JP2011063713A - 予備重合触媒成分および予備重合触媒成分の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶融時の成形性が高く、成形して得られるフィルムのフィッシュアイが少ない、エチレン−α−オレフィン共重合体を与える、予備重合触媒成分、および該予備重合触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】固体触媒成分の存在下、オレフィンを予備重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分であって、前記オレフィンを予備重合して得られる予備重合体が、以下の(a)〜(d)の要件を全て満たすエチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分。
(a)極限粘度が1dl/g以上5dl/g以下
(b)炭素原子1000個当りの短鎖分岐(SCB)の値が、5以上30以下
(c)Mw/Mnが7以上15以下
(d)Mz/Mwが5以上15以下
【選択図】なし
【解決手段】固体触媒成分の存在下、オレフィンを予備重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分であって、前記オレフィンを予備重合して得られる予備重合体が、以下の(a)〜(d)の要件を全て満たすエチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分。
(a)極限粘度が1dl/g以上5dl/g以下
(b)炭素原子1000個当りの短鎖分岐(SCB)の値が、5以上30以下
(c)Mw/Mnが7以上15以下
(d)Mz/Mwが5以上15以下
【選択図】なし
Description
本発明は、予備重合触媒成分の製造方法、該製造方法により製造された予備重合触媒成分、および該予備重合触媒成分を用いるエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法に関するものである。
オレフィンの気相重合法としては、流動床反応器に固体状触媒とオレフィンとを供給し、流動床においてオレフィンを重合して、粒子状の重合体を得る方法が主に用いられている。気相重合法は、液相重合法に比べ、重合後の重合体析出工程および重合体分離工程などを必要としないため、製造プロセスを簡略化あるいは、製造コストを低減できることが知られている。該気相重合法に用いる固体状触媒の一成分として、一般に、固体触媒成分の存在下でオレフィンを予備重合した、いわゆる予備重合触媒成分が用いられている。
また、食品、医薬品、日用雑貨などの包装に用いられる包装材には、エチレン系樹脂を押出成形して得られるフィルムやシートが多く用いられている。エチレン系樹脂において、エチレンとα−オレフィンとの直鎖状の共重合体、いわゆる直鎖状低密度ポリエチレンは、高圧法低密度ポリエチレンに比べて衝撃強度に優れる。そのため、直鎖状低密度ポリエチレンからなる包装材は、高圧法低密度ポリエチレンからなる包装材よりも薄肉とすることが可能である。
一方、直鎖状低密度ポリエチレンは、高圧法低密度ポリエチレンに比べて溶融成形性に劣ることがあり、これを改善するために、例えば、予備重合によって超高分子量のエチレン重合体を調製し、その予備重合触媒成分を用いてエチレンとα−オレフィンを共重合することにより、溶融成形性が改善された、少量の超高分子量重合体を含有するエチレン−α−オレフィン共重合体を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、直鎖状低密度ポリエチレンは、高圧法低密度ポリエチレンに比べて溶融成形性に劣ることがあり、これを改善するために、例えば、予備重合によって超高分子量のエチレン重合体を調製し、その予備重合触媒成分を用いてエチレンとα−オレフィンを共重合することにより、溶融成形性が改善された、少量の超高分子量重合体を含有するエチレン−α−オレフィン共重合体を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上記の予備重合触媒成分の存在下、エチレンとα−オレフィンとを今日重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合体は、溶融時の成形性が高いものの、成形して得られるフィルムのフィッシュアイが多いことがあり、必ずしも十分に満足のいくものではなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、溶融時の成形性が高く、成形して得られるフィルムのフィッシュアイが少ない、エチレン−α−オレフィン共重合体を与える、予備重合触媒成分、および該予備重合触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法を提供することにある。
本発明により、溶融時の成形性が高く、成形して得られるフィルムのフィッシュアイが少ない、エチレン−α−オレフィン共重合体を与える、予備重合触媒成分、および該予備重合触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法を提供することができる。
本発明の第一は、固体触媒成分の存在下、オレフィンを予備重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分であって、前記オレフィンを予備重合して得られる予備重合体が、以下の(a)〜(d)の要件を全て満たすエチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分にかかるものである。
(a)極限粘度が1dl/g以上5dl/g以下
(b)炭素原子1000個当りの短鎖分岐(SCB)の値が、5以上30以下
(c)Mw/Mnが7以上15以下
(d)Mz/Mwが5以上15以下
(a)極限粘度が1dl/g以上5dl/g以下
(b)炭素原子1000個当りの短鎖分岐(SCB)の値が、5以上30以下
(c)Mw/Mnが7以上15以下
(d)Mz/Mwが5以上15以下
本発明の第二は、多段でオレフィンを予備重合して得られる前記エチレン−α−オレフィン共重合用予備触媒成分にかかるものである。
本発明の第三は、前記エチレン−α−オレフィン共重合用予備触媒成分において、予備重合の第一段階重合で生成する予備重合体成分が、以下の要件(1a)および(1b)を満たすエチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分にかかるものである。
(1a)極限粘度が5dl/g以上10dl/g以下
(1b)炭素原子1000個当りの短鎖分岐(SCB)の値が、5以上30以下
(1a)極限粘度が5dl/g以上10dl/g以下
(1b)炭素原子1000個当りの短鎖分岐(SCB)の値が、5以上30以下
本発明の第四は、前記エチレン−α−オレフィン共重合用予備触媒成分において、予備重合の第二段階重合以降で生成する予備重合成分の極限粘度が、予備重合の第一段階重合で生成する予備重合体成分の極限粘度よりも低く、かつ、エチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分中の、予備重合の第一段階重合で生成した予備重合体成分の割合が10wt%以上50wt%以下である、エチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分にかかるものである。
本発明の第五は、予備重合の第一段階重合で生成する予備重合体成分の重合量が、固体触媒成分1gあたり5g以上500g以下である前記エチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分にかかるものである。
本発明の第六は、前記予備重合触媒成分を用いてエチレンとα−オレフィンとを共重合するエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法にかかるものである。
本発明は、固体触媒成分の存在下、オレフィンを予備重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分であって、前記オレフィンを予備重合して得られる予備重合体が、以下の(a)〜(d)の要件を全て満たすエチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分である。
(a)極限粘度が1dl/g以上5dl/g以下
(b)炭素原子1000個当りの短鎖分岐(SCB)の値が、5以上30以下
(c)Mw/Mnが7以上15以下
(d)Mz/Mwが5以上15以下
(a)極限粘度が1dl/g以上5dl/g以下
(b)炭素原子1000個当りの短鎖分岐(SCB)の値が、5以上30以下
(c)Mw/Mnが7以上15以下
(d)Mz/Mwが5以上15以下
予備重合に用いられるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどをあげることができる。これらは1種または2種以上組み合わせて用いることができ、好ましくは、エチレンのみ、あるいはエチレンとα−オレフィンとを併用して、更に好ましくは、エチレンのみ、あるいは1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとエチレンとを併用して用いられる。
予備重合触媒成分中の予備重合体の含有量は、助触媒担体(A)1g当たり、通常0.01〜2000gであり、好ましくは0.05〜1000gであり、より好ましくは0.1〜500gである。
予備重合触媒成分中の予備重合体の極限粘度([η];単位はdl/gである。)は、該予備重合触媒成分を用いて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体のフィッシュアイを少なくする観点から、通常5dl/g以下であり、好ましくは4.7dl/g以下であり、より好ましくは4.5dl/g以下である。また、該極限粘度は、予備重合時に予備重合体が反応器壁面へ付着しにくくする観点から、好ましくは1dl/g以上であり、より好ましくは1.3dl/g以上であり、さらに好ましくは2.0dl/g以上である。
極限粘度を特定の範囲にする方法としては、予備重合において、水素等の分子量調節剤の濃度を調節する方法があげられ、(1)多段階の予備重合を行い、第一段階目の予備重合で、水素濃度ゼロないし低水素濃度で予備重合を開始し、第一段階目で目的とする極限粘度よりも高い極限粘度の重合体を製造した後、高水素濃度で予備重合の第二段階目以降を実施して、第二段階目以降で目的とする極限粘度よりも低い極限粘度の重合体を製造し、予備重合された重合体全体としては、目的とする値の極限粘度を有する重合体となるように水素濃度を調節する方法、(2)目的とする値の極限粘度を有する重合体となるように、予備重合中の水素濃度を所定の濃度に保つ方法、などがあげられる。(1)の方法においては、第二段階目以降で水素濃度を連続的に増加させ、極限粘度を調節してもよい。また、得られるエチレン−α−オレフィン共重合体の溶融成形性を良くする観点から、(1)の方法が好ましい。
極限粘度を特定の範囲にする方法としては、予備重合において、水素等の分子量調節剤の濃度を調節する方法があげられ、(1)多段階の予備重合を行い、第一段階目の予備重合で、水素濃度ゼロないし低水素濃度で予備重合を開始し、第一段階目で目的とする極限粘度よりも高い極限粘度の重合体を製造した後、高水素濃度で予備重合の第二段階目以降を実施して、第二段階目以降で目的とする極限粘度よりも低い極限粘度の重合体を製造し、予備重合された重合体全体としては、目的とする値の極限粘度を有する重合体となるように水素濃度を調節する方法、(2)目的とする値の極限粘度を有する重合体となるように、予備重合中の水素濃度を所定の濃度に保つ方法、などがあげられる。(1)の方法においては、第二段階目以降で水素濃度を連続的に増加させ、極限粘度を調節してもよい。また、得られるエチレン−α−オレフィン共重合体の溶融成形性を良くする観点から、(1)の方法が好ましい。
予備重合触媒成分中の予備重合体の、炭素原子1000個当りの短鎖分岐(SCB)の値は、通常5以上30以下の範囲である。該予備重合触媒成分を用いて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体のフィッシュアイを少なくする観点から、好ましくは7以上であり、さらに好ましくは10以上である。また、予備重合触媒成分の互着や凝集を低減する観点から、好ましくは28以下であり、より好ましくは26以下である。
予備重合触媒成分中の予備重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、7以上15以下であることが好ましい。なお、該分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ測定によってポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とを求め、MwをMnで除した値(Mw/Mn)である。
予備重合触媒成分中の予備重合体の分子量分布(Mz/Mw)は、5以上15以下であることが好ましい。なお、該分子量分布(Mz/Mw)は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ測定によってポリスチレン換算のz平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)とを求め、MzをMwで除した値(Mz/Mw)である。
本発明の予備重合は、多段重合法で行われることが好ましい。
予備重合体成分中の、予備重合の第一段階重合で生成した予備重合体の極限粘度([η];単位はdl/gである。)は、通常5dl/g以上、10dl/g以下の範囲である。該予備重合触媒成分を用いて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体のフィッシュアイを少なくする観点から、好ましくは9.8dl/g以下であり、より好ましくは9.5dl/g以下である。また、該極限粘度は、該予備重合触媒成分を用いて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体の溶融成形性を高める観点から、好ましくは6dl/g以上であり、より好ましくは7dl/g以上である。
予備重合体成分中の、予備重合の第一段階重合で生成した予備重合体の極限粘度([η];単位はdl/gである。)は、通常5dl/g以上、10dl/g以下の範囲である。該予備重合触媒成分を用いて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体のフィッシュアイを少なくする観点から、好ましくは9.8dl/g以下であり、より好ましくは9.5dl/g以下である。また、該極限粘度は、該予備重合触媒成分を用いて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体の溶融成形性を高める観点から、好ましくは6dl/g以上であり、より好ましくは7dl/g以上である。
予備重合の第一段階重合で生成した予備重合体の炭素原子1000個当りの短鎖分岐(SCB)の値は、通常5以上30以下の範囲である。該予備重合触媒成分を用いて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体のフィッシュアイを少なくする観点から、好ましくは7以上であり、さらに好ましくは10以上である。また、予備重合触媒成分の互着や凝集を低減する観点から、好ましくは28以下であり、より好ましくは26以下である。
予備重合の第二段階重合以降で生成した予備重合体成分の極限粘度が、予備重合の第一段階重合で生成した予備重合体成分の極限粘度よりも低いことが好ましい。オレフィン重合用予備重合触媒成分中の、予備重合の第一段階重合で生成した予備重合体成分の割合は、通常10wt%以上、50wt%以下であり、該予備重合触媒成分を用いて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体の溶融成形性を高める観点から、好ましくは15wt%以上であり、より好ましくは20wt%以上である。また、該予備重合触媒成分を用いて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体のフィッシュアイを少なくする観点から、好ましくは45wt%以下であり、より好ましくは40wt%以下である。
予備重合の第一段階重合で生成した予備重合体成分の重合量は、通常、固体触媒成分1gあたり5g以上500g以下である。該予備重合触媒成分を用いて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体の溶融成形性を高める観点から、好ましくは10g以上であり、より好ましくは20g以上である。該予備重合触媒成分を用いて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体のフィッシュアイを少なくする観点から、好ましくは400g以下であり、より好ましくは300g以下である。
予備重合の第一段階重合で生成した予備重合体成分の重合量は、予備重合体と、該予備重合触媒成分を用いて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体との合計を100重量%とするとき、通常0.1wt%以上、5wt%以下である。該予備重合触媒成分を用いて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体の溶融成形性を高める観点から、好ましくは0.3wt%以上であり、より好ましくは0.5wt%以上である。該予備重合触媒成分を用いて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体のフィッシュアイを少なくする観点から、好ましくは5wt%以下であり、より好ましくは3wt%以下である。
予備重合は、通常、スラリー重合法で行われ、該予備重合は、回分式、半回分式、連続式のいずれの方式を用いてもよい。更には、該予備重合は、水素等の連鎖移動剤を添加して行ってもよい。
予備重合をスラリー重合法で行う場合、溶媒としては、通常、飽和炭化水素化合物が用いられ、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等があげられる。これらは単独あるいは2種以上組み合わせて用いられる。飽和炭化水素化合物としては、常圧における沸点が100℃以下のものが好ましく、常圧における沸点が90℃以下のものがより好ましい。好ましい飽和炭化水素化合物溶媒としては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサンが挙げられる。
予備重合をスラリー重合法で行う場合、スラリー濃度としては、溶媒1リットル当たりの固体触媒成分の量が、通常0.1〜600gであり、好ましくは0.5〜300gである。
予備重合するオレフィンの量としては、固体触媒成分1gあたり、0.1〜1000gであることが好ましい。
本発明の予備重合触媒成分に適切な触媒としては、例えば、0.8〜1.4重量%のチタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子および15−50重量%エステル化合物を含有し、BET法による比表面積が80m2/g以下である固体触媒成分を挙げることができる。該固体触媒成分に含まれるエステル化合物としては、重合活性の観点からフタル酸ジアルキルであることが好ましい。該固体触媒成分は、Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(i)の存在下に、下記一般式[I]で表されるチタン化合物(ii)を、有機マグネシウム化合物(iii)で還元して得られる固体成分(a)、ハロゲン化化合物(b)およびフタル酸誘導体(c)の接触生成物として得ることができる。
(上記一般式[I]において、aは1〜20の数を表し、R2は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。X2はそれぞれ、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、全てのX2は同じであっても異なっていてもよい。)
(上記一般式[I]において、aは1〜20の数を表し、R2は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。X2はそれぞれ、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、全てのX2は同じであっても異なっていてもよい。)
Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(i)としては、下記の一般式で表される化合物が挙げられる。
Si(OR10)tR11 4-t 、
R12(R13 2SiO)uSiR14 3 、または、
(R15 2SiO)v
上記一般式において、R10は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R11、R12 、R13、R14およびR15はそれぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子を表す。tは0<t≦4を満足する整数を表し、uは1〜1000の整数を表し、vは2〜1000の整数を表す。
Si(OR10)tR11 4-t 、
R12(R13 2SiO)uSiR14 3 、または、
(R15 2SiO)v
上記一般式において、R10は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R11、R12 、R13、R14およびR15はそれぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子を表す。tは0<t≦4を満足する整数を表し、uは1〜1000の整数を表し、vは2〜1000の整数を表す。
かかる有機ケイ素化合物(i)としては、例えば、テトラメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリエトキシエチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、エトキシトリエチルシラン、テトライソプロポキシシラン、ジイソプロポキシ− ジイソプロピルシラン、テトラプロポキシシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、テトラブトキシシラン、ジブトキシジブチルシラン、ジシクロペントキシジエチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、シクロヘキシロキシトリメチルシラン、フェノキシトリメチルシラン、テトラフェノキシシラン、トリエトキシフェニルシラン、ヘキサメチルジシロヘキサン、ヘキサエチルジシロヘキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、オクタエチルトリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルヒドロポリシロキサン、フェニルヒドロポリシロキサン等が挙げられる。
これらの有機ケイ素化合物(i)のうち、好ましくは一般式Si(OR10)tR11 4 - tで
表わされるアルコキシシラン化合物であり、その場合、tとして好ましくは1≦t≦4を満足する数であり、特に好ましくはt=4のテトラアルコキシシランであり、最も好ましくはテトラエトキシシランである。
表わされるアルコキシシラン化合物であり、その場合、tとして好ましくは1≦t≦4を満足する数であり、特に好ましくはt=4のテトラアルコキシシランであり、最も好ましくはテトラエトキシシランである。
一般式[I]で表されるチタン化合物(ii)のR2は炭素数1〜20の炭化水素基である。R2としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基、プロペニル基等のアリル基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。
これらの炭化水素基のうち、好ましくは炭素数2〜18のアルキル基または炭素数6〜18のアリール基である。更に好ましくは炭素数2〜18の直鎖状アルキル
基である。
これらの炭化水素基のうち、好ましくは炭素数2〜18のアルキル基または炭素数6〜18のアリール基である。更に好ましくは炭素数2〜18の直鎖状アルキル
基である。
一般式[I]で表されるチタン化合物(ii)のX2はそれぞれ、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素オキシ基である。X2におけるハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。特に好ましくは塩素原子である。X2における炭素数1〜20の炭化水素オキシ基は、R2と同様に炭素数1〜20の炭化水素基を有する炭化水素オキシ基である。X2として特に好ましくは、炭素数2〜18の直鎖状アルキル基を有するアルコキシ基である。
上記一般式[I]で表されるチタン化合物(ii)におけるaは1〜20の数であり、好ましくは1≦a≦5を満足する数である。
かかるチタン化合物(ii)としては、例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラn−プロポキシチタン、テトラiso−プロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラiso−ブトキシチタン、n−ブトキシチタントリクロライド、ジn−ブトキシチタンジクロライド、トリn−ブトキシチタンクロライド、ジn−テトライソプロピルポリチタネート(a=2〜10の範囲の混合物)、テトラn−ブチルポリチタネート(a=2〜10の範囲の混合物)、テトラn−ヘキシルポリチタネート(a=2〜10の範囲の混合物)、テトラn−オクチルポリチタネート(a=2〜10の範囲の混合物)が挙げられる。また、テトラアルコキシチタンに少量の水を反応して得られるテトラアルコキシチタンの縮合物を挙げることもできる。
チタン化合物(ii)として好ましくは、上記一般式[I]で表されるチタン化合物におけるaが1、2または4であるチタン化合物である。特に好ましくは、テトラn−ブトキシチタン、テトラn−ブチルチタニウムダイマーまたはテトラn−ブチルチタニウムテトラマーである。なお、チタン化合物(ii)は単独で用いてもよいし、複数種を混合した状態で用いることも可能である。
有機マグネシウム化合物(iii)は、マグネシウム−炭素の結合を有する任意の型の有機マグネシウム化合物である。特に一般式R16MgX5(式中、Mgはマグネシウム原子を表し、R16は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、X5 はハロゲン原子を表わす。)で表わされるグリニャール化合物、または一般式R17R18Mg(式中、Mgはマグネシウム原子を表し、R17およびR18はそれぞれ炭素数1〜20の炭化水素基を表わす。)で表されるジハイドロカルビルマグネシウムが好適に使用される。ここでR17およびR18は同じであっても異なっていてもよい。R16〜R18としてはそれぞれ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソアミル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等の炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基が挙げられる。特にR16MgX5 で表されるグリニャール化合物をエーテル溶液で使用することが重合活性の点から好ましい。
ハロゲン化化合物(b)として、重合活性の観点から、四塩化チタン、メチルジクロロアルミニウム、エチルジクロロアルミニウム、テトラクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ノルマルプロピルトリクロロシランまたはテトラクロロ錫である。ハロゲン化化合物(b)は、上記化合物の中から単独で用いてもよいし、複数種を同時にあるいは逐次的に用いてもよい。
フタル酸誘導体(c)としては例えば、フタル酸ジエチル、フタル酸ジノルマルブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジイソヘプチル、フタル酸ジ( 2−エチルヘキシル) 、フタル酸ジイソデシルを挙げることができる。
本発明の予備重合触媒成分を用いてエチレン−α−オレフィン共重合体を製造する工程は、液相重合法、スラリー重合法、気相重合法、高圧イオン重合法等の公知の重合方法によって、エチレンとα−オレフィンとを共重合することにより製造することもできる。これらの重合法は、回分重合法、連続重合法のいずれでもよい。
本発明の予備重合触媒成分を用いてエチレン・α−オレフィン共重合体を製造する本重合反応の条件は、通常、得られる重合体が溶融する温度以下、好ましくは130℃以下、より好ましくは20〜110℃、特に好ましくは40〜100℃の温度範囲、常圧〜5MPaの圧力の範囲で実施することが好ましい。得られる重合体の溶融流動性を調節する目的で、水素を分子量調節剤として添加して重合することができる。
本発明の予備重合触媒成分を用いて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンに基づく単量体単位とα−オレフィンに基づく単量体単位とを含む共重合体である。該α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等があげられ、これらは単独で用いられていてもよく、2種以上を併用されていてもよい。α−オレフィンとしては、好ましくは、炭素数3〜20のα−オレフィンであり、より好ましくは、炭素数4〜8のα−オレフィンであり、更に好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンである。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、上記のエチレンに基づく単量体単位およびα−オレフィンに基づく単量体単位に加え、本発明の効果を損なわない範囲において、他の単量体に基づく単量体単位を有していてもよい。他の単量体としては、例えば、共役ジエン(例えばブタジエンやイソプレン)、非共役ジエン(例えば1,4−ペンタジエン)、アクリル酸、アクリル酸エステル(例えばアクリル酸メチルやアクリル酸エチル)、メタクリル酸、メタクリル酸エステル(例えばメタクリル酸メチルやメタクリル酸エチル)、酢酸ビニル等があげられる。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体等があげられる。好ましくは、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体である。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体における、エチレンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量(100重量%)に対して、通常、50〜99.5重量%であり、好ましくは、80〜99重量%である。また、α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量(100重量%)に対して、通常、0.5〜50重量%であり、好ましくは、1〜20重量%である。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、必要に応じて、他の樹脂とともに各種成形に使用することができる。他の樹脂としては、本発明のエチレン系樹脂とは異なるエチレン系樹脂が挙げられる。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体には、必要に応じて、公知の添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、無滴剤、顔料、フィラー等があげられる。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、公知の成形方法、例えば、インフレーションフィルム成形法やTダイフィルム成形法などの押出成形法、中空成形法、射出成形法、圧縮成形法などにより、フィルム、シート、ボトル、トレー等に成形される。成形方法としては、押出成形法が好適に用いられる。また、本発明のエチレン系樹脂は、好適にはフィルムに成形されて用いられる。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体を押出成形してフィルムを製造する場合には、例えば160〜220℃に設定した押出機中でエチレン系樹脂を溶融混練し、180〜240℃で設定したサーキュラーダイから押出し、ブローアップ比1〜4でインフレーション成形することができる。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、透明性および衝撃強度に優れ、該エチレン系樹脂を成形してなる成形体は、食品包装や表面保護などの種々の用途に用いられる。
以下、実施例および比較例により本発明を説明する。
実施例および比較例での物性は、次の方法に従って測定した。
実施例および比較例での物性は、次の方法に従って測定した。
(1)極限粘度([η]、単位:dl/g)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)を0.5g/Lの濃度で溶解したテトラリン溶液(以下、ブランク溶液と記す。)と、樹脂を濃度が1mg/mlとなるようにブランク溶液に溶解した溶液(以下、サンプル溶液と記す。)とを調製した。ウベローデ型粘度計により、135℃におけるブランク溶液とサンプル溶液の降下時間を測定した。降下時間から下記式により極限粘度[η]を求めた。
[η]=23.3×log(ηrel)
ηrel=サンプル溶液の降下時間/ブランク溶液の降下時間
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)を0.5g/Lの濃度で溶解したテトラリン溶液(以下、ブランク溶液と記す。)と、樹脂を濃度が1mg/mlとなるようにブランク溶液に溶解した溶液(以下、サンプル溶液と記す。)とを調製した。ウベローデ型粘度計により、135℃におけるブランク溶液とサンプル溶液の降下時間を測定した。降下時間から下記式により極限粘度[η]を求めた。
[η]=23.3×log(ηrel)
ηrel=サンプル溶液の降下時間/ブランク溶液の降下時間
(2)分子量分布(Mw/Mn、Mz/Mw)
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(8)により、z平均分子量(Mz)、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、Mw/MnとMz/Mwを求めた。クロマトグラム上のベースラインは、試料溶出ピークが出現するよりも十分に保持時間が短い安定した水平な領域の点と、溶媒溶出ピークが観測されたよりも十分に保持時間が長い安定した水平な領域の点とを結んでできる直線とした。
(1)装置:Waters製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH6−HT 2本
(3)測定温度:152℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(8)により、z平均分子量(Mz)、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、Mw/MnとMz/Mwを求めた。クロマトグラム上のベースラインは、試料溶出ピークが出現するよりも十分に保持時間が短い安定した水平な領域の点と、溶媒溶出ピークが観測されたよりも十分に保持時間が長い安定した水平な領域の点とを結んでできる直線とした。
(1)装置:Waters製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH6−HT 2本
(3)測定温度:152℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン
(3)短鎖分岐数(SCB)
赤外分光光度計(日本分光株式会社製 FT/IR−480plus)を用いて、赤外分光法により求めた。なお、アルキル分岐の特性吸収は、1378cm−1と1303cm−1のピークを用い、1000炭素当たりの短鎖分岐数(SCB)を求めた。
赤外分光光度計(日本分光株式会社製 FT/IR−480plus)を用いて、赤外分光法により求めた。なお、アルキル分岐の特性吸収は、1378cm−1と1303cm−1のピークを用い、1000炭素当たりの短鎖分岐数(SCB)を求めた。
(4)フィッシュアイ
エチレン−α−オレフィン共重合体に、酸化防止剤(住友化学(株)製 スミライザーGP)1000ppmおよびステアリン酸カルシウム800ppmを配合し、インフレーションフィルム成形機(ランドキャッスル社製、単軸押出機(径15mmφ)、ダイス(ダイ径125mmφ、リップギャップ2.0mm))により、加工温度200℃、押出量150g/hr、フロストライン高さ20mm、ブロー比2.0、フィルム引取速度2.2m/minの加工条件で厚み20μmのインフレーションフィルムを成形した。得られたインフレーションフィルムのフィッシュアイを、目視にて次の通り評価した。
◎: フィッシュアイが非常に少ない
○: フィッシュアイが少ない
×: フィッシュアイが多い
エチレン−α−オレフィン共重合体に、酸化防止剤(住友化学(株)製 スミライザーGP)1000ppmおよびステアリン酸カルシウム800ppmを配合し、インフレーションフィルム成形機(ランドキャッスル社製、単軸押出機(径15mmφ)、ダイス(ダイ径125mmφ、リップギャップ2.0mm))により、加工温度200℃、押出量150g/hr、フロストライン高さ20mm、ブロー比2.0、フィルム引取速度2.2m/minの加工条件で厚み20μmのインフレーションフィルムを成形した。得られたインフレーションフィルムのフィッシュアイを、目視にて次の通り評価した。
◎: フィッシュアイが非常に少ない
○: フィッシュアイが少ない
×: フィッシュアイが多い
実施例1
(1)成分(A1)の調製
(1−1)固体触媒成分の調製
窒素置換した撹拌機、邪魔板を備えた200L反応器に、ヘキサン80L、テトラエトキシシラン20.6kgおよびテトラブトキシチタン2.2kgを投入し、撹拌した。次に、前記攪拌混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液(濃度2.1モル/L)50Lを反応器の温度を5℃に保ちながら4時間かけて滴下した。滴下終了後、5℃で1時間、更に20℃で1時間撹拌し、濾過し、固体成分を得た。次に得られた固体成分をトルエン70Lで3回洗浄し、固体成分にトルエン63Lを加えて、スラリーとした。
撹拌機を備えた内容積210Lの反応器を窒素で置換し、固体成分のトルエンスラリーを該反応器に仕込み、テトラクロロシラン14.4kg、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)9.5kgを投入し、105℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体を、95℃にて、トルエン90Lで3回洗浄した。固体にトルエン63Lを加え、70℃に昇温し、TiCl4 13.0kgを投入し、105℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体を、95℃にて、トルエン90Lで6回洗浄し、更に、室温にて、ヘキサン90Lで2回洗浄した。洗浄後の固体を乾燥して、固体触媒成分を得た。
(1−2)予備重合触媒(XA−1)の調製
内容積5Lの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥し、オートクレーブを真空にし、ブタン1000gおよび1−ブテン200gを仕込み、50℃に昇温した。次に、エチレンを分圧で0.3MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム6.0ミリモル、実施例1(1−1)で生成した固体触媒成分525.1mgをアルゴンによって圧入して重合を開始した。圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給した。ボンベの重量減少量が25gになったところで、水素を0.3MPa導入した。その後さらに圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給し、ボンベの重量減少が25gとなったところで、再び水素を0.3MPa導入した。その後さらに圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給しボンベの重量減少が28gとなったところで、エチレンの供給を停止し、系内をパージした後、アルゴンガスで加圧状態にし、予備重合パウダー(XA−1)を窒素置換したアンプルに回収し、封入した。回収した予備重合パウダーの一部について、極限粘度[η]を測定し、短鎖分岐度をIRで調べたところ、[η]=3.4、1000炭素当たりの短鎖分岐度は24.1であった。
また、同様の実験を行い、最初にボンベが25g重量減少した一段階目でエチレンの供給を停止し、系内をパージした後、アルゴンガスで加圧状態にし、予備重合パウダー(XA−2)を窒素置換したアンプルに回収し、封入した。回収した予備重合パウダーの一部について、極限粘度[η]を測定し、短鎖分岐度をIRで調べたところ、[η]=7.3、1000炭素当たりの短鎖分岐度は20.1であった。
(1)成分(A1)の調製
(1−1)固体触媒成分の調製
窒素置換した撹拌機、邪魔板を備えた200L反応器に、ヘキサン80L、テトラエトキシシラン20.6kgおよびテトラブトキシチタン2.2kgを投入し、撹拌した。次に、前記攪拌混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液(濃度2.1モル/L)50Lを反応器の温度を5℃に保ちながら4時間かけて滴下した。滴下終了後、5℃で1時間、更に20℃で1時間撹拌し、濾過し、固体成分を得た。次に得られた固体成分をトルエン70Lで3回洗浄し、固体成分にトルエン63Lを加えて、スラリーとした。
撹拌機を備えた内容積210Lの反応器を窒素で置換し、固体成分のトルエンスラリーを該反応器に仕込み、テトラクロロシラン14.4kg、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)9.5kgを投入し、105℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体を、95℃にて、トルエン90Lで3回洗浄した。固体にトルエン63Lを加え、70℃に昇温し、TiCl4 13.0kgを投入し、105℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体を、95℃にて、トルエン90Lで6回洗浄し、更に、室温にて、ヘキサン90Lで2回洗浄した。洗浄後の固体を乾燥して、固体触媒成分を得た。
(1−2)予備重合触媒(XA−1)の調製
内容積5Lの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥し、オートクレーブを真空にし、ブタン1000gおよび1−ブテン200gを仕込み、50℃に昇温した。次に、エチレンを分圧で0.3MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム6.0ミリモル、実施例1(1−1)で生成した固体触媒成分525.1mgをアルゴンによって圧入して重合を開始した。圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給した。ボンベの重量減少量が25gになったところで、水素を0.3MPa導入した。その後さらに圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給し、ボンベの重量減少が25gとなったところで、再び水素を0.3MPa導入した。その後さらに圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給しボンベの重量減少が28gとなったところで、エチレンの供給を停止し、系内をパージした後、アルゴンガスで加圧状態にし、予備重合パウダー(XA−1)を窒素置換したアンプルに回収し、封入した。回収した予備重合パウダーの一部について、極限粘度[η]を測定し、短鎖分岐度をIRで調べたところ、[η]=3.4、1000炭素当たりの短鎖分岐度は24.1であった。
また、同様の実験を行い、最初にボンベが25g重量減少した一段階目でエチレンの供給を停止し、系内をパージした後、アルゴンガスで加圧状態にし、予備重合パウダー(XA−2)を窒素置換したアンプルに回収し、封入した。回収した予備重合パウダーの一部について、極限粘度[η]を測定し、短鎖分岐度をIRで調べたところ、[η]=7.3、1000炭素当たりの短鎖分岐度は20.1であった。
(1−3)本重合
内容積5Lの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥し、オートクレーブを真空にし、ブタン1033g、1−ブテン217g、トリエチルアルミニウム6.7ミリモルを仕込み、70℃に昇温した。次に、水素を分圧で0.2MPaとなるように、エチレンを分圧で0.6MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム2.8ミリモル、実施例1(1−2)で生成した予備重合触媒(XA−1)を5.5g、アルゴンによって圧入して重合を開始した。圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給し、70℃で65分間重合を行った。重合により、エチレン−1−ブテン共重合体(以下、エチレン−1−ブテン共重合体(A1)と記す。)を167g得た。
内容積5Lの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥し、オートクレーブを真空にし、ブタン1033g、1−ブテン217g、トリエチルアルミニウム6.7ミリモルを仕込み、70℃に昇温した。次に、水素を分圧で0.2MPaとなるように、エチレンを分圧で0.6MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム2.8ミリモル、実施例1(1−2)で生成した予備重合触媒(XA−1)を5.5g、アルゴンによって圧入して重合を開始した。圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給し、70℃で65分間重合を行った。重合により、エチレン−1−ブテン共重合体(以下、エチレン−1−ブテン共重合体(A1)と記す。)を167g得た。
(2)フィルム加工
エチレン−1−ブテン共重合体(A1)に、酸化防止剤(住友化学(株)製 スミライザーGP)1000ppmおよびステアリン酸カルシウム800ppmを配合し、インフレーションフィルム成形機(ランドキャッスル社製、単軸押出機(径15mmφ)、ダイス(ダイ径125mmφ、リップギャップ2.0mm))により、加工温度200℃、押出量150g/hr、フロストライン高さ20mm、ブロー比2.0、フィルム引取速度2.2m/minの加工条件で厚み20μmのインフレーションフィルムを成形した。得られたフィルムのフィッシュアイの目視評価は◎であった。
エチレン−1−ブテン共重合体(A1)に、酸化防止剤(住友化学(株)製 スミライザーGP)1000ppmおよびステアリン酸カルシウム800ppmを配合し、インフレーションフィルム成形機(ランドキャッスル社製、単軸押出機(径15mmφ)、ダイス(ダイ径125mmφ、リップギャップ2.0mm))により、加工温度200℃、押出量150g/hr、フロストライン高さ20mm、ブロー比2.0、フィルム引取速度2.2m/minの加工条件で厚み20μmのインフレーションフィルムを成形した。得られたフィルムのフィッシュアイの目視評価は◎であった。
実施例2
(1)成分(A2)の調製
(1−2)本重合
内容積5Lの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥し、オートクレーブを真空にし、ブタン1033g、1−ブテン217g、トリエチルアルミニウム6.7ミリモルを仕込み、70℃に昇温した。次に、水素を分圧で0.2MPaとなるように、エチレンを分圧で0.6MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム2.8ミリモル、実施例1(1−2)で生成した予備重合触媒(XA−1)を10.7g、アルゴンによって圧入して重合を開始した。圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給し、70℃で60分間重合を行った。重合により、エチレン−1−ブテン共重合体(以下、エチレン−1−ブテン共重合体(A2)と記す。)を171g得た。
(1)成分(A2)の調製
(1−2)本重合
内容積5Lの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥し、オートクレーブを真空にし、ブタン1033g、1−ブテン217g、トリエチルアルミニウム6.7ミリモルを仕込み、70℃に昇温した。次に、水素を分圧で0.2MPaとなるように、エチレンを分圧で0.6MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム2.8ミリモル、実施例1(1−2)で生成した予備重合触媒(XA−1)を10.7g、アルゴンによって圧入して重合を開始した。圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給し、70℃で60分間重合を行った。重合により、エチレン−1−ブテン共重合体(以下、エチレン−1−ブテン共重合体(A2)と記す。)を171g得た。
(2)フィルム加工
エチレン−1−ブテン共重合体(A1)に替えてエチレン−1−ブテン共重合体(A2)を用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、厚み20μmのインフレーションフィルムを成形した。得られたフィルムのフィッシュアイの目視評価は◎であった。
エチレン−1−ブテン共重合体(A1)に替えてエチレン−1−ブテン共重合体(A2)を用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、厚み20μmのインフレーションフィルムを成形した。得られたフィルムのフィッシュアイの目視評価は◎であった。
実施例3
(1)成分(A3)の調製
(1−1)予備重合触媒(XA−3)の調製
内容積5Lの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥し、オートクレーブを真空にし、ブタン1050gおよび1−ブテン150gを仕込み、50℃に昇温した。次に、エチレンを分圧で0.3MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム6.0ミリモル、実施例1(1−1)で生成した固体触媒成分481.5mgをアルゴンによって圧入して重合を開始した。圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給した。ボンベの重量減少量が25gになったところで、水素を0.3MPa導入した。その後さらに圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給し、ボンベの重量減少が25gとなったところで、再び水素を0.3MPa導入した。その後さらに圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給しボンベの重量減少が24gとなったところで、エチレンの供給を停止し、系内をパージした後、アルゴンガスで加圧状態にし、予備重合パウダーを窒素置換したアンプルに回収し、封入した。回収した予備重合パウダー(XA−3)の一部について、極限粘度[η]を測定し、短鎖分岐度をIRで調べたところ、[η]=4.0、1000炭素当たりの短鎖分岐度は16.0であった。
また、同様の実験を行い、最初にボンベが25g重量減少した一段階目でエチレンの供給を停止し、系内をパージした後、アルゴンガスで加圧状態にし、予備重合パウダー(XA−4)を窒素置換したアンプルに回収し、封入した。回収した予備重合パウダーの一部について、極限粘度[η]を測定し、短鎖分岐度をIRで調べたところ、[η]=9.0、1000炭素当たりの短鎖分岐度は12.2であった。
(1)成分(A3)の調製
(1−1)予備重合触媒(XA−3)の調製
内容積5Lの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥し、オートクレーブを真空にし、ブタン1050gおよび1−ブテン150gを仕込み、50℃に昇温した。次に、エチレンを分圧で0.3MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム6.0ミリモル、実施例1(1−1)で生成した固体触媒成分481.5mgをアルゴンによって圧入して重合を開始した。圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給した。ボンベの重量減少量が25gになったところで、水素を0.3MPa導入した。その後さらに圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給し、ボンベの重量減少が25gとなったところで、再び水素を0.3MPa導入した。その後さらに圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給しボンベの重量減少が24gとなったところで、エチレンの供給を停止し、系内をパージした後、アルゴンガスで加圧状態にし、予備重合パウダーを窒素置換したアンプルに回収し、封入した。回収した予備重合パウダー(XA−3)の一部について、極限粘度[η]を測定し、短鎖分岐度をIRで調べたところ、[η]=4.0、1000炭素当たりの短鎖分岐度は16.0であった。
また、同様の実験を行い、最初にボンベが25g重量減少した一段階目でエチレンの供給を停止し、系内をパージした後、アルゴンガスで加圧状態にし、予備重合パウダー(XA−4)を窒素置換したアンプルに回収し、封入した。回収した予備重合パウダーの一部について、極限粘度[η]を測定し、短鎖分岐度をIRで調べたところ、[η]=9.0、1000炭素当たりの短鎖分岐度は12.2であった。
(1−2)本重合
内容積5Lの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥し、オートクレーブを真空にし、ブタン1033g、1−ブテン217g、トリエチルアルミニウム6.7ミリモルを仕込み、70℃に昇温した。次に、水素を分圧で0.2MPaとなるように、エチレンを分圧で0.6MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム2.8ミリモル、(1−1)で生成した予備重合触媒(XA−3)を4.6g、アルゴンによって圧入して重合を開始した。圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給し、70℃で90分間重合を行った。重合により、エチレン−1−ブテン共重合体(以下、エチレン系樹脂(A3)と記す。)を163g得た。
(2)フィルム加工
エチレン−1−ブテン共重合体(A1)に替えてエチレン−1−ブテン共重合体(A3)を用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、厚み20μmのインフレーションフィルムを成形した。得られたフィルムのフィッシュアイの目視評価は○であった。
内容積5Lの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥し、オートクレーブを真空にし、ブタン1033g、1−ブテン217g、トリエチルアルミニウム6.7ミリモルを仕込み、70℃に昇温した。次に、水素を分圧で0.2MPaとなるように、エチレンを分圧で0.6MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム2.8ミリモル、(1−1)で生成した予備重合触媒(XA−3)を4.6g、アルゴンによって圧入して重合を開始した。圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給し、70℃で90分間重合を行った。重合により、エチレン−1−ブテン共重合体(以下、エチレン系樹脂(A3)と記す。)を163g得た。
(2)フィルム加工
エチレン−1−ブテン共重合体(A1)に替えてエチレン−1−ブテン共重合体(A3)を用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、厚み20μmのインフレーションフィルムを成形した。得られたフィルムのフィッシュアイの目視評価は○であった。
実施例4
(1)本重合
内容積5Lの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥し、オートクレーブを真空にし、ブタン1033g、1−ブテン217g、トリエチルアルミニウム6.7ミリモルを仕込み、70℃に昇温した。次に、水素を分圧で0.2MPaとなるように、エチレンを分圧で0.6MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム2.8ミリモル、(1−1)で生成した予備重合触媒(XA−3)を4.6g、アルゴンによって圧入して重合を開始した。圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給し、70℃で30分間重合を行った。重合により、エチレン−1−ブテン共重合体(以下、エチレン系樹脂(A4)と記す。)を88g得た。同様の実験を2回行い、合計174gの重合体(A4)を得た。
(1)本重合
内容積5Lの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥し、オートクレーブを真空にし、ブタン1033g、1−ブテン217g、トリエチルアルミニウム6.7ミリモルを仕込み、70℃に昇温した。次に、水素を分圧で0.2MPaとなるように、エチレンを分圧で0.6MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム2.8ミリモル、(1−1)で生成した予備重合触媒(XA−3)を4.6g、アルゴンによって圧入して重合を開始した。圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給し、70℃で30分間重合を行った。重合により、エチレン−1−ブテン共重合体(以下、エチレン系樹脂(A4)と記す。)を88g得た。同様の実験を2回行い、合計174gの重合体(A4)を得た。
(2)フィルム加工
エチレン−1−ブテン共重合体(A1)に替えてエチレン−1−ブテン共重合体(A4)を用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、厚み20μmのインフレーションフィルムを成形した。得られたフィルムのフィッシュアイの目視評価は○であった。
エチレン−1−ブテン共重合体(A1)に替えてエチレン−1−ブテン共重合体(A4)を用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、厚み20μmのインフレーションフィルムを成形した。得られたフィルムのフィッシュアイの目視評価は○であった。
比較例1
(1−2)本重合
内容積5Lの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥し、オートクレーブを真空にし、ブタン1033g、1−ブテン217g、トリエチルアルミニウム6.7ミリモルを仕込み、70℃に昇温した。次に、水素を分圧で0.2MPaとなるように、エチレンを分圧で0.6MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム2.8ミリモル、実施例1で生成した予備重合触媒(XA−2)を1.5g、アルゴンによって圧入して重合を開始した。圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給し、70℃で180分間重合を行った。重合により、エチレン−1−ブテン共重合体(以下、エチレン系樹脂(B1)と記す。)を134g得た。
(2)フィルム加工
エチレン−1−ブテン共重合体(A1)に替えてエチレン−1−ブテン共重合体(B1)を用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、厚み20μmのインフレーションフィルムを成形した。得られたフィルムのフィッシュアイの目視評価は×であった。
(1−2)本重合
内容積5Lの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥し、オートクレーブを真空にし、ブタン1033g、1−ブテン217g、トリエチルアルミニウム6.7ミリモルを仕込み、70℃に昇温した。次に、水素を分圧で0.2MPaとなるように、エチレンを分圧で0.6MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム2.8ミリモル、実施例1で生成した予備重合触媒(XA−2)を1.5g、アルゴンによって圧入して重合を開始した。圧力が一定となるようにエチレンをボンベより連続して供給し、70℃で180分間重合を行った。重合により、エチレン−1−ブテン共重合体(以下、エチレン系樹脂(B1)と記す。)を134g得た。
(2)フィルム加工
エチレン−1−ブテン共重合体(A1)に替えてエチレン−1−ブテン共重合体(B1)を用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、厚み20μmのインフレーションフィルムを成形した。得られたフィルムのフィッシュアイの目視評価は×であった。
Claims (6)
- 固体触媒成分の存在下、オレフィンを予備重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分であって、前記オレフィンを予備重合して得られる予備重合体が、以下の(a)〜(d)の要件を全て満たすエチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分。
(a)極限粘度が1dl/g以上5dl/g以下
(b)炭素原子1000個当りの短鎖分岐(SCB)の値が、5以上30以下
(c)Mw/Mnが7以上15以下
(d)Mz/Mwが5以上15以下 - 多段でオレフィンを予備重合して得られる請求項1に記載のエチレン−α−オレフィン共重合用予備触媒成分。
- 請求項2に記載のエチレン−α−オレフィン共重合用予備触媒成分において、予備重合の第一段階重合で生成する予備重合体成分が、以下の要件(1a)および(1b)を満たすエチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分。
(1a)極限粘度が5dl/g以上10dl/g以下
(1b)炭素原子1000個当りの短鎖分岐(SCB)の値が、5以上30以下 - 請求項2または3に記載のエチレン−α−オレフィン共重合用予備触媒成分において、予備重合の第二段階重合以降で生成する予備重合成分の極限粘度が、予備重合の第一段階重合で生成する予備重合体成分の極限粘度よりも低く、かつ、エチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分中の、予備重合の第一段階重合で生成した予備重合体成分の割合が10wt%以上50wt%以下である、エチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分。
- 予備重合の第一段階重合で生成する予備重合体成分の重合量が、固体触媒成分1gあたり5g以上500g以下である請求項1〜4のいずれかに記載のエチレン−α−オレフィン共重合用予備重合触媒成分。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の予備重合触媒成分を用いてエチレンとα−オレフィンとを共重合するエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法。
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