JP2011062589A - インクジェットヘッドの取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェットヘッドの取付構造において、インクジェットヘッドと印刷対象物とが衝突した場合でも、インクジェットヘッドや印刷対象物が損傷されにくくなるようにする。
【解決手段】立体形状を有するワーク13にインクを吐出するインクジェットヘッド5を、ワーク13に対して相対移動可能に設けられた梁部3cに取り付けるインクジェットヘッドの取付構造であって、インクジェットヘッド5および梁部3cを、インクジェットヘッド5に作用する衝撃力を吸収する衝撃吸収部材4を介して連結した取付構造とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、立体物に描画を行うインクジェット装置のインクジェットヘッドの取付構造に関する。
従来、立体形状を有する印刷対象物の表面に描画を行うインクジェット装置が知られている。
例えば、特許文献1には、このようなインクジェット装置として、印刷対象物に対して印刷用のインクを吐出する吐出ノズルを備えた吐出ヘッド(インクジェットヘッド)と、所定の主走査方向に沿って吐出ヘッドを連続的に移動させる主走査方向駆動手段と、主走査方向に直交する副走査方向に沿って吐出ヘッドを段階的に移動させる副走査方向駆動手段と、吐出ノズルの位置に対応する印刷対象物の傾斜に応じて、主走査方向及び副走査方向のそれぞれへの吐出ノズルの移動過程におけるインクの吐出パターンを制御する制御手段と、を備える印刷装置が記載されている。
この印刷装置では、印刷対象物を配置するステージ上で副走査方向に移動するスタンドと、このスタンドの上部側に副走査方向と直交する主走査方向に延ばして設置されたレールと、このレール上を主走査方向に移動可能に設けられたヘッド保持機構とを有し、このヘッド保持機構の下端側に、主走査方向および副走査方向に直交する軸線回りに回転可能に設けられた回転軸を介して、吐出ヘッドが取り付けられている。
このため、吐出ヘッドは、ヘッド保持機構とともに、ステージと一定距離だけ離れた平面内で2軸方向に移動しつつ、インクを吐出することで、ステージ上の印刷対象物に印刷を行う。
そして、印刷対象物の立体形状の傾斜に応じて吐出パターンを制御することで、印刷対象物の表面における描画パターンの歪みを防止している。
特開2001−239652号公報
しかしながら、上記のような従来のインクジェット装置には、以下のような問題があった。
特許文献1に記載の印刷装置では、印刷対象物の立体形状に応じて吐出パターンを変えることで描画パターンの歪みは防止できるものの、吐出ヘッドとステージとの距離を一定に保って描画するので、インクの飛距離の変化による印字ドット径の変化や、インクの着地位置精度の変化は防止できないため、印刷対象物の立体形状によっては印刷画質が低下してしまうという問題がある。例えば、微細な配線パターンを描画するような場合、配線パターンの線幅が場所により変化してしまうおそれがある。
このような問題を回避して、高精度な描画を行うため、インクジェットヘッドを印刷対象物に近接させるとともに印刷対象物との距離が一定となるように相対移動させることが考えられる。この場合、インクジェットヘッドと印刷対象物とが衝突することがないように、印刷対象物の形状に応じたインクジェットヘッドの相対移動経路を設定することが必要となる。
この相対移動経路は、印刷対象物の形状データ、例えば印刷対象物の製造に用いたCADデータなどに基づいて計算により求めることができる。ただし、インクジェットヘッドと印刷対象物との間の距離が小さく、印刷対象物の立体形状の変化が大きい場合には、印刷対象物の製造誤差やステージへの取付誤差、インクジェットヘッドと印刷対象物とを相対移動させる移動機構の移動誤差などの不測の誤差により、インクジェットヘッドと印刷対象物とが衝突する可能性がある。特に、より高精度の描画を行おうとすれば、インクジェットヘッドを印刷対象物により近づける必要があるため、このような衝突のリスクが増大していくという問題がある。
特許文献1に記載の技術のようなインクジェットヘッドの取付構造では、万一、インクジェットヘッドと印刷対象物とが衝突した場合、衝突時の衝撃によってインクジェットヘッドやその周辺部、あるいは印刷対象物が破損し、インクジェット装置や印刷対象物が使用不可能になってしまうという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、インクジェットヘッドと印刷対象物とが衝突した場合でも、インクジェットヘッドや印刷対象物が損傷されにくくなるインクジェットヘッドの取付構造を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明のインクジェットヘッドの取付構造は、立体形状を有する印刷対象物にインクを吐出するインクジェットヘッドを、前記印刷対象物に対して相対移動可能に設けられた相対移動部に取り付けるインクジェットヘッドの取付構造であって、前記インクジェットヘッドおよび前記相対移動部を、前記インクジェットヘッドに作用する衝撃力を吸収する衝撃吸収部材を介して連結した構成とする。
この発明によれば、インクジェットヘッドを、衝撃吸収部材を介して相対移動部に連結するので、インクジェットヘッドに衝撃力が作用した場合に、インクジェットヘッドから伝達された衝撃力が衝撃吸収部材によって吸収される。このため、インクジェットヘッドの損傷のおそれを低減することができる。また、衝撃力が印刷対象物から作用する場合には、インクジェットヘッドからの反作用が低減されるので、印刷対象物の損傷のおそれを低減することができる。
また、本発明のインクジェットヘッドの取付構造では、前記衝撃吸収部材は、前記衝撃力によって変形することにより該衝撃力を吸収する部材であることが好ましい。
この場合、衝撃吸収部材は、変形することによって衝撃力を吸収するので、衝撃吸収部材が破砕されたりすることなく衝撃を吸収することができる。
また、本発明の衝撃吸収部材が変形することにより衝撃力を吸収するインクジェットヘッドの取付構造では、前記衝撃吸収部材は、前記衝撃力によって塑性変形する部材であることが好ましい。
この場合、衝撃吸収部材が塑性変形するので、衝撃力によるエネルギーを散逸させることができる。このため衝撃力を効率的に低減することができる。
また、本発明の衝撃吸収部材が変形することにより衝撃力を吸収するインクジェットヘッドの取付構造では、前記衝撃吸収部材は、前記衝撃力によって弾性変形する部材であることが好ましい。
この場合、衝撃吸収部材が弾性変形するため、衝撃吸収部材が再使用可能となる。
また、本発明のインクジェットヘッドの取付構造では、前記衝撃吸収部材は、部材本体の一定位置に、前記衝撃力を吸収する衝撃吸収部を備えることが好ましい。
この場合、衝撃吸収部材の部材本体の一定位置に設けられた衝撃吸収部において、衝撃力が吸収されるので、衝撃吸収後の衝撃吸収部材の変形した形状や、インクジェットヘッドの位置変化が予測しやすくなり、衝撃吸収部材の変形によるインクジェット装置本体への2次的な損傷が防止しやすくなる。
また、本発明のインクジェットヘッドの取付構造では、前記衝撃吸収部材は、前記相対移動部に基端部が固定された固定部材と、前記インクジェットヘッドに基端部が固定された移動部材との2部材からなり、前記固定部材の先端部および前記移動部材の先端部が、前記衝撃力によって相対移動可能となるように吸着されていることが好ましい。
この場合、インクジェットヘッドに衝撃力が作用すると、移動部材が、固定部材と吸着された先端部において、固定部材の先端部に対して相対移動され、これにより、衝撃力が吸収される。
また、本発明の衝撃吸収部材が固定部材と移動部材との2部材からなるインクジェットヘッドの取付構造では、前記固定部材の先端部および前記移動部材の先端部は、磁力によって吸着されていることが好ましい。
この場合、固定部材の先端部および移動部材の先端部は、磁力によって吸着されているので、衝撃力によって互いに相対移動しても初期の吸着位置に容易に戻すことができるので、衝撃吸収部材が再使用可能となる。
また、本発明の衝撃吸収部材が固定部材と移動部材との2部材からなるインクジェットヘッドの取付構造では、前記固定部材の先端部および前記移動部材の先端部は、エア吸着によって吸着されていることが好ましい。
この場合、固定部材の先端部および移動部材の先端部は、エア吸着によって吸着されているので、衝撃力によって互いに相対移動しても吸着が外れても、容易に再吸着させることができるので、衝撃吸収部材が再使用可能となる。
本発明のインクジェットヘッドの取付構造によれば、インクジェットヘッドが衝撃吸収部材を介して相対移動部に連結されているため、衝撃吸収部材によってインクジェットヘッドに作用する衝撃力が吸収され、インクジェットヘッドと印刷対象物とが衝突した場合でも、インクジェットヘッドや印刷対象物が損傷されにくくなるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造を備えるインクジェット装置の概略構成を示す正面図である。 図1のA視の側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造を備えるインクジェット装置の印刷対象物の一例の印刷前および印刷後の様子を示す模式的な斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造のインクジェットヘッドの側面視の部分断面図、およびそのB視の下面図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造に用いる衝撃吸収部材の取付形態を示す模式的な正面図および衝撃吸収時の様子を示す模式的な正面図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造を備えるインクジェット装置の動作を順次説明する動作説明図である。 図6に続く動作を順次説明する動作説明図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係るインクジェットヘッドの取付構造に用いる衝撃吸収部材の取付形態を示す模式的な正面図および衝撃吸収時の様子を示す模式的な正面図である。 本発明の第2の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造に用いる衝撃吸収部材の取付形態を示す模式的な正面図、および衝撃吸収時の様子を示す模式的な正面図である。 本発明の第2の実施形態の変形例に係るインクジェットヘッドの取付構造に用いる衝撃吸収部材の取付形態を示す模式的な正面図、および衝撃吸収時の様子を示す模式的な正面図である。 本発明の第3の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造に用いる衝撃吸収部材の取付形態を示す模式的な正面図、および衝撃吸収時の様子を示す模式的な正面図である。 本発明の第4の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造に用いる衝撃吸収部材の取付形態を示す模式的な正面図、および衝撃吸収時の様子を示す模式的な正面図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造を備えるインクジェット装置の概略構成を示す正面図である。図2は、図1のA視の側面図である。図3(a)、(b)は、それぞれ本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造を備えるインクジェット装置の印刷対象物の一例の印刷前および印刷後の様子を示す模式的な斜視図である。図4(a)は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造のインクジェットヘッドの側面視の部分断面図である。図4(b)は、図4(a)のB視の下面図である。図5(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造に用いる衝撃吸収部材の取付形態を示す模式的な正面図、および衝撃吸収時の様子を示す模式的な正面図である。
本実施形態のインクジェットヘッドの取付構造を備えるインクジェット装置1は、図1、2に示すように、立体形状を有する印刷対象物であるワーク13の表面に、インクジェット方式の描画により印刷を行うものである。
本実施形態では、図3(a)に示すように、一例として、ワーク13が、帯状の平板を長手方向の2箇所で直角に折り曲げられた全体としてS字状断面を有する部材からなる場合の例で説明する。
すなわち、ワーク13は、平面部13aと、平面部13aの端部の屈曲部13bで90度に折り曲げられた平面部13cと、屈曲部13bと反対側の平面部13cの端部に形成された屈曲部13dで平面部13aと反対側に90度折り曲げられた平面部13eとから構成される。
また、ワーク13に描画される描画パターンの例としては、図3(b)に示すように、ワーク13の表面上で、平面部13a、13c、13eにわたって、2箇所の屈曲部13b、13dを横断する複数の線状のパターンからなる配線14を描画する場合の例で説明する。
配線14は、例えば、ナノサイズの金属粒子を溶媒中に均一に分散させた液体(以下、「金属ナノインク」という)で描画し、描画後にワーク13とともに加熱処理して、乾燥、焼結される。
インクジェット装置1の概略構成は、図1、2に示すように、台座2、門型支柱3、X軸移動ステージ6、Y軸移動ステージ7、Z軸移動ステージ10、回転ステージ11、ワーク保持部12、インクジェットヘッド5、および衝撃吸収部材4を備える。また、特に図示しないが、X軸移動ステージ6、Y軸移動ステージ7、Z軸移動ステージ10、回転ステージ11、ワーク保持部12、およびインクジェットヘッド5の動作を制御するための制御部を備えている。
台座2は、水平面上に配置された装置の基台である。
門型支柱3は、台座2の上面に互いに間隔を空けて立設された支柱部3a、3bと、これら支柱部3a、3bの上端部に架設された梁部3cとからなる正面視門型の支持部材である。梁部3cの中央部の下端側には、衝撃吸収部材4の一端部が固定されている。
X軸移動ステージ6は、門型支柱3の下方側の台座2上に設置され、制御部からの制御信号に基づいて、水平方向の1軸であるX軸(図1の左右方向)に沿って移動可能とされている。
Y軸移動ステージ7は、X軸移動ステージ6のステージ上面に設置され、制御部からの制御信号に基づいて、X軸移動ステージ6の移動方向(X軸に沿う方向)と直交する水平方向の1軸であるY軸(図1の紙面垂直方向)に沿って移動可能とされている。
Y軸移動ステージ7のステージ上面には、四角柱状のZ軸支柱8が立設されており、このZ軸支柱8の側面に、Z軸移動ステージ10をX軸およびY軸に直交するZ軸(鉛直方向)に沿って移動可能に支持するZ軸スライド9が取り付けられている。
Z軸移動ステージ10は、Z軸スライド9に可動支持され、制御部からの制御信号に基づいて、Z軸に沿う方向に移動可能とされている。
回転ステージ11は、Z軸移動ステージ10のZX平面に平行なステージ面に設置され、制御部からの制御信号に基づいて、Y軸に平行な回転中心軸C回りに回転可能とされている。
ワーク保持部12は、ワーク13を回転ステージ11の回転中心軸C上の一定位置に保持するもので、本実施形態では、先端部にワーク13を把持する把持機構が設けられている。
このような構成により、制御部からの制御信号に基づいて、X軸移動ステージ6、Y軸移動ステージ7、Z軸移動ステージ10、および回転ステージ11の各移動量、回転量を制御することで、ワーク保持部12に把持されたワーク13を、台座2上で、X軸、Y軸、Z軸の3軸方向に沿って平行移動させるとともに、その移動位置で、回転中心軸C回りに回転移動させることができるようになっている。
次に、インクジェットヘッド5および衝撃吸収部材4の構成について、インクジェットヘッド5の取付構造とともに説明する。
インクジェットヘッド5の概略構成は、図4(a)、(b)に示すように、インクを吐出するインクジェットヘッド本体5aと、インクジェットヘッド本体5aを保持して、衝撃吸収部材4に固定するヘッド固定カートリッジ5dとを備える。
インクジェットヘッド本体5aの外形は略直方体状とされ、内部に一定量のインクを貯留するインク室(不図示)を備えており、1つの側面に、インクを吐出するインク吐出口5c(図4(b)参照)が設けられ、インク吐出口5cが設けられた側面に隣接する1つの側面に、インク室にインクを充填するためのチューブ状のインク供給部5bが設けられている。
インク供給部5bは、例えば、インク注入治具の先端に設けられた注射器状の注入部が挿入可能とされ、インク注入治具によって、描画に必要なインクを、インク室内部に充填できるようになっている。
また、インクジェットヘッド本体5aは、インク室に充填されたインクをインク吐出口5cから吐出させるインク吐出機構を内蔵している。
このインク吐出機構は、インク供給部5bが設けられたとの同じ側面から側方に延出されたケーブル15を介して、制御部と電気的に接続されている。これにより、制御部からの制御信号によって、インクの吐出動作が制御されるようになっている。
インク吐出機構としては、周知のいかなるインク吐出機構を採用してもよく、例えば、ピエゾ素子を用いたインク吐出機構などを好適に採用することができる。
インクとしては、描画の目的によって適宜のインクを用いることができる。本実施形態では、配線14を描画するため金属ナノインクを用いている。金属ナノインクは、ナノサイズの金属粒子の表面を分散剤で覆い、溶媒に分散させたものである。
金属ナノインクに用いる金属粒子の種類としては、銀、金、銅、パラジウム、ニッケルなどを挙げることができる。また、溶媒の種類としては、高沸点溶媒や水を挙げることができる。
金属粒子と溶媒の構成比は、インクジェット方式で吐出する場合、溶媒が70重量%〜90重量%含まれることが好ましい。
ヘッド固定カートリッジ5dの形状は、全体として、インクジェットヘッド本体5aよりわずかに大きい直方体状である。ヘッド固定カートリッジ5dの1つの側面には、衝撃吸収部材4の端部に連結するための雄ネジ部5eが外側に向かって突設されている。雄ネジ部5eが設けられた側面に隣接する1つの側面には、インクジェットヘッド本体5aを着脱するための開口部5fが設けられ、雄ネジ部5eが設けられた側面に対向する側面側には、ヘッド固定カートリッジ5dに装着されたインクジェットヘッド本体5aのインク吐出口5cから吐出させるインクを通過させる開口部5gが設けられている。
そして、このような構成のヘッド固定カートリッジ5dに対し、インクジェットヘッド本体5aは、開口部5gの内側にインク吐出口5cが対向し、開口部5fからインク供給部5bおよびケーブル15が側方に延出される位置関係に取り付けられている。
本実施形態の衝撃吸収部材4は、図5(a)に示すように、内部に貫通する孔部4aを備える真直の管部材からなり、孔部4aの端部にそれぞれ雌ネジ部4b、4cが設けられている。
雌ネジ部4bは、門型支柱3の梁部3cの下端側から鉛直方向下向きに突設された雄ネジ部3dと螺合して、衝撃吸収部材4を梁部3cに着脱可能に固定するものである。
衝撃吸収部材4が、梁部3cに固定された状態では、雌ネジ部4bが設けられた衝撃吸収部材4の端部と梁部3cの下面とが当接されて、上下方向に位置決めして固定される。
また、雌ネジ部4cは、インクジェットヘッド5の側面に突設された雄ネジ部5eと螺合して、インクジェットヘッド5を着脱可能に固定するものである。
衝撃吸収部材4が、インクジェットヘッド5に固定された状態では、雌ネジ部4cが設けられた衝撃吸収部材4の端部とインクジェットヘッド5の雄ネジ部5eが設けられた側面とが当接されて、上下方向に位置決めして固定される。
このように、梁部3c、衝撃吸収部材4、およびインクジェットヘッド5が互いに固定されると、インクジェットヘッド5は、梁部3cから鉛直下方に延ばされた衝撃吸収部材4を介して、梁部3cの下面から一定距離だけ離間された位置に固定される。
すなわち、ワーク保持部12に保持されて移動されるワーク13から見ると、インクジェットヘッド5は、ワーク13に対して相対移動可能に設けられた相対移動部である梁部3cに衝撃吸収部材4を介して連結されている。
衝撃吸収部材4の材質としては、塑性変形が容易なアルミニウム合金を採用している。衝撃吸収部材4の管長、管径および肉厚は、インクジェットヘッド5がワーク13に衝突した場合に、衝撃吸収部材4が塑性変形することで、インクジェットヘッド5に作用する衝撃力を吸収できるような寸法とされる。このような寸法は、実験や計算などを行って決めることができる。
衝撃力を効率的に吸収するには、衝撃吸収部材4に発生する応力で塑性変形が起こりやすくなる寸法とすればよい。管長は長いほど、管径は細いほど、肉厚は薄いほど、より小さな衝撃力で塑性変形を起こすことができる。
次に、本実施形態のインクジェット装置1の動作をインクジェットヘッドの取付構造の作用とともに説明する。
図6(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造を備えるインクジェット装置1の動作を順次説明する動作説明図である。図7(c)、(d)は、図6(b)に続く動作を順次説明する動作説明図である。
本実施形態では、金属ナノインクによって、飛翔径が、例えば、20μm程度となるインク吐出を行い、インクジェットヘッド5とワーク13とを相対移動させて、ワーク13の表面に描画を行う。このようなインク液滴によりワーク13上で安定したドットを形成するため、本実施形態では、インクジェットヘッド5のインク吐出口5cとワーク13との間の距離が一定値、例えば、約2mmとなるように相対移動を行う。
まず、制御部では、予め入力されたワーク13の外形の情報から、配線14を描画するための移動経路Pのデータを作成する。
本実施形態の移動経路Pは、図6(a)に2点鎖線で示すように、ワーク13の表面から約2mmだけ平行に離間された略S字状の経路となる。平面視の移動経路Pは、特に図示しないが、配線14の線幅が描画されるように、同様の移動経路Pを図示の紙面奥行き方向にずらして往復走査をさせればよい。
このような移動経路Pに沿って相対移動を行うため、制御部は、X軸移動ステージ6、Y軸移動ステージ7、Z軸移動ステージ10、および回転ステージ11の移動量、回転量を調整して、図6(a)に示すように、ワーク保持部12に保持されたワーク13の平面部13aが、XY平面と平行となるようにワーク13を移動する。そして、平面部13aの端部を、インク吐出口5cを有するインクジェットヘッド5の下端面から約2mm下方に位置させる。
この状態で、X軸移動ステージ6を図示矢印a方向(X軸正方向)に移動させつつ、インクジェットヘッド5からインクを吐出させる。これにより、配線14が順次平面部13a上に描画される。
図6(b)に示すように、インクジェットヘッド5の下方に屈曲部13bがさしかかると、制御部は回転ステージ11を図示時計回りの矢印b方向に回転させつつ、X軸移動ステージ6およびZ軸移動ステージ10を協調動作させ、インクジェットヘッド5の相対移動軌跡が移動経路Pの曲線部分に沿うように相対移動させる。
そして、回転ステージ11を90度回転させると、図7(c)に示すように、平面部13cがXY平面と平行となる。この状態で、図示矢印c方向(X軸正方向)に移動させる。
こうして、インクジェットヘッド5が屈曲部13dにさしかかると、図7(d)に示すように、制御部は回転ステージ11を図示反時計回りの矢印d方向に回転させつつ、X軸移動ステージ6およびZ軸移動ステージ10を協調動作させ、インクジェットヘッド5の相対移動軌跡が移動経路Pの曲線部分に沿うように相対移動させる。
そして、回転ステージ11を90度回転させると、平面部13eがXY平面と平行となる。この状態で、さらにX軸正方向に移動させ、平面部13eの端部で停止させる。
次に、Y軸移動ステージ7を駆動して、ワーク13をY軸方向にずらして、上記と逆方向に描画を行い、これを適宜回数繰り返す。これにより、ワーク13上に、配線14が描画される。
しかしながら、例えば、屈曲部13b、13dの近傍の動作において、例えば、ワーク13の立体形状などにより各ステージの移動方向にかかる負荷が複雑に変化するため、X軸移動ステージ6、Z軸移動ステージ10、および回転ステージ11のそれぞれの応答速度にバラツキが生じる場合がある。このような場合、インクジェットヘッド5の相対移動軌跡が、移動経路Pからずれてしまうおそれがある。また、各ステージ間の協調動作が正確でインクジェットヘッド5が移動経路P上を正確に移動された場合でも、ワーク13の製作誤差やワーク保持部12に対するワーク13の把持誤差が大きいと、ワーク13の表面に対するインクジェットヘッド5の対向距離に誤差が生じ、相対的には、インクジェットヘッド5の移動経路Pから外れたのと同じことになる。
これらの場合、本実施形態では、ワーク13とインクジェットヘッド5との間の距離が、約2mmと小さく、インクジェットヘッド5が移動方向にある程度の外形幅を有することを考えると、例えば、図7(d)に示すように、移動経路PがV字状に変化する屈曲部13d上を移動する際などには、インクジェットヘッド5とワーク13とが衝突を起こす可能性がある。
本実施形態では、このような衝突が発生した場合、インクジェットヘッド5にワーク13から作用する衝撃力を衝撃吸収部材4が塑性変形することによって吸収することができる。
例えば、図5(b)に示すように、ワーク13が、インクジェットヘッド5に向かって移動方向Mに沿って移動してインクジェットヘッド5に衝突する場合、衝撃吸収部材4に塑性変形部4dが発生して衝突のエネルギーが散逸されるとともに、衝撃吸収部材4が屈曲され、インクジェットヘッド5が衝撃力と同様の方向に移動される。このため、衝撃力が吸収される。
衝撃吸収部材4は、塑性変形部4dにおいて破損されるものの、インクジェットヘッド5、ワーク13、および梁部3cは使用不可能となるような破損を免れ、損傷もされにくくなる。
このため、操作者は、インクジェット装置1の動作を停止し、梁部3cおよびインクジェットヘッド5から、衝撃吸収部材4を取り外し、衝撃吸収部材4を交換することで、ワーク13への描画を継続して行うことができる。
このようにインクジェット装置1では、インクジェットヘッド5が衝撃吸収部材4を介して梁部3cに連結されているため、衝撃吸収部材4によってインクジェットヘッド5に作用する衝撃力が吸収され、インクジェットヘッド5とワーク13とが衝突した場合でも、インクジェットヘッド5やワーク13が損傷されにくくなる。
なお、図5(b)は模式図のため、塑性変形部4dが、衝撃吸収部材4の長手方向の中間部に局部的に発生するように描いているが、塑性変形部4dは、図示のように局部的に発生してもよいし、より広い領域に発生してもよい。雌ネジ部4b、4cが、雄ネジ部3d、5eから外せなくなるおそれがなければ、塑性変形部4dは、衝撃吸収部材4の全体にわたって発生するようにしてもよい。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図8は、本発明の第1の実施形態の変形例に係るインクジェットヘッドの取付構造に用いる衝撃吸収部材の取付形態を示す模式的な正面図および衝撃吸収時の様子を示す模式的な正面図である。
本変形例は、図8(a)に示すように、上記第1の実施形態の衝撃吸収部材4に代えて衝撃吸収部材40を備える。以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
衝撃吸収部材40は、衝撃吸収部材4の長手方向の中間部の外周を周回する形状の溝部40aを追加し、衝撃吸収部材40の強度が、溝部40aにおいて相対的に弱くなるようにしたものである。
本変形例によれば、インクジェットヘッド5とワーク13とが衝突した場合、図8(b)に示すように、塑性変形部4dが、相対的に低強度の溝部40aから発生する。
このため、溝部40aは、衝撃吸収部材40の一定位置で衝撃力を吸収する衝撃吸収部を構成している。
このように、溝部40aから塑性変形するようにしているため、衝撃力が大きい場合でも、溝部40aから離れた雌ネジ部4b、4cに塑性変形部4dの影響が及びにくくなる。そのため、塑性変形後の衝撃吸収部材40を梁部3cおよびインクジェットヘッド5から取り外しやすくなる。
また、衝撃吸収部材40は、衝突後に、溝部40aを中心としてく字状に屈曲するので、衝突後の変形を容易に予測できる。このため、インクジェットヘッド5が不測の方向に変形して、インクジェット装置1内の他の装置部分に2次的な衝突を起こすといった事故を防止することが容易となる。
このような衝撃吸収部は、相対的な強度を低減できればよいので、溝部40aには限定されない。例えば、衝撃吸収部材4の管外径を一定位置で縮径したり、衝撃吸収部材4の肉厚を一定位置で相対的に薄肉にしたり、衝撃吸収部材4の一定位置の側面に切欠き孔を設けて管断面積が相対的に小さい部分を設けたりしてもよい。
また、衝撃吸収部材4を強度の異なる材料を組み合わせて、一定位置に相対的に低強度の材料を配置してもよい。
また、衝撃吸収部は、周方向に均一に形成するものには限定されない、例えば、衝撃吸収部材4の側面の一方のみにV字溝などを設けてもよい。この場合、衝撃力の方向がある程度変化しても、衝撃吸収部材4が変形しやすい方向が規制されるため、より、変形後の形状がさらに予測しやすくなる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造について説明する。
図9(a)、(b)は、本発明の第2の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造に用いる衝撃吸収部材の取付形態を示す模式的な正面図、および衝撃吸収時の様子を示す模式的な正面図である。
本実施形態のインクジェットヘッドの取付構造は、図9(a)に示すように、上記第1の実施形態の衝撃吸収部材4に代えて、衝撃吸収部材41を備え、上記第1の実施形態と同様に、インクジェット装置1に好適に用いることができるものである。以下では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
衝撃吸収部材41は、基端側で梁部3cに着脱可能に固定された棒状の固定部材41Aと、基端側でインクジェットヘッド5に着脱可能に固定された棒状の移動部材41Bとが、それぞれの先端部を構成する磁気吸着部41a、41bにおいて、磁力によって吸着されたものである。
本実施形態では、固定部材41A、移動部材41Bは衝突時に変形させる必要はないので、固定部材41A、移動部材41Bの形状は管状でも中実棒状でもよく、強度、外径や長さにも特に制限はない。
本実施形態では、磁気吸着部41a、41bは、互いの吸着面が水平方向に配置された円板形状を有する。
また、磁気吸着部41a、41bは、少なくともいずれかが、磁石または着磁された金属部材からなる。すなわち、磁気吸着部41a、41bの一方が磁石または着磁された金属部材からなり他方が磁性体からなる構成であってもよいし、磁気吸着部41a、41bの両方が磁石または着磁された金属部材であってもよい。
磁気吸着部41a、41bの間の吸着力は、インクジェットヘッド5がワーク13に衝突した場合の衝撃力によって、磁気吸着部41a、41bが互いに吸着面に沿って相対移動できる程度の吸着力に設定しておく。
本実施形態によれば、例えば、ワーク13が移動方向Mに沿って移動し、インクジェットヘッド5に衝突した場合、図9(b)に示すように、インクジェットヘッド5に衝撃力が作用すると、移動部材41Bの磁気吸着部41bが、固定部材41Aの磁気吸着部41aに対して、吸着面に沿って移動する。これにより、衝撃力が吸収される。
このため、インクジェットヘッド5、ワーク13、および梁部3cは使用不可能となるような破損を免れ、損傷もされにくくなる。
一方、衝撃吸収部材41は、固定部材41Aと移動部材41Bとの相対位置が変化するものの、吸着位置が変化するだけである。このため、操作者は、インクジェット装置1の動作を停止させて、固定部材41Aおよび移動部材41Bの互いの吸着位置を元に戻すことで、梁部3cおよびインクジェットヘッド5から固定部材41Aおよび移動部材41Bを取り外したり交換したりすることなく、固定部材41Aおよび移動部材41Bを繰り返し再使用することができる。
なお、磁気吸着部41a、41bの形状、配置方向は、一例であって、円板以外の形状であってもよいし、水平方向と異なる方向に傾斜して配置されていてもよい。
ワーク13の形状などによって、衝撃力が発生しやすい方向が予め分かっている場合には、吸着面は、衝撃力が発生しやすい方向に沿って配置すればよい。
例えば、図9(b)のように、インクジェットヘッド5が、ワーク13の凸部に乗り上げる可能性が高いと分かっている場合には、インクジェットヘッド5には、図示斜め右上方向の衝撃力が作用するから、吸着面の傾斜方向を図示右斜め上方向に合わせることが好ましい。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図10(a)、(b)は、本発明の第2の実施形態の変形例に係るインクジェットヘッドの取付構造に用いる衝撃吸収部材の取付形態を示す模式的な正面図、および衝撃吸収時の様子を示す模式的な正面図である。
本変形例は、図10(a)に示すように、上記第1の実施形態の衝撃吸収部材4に代えて衝撃吸収部材42を備える。以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
衝撃吸収部材42は、基端側で梁部3cに着脱可能に固定された棒状の固定部材42Aと、基端側でインクジェットヘッド5に着脱可能に固定された棒状の移動部材42Bとが、それぞれの先端部を構成する磁気吸着部42a、42bにおいて、磁力によって吸着されたものである。
本変形例では、磁気吸着部42a、42bは、互いの吸着面が凸球状とされている。
また、磁気吸着部42a、42bは、少なくともいずれかが、磁石または着磁された金属部材からなる。
本変形例によれば、例えば、ワーク13が移動方向Mに沿って移動し、インクジェットヘッド5に衝突した場合、図10(b)に示すように、インクジェットヘッド5に衝撃力が作用すると、移動部材42Bの磁気吸着部42bが、固定部材42Aの磁気吸着部42aの球状の吸着面に沿って移動され、移動部材42Bが、固定部材42Aの磁気吸着部42a回りに回動され、この結果、衝撃力が吸収される。
このため、インクジェットヘッド5、ワーク13、および梁部3cは使用不可能となるような破損を免れ、損傷もされにくくなる。
一方、衝撃吸収部材42は、上記第1の実施形態と同様に、固定部材42Aと移動部材42Bとの相対位置が変化するものの、吸着位置が変化するだけである。このため、操作者は、インクジェット装置1の動作を停止させて、固定部材42Aおよび移動部材42Bの互いの吸着位置を元に戻すことで、梁部3cおよびインクジェットヘッド5から固定部材42Aおよび移動部材42Bを取り外したり交換したりすることなく、固定部材42Aおよび移動部材42Bを繰り返し再使用することができる。
また、本変形例では、吸着面が凸球面同士の吸着となっているため、上記第1の実施形態の平面同士の吸着の場合に比べて、吸着面上での移動自由度が大きい。このため、衝撃力が、吸着箇所の回りのモーメントとして作用する限りでは、どのような方向から作用しても、吸着力の大きさにあまりよらずに、移動部材42Bが吸着面に沿って移動することができる。
このため、衝突が起こっても、移動部材42Bが、固定部材42Aから外れにくいように、十分大きな吸着力に設定することができる。
本変形例は、固定部材および移動部材の先端部の吸着面の形状が、平面以外の場合の例となっている。このように、第2の実施形態において固定部材および移動部材の先端部の吸着面の形状は、種々の形状を採用することができる。
例えば、固定部材および移動部材の先端部の形状は、凸球面および平面の組合せとしてもよいし、曲率半径が等しい凹球面および凸球面同士による球面嵌合の組合せとしてもよい。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造について説明する。
図11(a)、(b)は、本発明の第3の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造に用いる衝撃吸収部材の取付形態を示す模式的な正面図、および衝撃吸収時の様子を示す模式的な正面図である。
本実施形態のインクジェットヘッドの取付構造は、図11(a)に示すように、上記第1の実施形態の衝撃吸収部材4に代えて、衝撃吸収部材43を備え、上記第1の実施形態と同様に、インクジェット装置1に好適に用いることができるものである。以下では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
衝撃吸収部材43は、基端側で梁部3cに着脱可能に固定された棒状の固定部材43Aと、基端側でインクジェットヘッド5に着脱可能に固定された棒状の移動部材43Bとが、それぞれの先端部を構成する吸着パッド部43a、43bにおいて、エア吸着によって吸着されたものである。
固定部材43A(移動部材43B)には、不図示のエア吸引ポンプによって、吸着パッド部43a(吸着パッド部43b)の内部のエアを吸引するための吸引口43c(吸引口43d)が設けられ、固定部材43A(移動部材43B)の内部には、吸引口43c(吸引口43d)から吸着パッド部43a(吸着パッド部43b)の内部に連通する不図示の管路が形成されている。
吸着パッド部43a、43bは、扁平な椀型部材からなり、それぞれの開口を当接させることで、内部の気密性が保たれるようになっている。
このため、図11(a)に示すように、それぞれの開口で当接させた状態で、吸引口43c、43dから、エア吸引を行うことで、吸着パッド部43a、43bを互いにエア吸着させることができる。
このとき、エア吸引ポンプの吸引力を調整することで、吸着パッド部43a、43bの間の吸着力を変えることができる。
吸着パッド部43a、43bの間の吸着力は、インクジェットヘッド5がワーク13に衝突した場合の衝撃力によって、吸着パッド部43a、43bの当接状態が解除される大きさに設定しておく。
本実施形態によれば、例えば、ワーク13が移動方向Mに沿って移動し、インクジェットヘッド5に衝突した場合、図11(b)に示すように、インクジェットヘッド5に衝撃力が作用すると、移動部材43Bの吸着パッド部43bが、固定部材43Aの吸着パッド部43aから離間し、これにより、互いの吸着力が失われることで、移動部材43Bが自由に運動できるようになる。この結果、衝撃力が吸収される。
このため、インクジェットヘッド5、ワーク13、および梁部3cは使用不可能となるような破損を免れ、損傷もされにくくなる。
吸着パッド部43aから外れた移動部材43Bは、再度、吸着パッド部43a、43b同士を当接させた状態で、互いにエア吸着させることで、衝突前の状態に戻すことができる。
このため、操作者は、インクジェット装置1の動作を停止させて、吸着パッド部43a、43b同士を当接させ、移動部材43Bを固定部材43Aに再度吸着させることで、梁部3cおよびインクジェットヘッド5から固定部材43Aおよび移動部材43Bを取り外したり交換したりすることなく、固定部材43Aおよび移動部材43Bを繰り返し再使用することができる。
本実施形態では、移動部材43Bに固定されたインクジェットヘッド5は、ケーブル15によって、インクジェット装置1の装置本体と連結されているため、衝撃力が作用して、吸着力が失われた場合は、ケーブル15のたるみの範囲で落下し、ケーブル15で空中に吊り下がるようになっている。
ただし、移動部材43Bの落下時にインクジェットヘッド5が他の部材と衝突するのを確実に防止するためには、移動部材43Bの落下時に移動部材43Bが梁部3cから中空に吊り下げられるように、梁部3cに一端が固定された複数の補助ケーブルの他端側を移動部材43Bに取り付けるようにしてもよい。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造について説明する。
図12(a)、(b)は、本発明の第4の実施形態に係るインクジェットヘッドの取付構造に用いる衝撃吸収部材の取付形態を示す模式的な正面図、および衝撃吸収時の様子を示す模式的な正面図である。
本実施形態のインクジェットヘッドの取付構造は、図12(a)に示すように、上記第1の実施形態の衝撃吸収部材4に代えて、衝撃吸収部材44を備え、上記第1の実施形態と同様に、インクジェット装置1に好適に用いることができるものである。以下では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
衝撃吸収部材44は、インクジェットヘッド5がワーク13に衝突した場合の衝撃力の作用で容易に弾性変形することにより衝撃力を吸収する棒状部材であり、端部が、梁部3cおよびインクジェットヘッド5にそれぞれ着脱可能に連結されている。
衝撃吸収部材44の材質としては、例えば、ゴム、エラストマー、合成樹脂などを採用することができる。
本実施形態によれば、例えば、ワーク13が移動方向Mに沿って移動し、インクジェットヘッド5に衝突した場合、図12(b)に示すように、インクジェットヘッド5に衝撃力が作用すると、衝撃吸収部材44が弾性変形して、屈曲され、衝撃力が吸収される。
このため、インクジェットヘッド5、ワーク13、および梁部3cは使用不可能となるような破損を免れ、損傷もされにくくなる。
衝撃吸収部材44は、弾性変形しているため、操作者がインクジェット装置1の動作を停止させて、衝突状態を解除すれば、衝撃吸収部材4が元の位置に戻るので、梁部3cおよびインクジェットヘッド5から衝撃吸収部材44を取り外したり交換したりすることなく、衝撃吸収部材44を繰り返し再使用することができる。
衝撃吸収部材44は、例えば、均一の材質、形状に構成して、弾性変形が、衝撃吸収部材44の全体に起こるようにしてもよいし、例えば、材質や断面形状を変えて、長手方向の一定の領域が低剛性となる構成とし、部品本体の一定位置に衝撃力を吸収する衝撃吸収部を設けるようにしてもよい。
この場合、衝撃吸収部材44は、衝突後に、衝撃吸収部を中心としてく字状に屈曲するので、衝突後の変形を容易に予測できる。このため、インクジェットヘッド5が不測の方向に変形して、インクジェット装置1内の他の装置部分に2次的な衝突を起こすといった事故を防止することが容易となる。
なお、上記の説明では、相対移動部が固定され、印刷対象物が移動される場合の例で説明した。この場合、相対移動部に連結された衝撃吸収部材およびインクジェットヘッドも固定されているため、衝撃吸収部材は、相対移動部が移動することにより発生する慣性力に耐える強度を有する必要がない。このため、衝撃吸収部材の強度や吸着力を小さく設定できるため、衝突による衝撃力が小さい場合でも、衝撃力を吸収することが可能となる。
ただし、移動によって衝撃吸収部材が受ける慣性力が小さい場合は、インクジェットヘッドの許容できる衝撃力が大きい場合には、印刷対象物が固定され、相対移動部が移動するような相対移動を行う構成としてもよい。
また、上記第1の実施形態の説明では、衝撃吸収部材4を管状部材として説明したが、衝撃力によって塑性変形を起こして、衝撃力を吸収できる場合には、例えば、円柱状、角柱状の中実棒から構成してもよい。
また、衝撃吸収部材4の管形状は、円管状であってもよいし、多角形断面を有する管状であってもよい。
また、上記第3の実施形態の説明では、固定部材および移動部材でエア吸引を行う場合の例で説明したが、エア吸引は一方の吸着パッド部のみで行い、他方の吸着パッド部は、一方の吸着パッド部の開口を塞いで吸着されるだけの構成としてもよい。
また、上記の第2および第3の実施形態では、磁力またはエア吸着によって、固定部材および移動部材の先端部が吸着される場合の例で説明したが、吸着手段はこれに限定されない。例えば、静電吸着で吸着されていてもよい。また、各先端部に粘着材を設けて吸着させてもよい。
また、上記の第3の実施形態では、衝撃吸収部材が予め互いにエア吸着されて一体化された2体から構成され、衝撃力を受けると固定部材と移動部材とに分割されて、衝撃力を吸収する場合の例を説明したが、衝撃吸収部材が1体であっても、衝撃力によって破損されることで2体に分裂すれば、上記第3の実施形態と同様に衝撃力を吸収することができる。したがって、衝撃吸収部材として、衝撃力によって容易に折れてしまう脆さを有する部材を用いる構成としてもよい。
また、上記の各実施形態、各変形例に説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせて実施することができる。
1 インクジェット装置
3 門型支柱
3c 梁部(相対移動部)
4、40、41、42、43、44 衝撃吸収部材
4d 塑性変形部
5 インクジェットヘッド
5a インクジェットヘッド本体
5c インク吐出口
6 X軸移動ステージ
7 Y軸移動ステージ
10 Z軸移動ステージ
11 回転ステージ
12 ワーク保持部
13 ワーク(印刷対象物)
14 配線
40a 溝部(衝撃吸収部)
41A、42A、43A 固定部材
41B、42B、43B 移動部材
41a、41b、42a、42b 磁気吸着部
43a、43b 吸着パッド部
P 移動経路

Claims (8)

  1. 立体形状を有する印刷対象物にインクを吐出するインクジェットヘッドを、前記印刷対象物に対して相対移動可能に設けられた相対移動部に取り付けるインクジェットヘッドの取付構造であって、
    前記インクジェットヘッドおよび前記相対移動部を、前記インクジェットヘッドに作用する衝撃力を吸収する衝撃吸収部材を介して連結したことを特徴とするインクジェットヘッドの取付構造。
  2. 前記衝撃吸収部材は、前記衝撃力によって変形することにより該衝撃力を吸収する部材であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの取付構造。
  3. 前記衝撃吸収部材は、前記衝撃力によって塑性変形する部材であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッドの取付構造。
  4. 前記衝撃吸収部材は、前記衝撃力によって弾性変形する部材であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッドの取付構造。
  5. 前記衝撃吸収部材は、部材本体の一定位置に、前記衝撃力を吸収する衝撃吸収部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットヘッドの取付構造。
  6. 前記衝撃吸収部材は、
    前記相対移動部に基端部が固定された固定部材と、
    前記インクジェットヘッドに基端部が固定された移動部材との2部材からなり、
    前記固定部材の先端部および前記移動部材の先端部が、前記衝撃力によって相対移動可能となるように吸着されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの取付構造。
  7. 前記固定部材の先端部および前記移動部材の先端部は、磁力によって吸着されていることを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッドの取付構造。
  8. 前記固定部材の先端部および前記移動部材の先端部は、エア吸着によって吸着されていることを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッドの取付構造。
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