状に形成されて中央部に円孔112を有する基板111と、軸部の先端側の大部分が突出するようにして基板111の円孔112に嵌挿固定された取付ボルト113とからなる。平面状に形成された基板111は、第1取付部材101の取付相手部材に対して取付座部となる。
ゴム弾性体102は、ゴム材料を加硫成形することにより一端側が閉口し他端側に開口を有する有底円筒状に形成されている。このゴム弾性体102は、閉口した底部側の端面が取付ボルト113の頭部を覆うようにして基板111の下面に加硫接着により固着されている。
閉塞部材103は、金属により薄い円形板状に形成されている。閉塞部材103の中央部には、厚さ方向に貫通する連通孔が設けられており、その連通孔には、金属製の接続パイプ133が一端部を挿入された状態で液密的に取付けられている。この閉塞部材103は、ゴム弾性体102の開口端部に加硫接着されたリング状のかしめ金具134に周縁部をかしめ固定されることにより保持されている。このように取付けられた閉塞部材103によりゴム弾性体102の開口が閉塞され、ゴム弾性体102の内部には、密閉状の主液室135が形成されている。この主液室135には、実施形態1の場合と同様の非圧縮性の液体Lが封入されている。
第2取付部材104は、円形板状に形成されて中央部に円孔142を有する底部141と、底部141の周端から上方に延出する円筒状の筒状部143とからなる有底円筒状の本体部と、軸部の先端側の大部分が外方へ突出するようにして底部141の円孔142に嵌挿固定された取付ボルト146とからなる。平面状に形成された底部141は、第2取付部材104の取付相手部材に対して取付座部となる。筒状部143の所定の部位には、ホース部材105が挿通される挿通孔144が厚さ方向に貫設されている。
この第2取付部材104は、筒状部143の開口端部が閉塞部材103の一方の平面に溶接で接合されることにより、底部141と閉塞部材103が距離を隔てて略平行となりそれらの中心軸線が略同軸となる状態で閉塞部材103と一体化されている。この第2取付部材104は、閉塞部材103がゴム弾性体102の開口端部に設けられたかしめ金具134に周縁部をかしめ固定されることにより、筒状部143の開口端部がゴム弾性体102の開口端部に閉塞部材103を介して連結固定されている。
ホース部材105は、実施形態1と同様の所定の内径と長さをもち可撓性を有するゴムホースである。このホース部材105は、一端が第2取付部材104の挿通孔144に外部から挿通されて閉塞部材103に取付けられた接続パイプ133に液密的に連結固定されるとともに、他端部が第2取付部材104の外部に延出して車体フレーム(図示せず)に設けられたホルダ150に液体室135よりも上方に位置する状態に保持されている。これにより、ホース部材105は、防振装置本体部の外部に大部分が配設されている。
ホース部材105の内孔には、実施形態1と同様に、一端側(主液室135側)に位置する副液室152を兼ねるオリフィス通路151と、他端側に位置する空気室153とが形成されている。副液室152を兼ねるオリフィス通路151は、接続パイプ133を介して主液室135と連通しており、このオリフィス通路151(副液室152)には主液室135と同じ非圧縮性の液体Lが充満されている。空気室153は、ホース部材105の他端側の開口に装着された栓部材154により密閉されている。オリフィス通路151(副液室152)内の液体Lの液面は、主液室135の上端と略同じ位置にあり、その液面と栓部材154との間に空気室153が形成されている。
この空気室153の容積は、振動入力により主液室135からオリフィス通路151(副液室152)に液体Lが流入してオリフィス通路151(副液室152)の容積が増加するのに伴って減少し、逆に、オリフィス通路151(副液室152)から主液室135に液体Lが流出してオリフィス通路151(副液室152)の容積が減少するのに伴って増加することとなる。また、オリフィス通路151(副液室152)の容積が変化するときには、オリフィス通路151(副液室152)内の液体L全体がオリフィス通路151を流動することとなる。
なお、オリフィス通路151を流動する液体Lの共振周波数をチューニングする際のオリフィス通路151の通路長さは、この液体封入式防振装置が車両に搭載されてパワーユニットの分担荷重(1W)が負荷された状態での、接続パイプ133の主液室135側の端面から空気室153側の液面までの長さが標準として採用される。
以上のように構成された本実施形態の液体封入式防振装置は、例えば、第1取付部材101の取付ボルト113をパワーユニット側の取付孔に挿通してナット(図示せず)で緊締することにより第1取付部材101をパワーユニットに連結固定するとともに、第2取付部材104の取付ボルト146を車体側の取付孔に挿通してナット(図示せず)で緊締することにより第2取付部材104を車体側の取付部に連結固定することにより取付けられ、実施形態1の場合と同様にエンジンマウントとして使用される。
そして、エンジンの作動により発生する高周波数領域の振動は、振動入力に基づくゴム弾性体102の弾性作用により吸収されて効果的に減衰される。また、エンジンシェイク等の低周波数領域の振動が発生したときには、振動入力に基づく主液室135の圧力変化に伴って主液室135と副液室152(オリフィス通路151)との間を液体Lが往来することにより副液室152の容積が変化する。この副液室152の容積変化に伴って、副液室152内の液体L全体がオリフィス通路151を流動することとなり、このとき、オリフィス通路151を流動する液体Lが発揮する液柱共振作用により、エンジンシェイク等の低周波数領域の振動は効果的に減衰される。
また、副液室152を兼ねたオリフィス通路151を形成するホース部材105は可撓性を有するゴムホースであるため、オリフィス通路151を流動する液体Lの流動性が良好となる。これにより、オリフィス通路151での液体Lの共振周波数を越えた周波数域に生じる反共振作用が抑制され、その周波数域における著しい高動ばね化が有効に軽減乃至は防止される。
以上のように、本実施形態の液体封入式防振装置は、副液室152を兼ねたオリフィス通路151と空気室153とを有し一端が主液室135に接続され他端部が第2取付部材104の外部に延出して主液室135よりも上方に位置するように保持されたホース部材105を備えていることから、オリフィス通路151の通路長さを充分に長い任意の長さに設定することができるため、目的とする高減衰性能を容易に得ることができる。さらに、副液室152を兼ねたオリフィス通路151を有するホース部材105の大部分が防振装置本体部の外部に設けられていることから、防振装置本体部をコンパクト化することができるなど、実施形態1の場合と同様の効果を奏する。
なお、本実施形態のゴム弾性体102は、一端側が閉口し他端側に開口を有する有底円筒状に形成されたものであるが、この他に、例えば両端が開口する円筒状や角筒状のものを採用することができる。この場合には、一端側の開口が第1取付部材101で閉塞され、他端側の開口が閉塞部材103で閉塞される。
また、本実施形態の第2取付部材104は、円形板状の底部141と円筒状の筒状部143とからなる有底円筒状の本体部を主体として構成されて、その本体部の開口端部が閉塞部材103に固着されて一体化されているが、その形状や構造を種々変更することが可能である。例えば、本体部の開口端部に径方向外方に延出するフランジ部を設けて、そのフランジ部を閉塞部材103の周縁部とともにかしめ金具134でかしめ固定するようにしてもよい。或いは、第2取付部材104として、ゴム弾性体102の開口端面に固着されるリング板状のものを採用することも可能であり、この場合には、その内周部に閉塞部材103を保持する保持金具を設けたり、その外周部にゴム弾性体102の外周よりも外方へ張り出す張出部を設けてその張出部を取付相手部材に連結固定するようにされる。
本発明の実施形態1に係る液体封入式防振装置の断面図である。 本発明の実施形態2に係る液体封入式防振装置の断面図である。
符号の説明
1、101…第1取付部材 2、102…ゴム弾性体
3、104…第2取付部材 4、103…閉塞部材 5、105…ホース部材
11…軸状部 11a…ねじ穴 12…ブロック部 13…フランジ部
21…凹部 22…筒状部 31…内側筒金具 31a…フランジ部
32…外側筒金具 32a…フランジ部 33…筒状金具
33a…かしめ部 33b…ストッパ部 34…脚状ブラケット
36…緩衝ゴム層 37、150…ホルダ 43、133…接続パイプ
45、135…主液室 51、151…オリフィス通路
52、152…副液室 53、153…空気室 54、154…栓部材
111…基板 112…円孔 113、146…取付ボルト
134…かしめ金具 141…底部 142…円孔 143…筒状部
144…挿通孔 L…液体

Claims (5)

  1. 軸状の第1取付部材と、
    該第1取付部材の一端側に固着されたゴム弾性体と、
    該ゴム弾性体の外周に内周が固着された筒状の第2取付部材と、
    該第2取付部材の一方の開口端部内周に周縁部を保持されて前記第2取付部材の一方の開口を閉塞し、前記ゴム弾性体との間に液体が封入された主液室を形成する閉塞部材と、
    一端が前記主液室に接続され他端部が前記第2取付部材の外部に延出して前記主液室よりも上方に位置するように保持され、一端側に形成されて液体が充満された副液室を兼ねるオリフィス通路と他端側に形成される空気室とを有するホース部材と、
    から構成されていることを特徴とする液体封入式防振装置。
  2. 平面状の取付座部を有する第1取付部材と、
    該第1取付部材の前記取付座部に一端側が固着され少なくとも他端側に開口を有する筒状のゴム弾性体と、
    該ゴム弾性体の開口端部に周縁部を保持されて前記開口を閉塞し、前記ゴム弾性体の内部に液体が封入された主液室を形成する閉塞部材と、
    前記ゴム弾性体の前記開口端部に連結固定された第2取付部材と、
    一端が前記主液室に接続され他端部が前記第2取付部材の外部に延出して前記主液室よりも上方に位置するように保持され、一端側に形成されて液体が充満された副液室を兼ねるオリフィス通路と他端側に形成される空気室とを有するホース部材と、
    から構成されていることを特徴とする液体封入式防振装置。
  3. 前記ホース部材は、可撓性を有するゴムホースであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体封入式防振装置。
  4. 前記ホース部材の他端部は、前記第1取付部材又は前記第2取付部材に設けられたホルダに保持されていることを特徴とする請求項1〜3に記載の液体封入式防振装置。
  5. 前記閉塞部材は、前記第2取付部材又は前記ゴム弾性体の開口の少なくとも一部を閉塞するように配置された可動板を有することを特徴とする請求項1〜4に記載の液体封入式防振装置。
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