JP2011063936A - 地盤改良装置および地盤改良方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】改良効率を高めることで、均質で高品質な改良体を造成できるようにした。
【解決手段】地盤改良装置は、攪拌機20を備え、作業機のアーム先端に着脱可能に取り付けられて地盤中を移動し、地盤改良を行うものである。攪拌機20は、作業機のアームのアーム回転軸と平行な回転軸21が正逆回転可能に設けられ、その回転軸21の周面に複数の攪拌翼22、22、…が所定間隔をあけて前記回転軸21の軸方向に向けて螺旋状に配置され、その螺旋状列が複数列配置され、一の螺旋状列の攪拌翼22、22、…とこれに隣り合う他の螺旋状列との攪拌翼22、22、…の位置との位置が、攪拌翼22の回転軌跡を示す投影面上で互いにずれた位置に配置された構成とした。
【選択図】図4
【解決手段】地盤改良装置は、攪拌機20を備え、作業機のアーム先端に着脱可能に取り付けられて地盤中を移動し、地盤改良を行うものである。攪拌機20は、作業機のアームのアーム回転軸と平行な回転軸21が正逆回転可能に設けられ、その回転軸21の周面に複数の攪拌翼22、22、…が所定間隔をあけて前記回転軸21の軸方向に向けて螺旋状に配置され、その螺旋状列が複数列配置され、一の螺旋状列の攪拌翼22、22、…とこれに隣り合う他の螺旋状列との攪拌翼22、22、…の位置との位置が、攪拌翼22の回転軌跡を示す投影面上で互いにずれた位置に配置された構成とした。
【選択図】図4
Description
本発明は、地盤を掘削し、その掘削部分に地盤改良材を添加して掘削土と混合、攪拌することにより地盤改良を行う地盤改良装置および地盤改良方法に関する。
従来、地盤改良施工として、地盤をブロック状あるいは壁状に掘削し、地盤をほぐした状態で、例えば地盤改良材を添加し、ほぐされた地盤とともに混合、攪拌する施工が知られており、このような施工に用いる地盤改良装置として、例えば、特許文献1、2に開示されている。
特許文献1には、油圧式ショベル等の掘削機のアーム先端部に取着可能な台部材から下部両側に支持フレームが垂設され、その間に軸支された回転軸に複数の羽根板(攪拌羽根)が設けられ、その下方または上方に移動可能に土砂掻き寄せ部材が設けられた地盤改良用攪拌機が記載されている。
また、特許文献2には、作業機のアーム先端部に回動可能に取り付けられ、上下フレームと、両サイドフレームとから略矩形状の開口部を形成し、サイドフレームおよび下フレームから開口部の少なくとも一方の開口方向に向けて突設されたビットと、開口部の内側でサイドフレームにそれぞれ直交する方向に延ばされた回転軸とともに回転して地盤を攪拌する攪拌翼とを備えたバケット形状の地盤改良装置であって、そのバケットに設けられた噴射孔から地盤改良材を掘削土中に噴射し、攪拌翼によって混合攪拌しつつ、地盤中を移動し地盤改良を行う地盤改良装置について記載されている。
しかしながら、従来の地盤改良装置では、以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1、2で開示されている地盤改良装置の攪拌翼は、地盤をほぐしながら攪拌することを目的とした形状となっているので、固い地盤にあっては、攪拌翼にかかる回転負荷が増大し、攪拌翼の回転が地盤の抵抗により停止してしまうおそれがあり、改良効率が低下するという問題があることから、その点で改良の余地があった。
すなわち、特許文献1、2で開示されている地盤改良装置の攪拌翼は、地盤をほぐしながら攪拌することを目的とした形状となっているので、固い地盤にあっては、攪拌翼にかかる回転負荷が増大し、攪拌翼の回転が地盤の抵抗により停止してしまうおそれがあり、改良効率が低下するという問題があることから、その点で改良の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、改良効率を高めることで、均質で高品質な改良体を造成できるようにした地盤改良装置および地盤改良方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る地盤改良装置では、作業機のアーム先端に着脱可能に取り付けられて地盤中を移動し、地盤改良を行う地盤改良装置であって、作業機のアーム回転軸と平行な回転軸とともに回転する複数の攪拌翼を備え、複数の攪拌翼は、それぞれが所定間隔をあけて回転軸の軸方向に向けて螺旋状に配置され、その螺旋状列が複数設けられ、一の螺旋状列の攪拌翼とこれに隣り合う他の螺旋状列の攪拌翼との位置が、攪拌翼の回転軌跡を示す投影面上で互いにずれた位置に配置され、攪拌翼は、改良対象地盤と接触する面を螺旋方向に平行に向け、回転軸の回転方向に対して傾斜させて設けたことを特徴としている。
また、本発明に係る地盤改良方法では、上述した地盤改良装置を用いた地盤改良方法であって、地盤改良装置を改良対象地盤中に投入し、攪拌翼を回転させることで改良対象地盤を攪拌するようにしたことを特徴としている。
本発明では、攪拌翼を回転軸の回転方向に対して改良対象地盤(掘削土という)と接触する面を螺旋方向に平行に向けた状態で傾斜させることで、回転方向の作用力を掘削土を裁断する力と掘削土を横移動させる力とに分力化させることができる。そのため、攪拌翼の回転によって、掘削土を回転軸方向に沿って横移動させることができ、さらに螺旋方向に配列された隣り合う攪拌翼同士の間に隙間が設けられているので、掘削土を裁断することができ、これにより均一に混合、攪拌することができる。
また、攪拌翼の回転方向を周期的に変えることで、掘削土に対する裁断方向が交差する二方向となり、掘削土はメッシュ状に裁断されるため、より均一に混合、攪拌することが可能である。
また、攪拌翼の回転方向を周期的に変えることで、掘削土に対する裁断方向が交差する二方向となり、掘削土はメッシュ状に裁断されるため、より均一に混合、攪拌することが可能である。
また、本発明に係る地盤改良装置では、投影面上で隣り合う攪拌翼同士が重なり合うようにして配置されることが好ましい。
本発明では、投影面上で隣り合う攪拌翼同士の間に隙間がない構成となるので、攪拌領域内に取り込まれた回転軸周りの改良対象地盤がその回転軸の周方向のいずれかの位置で少なくとも1つの攪拌翼に接するようになっている。そのため、攪拌翼の回転に伴って横移動されない掘削土の割合が少なくなり、横移動効率を高めることができ、しかも確実な裁断が可能となる。
本発明では、投影面上で隣り合う攪拌翼同士の間に隙間がない構成となるので、攪拌領域内に取り込まれた回転軸周りの改良対象地盤がその回転軸の周方向のいずれかの位置で少なくとも1つの攪拌翼に接するようになっている。そのため、攪拌翼の回転に伴って横移動されない掘削土の割合が少なくなり、横移動効率を高めることができ、しかも確実な裁断が可能となる。
また、本発明に係る地盤改良装置では、互いに離して配置された一対の側板部材を上弦部材および下弦部材により連結して開口部を形成し、上弦部材に作業機のアーム先端に対する取付部を設けた枠部材と、一対の側板部材および下弦部材から開口部の少なくとも一方の開口方向に向けて突設されたビット部とを備え、開口部内に攪拌翼を配置させたものであることが好ましい。
本発明では、一対の側板部材、上弦部材、および下弦部材から構成される枠部材の開口部の少なくとも一方の側で、その開口方向に向けて突設されたビット部を備えるので、地盤に対して、その開口方向から切り込むことで、枠部材に沿うコ字状に区画された領域が切り込まれ、開口部の範囲が掘削される。そして、開口部の内側が良好にほぐされた状態で掘削土が開口部内に移動し、攪拌翼によって攪拌される。そのため、掘削抵抗、攪拌抵抗が低減された状態で、コ字状に区画された一定範囲を効率よく攪拌をすることができる。
本発明では、一対の側板部材、上弦部材、および下弦部材から構成される枠部材の開口部の少なくとも一方の側で、その開口方向に向けて突設されたビット部を備えるので、地盤に対して、その開口方向から切り込むことで、枠部材に沿うコ字状に区画された領域が切り込まれ、開口部の範囲が掘削される。そして、開口部の内側が良好にほぐされた状態で掘削土が開口部内に移動し、攪拌翼によって攪拌される。そのため、掘削抵抗、攪拌抵抗が低減された状態で、コ字状に区画された一定範囲を効率よく攪拌をすることができる。
また、本発明に係る地盤改良装置では、攪拌機の回転軸方向から見て、ビット部の各先端が攪拌翼先端の回転軌跡よりも径方向外側に位置し、且つ、アーム先端で回動動作において、攪拌翼先端の最大回動半径がビット部先端の最大回動半径以下となることがより好ましい。
この発明によれば、ビット部を先端から地盤に切り込む掘削動作において、攪拌翼の先端が、ビット部の各先端で形成される掘削先端面の後流側に位置する。そのため、攪拌翼が、ビット部による掘削の影響を受けない状態の地盤と接触しないため、攪拌翼の損傷と攪拌負荷とを低減することができる。
この発明によれば、ビット部を先端から地盤に切り込む掘削動作において、攪拌翼の先端が、ビット部の各先端で形成される掘削先端面の後流側に位置する。そのため、攪拌翼が、ビット部による掘削の影響を受けない状態の地盤と接触しないため、攪拌翼の損傷と攪拌負荷とを低減することができる。
また、本発明に係る地盤改良装置では 下弦部材に、その長手方向に沿って、流体を噴射する複数の噴射孔が形成されていることが好ましい。
本発明では、複数の噴射孔によって上弦部材および下弦部材の少なくともいずれかの長手方向に沿う方向でバランスよく流体を噴射することができる。そのため、掘削土に噴射される流体の量を長手方向の分布を良好に制御することができる。
本発明では、複数の噴射孔によって上弦部材および下弦部材の少なくともいずれかの長手方向に沿う方向でバランスよく流体を噴射することができる。そのため、掘削土に噴射される流体の量を長手方向の分布を良好に制御することができる。
また、本発明に係る地盤改良装置では、噴射孔から噴射される流体が液状の地盤改良材であり、噴射孔が、攪拌翼に向けて設けられていてもよい。
この発明によれば、噴射孔が攪拌翼に向けて設けられているので、噴射孔から噴射される液状の地盤改良材が、攪拌翼による攪拌翼回転領域に効率的に添加される。そのため、地盤改良材を一定の範囲に必要な量だけ正確に添加して、地盤と混合、攪拌することができる。
この発明によれば、噴射孔が攪拌翼に向けて設けられているので、噴射孔から噴射される液状の地盤改良材が、攪拌翼による攪拌翼回転領域に効率的に添加される。そのため、地盤改良材を一定の範囲に必要な量だけ正確に添加して、地盤と混合、攪拌することができる。
また、本発明に係る地盤改良方法では、攪拌翼による改良対象地盤に対する羽根切回数が1000回/m3以上となるように攪拌することが好ましい。
本発明では、改良対象地盤に土塊が残留し、改良強度にばらつきが生じることをなくすことができ、均質な改良体を造成することができる。
本発明では、改良対象地盤に土塊が残留し、改良強度にばらつきが生じることをなくすことができ、均質な改良体を造成することができる。
また、本発明に係る地盤改良方法では、羽根切回数が所定回数になる毎に、攪拌翼の回転方向を逆方向に切り替えることがより好ましい。
本発明では、攪拌機の回転方向を同一方向への回転だけでなく、正逆回転を所定回転数毎に交互に繰り返すことで、攪拌領域に取り込まれた改良対象地盤が回転軸に沿って横方向に往復移動しながら攪拌され、これにより掘削土がメッシュ状に裁断され、より均質な改良体を造成することができる。また、掘削土が回転軸方向で一方側に片寄ることもなく、これにより回転軸に作用するトルクの増大を抑えることができる。
本発明では、攪拌機の回転方向を同一方向への回転だけでなく、正逆回転を所定回転数毎に交互に繰り返すことで、攪拌領域に取り込まれた改良対象地盤が回転軸に沿って横方向に往復移動しながら攪拌され、これにより掘削土がメッシュ状に裁断され、より均質な改良体を造成することができる。また、掘削土が回転軸方向で一方側に片寄ることもなく、これにより回転軸に作用するトルクの増大を抑えることができる。
本発明の地盤改良装置および地盤改良方法によれば、攪拌翼が配置される攪拌領域に取り込まれた改良対象地盤を、攪拌翼の回転によって回転軸に沿って横移動させつつ裁断することで、均一に混合、攪拌することができ、改良効率が高められることから、均質で高品質な改良体を造成することができる。
以下、本発明の実施の形態による地盤改良装置および地盤改良方法について、図1乃至図11に基づいて説明する。
図1の符号1は、本実施の形態による地盤改良装置2を備えた地盤改良機を示している。
地盤改良装置2は、バックホウ等の作業機3のアーム31の先端にアタッチメントとして装着可能とされ、改良対象地盤(以下、単に「地盤G」という)中を鉛直方向(上下方向)、或いは水平方向に移動させながら、地盤Gを掘削しつつ、その掘削土に地盤改良材を添加して混合、攪拌することにより地盤改良を行うための装置である。この地盤改良装置2では、例えばブロック状、壁状等の形状の領域を効率的に地盤改良を行うことが可能である。
図1の符号1は、本実施の形態による地盤改良装置2を備えた地盤改良機を示している。
地盤改良装置2は、バックホウ等の作業機3のアーム31の先端にアタッチメントとして装着可能とされ、改良対象地盤(以下、単に「地盤G」という)中を鉛直方向(上下方向)、或いは水平方向に移動させながら、地盤Gを掘削しつつ、その掘削土に地盤改良材を添加して混合、攪拌することにより地盤改良を行うための装置である。この地盤改良装置2では、例えばブロック状、壁状等の形状の領域を効率的に地盤改良を行うことが可能である。
ここで、地盤改良材としては、地盤改良の目的に応じて、液状、粉体状などの適宜な薬剤を採用することができ、本実施の形態では例えばセメントミルク等の液状の材料を用いている。
なお、以下の説明では、地盤改良装置2によって掘削された地盤Gと地盤改良材とが混合されたものも統一して「掘削土」という。
なお、以下の説明では、地盤改良装置2によって掘削された地盤Gと地盤改良材とが混合されたものも統一して「掘削土」という。
図1に示すように、地盤改良機1は、アーム31を備えた自走式の作業機3と、そのアーム31の先端に着脱可能に取り付けられた地盤改良装置2とからなる。
作業機3は、バックホウや油圧ショベル等に使用されるベースマシンが採用され、自走式の走行部33を備えた車体32と、走行部33上で車体32を旋回させる旋回部34と、旋回部34の旋回とともに鉛直方向を中心とした回動が可能とされたブーム35と、ブーム35の先端35aを中心に車体32に対して略前後方向に回動するアーム31とを備えて概略構成されている。
ここで、車体32が水平にあるとき、アーム31の回転軸31b(本発明のアーム回転軸に相当する)の軸方向も水平方向となっている。
作業機3は、バックホウや油圧ショベル等に使用されるベースマシンが採用され、自走式の走行部33を備えた車体32と、走行部33上で車体32を旋回させる旋回部34と、旋回部34の旋回とともに鉛直方向を中心とした回動が可能とされたブーム35と、ブーム35の先端35aを中心に車体32に対して略前後方向に回動するアーム31とを備えて概略構成されている。
ここで、車体32が水平にあるとき、アーム31の回転軸31b(本発明のアーム回転軸に相当する)の軸方向も水平方向となっている。
地盤改良装置2は、作業機3を駆動するための駆動機構を用いて駆動され、内部に取り込んだ掘削土を裁断しつつ攪拌する機能を有している。
図2および図3に示すように、地盤改良装置2は、図3に示す正面視で略矩形状に枠組みされたフレーム10(枠部材)と、フレーム10の内側下部に設けられた攪拌機20と、この攪拌機20に回転駆動力を与えるためのモータ30とを備えて概略構成されている。
図2および図3に示すように、地盤改良装置2は、図3に示す正面視で略矩形状に枠組みされたフレーム10(枠部材)と、フレーム10の内側下部に設けられた攪拌機20と、この攪拌機20に回転駆動力を与えるためのモータ30とを備えて概略構成されている。
フレーム10は、一対のサイドフレーム11(11A、11B)(側板部材)と、上フレーム12(上弦部材)と、下フレーム13(下弦部材)とからなる。
図2に示すように、サイドフレーム11A、11Bは、それぞれが一定間隔をもって対向配置され、それぞれが側面視で上から下に向かうにしたがって掘削方向(図2で紙面右側)に向けて漸次滑らかに突出するようにして傾斜する板状部材からなる。この掘削方向端部の傾斜部11aは、下端から上方の略中間位置までの間に形成されている。この傾斜部11aには、掘削方向に向けて先鋭化されたサイドビット14(ビット部)が設けられている。なお、サイドビッド14が形成される高さは、攪拌機20の回転範囲の高さの範囲内となっている。
サイドフレーム11A、11B同士を離間する幅寸法は、例えば1100mmなどと適宜設定することが可能であり、詳しくは後述するが攪拌機20が配置される幅寸法に相当する。
図2に示すように、サイドフレーム11A、11Bは、それぞれが一定間隔をもって対向配置され、それぞれが側面視で上から下に向かうにしたがって掘削方向(図2で紙面右側)に向けて漸次滑らかに突出するようにして傾斜する板状部材からなる。この掘削方向端部の傾斜部11aは、下端から上方の略中間位置までの間に形成されている。この傾斜部11aには、掘削方向に向けて先鋭化されたサイドビット14(ビット部)が設けられている。なお、サイドビッド14が形成される高さは、攪拌機20の回転範囲の高さの範囲内となっている。
サイドフレーム11A、11B同士を離間する幅寸法は、例えば1100mmなどと適宜設定することが可能であり、詳しくは後述するが攪拌機20が配置される幅寸法に相当する。
両サイドフレーム11A、11Bの下端側には、それぞれ攪拌機20を回転させるためのモータ30(30A、30B)が支持されている。そして、サイドフレーム11A、11Bの下端側には、それぞれと直交する方向に延ばされた回転軸21が回転自在に軸支されている。
攪拌機20に回転駆動を与えるモータ30としては、後述する攪拌機20の回転軸21を正逆転自在に回転させるものであればどのようなモータを採用してもよい。例えば、油圧モータや電動モータを採用することができる。なお、モータ30の動力源は、図示しないコネクタを介して作業機3側から供給されている。
また、各サイドフレーム11A、11Bの側面には、モータ30の駆動用配線を収容する配線カバー16や、地盤改良材(流体)を地盤改良装置2の先端(下フレーム13付近)の噴射孔(図示省略)から地盤Gへ向けて噴射させるための地盤改良材供給管17が設けられている。なお、地盤改良材供給管17の供給側の端部は、地盤改良材を供給管17に供給するために作業機3に設けられているミキサやポンプ等の供給部(図示省略)に連結されている。
上述した噴射孔は、噴射流体供給管17から供給される地盤改良材を噴射するためのノズルを備えたものであり、下フレーム13の長手方向に沿って複数形成されている。なお、噴射孔から噴射される地盤改良材の噴射方向は、任意に設定可能であるが、後述する攪拌翼22の攪拌回転領域に向けて噴射されるように設定されることが好ましい。これら複数の噴射孔によって上フレーム12および下フレーム13の少なくともいずれかの長手方向に沿う方向でバランスよく地盤改良材を噴射することができる。そのため、掘削土に噴射される地盤改良材の量を長手方向の分布を良好に制御することができる。
このように、噴射孔が攪拌翼22に向けて設けることで、噴射孔から噴射される液状の地盤改良材が、攪拌翼22による攪拌翼回転領域に効率的に添加される。そのため、地盤改良材を一定の範囲に必要な量だけ正確に添加して、地盤Gと混合、攪拌することができる。
このように、噴射孔が攪拌翼22に向けて設けることで、噴射孔から噴射される液状の地盤改良材が、攪拌翼22による攪拌翼回転領域に効率的に添加される。そのため、地盤改良材を一定の範囲に必要な量だけ正確に添加して、地盤Gと混合、攪拌することができる。
上フレーム12は、サイドフレーム11A、11Bの上端どうしを所定距離だけ離間させた状態で連結している。この上フレーム12は、図1に示す作業機3のアーム31の先端31aに着脱可能な一対の取付ブラケット18(18A、18B)が設けられている。
この各取付ブラケット18は、アーム31に対して図示しない係合ピンを介してアーム31の回転軸方向に平行な回転軸を中心にして回転可能に取り付けられる一対のピン挿通用の係合孔18a、18b(図2参照)を有している。これにより、地盤改良装置2は、作業機3からの操作によってアーム先端31aを中心にして回動運動が可能となっている。
この各取付ブラケット18は、アーム31に対して図示しない係合ピンを介してアーム31の回転軸方向に平行な回転軸を中心にして回転可能に取り付けられる一対のピン挿通用の係合孔18a、18b(図2参照)を有している。これにより、地盤改良装置2は、作業機3からの操作によってアーム先端31aを中心にして回動運動が可能となっている。
下フレーム13は、サイドフレーム11A、11Bの下端部の掘削方向側の先端部を上フレーム12と同幅だけ離間させた状態で連結するもので、上フレーム12と平行に設けられた長尺板状部材からなる。この下フレーム13の掘削方向側の側面には、長手方向にわたり、掘削方向に向けて先鋭化された複数の掘削ビット15、15、…(ビット部)が適宜ピッチで設けられている。
そして、本地盤改良装置2では、攪拌機20の回転軸方向から見て、サイドビット14および掘削ビット15の各先端が攪拌翼22先端の回転軌跡よりも径方向外側に位置し、且つ、アーム先端で回動動作において、攪拌翼22先端の最大回動半径が各ビット14、15先端の最大回動半径以下となっている。つまり、各ビット14、15を先端から地盤Gに切り込む掘削動作において、攪拌翼22の先端が、ビット14、15の各先端で形成される掘削先端面の後流側に位置する。そのため、攪拌翼22が、ビット14、15による掘削の影響を受けない状態の地盤Gと接触しないため、攪拌翼22の損傷と攪拌負荷とを低減することができる。
次に、地盤改良装置2の攪拌機20の構成について図面に基づいて説明する。
ここで、図4および図5は、攪拌翼22の配置状態を説明するために分かり易く表した図であって、上述した図1〜図3および、後述する図6、図7の本実施の形態による攪拌機とは配置が異なっている、
ここで、図4および図5は、攪拌翼22の配置状態を説明するために分かり易く表した図であって、上述した図1〜図3および、後述する図6、図7の本実施の形態による攪拌機とは配置が異なっている、
図1および図4に示すように、攪拌機20は、作業機3のアーム31のアーム回転軸31bと平行な回転軸21が正逆回転可能に設けられ、その回転軸21の周面に複数の攪拌翼22、22、…が所定間隔をあけて前記回転軸21の軸方向に向けて螺旋状に配置され、その螺旋状列が複数列配置され、一の螺旋状列の攪拌翼22、22、…とこれに隣り合う他の螺旋状列との攪拌翼22、22、…の位置との位置が、攪拌翼22の回転軌跡を示す投影面上で互いにずれた位置に配置されている(図6参照)。一つの螺旋状列に配置される各攪拌翼22は、その長手方向が回転軸21を中心とした半径方向に放射状に延びている。
また、各攪拌翼22は、地盤G(掘削土)と接触する板面22aを有する板状をなし、その板面方向を螺旋方向に平行に向け、回転軸21の回転方向に対して所定角度で傾斜させて設けられている。この攪拌翼22の傾斜角θを例えば27度に設定することで、攪拌機20に後述するような掘削土の裁断機能と横移動機能とをもたせることが可能となっている。
そして、攪拌翼22の螺旋方向の配置ピッチは、地盤Gの硬度や、地盤G中の岩石の粒度などに応じて、必要な攪拌性能が得られるように設定することができる。
そして、攪拌翼22の螺旋方向の配置ピッチは、地盤Gの硬度や、地盤G中の岩石の粒度などに応じて、必要な攪拌性能が得られるように設定することができる。
さらに、図6の展開図に示すように、本攪拌機20では、攪拌翼22が4列(22A〜22D)の螺旋状列からなり、4枚の攪拌翼22からなる螺旋状列(22A、22C)と5枚の攪拌翼22からなる螺旋状列(22B、22D)とが交互に配置されており、全部で18枚の攪拌翼22が配置されている。なお、図6に示す破線は、各攪拌翼22における回転軸21上の周方向の軌跡を表している。
また、図7に示すように、攪拌機20では、側面視で全ての攪拌翼22の回転軌跡を示す投影面上において、隣り合う攪拌翼22、22同士が重なり合うように配置されている。
また、図7に示すように、攪拌機20では、側面視で全ての攪拌翼22の回転軌跡を示す投影面上において、隣り合う攪拌翼22、22同士が重なり合うように配置されている。
例えば、攪拌幅(サイドフレーム11A、11B同士の離間)を1100mmとし、1枚の攪拌翼22の翼幅を85mmとし、厚さ寸法を16mmとし、18枚の攪拌翼22を配置することで、図7に示す投影面上で隣り合う攪拌翼22、22同士の間に隙間がない構成となるので、攪拌領域内に取り込まれた回転軸21周りの掘削土がその回転軸21の周方向のいずれかの位置で少なくとも1つの攪拌翼22に接するようになっている。
このように構成される攪拌機20では、図8に示すように、攪拌翼22を回転軸21の回転方向に対して掘削土と接触する面22a(図4、図6参照)を螺旋方向に平行に向けた状態で傾斜させることで、回転方向の作用力F0を掘削土を裁断する力F1と掘削土を横移動させる力F2とに分力化させることができる。そのため、図4に示すように、攪拌翼22の回転によって、掘削土を回転軸方向に沿って矢印E方向に横移動させることができ、螺旋方向に配列された隣り合う攪拌翼22、22同士の間に隙間Sが設けられているので、掘削土を裁断することができる。このように、掘削土を横移動させつつ裁断させることで、均一に混合、攪拌することができる構造となっている。
次に、本実施の形態の地盤改良機1による改良対象地盤Gの攪拌方法とその作用について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、地盤改良機1を用いて地盤改良を行うには、一定の改良エレメントの大きさを設定し、その大きさに応じた地盤改良材の必要量を求めておく。
先ず、掘削を円滑に行える程度に一部の土壌を排土した状態を形成し、図2および図3に示す地盤改良装置2の掘削ビット15を地盤Gに向けて回動させることで、改良エレメントの範囲を掘削する。同時にモータ30によって攪拌機20の攪拌翼22を一方向に回転させ、掘削土を排土することなく、掘削された位置で攪拌する。そして、例えば、羽根切回数に応じた適宜タイミングで、前記噴射孔から、地盤改良材を複数回に分けて噴射する。これにより、必要な攪拌を行うために必要な量の地盤改良材が噴射され、掘削土に混合される。
図1に示すように、地盤改良機1を用いて地盤改良を行うには、一定の改良エレメントの大きさを設定し、その大きさに応じた地盤改良材の必要量を求めておく。
先ず、掘削を円滑に行える程度に一部の土壌を排土した状態を形成し、図2および図3に示す地盤改良装置2の掘削ビット15を地盤Gに向けて回動させることで、改良エレメントの範囲を掘削する。同時にモータ30によって攪拌機20の攪拌翼22を一方向に回転させ、掘削土を排土することなく、掘削された位置で攪拌する。そして、例えば、羽根切回数に応じた適宜タイミングで、前記噴射孔から、地盤改良材を複数回に分けて噴射する。これにより、必要な攪拌を行うために必要な量の地盤改良材が噴射され、掘削土に混合される。
このとき、一対の側板部材、上弦部材、および下弦部材から構成される枠部材の開口部において、その開口方向に向けて突設されたサイドビット14、14と掘削ビット15を備えるので、地盤Gに対して、その開口方向から切り込むことで、フレーム10に沿うコ字状に区画された領域が切り込まれ、開口部の範囲が掘削される。そして、開口部の内側が良好にほぐされた状態で掘削土が開口部内に移動し、攪拌翼22によって攪拌される。そのため、掘削抵抗、攪拌抵抗が低減された状態で、コ字状に区画された一定範囲を効率よく攪拌をすることができる。
ここで、図9に示すように、攪拌機20による掘削土の裁断順序は、攪拌翼22が1回転すると、攪拌翼22による掘削土に対する羽根切回数は18回となり、裁断スライス数は19となる。ここで、図9(a)〜(e)は、攪拌機20が1回転した場合における裁断順序を示しており、図中の符号Tに示す太線および破線は裁断位置を示している。図9(a)は改良前の状態、図9(b)は1列目の4枚の攪拌翼22A(図6参照)が通過した状態、図9(c)は2列目の5枚の攪拌翼22Bが通過した状態、3列目の4枚の攪拌翼22Cが通過した状態、4列目の5枚の攪拌翼22Dが通過した状態を示している。なお、図中の破線は、既に裁断された位置を示している。
したがって、攪拌機20が2回転すると、羽根切回数が36回となり、裁断スライス数は38となる。そして、攪拌機20が56回転すると、羽根切回数1008回となり、裁断スライス数は1064となる。つまり、平均スライス幅は、上述したように攪拌幅(サイドフレーム11A、11B同士の離間)を1100mmとしたとき、1100/1064=1mmとなる。
したがって、攪拌機20が2回転すると、羽根切回数が36回となり、裁断スライス数は38となる。そして、攪拌機20が56回転すると、羽根切回数1008回となり、裁断スライス数は1064となる。つまり、平均スライス幅は、上述したように攪拌幅(サイドフレーム11A、11B同士の離間)を1100mmとしたとき、1100/1064=1mmとなる。
さらに具体的には、図8に示すように、各攪拌翼22の面を螺旋方向に平行に向けた状態で傾斜させた構成であり、回転方向の作用力F0を掘削土を裁断する力F1と掘削土を横移動させる力F2とに分力化させることができるため、図4に示すように攪拌翼22の回転によって、掘削土を回転軸方向に沿って横移動させることができ、さらに螺旋方向に配列された隣り合う攪拌翼22、22同士の間に隙間Sが設けられているので、掘削土を裁断することができ、これにより均一に混合、攪拌することができる。
また、攪拌翼22による掘削土に対する羽根切回数が所定回数になる毎に、攪拌翼22の回転方向を逆方向に切り替えるようにする。つまり、攪拌機22の回転方向を同一方向への回転だけでなく、その回転方向を周期的に変えることで、攪拌領域に取り込まれた掘削土が回転軸21に沿って横方向に往復移動しながら攪拌される。つまり、このとき掘削土に対する裁断方向が交差する二方向となり、掘削土はメッシュ状に裁断されるため、より均一に混合、攪拌することが可能であり、より均質な改良体を造成することができる。また、掘削土が回転軸方向で一方側に片寄ることもなく、これにより回転軸21に作用するトルクの増大を抑えることができる。
また、図6に示す投影面上で隣り合う攪拌翼22、22同士の間に隙間がなく、攪拌領域内に取り込まれた回転軸21周りの掘削土がその回転軸21の周方向のいずれかの位置で少なくとも1つの攪拌翼22に接する構成であることから、攪拌翼22の回転に伴って横移動されない掘削土の割合が少なくなり、横移動効率を高めることができ、しかも確実な裁断が可能となる。
上述のように本実施の形態による地盤改良装置および地盤改良方法では、攪拌翼22が配置される攪拌領域に取り込まれた改良対象地盤を、攪拌翼22の回転によって回転軸21に沿って横移動させつつ裁断することで、均一に混合、攪拌することができ、改良効率が高められることから、均質で高品質な改良体を造成することができる。
次に、上述した実施の形態による地盤改良装置および地盤改良方法の効果を裏付けるために行った試験例(試験例1〜3)について以下説明する。
(試験例1)
試験例1では、上述した地盤改良装置を使用して比重差の大きいロームと籾殻とを混合し、地盤改良装置による混合性能を確認した。
具体的には、埋設水槽に材料毎の層ができるようにロームと籾殻を投入したブロックを6ブロック作成し、ブロック毎に上述した実施の形態と同様の地盤改良機により攪拌混合を行った。6ブロックのうち3ブロックはロームと籾殻の混合率を1:1とし、他の3ブロックはロームと籾殻の混合率を2:1とした。各ブロックのそれぞれの1m3あたりの羽根切回数(回/m3)を300、1000、1400とした。
そして、各羽根切回数後に直径105mmの塩ビ管を挿入してコアを抜き、そのコアを測定し、コア状態(後述する湿潤密度の誤差、変動係数)を算出して混合性能を確認した。コアは、各ブロックにおける所定位置の9箇所が採取され、1箇所当たり上部、中部、下部の3本で、合計27本を測定対象とした。また、それら27本のコアにおいて、上記コア状態のうち湿潤密度の誤差については、最大値、最小値、平均値を図10(a)に示している。
試験例1では、上述した地盤改良装置を使用して比重差の大きいロームと籾殻とを混合し、地盤改良装置による混合性能を確認した。
具体的には、埋設水槽に材料毎の層ができるようにロームと籾殻を投入したブロックを6ブロック作成し、ブロック毎に上述した実施の形態と同様の地盤改良機により攪拌混合を行った。6ブロックのうち3ブロックはロームと籾殻の混合率を1:1とし、他の3ブロックはロームと籾殻の混合率を2:1とした。各ブロックのそれぞれの1m3あたりの羽根切回数(回/m3)を300、1000、1400とした。
そして、各羽根切回数後に直径105mmの塩ビ管を挿入してコアを抜き、そのコアを測定し、コア状態(後述する湿潤密度の誤差、変動係数)を算出して混合性能を確認した。コアは、各ブロックにおける所定位置の9箇所が採取され、1箇所当たり上部、中部、下部の3本で、合計27本を測定対象とした。また、それら27本のコアにおいて、上記コア状態のうち湿潤密度の誤差については、最大値、最小値、平均値を図10(a)に示している。
ここで、図10(a)はロームと籾殻の混合率が1:1の場合における羽根切回数と湿潤密度との関係を示し、図10(b)はロームと籾殻の混合率が2:1の場合における羽根切回数と湿潤密度との関係を示している。図10(a)、(b)に示す縦軸の湿潤密度の誤差(%)は、湿潤密度の理論値(g/cm3)と測定した湿潤密度(g/cm3)との誤差(%)を示している。湿潤密度の理論値は、下記(1)式により算出した。
湿潤密度の理論値(g/cm3)=(ローム重量(g)+籾殻重量(g))/混合後の体積(cm3) ……(1)
また、図11は、羽根切回数と変動係数との関係を示している。図11に示す変動係数(%)は、上記湿潤密度の理論値に対する測定した湿潤密度の変動割合であり、(2)式〜(4)式に基づく。
湿潤密度の理論値(g/cm3)=(ローム重量(g)+籾殻重量(g))/混合後の体積(cm3) ……(1)
また、図11は、羽根切回数と変動係数との関係を示している。図11に示す変動係数(%)は、上記湿潤密度の理論値に対する測定した湿潤密度の変動割合であり、(2)式〜(4)式に基づく。
図10(a)および(b)に示すように、ロームと籾殻との混合比率が1:1に比べて、2:1の方が混合効率が高いことが確認できる。
湿潤密度の誤差(%)の最大値と最小値は、羽根切回数が300回/m3の場合に9.7%〜43.4%の範囲にあり、ばらつきの範囲が広いことがわかる。これに対して、羽根切回数が1000回/m3、1400回/m3の場合には、2.9%〜4.3%の範囲にあり、ばらつきの範囲が狭いことがわかる。
また、湿潤密度の誤差(%)の平均値については、羽根切回数が300回/m3の場合に混合比率1:1と2:1とがそれぞれ6.5%、7.1%となっている。これに対して、羽根切回数が1000回/m3、1400回/m3の場合には、0.11%〜0.72%の範囲にあり、300回/m3の場合に比べて小さくなっている。
湿潤密度の誤差(%)の最大値と最小値は、羽根切回数が300回/m3の場合に9.7%〜43.4%の範囲にあり、ばらつきの範囲が広いことがわかる。これに対して、羽根切回数が1000回/m3、1400回/m3の場合には、2.9%〜4.3%の範囲にあり、ばらつきの範囲が狭いことがわかる。
また、湿潤密度の誤差(%)の平均値については、羽根切回数が300回/m3の場合に混合比率1:1と2:1とがそれぞれ6.5%、7.1%となっている。これに対して、羽根切回数が1000回/m3、1400回/m3の場合には、0.11%〜0.72%の範囲にあり、300回/m3の場合に比べて小さくなっている。
また、図11に示すように、変動係数(%)については、羽根切回数300回/m3の場合に、混合比率1:1と2:1とがそれぞれ21.6%、14.6%となっている。これに対して、羽根切回数1000回/m3、1400回/m3の場合には、1.5〜2.0程度となり、上記300回/m3の場合と比べてばらつきが小さい。
以上により、羽根切回数を1000回/m3以上とすることで、攪拌機の設計理論値を満足する結果が確認できた。
以上により、羽根切回数を1000回/m3以上とすることで、攪拌機の設計理論値を満足する結果が確認できた。
(試験例2)
試験例2では、上述した試験例1のローム、籾殻の混合比率2:1において、羽根切回数(回/m3)300、1000、1400で混合した試料と、比較例としてロームのみ以下「原料ローム」という)の試料とを採取し、40mm(#40)のふるいによって、その残留土塊混入率(%)を測定した。なお、各試料は、それぞれのブロック毎に所定位置で3箇所を採取した。ここで、図12は、羽根切回数と土塊残留率との関係を示している。
その結果、図12に示すように、原料ロームで#40のふるい残留土塊混入率がほぼ35〜40%であり、羽根切回数が300回/m3の場合で8.5%〜16.7%であり、原料ローム、300回/m3の場合共に十分に裁断されずに残留していることが確認できた。これに対し、羽根切回数が1000回/m3、1400回/m3の場合には、#40のふるい残留土塊混入率は0%であり、このときのロームは37.5mm未満の土塊に裁断されていた。
試験例2では、上述した試験例1のローム、籾殻の混合比率2:1において、羽根切回数(回/m3)300、1000、1400で混合した試料と、比較例としてロームのみ以下「原料ローム」という)の試料とを採取し、40mm(#40)のふるいによって、その残留土塊混入率(%)を測定した。なお、各試料は、それぞれのブロック毎に所定位置で3箇所を採取した。ここで、図12は、羽根切回数と土塊残留率との関係を示している。
その結果、図12に示すように、原料ロームで#40のふるい残留土塊混入率がほぼ35〜40%であり、羽根切回数が300回/m3の場合で8.5%〜16.7%であり、原料ローム、300回/m3の場合共に十分に裁断されずに残留していることが確認できた。これに対し、羽根切回数が1000回/m3、1400回/m3の場合には、#40のふるい残留土塊混入率は0%であり、このときのロームは37.5mm未満の土塊に裁断されていた。
(試験例3)
試験例3では、攪拌領域(改良対象地盤)における深度方向のコア強度の変動係数(ばらつき)を確認した。
具体的には、土質がロームからなる改良対象土の、所定の大きさの4ブロックにおいて、地盤改良装置を用いて羽根切回数(回/m3)300、600、1000、1400の4パターンの攪拌を行った。そして、攪拌後において、所定位置の5本のうち1本につき深度方向に5分割で計25本のコアを採取し、変動係数(%)を確認した。ここで、図13は、羽根切回数とコア平均強度(kN/m2)、変動係数との関係を示している。
その結果、図13に示すように、羽根切回数300回/m3、600回/m3での場合に深度方向の変動係数が40%前後となっている。これに対して、羽根切回数1000回/m3、1400回/m3では、概ね25%以下となっており、300回/m3、600回/m3の場合よりも小さくなっている。したがって、1000回/m3以上の羽根切回数で攪拌することが好ましいことがいえる。
試験例3では、攪拌領域(改良対象地盤)における深度方向のコア強度の変動係数(ばらつき)を確認した。
具体的には、土質がロームからなる改良対象土の、所定の大きさの4ブロックにおいて、地盤改良装置を用いて羽根切回数(回/m3)300、600、1000、1400の4パターンの攪拌を行った。そして、攪拌後において、所定位置の5本のうち1本につき深度方向に5分割で計25本のコアを採取し、変動係数(%)を確認した。ここで、図13は、羽根切回数とコア平均強度(kN/m2)、変動係数との関係を示している。
その結果、図13に示すように、羽根切回数300回/m3、600回/m3での場合に深度方向の変動係数が40%前後となっている。これに対して、羽根切回数1000回/m3、1400回/m3では、概ね25%以下となっており、300回/m3、600回/m3の場合よりも小さくなっている。したがって、1000回/m3以上の羽根切回数で攪拌することが好ましいことがいえる。
以上、本発明による地盤改良装置および地盤改良方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では攪拌翼22の枚数を18枚としているが、この数量に限定されることはない。攪拌翼22の大きさ、配置、形状、数量、また螺旋状列の列数、一の螺旋状列における攪拌翼2の数量などの構成は、改良対象地盤の地質や強度、攪拌機の駆動力などに応じて適宜設定することができる。要は、一の螺旋状列の攪拌翼とこれに隣り合う他の螺旋状列の攪拌翼との位置が、攪拌翼の回転軌跡を示す投影面上で互いにずれた位置に配置され、攪拌翼が改良対象地盤と接触する面を螺旋方向に平行に向け、回転軸の回転方向に対して傾斜させた構成であればよいのである。
例えば、本実施の形態では攪拌翼22の枚数を18枚としているが、この数量に限定されることはない。攪拌翼22の大きさ、配置、形状、数量、また螺旋状列の列数、一の螺旋状列における攪拌翼2の数量などの構成は、改良対象地盤の地質や強度、攪拌機の駆動力などに応じて適宜設定することができる。要は、一の螺旋状列の攪拌翼とこれに隣り合う他の螺旋状列の攪拌翼との位置が、攪拌翼の回転軌跡を示す投影面上で互いにずれた位置に配置され、攪拌翼が改良対象地盤と接触する面を螺旋方向に平行に向け、回転軸の回転方向に対して傾斜させた構成であればよいのである。
また、本実施の形態では攪拌機20の回転軸21を軸両端に設けたモータ30A、30Bによって駆動させているが、このような形態に限定されることはない。
さらに、攪拌機20の構成以外の地盤改良装置2の構成、すなわちフレーム4の形状、ビット14、15の取付位置などは任意に設定することができる。
さらに、攪拌機20の構成以外の地盤改良装置2の構成、すなわちフレーム4の形状、ビット14、15の取付位置などは任意に設定することができる。
1 地盤改良機
2 地盤改良装置
3 作業機
4 フレーム(枠部材)
11、11A、11B サイドフレーム(側板部材)
12 上フレーム(上弦部材)
13 下フレーム(下弦部材)
14 サイドビット(ビット部)
15 掘削ビット(ビット部)
20 攪拌機
21 回転軸
22 攪拌翼
30 モータ
31 アーム
31a アーム先端
31b アームの回転軸
G 地盤(改良対象地盤)
2 地盤改良装置
3 作業機
4 フレーム(枠部材)
11、11A、11B サイドフレーム(側板部材)
12 上フレーム(上弦部材)
13 下フレーム(下弦部材)
14 サイドビット(ビット部)
15 掘削ビット(ビット部)
20 攪拌機
21 回転軸
22 攪拌翼
30 モータ
31 アーム
31a アーム先端
31b アームの回転軸
G 地盤(改良対象地盤)
Claims (9)
- 作業機のアーム先端に着脱可能に取り付けられて地盤中を移動し、地盤改良を行う地盤改良装置であって、
前記作業機のアーム回転軸と平行な回転軸とともに回転する複数の攪拌翼を備え、
前記複数の攪拌翼は、それぞれが所定間隔をあけて前記回転軸の軸方向に向けて螺旋状に配置され、
その螺旋状列が複数設けられ、
一の螺旋状列の攪拌翼とこれに隣り合う他の螺旋状列の攪拌翼との位置が、前記攪拌翼の回転軌跡を示す投影面上で互いにずれた位置に配置され、
前記攪拌翼は、改良対象地盤と接触する面を螺旋方向に平行に向け、前記回転軸の回転方向に対して傾斜させて設けたことを特徴とする地盤改良装置。 - 前記投影面上で前記隣り合う攪拌翼同士が重なり合うようにして配置されることを特徴とする請求項1に記載の地盤改良装置。
- 互いに離して配置された一対の側板部材を上弦部材および下弦部材により連結して開口部を形成し、前記上弦部材に前記作業機のアーム先端に対する取付部を設けた枠部材と、
一対の前記側板部材および前記下弦部材から前記開口部の少なくとも一方の開口方向に向けて突設されたビット部と、
を備え、
前記開口部内に前記攪拌翼を配置させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の地盤改良装置。 - 前記攪拌機の回転軸方向から見て、前記ビット部の各先端が前記攪拌翼先端の回転軌跡よりも径方向外側に位置し、且つ、前記アーム先端で回動動作において、前記攪拌翼先端の最大回動半径が前記ビット部先端の最大回動半径以下となることを特徴とする請求項3に記載の地盤改良装置。
- 前記下弦部材に、その長手方向に沿って、流体を噴射する複数の噴射孔が形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の地盤改良装置。
- 前記噴射孔から噴射される流体が液状の地盤改良材であり、
前記噴射孔が、前記攪拌翼に向けて設けられていることを特徴とする請求項5に記載の地盤改良装置。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載の前記地盤改良装置を用いた地盤改良方法であって、
前記地盤改良装置を改良対象地盤中に投入し、前記攪拌翼を回転させることで前記改良対象地盤を攪拌するようにしたことを特徴とする地盤改良方法。 - 前記攪拌翼による前記改良対象地盤に対する羽根切回数が1000回/m3以上となるように攪拌することを特徴とする請求項7に記載の地盤改良方法。
- 前記羽根切回数が所定回数になる毎に、前記攪拌翼の回転方向を逆方向に切り替えることを特徴とする請求項7又は8に記載の地盤改良方法。
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Effective date: 20130903 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |