JP2011058911A - 電磁流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】非対称励磁形の電磁流量計において信号線から得られる∂A/∂t成分を適切な大きさに設定する。
【解決手段】電磁流量計は、測定管1と、電極2a,2bと、平面PLNに対して非対称かつ時間変化する磁場を流体に印加する励磁コイル3と、流体の流速とは無関係で磁場の時間変化に起因する∂A/∂t成分の起電力と流体の流速に起因するv×B成分の起電力との合成起電力から、∂A/∂t成分を抽出する信号変換部5と、∂A/∂t成分に基づいて合成起電力中のv×B成分の流速の大きさVにかかる係数であるスパンの変動要因を除去し、変動要因を除去した結果から流体の流量を算出する流量出力部6と、平面PLNと平行な磁場の方向に対して傾きを持ち磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設された信号線7a,7bとを備える。
【選択図】 図5

Description

本発明は、測定管内を流れる被測定流体の流量を計測する電磁流量計に関するものである。
[物理現象と数学的基礎知識]
従来技術と本発明を理解するために必要な両者に共通する理論的前提部分について説明する。
まず、従来技術の説明に必要な物理現象について説明しておく。時間変化する磁場中を物体が移動する場合、電磁誘導によって2種類の電界、(a)磁場の時間変化によって発生する電界E(i)=−∂A/∂t、(b)磁場中を物体が動くことにより発生する電界E(v)=v×Bが発生する。v×BはvとBの外積を示し、∂A/∂tはAの時間による偏微分を示す。v、B、Aはそれぞれ下記に対応しており、3次元(x、y、z)に方向をもつベクトルである(v:流速、B:磁束密度、A:ベクトルポテンシャル(磁束密度とはB=rotAの関係がある))。ただし、ここでの3次元ベクトルは複素平面上のベクトルとは意味が異なる。この2種類の電界によって電位分布が流体中に発生し、この電位は電極によって検出することができる。
次に、一般に知られている数学的基礎知識について説明する。同一周波数で異なる振幅の余弦波P・cos(ω・t)、正弦波Q・sin(ω・t)は、以下のような余弦波に合成される。P,Qは振幅、ωは角周波数である。
P・cos(ω・t)+Q・sin(ω・t)
=(P2+Q21/2 ・cos(ω・t−ε)
ただし、ε=tan-1(Q/P) ・・・(1)
式(1)の合成を分析するには、余弦波P・cos(ω・t)の振幅Pを実軸、正弦波Q・sin(ω・t)の振幅Qを虚軸にとるように複素座標平面に写像すると都合がよい。すなわち、複素座標平面上において、原点からの距離(P2+Q21/2が合成波の振幅を与え、実軸との角度ε=tan-1(Q/P)が合成波とω・tとの位相差を与えることになる。
また、複素座標平面上においては、以下の関係式が成り立つ。
L・exp(j・ε)=L・cos(ε)+j・L・sin(ε) ・・・(2)
式(2)は複素ベクトルに関する表記であり、jは虚数単位である。Lは複素ベクトルの長さを与え、εは複素ベクトルの方向を与える。したがって、複素座標平面上の幾何学的関係を分析するには、複素ベクトルへの変換を活用すると都合がよい。
以下の説明では、電極間起電力がどのような挙動を示し、従来技術はこの挙動をどのように利用しているかを説明するために、上記のような複素座標平面への写像と、複素ベクトルによる幾何学的分析を採用する。
[従来技術の説明]
発明者が提案した電磁流量計(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)におけるコイル1組、電極1対の場合に発生する電極間起電力の複素ベクトル配置について説明する。図32は特許文献1〜特許文献3に開示された電磁流量計の構成を示すブロック図である。この電磁流量計は、被測定流体が流れる測定管1と、被測定流体に印加される磁場および測定管1の軸PAXの双方と直交し、かつ被測定流体と接触するように測定管1に対向配置され、前記磁場と被測定流体の流れとによって生じた起電力を検出する一対の電極2a,2bと、測定管軸PAXの方向と直交する、電極2a,2bを含む平面PLNを測定管1の境としたとき、この平面PLNを境とする測定管1の前後で非対称かつ時間変化する磁場を被測定流体に印加する励磁コイル3と、この励磁コイル3に励磁電流を供給して磁場を発生させる電源4と、電極2a,2b間の起電力を検出する信号変換部5と、信号変換部5によって検出された電極間起電力から被測定流体の流量を算出する流量出力部6と、電極2a,2bと信号変換部5との間を接続する信号線7a,7bとを有する。
電極2a,2bを含む平面PLNを測定管1の境とし、この平面PLNを境とする測定管1の前後で非対称な磁場を被測定流体に印加したとき、この非対称励磁により計測される電極間起電力の振幅と位相差に基づき、複素平面に写像されるベクトルは、以下の∂A/∂t成分のベクトルVaとv×B成分のベクトルVbの合成ベクトルVa+Vbに相当する。
Va=B・rω・exp(j・θω)・ω ・・・(3)
Vb=B・rv・exp(j・θv)・V ・・・(4)
このベクトルVaとVbを図33に示す。図33において、Reは実軸、Imは虚軸である。∂A/∂t成分のベクトルVaは、磁場の変化により発生する起電力なので、励磁角周波数ωに比例する大きさになる。このとき、磁場の大きさをB、ベクトルVaの大きさに対する磁場の大きさ以外の既知の比例定数部分をrω、ベクトルVaの方向をθωとする。また、v×B成分のベクトルVbは、測定管中の被測定流体の移動により発生する起電力なので、流速の大きさVに比例する大きさになる。このとき、ベクトルVbの大きさに対する磁場の大きさ以外の既知の比例定数部分をrv、ベクトルの方向をθvとする。
特許文献1〜特許文献3に開示された電磁流量計は、式(3)、式(4)および図33に示したような複素ベクトル配置を背景に、スパンのシフトに影響されないパラメータ(非対称励磁パラメータ)を抽出し、この非対称励磁パラメータに基づき流量を出力することで、スパンのシフトの問題を解決している。
ここで、図34を用いてスパンのシフトについて説明する。被測定流体の流速が変化していないにもかかわらず、電磁流量計によって計測される流速の大きさVが変化したとすると、この出力変動の要因としてスパンのシフトが考えられる。例えば、初期状態において被測定流体の流速が0のときに電磁流量計の出力が0(v)となり、流速が1(m/sec)のときに出力が1(v)となるように校正したとする。ここでの電磁流量計の出力は、流速の大きさVを表す電圧である。このような校正により、被測定流体の流速が1(m/sec)であれば、電磁流量計の出力は当然1(v)になるはずである。ところが、ある時間t1が経過したところで、被測定流体の流速が同じく1(m/sec)であるにもかかわらず、電磁流量計の出力が1.2(v)になることがある。この出力変動の要因として考えられるのが、スパンのシフトである。スパンのシフトという現象は、例えば電磁流量計の周囲温度の変化などにより、励磁コイルを流れる励磁電流値が一定値を維持できなくなるなどの原因により発生する。
特許第3774218号公報 特開2005−300325号公報 特開2005−300326号公報
特許文献1〜特許文献3に開示された電磁流量計では、合成ベクトルVa+Vbと励磁電流との位相差φを流体の影響を受けない非対称励磁パラメータとし、この非対称励磁パラメータを基に流量を算出している。特許文献1〜特許文献3に開示された電磁流量計のシフト補正原理を図35(A)、図35(B)に示す。∂A/∂t成分のベクトルVaとv×B成分のベクトルVbの関係が図35(A)のような関係にあったときに、磁場Bの振幅がシフトしたとすると、ベクトルVaとベクトルVbは例えば図35(B)のように変化する。ここで、流体の流量が一定の場合、合成ベクトルVa+Vbと励磁電流との位相差φは変化しない。すなわち、流量が一定の場合、ベクトルVaがVa’に変動したときにベクトルVbもVb’となり、位相差φは変化しない。したがって、位相差φにより流量検出すれば、スパンのシフトの影響による流量計測誤差を自動的にキャンセルすることができる。
このように、特許文献1〜特許文献3に開示された電磁流量計では、信号成分がベクトルVaとVbのみであれば、Va+Vbの励磁電流との位相差をφとすると流量はtan(π/2−φ)に比例し、正確な測定が期待できる。ただし、実際には外来ノイズなどにより、測定値のばらつきが発生する。このとき、ベクトルVbの大きさのレベルに対して、ベクトルVaが図36(A)に示すVa1のように大きい場合には、Va1がノイズNによりVa1’になったとすると、このときの合成ベクトルVa+Vbと励磁電流との位相差φ=φ1がφ1’になったとしても、ノイズによる流量の変動の割合tan(π/2−φ1’)/tan(π/2−φ1)が小さいため、流量誤差は小さくなる。一方、ベクトルVbの大きさのレベルに対して、ベクトルVaが図36(A)に示すVa2のように小さい場合には、Va2が同じノイズNによりVa2’になったとすると、このときの合成ベクトルVa+Vbと励磁電流との位相差φ=φ2はφ2’となり、ノイズによる流量の変動の割合tan(π/2−φ2’)/tan(π/2−φ2)が大きくなり、流量誤差が大きくなることがわかる。また、ベクトルVbの大きさのレベルに対して、ベクトルVaが図36(B)に示すVa3のように大きい場合には、位相差φ=φ3が大きくなり、流量に比例するtan(π/2−φ3)の値が小さくなり、流量の分解能が悪くなることがわかる。
ベクトルVbの大きさは流量計測の基本となるので、このベクトルVbの大きさに影響を与えずにベクトルVaの大きさを適当に変更することができれば、図36(A)、図36(B)で説明した流量誤差の増大や流量分解能の悪化といった問題も解決することができる。ベクトルVaの大きさに関係するものとして磁場、電極の配置、励磁周波数などがあるが、全て設計上重要なパラメータであり、簡単に変更できない。例えば磁場の大きさや電極の配置は、ベクトルVbに対する影響も大きいので、ベクトルVaのレベル調整のためのパラメータとしては適していない。また、励磁周波数を変更すれば、ベクトルVbに対する影響が小さい状態でベクトルVaのレベル調整が可能であるが、励磁周波数は、信号中のノイズの除去に大きく関わっているため、ベクトルVaのレベル調整のためだけに、簡単に変更できるパラメータではない。
高精度の流量計測を指向する場合には、外来ノイズに対する計測の安定性や流量計測値の分解能を考慮しなければならないが、上記のように特許文献1〜特許文献3に開示された電磁流量計では、ベクトルVaとVbのレベル差を通常の設計パラメータを変更するだけではうまく調節することができず、ベクトルVaとVbのレベル差が大きい場合に、正確なスパン補正や流量計測ができない可能性があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、非対称励磁形の電磁流量計において、信号線から得られる∂A/∂t成分を適切な大きさに設定し、高精度の流量計測を行うことを目的とする。
本発明の電磁流量計は、被測定流体が流れる測定管と、この測定管に配設され、前記流体に印加される磁場と前記流体の流れとによって生じた起電力を検出する電極と、この電極を含む、前記測定管の軸方向と垂直な第1の平面に対して非対称かつ時間変化する磁場を前記流体に印加する励磁部と、一端が前記電極と接続されると共に、前記第1の平面と平行な磁場の方向に対して傾きを持ち前記磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設された信号線とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の1構成例において、前記信号線の配設方向は、前記測定管の軸と同じ方向成分を持つことを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の1構成例(第1の実施の形態)において、前記励磁部は、前記第1の平面からオフセット距離だけ離れた位置に配設された励磁コイルと、この励磁コイルに励磁電流を供給する電源とからなることを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の1構成例(第2の実施の形態)において、前記電極は、前記測定管の軸に直交する軸上に前記測定管の軸を挟んで対向するように1対配設され、前記信号線は、各々の電極に1本ずつ接続された2本の信号線からなり、この2本の信号線が前記第1の平面から互いに逆方向に向かうように配設されることを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の1構成例(第3の実施の形態)は、さらに、前記励磁コイルの外側を覆うアウターコアを備え、前記信号線は、前記アウターコアの内側に、前記第1の平面と平行な磁場の方向に対して傾きを持ち前記磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設されることを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の1構成例(第4の実施の形態)において、前記励磁部は、前記第1の平面から第1のオフセット距離だけ離れた位置に配設された第1の励磁コイルと、前記第1の平面から第2のオフセット距離だけ離れた位置に、前記第1の平面を挟んで前記第1の励磁コイルと対向するように配設された第2の励磁コイルと、前記第1の励磁コイルと前記第2の励磁コイルに励磁電流を供給する電源とからなることを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の1構成例(第1、第3、第4の実施の形態)において、前記電極は、前記測定管の軸に直交する軸上に前記測定管の軸を挟んで対向するように1対配設され、前記信号線は、各々の電極に1本ずつ接続された2本の信号線からなり、この2本の信号線のうち少なくとも1本の信号線が前記第1の平面と平行な磁場の方向に対して傾きを持ち前記磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設されることを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の1構成例(第5の実施の形態)において、前記電極は、前記測定管の軸に直交する軸上に前記測定管の軸を挟んで対向するように1対配設され、前記信号線は、各々の電極に1本ずつ接続された2本の信号線からなり、この2本の信号線が前記第1の平面から互いに逆方向に向かうように配設されることを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の1構成例(第6の実施の形態)は、さらに、前記第1の励磁コイルの外側を覆う第1のアウターコアと、前記第2の励磁コイルの外側を覆う第2のアウターコアとを備え、前記信号線は、前記第1、第2のアウターコアの内側に、前記第1の平面と平行な磁場の方向に対して傾きを持ち前記磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設されることを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の1構成例(第7の実施の形態)において、前記励磁部は、前記流体に磁場を印加する励磁コイルと、この励磁コイルに励磁電流を供給する電源とからなり、前記電極は、前記励磁コイルの軸を含む、前記測定管の軸方向と垂直な第2の平面から第1のオフセット距離だけ離れた位置に配設された第1の電極と、前記第2の平面から第2のオフセット距離だけ離れた位置に、前記第2の平面を挟んで前記第1の電極と対向するように配設された第2の電極とからなることを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の1構成例(第8の実施の形態)において、前記信号線は、前記第1の電極に接続された第1の信号線と、前記第2の電極に接続された第2の信号線とからなり、この第1、第2の信号線が前記第2の平面を挟んで対向するように配設されることを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の1構成例(第9の実施の形態)は、さらに、前記励磁コイルの外側を覆うアウターコアを備え、前記信号線は、前記アウターコアの内側に、前記第1の平面と平行な磁場の方向に対して傾きを持ち前記磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設されることを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の1構成例(第7の実施の形態〜第9の実施の形態)において、前記第1、第2の電極は、それぞれ前記測定管の軸に直交する軸上に前記測定管の軸を挟んで対向するように1対ずつ配設され、前記信号線は、1対の前記第1の電極に1本ずつ接続された2本の第1の信号線と、1対の前記第2の電極に1本ずつ接続された2本第2の信号線とからなり、2本の第1の信号線のうち少なくとも1本の第1の信号線が前記第1の平面と平行な磁場の方向に対して傾きを持ち前記磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設され、2本の第2の信号線のうち少なくとも1本の第2の信号線が前記第1の平面と平行な磁場の方向に対して傾きを持ち前記磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設されることを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の1構成例(第10の実施の形態〜第16の実施の形態)は、さらに、前記信号線の他端と接続され、前記電極および信号線で検出される、前記流体の流速とは無関係で前記磁場の時間変化に起因する∂A/∂t成分の起電力と前記流体の流速に起因するv×B成分の起電力との合成起電力から、前記∂A/∂t成分を抽出する信号変換部と、前記抽出された∂A/∂t成分に基づいて、前記合成起電力の中のv×B成分の流速の大きさVにかかる係数であるスパンの変動要因を除去し、この変動要因を除去した結果から前記流体の流量を算出する流量出力部とを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、測定管の軸方向と垂直な第1の平面と平行な磁場の方向に対して傾きを持ち磁場の時間変化によって起電力が生じるように信号線を配設することにより、信号線から得られる∂A/∂t成分の起電力を、非対称励磁形の電磁流量計にとって適切な大きさになるように設定することができる。その結果、本発明では、正確なスパン補正を自動的に行うことができ、高精度の流量計測を行うことができる。
従来の一般形の電磁流量計の信号線配置を示す図である。 本発明の電磁流量計における信号線の配置例および∂A/∂t成分の分布を上から見た図である。 本発明の電磁流量計における信号線の他の配置例および∂A/∂t成分の分布を上から見た図である。 本発明の電磁流量計における信号線の他の配置例および∂A/∂t成分の分布を上から見た図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電磁流量計における信号線の他の配置例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電磁流量計における信号線の他の配置例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電磁流量計における信号線の他の配置例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。 本発明の第7の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。 本発明の第8の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。 本発明の第8の実施の形態に係る電磁流量計における信号線の他の配置例を示す図である。 本発明の第8の実施の形態に係る電磁流量計における信号線の他の配置例を示す図である。 本発明の第9の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。 本発明の第9の実施の形態に係る電磁流量計における信号線の他の配置例を示す図である。 本発明の第10の実施の形態における信号変換部と流量出力部の動作を示すフローチャートである。 本発明の第11の実施の形態における信号変換部と流量出力部の動作を示すフローチャートである。 本発明の第12の実施の形態における信号変換部と流量出力部の動作を示すフローチャートである。 本発明の第13の実施の形態における信号変換部と流量出力部の動作を示すフローチャートである。 本発明の第14の実施の形態における信号変換部と流量出力部の動作を示すフローチャートである。 本発明の第15の実施の形態における信号変換部と流量出力部の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態〜第16の実施の形態に係る電磁流量計で用いる電極の1例を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態〜第16の実施の形態に係る電磁流量計で用いる電極の他の例を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態〜第16の実施の形態に係る電磁流量計で用いる電極の他の例を示す断面図である。 本発明の第1、第3の実施の形態における信号線配置の他の例を示す図である。 本発明の第4の実施の形態における信号線配置の他の例を示す図である。 本発明の第7、第8、第9の実施の形態における信号線配置の他の例を示す図である。 従来の電磁流量計の構成を示すブロック図である。 従来の電磁流量計の基本原理を説明するための図である。 電磁流量計におけるスパンのシフトを説明するための図である。 従来の電磁流量計のシフト補正原理を示す図である。 従来の電磁流量計の問題点を説明するための図である。
まず、本発明の説明に必要な物理現象について、追加説明を行う。電磁流量計の電極によって検出された信号は、磁場の影響を受けにくいところに配置される信号処理部まで信号線によって伝送される必要がある。流体だけでなく電極や信号線にも∂A/∂t成分は発生する。したがって、信号処理部に伝送される信号は、磁場中を流体が動くことにより流体に発生する電界(v×B)と、磁場の時間変化により流体だけでなく電極や信号線を含めた空間に発生する電界(∂A/∂t)とによって、その電位が決定されることになる。
[発明の基本的技術思想]
本発明は、電磁流量計の電極で検出される電極間起電力を信号処理部まで取り出すとき、信号処理部において検出される、∂A/∂t成分のベクトルVaとv×B成分のベクトルVbとの合成ベクトルVa+Vbにおいて、ベクトルVaは流体に発生する成分と電極および信号線に発生する成分とが合成されたベクトルであるのに対して、ベクトルVbは流体で発生するベクトルであることに着目している。
式(3)、式(4)によると、v×B成分のベクトルVbに影響を与えることなく、∂A/∂t成分のベクトルVaの大きさを調整しようとする場合、励磁角周波数ωによって調整できることが分かる。しかし、励磁角周波数ωはS/N比や流量変化に対する応答性から決定されるので、励磁角周波数ωを変更することは現実的ではない。
そこで、発明者は、v×B成分のベクトルVbや流量計としての性能に影響を与えることなく∂A/∂t成分のベクトルVaの大きさを調整できることを重視し、その調整のパラメータとして信号線の配置に着目した。
一般形の電磁流量計に使用される検出器は∂A/∂t成分をできるだけ検出しない構造となっている。すなわち、電極2a,2bを含む、測定管軸の方向と垂直な平面PLNに対して磁場が対称になっているだけでなく、図1に示すように励磁コイル3から発生する磁束と鎖交する面積ができるだけ小さくなるように信号線7a,7bを配置する構造となっている。この構造により、信号線7a,7bに∂A/∂t成分が発生しないようにしている。図32に示すように、特許文献1〜特許文献3に開示された非対称励磁形の電磁流量計においても、信号線7a,7bは一般形の電磁流量計と同様に配置されていた。
これに対して、本発明では、平面PLNと平行な磁場の方向に対して傾きを持ち、磁場の時間変化によって∂A/∂t成分が発生するように信号線を配置することにより、∂A/∂t成分の初期値の大きさを調整することを可能にした。
本発明の電磁流量計における信号線の配置と流体および信号線に発生する起電力について図2〜図4を用いて説明する。ここでは、被測定流体の流速が0の場合、すなわち∂A/∂t成分のみが発生し、v×B成分が発生しない場合について説明する。磁場の変化に起因する∂A/∂t成分の分布を電磁流量計の上から見ると図2〜図4に示したようになる。
このように空間に∂A/∂t成分が分布しているときに、図2のように信号線7a,7bを配置すれば、流体に発生し、電極2a,2bによって検出される∂A/∂t成分である電極間起電力Eと、信号線7a,7bに発生する∂A/∂t成分である起電力Ea,Ebとが共に同じ方向(図2の例では信号線7bの端部から信号線7aの端部に向かう方向)となるので、信号線7aの端部で検出される起電力と信号線7bの端部で検出される起電力との差である信号線間起電力差は電極間起電力Eに比べて一般に大きくなる。
また、図3のように信号線7a,7bを配置すれば、電極2a,2bによって検出される∂A/∂t成分である電極間起電力Eと、信号線7a,7bに発生する∂A/∂t成分である起電力Ea,Ebとが逆方向となるので、信号線7aの端部で検出される起電力と信号線7bの端部で検出される起電力との差である信号線間起電力差は電極間起電力Eに比べて一般に小さくなる。
また、図4のように電極2a,2bを含む平面PLNから互いに逆方向に向かうように信号線7a,7bを配置すれば、信号線7aに発生する起電力Eaが電極間起電力Eと同じ向きになり、もう一方の信号線7bに発生する起電力Ebが電極間起電力Eと逆向きになるので、信号線7a,7bの端部で検出される∂A/∂t成分の初期値の大きさを細かく調整することが可能となる。
以上のように、信号線7a,7bの配置を変更した場合でもv×B成分のベクトルVbに対する影響は無視できる。つまり、v×B成分のベクトルVbに影響を与えることなく、∂A/∂t成分のベクトルVaの大きさを調整することが可能になる。この調整は、信号線7aと信号線7bの測定管軸方向の長さが異なる場合でも可能であり、また信号線7aと信号線7bとが平面PLNや測定管軸に対して非対称に配置されている場合でも可能である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図5は本発明の第1の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。本実施の形態の電磁流量計は、被測定流体が流れる測定管1と、被測定流体に印加される磁場Bおよび測定管軸PAXの双方と直交し、かつ被測定流体と接触するように測定管1に対向配置された一対の電極2a,2bと、測定管軸PAXの方向と直交する、電極2a,2bを含む平面PLNを測定管1の境としたとき、この平面PLNを境とする測定管1の前後で非対称かつ時間変化する磁場Bを被測定流体に印加する励磁コイル3と、励磁コイル3に励磁電流を供給して磁場Bを発生させる電源4と、後述する信号線の他端と接続され、信号線から得られる起電力から∂A/∂t成分を抽出する信号変換部5と、抽出された∂A/∂t成分に基づいて、起電力中のv×B成分の流速の大きさVにかかる係数であるスパンの変動要因を除去し、この変動要因を除去した結果から被測定流体の流量を算出する流量出力部6と、電極2a,2bと信号変換部5との間を接続する信号線7a,7bとを有する。
本実施の形態の電磁流量計は、1個の励磁コイル3と1対の電極2a,2bとを有し、平面PLNと平行な磁場Bの方向に対して傾きを持ち磁場Bの時間変化によって起電力が生じるように信号線7a,7bを配置し、さらに平面PLNに対して信号線7aと信号線7bとを同じ側に配置したものである。
励磁コイル3は、平面PLNから測定管軸方向にオフセット距離だけ離れた位置に配設されている。これにより、本実施の形態では、平面PLNを境とする測定管1の前後で非対称な磁場Bが被測定流体に印加される。
信号線7a,7bの長さは同じでなくてもよい。また、信号線7a,7bは、電極2a,2b間を結ぶ電極軸EAXと直交する、測定管軸PAXを含む平面VLNに対して対称に配置されていなくてもよい。
信号変換部5によって検出された起電力から∂A/∂t成分を抽出し、この∂A/∂t成分を用いて被測定流体の流量を求める導出方法については、特許文献1〜特許文献3も含めて各種の方式が提案されているが、本実施の形態は、このような導出方法に関係なく適用できる。電源4、信号変換部5および流量出力部6の動作例については後述する。
本実施の形態における信号線7a,7bの他の配置例を図6〜図8に示す。電源4、信号変換部5および流量出力部6については図5と同じなので、図6〜図8では電源4、信号変換部5および流量出力部6の記載を省略している。図6、図7は、図5と同様に電極2a,2bから励磁コイル3の方向に信号線7a,7bを配置した例を示しており、図8は、電極2a,2bから励磁コイル3と反対の方向に信号線7a,7bを配置した例を示している。このうち、図6の例では、信号線7a,7bを、測定管軸PAXと電極軸EAXの両方を含む平面HLNと平行に配置して、信号線7a,7bの長さを図5の場合よりも短くしており、図7の例では、信号線7a,7bを、平面HLNと平行でない角度で配置している。
励磁コイル3から発生する磁場Bが信号線7a,7bに与える影響は、信号線7a,7bと鎖交する磁束の変化量で決まる。図5〜図7の例のように、信号線7a,7bを電極2a,2bから励磁コイル3の方向に配置すれば、信号線7a,7bと鎖交する磁束の変化量は大きくなる。この場合、信号線7a,7bに発生する∂A/∂t成分の起電力は、図2で説明したように、磁場Bの時間変化によって流体に発生する∂A/∂t成分の起電力と同じ向きになるので、信号線7aの信号変換部側の端部で検出される∂A/∂t成分の起電力と信号線7bの信号変換部側の端部で検出される∂A/∂t成分の起電力との差は、流体に発生する∂A/∂t成分の起電力に比べて大きくなる。
また、図8の例のように、信号線7a,7bを電極2a,2bから励磁コイル3と反対の方向に配置した場合、信号線7a,7bに発生する∂A/∂t成分の起電力は、図3で説明したように、磁場Bの時間変化によって流体に発生する∂A/∂t成分の起電力と逆向きになるので、信号線7aの信号変換部側の端部で検出される∂A/∂t成分の起電力と信号線7bの信号変換部側の端部で検出される∂A/∂t成分の起電力との差は、流体に発生する∂A/∂t成分の起電力に比べて小さくなる。
このように、本実施の形態では、信号線7a,7bから得られる∂A/∂t成分の起電力(ベクトルVa)が小さい場合、信号線7a,7bを電極2a,2bから励磁コイル3の方向に配置することにより、磁場Bの大きさや電極2a,2bの配置、あるいは励磁周波数といった重要なパラメータを変更することなく、∂A/∂t成分の起電力を大きくすることができる。また、本実施の形態では、信号線7a,7bから得られる∂A/∂t成分の起電力(ベクトルVa)が大きい場合、信号線7a,7bを電極2a,2bから励磁コイル3と反対の方向に配置することにより、磁場Bの大きさや電極2a,2bの配置、あるいは励磁周波数といった重要なパラメータを変更することなく、∂A/∂t成分の起電力を小さくすることができる。
また、信号線7a,7bの長さや角度で、信号線7a,7bと鎖交する磁束の変化量が異なるので、信号線7a,7bから得られる∂A/∂t成分の起電力の大きさは、図5〜図7のそれぞれの場合で異なる。つまり、信号線7a,7bの配置で∂A/∂t成分の起電力の大きさを調整できることになる。
以上のように、本実施の形態では、信号線7a,7bから得られる∂A/∂t成分の起電力を、非対称励磁形の電磁流量計にとって適切な大きさになるように設定することができる。その結果、本実施の形態では、正確なスパン補正を自動的に行うことができ、高精度の流量計測を行うことができる。なお、∂A/∂t成分の適切な大きさは、目的の精度や分解能やレンジアビリティ、それを実現する回路構成によって決定される。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図9は本発明の第2の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。
本実施の形態の電磁流量計は、1個の励磁コイル3と1対の電極2a,2bとを有し、電極2a,2bを含む平面PLNに対して信号線7aと信号線7bとを異なる側に配置したものである。第1の実施の形態と同様に、励磁コイル3は、平面PLNから測定管軸方向にオフセット距離だけ離れた位置に配設されている。
信号線7a,7bの長さは同じでなくてもよい。また、信号線7a,7bは、測定管軸PAXと電極軸EAXとの交点を通る、測定管軸PAXと電極軸EAXの両方と直交する軸VAXに対して回転対称に配置されていなくてもよい。
電源4、信号変換部5および流量出力部6については第1の実施の形態と同じなので、図9では電源4、信号変換部5および流量出力部6の記載を省略している。
本実施の形態の場合、図4で説明したように、信号線7aに発生する∂A/∂t成分の起電力が磁場Bの時間変化によって流体に発生する∂A/∂t成分の起電力と同じ向きになり、もう一方の信号線7bに発生する∂A/∂t成分の起電力が流体に発生する∂A/∂t成分の起電力と逆向きになる。本実施の形態では、信号線7a,7bから得られる∂A/∂t成分の起電力(ベクトルVa)の大きさを、信号線7a,7bの配設位置と長さで自由に調節できるので、第1の実施の形態に比べて信号線7a,7bから得られる∂A/∂t成分の起電力の大きさを細かく設定することが可能となる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図10は本発明の第3の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。
一般の電磁流量計においては励磁コイルから発生する磁気を効率的に励磁コイルに戻すために、アウターコアと呼ばれる磁性体で電磁流量計を覆うことが多い。本実施の形態は、第1、第2の実施の形態において信号線7a,7bをアウターコア8の内側に配置したものである。
電源4、信号変換部5および流量出力部6については第1の実施の形態と同じなので、図10では電源4、信号変換部5および流量出力部6の記載を省略している。
本実施の形態のようにアウターコア8が存在する場合、アウターコア8の内側に磁場が集中するため、信号線7a,7bをアウターコア8の内側に配置することにより、第1、第2の実施の形態に比べて信号線7a,7bから得られる∂A/∂t成分の起電力(ベクトルVa)の設定可能な範囲を拡大することができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図11は本発明の第4の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。
本実施の形態の電磁流量計は、測定管1と、電極2a,2bと、測定管軸PAXの方向と直交する、電極2a,2bを含む平面PLNを測定管1の境としたとき、この平面PLNを境とする測定管1の前後で非対称かつ時間変化する磁場を被測定流体に印加する第1、第2の励磁コイル3a,3bと、第1、第2の励磁コイル3a,3bに励磁電流を供給して磁場を発生させる電源4aと、後述する信号線の他端と接続され、信号線から得られる起電力から∂A/∂t成分を抽出する信号変換部5aと、抽出された∂A/∂t成分に基づいて、起電力中のv×B成分の流速の大きさVにかかる係数であるスパンの変動要因を除去し、この変動要因を除去した結果から被測定流体の流量を算出する流量出力部6aと、電極2a,2bと信号変換部5aとの間を接続する信号線7a,7bとを有する。
本実施の形態の電磁流量計は、2個の励磁コイル3a,3bと1対の電極2a,2bとを有するものである。第1の励磁コイル3aは、平面PLNから例えば下流側にオフセット距離d1だけ離れた位置に配設される。第2の励磁コイル3bは、平面PLNから例えば上流側にオフセット距離d2だけ離れた位置に、平面PLNを挟んで第1の励磁コイル3aと対向するように配設される。
信号線7a,7bの長さは同じでなくてもよい。また、信号線7a,7bは、電極2a,2b間を結ぶ電極軸EAXと直交する、測定管軸PAXを含む平面VLNに対して対称に配置されていなくてもよい。
電源4a、信号変換部5aおよび流量出力部6aの動作例については後述する。
本実施の形態のように2個の励磁コイル3a,3bと1対の電極2a,2bの構成をとる場合、第1の実施の形態〜第3の実施の形態で示した1個の励磁コイル3と1対の電極2a,2bの構成よりも、信号成分(v×B成分のベクトルVb)を大きくとることが可能になる。
図11に示したように電極2a,2bから第1の励磁コイル3aの方向に信号線7a,7bを配置する場合には、第1の励磁コイル3aから発生する磁場の変化により信号線7a,7bに発生する∂A/∂t成分の起電力は流体に発生する∂A/∂t成分の起電力と同じ向きになり、第2の励磁コイル3bから発生する磁場の変化により信号線7a,7bに発生する∂A/∂t成分の起電力は流体に発生する∂A/∂t成分の起電力と違う向きになる。その結果、信号線7aの信号変換部側の端部で検出される∂A/∂t成分の起電力と信号線7bの信号変換部側の端部で検出される∂A/∂t成分の起電力との差は、第1の励磁コイル3aから発生する磁場の変化の影響を大きく受ける。
また、電極2a,2bから第2の励磁コイル3bの方向に信号線7a,7bを配置する場合には、第2の励磁コイル3bから発生する磁場の変化により信号線7a,7bに発生する∂A/∂t成分の起電力は流体に発生する∂A/∂t成分の起電力と同じ向きになり、第1の励磁コイル3aから発生する磁場の変化により信号線7a,7bに発生する∂A/∂t成分の起電力は流体に発生する∂A/∂t成分の起電力と違う向きになる。その結果、信号線7aの信号変換部側の端部で検出される∂A/∂t成分の起電力と信号線7bの信号変換部側の端部で検出される∂A/∂t成分の起電力との差は、第2の励磁コイル3bから発生する磁場の変化の影響を大きく受ける。
以上の性質を考慮して信号線7a,7bの配置を決定すればよい。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図12は本発明の第5の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。
本実施の形態は、第4の実施の形態の電磁流量計における信号線7a,7bの他の配置例を示すものであり、電極2a,2bを含む平面PLNに対して信号線7aと信号線7bとを異なる側に配置したものである。第1、第2の励磁コイル3a,3bの配置は、第4の実施の形態と同じである。
信号線7a,7bの長さは同じでなくてもよい。また、信号線7a,7bは、測定管軸PAXと電極軸EAXとの交点を通る、測定管軸PAXと電極軸EAXの両方と直交する軸VAXに対して回転対称に配置されていなくてもよい。
電源4a、信号変換部5aおよび流量出力部6aについては第4の実施の形態と同じなので、図12では電源4a、信号変換部5aおよび流量出力部6aの記載を省略している。
本実施の形態の場合、一方の信号線に発生する∂A/∂t成分の起電力が流体に発生する∂A/∂t成分の起電力と同じ向きになり、もう一方の信号線に発生する∂A/∂t成分の起電力が流体に発生する∂A/∂t成分の起電力と逆向きになる。また、それぞれの信号線7a,7bに発生する起電力は、第1、第2の励磁コイル3a,3bから発生する磁場の大きさと位相の影響を受けて変化する。
本実施の形態では、信号線7a,7bから得られる∂A/∂t成分の起電力(ベクトルVa)の大きさを、信号線7a,7bの配設位置と長さで自由に調節できるので、第4の実施の形態に比べて信号線7a,7bから得られる∂A/∂t成分の起電力の大きさを細かく設定することが可能となる。例えば、第1の励磁コイル3aと第2の励磁コイル3bを逆位相で励磁したとすると、信号線7a,7bにおいて第1の励磁コイル3aと第2の励磁コイル3bからの磁場変動により発生する∂A/∂t成分の起電力は減算される方向にあり、流体に発生する∂A/∂t成分の起電力は加算される方向にある。
[第6の実施の形態]
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。図13は本発明の第6の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。
本実施の形態は、第4、第5の実施の形態において信号線7bを第1のアウターコア8aの内側に配置し、信号線7aを第2のアウターコア8bの内側に配置したものである。
電源4a、信号変換部5aおよび流量出力部6aについては第4の実施の形態と同じなので、図13では、電源4a、信号変換部5aおよび流量出力部6aの記載を省略している。
本実施の形態のように第1、第2のアウターコア8a,8bが存在する場合、第1、第2のアウターコア8a,8bの内側に磁場が集中するため、信号線7a,7bを第1、第2のアウターコア8a,8bの内側に配置することにより、第4、第5の実施の形態に比べて信号線7a,7bから得られる∂A/∂t成分の起電力(ベクトルVa)の設定可能な範囲を拡大することができる。
[第7の実施の形態]
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。図14は本発明の第7の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。
本実施の形態の電磁流量計は、測定管1と、被測定流体に印加される磁場および測定管軸PAXの双方と直交し、かつ被測定流体と接触するように測定管1に対向配置され、前記磁場と被測定流体の流れとによって生じた起電力を検出する第1の電極2a,2bおよび第2の電極2c,2dと、測定管軸PAXと直交する、第1の電極2a,2bを含む平面をPLN1、測定管軸PAXと直交する、第2の電極2c,2dを含む平面をPLN2としたとき、平面PLN1を境とする測定管1の前後で非対称かつ時間変化する磁場を被測定流体に印加すると同時に、平面PLN2を境とする測定管1の前後で非対称かつ時間変化する磁場を被測定流体に印加する励磁コイル3と、励磁コイル3に励磁電流を供給して磁場を発生させる電源4bと、後述する信号線の他端と接続され、信号線から得られる起電力から∂A/∂t成分を抽出する信号変換部5bと、抽出された∂A/∂t成分に基づいて、起電力中のv×B成分の流速の大きさVにかかる係数であるスパンの変動要因を除去し、この変動要因を除去した結果から被測定流体の流量を算出する流量出力部6bと、第1の電極2a,2bと信号変換部5bとの間を接続する第1の信号線7a,7bと、第2の電極2c,2dと信号変換部5bとの間を接続する第2の信号線7c,7dとを有する。
本実施の形態の電磁流量計は、1個の励磁コイル3と2対の電極2a,2b,2c,2dとを有するものである。第1の電極2a,2bは、励磁コイル3の軸を含む、測定管軸PAXの方向と垂直な平面PLN3から例えば上流側にオフセット距離d3だけ離れた位置に配設される。第2の電極2c,2dは、平面PLN3から例えば下流側にオフセット距離d4だけ離れた位置に配設され、平面PLN3を挟んで第1の電極2a,2bと対向するように配設される。
信号線7a,7b,7c,7dの長さは同じでなくてもよい。また、信号線7a,7b,7c,7dは、電極2a,2b間を結ぶ電極軸EAX1および電極2c,2d間を結ぶ電極軸EAX2と直交する、測定管軸PAXを含む平面に対して対称に配置されていなくてもよい。
電源4b、信号変換部5bおよび流量出力部6bの動作例については後述する。
本実施の形態のように1個の励磁コイル3と2対の電極2a,2b,2c,2dの構成をとる場合、第1の実施の形態〜第3の実施の形態で示した1個の励磁コイル3と1対の電極2a,2bの構成よりも、信号成分(v×B成分のベクトルVb)を大きくとることが可能になる。
[第8の実施の形態]
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。図15は本発明の第8の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。
本実施の形態の電磁流量計は、1個の励磁コイル3と2対の電極2a,2b,2c,2dとを有し、励磁コイル3の軸を含む平面PLN3に対して第1の信号線7a,7bと第2の信号線7c,7dとを異なる側に配置したものである。電極2a,2b,2c,2dの配置は、第7の実施の形態と同じである。
信号線7a,7b,7c,7dの長さは同じでなくてもよい。信号線7a,7b,7c,7dは、電極2a,2b間を結ぶ電極軸EAX1および電極2c,2d間を結ぶ電極軸EAX2と直交する、測定管軸PAXを含む平面に対して対称に配置されていなくてもよい。また、信号線7a,7b,7c,7dは、平面PLN3に対して対称に配置されていなくてもよい。
電源4b、信号変換部5bおよび流量出力部6bについては第7の実施の形態と同じなので、図15では電源4b、信号変換部5bおよび流量出力部6bの記載を省略している。
本実施の形態における信号線7a,7b,7c,7dの他の配置例を図16、図17に示す。図15の例は、電極2a,2b,2c,2dから励磁コイル3と反対の方向に信号線7a,7b,7c,7dを配置した例を示しているが、図16、図17の例は、電極2a,2b,2c,2dから励磁コイル3の方向に信号線7a,7b,7c,7dを配置した例を示している。
図15の例のように、電極2a,2b,2c,2dから励磁コイル3と反対の方向に信号線7a,7b,7c,7dを配置した場合、第1の信号線7a,7b、第2の信号線7c,7dのそれぞれに発生する∂A/∂t成分の起電力は、流体に発生し、第1の電極2a,2bによって検出される∂A/∂t成分である第1の電極間起電力および流体に発生し、第2の電極2c,2dによって検出される∂A/∂t成分である第2の電極間起電力と逆向きになる。その結果、信号線7aの信号変換部側の端部で検出される∂A/∂t成分の起電力と信号線7bの信号変換部側の端部で検出される∂A/∂t成分の起電力との差、および信号線7cの信号変換部側の端部で検出される∂A/∂t成分の起電力と信号線7dの信号変換部側の端部で検出される∂A/∂t成分の起電力との差は、流体に発生する∂A/∂t成分の起電力に比べて小さくなる。
また、図16、図17の例のように、電極2a,2b,2c,2dから励磁コイル3の方向に信号線7a,7b,7c,7dを配置した場合、第1の信号線7a,7b、第2の信号線7c,7dのそれぞれに発生する∂A/∂t成分の起電力は、第1の電極間起電力および第2の電極間起電力と同じ向きになる。その結果、信号線7aの信号変換部側の端部で検出される∂A/∂t成分の起電力と信号線7bの信号変換部側の端部で検出される∂A/∂t成分の起電力との差、および信号線7cの信号変換部側の端部で検出される∂A/∂t成分の起電力と信号線7dの信号変換部側の端部で検出される∂A/∂t成分の起電力との差は、流体に発生する∂A/∂t成分の起電力に比べて大きくなる。
以上のように、本実施の形態では、信号線7a,7b,7c,7dから得られる∂A/∂t成分の起電力(ベクトルVa)の大きさを、信号線7a,7b,7c,7dを配設する方向で自由に調節できるので、第7の実施の形態に比べて信号線7a,7b,7c,7dから得られる∂A/∂t成分の起電力の大きさを細かく設定することが可能となる。
[第9の実施の形態]
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。図18は本発明の第9の実施の形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。
本実施の形態は、第7、第8の実施の形態において信号線7a,7b,7c,7dをアウターコア8cの内側に配置したものである。
信号線7a,7bは、アウターコア8cに設けられた穴9aからアウターコア8cの外部に引き出される。同様に、信号線7c,7dは、アウターコア8cに設けられた穴9bからアウターコア8cの外部に引き出される。
電源4b、信号変換部5bおよび流量出力部6bについては第7の実施の形態と同じなので、図18では、電源4b、信号変換部5bおよび流量出力部6bの記載を省略している。
本実施の形態における信号線7a,7b,7c,7dの他の配置例を図19に示す。図18の例は、電極2a,2b,2c,2dから励磁コイル3と反対の方向に信号線7a,7b,7c,7dを配置した例を示しているが、図19の例は、電極2a,2b,2c,2dから励磁コイル3の方向に信号線7a,7b,7c,7dを配置した例を示している。信号線7a,7cは、アウターコア8cに設けられた穴9cからアウターコア8cの外部に引き出される。同様に、信号線7b,7dは、アウターコア8cに設けられた穴9dからアウターコア8cの外部に引き出される。
本実施の形態のようにアウターコア8cが存在する場合、アウターコア8cの内側に磁場が集中するため、信号線7a,7b,7c,7dをアウターコア8cの内側に配置することにより、第7、第8の実施の形態に比べて信号線7a,7b,7c,7dから得られる∂A/∂t成分の起電力(ベクトルVa)の設定可能な範囲を拡大することができる。
[第10の実施の形態]
次に、本発明の第10の実施の形態について説明する。本実施の形態では、第1の実施の形態〜第3の実施の形態で用いる電源4、信号変換部5および流量出力部6について説明する。
電源4は、励磁コイル3に励磁周波数を切り替えながら励磁電流を供給する。信号変換部5は、励磁周波数が異なる第1の励磁状態と第2の励磁状態の各々において信号線7a,7bから得られる合成起電力の振幅と位相を求め、これらの合成起電力の振幅と位相に基づいて第1の励磁状態の合成起電力と第2の励磁状態の合成起電力との起電力差を∂A/∂t成分として抽出する。流量出力部6は、抽出された∂A/∂t成分に基づいて、第1の励磁状態の合成起電力中のv×B成分に含まれるスパンの変動要因を除去し、この変動要因を除去した結果から被測定流体の流量を算出する。
以下、電源4、信号変換部5および流量出力部6の動作をより詳細に説明する。電源4は、角周波数ω0の励磁電流を励磁コイル3に供給する第1の励磁状態をT0秒継続し、続いて角周波数ω1の励磁電流を励磁コイル3に供給する第2の励磁状態をT1秒継続することをT秒周期で繰り返す。すなわち、T=T0+T1である。
図20は信号変換部5と流量出力部6の動作を示すフローチャートである。ここで、図5〜図10の信号線7bの信号変換部側の端部で検出される起電力と信号線7aの信号変換部側の端部で検出される起電力との差を、信号線間起電力差と呼ぶ。この信号線間起電力差は、電極2a,2bおよび信号線7a,7bで検出される、流体の流速とは無関係で磁場の時間変化に起因する∂A/∂t成分の起電力と流体の流速に起因するv×B成分の起電力との合成起電力であり、∂A/∂t成分のベクトルVaとv×B成分のベクトルVbの合成ベクトルVa+Vbに相当する。
信号変換部5は、励磁角周波数がω0の第1の励磁状態において、信号線間起電力差E10の振幅r10を求めると共に、実軸と信号線間起電力差E10との位相差φ10を図示しない位相検波器により求める(図20ステップS101)。
続いて、信号変換部5は、励磁角周波数がω1の第2の励磁状態において、信号線間起電力差E11の振幅r11を求めると共に、実軸と信号線間起電力差E11との位相差φ11を位相検波器により求める(ステップS102)。
次に、信号変換部5は、信号線間起電力差E10の実軸成分E10xと虚軸成分E10y、および信号線間起電力差E11の実軸成分E11xと虚軸成分E11yを次式のように算出する(ステップS103)。
E10x=r10・cos(φ10) ・・・(5)
E10y=r10・sin(φ10) ・・・(6)
E11x=r11・cos(φ11) ・・・(7)
E11y=r11・sin(φ11) ・・・(8)
式(5)〜式(8)の算出後、信号変換部5は、信号線間起電力差E10とE11との起電力差EdA1の大きさと角度を求める(ステップS104)。信号変換部5は、信号線間起電力差E10とE11との起電力差EdA1の大きさ|EdA1|を次式のように算出する。
|EdA1|={(E10x−E11x)2+(E10y−E11y)21/2
・ω0/(ω0−ω1) ・・・(9)
そして、信号変換部5は、実軸に対する起電力差EdA1の角度∠EdA1を次式のように算出する。
∠EdA1=tan-1{(E10y−E11y)/(E10x−E11x)}
・・・(10)
これで、ステップS104の処理が終了する。
次に、流量出力部6は、信号線間起電力差E10を起電力差EdA1で正規化した正規化起電力En1の大きさと角度を求める(ステップS105)。流量出力部6は、正規化起電力En1の大きさ|En1|を次式のように算出する。
|En1|=(r10/|EdA1|)・ω0 ・・・(11)
また、流量出力部6は、実軸に対する正規化起電力En1の角度∠En1を次式のように算出する。
∠En1=φ10−∠EdA1 ・・・(12)
これで、ステップS105の処理が終了する。
続いて、流量出力部6は、被測定流体の流速の大きさVを算出する(ステップS106)。流量出力部6は、(En1−ω0)の実軸成分En1xと(En1−ω0)の虚軸成分En1yを次式のように算出する。
En1x=|En1|cos(∠En1)−ω0 ・・・(13)
En1y=|En1|sin(∠En1) ・・・(14)
そして、流量出力部6は、被測定流体の流速の大きさVを次式のように算出する。
V=(En1x2+En1y21/2/γ ・・・(15)
これで、ステップS106の処理が終了する。
信号変換部5と流量出力部6は、以上のようなステップS101〜S106の処理を例えばオペレータによって計測終了が指示されるまで(ステップS107においてYES)、周期T毎に行う。なお、ステップS102〜S106の処理は継続時間T1秒の第2の励磁状態において行われる。
以上のように、本実施の形態では、励磁周波数が異なる2つの励磁状態の信号線間起電力差E10とE11とから起電力差EdA1(∂A/∂t成分のベクトルVa)を抽出し、この起電力差EdA1を用いて信号線間起電力差E10(合成ベクトルVa+Vb)中のv×B成分の流速の大きさVにかかるスパンを正規化して、スパン変動要素を消去するようにしたので、正確なスパン補正を自動的に行うことができ、高精度の流量計測を行うことができる。
[第11の実施の形態]
次に、本発明の第11の実施の形態について説明する。本実施の形態では、第4の実施の形態〜第6の実施の形態で用いる電源4a、信号変換部5aおよび流量出力部6aについて説明する。
電源4aは、第1の励磁コイル3aに供給する励磁電流と第2の励磁コイル3bに供給する励磁電流の位相差および励磁周波数を切り替えながら、第1の励磁コイル3aと第2の励磁コイル3bに励磁電流を供給する。
信号変換部5aは、第1の励磁コイル3aにより発生する第1の磁場と第2の励磁コイル3bにより発生する第2の磁場との位相差がΔθ3で、励磁角周波数がω0の第1の励磁状態と、この第1の励磁状態に対して第1の磁場と第2の磁場との位相差がΔθ3からΔθ3+πに変化した第2の励磁状態と、この第2の励磁状態から励磁角周波数がω1に変化した第3の励磁状態の3つの励磁状態の各々において合成起電力の振幅と位相を求め、この振幅と位相に基づいて第2の励磁状態の合成起電力と第3の励磁状態の合成起電力との起電力差を∂A/∂t成分として抽出する。流量出力部6aは、抽出された∂A/∂t成分に基づいて、第1の励磁状態の合成起電力中のv×B成分に含まれるスパンの変動要因を除去し、この変動要因を除去した結果から被測定流体の流量を算出する。
以下、電源4a、信号変換部5aおよび流量出力部6aの動作をより詳細に説明する。本実施の形態では、図11〜図13の平面PLNから第1の励磁コイル3aまでの距離d1と平面PLNから第2の励磁コイル3bまでの距離d2とが略等しいとする。
電源4aは、角周波数ω0の第1の励磁電流を第1の励磁コイル3aに供給すると同時に、第1の励磁電流との位相差がΔθ3で、角周波数がω0の第2の励磁電流を第2の励磁コイル3bに供給する第1の励磁状態をT0秒継続し、この第1の励磁状態に対して第1の励磁電流と第2の励磁電流との位相差をΔθ3+πに変更した第2の励磁状態をT1秒継続し、この第2の励磁状態に対して第1の励磁電流および第2の励磁電流の角周波数をω1に変更した第3の励磁状態をT2秒継続することをT秒周期で繰り返す。すなわち、T=T0+T1+T2である。
図21は信号変換部5aと流量出力部6aの動作を示すフローチャートである。第10の実施の形態と同様に、図11〜図13の信号線7bの信号変換部側の端部で検出される起電力と信号線7aの信号変換部側の端部で検出される起電力との差を、信号線間起電力差と呼ぶ。
信号変換部5aは、角周波数ω0の第1の励磁電流が第1の励磁コイル3aに供給され、第1の励磁電流との位相差がΔθ3で、角周波数がω0の第2の励磁電流が第2の励磁コイル3bに供給される第1の励磁状態において、信号線間起電力差E20の振幅r20を求めると共に、実軸と信号線間起電力差E20との位相差φ20を図示しない位相検波器により求める(図21ステップS201)。
続いて、信号変換部5aは、第1の励磁状態に対して第1の励磁電流と第2の励磁電流との位相差がΔθ3+πに変更された第2の励磁状態において、信号線間起電力差E2π0の振幅r2π0を求めると共に、実軸と信号線間起電力差E2π0との位相差φ2π0を位相検波器により求める(ステップS202)。
さらに、信号変換部5aは、第2の励磁状態に対して第1の励磁電流および第2の励磁電流の角周波数がω1に変更された第3の励磁状態において、信号線間起電力差E2π1の振幅r2π1を求めると共に、実軸と信号線間起電力差E2π1との位相差φ2π1を位相検波器により求める(ステップS203)。
次に、信号変換部5aは、信号線間起電力差E20の実軸成分E20xと虚軸成分E20y、信号線間起電力差E2π0の実軸成分E2π0xと虚軸成分E2π0y、および信号線間起電力差E2π1の実軸成分E2π1xと虚軸成分E2π1yを次式のように算出する(ステップS204)。
E20x=r20・cos(φ20) ・・・(16)
E20y=r20・sin(φ20) ・・・(17)
E2π0x=r2π0・cos(φ2π0) ・・・(18)
E2π0y=r2π0・sin(φ2π0) ・・・(19)
E2π1x=r2π1・cos(φ2π1) ・・・(20)
E2π1y=r2π1・sin(φ2π1) ・・・(21)
式(16)〜式(21)の算出後、信号変換部5aは、信号線間起電力差E2π0とE2π1との起電力差EdA2の大きさと角度を求める(ステップS205)。信号変換部5aは、信号線間起電力差E2π0とE2π1との起電力差EdA2の大きさ|EdA2|を次式のように算出する。
|EdA2|={(E2π0x−E2π1x)2+(E2π0y−E2π1y)21/2
・ω0/(ω0−ω1) ・・・(22)
そして、信号変換部5aは、実軸に対する起電力差EdA2の角度∠EdA2を次式のように算出する。
∠EdA2=tan-1{(E2π0y−E2π1y)/(E2π0x−E2π1x)}
・・・(23)
これで、ステップS205の処理が終了する。
次に、流量出力部6aは、信号線間起電力差E20を起電力差EdA2で正規化した正規化起電力En2の大きさと角度を求める(ステップS206)。流量出力部6aは、正規化起電力En2の大きさ|En2|を次式のように算出する。
|En2|=(r20/|EdA2|)・ω0 ・・・(24)
また、流量出力部6aは、実軸に対する正規化起電力En2の角度∠En2を次式のように算出する。
∠En2=φ20−∠EdA2 ・・・(25)
これで、ステップS206の処理が終了する。
続いて、流量出力部6aは、被測定流体の流速の大きさVを次式により算出する(ステップS207)。
V=|En2/[γ・exp{j・(−π/2+Δθ01)}]|
=|En2|/γ ・・・(26)
係数γおよび角度Δθ01は校正等により予め求めることができる定数である。
信号変換部5aと流量出力部6aは、以上のようなステップS201〜S207の処理を例えばオペレータによって計測終了が指示されるまで(ステップS208においてYES)、周期T毎に行う。なお、ステップS203〜S207の処理は継続時間T2秒の第3の励磁状態において行われる。
以上のように、本実施の形態では、励磁周波数が異なる第2、第3の励磁状態の信号線間起電力差E2π0とE2π1とから起電力差EdA2(∂A/∂t成分のベクトルVa)を抽出し、この起電力差EdA2を用いて第1の励磁状態の信号線間起電力差E20(合成ベクトルVa+Vb)中のv×B成分の流速の大きさVにかかるスパンを正規化して、スパン変動要素を消去するようにしたので、正確なスパン補正を自動的に行うことができ、高精度の流量計測を行うことができる。
また、本実施の形態では、第1の励磁コイル3aから発生する磁場B2と第2の励磁コイル3bから発生する磁場B3の位相差を調整することにより、第1の励磁状態において信号線間起電力差E20がほぼv×B成分の起電力のみとなり、第2、第3の励磁状態において信号線間起電力差E2π0,E2π1がほぼ∂A/∂t成分の起電力のみとなるようにすることができる。これにより、本実施の形態では、v×B成分および∂A/∂t成分をより効果的に抽出することが可能であり、第10の実施の形態に比べて演算誤差を小さくすることが可能である。
なお、本実施の形態では、第1の励磁状態の信号線間起電力差E20においてはv×B成分が支配的となり、第2、第3の励磁状態の信号線間起電力差E2π0,E2π1においては∂A/∂t成分が支配的となることが好ましいので、第1の励磁状態における磁場B2と磁場B3との位相差Δθ3は0≦Δθ3<πであることが好ましい。
[第12の実施の形態]
次に、本発明の第12の実施の形態について説明する。本実施の形態では、第7の実施の形態〜第9の実施の形態で用いる電源4b、信号変換部5bおよび流量出力部6bについて説明する。
電源4bは、励磁コイル3に励磁周波数を切り替えながら励磁電流を供給する。
信号変換部5bは、励磁周波数が異なる第1の励磁状態と第2の励磁状態の各々において第1の信号線7a,7bから得られる第1の合成起電力と第2の信号線7c,7dから得られる第2の合成起電力との起電力差の振幅と位相を求め、これらの起電力差の振幅と位相に基づいて第1の励磁状態の起電力差と第2の励磁状態の起電力差との差を∂A/∂t成分として抽出する。流量出力部6bは、抽出された∂A/∂t成分に基づいて、第1の励磁状態における第1の合成起電力と第2の合成起電力との起電力和の中のv×B成分に含まれるスパンの変動要因を除去し、この変動要因を除去した結果から被測定流体の流量を算出する。
以下、電源4b、信号変換部5bおよび流量出力部6bの動作をより詳細に説明する。電源4bは、角周波数ω0の励磁電流を励磁コイル3に供給する第1の励磁状態をT0秒継続し、続いて角周波数ω1の励磁電流を励磁コイル3に供給する第2の励磁状態をT1秒継続することをT秒周期で繰り返す。すなわち、T=T0+T1である。
図22は信号変換部5bと流量出力部6bの動作を示すフローチャートである。ここで、図14〜図19の第1の信号線7bの信号変換部側の端部で検出される起電力と第1の信号線7aの信号変換部側の端部で検出される起電力との差を第1の信号線間起電力差とし、第2の信号線7dの信号変換部側の端部で検出される起電力と第2の信号線7cの信号変換部側の端部で検出される起電力との差を第2の信号線間起電力差とする。
信号変換部5bは、励磁角周波数がω0の第1の励磁状態において、第1の信号線間起電力差E31と第2の信号線間起電力差E32との和Es30の振幅rs30を求めると共に、実軸と起電力和Es30との位相差φs30を図示しない位相検波器により求める(図22ステップS301)。
また、信号変換部5bは、第1の励磁状態において、第1の信号線間起電力差E31と第2の信号線間起電力差E32との差Ed30の振幅rd30を求めると共に、実軸と起電力差Ed30との位相差φd30を位相検波器により求める(ステップS302)。
続いて、信号変換部5bは、励磁角周波数がω1の第2の励磁状態において、第1の信号線間起電力差E31と第2の信号線間起電力差E32との差Ed31の振幅rd31を求めると共に、実軸と起電力差Ed31との位相差φd31を位相検波器により求める(ステップS303)。
次に、信号変換部5bは、起電力和Es30の実軸成分Es30xと虚軸成分Es30y、起電力差Ed30の実軸成分Ed30xと虚軸成分Ed30y、および起電力差Ed31の実軸成分Ed31xと虚軸成分Ed31yを次式のように算出する(ステップS304)。
Es30x=rs30・cos(φs30) ・・・(27)
Es30y=rs30・sin(φs30) ・・・(28)
Ed30x=rd30・cos(φd30) ・・・(29)
Ed30y=rd30・sin(φd30) ・・・(30)
Ed31x=rd31・cos(φd31) ・・・(31)
Ed31y=rd31・sin(φd31) ・・・(32)
式(27)〜式(32)の算出後、信号変換部5bは、起電力差Ed30とEd31との差分EdA3の大きさと角度を求める(ステップS305)。信号変換部5bは、起電力差Ed30とEd31との差分EdA3の大きさ|EdA3|を次式のように算出する。
|EdA3|={(Ed30x−Ed31x)2+(Ed30y−Ed31y)21/2
・ω0/(ω0−ω1) ・・・(33)
そして、信号変換部5bは、実軸に対する差分EdA3の角度∠EdA3を次式のように算出する。
∠EdA3=tan-1{(Ed30y−Ed31y)/(Ed30x−Ed31x)}
・・・(34)
これで、ステップS305の処理が終了する。
次に、流量出力部6bは、起電力和Es30を差分EdA3で正規化した正規化起電力En3の大きさと角度を求める(ステップS306)。流量出力部6bは、正規化起電力En3の大きさ|En3|を次式のように算出する。
|En3|=(rs30/|EdA3|)・ω0 ・・・(35)
また、流量出力部6bは、実軸に対する正規化起電力En3の角度∠En3を次式のように算出する。
∠En3=φs30−∠EdA3 ・・・(36)
これで、ステップS306の処理が終了する。
続いて、流量出力部6bは、被測定流体の流速の大きさVを次式により算出する(ステップS307)。
V=|En3/[γ・exp{j・(−π/2+Δθ01)}]|
=|En3|/γ ・・・(37)
係数γおよび角度Δθ01は校正等により予め求めることができる定数である。
信号変換部5bと流量出力部6bは、以上のようなステップS301〜S307の処理を例えばオペレータによって計測終了が指示されるまで(ステップS308においてYES)、周期T毎に行う。なお、ステップS303〜S307の処理は継続時間T1秒の第2の励磁状態において行われる。
以上のように、本実施の形態では、励磁周波数が異なる第1、第2の励磁状態の各々において第1の信号線間起電力差と第2の信号線間起電力差との起電力差Ed30,Ed31を求め、起電力差Ed30とEd31とから差分EdA3(∂A/∂t成分のベクトルVa)を抽出し、この差分EdA3を用いて第1の励磁状態における第1の信号線間起電力差と第2の信号線間起電力差との起電力和Es30(合成ベクトルVa+Vb)中のv×B成分の流速の大きさVにかかるスパンを正規化して、スパン変動要素を消去するようにしたので、正確なスパン補正を自動的に行うことができ、高精度の流量計測を行うことができる。
また、本実施の形態では、励磁コイル3の軸を含む平面PLN3から第1の電極2a,2bまでの距離d3と平面PLN3から第2の電極2c,2dまでの距離d4とを調整することにより、起電力和Es30がほぼv×B成分の起電力のみとなり、起電力差Ed30,Ed31がほぼ∂A/∂t成分の起電力のみとなるようにすることができる。これにより、本実施の形態では、v×B成分および∂A/∂t成分をより効果的に抽出することが可能であり、第10の実施の形態に比べて演算誤差を小さくすることが可能である。
なお、本実施の形態では、第1の信号線間起電力差と第2の信号線間起電力差の起電力差から差分EdA3を取り出し、この差分EdA3を用いて第1の信号線間起電力差と第2の信号線間起電力差の起電力和を正規化する例について示したが、これに限るものではなく、励磁周波数が異なる第1、第2の励磁状態の各々において第1の信号線間起電力差と第2の信号線間起電力差の起電力和を求め、これらの起電力和の差を∂A/∂t成分として抽出し、この∂A/∂t成分を用いて第1の励磁状態における第1の信号線間起電力差と第2の信号線間起電力差の起電力差を正規化するようにしてもよい。
[第13の実施の形態]
次に、本発明の第13の実施の形態について説明する。本実施の形態では、第4の実施の形態〜第6の実施の形態で用いる電源4a、信号変換部5aおよび流量出力部6aについて説明する。
電源4aは、第1の励磁コイル3aに供給する励磁電流と第2の励磁コイル3bに供給する励磁電流の位相差を切り替えながら、第1の励磁コイル3aと第2の励磁コイル3bに同一周波数の励磁電流を供給する。
信号変換部5aは、第1の励磁コイル3aにより発生する第1の磁場と第2の励磁コイル3bにより発生する第2の磁場との位相差が略零である第1の励磁状態と、第1の磁場と第2の磁場との位相差が略πである第2の励磁状態の2つの励磁状態の各々において合成起電力の振幅と位相を求め、この合成起電力の振幅と位相に基づき第2の励磁状態の合成起電力を∂A/∂t成分として抽出する。流量出力部6aは、抽出された∂A/∂t成分に基づいて、第1の励磁状態の合成起電力中のv×B成分に含まれるスパンの変動要因を除去し、この変動要因を除去した結果から流体の流量を算出する。
以下、電源4a、信号変換部5aおよび流量出力部6aの動作をより詳細に説明する。電源4aは、角周波数ω0の第1の励磁電流を第1の励磁コイル3aに供給すると同時に、第1の励磁電流との位相差Δθ3が略零で、角周波数がω0の第2の励磁電流を第2の励磁コイル3bに供給する第1の励磁状態をT0秒継続し、この第1の励磁状態に対して第1の励磁電流と第2の励磁電流との位相差を略πに変更した第2の励磁状態をT1秒継続することをT秒周期で繰り返す。すなわち、T=T0+T1である。
図23は本実施の形態の信号変換部5aと流量出力部6aの動作を示すフローチャートである。第11の実施の形態と同様に、図11〜図13の信号線7bの信号変換部側の端部で検出される起電力と信号線7aの信号変換部側の端部で検出される起電力との差を、信号線間起電力差と呼ぶ。
信号変換部5aは、角周波数ω0の第1の励磁電流が第1の励磁コイル3aに供給され、第1の励磁電流との位相差Δθ3が略零で、角周波数がω0の第2の励磁電流が第2の励磁コイル3bに供給される第1の励磁状態において、信号線間起電力差E20の振幅r20を求めると共に、実軸と信号線間起電力差E20との位相差φ20を図示しない位相検波器により求める(図23ステップS401)。
続いて、信号変換部5aは、第1の励磁状態に対して第1の励磁電流と第2の励磁電流との位相差が略πに変更された第2の励磁状態において、信号線間起電力差E2π0の振幅r2π0を求めると共に、実軸と信号線間起電力差E2π0との位相差φ2π0を位相検波器により求める(ステップS402)。
次に、信号変換部5aは、信号線間起電力差E20の実軸成分E20xと虚軸成分E20y、および信号線間起電力差E2π0の実軸成分E2π0xと虚軸成分E2π0yを次式のように算出する(ステップS403)。
E20x=r20・cos(φ20) ・・・(38)
E20y=r20・sin(φ20) ・・・(39)
E2π0x=r2π0・cos(φ2π0) ・・・(40)
E2π0y=r2π0・sin(φ2π0) ・・・(41)
式(38)〜式(41)の算出後、信号変換部5aは、信号線間起電力差E2π0を近似した起電力EdA4の大きさと角度を求める(ステップS404)。信号変換部5aは、信号線間起電力差E2π0を近似した起電力EdA4の大きさ|EdA4|を次式のように算出する。
|EdA4|=(E2π0x2+E2π0y21/2 ・・・(42)
そして、信号変換部5aは、実軸に対する起電力EdA4の角度∠EdA4を次式のように算出する。
∠EdA4=tan-1(E2π0y/E2π0x) ・・・(43)
これで、ステップS404の処理が終了する。
次に、流量出力部6aは、信号線間起電力差E20を起電力EdA4で正規化した正規化起電力En4の大きさと角度を求める(ステップS405)。流量出力部6aは、正規化起電力En4の大きさ|En4|を次式のように算出する。
|En4|=(r20/|EdA4|)・ω0 ・・・(44)
また、流量出力部6aは、実軸に対する正規化起電力En4の角度∠En4を次式のように算出する。
∠En4=φ20−∠EdA4 ・・・(45)
これで、ステップS405の処理が終了する。
続いて、流量出力部6aは、被測定流体の流速の大きさVを次式により算出する(ステップS406)。
V=|En4/[γ・exp{j・(−π/2+Δθ01)}]|
=|En4|/γ ・・・(46)
係数γおよび角度Δθ01は校正等により予め求めることができる定数である。
信号変換部5aと流量出力部6aは、以上のようなステップS401〜S406の処理を例えばオペレータによって計測終了が指示されるまで(ステップS407においてYES)、周期T毎に行う。なお、ステップS402〜S406の処理は継続時間T1秒の第2の励磁状態において行われる。
以上のように、本実施の形態では、第1の励磁コイル3aから発生する磁場B2と第2の励磁コイル3bから発生する磁場B3との位相差が所定値Δθ3+π(Δθ3は略零)で、かつ磁場B2と磁場B3の振幅および励磁周波数が等しい第2の励磁状態の信号線間起電力差E2π0が近似的に∂A/∂t成分として抽出できることに着眼し、この∂A/∂t成分を用いて第1の励磁状態の信号線間起電力差E20(合成ベクトルVa+Vb)中のv×B成分の流速の大きさVにかかるスパンを正規化して、スパン変動要素を消去するようにしたので、正確なスパン補正を自動的に行うことができ、高精度の流量計測を行うことができる。また、本実施の形態では、第2の励磁状態の信号線間起電力差E2π0のみから∂A/∂t成分を抽出できることから、第10の実施の形態〜第12の実施の形態のように励磁周波数を切り替える必要がない。
なお、以上の第10の実施の形態〜第13の実施の形態は、特許文献2に開示された電磁流量計に基づくものである。
[第14の実施の形態]
次に、本発明の第14の実施の形態について説明する。本実施の形態では、第1の実施の形態〜第3の実施の形態で用いる電源4、信号変換部5および流量出力部6について説明する。
電源4は、第1の周波数と第2の周波数の異なる2つの周波数成分を含む励磁電流を励磁コイル3に供給する。
信号変換部5は、信号線7a,7bから得られる合成起電力のうち第1の周波数と第2の周波数の2つの周波数成分の振幅と位相を求め、これらの振幅と位相に基づいて2つの周波数成分の起電力差を∂A/∂t成分として抽出する。流量出力部6は、信号線7a,7bから得られる合成起電力のうち第1の周波数成分中のv×B成分又は第2の周波数成分中のv×B成分に含まれるスパンの変動要因を抽出された∂A/∂t成分に基づいて除去し、この変動要因を除去した結果から被測定流体の流量を算出する。
以下、電源4、信号変換部5および流量出力部6の動作をより詳細に説明する。電源4は、第1の角周波数ω0の正弦波成分と第2の角周波数ω1の正弦波成分とを含む励磁電流を励磁コイル3に供給する。このとき、励磁電流における角周波数ω0の成分と角周波数ω1の成分の振幅は同一である。
図24は信号変換部5と流量出力部6の動作を示すフローチャートである。第10の実施の形態と同様に、図5〜図10の信号線7bの信号変換部側の端部で検出される起電力と信号線7aの信号変換部側の端部で検出される起電力との差を、信号線間起電力差と呼ぶ。
信号変換部5は、信号線間起電力差のうち角周波数ω0の成分の信号線間起電力差E50の振幅r50を求めると共に、実軸と信号線間起電力差E50との位相差φ50を図示しない位相検波器により求める。また、信号変換部5は、信号線間起電力差のうち角周波数ω1の成分の信号線間起電力差E51の振幅r51を求めると共に、実軸と信号線間起電力差E51との位相差φ51を位相検波器により求める(図24ステップS501)。
次に、信号変換部5は、信号線間起電力差E50の実軸成分E50xと虚軸成分E50y、および信号線間起電力差E51の実軸成分E51xと虚軸成分E51yを次式のように算出する(ステップS502)。
E50x=r50・cos(φ50) ・・・(47)
E50y=r50・sin(φ50) ・・・(48)
E51x=r51・cos(φ51) ・・・(49)
E51y=r51・sin(φ51) ・・・(50)
式(47)〜式(50)の算出後、信号変換部5は、信号線間起電力差E50とE51との起電力差EdA5の大きさと角度を求める(ステップS503)。信号変換部5は、信号線間起電力差E50とE51との起電力差EdA5の大きさ|EdA5|を次式のように算出する。
|EdA5|={(E50x−E51x)2+(E50y−E51y)21/2
・ω0/(ω0−ω1) ・・・(51)
そして、信号変換部5は、実軸に対する起電力差EdA5の角度∠EdA5を次式のように算出する。
∠EdA5=tan-1{(E50y−E51y)/(E50x−E51x)}
・・・(52)
これで、ステップS503の処理が終了する。
次に、流量出力部6は、信号線間起電力差E50を起電力差EdA5で正規化した正規化起電力En5の大きさと角度を求める(ステップS504)。流量出力部6は、正規化起電力En5の大きさ|En5|を次式のように算出する。
|En5|=(r50/|EdA5|)・ω0 ・・・(53)
また、流量出力部6は、実軸に対する正規化起電力En5の角度∠En5を次式のように算出する。
∠En5=φ50−∠EdA5 ・・・(54)
これで、ステップS504の処理が終了する。
続いて、流量出力部6は、被測定流体の流速の大きさVを算出する(ステップS505)。流量出力部6は、(En5−ω0)の実軸成分En5xと(En5−ω0)の虚軸成分En5yを次式のように算出する。
En5x=|En5|cos(∠En5)−ω0 ・・・(55)
En5y=|En5|sin(∠En5) ・・・(56)
そして、流量出力部6は、被測定流体の流速の大きさVを次式のように算出する。
V=(En5x2+En5y21/2/γ ・・・(57)
これで、ステップS505の処理が終了する。
信号変換部5と流量出力部6は、以上のようなステップS501〜S505の処理を例えばオペレータによって計測終了が指示されるまで(ステップS506においてYES)、一定周期毎に行う。
以上のように、本実施の形態では、励磁コイル3から大きさが等しくかつ周波数が異なる2つの成分を含む磁場を被測定流体に印加し、信号線間起電力差のうち角周波数ω0の成分の信号線間起電力差E50と角周波数ω1の成分の信号線間起電力差E51とから起電力差EdA5(∂A/∂t成分のベクトルVa)を抽出し、この起電力差EdA5を用いて信号線間起電力差E50(合成ベクトルVa+Vb)中のv×B成分の流速の大きさVにかかるスパンを正規化して、スパン変動要素を消去するようにしたので、正確なスパン補正を自動的に行うことができ、高精度の流量計測を行うことができる。
なお、本実施の形態では、信号線間起電力差のうち角周波数ω0の成分E50を正規化する例について示したが、これに限るものではなく、角周波数ω1の成分E51を正規化するようにしてもよい。
[第15の実施の形態]
次に、本発明の第15の実施の形態について説明する。本実施の形態では、第4の実施の形態〜第6の実施の形態で用いる電源4a、信号変換部5aおよび流量出力部6aについて説明する。
電源4aは、第1の周波数の励磁電流を第1の励磁コイル3aに供給すると同時に、第1の周波数と異なる第2の周波数の励磁電流を第2の励磁コイル3bに供給する。
信号変換部5aは、信号線7a,7bから得られる合成起電力のうち第1の周波数と第2の周波数の2つの周波数成分の振幅と位相を求め、これらの振幅と位相に基づいて2つの周波数成分の起電力差を∂A/∂t成分として抽出する。流量出力部6aは、信号線7a,7bから得られる合成起電力のうち2つの周波数成分の起電力和の中のv×B成分に含まれるスパンの変動要因を抽出された∂A/∂t成分に基づいて除去し、この変動要因を除去した結果から被測定流体の流量を算出する。
以下、電源4a、信号変換部5aおよび流量出力部6aの動作をより詳細に説明する。本実施の形態では、図11〜図13の平面PLNから第1の励磁コイル3aまでの距離d1と平面PLNから第2の励磁コイル3bまでの距離d2とが略等しいとする。
電源4aは、第1の角周波数ω1=ω0−Δωの第1の正弦波励磁電流を第1の励磁コイル3aに供給すると同時に、第2の角周波数ω2=ω0+Δωの第2の正弦波励磁電流を第2の励磁コイル3bに供給する。このとき、第1の正弦波励磁電流と第2の正弦波励磁電流の振幅は同一である。
図25は信号変換部5aと流量出力部6aの動作を示すフローチャートである。第10の実施の形態と同様に、図11〜図13の信号線7bの信号変換部側の端部で検出される起電力と信号線7aの信号変換部側の端部で検出される起電力との差を、信号線間起電力差と呼ぶ。
信号変換部5aは、信号線間起電力差のうち角周波数ω1の成分の信号線間起電力差E61と角周波数ω2の成分の信号線間起電力差E62との起電力和Es6の振幅rs6を求めると共に、実軸と起電力和Es6との位相差φs6を図示しない位相検波器により求める。また、信号変換部5aは、信号線間起電力差E61とE62との起電力差Ed6の振幅rd6を求めると共に、実軸と起電力差Ed6との位相差φd6を位相検波器により求める(図25ステップS601)。
続いて、信号変換部5aは、起電力和Es6の実軸成分Es6xと虚軸成分Es6y、および起電力差Ed6の実軸成分Ed6xと虚軸成分Ed6yを次式のように算出する(ステップS602)。
Es6x=rs6・cos(φs6) ・・・(58)
Es6y=rs6・sin(φs6) ・・・(59)
Ed6x=rd6・cos(φd6) ・・・(60)
Ed6y=rd6・sin(φd6) ・・・(61)
式(58)〜式(61)の算出後、信号変換部5aは、起電力差Ed6を近似した起電力EdA6の大きさと角度を求める(ステップS603)。信号変換部5aは、起電力差Ed6を近似した起電力EdA6の大きさ|EdA6|を次式のように算出する。
|EdA6|=(Ed6x2+Ed6y21/2 ・・・(62)
そして、信号変換部5aは、実軸に対する起電力EdA6の角度∠EdA6を次式のように算出する。
∠EdA6=tan-1(Ed6y/Ed6x) ・・・(63)
これで、ステップS603の処理が終了する。
次に、流量出力部6aは、起電力和Es6を起電力EdA6で正規化した正規化起電力En6の大きさと角度を求める(ステップS604)。流量出力部6aは、正規化起電力En6の大きさ|En6|を次式のように算出する。
|En6|=(rs6/|EdA6|)・ω0 ・・・(64)
また、流量出力部6aは、実軸に対する正規化起電力En6の角度∠En6を次式のように算出する。
∠En6=φs6−∠EdA6 ・・・(65)
これで、ステップS604の処理が終了する。
続いて、流量出力部6aは、被測定流体の流速の大きさVを算出する(ステップS605)。流量出力部6aは、(En6+Δω)の実軸成分En6xと(En6+Δω)の虚軸成分En6yを次式のように算出する。
En6x=|En6|cos(∠En6)+Δω ・・・(66)
En6y=|En6|sin(∠En6) ・・・(67)
そして、流量出力部6aは、被測定流体の流速の大きさVを次式のように算出する。
V=(En6x2+En6y21/2/γ ・・・(68)
係数γは校正等により予め求めることができる定数である。これで、ステップS605の処理が終了する。
信号変換部5aと流量出力部6aは、以上のようなステップS601〜S605の処理を例えばオペレータによって計測終了が指示されるまで(ステップS606においてYES)、一定周期毎に行う。
以上のように、本実施の形態では、第1、第2の励磁コイル3a,3bからそれぞれ大きさが等しく、かつ周波数が異なる磁場を被測定流体に印加したとき、信号線間起電力差のうち角周波数ω1の成分の信号線間起電力差E61と角周波数ω2の成分の信号線間起電力差E62との起電力差Ed6が近似的に∂A/∂t成分として抽出できることに着眼し、この∂A/∂t成分を用いて起電力和Es6(合成ベクトルVa+Vb)中のv×B成分の流速の大きさVにかかるスパンを正規化して、スパン変動要素を消去するようにしたので、正確なスパン補正を自動的に行うことができ、高精度の流量計測を行うことができる。
なお、本実施の形態では、信号線間起電力差E61とE62とから起電力差Ed6を取り出し、この起電力差Ed6を用いて起電力和Es6を正規化する例について示したが、これに限るものではなく、起電力和Es6を近似的に∂A/∂t成分として抽出し、この∂A/∂t成分を用いて起電力差Ed6を正規化するようにしてもよい。
[第16の実施の形態]
次に、本発明の第16の実施の形態について説明する。本実施の形態では、第7の実施の形態〜第9の実施の形態で用いる電源4b、信号変換部5bおよび流量出力部6bについて説明する。
電源4bは、励磁コイル3に励磁電流を供給する。
信号変換部5bは、第1の信号線7a,7bから得られる第1の合成起電力と第2の信号線7c,7dから得られる第2の合成起電力の各々について振幅と位相を求め、これらの振幅と位相に基づいて第1の合成起電力と第2の合成起電力との起電力差を∂A/∂t成分として抽出する。流量出力部6bは、第1の合成起電力と第2の合成起電力との起電力和の中のv×B成分に含まれるスパンの変動要因を抽出された∂A/∂t成分に基づいて除去し、この変動要因を除去した結果から被測定流体の流量を算出する。
以下、電源4b、信号変換部5bおよび流量出力部6bの動作をより詳細に説明する。本実施の形態では、図14〜図19において、励磁コイル3の軸を含む平面PLN3から電極2a,2b間を結ぶ電極軸EAX1までの距離d3と平面PLN3から電極2c,2d間を結ぶ電極軸EAX2までの距離d4とが略等しいとする。
電源4bは、角周波数ω0の正弦波励磁電流を励磁コイル3に供給する。
信号変換部5bと流量出力部6bの処理の流れは第15の実施の形態と同様であるので、図25の符号を用いて、信号変換部5bと流量出力部6bの動作を説明する。ここで、第12の実施の形態と同様に、図14〜図19の第1の信号線4bの信号変換部側の端部で検出される起電力と第1の信号線4aの信号変換部側の端部で検出される起電力との差を第1の信号線間起電力差とし、第2の信号線4dの信号変換部側の端部で検出される起電力と第2の信号線4cの信号変換部側の端部で検出される起電力との差を第2の信号線間起電力差とする。
信号変換部5bは、第1の信号線間起電力差E71と第2の信号線間起電力差E72との起電力和Es7の振幅rs7を求めると共に、実軸と起電力和Es7との位相差φs7を図示しない位相検波器により求める。また、信号変換部5bは、第1の信号線間起電力差E71と第2の信号線間起電力差E72との起電力差Ed7の振幅rd7を求めると共に、実軸と起電力差Ed7との位相差φd7を位相検波器により求める(図25ステップS601)。
続いて、信号変換部5bは、起電力和Es7の実軸成分Es7xと虚軸成分Es7y、および起電力差Ed7の実軸成分Ed7xと虚軸成分Ed7yを次式のように算出する(ステップS602)。
Es7x=rs7・cos(φs7) ・・・(69)
Es7y=rs7・sin(φs7) ・・・(70)
Ed7x=rd7・cos(φd7) ・・・(71)
Ed7y=rd7・sin(φd7) ・・・(72)
式(69)〜式(72)の算出後、信号変換部5bは、起電力差Ed7を近似した起電力EdA7の大きさと角度を求める(ステップS603)。信号変換部5bは、起電力差Ed7を近似した起電力EdA7の大きさ|EdA7|を次式のように算出する。
|EdA7|=(Ed7x2+Ed7y21/2 ・・・(73)
そして、信号変換部5bは、実軸に対する起電力EdA7の角度∠EdA7を次式のように算出する。
∠EdA7=tan-1(Ed7y/Ed7x) ・・・(74)
これで、ステップS603の処理が終了する。
次に、流量出力部6bは、起電力和Es7を起電力EdA7で正規化した正規化起電力En7の大きさと角度を求める(ステップS604)。流量出力部6bは、正規化起電力En7の大きさ|En7|を次式のように算出する。
|En7|=(rs7/|EdA7|)・ω0 ・・・(75)
また、流量出力部6bは、実軸に対する正規化起電力En7の角度∠En7を次式のように算出する。
∠En7=φs7−∠EdA7 ・・・(76)
これで、ステップS604の処理が終了する。
続いて、流量出力部6bは、被測定流体の流速の大きさVを次式により算出する(ステップS605)。
V=|En7/[γ・exp{j・(−π/2+Δθ01)}]|
=|En7|/γ ・・・(77)
係数γおよび角度Δθ01は校正等により予め求めることができる定数である。
信号変換部5bと流量出力部6bは、以上のようなステップS601〜S605の処理を例えばオペレータによって計測終了が指示されるまで(ステップS606においてYES)、一定周期毎に行う。
以上のように、本実施の形態では、電極2a,2b間を結ぶ電極軸EAX1上の磁場と電極2c,2d間を結ぶ電極軸EAX2上の磁場の大きさが等しくなるようにしたとき、第1の信号線間起電力差E71と第2の信号線間起電力差E72との起電力差Ed7が近似的に∂A/∂t成分として抽出できることに着眼し、この∂A/∂t成分を用いて起電力和Es7(合成ベクトルVa+Vb)中のv×B成分の流速の大きさVにかかるスパンを正規化して、スパン変動要素を消去するようにしたので、正確なスパン補正を自動的に行うことができ、高精度の流量計測を行うことができる。また、本実施の形態では、励磁角周波数としてω0のみを用いればよく、第14、第15の実施の形態のように2つの励磁周波数を用いる必要がない。
なお、本実施の形態では、第1の信号線間起電力差E71と第2信号線間起電力差E72とから起電力差Ed7を取り出し、この起電力差Ed7を用いて起電力和Es7を正規化する例について示したが、これに限るものではなく、起電力和Es7を近似的に∂A/∂t成分として抽出し、この∂A/∂t成分を用いて起電力差Ed7を正規化するようにしてもよい。
以上の第14の実施の形態〜第16の実施の形態は、特許文献3に開示された電磁流量計に基づくものである。
なお、第1の実施の形態〜第16の実施の形態では、励磁電流に正弦波を用いる正弦波励磁方式を採用しているが、励磁電流に矩形波を用いる矩形波励磁方式を採用してもよい。ただし、矩形波励磁方式の場合、高周波励磁が難しいので、正弦波励磁方式に比べて流量変化に対する応答性や1/fノイズの点で不利になる。
また、第1の実施の形態〜第3の実施の形態、第7の実施の形態〜第9の実施の形態では、励磁コイル3の軸と測定管軸PAXとが直交し、かつ1点で交差しているが、これに限るものではない。励磁コイル3の軸が電極2a側と電極2b側のどちらかに偏っていてもよい。また、第4の実施の形態〜第6の実施の形態では、第1、第2の励磁コイル3a,3bの軸がそれぞれ測定管軸PAXと1点で交差しているが、これに限るものではない。第1、第2の励磁コイル3a,3bの軸が電極2a側と電極2b側のどちらかに偏っていてもよい。
また、第1の実施の形態〜第16の実施の形態で使用する電極2a,2b,2c,2dとしては、図26に示すように、測定管1の内壁から露出して被測定流体に接触する形式の電極でもよいし、図27に示すように、被測定流体と接触しない容量結合式の電極でもよい。容量結合式の場合、電極2a,2b,2c,2dは、測定管1の内壁に形成されるセラミックやテフロン(登録商標)等からなるライニング10によって被覆される。
また、第1の実施の形態〜第16の実施の形態では、第1の電極として1対の電極2a,2bを使用し、第2の電極として1対の電極2c,2dを使用しているが、これに限るものではなく、第1、第3、第4、第7、第8、第9の実施の形態において第1の電極と第2の電極をそれぞれ1個ずつにしてもよい。電極が1個だけの場合には、被測定流体の電位を接地電位にするための接地リングや接地電極が測定管1に設けられている。第1、第3、第4の実施の形態において、電極2aのみを設けるとすれば、信号変換部5,5aは、信号線間起電力差の代わりに、電極2aおよび信号線7aに生じた起電力を検出すればよい。また、第7の実施の形態〜第9の実施の形態において、電極2a,2cのみを設けるとすれば、信号変換部5bは、第1の信号線間起電力差の代わりに、電極2aおよび信号線7aに生じた起電力を検出し、第2の信号線間起電力差の代わりに、電極2cおよび信号線7cに生じた起電力を検出すればよい。
電極軸は、1対の電極を使用する場合はこの1対の電極間を結ぶ直線である。一方、電極が1個だけの場合、この1個の実電極を含む平面PLN,PLN1,PLN2上において、測定管軸PAXを挟んで実電極と対向する位置に仮想の電極を配置したと仮定したとき、実電極と仮想の電極とを結ぶ直線が電極軸となる。
また、第1の実施の形態〜第16の実施の形態で使用する電極2a,2b,2c,2dを、図28のように管軸方向の成分を持つような形状にすれば、信号線7a,7b,7c,7dの場合と同様の効果が得られることはいうまでもない。
また、第1、第3の実施の形態において、図29に示すように電極2a,2bに接続する信号線7a,7bのうち、一方の信号線7aを、平面PLNと平行な磁場の方向に対して傾きを持ち磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設し、他方の信号線7bを、一般形の電磁流量計と同様に励磁コイル3から発生する磁束と鎖交する面積ができるだけ小さくなるように配設して、磁場の時間変化によって起電力ができるだけ生じないようにしてもよい。同様に、第4の実施の形態において、図30に示すように、一方の信号線7aを、平面PLNと平行な磁場の方向に対して傾きを持ち磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設し、他方の信号線7bを、励磁コイル3から発生する磁束と鎖交する面積ができるだけ小さくなるように配設して、磁場の時間変化によって起電力ができるだけ生じないようにしてもよい。
また、第7の実施の形態〜第9の実施の形態において、図31に示すように第1の電極2a,2bに接続する第1の信号線7a,7bのうち、一方の信号線7aを、平面PLN1と平行な磁場の方向に対して傾きを持ち磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設し、また第2の電極2c,2dに接続する第2の信号線7c,7dのうち、一方の信号線7cを、平面PLN2と平行な磁場の方向に対して傾きを持ち磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設し、それぞれ他方の信号線7b,7dを、一般形の電磁流量計と同様に励磁コイル3から発生する磁束と鎖交する面積ができるだけ小さくなるように配設して、磁場の時間変化によって起電力ができるだけ生じないようにしてもよい。
また、第1の実施の形態〜第16の実施の形態において、信号変換部5,5a,5bと流量算出部6,6a,6bのうち、起電力の検出部を除く構成は、CPU、記憶装置およびインタフェースを備えたコンピュータとこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って前述のような処理を実行する。
本発明は、測定管内を流れる被測定流体の流量計測に適用することができる。
1…測定管、2a,2b,2c,2d…電極、3,3a,3b…励磁コイル、4,4a,4b…電源、5,5a,5b…信号変換部、6,6a,6b…流量出力部、7a,7b,7c,7d…信号線、8,8a,8b,8c…アウターコア、10…ライニング。

Claims (14)

  1. 被測定流体が流れる測定管と、
    この測定管に配設され、前記流体に印加される磁場と前記流体の流れとによって生じた起電力を検出する電極と、
    この電極を含む、前記測定管の軸方向と垂直な第1の平面に対して非対称かつ時間変化する磁場を前記流体に印加する励磁部と、
    一端が前記電極と接続されると共に、前記第1の平面と平行な磁場の方向に対して傾きを持ち前記磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設された信号線とを備えることを特徴とする電磁流量計。
  2. 請求項1記載の電磁流量計において、
    前記信号線の配設方向は、前記測定管の軸と同じ方向成分を持つことを特徴とする電磁流量計。
  3. 請求項1または2記載の電磁流量計において、
    前記励磁部は、前記第1の平面からオフセット距離だけ離れた位置に配設された励磁コイルと、この励磁コイルに励磁電流を供給する電源とからなることを特徴とする電磁流量計。
  4. 請求項3記載の電磁流量計において、
    前記電極は、前記測定管の軸に直交する軸上に前記測定管の軸を挟んで対向するように1対配設され、
    前記信号線は、各々の電極に1本ずつ接続された2本の信号線からなり、この2本の信号線が前記第1の平面から互いに逆方向に向かうように配設されることを特徴とする電磁流量計。
  5. 請求項3または4記載の電磁流量計において、
    さらに、前記励磁コイルの外側を覆うアウターコアを備え、
    前記信号線は、前記アウターコアの内側に、前記第1の平面と平行な磁場の方向に対して傾きを持ち前記磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設されることを特徴とする電磁流量計。
  6. 請求項1または2記載の電磁流量計において、
    前記励磁部は、前記第1の平面から第1のオフセット距離だけ離れた位置に配設された第1の励磁コイルと、前記第1の平面から第2のオフセット距離だけ離れた位置に、前記第1の平面を挟んで前記第1の励磁コイルと対向するように配設された第2の励磁コイルと、前記第1の励磁コイルと前記第2の励磁コイルに励磁電流を供給する電源とからなることを特徴とする電磁流量計。
  7. 請求項3、5、6のいずれか1項に記載の電磁流量計において、
    前記電極は、前記測定管の軸に直交する軸上に前記測定管の軸を挟んで対向するように1対配設され、
    前記信号線は、各々の電極に1本ずつ接続された2本の信号線からなり、この2本の信号線のうち少なくとも1本の信号線が前記第1の平面と平行な磁場の方向に対して傾きを持ち前記磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設されることを特徴とする電磁流量計。
  8. 請求項6記載の電磁流量計において、
    前記電極は、前記測定管の軸に直交する軸上に前記測定管の軸を挟んで対向するように1対配設され、
    前記信号線は、各々の電極に1本ずつ接続された2本の信号線からなり、この2本の信号線が前記第1の平面から互いに逆方向に向かうように配設されることを特徴とする電磁流量計。
  9. 請求項6または8記載の電磁流量計において、
    さらに、前記第1の励磁コイルの外側を覆う第1のアウターコアと、
    前記第2の励磁コイルの外側を覆う第2のアウターコアとを備え、
    前記信号線は、前記第1、第2のアウターコアの内側に、前記第1の平面と平行な磁場の方向に対して傾きを持ち前記磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設されることを特徴とする電磁流量計。
  10. 請求項1または2記載の電磁流量計において、
    前記励磁部は、前記流体に磁場を印加する励磁コイルと、この励磁コイルに励磁電流を供給する電源とからなり、
    前記電極は、前記励磁コイルの軸を含む、前記測定管の軸方向と垂直な第2の平面から第1のオフセット距離だけ離れた位置に配設された第1の電極と、前記第2の平面から第2のオフセット距離だけ離れた位置に、前記第2の平面を挟んで前記第1の電極と対向するように配設された第2の電極とからなることを特徴とする電磁流量計。
  11. 請求項10記載の電磁流量計において、
    前記信号線は、前記第1の電極に接続された第1の信号線と、前記第2の電極に接続された第2の信号線とからなり、この第1、第2の信号線が前記第2の平面を挟んで対向するように配設されることを特徴とする電磁流量計。
  12. 請求項10または11記載の電磁流量計において、
    さらに、前記励磁コイルの外側を覆うアウターコアを備え、
    前記信号線は、前記アウターコアの内側に、前記第1の平面と平行な磁場の方向に対して傾きを持ち前記磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設されることを特徴とする電磁流量計。
  13. 請求項10乃至12のいずれか1項に記載の電磁流量計において、
    前記第1、第2の電極は、それぞれ前記測定管の軸に直交する軸上に前記測定管の軸を挟んで対向するように1対ずつ配設され、
    前記信号線は、1対の前記第1の電極に1本ずつ接続された2本の第1の信号線と、1対の前記第2の電極に1本ずつ接続された2本第2の信号線とからなり、2本の第1の信号線のうち少なくとも1本の第1の信号線が前記第1の平面と平行な磁場の方向に対して傾きを持ち前記磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設され、2本の第2の信号線のうち少なくとも1本の第2の信号線が前記第1の平面と平行な磁場の方向に対して傾きを持ち前記磁場の時間変化によって起電力が生じるように配設されることを特徴とする電磁流量計。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の電磁流量計において、
    さらに、前記信号線の他端と接続され、前記電極および信号線で検出される、前記流体の流速とは無関係で前記磁場の時間変化に起因する∂A/∂t成分の起電力と前記流体の流速に起因するv×B成分の起電力との合成起電力から、前記∂A/∂t成分を抽出する信号変換部と、
    前記抽出された∂A/∂t成分に基づいて、前記合成起電力の中のv×B成分の流速の大きさVにかかる係数であるスパンの変動要因を除去し、この変動要因を除去した結果から前記流体の流量を算出する流量出力部とを備えることを特徴とする電磁流量計。
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