JP2011062901A - サーマルプリンタおよびサーマルプリンタを用いた印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷条件に応じて良好な印刷品質を得ることができるサーマルプリンタを提供する。
【解決手段】サーマルプリンタ10は、発熱素子52に供給する印加エネルギーと印加エネルギーを補正する補正値とを決定し該補正値によって補正した印加エネルギーを発熱素子52に供給する制御手段17を具備している。制御手段17は、印刷条件に応じて複数用意された温度と印加エネルギーとの第1の関係式と、印刷条件に応じて複数用意された温度と補正値との第2の関係式とが格納された記憶手段64を有し、入力された印刷条件に応じた第1および第2の関係式を選択し、選択された第1および第2の関係式と温度とをそれぞれ組み合わせることで印加エネルギーおよび補正値を決定する。
【選択図】 図2
【解決手段】サーマルプリンタ10は、発熱素子52に供給する印加エネルギーと印加エネルギーを補正する補正値とを決定し該補正値によって補正した印加エネルギーを発熱素子52に供給する制御手段17を具備している。制御手段17は、印刷条件に応じて複数用意された温度と印加エネルギーとの第1の関係式と、印刷条件に応じて複数用意された温度と補正値との第2の関係式とが格納された記憶手段64を有し、入力された印刷条件に応じた第1および第2の関係式を選択し、選択された第1および第2の関係式と温度とをそれぞれ組み合わせることで印加エネルギーおよび補正値を決定する。
【選択図】 図2
Description
この発明は、サーマルヘッドにより印刷を行うサーマルプリンタおよびサーマルプリンタを用いた印刷方法に関する。
ラベルプリンタやバーコードプリンタ等に用いられるサーマルプリンタは、ラインサーマルヘッド(以下、サーマルヘッドという)を備えている。サーマルヘッドは、複数の発熱素子を用紙の搬送方向と直交する方向(主走査方向)に配列することにより構成されている。
サーマルプリンタは、サプライとして感熱紙や、熱転写インクリボン(以下、インクリボンという)および受容紙などを使用する。インクリボンを使用するサーマルプリンタでは、サーマルヘッドとこれに対向するプラテンローラとによって、受容紙とインクリボンとが重なった状態で挾持される。そして駆動モータによってプラテンローラを回転させて受容紙を搬送経路に沿って搬送させながら、インクリボンにサーマルヘッドの発熱素子を当接させることにより、インクリボンから受容紙にインクを熱転写させている。インクリボンは、前記搬送経路に沿って移動しながらリボン巻取りローラに巻取られる。
サーマルヘッドの発熱素子を発熱させる印加エネルギーは、下記の特許文献1に開示されるように、印刷時の種々の条件に応じて設定される。例えば、印加エネルギーは、使用するサプライの種類や印刷速度などの印刷条件、および温度に応じて設定される。
上記のようなサーマルプリンタでは、印加エネルギーの過不足による印字不良を防止したり、所望の印刷濃度を得たりするため、印加エネルギーを補正する手段を備えている。印加エネルギーを補正する手段としては、例えば発熱素子に供給する電力を変化させる方法や、発熱素子の通電時間を変化させる方法がある。
例えば、印刷条件に応じて設定された通常の印加エネルギーではエネルギーが不足し印刷不良が発生する場合、印加エネルギーを多くすることで印字不良を防止する。一方、通常の印加エネルギーではエネルギーが過分となり印刷不良が発生する場合、印加エネルギーを少なくすることで印字不良を防止する。このように印加エネルギーを補正することにより、印刷不良が防止される。
上記のようなサーマルプリンタでは、基本となる印加エネルギーをあらかじめ設定された値もしくは割合で一律に増減させることにより、印加エネルギーの補正を行なっている。しかしながら、所望の補正を行なうために必要な印加エネルギーの増減の度合いは、印刷条件や温度などによって変化してしまう。このため、印加エネルギーを一律に増減させただけでは印加エネルギーの過不足が生じ、印刷不良を引き起こすおそれがある。
例えば高温時には常温時に比べて多くの印加エネルギーが必要であり、低温時には常温時とほぼ同量の印加エネルギーで印刷可能なサプライを使用した場合、印加エネルギーを一律に増加する補正を行なうと、高温時には印加エネルギーは適正となるが、低温時には印加エネルギーが過分となることがある。この場合、低温時に印刷不良が生じてしまう。
従ってこの発明は、印刷条件に応じて良好な印刷品質を得ることができるサーマルプリンタおよびサーマルプリンタを用いた印刷方法を提供する。
本発明のサーマルプリンタは、サプライを搬送経路に沿って移動させる搬送機構と、前記搬送経路に配置されたプラテン部材と、前記搬送経路に前記プラテン部材と対向して配置され、複数の発熱素子を備えたサーマルヘッドと、温度を検知する温度検知手段と、種々の印刷条件のうち少なくとも一つの印刷条件が入力される外部入力装置と、前記発熱素子に供給する印加エネルギーと前記印加エネルギーを補正する補正値とを決定し該補正値によって補正した前記印加エネルギーを前記発熱素子に供給する制御手段とを具備している。前記印刷条件の例として、インクリボンや受容紙のようなサプライの種類、印刷速度、印字濃度、印刷する文字やバーコード情報のような印刷データ、およびファースト印字やベタ黒印字のような発熱素子の印字の種類がある。
前記制御手段は、前記印刷条件に応じて複数用意された前記温度と前記印加エネルギーとの第1の関係式と、前記印刷条件に応じて複数用意された前記温度と前記補正値との第2の関係式とが格納された記憶手段を有し、複数の前記第1の関係式の中から、前記外部入力装置に入力された印刷条件に応じた一つの前記第1の関係式を選択し、選択された前記第1の関係式と前記温度とを組み合わせることで前記印加エネルギーを決定するとともに、複数の前記第2の関係式の中から、前記外部入力装置に入力された印刷条件に応じた一つの前記第2の関係式を選択し、選択された前記第2の関係式と前記温度とを組み合わせることで前記補正値を決定する。
前記制御手段は、前記印刷条件に応じて複数用意された前記温度と前記印加エネルギーとの第1の関係式と、前記印刷条件に応じて複数用意された前記温度と前記補正値との第2の関係式とが格納された記憶手段を有し、複数の前記第1の関係式の中から、前記外部入力装置に入力された印刷条件に応じた一つの前記第1の関係式を選択し、選択された前記第1の関係式と前記温度とを組み合わせることで前記印加エネルギーを決定するとともに、複数の前記第2の関係式の中から、前記外部入力装置に入力された印刷条件に応じた一つの前記第2の関係式を選択し、選択された前記第2の関係式と前記温度とを組み合わせることで前記補正値を決定する。
本発明の印刷方法は、外部入力装置によってサプライの種類、印刷速度、印字濃度、印刷データ、および発熱素子の印字の種類のうち少なくとも一つの印刷条件を入力すること、温度を温度検知手段によって検知すること、前記印刷条件に応じて複数用意された前記温度と発熱素子に供給する印加エネルギーとの第1の関係式と、前記印刷条件に応じて複数用意された前記温度と前記印加エネルギーを補正する補正値との第2の関係式とを記憶手段に格納すること、複数の前記第1の関係式の中から、前記外部入力装置に入力された印刷条件に応じた一つの前記第1の関係式を選択し、選択された前記第1の関係式と前記温度とを組み合わせることで前記印加エネルギーを決定すること、複数の前記第2の関係式の中から、前記外部入力装置に入力された印刷条件に応じた一つの前記第2の関係式を選択し、選択された前記第2の関係式と前記温度とを組み合わせることで前記補正値を決定すること、前記補正値によって補正した前記印加エネルギーを前記発熱素子に供給することにより印刷を行なうことを具備している。
本発明によれば、サプライの種類などの印刷条件および温度によって印加エネルギーおよび補正値をそれぞれ決定し該補正値によって補正された印加エネルギーを発熱素子に供給する。これにより、印刷条件に応じて良好な印刷品質を得ることができる。
以下に本発明の第1の実施形態に係るサーマルプリンタの一例であるラベルプリンタについて、図1から図7を参照して説明する。
図1はラベルプリンタ10の内部を模式的に示している。図2はラベルプリンタ10の要部の電気的接続を示すブロック図である。このラベルプリンタ10は、サプライとしての受容紙とインクリボンとを用いて印刷を行なう。
図1はラベルプリンタ10の内部を模式的に示している。図2はラベルプリンタ10の要部の電気的接続を示すブロック図である。このラベルプリンタ10は、サプライとしての受容紙とインクリボンとを用いて印刷を行なう。
ラベルプリンタ10は、筐体11を備えている。筐体11の内部には、受容紙の一例であるラベル用紙12を搬送するための搬送機構13と、インクリボン15を供給するためのインクリボン送り機構16と、制御手段17(図2に示す)などが収容されている。
筐体11は、図1において下側に位置する本体ケース11aと、本体ケース11aに対しヒンジ部(図示せず)を介して上下方向に回動可能に設けられたカバー11bとを含んでいる。筐体11の前面11c側に、ラベル排出口20や、外部入力装置21および表示器22(図2に示す)などが配置されている。筐体11の内部には、サーミスタや熱伝対のような温度検知手段23(図2に示す)が配置されている。
外部入力装置21としては、オペレータが手動でデータを入力する入力キーや、図示しないホストコンピュータからデータを入力される端子またはアンテナなどが適用される。なお、外部入力装置21は、使用されるサプライに設けられたRFIDタグを読み取るリーダなどを有していても良い。
筐体11の内部に形成された受容紙収容部25にラベル用紙ロール12aが収容されている。ラベル用紙ロール12aは、台紙付きのラベル用紙12をロール状に巻いたものであり、台紙12bが外側を向くように巻かれている。ラベル用紙12には、台紙12bと接する面に粘着層が設けられており、必要に応じてラベル用紙12を台紙12bから剥がすことができるようになっている。
筐体11の内部に、ラベル用紙12を搬送するための搬送経路30が形成されている。搬送経路30は、受容紙収容部25にセットされたラベル用紙ロール12aの下面からラベル排出口20に向ってほぼ水平方向に延びている。そしてこの搬送経路30の途中に、プラテン部材としてのプラテンローラ31と、ガイドローラ32と、ピンチローラ33などが配置されている。
プラテンローラ31とガイドローラ32等はラベル用紙12を搬送するための搬送機構13の一部をなし、図示しないモータおよびギヤ等を含む駆動手段によって所定の方向に回転するように構成されている。図1において矢印Fがラベル用紙12の搬送方向を示している。
ラベル排出口20は搬送経路30の終端付近に形成されている。ラベル排出口20の近傍に台紙剥離ガイド40が設けられている。台紙剥離ガイド40は、台紙12bを備えたラベル用紙12をラベル排出口20の直前で急角度に折曲げることにより、ラベル用紙12を台紙12bから剥離させるようにしている。台紙12bから剥離したラベル12cはラベル排出口20から取出すことができる。搬送経路30の下方には、剥離された台紙12bを巻取るための台紙巻取り機構41が設けられている。台紙巻取り機構41は、図示しないモータおよびギヤ等を含む駆動手段によって回転する台紙巻取りローラ42を含んでいる。
搬送経路30の途中にサーマルヘッド50が設けられている。サーマルヘッド50はプラテンローラ31の上方に対向して配置され、プラテンローラ31とサーマルヘッド50との間に台紙12b付きのラベル用紙12が挟まれるようになっている。サーマルヘッド50は、ヘッドブラケット51の下面に固定されている。サーマルヘッド50の下面の先端部に複数の発熱素子52が設けられている。発熱素子52は、プラテンローラ31の軸線方向に沿って、ラベル用紙12の搬送方向と直角な方向(主走査方向)に所定間隔で複数配置されている。
インクリボン送り機構16は、ラベルプリンタ10内のインクリボンロール15aから繰出されるインクリボン15を、搬送経路30上のラベル用紙12に向けて供給するように構成されている。ラベル用紙12に向けて供給されたインクリボン15は、ラベル用紙12上に重なった状態でプラテンローラ31とサーマルヘッド50との間を通ったのち、上方に向きを変えてインクリボン巻取りローラ55に巻取られるようになっている。
図2に示すように制御手段17は、印字設定手段61と、通電時間算出手段62と、サーマルヘッド制御手段63と、種々のデータを格納する記憶手段64などを有し、これらが互いに電気的に接続されている。印字設定手段61および通電時間算出手段62と外部入力装置21とは、互いに電気的に接続されている。印字設定手段61と温度検知手段23とは、互いに電気的に接続されている。
外部入力装置21には、印刷条件として、例えば印刷する文字やバーコード等の情報である印刷データと、使用するサプライの種類であるラベル用紙12およびインクリボン15の種類と、所望の印字濃度とが入力される。外部入力装置21は、入力された印刷データと、ラベル用紙12およびインクリボン15の種類のデータとを、印字設定手段61に送信する。外部入力装置21は、入力された印字濃度のデータを、通電時間算出手段62に送信する。
温度検知手段23は、筐体11の内部の温度を検知して、この温度のデータを印字設定手段61に入力する。制御手段17は、入力された各データに応じて、サーマルヘッド50の発熱素子52の通電時間を制御することにより、発熱素子52に供給する印加エネルギーを制御する。
記憶手段64には、設定可能な印刷条件として、印字の種類およびサプライの種類が複数登録されている。記憶手段64には、印字の種類として、例えばファースト印字およびベタ黒印字が登録されている。ラベル用紙12の搬送方向において1ドット以上の空白の後に行なう印字は、ファースト印字として登録され、印字したドットの後に続けて行なう印字は、ベタ黒印字として登録されている。
記憶手段64に登録されたサプライの種類は、例えば大グループと、各大グループに属する小グループとにそれぞれ分類されている。具体的に説明すると、あるラベル用紙12とインクリボン15との組合せは、大グループAの小グループαに属するサプライとして登録され、他のラベル用紙12とインクリボン15との組合せは、大グループAの小グループβに属するサプライとして登録されている。
記憶手段64には、基本通電時間テーブル格納庫66と、通電時間調整テーブル格納庫67とが格納されている。
基本通電時間テーブル格納庫66には、印刷条件に応じて複数用意された第1の関係式としてのテーブル(基本通電時間テーブル)が格納されている。基本通電時間テーブルは、温度と基本となる印加エネルギーを供給するための基本通電時間との関係式であり、サプライの種類および印字の種類に対応している。基本通電時間は、発熱素子52の通電時間を決定するための基本となる値である。
基本通電時間テーブル格納庫66には、印刷条件に応じて複数用意された第1の関係式としてのテーブル(基本通電時間テーブル)が格納されている。基本通電時間テーブルは、温度と基本となる印加エネルギーを供給するための基本通電時間との関係式であり、サプライの種類および印字の種類に対応している。基本通電時間は、発熱素子52の通電時間を決定するための基本となる値である。
通電時間調整テーブル格納庫67には、印刷条件に応じて複数用意された第2の関係式としてのテーブル(通電時間調整テーブル)が格納されている。通電時間調整テーブルは、温度と補正値としての通電時間調整値との関係式であり、サプライの種類に対応している。通電時間調整値は、例えば基本通電時間を変化させる比率である。
各テーブルの一例を表1に示す。図3および図4は、基本通電時間テーブルの一例であるテーブルX1およびテーブルX2をそれぞれ示している。図5および図6は、通電時間調整テーブルの一例であるテーブルY1およびテーブルY2と、テーブルY3およびテーブルY4とをそれぞれ示している。
図7は前記構成のラベルプリンタ10を用いて印刷を行う際の処理の流れを示すフローチャートである。以下にこのフローチャートを参照しながら本実施形態のラベルプリンタ10による印刷方法の一例について説明する。
外部入力装置21が操作されたときに、制御手段17は、以下に説明するように搬送機構13とインクリボン送り機構16とサーマルヘッド50等を作動させ、インクリボン15のインクをラベル用紙12に熱転写するように印刷制御プログラムを実行する。
図7において、印刷条件を設定するステップS1では、印刷データ、使用するサプライの種類、および印字濃度を判断する。例えば、オペレータは表示器22に表示される情報に基づいて、印刷データ、使用するラベル用紙12の種類、およびインクリボン15の種類を外部入力装置21に入力する。さらにオペレータは、段階的に設定された印字濃度の情報から、外部入力装置21に所望の印字濃度を入力する。
外部入力装置21は、入力された印刷データと、ラベル用紙12の種類およびインクリボン15の種類のデータとを印字設定手段61に送信し、入力された印字濃度を表わす通電時間設定値のデータを通電時間算出手段62に送信する。通電時間設定値は、例えば入力された印字濃度が濃くなるに従って大きくなり、入力された印字濃度が薄くなるに従って小さくなる整数である。
データ読込みステップS2において、入力された印刷データから、ドット位置データなどが読出される。判断ステップS3において複数ライン分のデータが読出されたと判断されると、ステップS4に移行する。
ステップS4において、印字設定手段61は、読出した複数ライン分のデータから、それぞれの発熱素子52が印字するドットごとの印字の種類を決定する。さらに、印字設定手段61は、登録されたサプライの種類の中から、入力されたラベル用紙12およびインクリボン15の組合せが該当するサプライの種類を読出す。印字設定手段61は、複数の基本通電時間テーブルが格納された基本通電時間テーブル格納庫66から、読出したサプライの種類および決定した印字の種類に応じた一つの基本通電時間テーブルを選択して読出す。
表1に示すように、印字設定手段61は、サプライが属する大グループが大グループAであり、かつ印字の種類がファースト印字であった場合はテーブルX1を基本通電時間テーブル格納庫66から読出す。また、印字の方法がベタ黒印字であった場合はテーブルX2を基本通電時間テーブル格納庫66から読出す。
ステップS5において、印字設定手段61は、複数の通電時間調整テーブルが格納された通電時間調整テーブル格納庫67から、ステップS4で読出した基本通電時間テーブルに対応し、かつ読出したサプライの種類に応じた一つの通電時間調整テーブルを選択して読出す。
表1に示すように、印字設定手段61は、ステップS4でテーブルX1を読出した場合、テーブルY1およびテーブルY2のいずれか一方を通電時間調整テーブル格納庫67から読出す。例えば、入力されたラベル用紙12およびインクリボン15の組み合わせが、小グループαに該当する場合、テーブルY1を通電時間調整テーブル格納庫67から読出す。
また、印字設定手段61は、ステップS4でテーブルX2を読出した場合、テーブルY3かテーブルY4のいずれか一方を通電時間調整テーブル格納庫67から読出す。例えば、入力されたラベル用紙12およびインクリボン15の組み合わせが、小グループβに該当する場合、テーブルY4を通電時間調整テーブル格納庫67から読出す。
ステップS6において、温度検知手段23は、筐体11の内部の温度を検知する。温度検知手段23は、検知した温度のデータを印字設定手段61に送信する。ステップS7において、印字設定手段61は、読出した基本通電時間テーブル、通電時間調整テーブル、および温度のデータを用いて、基本通電時間および通電時間調整値を決定する。
具体的に説明すると、温度が20℃で、読出された基本通電時間テーブルがテーブルX1であった場合、図3より、基本通電時間は300μsecとなる。さらに、読出された通電時間調整テーブルがテーブルY1であった場合、図5より、通電時間調整値は2.0%となる。
また、温度が40℃で、読出された基本通電時間テーブルがテーブルX2であった場合では、図4より、基本通電時間は70μsecとなる。さらに、読出された通電時間調整テーブルがテーブルY4であった場合、図6より、通電時間調整値は5.0%となる。印字設定手段61は、算出した基本通電時間および通電時間調整値のデータを、通電時間算出手段62に送信する。
ステップS8において、通電時間算出手段62は、印字設定手段61から受け取った基本通電時間および通電時間調整値のデータと、外部入力装置21から受け取った通電時間設定値のデータとを用いて、発熱素子52の通電時間を決定する。通電時間は、以下の(数1)式によって表わすことができる。
(数1)式において、tは通電時間、t0は基本通電時間、Dは通電時間設定値、Cは通電時間調整値である。具体的に説明すると、基本通電時間t0が300μsec、通電時間設定値Dが+4、通電時間調整値Cが2.0%であった場合、通電時間tは324μsecとなる。また、基本通電時間t0が70μsec、通電時間設定値Dが+4、通電時間調整値Cが5.0%であった場合では、通電時間tは84μsecとなる。
すなわち、外部入力装置21に入力された印刷条件である印刷データおよびサプライの種類のデータに応じた基本通電時間テーブルおよび通電時間調整テーブルが選択され、基本通電時間テーブルおよび通電時間調整テーブルと温度検知手段23が検知した温度とを組み合わせることで基本通電時間および通電時間調整値が決定される。通電時間調整値によって基本通電時間を補正することで、発熱素子52の通電時間が決定される。
印刷ステップS9において、決定した通電時間にわたって複数の発熱素子52にそれぞれ通電する。すなわち、補正した印加エネルギーを発熱素子に供給することにより複数ライン分を印刷する。判断ステップS10において全副走査ラインの印刷が終了したと判断されると印刷終了となる。
以上説明したように、発熱素子52が印字するドットごとの印字の種類と使用されるサプライの種類とによって基本通電時間テーブルが選択され、さらに使用されるサプライの種類により、基本通電時間を補正する通電時間調整テーブルが選択される。
ラベルプリンタ10は、印刷条件である印字の種類およびサプライの種類に応じた基本通電時間テーブルを選択し、選択された基本通電時間テーブルと温度とを組み合わせることで基本通電時間を決定する。さらにラベルプリンタ10は、印刷条件であるサプライの種類に応じた通電時間調整テーブルを選択し、選択された通電時間調整テーブルと温度とを組み合わせることで通電時間調整値を決定する。ラベルプリンタ10は、通電時間調整値によって補正した基本通電時間である通電時間にわたって発熱素子52に通電することにより、発熱素子52に適切な印加エネルギーを供給する。
すなわち、ラベルプリンタ10は、基本となる印加エネルギーを供給することができる基本通電時間を印刷条件および温度によって決定し、さらに基本通電時間を補正する通電時間調整値も印刷条件および温度によって決定する。これにより、ラベルプリンタ10は、印刷条件に応じて良好な印刷品質を得ることができる。
さらに、ラベルプリンタ10は、適切な通電時間を基本通電時間テーブルと通電時間調整テーブルの組合せによって算出する。これにより、印刷条件ごとの適切な通電時間を全て記録するよりも少ない記憶容量で適切な通電時間を得ることができる。
以上説明したように本実施形態のラベルプリンタの印刷方法は、下記の工程を含んでいる。
(1)外部入力装置21に印刷条件としてのサプライの種類、印字濃度、および発熱素子52の印字の種類のデータが付随する印刷データを入力すること。
(2)温度を温度検知手段23によって検知すること。
(3)印刷条件に応じて複数用意された温度と基本通電時間との関係式である基本通電時間テーブルを、記憶手段64の基本通電時間テーブル格納庫66に格納すること。さらに、印刷条件に応じて複数用意された温度と通電時間調整値との関係式である通電時間調整テーブルを、記憶手段64の通電時間調整テーブル格納庫67に格納すること。
(4)複数の基本通電時間テーブルの中から、外部入力装置21に入力された印刷条件に応じた一つの基本通電時間テーブルを選択し、選択された基本通電時間テーブルと温度とを組み合わせることで基本通電時間を決定すること。
(5)複数の通電時間調整テーブルの中から、外部入力装置21に入力された印刷条件に応じた一つの通電時間調整テーブルを選択し、選択された通電時間調整テーブルと温度とを組み合わせることで通電時間調整値を決定すること。
(6)(5)で決定した通電時間調整値によって、(4)で決定した基本通電時間を補正し、通電時間を決定すること。さらに、決定した通電時間にわたって発熱素子52に通電し、適切な印加エネルギーを発熱素子52に供給することにより印刷を行なうこと。
以上述べた工程(1)〜(6)を有する印刷方法により、印刷条件に応じて良好な印刷品質を得ることができる。
(1)外部入力装置21に印刷条件としてのサプライの種類、印字濃度、および発熱素子52の印字の種類のデータが付随する印刷データを入力すること。
(2)温度を温度検知手段23によって検知すること。
(3)印刷条件に応じて複数用意された温度と基本通電時間との関係式である基本通電時間テーブルを、記憶手段64の基本通電時間テーブル格納庫66に格納すること。さらに、印刷条件に応じて複数用意された温度と通電時間調整値との関係式である通電時間調整テーブルを、記憶手段64の通電時間調整テーブル格納庫67に格納すること。
(4)複数の基本通電時間テーブルの中から、外部入力装置21に入力された印刷条件に応じた一つの基本通電時間テーブルを選択し、選択された基本通電時間テーブルと温度とを組み合わせることで基本通電時間を決定すること。
(5)複数の通電時間調整テーブルの中から、外部入力装置21に入力された印刷条件に応じた一つの通電時間調整テーブルを選択し、選択された通電時間調整テーブルと温度とを組み合わせることで通電時間調整値を決定すること。
(6)(5)で決定した通電時間調整値によって、(4)で決定した基本通電時間を補正し、通電時間を決定すること。さらに、決定した通電時間にわたって発熱素子52に通電し、適切な印加エネルギーを発熱素子52に供給することにより印刷を行なうこと。
以上述べた工程(1)〜(6)を有する印刷方法により、印刷条件に応じて良好な印刷品質を得ることができる。
なお、本実施形態では、発熱素子52の通電時間を制御することにより印加エネルギーを制御しているが、これに限らず、発熱素子52に供給する電力を制御することにより印加エネルギーを制御しても良い。
さらに、本実施形態のラベルプリンタ10では、ドットごとの印字の種類および使用されるサプライの種類によって基本通電時間テーブルが選択され、さらに使用されるサプライの種類によって通電時間調整テーブルが選択されている。ラベルプリンタ10はこれに限らず、印字の種類によって通電時間調整テーブルが選択されるなど、印刷条件によって基本通電時間テーブルおよび通電時間調整テーブルが選択されるものであれば良い。
次に、本発明の第2の実施形態について、図7ないし図9を参照して説明する。このとき、第1の実施形態のラベルプリンタ10と同一の機能を有する構成部分には同一の参照符号を付してその説明を省略する。
第2の実施形態の外部入力装置21には、第1の実施形態の印刷条件に加えて、印刷条件としての印刷速度が入力される。外部入力装置21は、入力された印刷速度のデータを、印字設定手段61に送信する。
基本通電時間テーブル格納庫66には、サプライの種類、印字の種類、および印刷速度に応じて用意された複数の基本通電時間テーブルが格納されている。通電時間調整テーブル格納庫67には、サプライの種類および印刷速度に応じて用意された複数の通電時間調整テーブルが格納されている。
各テーブルの一例を表2に示す。図8は、テーブルX1およびテーブルX3を示している。図9はテーブルY1およびテーブルY5を示している。テーブルX3およびテーブルY5は、第1の実施形態でテーブルX1およびテーブルY1が読出された場合と同様に、印字の種類がファースト印字であり、かつサプライの種類が大グループAの小グループαに該当する場合に読出されるテーブルの一例である。
以下に図7のフローチャートを参照しながら第2の実施形態のラベルプリンタ10による印刷方法の一例について説明する。
図7において、印刷条件を設定するステップS1では、第1の実施形態の印刷条件に加え、印刷速度を判断する。例えば、オペレータは表示器22に表示される情報に基づいて、印刷速度を外部入力装置21に入力する。外部入力装置21は、入力された印刷速度を印字設定手段61に送信する。
図7において、印刷条件を設定するステップS1では、第1の実施形態の印刷条件に加え、印刷速度を判断する。例えば、オペレータは表示器22に表示される情報に基づいて、印刷速度を外部入力装置21に入力する。外部入力装置21は、入力された印刷速度を印字設定手段61に送信する。
ステップS4において、印字設定手段61は、複数の基本通電時間テーブルが格納された基本通電時間テーブル格納庫66から、読出したサプライの種類および決定した印字の種類に対応し、かつ入力された印刷速度に応じた一つの基本通電時間テーブルを選択して読出す。
表2に示すように、印字設定手段61は、サプライが属する大グループが大グループAであり、印字の種類がファースト印字であり、かつ印刷速度が3IPS(Inchs Per Second)であった場合はテーブルX1を基本通電時間テーブル格納庫66から読出す。また、印刷速度が12IPSであった場合はテーブルX3を基本通電時間テーブル格納庫66から読出す。
ステップS5において、印字設定手段61は、複数の通電時間調整テーブルが格納された通電時間調整テーブル格納庫67から、読出したサプライの種類に対応し、かつ印刷速度に応じた一つの通電時間調整テーブルを選択して読出す。
表2に示すように、印字設定手段61は、入力されたサプライの種類が小グループαに該当し、かつ印刷速度が3IPSであった場合、テーブルY1を通電時間調整テーブル格納庫67から読出す。また、印刷速度が12IPSであった場合、テーブルY5を通電時間調整テーブル格納庫67から読出す。
ステップS7において、印字設定手段61は、読出した基本通電時間テーブル、通電時間調整テーブル、および温度のデータを用いて、基本通電時間および通電時間調整値を決定する。
具体的に説明すると、温度が5℃で、読出された基本通電時間テーブルがテーブルX3であった場合では、図8より、基本通電時間は295μsecとなる。さらに、読出された通電時間調整テーブルがテーブルY5であった場合、図9より、通電時間調整値は0.5%となる。印字設定手段61は、決定した基本通電時間および通電時間調整値のデータを、通電時間算出手段62に送信する。
ステップS8において、通電時間算出手段62は、印字設定手段61から受け取った基本通電時間および通電時間調整値のデータと、外部入力装置21から受け取った通電時間設定値のデータとを用いて、発熱素子52の通電時間を決定する。
具体的に説明すると、(数1)式における基本通電時間t0が295μsec、通電時間設定値Dが+4、通電時間調整値Cが0.5%であった場合、通電時間tは301μsecとなる。
すなわち、外部入力装置21に入力された印刷条件である印刷データ、サプライの種類、および印刷速度のデータに応じた基本通電時間テーブルおよび通電時間調整テーブルが選択され、基本通電時間テーブルおよび通電時間調整テーブルと温度検知手段23が検知した温度とを組み合わせることで基本通電時間および通電時間調整値が決定される。通電時間調整値によって基本通電時間を補正することで、発熱素子52の通電時間が決定される。
以上説明したように、印字の種類、サプライの種類、および印刷速度に応じて基本通電時間テーブルが選択され、さらにサプライの種類および印刷速度に応じて通電時間調整テーブルが選択される。
ラベルプリンタ10は、選択した基本通電時間テーブルおよび通電時間調整テーブルを用いて発熱素子52の通電時間を決定し、この通電時間にわたって発熱素子52に通電することにより、発熱素子52に適切な印加エネルギーを供給する。このように、ラベルプリンタ10は、複数の印刷条件の組合せに応じて良好な印刷品質を得ることができる。
なお本発明は、サプライとして感熱紙を用いることができる。またラベルプリンタ以外のサーマルプリンタにも適用することもできる。従って受容紙はラベル用紙以外であってもよい。また本発明を実施するに当たり、サーマルプリンタを構成する搬送機構やサーマルヘッド、搬送経路をはじめとして、制御手段や外部入力装置の形状や配置等を種々に変更して実施できることは言うまでもない。
10…ラベルプリンタ,12…ラベル用紙,13…搬送機構,15…インクリボン,17…制御手段,21…外部入力装置,23…温度検知手段,30…搬送経路,31…プラテンローラ,50…サーマルヘッド,52…発熱素子,64…記憶手段。
Claims (4)
- サプライを搬送経路に沿って移動させる搬送機構と、
前記搬送経路に配置されたプラテン部材と、
前記搬送経路に前記プラテン部材と対向して配置され、複数の発熱素子を備えたサーマルヘッドと、
温度を検知する温度検知手段と、
サプライの種類、印刷速度、印字濃度、印刷データ、および発熱素子の印字の種類のうち少なくとも一つの印刷条件が入力される外部入力装置と、
前記発熱素子に供給する印加エネルギーと前記印加エネルギーを補正する補正値とを決定し該補正値によって補正した前記印加エネルギーを前記発熱素子に供給する制御手段と、
を具備し、
前記制御手段は、
前記印刷条件に応じて複数用意された前記温度と前記印加エネルギーとの第1の関係式と、前記印刷条件に応じて複数用意された前記温度と前記補正値との第2の関係式とが格納された記憶手段を有し、
複数の前記第1の関係式の中から、前記外部入力装置に入力された印刷条件に応じた一つの前記第1の関係式を選択し、選択された前記第1の関係式と前記温度とを組み合わせることで前記印加エネルギーを決定するとともに、
複数の前記第2の関係式の中から、前記外部入力装置に入力された印刷条件に応じた一つの前記第2の関係式を選択し、選択された前記第2の関係式と前記温度とを組み合わせることで前記補正値を決定することを特徴とするサーマルプリンタ。 - 前記外部入力装置に複数の前記印刷条件が入力され、
前記制御手段は、前記第1の関係式を選択するために用いられた印刷条件とは異なる印刷条件に応じた前記第2の関係式を選択することを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリンタ。 - 前記外部入力装置に複数の前記印刷条件が入力され、
前記制御手段は、複数の前記印刷条件の組合せに応じた前記第1の関係式および前記第2の関係式をそれぞれ一つ選択することを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリンタ。 - 外部入力装置によってサプライの種類、印刷速度、印字濃度、印刷データ、および発熱素子の印字の種類のうち少なくとも一つの印刷条件を入力すること、
温度を温度検知手段によって検知すること、
前記印刷条件に応じて複数用意された前記温度と発熱素子に供給する印加エネルギーとの第1の関係式と、前記印刷条件に応じて複数用意された前記温度と前記印加エネルギーを補正する補正値との第2の関係式とを記憶手段に格納すること、
複数の前記第1の関係式の中から、前記外部入力装置に入力された印刷条件に応じた一つの前記第1の関係式を選択し、選択された前記第1の関係式と前記温度とを組み合わせることで前記印加エネルギーを決定すること、
複数の前記第2の関係式の中から、前記外部入力装置に入力された印刷条件に応じた一つの前記第2の関係式を選択し、選択された前記第2の関係式と前記温度とを組み合わせることで前記補正値を決定すること、
前記補正値によって補正した前記印加エネルギーを前記発熱素子に供給することにより印刷を行なうこと、
を具備したことを特徴とするサーマルプリンタの印刷方法。
Priority Applications (1)
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JP2009214971A JP2011062901A (ja) | 2009-09-16 | 2009-09-16 | サーマルプリンタおよびサーマルプリンタを用いた印刷方法 |
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Publications (1)
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JP2009214971A Withdrawn JP2011062901A (ja) | 2009-09-16 | 2009-09-16 | サーマルプリンタおよびサーマルプリンタを用いた印刷方法 |
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