JP2011060173A - 情報記憶制御装置、電子機器、画像形成装置、プログラム - Google Patents
情報記憶制御装置、電子機器、画像形成装置、プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】主制御部が正常に動作し得ない状態に陥っても情報退避処理を正常に行なうことができるようにする。
【解決手段】メインCPU212が電子機器の全体動作を制御する。メインCPU212が動作を制御するに当たって使用する情報をシステムメモリ222に記憶する。システムメモリ222とは別に情報退避用にブートメモリ224を用意する。情報退避処理を行なう機能部として、メインCPU212とは別に情報退避制御部260を設ける。メインCPU212の動作が正常であるか異常であるかを副監視部264で監視し、副監視部264がメインCPU212の異常な動作を検知したときには、情報退避処理部266は、システムメモリバス252と第1副データバス254の制御権をメインCPU212に解放させ、情報転送記憶部286を直接制御して、システムメモリ222の退避データ領域222aの情報をブートメモリ224に退避する。
【選択図】図4
【解決手段】メインCPU212が電子機器の全体動作を制御する。メインCPU212が動作を制御するに当たって使用する情報をシステムメモリ222に記憶する。システムメモリ222とは別に情報退避用にブートメモリ224を用意する。情報退避処理を行なう機能部として、メインCPU212とは別に情報退避制御部260を設ける。メインCPU212の動作が正常であるか異常であるかを副監視部264で監視し、副監視部264がメインCPU212の異常な動作を検知したときには、情報退避処理部266は、システムメモリバス252と第1副データバス254の制御権をメインCPU212に解放させ、情報転送記憶部286を直接制御して、システムメモリ222の退避データ領域222aの情報をブートメモリ224に退避する。
【選択図】図4
Description
本発明は、情報記憶制御装置、電子機器、画像形成装置、プログラムに関する。
一方の記憶装置に保持されている情報を他方の記憶装置に一時的に退避させ、また元に(前記一方の記憶装置に)戻す仕組みが提案されている(たとえば特許文献1を参照)。
特許文献1では、記憶素子の値を不揮発性記憶素子に退避させ、不揮発性記憶素子に退避された値を記憶素子に復元する記憶素子のデータ退避・復元装置を提案している。具体的には、特許文献1の仕組みでは、記憶素子に1対1に対応して設けられ、外部より入力されるデータ保持指示信号に応じて対応する記憶素子に記憶された値を退避させる不揮発性記憶素子を設けている。また、外部より入力されるデータ復元指示信号に応じて不揮発性記憶素子に退避された値を記憶素子に復元させるロード制御部を設けている。このような構成によって、外部から任意のタイミングで記憶素子の値を不揮発的に退避・復元するようにしている。
本発明は、装置の全体動作を制御している主制御部が正常に動作し得ない状態に陥っても記憶装置に保持されている情報の退避を行なうことのできる仕組みを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、電子機器の動作を制御する主制御部が前記電子機器の動作を制御するに当たって使用する情報を記憶する第1の記憶部と、前記第1の記憶部とは別の第2の記憶部と、前記主制御部とは別に設けられ、前記主制御部が異常な動作をしたときには、前記第1の記憶部に記憶されている情報の内の退避対象の情報を前記第2の記憶部に退避させるように制御する情報退避制御部と、を備えた情報記憶制御装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記情報退避制御部は、前記主制御部の動作が正常であるか異常であるかを監視する監視部と、前記監視部が前記主制御部の異常な動作を検知したときには、前記第1の記憶部に記憶されている退避対象の情報を前記第2の記憶部に退避させる情報退避処理部と、を備えている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記主制御部と前記第2の記憶部を接続する接続線は、前記主制御部と前記第1の記憶部を接続する接続線よりも低速の情報伝送を行なうものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の内の何れか一項に記載の発明において、前記主制御部が異常な動作をしたときには、前記主制御部と前記第1の記憶部および前記第2の制御部を接続する接続線の制御権を前記情報退避制御部が持つ。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の内の何れか一項に記載の発明において、前記情報退避制御部は、前記第1の記憶部に記憶されている退避対象の情報を前記主制御部を経由して前記第2の記憶部に退避させる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4の内の何れか一項に記載の発明において、前記主制御部と前記第1の記憶部を接続する第1の接続線は複数の通信線を使用して情報を並列に転送する方式を採用しており、前記主制御部と前記第2の記憶部を接続する第2の接続線は単一の通信線を使用して情報を順次転送する方式を採用しており、前記主制御部と前記第1の記憶部を接続する第1の接続線と、前記主制御部と前記第2の記憶部を接続する第2の接続線の間には接続線変換部が設けられており、前記情報退避制御部は、前記第1の記憶部に記憶されている退避対象の情報を前記接続線変換部を経由して前記第2の記憶部に退避させる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜4の内の何れか一項に記載の発明において、前記主制御部と前記第1の記憶部を接続する第1の接続線は複数の通信線を使用して情報を並列に転送する方式を採用しており、前記主制御部と前記第2の記憶部を接続する第2の接続線は単一の通信線を使用して情報を順次転送する方式を採用しており、前記第1の記憶部は、前記第1の接続線と前記第2の接続線への接続を切替可能な接続切替部を有しており、前記情報退避制御部は、前記第1の記憶部に記憶されている退避対象の情報を前記接続切替部を経由して前記第2の記憶部に退避させる。
請求項8に記載の発明は、電子機器の動作を制御する主制御部の動作が正常であるか異常であるかを監視する監視部と、前記監視部が前記主制御部の異常な動作を検知したときには、前記電子機器の動作を制御するに当たって使用する情報を記憶する第1の記憶部に記憶されている退避対象の情報を前記第1の記憶部とは別の第2の記憶部に退避させる情報退避処理部と、を備え、前記監視部と前記情報退避処理部が、前記電子機器の動作を制御する主制御部とは別に設けられている情報記憶制御装置である。
請求項9に記載の発明は、全体の動作を制御する主制御部と、前記主制御部が前記制御を行なうに当たって使用する情報を記憶する第1の記憶部と、前記第1の記憶部とは別の第2の記憶部と、前記主制御部とは別に設けられ、前記主制御部が異常な動作をしたときには、前記第1の記憶部に記憶されている情報の内の退避対象の情報を前記第2の記憶部に退避させるように制御する情報退避制御部と、を備えた電子機器である。
請求項10に記載の発明は、画像を出力媒体上に形成する画像形成部と、前記画像形成部を含む全体の動作を制御する主制御部と、前記主制御部が前記制御を行なうに当たって使用する情報を記憶する第1の記憶部と、前記第1の記憶部とは別の第2の記憶部と、前記主制御部とは別に設けられ、前記主制御部が異常な動作をしたときには、前記第1の記憶部に記憶されている情報の内の退避対象の情報を前記第2の記憶部に退避させるように制御する情報退避制御部と、を備えた画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、電子機器の動作を制御する中央演算制御処理装置の動作が正常であるか異常であるかを監視する監視部と、前記監視部が前記中央演算制御処理装置の異常な動作を検知したときには、前記電子機器の動作を制御するに当たって使用する情報を記憶する第1の記憶部に記憶されている退避対象の情報を前記第1の記憶部とは別の第2の記憶部に退避させる情報退避処理部と、して、前記電子機器の動作を制御する中央演算制御処理装置とは別の中央演算制御処理装置を機能させるプログラムである。
請求項1,8,9,10,11に記載の発明によれば、全体動作を制御している主制御部が正常に動作し得ない状態に陥っても第1の記憶部に保持されている情報を第2の記憶部に退避させることができる。
請求項2に記載の発明によれば情報退避制御部自身で主制御部の異常の有無を監視した結果に基づいて退避処理を行なうことができる。
請求項3に記載の発明によれば情報退避用の第2の記憶部を入手が容易で低価格のもので実現できる。
請求項4に記載の発明によれば主制御部が接続線を正常に制御できないような異常状態になっても、退避処理を行なうことができる。
請求項5に記載の発明によれば主制御部を経由した退避処理を行なうことができる。
請求項6に記載の発明によれば、第1の記憶部の構成として一般的な仕様のものを使用して、主制御部を経由させずに退避処理を行なうことができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明よりも簡易な回路構成で、主制御部を経由させずに退避処理を行なうことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下においては、情報記憶制御装置が適用される電子機器の一例としては、たとえば、プリンタ装置、ファクシミリ装置、またはそれらの機能を有する複合機などの画像を出力媒体上に形成する画像形成部を備えている画像形成装置を例に説明する。ただしこれは一例であって、情報記憶制御装置が適用される電子機器は画像形成装置に限定されない。
<画像形成装置の概要>
図1は、情報記憶制御装置が適用される電子機器の一例である電子写真方式の画像形成装置の一構成例を示す図である。
図1は、情報記憶制御装置が適用される電子機器の一例である電子写真方式の画像形成装置の一構成例を示す図である。
本構成では、カラー画像形成用を想定して、画像形成に関わる主要部の構成としては、転写装置にて直接に用紙に像保持体のトナー像を転写体である用紙に転写させるのではなく、出力色ごとの画像形成部(出力エンジン)を一列に配置したタンデム型の構成を採る。たとえば、K(黒),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の出力色に対応する複数の出力エンジンを、たとえばK→Y→M→Cの順にインライン状に配列し、K,Y,M,Cの画像を4つの出力エンジンで並行的(同時進行的)に処理する。配置位置に応じた時間を隔てて、1色ずつ中間転写体に像保持体のトナー像を転写(特に一次転写という)させ、その後、中間転写体上のトナー像を用紙に転写(特に二次転写という)させるように構成する。図は、その一部を示している。
図示のように、画像形成装置1は、像保持体の一例である感光体10(感光体ドラム)を中心として、帯電装置20、露光装置30、図示しない攪拌機構を備えた現像装置40、転写装置50(一次転写装置50aおよび二次転写装置50b)、中間転写体の一例である中間転写ベルト58、ブレード機構を持つクリーニング装置60、定着装置70を備えている。
帯電装置20は、感光体10の近傍に配された直流電源22、交流バイアス電源24、および帯電部26を具備している。露光装置30は、レーザ光源32やポリゴンミラー34やモータ36を具備している。転写装置50は、転写電源52および転写部54を具備している。定着装置70は、用紙搬送路上の後流側の予め決められた位置に配されたロール機構を具備している。
現像装置40には、現像剤粒子102が充填されている。図では、1つの現像剤粒子102を便宜的に1つの丸で示している。実際には、現像剤粒子102はたとえば、それぞれ物性や粒径の異なる磁性体から構成された(磁性を持つ)キャリア粒子と非磁性のトナー粒子(たとえば各色のトナー粒子)を主成分として含有する2成分方式のものである。キャリア粒子とトナー粒子の対によって、全体として磁性粉体が形成されるようにしている。トナー粒子は、キャリア粒子に静電力により互いに吸着されている。一般的には、キャリア粒子の粒径の方がトナー粒子の粒径よりも大きい。なお、トナー粒子としては、磁性トナーを使用してもよく、この場合キャリア粒子を使用しなくてもよい。現像剤粒子102は、実際にはさらに、キャリア粒子およびトナー粒子の他に外添剤などの他の粒子も含む。
現像装置40は、収納容器101内に、表面に現像剤粒子102を引き連れて回転する回転ロールの一例である現像ロール140(マグロール、マグネットローラ、磁気搬送ローラとも言われる)を、周面が開口部101aから少し突き出すように備える。現像ロール140内には、その内周縁に沿って、予め決められた間隔で予め決められた数のマグネット142が配置されている。
また、現像装置40は、現像ロール140の近傍に、高さ規制部材や層形成部材や層規制部材として機能する規制トリマー150を備え、マグネット142による磁力線に沿ってできた現像剤粒子102の磁気ブラシの高さを規制するようになっている。
図示を割愛するが、収納容器101内には、現像剤粒子102を攪拌するとともに現像ロール140側に搬送する攪拌搬送ロールが設けられる。攪拌搬送ロールは、その回転動作によって、現像剤粒子102を現像ロール140側に攪拌しながら搬送する。
現像ロール140は、矢印X方向に回転される感光体10とともに、感光体10と対向する側のその表面の回転移動方向が、感光体10の移動方向Xと同じ向き(矢印Y方向)に回転される。感光体10の移動方向Xと逆向きに回転駆動するようにしてもよい。
現像剤粒子102は、攪拌機能を持つ攪拌搬送ロール(図示せず)により攪拌され摩擦帯電されつつ現像ロール140側に搬送される。規制トリマー150によって現像剤粒子102の現像ロール140への吸着量が規制され一定の高さで現像ロール140の周縁に現像剤粒子102が付着する。キャリア粒子は、現像ロール140に内蔵されたマグネット142からの磁場により磁気ブラシを構成する。トナー粒子はキャリア粒子とともに、感光体10に対向する部分まで搬送される。
画像形成装置1を複写装置として構成する場合、帯電装置20によって、直流電源22からの直流電圧に交流バイアス電源24からの交流バイアス電圧を重畳させて帯電電位(初期電位)を生成し、この帯電電位で感光体10の表面を一様な表面電位に帯電させる。
この後、原稿を図示しない読取装置によってスキャンして得た画像データに従って感光体10の表面に露光装置30に備えられるレーザ光源32から発せられるレーザ・ビームをモータ36により回転駆動されるポリゴンミラー34でスキャンすることによって、感光体10表面を露光して潜像電位からなる静電潜像を形成する。
続いて、現像装置40は、図示しない攪拌機構において出力色のトナー粒子やキャリア粒子などでなる現像剤粒子102を混合しながら、その現像剤粒子102中のトナー粒子を感光体10の表面に形成されている静電潜像に重畳することでトナー像を感光体10の表面に形成させる。
すなわち、現像ロール140は、感光体10に対向して設けられており、現像ロール140に吸着された現像剤粒子102のうちトナー粒子は、帯電されており、静電気力により感光体10に吸着される。このとき、感光体10の表面は、記録画像に応じて露光されることで静電潜像が形成されており、トナー粒子は、感光体10に形成された静電潜像に応じて吸着される。これによって、感光体10の表面に形成された潜像は現像化される。現像処理後のキャリア粒子と、感光体10側に飛翔されなかったトナー粒子とは、収納容器101内に回収される。
この後、一次転写装置50aは、感光体10の表面に形成されているトナー像を中間転写ベルト58上に転写する。感光体10と転写部54aとが対向する予め決められた範囲を一次転写領域と称する。
一方、クリーニング装置60は、転写装置50による転写後の感光体10の表面に残留する残留トナーを除去する。清掃後の感光体10の表面には残留電位が残っているが、帯電装置20で初期電位を印加してから次の電子写真プロセスに利用される。
中間転写ベルト58上のトナー像は、二次転写装置50bの転写部54b側に送られる。この動作と同期して、給紙トレイからピックアップローラで用紙がピックアップされ、その用紙はさらに用紙搬送ロールで二次転写装置50bの転写部54b側に搬送される。これによって、中間転写ベルト58上のトナー像は、二次転写装置50b(転写部54b)により用紙上に転写される。中間転写ベルト58と転写部54bとが対向する予め決められた範囲を二次転写領域と称する。
転写済の用紙は定着装置70側に搬送され、定着装置70にて加熱溶融・圧着作用によりトナー像を転写体としての印刷用紙上に定着する。定着済の用紙は、図示しない排出装置によって、画像形成装置1の外に排紙される。
このような電子写真プロセスは、感光体10に対する帯電、原稿イメージの露光、現像すなわち感光体10へのトナー重畳、転写部材(中間転写ベルト58や用紙)へのトナー転写およびトナー定着、感光体10のクリーニングという複数の工程からなる。その動作の制御は図示しない主制御部が行なう。
<電子計算機を利用した構成>
図2は、画像形成装置1の他の構成例を示すブロック図である。ここで示す画像形成装置1の構成は、中央演算制御処理装置(CPU:Central Processing Unit )やROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリを利用してソフトウェア的に画像形成装置1を構成する、すなわちパーソナルコンピュータなどのコンピュータ(電子計算機)の機能を利用して画像形成装置1をソフトウェア的に実現する場合のハードウェア構成の一例を示している。
図2は、画像形成装置1の他の構成例を示すブロック図である。ここで示す画像形成装置1の構成は、中央演算制御処理装置(CPU:Central Processing Unit )やROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリを利用してソフトウェア的に画像形成装置1を構成する、すなわちパーソナルコンピュータなどのコンピュータ(電子計算機)の機能を利用して画像形成装置1をソフトウェア的に実現する場合のハードウェア構成の一例を示している。
本実施形態において、画像形成処理機能を実現する仕組みは、全てをハードウェア処理回路により構成することに限らず、その機能の一部についてはプログラムコードに基づき電子計算装置(コンピュータ)を用いてソフトウェア的に実現する態様にしてもよい。ソフトウェアにより画像形成処理を実行させる仕組みとすることで、ハードウェアの変更を伴うことなく処理手順や判定基準などが容易に変更されることとなる。
画像形成処理はハードウェアまたはソフトウェアの単独に限らずその両者の複合構成によっても実現され得る。ソフトウェアによる処理を実行する場合、処理手順を示したプログラムを、ハードウェアに組み込まれたコンピュータ内の記憶媒体に組み込んで(インストールして)実行させたり、各種処理が実行可能な汎用の電子計算装置にプログラムを組み込んで実行させる。
プログラムは、たとえば可搬型の記録媒体を通じて配布・提供される。たとえばプログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )やFD(フレキシブルディスク)に格納されて配布・提供されてもよい。また、MO(Magneto Optical Disk)ドライブを設け、MOに前記プログラムを格納してもよく、またフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリを利用したカード型の記憶媒体など、その他の記録媒体にプログラムを格納して配布・提供してもよい。
ソフトウェアを構成するプログラムは、記録媒体を介して配布・提供されることに限らず、通信手段(有線・無線は不問)を介して配布・提供されてもよい。たとえば、他のサーバなどからインターネットなどのネットワークを経由してプログラムをダウンロードして取得したり、または更新したりしてもよい。
画像形成処理を行なう機能を実現するプログラムコードを記述したファイルとしてプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、コンピュータで構成されるシステムのハードウェア構成に応じて、個別のプログラムモジュールとして提供されてもよい。
たとえば、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することで、画像形成に関わる制御処理を行なう機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム;基本ソフト)などが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって画像形成に関わる制御処理を行なう機能が実現される場合であってもよい。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって画像形成に関わる制御処理を行なう機能が実現される場合であってもよい。
電子計算機には、たとえば、複写アプリケーションやプリンタアプリケーション、ファクシミリ(FAX)アプリケーション、または他のアプリケーション用の処理プログラムなど、従来の画像形成装置(複合機)におけるものと同様のソフトウェアが組み込まれる。また、ネットワーク9を介して外部とのデータを送受信したりするための制御プログラムも組み込まれる。
このとき、画像形成に関わる制御処理を行なう機能を実現するプログラムコードを記述したファイルとしてプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、コンピュータで構成されるシステムのハードウェア構成に応じて、個別のプログラムモジュールとして提供されてもよい。たとえば、既存の複写装置制御ソフトやプリンタ制御ソフト(プリンタドライバ)に組み込まれるアドインソフトとして提供されてもよい。
画像形成装置1を構成するコンピュータシステム900は、コントローラー部901と、ハードディスク装置、フレキシブルディスク(FD)ドライブ、あるいはCD−ROM(Compact Disk ROM)ドライブ、半導体メモリコントローラなどの、記憶媒体からデータを読み出したり記録したりするための記録・読取制御部902とを有する。
コントローラー部901は、CPU912、読出専用の記憶部であるROM913、随時書込みおよび読出しが可能であるとともに揮発性の記憶部の一例であるRAM915、および不揮発性の記憶部の一例であるRAM(NVRAMと記述する)916を有している。CPU912は、画像形成装置1(コンピュータシステム900)の全体を制御する主制御部の一例である。
“揮発性の記憶部”とは、画像形成装置1(コンピュータシステム900)の電源がオフされた場合には、記憶内容を消滅してしまう形態の記憶部を意味する。一方、“不揮発性の記憶部”とは、画像形成装置1(コンピュータシステム900)のメイン電源がオフされた場合でも、記憶内容を保持し続ける形態の記憶部を意味する。記憶内容を保持し続けることができるものであればよく、半導体製のメモリ素子自体が不揮発性を有するものに限らず、バックアップ電源を備えることで、揮発性のメモリ素子を“不揮発性”を呈するように構成するものであってもよい。また、半導体製のメモリ素子により構成することに限らず、磁気ディスクや光ディスクなどの媒体を利用して構成してもよい。
また、コンピュータシステム900は、ユーザインタフェースをなす機能部として、キーボードやマウスなどを有する指示入力部903と、操作時のガイダンス画面や処理結果などの情報をユーザに提示する表示出力部904と、処理対象の画像を読み取る画像読取部905(スキャナユニット)と、画像形成装置1における処理済みの画像を出力媒体(たとえば印刷用紙)に出力する画像形成部906と、各機能部との間のインタフェース機能をなすインタフェース部909を有する。
インタフェース部909としては、処理データ(画像データを含む)や制御データの転送経路であるシステムバス991の他、たとえば、画像読取部905とのインタフェース機能をなすスキャナIF部995、画像形成部906や他のプリンタとのインタフェース機能をなすプリンタIF部996、およびインターネットなどのネットワーク9との間の通信データの受け渡しを仲介する通信IF部999を有している。
表示出力部904は、たとえば画像読取部905で読み取った全体画像やガイダンス情報などの主要な情報を提示するための表示機能や、その他の付加的な情報を提示する表示機能を有する。なお、画像読取部905で読み取った全体画像を表示することは、本実施形態としては必須の構成要素ではない。表示された情報を確認しながら入力作業を効率的に行ない得るように、表示出力部904は指示入力部903の近傍に配置するのがよい。
表示出力部904は、たとえば、表示制御部942とCRT(Cathode Ray Tube;陰極線管)やLCD(Liquid Crystal Display;液晶)などでなるディスプレイ部944を有する。たとえば、表示制御部942が、ディスプレイ部944上に、ガイダンス情報や画像読取部905が取り込んだ全体画像などを表示させる。なお、表示面上にタッチパネル932を有するディスプレイ部944とすることで、指先やペンなどで情報を入力する指示入力部903を構成してもよい。
画像読取部905は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表す赤R、緑G、青Bのアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換する。
画像形成部906は、たとえば画像読取部905にて得られた画像信号により表される画像を、電子写真式、感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいは同様な従来の画像形成処理を利用して、普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する(印刷する)。
このため、画像形成部906は、たとえばイエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックKの2値化信号などの印刷出力用データを生成する画像処理部962と、画像形成装置1をデジタル印刷システムとして稼働させるためのプリントエンジン964を備える。
このような構成において、CPU912は、システムバス991を介してシステム全体の制御を行なう。ROM913は、CPU912の制御プログラムなどを格納する。RAM915は、SRAM(Static Random Access Memory )などで構成され、プログラム制御変数や各種処理のためのデータなどを格納する。また、RAM915は、アプリケーションプログラムによって取得した電子ドキュメント(文字データのみに限らず画像データを含んでよい)や自装置に備えられている画像読取部905で取得した画像データ、さらには外部から取得した電子データなどを一時的に格納する領域を含んでいる。
画像形成装置1の各機能部分の全ての処理をソフトウェアで行なうのではなく、これら機能部分の一部をハードウェア回路にて行なう処理回路908を設けてもよい。因みに、ハードウェア回路とする場合、各処理機能に応じた専用のハードウェア回路とすることも考えられるが、ソフトウェアによる書換え可能なゲートアレイ、たとえばFPGA(Field Programmable Gate Array )を利用して構成することが望ましい。FPGAを利用して各処理機能に応じたハードウェア回路を構成することで、完全なソフトウェア処理ほどではないが、処理手順や判定基準などが変更し得るようになる。
ここで、画像形成装置1は、可動部分を駆動する動力源や、高電圧や高熱で動作する機能部が存在する。動力源としてはたとえばモータが典型例であり、たとえば感光体10、現像ロール140、定着装置70の定着ロール、搬送部の搬送ローラなどを駆動するために使用される。高電圧で動作する機能部としてはたとえば帯電装置20や転写装置50が該当し、高熱で動作する機能部としてはたとえば定着装置70が該当する。これらの各機能部に関しては、全体システムを制御する制御部(主制御部)の動作異常時には安全に画像形成装置1の動作を停止し、また、異常が解除されたときには正常に起動させるように構成する。
この停止・起動の機能を実現するためには、たとえば、主制御部が正常に動作しているか否かを監視し、動作異常時には前記の各機能部を障害が解決するまで停止させておくようにする機能を設けることが考えられる。たとえば、主制御部の動作を監視して、システム全体をリセットするウォッチドッグ検知機能を持たせることが考えられる。
一般的なウォッチドッグ検知機能は、主制御部の動作が異常になった時点でリセットをアクティブにするためにシステムメモリにある退避したいデータ、たとえば装置の動作履歴などを退避する時間が十分ではなく、履歴情報を確実に残すということが困難となる。
この対処のためには、たとえば、主制御部の動作異常時にシステムメモリにあるデータを退避するために、システムにリセットが掛る前にシステムメモリのデータの内で退避させておくべきデータを他のメモリに退避させた上でシステム全体のリセットをアクティブにする仕組みにすることが考えられる。そのための一手法としては、監視時間の異なるウォッチドッグ検知機能を実装して、データ退避のためを時間を作ることが考えられる。具体的には、監視時間の短い方のウォッチドッグ検知機能で動作異常を検知したらデータの退避処理を開始し、監視時間の長い方のウォッチドッグ検知機能で動作異常を検知したらリセット処理を開始する。2つのウォッチドッグ検知機能での監視時間の時間差を利用してデータの退避処理を行なうという考え方である。この仕組みを「監視時間差を利用した情報退避処理」と称する。
このようなウォッチドッグ検知機能に基づく停止・起動を制御しているのは主制御部であり、そもそも主制御部自身が正常に動作し得ない状態では情報退避処理を制御できない可能性がある。そのため、退避の必要なデータの全てを必ず退避できるとは限らない。
そこで、本実施形態では、主制御部が正常に動作し得ない状態でも情報退避処理を制御し得る仕組みにする。因みに、メインリセットがイネーブルになるまでの時間内で全てのデータを退避するものとする。
このため、機能構成としては、情報記憶制御装置における退避処理機能部分を主制御部(図2でのCPU912)の担当から切り離して、主制御部(CPU912)が正常に動作し得ない状態でも情報退避処理を制御し得るようにする。たとえば、図2の場合は、処理回路908に情報退避制御部982を設けるようにする。一方、システムが正常に戻った段階でデータ復元処理を行なえばよく主制御部(CPU912)によるソフトウェア制御が可能であり、情報記憶制御装置における復元処理機能部分は主制御部(CPU912)の担当としておいてよい。もちろん、情報記憶制御装置における復元処理機能部分も主制御部(CPU912)の担当から切り離してもよい。たとえば、図2の場合は、処理回路908に情報復元制御部984も設けて、処理回路908内に情報記憶制御装置の全体を組み込むようにする。
以下、具体的に説明する。なお、本実施形態の情報記憶制御装置の仕組みの理解を容易にするため、「監視時間差を利用した情報退避処理」を行なう比較例の仕組みについて説明し、その後に本実施形態の仕組みについて説明する。
<情報記憶制御装置:比較例>
図3〜図3Aは、画像形成装置1やコンピュータシステム900に適用される情報記憶制御装置の比較例を説明する図である。ここで、図3は、本実施形態の情報記憶制御装置200に対する比較例の情報記憶制御装置200Xの構成を説明する図である。図3Aは、比較例の情報記憶制御装置200Xの動作を説明するフローチャートである。
図3〜図3Aは、画像形成装置1やコンピュータシステム900に適用される情報記憶制御装置の比較例を説明する図である。ここで、図3は、本実施形態の情報記憶制御装置200に対する比較例の情報記憶制御装置200Xの構成を説明する図である。図3Aは、比較例の情報記憶制御装置200Xの動作を説明するフローチャートである。
[比較例の構成]
図3に示すように、比較例の情報記憶制御装置200Xは、メインCPU212(CPU912と対応)、記憶部220、情報処理部230、監視部240を備えている。
図3に示すように、比較例の情報記憶制御装置200Xは、メインCPU212(CPU912と対応)、記憶部220、情報処理部230、監視部240を備えている。
記憶部220は、主記憶部(第1の記憶部)として機能するシステムメモリ222、退避記憶部(第2の記憶部)として機能するブートメモリ224(Boot Memory )、および、不揮発性メモリ226(NVM)を有する。これらは、メインCPU212と予め決められた情報転送速度を満たす接続線(いわゆるバス)で接続されている。各バスについては後述する。
メインCPU212は、情報の退避処理に介在する機能部として情報転送記憶部286(データ転送レジスタ)を有している。情報転送記憶部286は、情報退避処理時に、保持しているデータを第1副データバス254へシリアル形式で出力するためや、情報復元処理時に、第1副データバス254からのシリアル形式で入力されるデータをパラレル形成でシステムメモリ222に出力するために利用される。
メインCPU212とシステムメモリ222の間は比較的高速のパラレルデータ転送を行なう主データバス(以下システムメモリバス252(SYS Memory BUS)と称する)で接続されている。一方、メインCPU212と、ブートメモリ224、不揮発性メモリ226、情報処理部230の間は、システムメモリバス252よりは低速のシリアルデータ転送を行なう第1副データバス254で接続されている。
システムメモリバス252は、パラレルバスインタフェース(Parallel Bus Interface)を採用するもので、かつ第1副データバス254よりも高速の情報転送を行なうものであればよく、その限りにおいて、通信方式は問わない。基本的には、使用するシステムメモリ222の仕様に合わせたものとすればよい。
第1副データバス254は、シリアルバスインタフェース(Serial Bus Interface)を採用するもので、かつシステムメモリバス252よりも低速速の情報転送を行なうものであればよく、その限りにおいて、通信方式は問わない。たとえば第1副データバス254としては、ここではSPI(Serial Peripheral Interface :シリアル・ペリフェラル・インタフェース)バスを適用している。第1副データバス254としてSPIバスを適用することで、SPIバスに接続される従となる機能部(この例ではブートメモリ224、不揮発性メモリ226、情報処理部230)として安価で入手が容易なものを使用し得るようになる。因みに、SPIバスについては第2実施形態の情報記憶制御装置200Aの項で説明する。
なお、パラレルバスインタフェースは、機器内部で情報(テータ)を転送する接続線(バス)の方式のうち、複数の通信線(通信チャネル)を使用して情報を並列に転送する方式を用いるバスを意味する。たとえば、PCI(Peripheral Component Interconnect )バスが代表的に知られている。シリアルバスインタフェースは、機器内部で情報(テータ)を転送する接続線(バス)の方式のうち、単一の通信線(通信チャネル)を使用して情報を順次転送する方式を用いるバスを意味する。
因みに、この例では、第1副データバス254として、シリアルバスインタフェースの一例であるSPIバスを使用しているが、パラレルバスインタフェースの一例であるPCIバスを適用してもよい。また、この例では、メインCPU212とシステムメモリ222間の接続線(バス)と、メインCPU212と他のデバイス(この例ではブートメモリ224、不揮発性メモリ226、情報処理部230間の接続線(バス)を、異なる仕様のものにしているが、これらを共通の仕様のものにしてもよい。
システムメモリ222としては、たとえばDDR2(Double-Data-Rate2 Synchronous Dynamic Random Access Memory)を使用する。もちろん、これは一例に過ぎず、その他の仕様のSDRAMを始めとする各種のDRAMを使用してもよい。ブートメモリ224としては、DDR2以外の汎用的なDRAMを使用する。なお、ブートメモリ224は、好ましくは不揮発性のRAMにするのが望ましい。
ここで、システムメモリ222には、システムにリセットが掛ったときに退避させるデータを格納する退避データ領域222aとそれ以外の通常のデータを格納する通常データ領域222bがある。退避データ領域222aには、たとえば動作履歴情報(動作ログ)を記憶するようにする。動作履歴情報には、たとえば、アプリケーション、OS、情報処理内容、警告などの履歴を逐一記録しておき、障害発生時や復帰時に参照し得るように、たとえばテキストファイルで作成しておく。たとえば、システムリセット時にデータ退避を開始したとき、この動作履歴情報をブートメモリ224に退避させておき、システムが正常に戻った段階でその動作履歴情報をシステムメモリ222に戻すことで、システムがリセットされる前の動作状態から動作を復帰(再開)し得るようにする。
情報処理部230は、たとえばFPGAで構成されている。FPGAは必要とされる処理機能に応じて、内部の論理回路の構成を書換え可能になっている。
監視部240は、メインCPU212の処理動作の異常の有無を監視する機能部であり、この例では、主たる監視を行なう主監視部242と、従の監視を行なう副監視部244を有する。
なお、メインCPU212の処理動作の異常としては、搭載基板の内部に発生した一時的なノイズなどによって起こるソフトウェア処理の暴走が典型例であるが、これに限定されるものではなく、ハードウェア故障を契機とするソフトウェア処理動作の異常も含む。
監視部240の各監視部242,244は、いわゆる番犬時計(ウォッチドッグタイマ:Watch Dog Timer )と称される機能を利用して、プログラム処理が正常に進行しているか否かを監視する。この番犬時計機能の実現のために、メインCPU212から主監視部242と副監視部244には、監視信号の一例としてのウォッチドッグクロックWDCK(Watch Dog Clock )が供給されるようになっている。メインCPU212は、プログラム処理が正常に進行している段階ではウォッチドッグクロックWDCKとして一定サイクルのパルスを出力するが、プログラム処理が正常に進行しなくなった段階ではそのパルス出力を停止する。
監視部240の各監視部242,244は、たとえば、画像形成装置1の可動部分を駆動するモータや、高電圧を発生する機能部(たとえば帯電装置20や転写装置50)や発熱する機能部(たとえば定着装置70)を障害が解決するまで停止させておくための指示信号(リセット信号:RESET Signal)を発生する。
主監視部242と副監視部244におけるそれぞれの監視時間の設定値はハードウェア設定であり、ソフトウェア処理では変更できない(固定と称する)ものとする。たとえば、主監視部242(Main Watch dog timer)の監視時間は1000msecであり、副監視部244(Sub Watch dog timer )の監視時間は100msecであるとする。
主監視部242は、ウォッチドッグクロックWDCKのパルスをカウントして一定時間(ここでは監視時間1000msec)パルス出力がない場合には主リセット信号RST1(Main RESET)をイネーブル(enable:アクティブ)にする。副監視部244は、ウォッチドッグクロックWDCKのパルスをカウントして一定時間(ここでは監視時間100msec)パルス出力がない場合には副リセット信号RST2(Sub RESET )をイネーブルにする。この例では、主リセット信号RST1および副リセット信号RST2は、通常動作時にはH(ハイ)レベルで、リセットを掛けるイネーブルレベルはL(ロー)レベルである。
図示した例では、主監視部242から発せられる主リセット信号RST1がシステムメモリ222を除く各部、すなわち、メインCPU212、ブートメモリ224、不揮発性メモリ226、情報処理部230に供給されている。一方、副監視部244から発せられる副リセット信号RST2がメインCPU212にのみに供給されている。
主監視部242と副監視部244は、メインCPU212から供給されたウォッチドッグクロックWDCKに基づいて計時処理を行ない、ウォッチドッグクロックWDCKのパルス出力が停止し設定されている監視時間になってタイマがタイムアップすると主リセット信号RST1や副リセット信号RST2をアクティブ状態にすることで受け手側にリセットを掛ける。「リセットを掛ける」とは、初期状態にすることを意味する。因みに、ウォッチドッグクロックWDCKのパルス出力が継続している限りはタイマがタイムアップすることがなく、リセットが掛ることはない。
たとえば、メインCPU212は、副リセット信号RST2がイネーブルになると情報退避処理を開始する。また、メインCPU212は、主リセット信号RST1がイネーブルになると自身をリセット状態(初期状態)にする。
ブートメモリ224と不揮発性メモリ226は、主リセット信号RST1がイネーブルになると、メモリ内部のデータを読み書きするステートマシーンの状態を初期状態に戻す。
情報処理部230は、主リセット信号RST1がイネーブルになると自身をリセット状態(初期状態)にする。
[比較例の動作]
図3Aを参照して比較例の情報記憶制御装置200Xにおける情報退避処理と情報復元処理について説明する。
図3Aを参照して比較例の情報記憶制御装置200Xにおける情報退避処理と情報復元処理について説明する。
なお、ここでは、メインリセット(主リセット信号RST1)がイネーブルになるまでの時間内で全てのデータを退避することを前提とする。換言すると、主リセット信号RST1がイネーブルになり、システム全体がリセットする前にデータ退避を完結させることを前提とする。
メインCPU212に動作異常が発生すると(S110)、ウォッチドッグクロックWDCKのパルス出力が停止(OFF)する(S112)。
ウォッチドッグクロックWDCKのパルス出力は監視部240の2つの監視部242,244に供給されており、そのパルス出力の停止によって2つの監視部242,244の内の監視時間の設定値が小さい方が先にリセット信号をイネーブルにする。この例では、副監視部244の方が先に副リセット信号RST2をイネーブルにする(S120)。
メインCPU212は、副リセット信号RST2がイネーブルになると、システムメモリ222の退避データ領域222aの記憶情報をブートメモリ224に退避する処理を開始する(S130)。たとえば、副監視部244でウォッチドッグクロックWDCKのパルスをカウントして一定時間(たとえば監視時間100msec)パルス出力がない場合にはメインCPU212にて情報退避処理を開始する。
メインCPU212は、副リセット信号RST2がイネーブルになると、システムメモリ222の退避データ領域222aの記憶情報をブートメモリ224に退避する処理を開始する(S130)。たとえば、副監視部244でウォッチドッグクロックWDCKのパルスをカウントして一定時間(たとえば監視時間100msec)パルス出力がない場合にはメインCPU212にて情報退避処理を開始する。
この際には、メインCPU212は、システムメモリ222のデータ(特に退避データ領域222a)を読み出して情報転送記憶部286を経由してブートメモリ224に転送するという情報退避処理を行なう(S140,S144−NO)。メインCPU212は、退避データ領域222aに記憶されている情報を全てブートメモリ224に転送し終えると(S144−YES)、データ退避タスクを終了する。
その後、2つの監視部242,244の内の監視時間の設定値が大きい方もリセット信号をイネーブルにする。この例では、主監視部242の方が遅れて主リセット信号RST1をイネーブルにする(S150)。主リセット信号RST1が供給されるメインCPU212を始めとする各機能部は、主リセット信号RST1がイネーブルになるとリセット状態にする(S152)。
一旦、リセット状態に入ると、主リセット信号RST1と副リセット信号RST2の双方のイネーブル状態が解除されるまでリセット状態を継続する(S160−NO)。つまり、動作異常時には各機能部を障害が解決するまで停止させておくようにする。
動作異常状態から復帰するとメインCPU212はウォッチドッグクロックWDCKのパルス出力を再開する。監視部240の主監視部242と副監視部244は、主リセット信号RST1と副リセット信号RST2のイネーブル状態を解除する(S160−YES)。これによって、各機能部は、リセット状態から解放され、たとえば、メインCPU212は、再起動処理(ブート処理:Boot処理)を開始する(S162)。
この際には、メインCPU212は先ず、ブートメモリ224に退避しておいた退避データ領域222aの記憶情報を元の退避データ領域222aに展開(復元)する情報復元処理を実行する(S164)。情報復元処理が完了すると、メインCPU212を始めとする各機能部は正常状態に戻りリセットされる前の動作状態から動作を再開し得るようになる(S166)。
ここで、比較例の仕組みでは、「監視時間差を利用した情報退避処理」を行なう構成を採用しており、2つのウォッチドッグ検知機能用の主監視部242と副監視部244を設けており、主監視部242だけの場合よりも回路規模が大きくなっている。
監視時間差を調整することが考えられるが、比較例の仕組みでは、退避時間がハードウェア設定のため(1000ms−100ms=900msで固定)、退避データ量に応じた時間調整をするためにハードの変更が必要になる。主監視部242と副監視部244にソフトウェアで設定値を変更し得るレジスタを設けることが考えられるが、ここではそのような仕組みを採っていない。
また、主リセット信号RST1がイネーブルになったときに、情報退避処理が途中のときには、メインCPU212はリセット処理を退避処理が完了するまで保留することが考えられる。しかしながら、リセット処理を保留させた場合、その期間は、可動部の駆動部(モータ)や高電圧機能部や発熱機能部の異常動作が継続する可能性があり好ましくない。
さらに、ウォッチドッグ検知機能に基づく停止・起動を制御しているのはメインCPU212であり、そもそもメインCPU212自身が正常に動作し得ない状態では、情報退避処理を正常に制御できない可能性がある。
<情報記憶制御装置:第1実施形態>
図4〜図4Bは、画像形成装置1やコンピュータシステム900に適用される情報記憶制御装置の第1実施形態を説明する図である。ここで、図4は、第1実施形態の情報記憶制御装置200Aの構成を説明する図である。図4Aは、第1実施形態の情報記憶制御装置200Aの動作を説明するフローチャートである。図4Bは、第1実施形態の情報記憶制御装置200Aの情報退避処理の詳細な動作を説明するフローチャートである。
図4〜図4Bは、画像形成装置1やコンピュータシステム900に適用される情報記憶制御装置の第1実施形態を説明する図である。ここで、図4は、第1実施形態の情報記憶制御装置200Aの構成を説明する図である。図4Aは、第1実施形態の情報記憶制御装置200Aの動作を説明するフローチャートである。図4Bは、第1実施形態の情報記憶制御装置200Aの情報退避処理の詳細な動作を説明するフローチャートである。
[第1実施形態の構成]
図4に示すように、第1実施形態の情報記憶制御装置200Aは、記憶部220、情報処理部230、監視部240、情報退避制御部260を備えている。ここでは、メインCPU212(CPU912と対応)を情報記憶制御装置200Xから外して記載しているが、このメインCPU212も含めて情報記憶制御装置200Xと捉えてもよい。また、情報記憶制御装置200の最小構成としては情報退避制御部260のみで構成されることもある。これらの点は後述する他の実施形態の情報記憶制御装置200においても同様である。
図4に示すように、第1実施形態の情報記憶制御装置200Aは、記憶部220、情報処理部230、監視部240、情報退避制御部260を備えている。ここでは、メインCPU212(CPU912と対応)を情報記憶制御装置200Xから外して記載しているが、このメインCPU212も含めて情報記憶制御装置200Xと捉えてもよい。また、情報記憶制御装置200の最小構成としては情報退避制御部260のみで構成されることもある。これらの点は後述する他の実施形態の情報記憶制御装置200においても同様である。
端的には、第1実施形態の情報記憶制御装置200Aは、比較例の情報記憶制御装置200Xに対して、先ず副監視部244を取り外しており、また、副監視部244の機能部分も含む情報退避制御部260をメインCPU212とは別に備えている。ここで、第1実施形態において、情報退避制御部260は、その機能を情報処理部230のFPGAを利用して構成するようにしている。
なお、システムが正常に戻った段階でデータ復元処理を行なえばよくソフトウェア制御が可能であり、情報記憶制御装置200における復元処理機能部分はメインCPU212の担当としておいてよい。もちろん、情報記憶制御装置200における復元処理機能部分もメインCPU212の担当から切り離してもよい。たとえば、図示するように、情報処理部230(FPGA)に情報復元制御部270も設けて、FPGA内に情報記憶制御装置の全体機能を組み込むようにすることも考えられる。
FPGAを利用して情報退避制御部260や情報復元制御部270を構成することで、完全なソフトウェア処理ほどではないが、処理手順や判定基準などが変更し得るようになる。もちろん、これは一例に過ぎず、FPGAとは別の専用のハードウェア回路で情報退避制御部260や情報復元制御部270を構成してもよい。
情報退避制御部260には、メインCPU212からウォッチドッグクロックWDCKが供給されるようになっている。メインCPU212と情報処理部230の間は、システムメモリバス252よりは低速のデータ転送を行なう第1副データバス254で接続されているとともに、情報退避制御部260については、第1副データバス254とは別に、システムメモリバス252よりは低速のシリアルデータ転送を行なう第2副データバス256で接続されている。
第2副データバス256は、退避制御用に設けられた専用のインタフェースである。第2副データバス256としては、ここではI2Cバスを適用している。第2副データバス256としてI2Cバスを適用することで、I2Cバスに接続される情報退避制御部260として安価で入手が容易な部材(この例ではFPGA)を使用し得るようになる。なお、第2副データバス256を設けずに、第1副データバス254を利用して情報退避処理を開始するに当たっての制御情報をメインCPU212に送るようにしてもよい。また、比較例でも述べたことと組み合わせると、システムメモリバス252、第1副データバス254、第2副データバス256を纏めて共通の仕様のものにすることも考えられる。
ここで、第1副データバス254に適用されるSPIバスと第2副データバス256に適用されるI2Cバスは、何れも同期式のシリアル通信バスであるが、以下のような相違点がある。先ず、SPIは、接地線(GND)以外に、SCK(シリアルクロック)と単方向のSDI,SDOの3本の信号線で通信する。SPIバスには、複数のスレーブ装置(従たるデバイス)を接続できるが、各スレーブ装置を特定するためにマスタはSS(スレーブセレクト)信号でスレーブを選択することが必要になる。つまり、信号線は4本で構成される。因みに、1つのデバイスを接続する場合はSS(スレーブセレクト)信号を固定することで3本の信号線で接続してもよいことになっている。
一方、I2Cバスは、接地線(GND)以外に、SCL(シリアルクロック)と、双方向のSDA(シリアルデータ)の2本の信号線で通信する。I2Cバスには、複数のスレーブ装置を接続でき、マスタは個別に決められたスレーブ装置のアドレスを指定してスレーブ装置を選択してからそのスレーブ装置と通信を開始する。
情報退避制御部260は、副監視部244と同様の機能部である副監視部264と、副監視部264の監視結果に基づき、情報の退避処理を実行する情報退避処理部266とを有する。
情報退避処理部266は、第2副データバス256(I2Cバス)を制御する制御機能の他に、制御権(使用権)が与えられたときには、第1副データバス254(SPIバス)も制御する制御機能(SPI・I2Cコントローラの機能)を持つものとする。
副監視部264は、主監視部242と同様に、監視時間の設定値はハードウェア設定であり、通常の処理では変更できない(固定と称する)ものでよい。ここでも、たとえば、主監視部242の監視時間は1000msecであり、副監視部264の監視時間は100msecであるとする。
なお、本実施形態においては、情報退避制御部260に副監視部264を備えることは必須ではなく、たとえば、情報退避処理部266が、ウォッチドッグクロックWDCKのパルス出力の有無を判定する仕組みにしてもよい。実態としては、情報退避処理部266が副監視部264の機能を兼ねる構成であるとも言える。
この場合、情報退避処理部266は、ウォッチドッグクロックWDCKのパルス出力の停止を検知したら、直ちに情報退避処理を開始する。もちろん、このことは、比較例においても言えることであり、メインCPU212は、ウォッチドッグクロックWDCKのパルス出力を停止するとともに、システムメモリ222の退避データ領域222aの記憶情報をブートメモリ224に退避する処理を開始するようにしてもよい。
第1実施形態の情報退避制御部260による情報退避処理は、「監視時間差を利用した情報退避処理」とは異なる。退避したいデータ量によって情報退避処理に要する時間が異なるが、メインリセット(主リセット信号RST1)がイネーブルになるまでの時間内で全てのデータを退避することを前提とする。そして、情報退避制御部260が主体となって情報退避処理を行なう構成にすることで、メインCPU212自身が正常に動作し得ない状態でも、退避させるべきデータを確実に退避させる。
第1実施形態では、システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)の制御権(使用権)を、メインCPU212の異常動作時には、情報退避制御部260(詳しくは情報退避処理部266)が持つようにする。つまり、メインCPU212の通常動作時と異常動作時で、バスの制御権(使用権)を、メインCPU212と情報退避制御部260(詳しくは情報退避処理部266)で切り替えるようにする。
たとえば、システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)については、その制御主体は、ウォッチドッグクロックWDCKのパルス出力がある通常時はメインCPU212であり、ウォッチドッグクロックWDCKのパルス出力が停止したときには情報退避処理部266となるように構成しておく。詳しくは、メインCPU212のソフトウェア動作が暴走したことを情報退避制御部260(の副監視部264)で検知したときには、メインCPU212に対してシステムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)の制御を解除させるとともに情報退避制御部260による制御に変更する。
この仕組みの実現のために、メインCPU212は、データ移行タスク制御レジスタ280を有するものとする。ウォッチドッグクロックWDCKのパルス出力がある通常時は(リセットが解除されたときも含む)、データ移行タスク制御レジスタ280のビットデータを「0」にする。この状態では、メインCPU212が、システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)の制御主体となる動作モードであるとする。
一方、メインCPU212の異常動作時には、データ移行タスク制御レジスタ280のビットデータを「1」に変更する。この状態では、メインCPU212は、システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)の制御を開放する。その代りに、情報退避処理部266が、システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)の制御主体となる動作モードに移行する。
ここで、データ移行タスク制御レジスタ280のビットデータを「0」や「1」に設定する仕組みとしては、次の2つの手法の何れを採用してもよい。第1の手法は、メインCPU212がデータ移行タスク制御レジスタ280のビットデータを設定する動作主体となる場合である。たとえば、メインCPU212は、通常時やリセット解除時には、データ移行タスク制御レジスタ280の値を「0」にする。情報退避制御部260は、メインCPU212の動作異常を副監視部264で検知すると、情報退避処理部266はデータ退避開始コマンドを第2副データバス256(I2Cバス)経由でメインCPU212に送る。これを受け取ったメインCPU212がデータ移行タスク制御レジスタ280のビットデータを「1」に変更する。
第2の手法は、情報退避制御部260の情報退避処理部266が、第2副データバス256(I2Cバス)経由でデータ移行タスク制御レジスタ280のビットデータを直接に設定する動作主体となる場合である。たとえば、情報退避処理部266は、通常時やリセット解除時には、データ移行タスク制御レジスタ280の値を「0」にする。情報退避制御部260は、メインCPU212の動作異常を副監視部264で検知すると情報退避処理部266がデータ移行タスク制御レジスタ280のビットデータを「1」に変更する。
何れの手法も、データ移行タスク制御レジスタ280の値が「0」のときには、メインCPU212が、システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)の制御主体となる動作モードになる。また、データ移行タスク制御レジスタ280の値が「1」のときには、メインCPU212は、システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)の制御を開放し、情報退避処理部266が、システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)の制御主体となる動作モードに移行する。
また、第1実施形態のメインCPU212は、情報退避処理部266により情報の退避処理を実行可能とするための機能部として情報転送記憶部286(データ転送レジスタ)を有している。第1実施形態では、情報退避処理時には、情報転送記憶部286は、メインCPU212そのもので制御されるのではなく、情報退避処理部266から第2副データバス256(I2Cバス)経由で直接に制御し得る構成のもとする。換言すると、メインCPU212によるウォッチドッグの処理(タスク)とは別構成とすることで、情報転送記憶部286を情報退避処理部266により直接に制御し得るようにする。
情報転送記憶部286をメインCPU212の制御下においた場合、メインCPU212のソフトウェア動作が暴走すると、メインCPU212に接続されているシステムメモリ222のデータ(特に退避データ領域222a)を読み出して情報転送記憶部286を経由してブートメモリ224に退避するという動作を制御できない可能性がある。
これに対して、情報転送記憶部286を情報退避制御部260(情報退避処理部266)の制御下においた場合、メインCPU212のソフトウェア動作が暴走しても、メインCPU212に接続されているシステムメモリ222のデータ(特に退避データ領域222a)を読み出して情報転送記憶部286を経由してブートメモリ224に退避するという動作を情報退避制御部260が行なうようになる。メインCPU212が正常に動作し得ない状態でも情報退避処理が確実になされるようになる。
因みに、先にも説明したが、本実施形態では、メインリセット(主リセット信号RST1)がイネーブルになるまでの時間内で全てのデータを退避することを前提としており、主リセット信号RST1がデータ退避中にイネーブルになることはない。つまり、主リセット信号RST1がイネーブルになり、システム全体がリセットする前にデータ退避を完結させることを前提とする。情報退避制御部260(この例ではFPGAで構成)がリセットされると、FPGA内部の全ての機能がリセットされてしまうため、リセットされる前に全てのシーケンスを完了する必要がある点を考慮したものである。
[第1実施形態の基本動作]
図4A〜図4Bを参照して第1実施形態の情報記憶制御装置200Aにおける情報退避処理と情報復元処理について説明する。なお、処理ステップには200番台の番号を付すとともに、比較例の情報記憶制御装置200Xにおける処理と同様または類似の処理ステップには、比較例と同じ10番台と1番台の番号を付す。
図4A〜図4Bを参照して第1実施形態の情報記憶制御装置200Aにおける情報退避処理と情報復元処理について説明する。なお、処理ステップには200番台の番号を付すとともに、比較例の情報記憶制御装置200Xにおける処理と同様または類似の処理ステップには、比較例と同じ10番台と1番台の番号を付す。
因みに、データ移行タスク制御レジスタ280と情報転送記憶部286は、何れも、第2副データバス256(I2Cバス)経由で直接に制御可能な構成の場合で説明する。また、情報復元処理はメインCPU212が行なうものとして説明する。
先ず、情報退避処理部266は、情報退避制御部260の情報退避処理部266とメインCPU212間の第2副データバス256(I2Cバス)を利用して、データ移行タスク制御レジスタ280に直接にアクセスして、ビットデータを「0」に設定する(S204)。この状態では、メインCPU212が、システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)の制御主体となる動作モードになる(S208)。
メインCPU212に動作異常が発生すると(S210)、ウォッチドッグクロックWDCKのパルス出力が停止(OFF)する(S212)。
ウォッチドッグクロックWDCKのパルス出力は監視部240の主監視部242と情報退避制御部260の副監視部264に供給されている。副監視部264は、ウォッチドッグクロックWDCKのパルス出力が停止したことを検知し、情報退避処理部266に情報退避処理の開始を指示する(S220)。
これを受けて、情報退避制御部260は、データ退避タスクに移行し、情報退避処理部266が、システムメモリ222の退避データ領域222aの記憶情報をブートメモリ224に退避する処理を開始する(S230)。たとえば、副監視部264でウォッチドッグクロックWDCKのパルスをカウントして一定時間(たとえば監視時間100msec)パルス出力がない場合には情報退避処理部266にて情報退避処理を開始する。
これを受けて、情報退避制御部260は、データ退避タスクに移行し、情報退避処理部266が、システムメモリ222の退避データ領域222aの記憶情報をブートメモリ224に退避する処理を開始する(S230)。たとえば、副監視部264でウォッチドッグクロックWDCKのパルスをカウントして一定時間(たとえば監視時間100msec)パルス出力がない場合には情報退避処理部266にて情報退避処理を開始する。
この際には、図4Bに示すように、情報退避処理部266は、データ退避タスクに移行すると(S232)、情報退避制御部260の情報退避処理部266とメインCPU212間の第2副データバス256(I2Cバス)を利用して、データ移行タスク制御レジスタ280に直接にアクセスして、ビットデータを「1」に変更する(S234)。この状態になると、メインCPU212は、システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)の制御を開放し(S236)、情報退避処理部266が、システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)の制御主体となる動作モードに移行する(S238)。
システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)が情報退避処理部266の制御下に切り替ると、情報退避処理部266は、メインCPU212に接続されているシステムメモリ222のデータ(特に退避データ領域222a)を読み出して情報転送記憶部286を経由してブートメモリ224に転送するという情報退避処理を行なう(S240,S244−NO)。情報退避処理部266は、退避データ領域222aに記憶されている情報を全てブートメモリ224に転送し終えると(S244−YES)、データ退避タスクを終了する(S248)。
その後、主監視部242は、主リセット信号RST1をイネーブルにする(S250)。主リセット信号RST1がイネーブルになると、メインCPU212を始めとする各機能部がリセット状態にする(S252)。情報退避制御部260も、情報退避処理が完了後に主リセット信号RST1がイネーブルであるとリセット状態に入る。
一旦、リセット状態に入ると、主リセット信号RST1のイネーブル状態が解除されるまでリセット状態を継続する(S260−NO)。つまり、動作異常時には各機能部を障害が解決するまで停止させておくようにする。
動作異常状態から復帰するとメインCPU212はウォッチドッグクロックWDCKのパルス出力を再開する。これによって、監視部240の主監視部242と副監視部244は、主リセット信号RST1と副リセット信号RST2のイネーブル状態を解除する(S260−YES)。これによって、各機能部は、リセット状態から解放され、たとえば、メインCPU212は、再起動処理(ブート処理:Boot処理)を開始する(S262)。
この際には、メインCPU212は先ず、ブートメモリ224に退避しておいた退避データ領域222aの記憶情報を元の退避データ領域222aに展開(復元)する情報復元処理を実行する(S264)。情報復元処理が完了すると、メインCPU212を始めとする各機能部は正常状態に戻りリセットされる前の動作状態から動作を再開し得るようになる(S266)。
<情報記憶制御装置:第2実施形態>
図5は、画像形成装置1やコンピュータシステム900に適用される情報記憶制御装置の第2実施形態の構成を説明する図である。
図5は、画像形成装置1やコンピュータシステム900に適用される情報記憶制御装置の第2実施形態の構成を説明する図である。
第2実施形態の情報記憶制御装置200Bは、メインCPU212(の情報転送記憶部286)を介在せずに情報退避処理を行なうように構成している。メインCPU212を介在させずに情報退避処理を行なうという点では後述の第3実施形態と同じであるが、システムメモリ222の構成として特殊な仕様のものを使用せずに通常のものを使用してそれを実現する点で相違がある。
具体的には、情報記憶制御装置200Bは、システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)との間に接続線変換部の一例であるバス変換部290を備えている。バス変換部290は、通常時には稼働せずに、情報退避処理部266が情報退避処理を行なうときにのみ稼働する。
バス変換部290としては、パラレルデータ転送を行なうシステムメモリバス252のパラレルデータを、シリアルデータ転送を行なう第1副データバス254(SPIバス)のシリアルデータに変換するいわゆるパラレル−シリアル変換機能を備えているものであればよく、様々な回路構成を採り得る。この例では、PCIバス(システムメモリバス252)とSPIバス(第1副データバス254)に対する双方向変換機能を持つものとすればよい。
第2実施形態の情報退避制御部260による情報退避処理では、メインCPU212に情報転送記憶部286を介在せずにバス変換部290を介在して情報退避処理を行なう。たとえば、情報退避処理部266は、データ退避タスクに移行すると、情報退避制御部260の情報退避処理部266とメインCPU212間の第2副データバス256(I2Cバス)を利用して、データ移行タスク制御レジスタ280に直接にアクセスして、ビットデータを「1」に変更する。この状態になると、メインCPU212は、システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)の制御を開放し、情報退避処理部266が、システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)の制御主体となる動作モードに移行する。
システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)が情報退避処理部266の制御下に切り替ると、情報退避処理部266は、第1副データバス254(SPIバス)そのもので制御コマンドを送りつつ、システムメモリ222のデータ(特に退避データ領域222a)を読み出してバス変換部290を経由してブートメモリ224に転送するという情報退避処理を行なう。
<情報記憶制御装置:第3実施形態>
図6は、画像形成装置1やコンピュータシステム900に適用される情報記憶制御装置の第3実施形態の構成を説明する図である。
図6は、画像形成装置1やコンピュータシステム900に適用される情報記憶制御装置の第3実施形態の構成を説明する図である。
第3実施形態の情報記憶制御装置200Cは、第2実施形態と同様に、メインCPU212(の情報転送記憶部286)を介在せずに情報退避処理を行なうように構成している。第2実施形態と相違点は、バス変換部290を設けずに、システムメモリ222自体が第1副データバス254とも接続される構成にしている点にある。換言すると、システムメモリ222は、システムメモリバス252と第1副データバス254への接続を切替可能な接続切替部を有する構成にする。システムメモリ222の構成としてバスインタフェース部223を備えた特殊な仕様のものを使用することにはなるが、バス変換部290を外部に持つよりは構成が簡易になる。換言すると、外面的には、第1実施形態をベースに、システムメモリ222と第1副データバス254を接続する経路が増えているだけで、ありながらメインCPU212を介在させずに情報退避処理が実現される。
この構成の実現のため、システムメモリ222にはパラレルバスとシリアルバスの両方と接続可能な接続切替部の一例であるバスインタフェース部223を設けている。バスインタフェース部223におけるシリアルバスと接続可能にする仕組みはバス変換部290と同様のものであればよい。バスインタフェース部223は、通常時にはデータ領域をシステムメモリバス252と接続し、情報退避処理部266が情報退避処理を行なうときにのみ退避データ領域222aを第1副データバス254(SPIバス)と接続する。
第3実施形態の情報退避制御部260による情報退避処理では、メインCPU212に情報転送記憶部286やバス変換部290を介在せずに情報退避処理を行なう。たとえば、情報退避処理部266は、データ退避タスクに移行すると、情報退避制御部260の情報退避処理部266とメインCPU212間の第2副データバス256(I2Cバス)を利用して、データ移行タスク制御レジスタ280に直接にアクセスして、ビットデータを「1」に変更する。この状態になると、メインCPU212は、システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)の制御を開放し、情報退避処理部266が、システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)の制御主体となる動作モードに移行する。
システムメモリバス252と第1副データバス254(SPIバス)が情報退避処理部266の制御下に切り替ると、情報退避処理部266は、第1副データバス254(SPIバス)そのもので制御コマンドを送りつつ、システムメモリ222のデータ(特に退避データ領域222a)を読み出してバスインタフェース部223を経由してブートメモリ224に転送するという情報退避処理を行なう。
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で前記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、前記の実施形態は、クレーム(請求項)に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
たとえば、前記実施形態では、情報退避制御部260の機能をハードウェア回路であるFPGAを利用して構成する場合で説明したが、情報退避制御部260の機能を、メインCPU212とは別の中央演算制御処理装置(副制御部:サブCPU))やメモリ(プログラムROM、RAMなど)を利用して、ソフトウェア的に実現する態様にしてもよい。よって、本実施形態の情報退避制御部260に関する仕組みを、電子計算装置(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムまたはこのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記録媒体(記憶媒体)も発明として抽出される。ソフトウェアにより情報退避制御部260の機能を実現する仕組みとすることで、ハードウェアの変更を伴うことなく処理手順や判定基準などが容易に変更されることとなる。
前述の一連の情報記憶制御処理はハードウェアまたはソフトウェアの単独に限らずその両者の複合構成によっても実現され得る。情報退避制御部260の機能をサブCPUを用いて実現する場合の仕組みについては、図2において、画像形成処理に関わる制御処理をメインCPU212を用いて実現する場合の考え方と同じである。
たとえば、メインCPU212による動作異常は通常、ノイズを契機として起きるプログラム暴走であることが多く、その場合は、メインCPU212だけでなく情報退避制御部260の機能をなす別の中央演算制御処理装置(サブCPU)も一緒に暴走してしまい情報退避処理を正常に行なえなくなると考えられる。しかしながら、メインCPU212だけが暴走しているケースでは、サブCPUによるプログラム処理で情報退避処理を正常に行なえる。また、ハードウェアの故障の影響を受けてメインCPU212が正常に動作できなくなるケースでは、メインCPU212のみが動作異常になり、サブCPUはハードウェア故障の影響を受けず、サブCPUによるプログラム処理で情報退避処理を正常に行なえる。
1…画像形成装置(電子機器の一例)、10…感光体、20…帯電装置、30…露光装置、40…現像装置、50…転写装置、60…クリーニング装置、70…定着装置、200…情報記憶制御装置、212…メインCPU(主制御部)、220…記憶部、222…システムメモリ(第1の記憶部)、223…バスインタフェース部、224…ブートメモリ(第2の記憶部)、226…不揮発性メモリ、230…情報処理部、240…監視部、242…主監視部、244…副監視部、252…システムメモリバス、254…第1副データバス、256…第2副データバス、260…情報退避制御部、264…副監視部、266…情報退避処理部、270…情報復元制御部、280…データ移行タスク制御レジスタ、286…情報転送記憶部、290…バス変換部、900…コンピュータシステム、901…コントローラー部、905…画像読取部、906…画像形成部、908…処理回路、912…CPU(主制御部)、962…画像処理部、982…情報退避制御部、984…情報復元制御部
Claims (11)
- 電子機器の動作を制御する主制御部が前記電子機器の動作を制御するに当たって使用する情報を記憶する第1の記憶部と、
前記第1の記憶部とは別の第2の記憶部と、
前記主制御部とは別に設けられ、前記主制御部が異常な動作をしたときには、前記第1の記憶部に記憶されている情報の内の退避対象の情報を前記第2の記憶部に退避させるように制御する情報退避制御部と、
を備えた情報記憶制御装置。 - 前記情報退避制御部は、
前記主制御部の動作が正常であるか異常であるかを監視する監視部と、
前記監視部が前記主制御部の異常な動作を検知したときには、前記第1の記憶部に記憶されている退避対象の情報を前記第2の記憶部に退避させる情報退避処理部と、
を備えている請求項1に記載の情報記憶制御装置。 - 前記主制御部と前記第2の記憶部を接続する接続線は、前記主制御部と前記第1の記憶部を接続する接続線よりも低速の情報伝送を行なうものである
請求項1または2に記載の情報記憶制御装置。 - 前記主制御部が異常な動作をしたときには、前記主制御部と前記第1の記憶部および前記第2の制御部を接続する接続線の制御権を前記情報退避制御部が持つ
請求項1〜3の内の何れか一項に記載の情報記憶制御装置。 - 前記情報退避制御部は、前記第1の記憶部に記憶されている退避対象の情報を前記主制御部を経由して前記第2の記憶部に退避させる
請求項1〜4の内の何れか一項に記載の情報記憶制御装置。 - 前記主制御部と前記第1の記憶部を接続する第1の接続線は複数の通信線を使用して情報を並列に転送する方式を採用しており、
前記主制御部と前記第2の記憶部を接続する第2の接続線は単一の通信線を使用して情報を順次転送する方式を採用しており、
前記主制御部と前記第1の記憶部を接続する第1の接続線と、前記主制御部と前記第2の記憶部を接続する第2の接続線の間には接続線変換部が設けられており、
前記情報退避制御部は、前記第1の記憶部に記憶されている退避対象の情報を前記接続線変換部を経由して前記第2の記憶部に退避させる
請求項1〜4の内の何れか一項に記載の情報記憶制御装置。 - 前記主制御部と前記第1の記憶部を接続する第1の接続線は複数の通信線を使用して情報を並列に転送する方式を採用しており、
前記主制御部と前記第2の記憶部を接続する第2の接続線は単一の通信線を使用して情報を順次転送する方式を採用しており、
前記第1の記憶部は、前記第1の接続線と前記第2の接続線への接続を切替可能な接続切替部を有しており、
前記情報退避制御部は、前記第1の記憶部に記憶されている退避対象の情報を前記接続切替部を経由して前記第2の記憶部に退避させる
請求項1〜4の内の何れか一項に記載の情報記憶制御装置。 - 電子機器の動作を制御する主制御部の動作が正常であるか異常であるかを監視する監視部と、
前記監視部が前記主制御部の異常な動作を検知したときには、前記電子機器の動作を制御するに当たって使用する情報を記憶する第1の記憶部に記憶されている退避対象の情報を前記第1の記憶部とは別の第2の記憶部に退避させる情報退避処理部と、
を備え、
前記監視部と前記情報退避処理部が、前記電子機器の動作を制御する主制御部とは別に設けられている
情報記憶制御装置。 - 全体の動作を制御する主制御部と、
前記主制御部が前記制御を行なうに当たって使用する情報を記憶する第1の記憶部と、
前記第1の記憶部とは別の第2の記憶部と、
前記主制御部とは別に設けられ、前記主制御部が異常な動作をしたときには、前記第1の記憶部に記憶されている情報の内の退避対象の情報を前記第2の記憶部に退避させるように制御する情報退避制御部と、
を備えた電子機器。 - 画像を出力媒体上に形成する画像形成部と、
前記画像形成部を含む全体の動作を制御する主制御部と、
前記主制御部が前記制御を行なうに当たって使用する情報を記憶する第1の記憶部と、
前記第1の記憶部とは別の第2の記憶部と、
前記主制御部とは別に設けられ、前記主制御部が異常な動作をしたときには、前記第1の記憶部に記憶されている情報の内の退避対象の情報を前記第2の記憶部に退避させるように制御する情報退避制御部と、
を備えた画像形成装置。 - 電子機器の動作を制御する中央演算制御処理装置の動作が正常であるか異常であるかを監視する監視部と、
前記監視部が前記中央演算制御処理装置の異常な動作を検知したときには、前記電子機器の動作を制御するに当たって使用する情報を記憶する第1の記憶部に記憶されている退避対象の情報を前記第1の記憶部とは別の第2の記憶部に退避させる情報退避処理部と、
して前記電子機器の動作を制御する中央演算制御処理装置とは別の中央演算制御処理装置を機能させるプログラム。
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2009
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