JP2011062883A - 液体吐出ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】周囲封止材と素子基板および支持部材との線膨張係数差が原因となる素子基板の亀裂の発生などを低減でき、良好な印字が可能な液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】本発明は、液体を吐出する吐出口に連通する液体流路に前記液体を供給するための液体供給口を有する素子基板と、該素子基板が配置されるデバイスホールを有する支持部材と、前記デバイスホールに配置された前記素子基板の周囲を封止する周囲封止材と、を有する液体吐出ヘッドであって、前記周囲封止材は熱硬化型樹脂からなり、前記デバイスホールの側面又は前記素子基板の側面に可撓性を有する部材が設けられていることを特徴とする液体吐出ヘッドである。
【選択図】図4

Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッドに関し、好ましくは、インクを被記録媒体に吐出することにより記録を行うインクジェット記録ヘッドに関するものである。また、本発明は、被記録媒体に対し記録を行う、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた記録装置に適用できる。
従来、液体吐出ヘッドの吐出口から記録液(例えばインク)を吐出することにより記録を行う液体吐出記録装置が、低騒音や高速記録などの点で優れた記録装置として知られている。この液体吐出記録の方法については、これまでにさまざまな方式が提案されており、改良が加えられて商品化されたものもあれば、実用化への努力が続けられているものもある。
この種の液体吐出ヘッドは、例えば図1に示すように構成される。図1において、1は、インクを吐出するための吐出口3に連通する液体流路5を有する流路形成層4と、液体流路5に液体を供給する液体供給口6を含むシリコン基板と、を有する素子基板である。オリフィスプレート4と各吐出口3に連通した流路5と、流路5の一部を構成し、かつ吐出のためのエネルギーを発生する発熱素子2と各流路5に液体を供給する供給部6を有する素子基板1と、供給部6に連通している連通口8を有する支持部材7と、によって構成されている。
このような構成を有する液体吐出ヘッドにおいては、例えば特許文献1で開示しているような方法で製造されている。図1を参照して説明すると、まず、オリフィスプレート4が形成された素子基板1を支持部材7へマウント接着剤13を用いて接着する。その後、電気配線部材10を支持部材7に貼り合わせ、電気配線部材10と素子基板1とを電気的に接続する。その後、素子基板1の周囲を、周囲封止材11を用いて封止する。その後、電気配線部材10と素子基板1とのリード部もリード封止材12を用いて封止する。
上記構成の液体吐出ヘッドにおいては、インクを加熱する発熱素子は半導体製造方法を用いてウェハ状態のシリコン基板上に作り込まれる。そして、ダイシングによって切り分けられた各々の素子基板を用いてインクジェット記録ヘッドを作製する。ダイシングによってカットされたカット面は、化学的に侵され易く、素子基板の周囲に封止材を塗布することによって、インク等の様々な外的要因から素子基板を守ることが可能となる。
この周囲封止材に求められる機能としては、耐薬品性、低アウトガス性等が挙げられる。耐薬品性の要求は、様々な薬品が混ぜられているインク等に触れても、その形状や性質が変化せず、インクジェットの吐出に問題を発生させないことを目的としている。また、低アウトガス性の要求においては、アウトガスの発生によって、発熱素子やオリフィスプレートの撥水性の変化によるインクの吐出劣化を防ぐことを目的としている。これらの要求性能を満たすため、現在一般的に用いられているインクジェット用封止材としては、耐薬品性に優れていることが知られているエポキシ樹脂組成物を使用している。また、この際取扱いの容易な一液型の封止材が一般に使用されるため、硬化には加熱が必要である。
以下に、周囲封止材の封止工程における塗布、熱硬化、冷却(常温まで)過程について図2を用いて説明する。まず、図2(a)は、周囲封止材を塗布する前の液体吐出ヘッドの断面図である。デバイスホール14と呼ばれる素子基板1と支持部材7との間の空間に周囲封止材が塗布(又は充填)される。図2(b)は、周囲封止材を塗布した後の液体吐出ヘッドの断面図である。その後、熱硬化型である周囲封止材を加熱によって硬化させる。この加熱により、図2(c)に示したように、素子基板と支持部材の双方が熱膨張した状態で、周囲封止材が硬化する。
上述のように、一般に用いられる周囲封止材はエポキシ樹脂組成物であるため、素子基板や支持部材と比べて線膨張係数が大きい。通常、エポキシ樹脂の線膨張係数は、無機フィラー等を含有していない場合、60〜80ppm/℃程度である。一方、素子基板は通常シリコンから形成されるため、線膨張係数は3〜5ppm/℃程度である。また、支持部材はアルミナなどのセラミックス材料から形成される場合、5〜10ppm/℃程度である。そのため、図2(d)に示したように、熱硬化終了後、常温に戻るにつれて、素子基板や支持部材と比べ、周囲封止材は大きく収縮する。周囲封止材と接着された素子基板と支持部材は、周囲封止材の収縮によって、大きく引っ張られる。特に素子基板の供給部の角部は非常に脆いため、上面図である図3に示したように、亀裂が生じ、素子基板に割れが生じる場合がある。
このような不具合を防止するためには、図2(e)に示したように、周囲封止材の収縮による素子基板と支持部材の引っ張りを低減すればよい。そこで、特許文献2では、周囲封止材にフィラーを充填し、周囲封止材の線膨張係数を低下させることによって、周囲封止材の素子基板の引張を小さくすることが開示されている。また、特許文献3では、柔軟性を有する周囲封止材を用いると、その柔軟性によって周囲封止材が弾性変形するため、周囲封止材の素子基板の引張を小さくすることが開示されている。
特開2002−019123号公報 特開2007−15309号公報 特開2007−331235号公報
しかしながら、周囲封止材にフィラーを充填した場合、高粘度の封止材となってしまう。周囲封止材は、一般的に、素子基板の周囲四辺のうち、リード部が配置されていない側の周囲二辺のデバイスホールに塗布し、リード部が配置されている側の周囲二辺のデバイスホールに毛細管力で流れ込ませる。そのため、周囲封止材が高粘度であると、素子基板周囲に流れ込みにくくなり、更なるコストダウンを目的とした工程時間の短縮化を図りにくくなるという問題が生じる。
また、柔軟性を有する周囲封止材を用いた場合は、柔軟性を有する周囲封止材は通常反応基当量が高く、反応性が低いため、硬化に時間がかかるという問題が生じる。また、安価な変性PPE(変性ポリフェニレンエーテル)からなる支持部材を用いた液体吐出ヘッドに柔軟性を有する周囲封止材を用いた場合、電気配線部材と素子基板との電気接続に以下のような不具合が生じる場合がある。変性PPEとシリコンからなる素子基板との線膨張係数の差が大きいため、温度変化によって支持部材と素子基板とをつなぐリード部にストレスが生じる。柔軟性を有する周囲封止材であると、ギプスのようにリード部を固定できないため、リード部に折れや切れが生じ、電気配線部材と素子基板との電気接続が外れる可能性がある。
また、今後の更なるコストダウンため、素子基板はシュリンク化がすすみ、素子基板の強度は低下し、より変形が生じやすいものとなってしまうことが予想される。
本発明は、上述のような課題を解決することを目的としてなされたものである。
本発明に係る液体吐出ヘッドは、
液体を吐出する吐出口に連通する液体流路に前記液体を供給するための液体供給口を有する素子基板と、該素子基板が配置されるデバイスホールを有する支持部材と、前記デバイスホールに配置された前記素子基板の周囲を封止する周囲封止材と、を有する液体吐出ヘッドであって、
前記周囲封止材は熱硬化型樹脂からなり、
前記デバイスホールの側面又は前記素子基板の側面に可撓性を有する部材が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る液体吐出ヘッドは、周囲封止材の熱硬化後常温に戻った際に素子基板に大きな応力を与えることが無いため、良好な印字性能を有する。また、周囲封止材にフィラーを充填することや可撓性を付与することが必要無いため、周囲封止材の選択の幅が広がり、周囲封止材に高流動性や高反応性を付与することが可能となる。
従来の液体吐出ヘッドの構成の一例を示す概略図である。 従来の液体吐出ヘッドにおいて素子基板を支持部材に配置するプロセスを説明するための概略工程図である。 従来の液体吐出ヘッドにおいて、熱膨張により変形し、素子基板に亀裂が生じた状態を示す概略図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの製造工程を説明するための概略工程図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの一例を示す概略図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの一例を示す模式的斜視図である。 流路形成層が上に形成された素子基板を支持部材のデバイスホール14に接合により配置するプロセスを説明するための概略図である。 図7と同様の工程を説明するための概略斜視図である。 電気配線部材10を貼り合わし、リード部9を素子基板1へ電気的に接続するプロセスを説明するための概略図である。 デバイスホールの側面にポリブタジエン骨格エポキシ樹脂を塗布し、熱硬化して、可撓性部材15を形成するプロセスを説明するための概略図である。 周囲封止材11を凹部14に充填するプロセスを説明するための概略図である。 リード部9へリード封止材12を塗布するプロセスを説明するための概略図である。 実施例2における可撓性部材を素子基板の側面に形成した状態を示す概略図である。 実施例3における可撓性部材を予めデバイスホール側面に形成した状態を示す概略図である。
以下、本発明に係る液体吐出ヘッドの一実施形態としてインクジェット記録ヘッドについて説明する。また、以下の説明では、本発明の適用例として、主にインクジェット記録ヘッドを例に挙げて説明を行うが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、バイオッチップ作製や電子回路印刷用途の液体吐出ヘッドにも適用できる。液体吐出ヘッドとしては、インクジェット記録ヘッドの他にも、例えばカラーフィルター製造用ヘッド等も挙げられる。
本発明の液体吐出ヘッドは、デバイスホールの側面又は素子基板の側面に可撓性部材が設けられていることを特徴とする。
以下に、本発明の実施形態を、図4を用いて説明する。図4は、本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法を説明するための工程断面図である。
まず、図4(a)において、周囲封止材の塗布前のデバイスホールの側面に可撓性部材が形成されている。また、素子基板1は、側面に可撓性部材15が形成されたデバイスホールを有する支持部材7にマウント接着剤13を用いて支持固定されている。また、素子基板1の上には吐出口に連通する液体流路5を構成する流路形成層が設けられている。また、液体流路5は、素子基板1の内部に形成される液体供給口6と連通している。
デバイスホールは素子基板1が配置される空間であり、デバイスホールの底部には液体連通口8が設けられている。この液体連通口8と液体供給口6とが連通するように素子基板1はデバイスホールに配置される。インク等の液体は液体連通口8から液体供給口6に供給される。
可撓性部材は、デバイスホールの側面又は素子基板の側面に形成することができる。デバイスホールの側面及び素子基板の側面の両方に形成してもよい。また、可撓性部材は素子基板の側面のみならず、前記流路形成層の側面にまで設けられていてもよい。
また、可撓性部材は、周囲封止材塗布(又は充填)の前に、デバイスホールの側面又は素子基板の側面に設けられていればよい。例えば、素子基板を支持部材に支持固定した後に可撓性部材を設けることもできるし、素子基板が支持部材に支持固定される前に予め形成しておいてもよい。
前記可撓性部材としては、可撓性を有する材料であれば特に制限されないで用いることができる。可撓性部材として、例えば、ブタジエンゴム若しくはアクリルゴム等のゴム材料、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等を好ましく用いることができる。これらの中でも、ポリブタジエン骨格エポキシ樹脂組成物が好ましい。ポリブタジエン骨格エポキシ樹脂組成物とは、ポリブタジエン骨格エポキシ樹脂と硬化剤を含む組成物である。ポリブタジエン骨格エポキシ樹脂とは、その構造中に1,4−ブタジエンまたは1,2−ブタジエンの構造が含まれているものを示し、その他の構造は、特に限定されるものではない。またブタジエン骨格と呼ぶこともできる。ブタジエンの二重結合を酸化することによりエポキシ化する方法やブタジエンの両末端にエポキシ基を導入して得られるポリブタジエン骨格を有するエポキシ樹脂を使用することができる。硬化剤は、ポリブタジエン骨格エポキシ樹脂を硬化させることができれば、何れでも用いることが出来、例えば酸無水物系やアミン系硬化剤が使用できる。また、エポキシ樹脂やウレタン樹脂は、低弾性のものが好ましく用いることができる。可撓性部材の弾性率としては、例えば、0.01MPa以上100MPa以下のものが用いられ、0.05MPa以上50MPa以下のものが好ましく、0.1MPa以上10MPa以下のものがより好ましい。
可撓性部材の線膨張係数としては、例えば60〜300ppm/℃のものが用いられ、80〜280ppm/℃のものが好ましく、100〜250ppm/℃のものがより好ましい。
可撓性部材の厚さとしては、例えば300μm〜3mmであり、500μm〜1mmが好ましい。300μm以上とすることにより、素子基板の亀裂の発生をより有効に低減することができる。
可撓性部材の形成方法としては、例えば、塗布し、熱硬化して形成する方法が挙げられる。
前記支持部材の材料としては、特に制限されるわけではないが、例えば、熱伝導性に優れたアルミナ(Al23)やシリコン(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、ジルコニア(ZrO2)、窒化珪素(Si34)、炭化珪素(SiC)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)などを好ましく用いることができる。また、熱伝導性及び耐インク性に優れたアルミナがより好ましく用いられる。また、樹脂材料も用いることができ、良好な耐インク性を有し、成形が容易で、比較的安価なことから、ポリフェニレンエーテル(PPE)とポリスチレン(PS)のポリマアロイである変性PPE(変性ポリフェニレンエーテル)が好ましい。
支持部材の線膨張係数は、例えば2〜80ppm/℃のものが用いられ、4〜70ppm/℃のものが好ましく、6〜60ppm/℃のものがより好ましい。
次に、図4(b)に示すように、素子基板1とデバイスホールとで形成される空間である凹部14に周囲封止材を塗布(又は充填)する。周囲封止材と可撓性部材は接した状態となる。
周囲封止材の材料としては熱硬化型樹脂が用いられ、充填後の加熱により硬化される。周囲封止材の材料としては、特に制限されるものではないが、耐インク性の観点から、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
周囲封止材に用いる熱硬化型エポキシ樹脂組成物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と酸無水物硬化剤との組成物等が挙げられる。周囲封止材の線膨張係数は例えば30〜100ppm/℃である。
次に、図4(c)に示すように、熱硬化型である周囲封止材を加熱によって硬化させる。この加熱により、図に示すように、素子基板、周囲封止材及び支持部材が外側に熱膨張し、この状態で周囲封止材が硬化する。
熱硬化終了後、常温に戻るにつれて、素子基板や支持部材と比べて周囲封止材は大きく収縮する。この際、例えば線膨張係数は、素子基板は3ppm/℃、支持部材は7ppm/℃、周囲封止材は60ppm/℃、可撓性部材は100ppm/℃である。その際、図4(d)に示すように、周囲封止材に接した可撓性部材が周囲封止材によって引っ張られて弾性変形する。このように、可撓性部材をデバイスホールの側面又は素子基板の側面に設けておくことにより、可撓性部材が伸びて周囲封止材の引っ張りを緩和することができるため、素子基板に大きな応力を生じることが無い。したがって、素子基板、特に液体供給口の亀裂の発生を抑えることができ、信頼性の高い液体吐出ヘッドを製造することが可能となる。
本発明に係る液体吐出ヘッドは、線膨張係数を調整するために周囲封止材にフィラーを充填する必要が無いため、高流動性の周囲封止材を用いることができ、素子基板周囲への周囲封止材の回り込み時間を短縮して製造することができる。また、周囲封止材に可撓性を付与する必要もないため、反応基当量の低い高反応性を有する周囲封止材を選択可能となることから、周囲封止材の硬化時間を短縮して製造することができる。また、変性PPEからなる支持部材が使われた場合でも、周囲封止材にフィラーを充填する必要も無く、可撓性を付与する必要も無い。そのため、高流動性で且つ高弾性を有する周囲封止材を選択することが可能となり、リード部もギプスのように固定できる。そのため、電気配線部材と素子基板との電気接続の信頼性が高い液体吐出ヘッドとなる。
本発明の液体吐出ヘッドにおいては、上述のように、周囲封止材の必要スペックが軽減することになり、周囲封止材の選択の幅が広がることなる。
以下、実施例及び比較例により、本発明について更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、本実施例における液体吐出ヘッドの概略構成を説明する。
図5には、本実施例にかかる液体吐出ヘッドの素子基板周辺の模式図を示している。
図5において、内部に液体供給口6を有する素子基板1の上に、インク等の液体を吐出する吐出口3及び該吐出口3に連通する液体流路5を構成する流路形成層4が形成されている。また、素子基板の上には、吐出のためのエネルギーを発生する発熱素子などのエネルギー発生素子2が形成されている。また、液体流路5に液体を供給する液体供給口6は、支持部材7に形成される液体連通口8と連通している。素子基板1は支持部材7のデバイスホールにマウント接着剤13を用いて貼り合わされている。液体を吐出するための信号は、電気配線部材10に設けられるリード部9(図6参照)を介して伝えられ、リード部9はリード封止材12で封止されている。素子基板1と支持部材7とで形成される凹部には周囲封止材11が充填され硬化されている。可撓性部材15は、デバイスホール側面に形成されている。液体連通口8は、液体を貯蔵するタンク部16(図6参照)に連通する。
本実施例においては、素子基板1はシリコンからなり、電気信号を供給するためのAl配線等は成膜技術によって形成した。また、液体供給口6は異方性エッチング技術によって形成した。スピンコートによって材料をコーティングし、フォトリゾグラフィー技術を用いて吐出口3、液体流路5を形成することにより、流路形成層4を形成した。流路形成層4の材料としては、多官能エポキシ樹脂を用いた。また、本実施例において、支持部材7の材料としてはアルミナを用いた。また、周囲封止材11及びリード封止材12は、共に熱硬化性エポキシ系樹脂を用いた。周囲封止材11は、素子基板1と支持部材7の隙間、例えば、500μm〜1mmであるリード部9の下部へ効率よく流れ込ませるため、フィラーを含有していない低粘度タイプの封止材を用いた。リード封止材12は、リード部9の上部全体を完全に覆うため、高粘度、高チキソタイプの封止材を用いた。可撓性部材15としては、ポリブタジエン骨格エポキシ樹脂(商品名;デナレックスR−45EPT、ナガセケムテックス株式会社製)と酸無水物硬化剤(商品名;HN−5500、日立化成工業株式会社製)の組成物を用いた。弾性率は、動的粘弾性測定装置DMS6100(セイコー電子工業(株)製)を用いて測定し、25℃での貯蔵弾性率Eは5MPaである。
なお、図6に液体吐出ヘッドの全体図を示した。
図7〜12は、本実施例における液体吐出ヘッドの製造工程の概略フローを示す図である。
図7は、流路形成層が上に形成された素子基板を支持部材のデバイスホール14に接合により配置するプロセスを説明するための概略工程図である。図8は、図7と同様の工程を説明するための概略斜視図である。図9は、電気配線部材10を貼り合わし、リード部9を素子基板1へ電気的に接続するプロセスを説明するための概略工程図である。本実施例においては、リード部9を素子基板1へ電気的に接続する方法としては、熱と超音波と圧力による接続方法を採用した。図10は、デバイスホールの側面にポリブタジエン骨格エポキシ樹脂を塗布し、熱硬化して、可撓性部材15を形成するプロセスを説明するための概略工程図である。図11は、周囲封止材11を凹部14に充填するプロセスを説明するための概略工程図である。図12は、リード部9へリード封止材12を塗布するプロセスを説明するための概略工程図である。図9〜12において、(a)は上面図であり、(b)は(a)のXX’線における断面図である。
図7において、(a)は流路形成層が上に形成された素子基板を示し、(b)はデバイスホール14を有する支持部材7を示し、(c)及び(d)はそれぞれ(a)のYY’線及び(b)のZZ’線における断面図である。
まず、図7及び8に示すように、流路形成層が上に形成された素子基板を支持部材のデバイスホール14に液体連通口8と液体供給口6が連通するように接合により配置した。
次に、図9に示すように、電気配線部材10を貼り合わし、リード部9を素子基板1へ電気的に接続した。
次に、図10に示すように、デバイスホールの側面にポリブタジエン骨格エポキシ樹脂(商品名;デナレックスR−45EPT、ナガセケムテックス株式会社製)と酸無水物硬化剤(商品名;HN−5500、日立化成工業株式会社製)の組成物を塗布し、熱硬化し、可撓性部材15を形成した。
次に、図11に示すように、周囲封止材11としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名;828、ジャパンエポキシレジン株式会社製)と酸無水物硬化剤(商品名;HN−5500、日立化成工業株式会社製)を凹部14に塗布した。
次に、図12に示すように、リード部9へリード封止材12を塗布した。
次に、周囲封止剤11とリード封止材12を硬化させるため、加熱を行った。その後、タンク部を取り付け、液体吐出ヘッドを完成させた。
(実施例2)
図13に示したように、可撓性部材15をデバイスホール側面ではなく、素子基板の側面に形成したこと以外は実施例1と同様の方法で液体吐出ヘッドを製造した。
(実施例3)
図14に示したように、素子基板1と支持部材7とを接合させる前に予めデバイスホールの側面に可撓性部材15を形成したこと以外は実施例1と同様の方法で液体吐出ヘッドを製造した。
(実施例4)
ポリブタジエン骨格エポキシ樹脂の変わりにシリコンシーラントSE9186(東レダウコーニング株式会社製)を塗布し、湿気硬化して、可撓性部材15を形成したこと以外は実施例1と同様の方法で液体吐出ヘッドを製造した。
(実施例5)
支持部材として変性PPEであるノリルSE1X(GEプラスチックス株式会社製)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で液体吐出ヘッドを製造した。
(比較例1)
可撓性部材15を形成しなかったこと以外は実施例1と同様の方法で液体吐出ヘッドを製造した。
(比較例2)
周囲封止材11に、フィラーを含有した封止材としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名;828、ジャパンエポキシレジン株式会社製)と酸無水物硬化剤(商品名;HN−5500、日立化成工業株式会社製)とシリカ(フィラー含有量:全重量の70wt%)との組成物を用いたこと以外は比較例1と同様の方法で液体吐出ヘッドを製造した。
(比較例3)
周囲封止材11に、可撓性を有する封止材として柔軟性エポキシ樹脂EPICLON EXA−4850−150(DIC株式会社製)とアミン系硬化剤D−400(ハンツマン製)の組成物を用いたこと以外は比較例1と同様の方法で液体吐出ヘッドを製造した。
(比較例4)
支持部材として変性PPEであるノリルSE1X(GEプラスチックス株式会社製)を用いたこと以外は比較例3と同様の方法で液体吐出ヘッドを製造した。
(評価)
得られたインクジェット記録ヘッドの素子基板を観察したところ、実施例1〜5のものに関しては、亀裂は全く起こっていなかった。また、リード部の接続不良も起こっていなかった。さらに、熱衝撃試験として、0℃から100℃の熱衝撃を、各温度30分、100サイクル与えたが、亀裂は全く起こっていなかった。また、リード部の接続不良も起こっていなかった。このインクジェット記録ヘッドを用いてテストプリントを行ったところ、画像の乱れが見受けられず、優れた印字品位を有することが確認された。以上のように、本発明に係る実施例においては、信頼性の高いインクジェット記録ヘッドが得られることが分かる。
一方、比較例1では、素子基板の液体供給口の角部に亀裂が生じていた。比較例2では、フィラーを含有した周囲封止材を用いたため亀裂の発生はなかったが、素子基板周囲の回りこみに時間を要した。比較例3では、可撓性を有する周囲封止材を用いたため亀裂の発生はなかったが、周囲封止材の熱硬化に時間を要した。比較例4では、可撓性を有する周囲封止材を用いたため亀裂の発生はなかったが、周囲封止材の熱硬化に時間を要した。更に、電気配線部材と素子基板とを接続するリード部に接続不良が認められた。
評価結果を表1にまとめて示した。
Figure 2011062883
1 素子基板
2 エネルギー発生素子
3 吐出口
4 流路形成層
5 液体流路
6 液体供給口
7 支持部材
8 液体連通口
9 リード部
10 電気配線部材
11 周囲封止材
12 リード封止材
13 マウント接着剤
14 凹部
15 可撓性部材
16 タンク部
17 亀裂

Claims (7)

  1. 液体を吐出する吐出口に連通する液体流路に前記液体を供給するための液体供給口を有する素子基板と、該素子基板が配置されるデバイスホールを有する支持部材と、前記デバイスホールに配置された前記素子基板の周囲を封止する周囲封止材と、を有する液体吐出ヘッドであって、
    前記周囲封止材は熱硬化型樹脂からなり、
    前記デバイスホールの側面又は前記素子基板の側面に可撓性を有する部材が設けられていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記可撓性を有する部材の弾性率が、0.01MPa以上100MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記可撓性を有する部材が、ポリブタジエン骨格エポキシ樹脂組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記周囲封止材は熱硬化型エポキシ樹脂組成物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記周囲封止材の線膨張係数が30〜100ppm/℃であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記素子基板はシリコンからなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記支持部材は、変性ポリフェニレンエーテルであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
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