JP2011063118A - ハイルーフ車両のルーフ補強構造 - Google Patents

ハイルーフ車両のルーフ補強構造 Download PDF

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Tetsuji Shibata
哲治 柴田
Kenji Kono
健司 河野
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Abstract

【課題】ハイルーフ車両におけるルーフ部のロールオーバー強度を効率よく高めることができるハイルーフ車両のルーフ補強構造を提供する。
【解決手段】ハイルーフ車両のルーフパネル15の車内側面に沿って配設されたルーフレインホース部材40の両端末部が左右の両ルーフサイドレール部材30に連結される。左右の両ルーフサイドレール部材30の間には、ルーフ部を補強するパイプ材よりなるクロス部材50が横断面形状を変形させることなくブラケット装置60を介して車幅方向に位置調整可能に架設される。クロス部材50は、物品が載置可能な間隔を前後方向に隔てて複数配設されている。
【選択図】図1

Description

この発明はハイルーフ車両のルーフ補強構造に関する。
従来、大型バス、小型バス、マイクロバス等のハイルーフ車両においては、左右の両ルーフサイドレール部材からルーフパネルの頂部までの高さが乗用車等に比べて高く設定されている。
このようなハイルーフ車両においては、例えば、特許文献1に開示されている。
これにおいては、ルーフパネルの車内側面に沿って配設されたルーフレインホース部材の左右両端部近傍はルーフパネルの車内側面に沿って湾曲され、両端末部が左右の両ルーフサイドレール部材に連結されている。
また、前方へ漸次ルーフ高が低くなる運転室の上方に位置する前側部分においては、左右の両ルーフサイドレール部材の間にパイプ材が架設されている。このパイプ材は、その両端部に圧潰された板状部が左右の両ルーフサイドレール部材から延出されたブラケットにボルト、ナットによって締結される。
特開平9−254815号公報
ところで、特許文献1に開示されたものにおいては、パイプ材の両端部の圧潰された板状部は、同パイプ材の一般部(板状部以外の部分)よりも強度が低下する。
このため、ハイルーフ車両のロールオーバ時等において、ルーフパネルの側部の横方向に荷重が作用すると、パイプ材の両端部の板状部に前記荷重が集中的に作用する場合がある。これによってパイプ材の両端部の板状部が座屈変形され、ルーフ部の変形量が大きくなることが想定される。
この発明の目的は、前記問題点に鑑み、ハイルーフ車両におけるルーフ部のロールオーバー強度を効率よく高めることができるハイルーフ車両のルーフ補強構造を提供することである。
前記課題を解決するために、この発明の請求項1に係るハイルーフ車両のルーフ補強構造は、ハイルーフ車両のルーフパネルの車内側面に沿って配設されたルーフレインホース部材の両端末部が左右の両ルーフサイドレール部材に連結されたハイルーフ車両のルーフ補強構造であって、
前記左右の両ルーフサイドレール部材の間には、ルーフ部を補強するパイプ材よりなるクロス部材が横断面形状を変形させることなくブラケット装置を介して車幅方向に位置調整可能に架設され、
前記クロス部材は、物品が載置可能な間隔を前後方向に隔てて複数配設されていることを特徴とする。
前記構成によると、左右の両ルーフサイドレール部材の間に、パイプ材よりなるクロス部材が横断面形状を変形させることなく架設されることで、パイプ材の両端部が圧潰された構造のものと比べ、ルーフ部のロールオーバー強度を効率よく高めることができる。
また、クロス部材をブラケット装置を介して車幅方向に位置調整可能とすることで、左右の両ルーフサイドレール部材の間の間隔寸法やクロス部材の長さ寸法にばらつきがあったとしても左右の両ルーフサイドレール部材の間にクロス部材をブラケット装置を介して容易に架設することができる。
さらに、クロス部材を、物品が載置可能な間隔を前後方向に隔てて複数配設することで、ロールオーバー強度をより一層高めることができると共に、物品を載置するための専用の部材を配置する必要がなく、この分だけ、部品点数や組付工数を削減することができる。
請求項2に係るハイルーフ車両のルーフ補強構造は、請求項1に記載のハイルーフ車両のルーフ補強構造であって、
複数のクロス部材は、運転室上方に配置され、
前記複数のクロス部材上には、物品としての空調ユニットが載置されていることを特徴とする。
前記構成によると、運転室上方に複数のクロス部材を配置し、これら複数のクロス部材上に空調ユニットを載置して装着することによって、運転室上方に位置するルーフパネルの下面の複数箇所に空調ユニットを吊り下げ状に取り付ける複数のブラケットを配設する必要がないため、部品点数や組付工数を削減してコスト低減を図ることが可能となる。
この発明の実施例1に係るルーフ補強構造を採用したハイルーフ車両の骨格フレームを簡略化して示す斜視図である。 同じくルーフサイドレール部材とルーフレインホース部材とクロス部材との関係を示す斜視図である。 同じくルーフサイドレール部材にクロス部材を取り付けるブラケット装置の固定ブラケットと調整ブラケットとを分離した状態を示す斜視図である。 同じく複数のクロス部材上に物品としての空調ユニットを装着した状態を簡略化して示す説明図である。
この発明を実施するための最良の形態について実施例にしたがって説明する。
この発明の実施例1を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、ハイルーフ車両(大型バス、小型バス、マイクロバス等)の骨格フレームのうち、両サイドフレーム部を構成するために、車両フロアの左右の両サイド部の前後方向に所定間隔を隔てて各複数のピラー10が立設されている。これら左右の各複数のピラー10の上端部に跨って左右の両ルーフサイドレール部材30が配設されている。
一方、ルーフパネル15の車内側面には、横断面ハット形の複数のルーフレインホース部材40が前後方向に所定間隔を隔てて配設されている。
これら複数のルーフレインホース部材40は、ルーフパネル15の横断面形状に沿って湾曲に形成され、これら複数のルーフレインホース部材40のうち、所要数のルーフレインホース部材40はピラー10の配設位置に対応して配設されている。
そして、各ルーフレインホース部材40の両端末部が端末ブラケット45によって左右の両ルーフサイドレール部材30に連結されることでハイルーフ車両のルーフ部を補強するようになっている。
また、運転室の上方に位置するルーフパネル15の前側部分は、前端縁に向けてしだいに低くなる湾曲面に形成されている。これに対応して複数のルーフレインホース部材40のうち、運転室の上方に位置するルーフレインホース部材40aが他のルーフレインホース部材40よりも低く形成されている。
なお、ルーフサイドレール部材30は、レールインナパネル31とレールアウタパネル32とがそれぞれのフランジにおいてスポット溶接されることで中空の閉じ断面に形成される(図2参照)。
図1と図2に示すように、左右の両ルーフサイドレール部材30の間には、ルーフ部を補強するパイプ材よりなるクロス部材50が横断面形状を変形させることなくブラケット装置60を介して車幅方向に位置調整可能に架設されている。
図3に示すように、ブラケット装置60は、固定ブラケット61と、この固定ブラケット61に長孔67と締結ボルト68によって車幅方向に位置調整可能に締結される調整ブラケット65とを備えている。
図2と図3に示すように、固定ブラケット61は、ルーフサイドレール部材30のレールインナパネル31に溶接、ボルト等によって固定される。
また、固定ブラケット61は、中央部にクロス部材50の外周面に沿って半円弧状に形成された覆い部61aと、この覆い部61aの円弧の両端から張り出された両取付フランジ62とを一体に有している。そして、両取付フランジ62の端部には、レールインナパネル31に溶接、ボルト等によって固定される固定片62aが折り曲げ形成されている。
さらに、両取付フランジ62には、締結ボルト68の雄ねじ部がねじ込まれる各複数のナット64が配設される。なお、ナット64は、取付フランジ62の板面に溶接によって固着されることが締結作業上好ましい。
図3に示すように、調整ブラケット65は、中央部にクロス部材50の外周面に沿って半円弧状に形成されてクロス部材50の端部外周面に溶接によって一体に固着される覆い部65aと、この覆い部65aの円弧の両端から張り出された両取付フランジ66とを一体に有している。さらに、両取付フランジ66には、締結ボルト68の雄ねじ部が挿通されかつ車幅方向に長い各複数の長孔67が形成されている。
そして、締結ボルト68の雄ねじ部が調整ブラケット65の両取付フランジ66の各長孔67を通して固定ブラケット61の両取付フランジ62の各ナット64にねじ込まれることで、左右の両ルーフサイドレール部材30の間にクロス部材50が車幅方向に位置調整可能に架設される。
また、この実施例1において、運転室上方に位置するルーフサイドレール部材30の部分に、前後方向に所定間隔を隔てて複数のクロス部材50がそれぞれブラケット装置60を介して車幅方向に位置調整可能に架設されている。
さらに、複数のクロス部材50上には、物品としての空調ユニット70が載置され、ボルト(例えば、Uボルト)75とナット76等の締結機構によって固定されている。
なお、複数のクロス部材50は、ルーフサイドレール部材30のピラー10が配設される部分の近傍に架設されることが剛性向上の点において好ましい。
また、前後に隣接するルーフレインホース部材40を、図1の二点鎖線に示す前後方向の延びる連結部材80によって連結することが剛性向上の点において好ましい。
この実施例1に係るハイルーフ車両のルーフ補強構造は上述したように構成される。
したがって、左右の両ルーフサイドレール部材30の間に、パイプ材よりなるクロス部材50が横断面形状を変形させることなく架設されることで、パイプ材の両端部が圧潰された構造のものと比べ、ルーフ部のロールオーバー強度を効率よく高めることができる。
また、クロス部材50をブラケット装置60を介して車幅方向に位置調整可能とすることで、左右の両ルーフサイドレール部材30の間の間隔寸法やクロス部材50の長さ寸法にばらつきがあったとしても左右の両ルーフサイドレール部材30の間にクロス部材50をブラケット装置60を介して容易に架設することができる。
また、この実施例1において、図4に示すように、運転室上方に複数のクロス部材50を配置し、これら複数のクロス部材50上に空調ユニット70を載置してボルト75、ナット76等の締結機構によって固定することができる。このため、運転室上方に位置するルーフパネルの下面の複数箇所に空調ユニットを吊り下げ状に取り付ける複数のブラケットを配設する必要がないため、部品点数や組付工数を削減してコスト低減を図ることが可能となる。
なお、この発明は前記実施例1に限定するものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。
例えば、前記実施例1においては、複数のクロス部材50上に、物品としての空調ユニット70を載置したが、複数のクロス部材50上に、棚板を設置し、各種の物品を載置して収納できるように構成してもよい。
10 ピラー
20 ルーフパネル
30 ルーフサイドレール部材
40 ルーフレインホース部材
50 クロス部材
60 ブラケット装置
61 固定ブラケット
65 調整ブラケット
67 長孔
68 締結ボルト

Claims (2)

  1. ハイルーフ車両のルーフパネルの車内側面に沿って配設されたルーフレインホース部材の両端末部が左右の両ルーフサイドレール部材に連結されたハイルーフ車両のルーフ補強構造であって、
    前記左右の両ルーフサイドレール部材の間には、ルーフ部を補強するパイプ材よりなるクロス部材が横断面形状を変形させることなくブラケット装置を介して車幅方向に位置調整可能に架設され、
    前記クロス部材は、物品が載置可能な間隔を前後方向に隔てて複数配設されていることを特徴とするハイルーフ車両のルーフ補強構造。
  2. 請求項1に記載のハイルーフ車両のルーフ補強構造であって、
    複数のクロス部材は、運転室上方に配置され、
    前記複数のクロス部材上には、物品としての空調ユニットが載置されていることを特徴とするハイルーフ車両のルーフ補強構造。
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