JP2009208387A - サーマルプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】サーマルプリンタでの印字結果に対する電圧ドロップの影響を抑える。
【解決手段】1ライン毎に印字データとストローブ信号とをサーマルヘッド112に出力する印字制御回路140と、印字制御回路140が出力する印字データ中の印字オンデータ数を計数する印字オンデータ数計数回路151と、ヘッド電圧を検出する電圧検出回路161と、を備え、電圧検出回路161で検出されたヘッド電圧を基に設定されたストローブ信号のパルス幅を印字オンデータ数に対応付けて補正テーブルTaに記憶させる。また、印字制御回路140は、印字オンデータ数計数回路151によって計数される印字オンデータ数に対応するストローブ信号のパルス幅を補正テーブルTaから読み出し、印字データとこの読み出したパルス幅のストローブ信号とをサーマルヘッド112に出力する。
【選択図】図4

Description

本発明は、レシートプリンタ等のサーマルプリンタに関する。
従来、ライン状に配置された複数ドットの発熱抵抗体を有するサーマルヘッドによって主走査方向に画像を形成しつつ、主走査方向と直交する方向である副走査方向への用紙搬送を行うことで、用紙上に印字を行うサーマルプリンタがある(例えば、特許文献1〜3参照)。
このようなサーマルプリンタは、レシートを発行するレシートプリンタとして使用されることがある。レシートプリンタとしてのサーマルプリンタは、POS端末やECRの本体に組み込まれて使用される形態が日本国内を中心に主流となっている。このようなサーマルプリンタを、以下、組込みタイプのサーマルプリンタと呼ぶ。また、組込みタイプのサーマルプリンタとは別に、日本国外向けを中心として、POS端末の本体から分離された形態のサーマルプリンタもある。以下、このようなサーマルプリンタを、分散タイプのサーマルプリンタと呼ぶ。
特開平6−115139号公報 特開平11−277783号公報 特開2000−326539公報
ところで、サーマルプリンタについては、1ライン印字に際しての印字データ中の印字オンデータ数が多い場合には、電源の供給能力や電源からサーマルヘッドへの配線長の影響によって、電圧ドロップが発生するという問題がある。
つまり、サーマルプリンタは、1ラインの印字オンデータ数が少ない場合には、電圧ドロップが小さいため十分な濃度の印字結果を得ることができるものの、1ラインの印字オンデータ数が多い場合には、電圧ドロップが大きくなり濃度が薄い印字結果となってしまうことがある。そのため、印字オンデータ数の多少が混在すると、印字結果に濃度ムラが発生し、その見栄えは非常に悪いものとなってしまう。
そこで、従来、電圧ドロップの影響を抑えるための技術として、印字動作中にリアルタイムで取得した発熱抵抗体の電圧と基準となる電圧との比較結果から発熱抵抗体に出力するストローブ信号のパルス幅を補正する技術が知られている。しかしながら、近年、サーマルヘッドの制御が高速化されているため、通常の印字動作中にリアルタイムで電圧を検出する技術を使用してストローブ信号のパルス幅補正をすることが困難になっている。
また、印字動作中に印字オンデータ数を計数して、発生するであろう仮想的な電圧ドロップ量を予測して、ストローブ信号のパルス幅補正をする技術が知られている。しかし、離れて位置するPOS端末の本体から電源供給を受けることが多い分散タイプのサーマルプリンタと組込みタイプのサーマルプリンタとでは、電圧ドロップ量は異なるし、分散タイプのサーマルプリンタ同士であっても環境によって電圧ドロップ量は異なる。そのため、発生が予測される電圧ドロップ量を一律に設定してサーマルプリンタを共通に開発することができないのである。つまり、このような技術によっても、ストローブ信号のパルス幅を適切に補正することが困難になっている。
本発明の目的は、使用形態によらず、電圧ドロップの影響を抑えることのできるサーマルプリンタを提供することである。
本発明のサーマルプリンタは、複数ドットの発熱抵抗体をライン状に配置し、前記発熱抵抗体への通電時間を決定するストローブ信号に応じて印字データを前記発熱抵抗体に出力することで前記発熱抵抗体を通電状態にして発熱させるサーマルヘッドと、1ライン毎に印字データとストローブ信号とを前記サーマルヘッドに出力する印字制御部と、前記印字制御部に設けられて当該印字制御部が出力する印字データ中の印字オンデータ数を計数する計数部と、前記発熱抵抗体に印加されるヘッド電圧を検出する電圧検出部と、前記電圧検出部で検出されたヘッド電圧を基に設定されたストローブ信号のパルス幅を前記印字オンデータ数に対応付けて記憶領域に記憶させる手段と、を備え、前記印字制御部は、前記記憶領域から前記計数部によって計数される印字オンデータ数に対応するストローブ信号のパルス幅を読み出し、印字データと当該読み出したパルス幅のストローブ信号とを前記サーマルヘッドに出力する。
別の面から見た本発明のサーマルプリンタは、複数ドットの発熱抵抗体をライン状に配置し、前記発熱抵抗体への通電時間を決定するストローブ信号に応じて印字データを前記発熱抵抗体に出力することで前記発熱抵抗体を通電状態にして発熱させるサーマルヘッドと、1ライン毎に印字データとストローブ信号とを前記サーマルヘッドに出力する印字制御部と、前記印字制御部に設けられて当該印字制御部が出力する印字データ中の印字オンデータ数を計数する計数部と、前記発熱抵抗体に印加されるヘッド電圧を検出する電圧検出部と、印字オンデータ数を所定数にした印字データとストローブ信号とを前記印字制御部に出力させ、その際に前記電圧検出部によって検出されるヘッド電圧を取得する手段と、前記取得されたヘッド電圧と印字オンデータ数がゼロである場合におけるヘッド電圧の理論値である基準電圧とに基づいて各印字オンデータ数におけるヘッド電圧を求め、前記基準電圧を当該求めたヘッド電圧で除した値の自乗数に印字オンデータ数がゼロである場合におけるストローブ信号の基準パルス幅を乗じた値を各印字オンデータ数におけるパルス幅として求め、各印字オンデータ数と当該求めたストローブ信号のパルス幅とを対応付けて記憶領域に記憶させる手段と、を備え、前記印字制御部は、前記記憶領域から前記計数部によって計数される印字オンデータ数に対応するストローブ信号のパルス幅を読み出し、印字データと当該読み出したパルス幅のストローブ信号とを前記サーマルヘッドに出力する。
本発明によれば、検出されたヘッド電圧を基にストローブ信号のパルス幅が適切に補正されるので、使用形態によらず、電圧ドロップの影響を抑えることのできるサーマルプリンタを提供することができる。
本発明の実施の一形態を図1ないし図11に基づいて説明する。本実施の形態は、分散タイプのレシートプリンタであるサーマルプリンタ101への適用例である。
図1は、サーマルプリンタ101の構造を概略的に示す縦断側面図である。サーマルプリンタ101は、カバー102aが開閉自在に設けられた本体ハウジング102を有している。本体ハウジング102には、背面側(図1中右側)に位置させて、ロール状に巻回されたレシート用紙RTを収納する円弧状の収納部103が設けられている。レシート用紙RTは、感熱紙であり、熱によって化学反応を起こして発色する。
本体ハウジング102の内部には、収納部103に収納されたレシート用紙RTを本体ハウジング102の前面側(図1中左側)に設けられた排紙口108に案内する用紙経路106が形成されている。用紙経路106中には、レシート用紙RTを搬送して印字を行う印字機構105が設けられている。印字機構105は、ステッピングモータ110(図2参照)によって回転駆動されるプラテンローラ104と、このプラテンローラ104に用紙経路106を介して当接するサーマルヘッド112とを主体に構成されている。サーマルヘッド112は、その保持板が図示しないスプリングによってプラテンローラ104に押し付けられる方向に押圧されて保持されている。また、サーマルヘッド112は、プラテンローラ104に対向接触する部分に多数の発熱抵抗体131(図3参照)が、搬送されるレシート用紙RTの幅方向にライン状に配列されている。
本体ハウジング102の排紙口108には、排紙されるレシート用紙RTを切断するためのカッタ機構107が設けられている。カッタ機構107は、平板長板状である固定刃と可動刃とが組み合わされて構成され、可動刃の摺動によりレシート用紙RTを切断する。
図2は、プリンタシステム1の各部の電気的接続を示すブロック図である。プリンタシステム1は、サーマルプリンタ101と、サーマルプリンタ101にインターフェース129を介してデータ通信可能に接続された商品販売データ処理装置であるPOS端末11とによって構成されている。
サーマルプリンタ101では、プラテンローラ104を回転駆動するためのステッピングモータ110やサーマルヘッド112等の各部は、CPU117等によって構成されたマイクロコンピュータ118によって駆動制御される。つまり、各種演算処理を実行して各部を集中的に制御するCPU117が設けられ、このCPU117には固定データを固定的に格納するROM119と可変データを書換え自在に格納するRAM120とがシステムバス121を介して接続されている。ROM119には制御プログラムが格納され、マイクロコンピュータ118は、ROM119に格納された制御プログラムに従い、RAM120をワークエリアとして利用しつつ各種の処理を実行する。
本実施の形態では、印字機構105による印字動作に際してマイクロコンピュータ118に駆動制御される各部として、プラテンローラ104を回転駆動するためのステッピングモータ110を駆動制御するためのモータドライバ122と、サーマルヘッド112の制御を行う印字制御部としての印字制御回路140とが設けられている。モータドライバ122及び印字制御回路140は、システムバス121を介してCPU117に接続されている。そして、印字制御回路140は、CPU117に制御されて、クロック信号CLK、シリアル印字データD1、ラッチ信号LATCH、発熱抵抗体131への通電時間を決定するストローブ信号STBをサーマルヘッド112に出力する(図3参照)。
また、本実施の形態のサーマルプリンタ101は、ライン型の印字方式を採用することから、サーマルヘッド112がライン状に備える複数個の発熱抵抗体131(図3参照)によって主走査方向の印字を行い、レシート用紙RTの搬送によって生ずるサーマルヘッド112に対するレシート用紙RTの移動によって副走査方向の印字を行う。そこで、副走査方向の印字のために、レシート用紙RTの搬送タイミング等の検出が必要となることから、本実施の形態では、このような検出のためにセンサ125が用紙経路106中に配置され、このセンサ125はI/Oポート128を介してシステムバス121に接続されている。
さらに、サーマルプリンタ101では、POS端末11から転送されたデータをインターフェース129を介して取り込み、このインターフェース129を介して取り込んだデータを印字データに変換して画像メモリ130に展開する。したがって、POS端末11は、サーマルプリンタ101とデータ通信可能にするインターフェース(図示せず)を有する。そして、CPU117は、画像メモリ130に展開された印字データから1ライン毎のデータを印字制御回路140に出力する。そこで、それらのインターフェース129及び画像メモリ130も、システムバス121を介してCPU117に接続されている。
加えて、サーマルヘッド112のヘッド基板(図示せず)にはサーミスタ及びADコンバータ(いずれも図示せず)が取り付けられており、このサーミスタによる検出信号(ヘッド温度情報)はADコンバータによりデジタル値に変換されてCPU117に取り込まれるように接続されている。
図3は、サーマルヘッド112の構成を示すブロック図である。サーマルヘッド112には、電圧が供給されて発熱する432個の発熱抵抗体131がライン状に配置されて設けられている。このようなサーマルヘッド112では、電源171(図4参照)からの電圧を432個の発熱抵抗体131に選択的に印加することができるように構成されている。
そこで、サーマルヘッド112は、発熱抵抗体131の他に、シフトレジスタ132と、データラッチ回路133と、スイッチ回路134とをさらに有している。
シフトレジスタ132は、Dタイプのフリップフロップ回路(FF回路)からなり、印字制御回路140からのクロック信号CLKに同調して印字制御回路140が出力するシリアル印字データD1を読み込み、パラレル印字データとして格納する。
データラッチ回路133は、印字制御回路140からのラッチ信号LATCHに基づいて、シフトレジスタ132が格納しているパラレル印字データD2を読み込んで格納する。
スイッチ回路134は、432個の発熱抵抗体131に対応して設けられたアンドゲート135を有し、データラッチ回路133からのパラレル印字データD2と印字制御回路140からのストローブ信号STBとの論理積を発熱抵抗体131に出力する。こうして、対応する発熱抵抗体131に電流が流れて電圧が印加され、発熱抵抗体131が発熱駆動される。
図4は、印字制御回路140の構成示す機能ブロック図である。まず、本実施の形態のサーマルプリンタ101には、サーマルヘッド112への通電のための電源171の電圧を検出する電圧検出部としての電圧検出回路161が設けられている。電圧検出回路161はCPU117と接続されており、検出した電圧をCPU117に出力する。こうして、サーマルプリンタ101のCPU117は、電圧検出回路161が検出した電圧を取得する。
次に、CPU117に接続した印字制御回路140について説明する。印字制御回路140は、前述したように、CPU117の制御を受けて、ストローブ信号STB等を出力するものである。そこで、印字制御回路140は、ストローブ信号STBを生成して出力するタイミングコントローラであるストローブ生成部153を備えている。
ところで、本実施の形態の印字制御回路140は、1ライン分のクロック信号CLK、シリアル印字データD1、ラッチ信号LATCH、ストローブ信号STBを、予め指定された複数単位で分割した構成で出力する。以下、この単位を通電単位と呼ぶ。本実施の形態では、6つの通電単位で構成され、図示しないレジスタに設定記憶されている。そして、印字制御回路140は、CPU117から出力される1ライン毎のデータに基づいて通電単位毎の印字データを生成し、このデータを受けて、クロック信号CLK、シリアル印字データD1、ラッチ信号LATCH、ストローブ信号STBを出力するのである。
このような印字制御回路140は、クロック信号CLKの立ち上がりのタイミングでシリアル印字データD1のHレベルの数(以下、印字オンデータ数と呼ぶ)を計数する計数部としての印字オンデータ数計数回路151を備えている。また、この際、通電単位についてカウントをする通電単位カウンタ152も印字制御回路140に設けられている。
そして、本実施の形態では、印字オンデータ数計数回路151が計数した印字オンデータ数と、通電単位カウンタ152がカウントした通電単位とに基づいて、印字制御回路140(ストローブ生成部153)から出力されるストローブ信号STBのパルス幅が補正される。この補正の際に参照されるのが、後述するキャリブレーション処理(図5等参照)の実行によって生成される補正テーブルTa(図7等参照)である。そして、補正テーブルTaの生成には、CPU117の図示しないメモリに形成された基準テーブルTb(図6等参照)が参照される。補正テーブルTaは、予め記憶対象を記憶可能に形成された記憶領域であって、記憶対象が記憶されることによって生成される。
なお、印字制御回路140は、その他に、クロック信号CLKを生成して出力するタイミングコントローラであるクロック生成部(図示せず)、ラッチ信号LATCHを生成して出力するタイミングコントローラであるラッチ生成部(図示せず)、CPU117からの印字データを格納して出力するためのラインメモリ(図示せず)等をさらに備えている。
このような構成において、次に、本実施の形態のサーマルプリンタ101で実行されるキャリブレーション処理について説明する。
図5は、キャリブレーション処理を示すフローチャートである。キャリブレーション処理は、例えば、セッティングに際して実行される。また、キャリブレーション処理は、サーマルプリンタ101の製造工程においても実行されることがある。
キャリブレーション処理を実行する場合、まず、サーマルプリンタ101を「キャリブレーションモード」に移行させる必要がある。サーマルプリンタ101を「キャリブレーションモード」への移行は、例えば、接続されたPOS端末11のCPU(図示せず)がROM等の記憶部(図示せず)に格納されたプログラムに従って実行する所定のキャリブレーション処理に伴って行われる。サーマルプリンタ101のCPU117は、「キャリブレーションモード」への移行を判定したならば(ステップS101のY)、印字制御回路140を制御して、印字オンデータ数=432(印字率=100%)で1ライン印字を実行する(ステップS102)。このとき、1回の通電単位で1ラインが印字され、一例として、横罫線の印字が実行される。
ステップS102での印字に際して、電圧検出回路161は、電源171からサーマルヘッド112(発熱抵抗体131)への供給電圧(以下、ヘッド電圧VHと呼ぶことがある)を検出してCPU117に出力する。したがって、CPU117は、印字オンデータ数=432(印字率=100%)でのヘッド電圧VHを取得する(ステップS103)。ここで、本実施の形態の電源171の電圧は「24V」である。そのため、理論的には、電圧検出回路161によって検出されるヘッド電圧VHも「24V」となる。しかしながら、電源171の供給能力や電源171とサーマルヘッド112(発熱抵抗体131)との配線長等の影響によって、電圧ドロップが生じている。すなわち、電圧検出回路161によって検出されるヘッド電圧VHは「24V」よりも低い値となる。
そして、サーマルプリンタ101のCPU117は、ステップS103で取得したヘッド電圧VHと基準テーブルTb(図6参照)とに基づいて、補正テーブルTa(図7参照)を生成する処理を実行する(ステップS104)。
ここで、ステップS104での処理内容の詳細について説明する。まず、基準テーブルTb(図6参照)について説明する。
図6は、基準テーブルTbのデータ構成を示す模式図である。基準テーブルTbは、印字オンデータ数=0(印字率=0%)において発熱抵抗体131に印加されるヘッド電圧VHの理論値(以下、「基準電圧」と呼ぶことがある)を記憶している。本実施の形態では、基準電圧=24Vである。
そして、基準テーブルTbは、この基準電圧が発熱抵抗体131に印加される場合におけるストローブ信号STBに対して予め設定されたパルス幅(以下、「基準パルス幅」と呼ぶことがある)を記憶している。基準パルス幅は、試験等により予め決定されたもので、通電単位毎に記憶されている。
ここでは、サーマルプリンタ101が、POS端末の本体から例えば2m長のケーブルを介して電源供給を受けるものであって、図5のフローチャートのステップS103でCPU117が取得したヘッド電圧VHが電圧ドロップの発生により「22.5V」であった場合について説明する。
この場合、サーマルプリンタ101のCPU117は、図5のフローチャートのステップS104では、取得したヘッド電圧VH(=22.5V)と基準テーブルTbとに基づいて、各通電単位におけるパルス幅(=t(μs))を、以下の式
=(V24÷V×t
24:基準電圧=24V
:取得したヘッド電圧(又は求めたヘッド電圧)
:基準電圧=24Vでのパルス幅
に従い算出して、補正テーブルTa(図7参照)を生成する。
図7は、補正テーブルTaのデータ構成を示す模式図である。図7に示すように、補正テーブルTaは、印字オンデータ数(印字率)を4段階(「ランク1」〜「ランク4」)に区分し、各段階に対応させて各通電単位(1st、2nd、3rd、4th、5th、6th)におけるパルス幅を記憶するテーブルである。補正テーブルTaは、予め、各「ランク(1〜4)」についての「印字ドット数」及び「印字率(%)」を記憶しており、さらに、補正テーブルTaは、各通電単位(1st〜6th)についての「パルス幅(μs)」と「電圧(V)」とを記憶可能に構成されている。なお、ランクについては、4段階に限られることはない。
補正テーブルTaの生成に際しては、まず、サーマルプリンタ101のCPU117は、基準テーブルTbに記憶されている基準パルス幅を、補正テーブルTaにおける「ランク1」の「パルス幅(μs)」に記憶させる。このとき、「ランク1」の「電圧(V)」には、基準テーブルTbに記憶されている基準電圧(=24(V))に基づいて、「24.0(V)」を記憶させる。
次に、サーマルプリンタ101のCPU117は、取得したヘッド電圧VH(=22.5V)と基準テーブルTbとに基づいて算出した各通電単位におけるパルス幅を、「ランク4」に記憶させる。このとき、「ランク4」の「電圧(V)」には、取得したヘッド電圧VH「22.5(V)」に基づいて、「22.5(V)」を記憶させる。
次に、サーマルプリンタ101のCPU117は、「ランク2」及び「ランク3」に対応する「電圧(V)」を求める。「ランク2」及び「ランク3」に対応する「電圧(V)」は、「ランク1」の「電圧(V)」と「ランク4」の「電圧(V)」との間の互いに異なる値であって、各ランク間の電圧差が同程度となる値である。ここでは、サーマルプリンタ101のCPU117は、一例として、「ランク2」の「電圧(V)」として23.5(V)を求め、「ランク3」の「電圧(V)」として23.0(V)を求めた。なお、これらの電圧については、ROM119に格納された所定の計算プログラムに従ってCPU117が算出するようにしてもよい。
そして、サーマルプリンタ101のCPU117は、求めた「ランク2」に対応する「電圧(V)」(=23.5V)と基準テーブルTbとに基づいて、上記の式に従って、各通電単位におけるパルス幅を算出して、算出したパルス幅(μs)を、補正テーブルTaの「ランク2」の「パルス幅(μs)」に記憶させる。このとき、補正テーブルTaの「ランク2」の「電圧(V)」には、求めた電圧「23.5(V)」を記憶させる。
同様に、サーマルプリンタ101のCPU117は、求めた「ランク3」に対応する「電圧(V)」(=23.0V)と基準テーブルTbとに基づいて、上記の式に従って、各通電単位におけるパルス幅を算出して、算出したパルス幅(μs)を、補正テーブルTaの「ランク3」の「パルス幅(μs)」に記憶させる。このとき、補正テーブルTaの「ランク3」の「電圧(V)」には、求めた電圧「23.0(V)」を記憶させる。
このようにして、電圧検出回路161で検出されたヘッド電圧を基にパルス幅が算出されることにより、電圧検出回路161で検出されたヘッド電圧を基にストローブ信号のパルス幅が設定される。そして、設定された(算出された)パルス幅が記憶領域としての補正テーブルTaに記憶されるのである。こうして、補正テーブルTaが生成される。
次に、キャリブレーション処理の実行によって補正テーブルTaが生成された後に、サーマルプリンタ101で通常に行われる印字(以下、通常印字と呼ぶことがある)について説明する。
図8は、通常印字での印字動作の一例を示すタイミングチャートである。本実施の形態では、図8に示すように、印字時間「500μs」の1ライン印字が、6回の通電単位(1st〜6th)によって構成されている。つまり、1ライン印字中に6回データの入れ替えが行われているのである。
通常印字は、概略的には、印字制御回路140からの所定周期のクロック信号CLKに従い印字1ライン毎にシリアル印字データD1がシフトレジスタ132に取り込まれ、1ラインのシリアル印字データD1の取り込みの後、印字制御回路140からラッチ信号LATCHが出力される。この状態でデータラッチ回路133にはパラレル印字データD2が格納された状態となり、スイッチ回路134のアンドゲート135にストローブ信号STBが入力されて、各々の発熱抵抗体131は、パラレル印字データD2に従って発熱する。こうして、レシート用紙RTには、各々の発熱抵抗体131の発熱による印字がなされる。
そして、本実施の形態の通常印字では、より詳細には、サーマルプリンタ101のCPU117によって印字制御回路140が制御されて、補正テーブルTaに基づいて印字動作がなされるのである。
まず、サーマルプリンタ101のCPU117は、印字制御回路140を制御して、印字制御回路140にクロック信号CLKとシリアル印字データD1とをサーマルヘッド112のシフトレジスタ132にシリアル転送させる。このとき、印字オンデータ数計数回路151は、432回(発熱抵抗体131のドット数)のクロック信号CLKの立ち上がりのタイミングでシリアル印字データD1の印字オンデータ数を計数してその上位2bitの情報を補正テーブルTaに伝える。さらに、このとき、通電単位カウンタ152は、通電単位をカウントして、その上位3bitの情報を補正テーブルTaに伝える。印字制御回路140は、これらの印字オンデータ数及び通電単位の情報に基づいて、補正テーブルTaから対応するパルス幅(μs)を読み出す。そして、印字制御回路140は、ラッチ信号LATCHを出力し、その後にストローブ信号STBを出力するが、この際、印字制御回路140は、補正テーブルTaから読み出したパルス幅(μs)を、出力するストローブ信号STBのパルス幅に反映させる。
例えば、印字制御回路140から出力されるシリアル印字データD1について、印字オンデータ数計数回路151によって計数された印字オンデータ数が「300」であり、通電単位が「1st」の場合には、図7に示した補正テーブルTaから「パルス幅」として「87.1(μs)」が読み出されて、出力されるストローブ信号STBのパルス幅が「87.1(μs)」となる。
そして、通電単位「1st」のストローブ信号STBがLowの間に、サーマルプリンタ101のCPU117は、印字制御回路140を制御して、印字制御回路140に通電単位「2nd」のクロック信号CLKとシリアル印字データD1とをシフトレジスタ132にシリアル転送させる。この際、通電単位「1st」と同様に、印字オンデータ数計数回路151は、クロック信号CLKの立ち上がりのタイミングでシリアル印字データD1の印字オンデータ数を計数してその上位2bitの情報を補正テーブルTaに伝え、通電単位カウンタ152は、通電単位をカウントして、その上位3bitの情報を補正テーブルTaに伝える。印字制御回路140は、これらの印字オンデータ数及び通電単位の情報に基づいて、補正テーブルTaから対応するパルス幅(μs)を読み出し、出力するストローブ信号STBのパルス幅に反映させる。
例えば、通電単位「2nd」のシリアル印字データD1について、印字オンデータ数計数回路151によって計数された印字オンデータ数が「200」である場合には、図7に示した補正テーブルTaから「パルス幅」として「83.4(μs)」が読み出される。つまり、ストローブ生成部153によってストローブ信号STBが83.4μs出力される。
通電単位「3rd」以降についても、上記のように、補正テーブルTaから「パルス幅(μs)」が読み出され、出力されるストローブ信号STBのパルス幅に反映される。
次に、図7に基づいて説明した補正テーブルTaとは別の補正テーブルTaについて説明する。
図9は、補正テーブルTaのデータ構成の別の一例を示す模式図である。図9に示す補正テーブルTaが記憶するデータ構成は、図7に示した補正テーブルTaと同一である。また、図9に示す補正テーブルTaが生成される際に実行される処理内容は、図7に示した補正テーブルTaが生成される際に実行される処理内容と同様である。
図9に示す補正テーブルTaは、分散タイプのサーマルプリンタ101の環境が、図7に示した補正テーブルTaが生成された環境と比較して、POS端末11の本体から電源供給を受けるケーブル長が短い場合において、キャリブレーション処理(図5参照)の実行により生成されるテーブルである。
POS端末11の本体から電源供給を受けるケーブル長が、図7に示した補正テーブルTaが生成された環境におけるケーブル長(2m)よりも短い場合、電圧ドロップの発生は、より抑えられることになる。そのため、この場合においてキャリブレーション処理が実行される(つまり、印字率=100%での1ライン印字がなされる)と、電圧検出回路161によって検出されてサーマルプリンタ101のCPU117が取得するヘッド電圧VHは、より高い値(例えば、23.5Vとする)となる。そして、このような場合に生成される補正テーブルTa(図9参照)については、そのパルス幅は図7に示した補正テーブルTaに記憶されているパルス幅よりも、短い値となる。つまり、サーマルプリンタ101のCPU117が、取得したヘッド電圧VH(=23.5V)と、基準テーブルTbに記憶された基準電圧及び基準パルス幅とに基づいて、前述の式に従って各通電単位におけるパルス幅を算出すると、当該式中の「(V24÷V」の値が、ヘッド電圧VHが22.5Vである場合よりも小さくなるため、求められるパルス幅はより短いものとなる。例えば、「ランク4」の「1st」での「パルス幅」に着目すると、図7の補正テーブルTaでは、「91.0(μs)」であるのに対して、図9に示す補正テーブルTaでは、「83.4(μs)」となっている。
次に、図5のフローチャート等に基づいて説明したキャリブレーション処理とは別のキャリブレーション処理(図10参照)が実行され、このキャリブレーション処理の実行によって図7及び図9に示した補正テーブルTaとは別の補正テーブルTa(図11参照)が生成される場合について説明する。
図10は、キャリブレーション処理の別の一例を示すフローチャートである。サーマルプリンタ101のCPU117は、「キャリブレーションモード」への移行を判定したならば(ステップS201のY)、印字制御回路140を制御して、まず、印字オンデータ数=432(印字率=100%)で1ライン印字を実行する(ステップS202)。この際、電圧検出回路161は、ヘッド電圧VHを検出してCPU117に出力するので、サーマルプリンタ101のCPU117は、印字オンデータ数=432(印字率=100%)でのヘッド電圧VHを取得する(ステップS203)。
このとき、キャリブレーション処理が実行されるサーマルプリンタ101の環境については、図7に示した補正テーブルTaが生成された環境と同じであるものとする。したがって、電圧ドロップが生じており、電圧検出回路161によって検出されてステップS203でCPU117が取得するヘッド電圧VHは「22.5V」となる。
次に、サーマルプリンタ101のCPU117は、印字制御回路140を制御して、印字オンデータ数=0(印字率=0%)で1ライン印字を実行する(ステップS204)。なお、ステップS204で「印字オンデータ数=0(印字率=0%)で1ライン印字を実行する」といっても、印字率=0%であるので、実際には、レシート用紙RTへの印字は行われない。そして、ステップS204に際しても、電圧検出回路161は、ヘッド電圧VHを検出してCPU117に出力するので、サーマルプリンタ101のCPU117は、印字オンデータ数=0(印字率=0%)でのヘッド電圧VHを取得する(ステップS205)。
ところで、電源171の電圧は「24V」であるため、印字オンデータ数=0(印字率=0%)での1ライン印字がなされる場合に電圧検出回路161によって検出されるヘッド電圧VHは「24V」になると考えられる。しかし、電源171の出力電圧誤差によって、このとき電圧検出回路161によって検出されるヘッド電圧VHは「24V」よりも高い値又は低い値となることがある。そこで、以下には、ステップS205で電圧検出回路161によって検出されてCPU117が取得したヘッド電圧VHが「24V」よりも高い「24.5V」であった場合について説明する。
次に、サーマルプリンタ101のCPU117は、ステップS203で取得した印字オンデータ数=432(印字率=100%)でのヘッド電圧VHと、ステップS205で取得した印字オンデータ数=0(印字率=0%)でのヘッド電圧VHとに基づいて、補正テーブルTa(図11参照)を生成する(ステップS206)。
図11は、補正テーブルTaのデータ構成のさらに別の一例を示す模式図である。図11に示す補正テーブルTaが記憶するデータ構成は、図7及び図9に示した補正テーブルTaと同一である。しかし、他の例とは異なり、図11に示す補正テーブルTaの「ランク1」には、基準テーブルTbに記憶されている基準電圧及び基準パルス幅が記憶されない。これに代えて、図11に示す補正テーブルTaの「ランク1」には、印字オンデータ数=0(印字率=0%)でのヘッド電圧VH(=24.5(V))に基づいて算出されるパルス幅が記憶される。したがって、図10のフローチャートのステップS206では、まず、サーマルプリンタ101のCPU117は、図10のフローチャートのステップS205で取得したヘッド電圧VH「24.5V」と基準テーブルTbとに基づいて、上記の式に従って、各通電単位におけるパルス幅を算出する。そして、CPU117は、算出したパルス幅(μs)を、補正テーブルTaの「ランク1」の「パルス幅(μs)」に記憶させる。このとき、補正テーブルTaの「ランク1」の「電圧(V)」には、取得した電圧「24.5(V)」を記憶させる。
そして、「ランク2」ないし「ランク4」の「パルス幅(μs)」及び「電圧(V)」については、サーマルプリンタ101のCPU117は、図7又は図9に基づいて説明したようにして求めて、図11に示す補正テーブルTaに記憶させる。このようにして、図11に示すような補正テーブルTaが生成される。作成された補正テーブルTaに基づいた印字動作については、図8のタイミングチャートに基づいて説明した印字動作と同様なので説明は省略する。
このようにして生成された図11に示す補正テーブルTaによれば、出力されるストローブ信号STBのパルス幅の補正が、より正確に実行される。
以上説明したように本実施の形態によれば、キャリブレーション処理の実行により電圧検出回路161が検出した電圧に基づいてストローブ信号STBのパルス幅(μs)が求められて補正テーブルTaに記憶されるので、通常印字で印字制御回路140から出力されるストローブ信号STBのパルス幅の補正が適切になされる。こうして、サーマルプリンタ101が組込みタイプであっても分散タイプであっても、印字結果に対する電圧ドロップの影響を抑えることができる。
サーマルプリンタの構造を概略的に示す縦断側面図である。 プリンタシステムの各部の電気的接続を示すブロック図である。 サーマルヘッドの構成を示すブロック図である。 印字制御回路の構成示す機能ブロック図である。 キャリブレーション処理を示すフローチャートである。 基準テーブルのデータ構成を示す模式図である。 補正テーブルのデータ構成を示す模式図である。 通常印字での印字動作の一例を示すタイミングチャートである。 補正テーブルのデータ構成の別の一例を示す模式図である。 キャリブレーション処理の別の一例を示すフローチャートである。 補正テーブルのデータ構成のさらに別の一例を示す模式図である。
符号の説明
101…サーマルプリンタ,112…サーマルヘッド,131…発熱抵抗体,140…印字制御回路(印字制御部),151…印字オンデータ数計数回路(計数部),161…電圧検出回路(電圧検出部),Ta…補正テーブル(記憶領域)

Claims (3)

  1. 複数ドットの発熱抵抗体をライン状に配置し、前記発熱抵抗体への通電時間を決定するストローブ信号に応じて印字データを前記発熱抵抗体に出力することで前記発熱抵抗体を通電状態にして発熱させるサーマルヘッドと、
    1ライン毎に印字データとストローブ信号とを前記サーマルヘッドに出力する印字制御部と、
    前記印字制御部に設けられて当該印字制御部が出力する印字データ中の印字オンデータ数を計数する計数部と、
    前記発熱抵抗体に印加されるヘッド電圧を検出する電圧検出部と、
    前記電圧検出部で検出されたヘッド電圧を基に設定されたストローブ信号のパルス幅を前記印字オンデータ数に対応付けて記憶領域に記憶させる手段と、
    を備え、
    前記印字制御部は、前記記憶領域から前記計数部によって計数される印字オンデータ数に対応するストローブ信号のパルス幅を読み出し、印字データと当該読み出したパルス幅のストローブ信号とを前記サーマルヘッドに出力する、
    サーマルプリンタ。
  2. 複数ドットの発熱抵抗体をライン状に配置し、前記発熱抵抗体への通電時間を決定するストローブ信号に応じて印字データを前記発熱抵抗体に出力することで前記発熱抵抗体を通電状態にして発熱させるサーマルヘッドと、
    1ライン毎に印字データとストローブ信号とを前記サーマルヘッドに出力する印字制御部と、
    前記印字制御部に設けられて当該印字制御部が出力する印字データ中の印字オンデータ数を計数する計数部と、
    前記発熱抵抗体に印加されるヘッド電圧を検出する電圧検出部と、
    印字オンデータ数を所定数にした印字データとストローブ信号とを前記印字制御部に出力させ、その際に前記電圧検出部によって検出されるヘッド電圧を取得する手段と、
    前記取得されたヘッド電圧と印字オンデータ数がゼロである場合におけるヘッド電圧の理論値である基準電圧とに基づいて各印字オンデータ数におけるヘッド電圧を求め、前記基準電圧を当該求めたヘッド電圧で除した値の自乗数に印字オンデータ数がゼロである場合におけるストローブ信号の基準パルス幅を乗じた値を各印字オンデータ数におけるパルス幅として求め、各印字オンデータ数と当該求めたストローブ信号のパルス幅とを対応付けて記憶領域に記憶させる手段と、
    を備え、
    前記印字制御部は、前記記憶領域から前記計数部によって計数される印字オンデータ数に対応するストローブ信号のパルス幅を読み出し、印字データと当該読み出したパルス幅のストローブ信号とを前記サーマルヘッドに出力する、
    サーマルプリンタ。
  3. 前記印字制御部は、印字データとストローブ信号とを1ライン毎に複数の通電単位に分割して出力し、
    前記補正テーブルは、通電単位毎のパルス幅を記憶する、
    請求項1又は2記載のサーマルプリンタ。
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