JP2011058764A - 蓄熱材及び蓄熱器 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄熱容量が大きく、蓄熱器内部の熱移動がスムーズであり、また、蓄熱材と熱媒体との熱交換を効率よく行うことができるとともに、大量の熱を短時間で入熱あるいは放熱させることができる蓄熱材及び蓄熱器を提供する。
【解決手段】蓄熱機は、空隙を有する熱伝導性多孔質体と、上記空隙内に充填保持された蓄熱部材16とを備え、上記蓄熱部材は、粒子状の蓄熱要素33と、上記蓄熱要素を上記空隙内に流動させて充填するとともに固定する耐熱性の樹脂マトリックス34とを備えて構成されている。
【選択図】図7

Description

本願発明は、蓄熱材及び蓄熱器に関する。
自動車の車室の暖房を行うために、ヒートポンプ式の空調装置が用いられることが多い。一般的な車両用のヒートポンプ式空調装置は、エンジンの回転を取り出してコンプレッサを作動させ、外気から室内へ熱を移動させるように構成されている。このため、エンジンの燃費が低下するといった問題が生じる。また、エンジンが作動していなければ空調装置を利用することはできない。
また、電気自動車に上記従来の空調装置を適用する場合、コンプレッサを作動させるための電力も必要となり、消費電力が大きくなる。このため、バッテリーの消耗が早まるといった問題が生じる。
上記問題を緩和するため、エンジンやモータ等で発生した排熱を蓄熱器に蓄熱して空調に利用するシステムが提案されている。
特開平2−220920号 特開平6−99724号
上記特許文献1には、蓄熱を利用して車両内の空調を行う車両用蓄熱空調装置が開示されている。上記特許文献1に記載されている車両用蓄熱空調装置では、熱媒体が流動するパイプを、蓄熱材を充填した蓄熱容器内に配置して蓄熱器を構成し、エンジン等の駆動源を含む入熱回路から上記蓄熱器に熱を蓄積するように構成している。一方、車室内に設けた空調装置を含む放熱回路を介して上記蓄熱器に蓄積した熱を車室内に移動して放熱させ、室内の暖房を行うように構成している。
上記特許文献1に記載されている蓄熱空調装置では、蓄熱材として水が用いられている。しかしながら、水の比熱は小さく、また、充分な熱量を得るには、大量の水を保持させた蓄熱器を採用しなければならない。このため、蓄熱器が大型化するとともに、重量も増大するという問題が発生する。また、水の比熱を利用して蓄熱するものであるため、熱容量が小さく、また、放熱するにしたがって、蓄熱材の温度が変化する。このため、安定した温度で空調を行うのは困難である。
上記不都合を解決するこめ、特許文献2に記載されているような樹脂製の蓄熱物質及びこの蓄熱物質を用いた蓄熱器が提供されている。
従来の蓄熱器は、液体あるいは固体の蓄熱材を充填した蓄熱容器内にパイプを通し、このパイプの周壁を介して熱媒体と蓄熱材との熱交換を行うように構成されている。
ところが、上記パイプの周壁を介して熱交換を行う場合、蓄熱材と上記パイプとの接触面積が限られる。このため、蓄熱器から短時間に大きな熱量を取り出し、あるいは蓄熱材に入熱することは困難である。また、蓄熱材と上記パイプとの接触面積を大きくするには、蓄熱器内に長い配管を設ける必要があり、蓄熱器が大型化するといった問題が生じる。
上述したような固体状態の樹脂蓄熱材は比熱が水より大きい。このため、水を利用した蓄熱材より大量の熱を蓄熱することができる。しかしながら、上記パイプを介して蓄熱あるいは放熱させる場合、上記従来と同様の問題が生じる。また、固体の蓄熱材を採用した場合、水等の液体蓄熱材のような対流現象は生じず、蓄熱材内部を熱伝導によって熱が移動する。したがって、蓄熱材内部での熱移動がスムーズに行われず、蓄熱材各部の温度差が大きくなる。したがって、熱媒体との熱交換効率も悪くなる。
また、自動車エンジン等の暖機運転を行うことにより燃費を向上させることができる。ところが、暖機運転を行うには、短時間に大量の熱をエンジン等に投入する必要がある。上記従来の蓄熱材及び蓄熱器は、熱容量が小さく、また、蓄熱材内部の熱伝導率が低いため短時間に大量の熱を取り出すのは困難である。このため、従来の蓄熱材を用いて暖機運転を行うことは困難であった。
さらに、エンジンルームの温度は、120℃程度まで上がることがある。固体状の上記樹脂蓄熱材は、パラフィン等の融点の低い蓄熱樹脂を含むため、上記の温度が作用すると流動化する恐れがある。このため、上記蓄熱材を密閉保持する容器が必要となる。一方、熱交換効率を高めるには、熱交換面積を大きくしなければならない。ところが、従来の容器では上記流動化した蓄熱材との熱交換面積を大きくとるのは非常に困難であった。
本願発明は、上記問題を解決し、蓄熱容量が大きく、蓄熱材内部の熱移動がスムーズであり、また、蓄熱材と熱媒体との熱交換を効率よく行うことができるとともに、大量の熱を短時間で入熱あるいは放熱させることができる蓄熱材及び蓄熱器を提供することを課題としている。
請求項1に記載した発明は、空隙を有する熱伝導性多孔質体と、上記空隙内に充填保持された蓄熱部材とを備え、上記蓄熱部材は、粒子状の蓄熱要素と、上記蓄熱要素を上記空隙内に流動させて充填するとともに固定する樹脂マトリックスとを備える蓄熱材に関するものである。
本願発明に係る蓄熱材においては、熱伝導性多孔質体の空隙に蓄熱部材を保持させる。上記蓄熱部材に比べて上記熱伝導性多孔質体の熱伝導率は高い。しかも、上記多孔質体は、一体的につながっているため、蓄熱部材だけの場合に比べて蓄熱体内部の熱伝導率が格段に大きくなる。したがって、入熱時や放熱時において、蓄熱材内部での熱移動が従来に比べて格段に速くなり、蓄熱材各部の温度差も小さくなる。また、短時間に大量の熱を蓄熱し、かつ放熱することが可能となる。
空隙を備えるとともに上記蓄熱部材を保持できれば、種々の熱伝導性多孔質体を採用できる。たとえば、銅、ニッケルやニッケルクロム合金等の金属多孔質体を採用できる。これら金属多孔質体は、蓄熱部材に比べて熱伝導率が高く、蓄熱材内部での熱移動が迅速に行われる。
上記金属多孔質体の形態及び製造手法も特に限定されることはない。たとえば、発泡により内部に連続気孔を形成した金属多孔質体を採用できる。また、特許第2628600号公報に記載されているような、3次元編状構造を備える金属多孔質体の空隙部に蓄熱部材を保持させることにより蓄熱材を形成することができる。
本願発明では、上記蓄熱部材が、粒子状の蓄熱要素と、上記蓄熱要素を熱伝導性多孔質体の上記空隙内に流動させて充填するとともに固定する耐熱性の樹脂マトリックスとを備えて構成されている。本願発明では、上記粒子状の蓄熱要素が、樹脂マトリックスに埋め込まれた形態を備える。上記樹脂マトリックスには、上記蓄熱要素を上記熱伝導性多孔質体内へ充填するためのキャリヤの機能と耐熱性とが要求される。
上記キャリヤの機能を発揮するには、上記蓄熱要素が流動化する温度(融点)以下の温度において、充填加工等ができる流動性を備える必要がある。一方、上記樹脂マトリックスの耐熱性は、所定の温度が作用した場合に、少なくとも上記蓄熱要素が上記熱伝導性多孔質体から流出するのを阻止できる保形機能を有していることを意味する。上記耐熱性を備える樹脂材料で上記マトリックスを形成することにより、上記蓄熱要素に融点以上の温度が作用しても、上記熱伝導性多孔質体から流出することはない。したがって、融点の低い蓄熱要素を利用しながら蓄熱部材に耐熱性を付与できる。
上記蓄熱要素として、少なくとも上記樹脂マトリックスを構成する樹脂材料の加工温度以上の耐熱性が要求される。なお、上記蓄熱材が使用される温度以上の耐熱性を備える蓄熱要素を採用するのが好ましい。
上記蓄熱要素として、熱伝導性多孔質体に充填する温度で固体形状を維持できれば、種々の蓄熱性樹脂粒子を採用できる。たとえば、パラフィン樹脂、高級脂肪酸類等の有機系蓄熱物質や、無機化合物の水和塩等の無機系蓄熱物質を採用できる。好ましくは、融点が30〜100℃の有機系蓄熱物質を採用するのが好ましい。たとえば、天然パラフィンワックス、合成パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、エチレン−プロピレン共重合ワックス等の炭化水素化合物、高級アルコール類や高級脂肪酸類、及びその金属塩、高級脂肪酸の長鎖エステル類を採用できる。
樹脂マトリックスを利用して充填加工することができれば、上記蓄熱要素の形態も特に限定されることはない。たとえば、上記熱伝導性多孔質体内に充填できる大きさを備える球状粉体の蓄熱要素を採用できる。たとえば、1〜100μmの直径を有する蓄熱要素を採用できる。好ましくは、粒径分布が異なる複数種類の蓄熱要素を混合して使用することにより、充填率を向上させるのが良い。
上記樹脂マトリックスは、熱伝導性多孔質体に充填できるとともに、所要の耐熱性を備えていれば、種々の樹脂材料を採用できる。また、請求項3に記載した発明のように、上記樹脂マトリックスは、少なくとも上記蓄熱要素が流動化する温度以下の温度において上記熱伝導性多孔質体に充填できるとともに、硬化後は、少なくとも上記蓄熱要素の上記流動化温度以上、又は所定の耐熱温度を備えるように構成される。たとえば、自動車のエンジンルームに設置する場合、エンジンルームの環境温度である100℃以上の耐熱性を備えるように構成される。
上記樹脂マトリックスを、上記蓄熱要素の流動化温度より高い耐熱性を備える樹脂材料から構成することにより、上記蓄熱要素が液状化した場合にも、上記熱伝導性多孔質体から流出することはない。このため、上記蓄熱要素の相変化による潜熱を利用して蓄熱することが可能となり、蓄熱材の熱容量を大幅に高めることが可能となる。
樹脂マトリックスを構成する材料として、所要の耐熱性を備える種々の樹脂材料を採用できる。上記蓄熱要素を熱伝導性多孔質体に充填できれば、熱可塑性樹脂を採用することもできる。たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂を採用できる。
充填加工時の温度を低く抑えるとともに、高い耐熱性を要求される場合には、樹脂マトリックスを構成する樹脂に熱硬化性樹脂を採用するのが好ましい。たとえば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を採用できる。
請求項6に記載して発明のように、上記多孔質体として、70%以上の空隙率を備えるものを採用するのが好ましい。空隙率が大きくなるほど、上記多孔質体に保持させることができる蓄熱部材の量が増加し、蓄熱材の熱容量が大きくなる。
請求項2に記載した発明のように、上記蓄熱要素として、樹脂蓄熱物質を有する蓄熱部と、上記蓄熱部の周囲に形成された耐熱被覆層とを備えて構成されたものを採用できる。
上記耐熱被覆層は、少なくとも、上記熱伝導性多孔質体に蓄熱要素を充填する温度における耐熱性を備える必要がある。なお、蓄熱材が使用される温度における耐熱性を有する耐熱被覆層を採用するのが好ましい。この構成を採用することにより、流動化する温度が樹脂マトリックスの充填加工温度より低い樹脂蓄熱物質を採用することも可能となる。また、樹脂マトリックスとして熱硬化性樹脂を採用する場合、硬化処理工程において高い温度が作用しても、蓄熱要素の粒状形態を保持したまま加工を行うことが可能となる。
また、上記樹脂蓄熱物質が液状化した場合にも、上記被覆層及び上記樹脂マトリックスが存在するため、上記熱伝導性多孔質体から流出することはない。したがって、使用温度範囲の広い蓄熱材を構成できる。
しかも、蓄熱物質の融点を含む温度範囲で熱交換を行う場合、上記樹脂蓄熱物質の相変化による潜熱を利用して蓄熱することが可能となり、蓄熱容量を大幅に増加させることも可能となる。
蓄熱部を構成する樹脂蓄熱物質として、たとえば、天然パラフィンワックス、合成パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、エチレン−プロピレン共重合ワックス、ステアリン酸、脂肪酸等の炭化水素化合物を採用できる。
上記耐熱被覆層として、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等の熱硬化性樹脂を採用するのが好ましい。耐熱被覆層に熱硬化性樹脂を採用することにより、耐熱被覆層の耐熱性が高まる。
上記蓄熱要素の形態も特に限定されることはない。上記熱伝導性多孔質体内に充填できる大きさを備える球状粉体の蓄熱要素を採用できる。上記耐熱被覆層の厚さも特に限定されることはないが、熱伝導性を確保するため、厚みの小さい耐熱被覆層を備えるのが好ましい。たとえば、0.1〜5μmの厚さの耐熱被覆層を備える蓄熱要素を採用できる。より好ましくは、0.1〜1.0μmの厚さに設定するのが良い。
上記耐熱被覆層を備える蓄熱要素の製造手法も特に限定されることはなく、公知のマイクロカプセル化手法を利用して製造することができる。たとえば、蓄熱性樹脂材料、高分子材料及び界面活性剤を含むエマルジョンを乾燥させる手法、蓄熱性樹脂の表面に耐熱被覆層を構成する樹脂を噴霧する手法、蓄熱性樹脂の表面に液中で樹脂被覆層を形成する手法、蓄熱性樹脂表面でモノマーを重合させて被覆層を形成する手法等を採用できる。
請求項4に記載した発明のように、上記蓄熱要素を、融点が30℃〜100℃の有機系蓄熱物質を主成分とする上記蓄熱部と、融点が100℃以上の熱硬化性樹脂を主成分とする上記被覆層とを備えて構成されたものを採用するのが好ましい。たとえば、パラフィン樹脂を主成分とする上記蓄熱部と、メラミン樹脂を主成分とする上記被覆層とを備えて構成されたものを採用できる。
上記パラフィン樹脂は、30℃〜80℃の融点を有する。このため、温水から蓄熱する場合に相変化による潜熱を利用して蓄熱することができる。また、大きな潜熱を有するため、大量の熱を蓄熱することができる。しかも、安価であり、安定性も高い。
上記メラミン樹脂は、引っ張り強度、硬度及び耐衝撃性が高い。また、耐水性、耐候性、耐摩耗性に優れる。また、硬化後の耐熱性も100℃以上あり、樹脂被覆層が加工途中に破壊されることもない。このため、上記蓄熱性樹脂を確実に封止することができる。
上記蓄熱部材を上記熱伝導性多孔質体に充填する手法は特に限定されることはない。たとえば、粒子状の蓄熱要素を、液状の樹脂マトリックス構成樹脂に混練し、ディッピング等の手法によって充填することができる。また、金型内に、所定形状の熱伝導性多孔質体を配置して、たとえば、射出成形やトランスファーモールド成形法等の手法を用いて充填することもできる。
また、上記耐熱被覆層を構成するメラミン樹脂は、硬化後の耐熱性が高いため、樹脂蓄熱物質が流動化しても、熱伝導性多孔質体から流出することがなく、完全な固体蓄熱材として取り扱うことできる。このため、種々の蓄熱器に利用することができる。
上記熱伝導性多孔質体に充填することが可能であれば、上記蓄熱部における上記蓄熱要素の配合量は、多いほど好ましい。所要の熱容量を確保するには、請求項5に記載した発明のように、上記蓄熱要素を、少なくとも70〜90質量%含んで蓄熱部を構成するのが好ましい。
また、上記熱伝導性多孔質体は、一体的な形態である必要はない。請求項7に記載した発明のように、上記熱伝導性多孔質体を、複数の熱伝導性多孔質部材から構成することができる。
請求項8に記載した発明は、請求項1から請求項7に記載した蓄熱材を備える蓄熱器であって、上記蓄熱材の内部を通過する熱媒体流動路が形成された蓄熱体と、上記蓄熱体を収容する断熱容器とを備えた蓄熱器に関するものである。
本願発明に係る蓄熱材は、実質的にブロック状の固体蓄熱材として取り扱うことができる。また、熱伝導性多孔質体と一体的に形成されているため、加工も容易である。このため、蓄熱材自体に熱媒体が流動する熱媒体流動路を備えた蓄熱体を容易に構成することができる。
上記熱媒体流動路の構成は特に限定されることはなく、熱媒体を蓄熱体内に流動させることができるものであればよい。請求項9に記載した発明のように、上記熱媒体流動路として、上記熱伝導性多孔質体内を貫通する貫通孔を設けて構成することができる。たとえば、円柱形状の蓄熱体を構成する場合、上記円筒の軸方向に貫通する貫通孔を設けて構成することができる。また、軸芯から断面放射状に延びるスリット状の貫通孔を設けて構成することもできる。また、複数の熱伝導性多孔質部材を、部材間に隙間を設けて組み付けることにより、上記熱媒体流動路を設けることもできる。
また、上記熱媒体流動路を、上記熱伝導性多孔質体内に熱伝導性のパイプを貫通させて構成することもできる。
上記熱媒体流動路を設けることにより、上記蓄熱材の内部に熱媒体を流動させて、上記蓄熱材と上記熱媒体との間で熱交換させることが可能となる。上記構成によって、熱媒体と蓄熱部材との間の熱交換効率を高め、短時間に大量の熱を交換することが可能となる。また、上記蓄熱材は、加工が容易であるため、種々の形態に加工できる。また、複雑な熱媒体流動路を形成することもできる。したがって、形状の自由度が高い。たとえば、他の部材を要することなく、多数の熱媒体流動路を設けて、大きな熱交換面積を設定することもできる。特に、粘度の低い空気等の気体を熱媒体として利用すると、断面積の小さな熱媒体流動路を多数設けても上記蓄熱体内を通過する抵抗が小さくなり、大量の空気等と熱交換をさせることも可能となる。
また、蓄熱器から短時間に大量の熱を取り出すことができるため、本願発明に係る蓄熱器を自動車に適用する場合、空調用途のみならず、自動車の種々の部位における暖機運転に利用することも可能となる。
蓄熱容量が大きく、また、熱交換効率の高い蓄熱器を提供できる。
実施形態に係る蓄熱器の軸断面図である。 熱伝導性多孔質体の外観形態の一例を示す斜視図である。 熱伝導性多孔質体の全体斜視図である。 蓄熱部材を充填する工程を示す説明図である。 図1におけるV−V線に沿う断面図である。 図5の要部拡大断面図である。 図6におけるVII部の拡大断面図である。
以下、本願発明の実施形態を図に基づいて具体的に説明する。
図1は、本願発明に係る蓄熱器の一例を示す断面図である。
蓄熱器1は、断熱容器2に円柱状の蓄熱体3を収容して構成される。上記断熱容器2は、円筒状の収容部4と、この収容部の両側にそれぞれ接合される円錐状の蓋部5,6を備えて構成される。上記収容部4と上記蓋部5,6は、断熱性の材料から形成されている。なお、上記断熱容器2を真空の壁部を有する真空断熱容器から構成することもできる。
上記蓋部5には、第1の熱媒体7を導入する第1の熱媒体導入部8と、第2の熱媒体9を導入する第2の熱媒体導入部10が設けられている。一方、蓋部6には、第1の熱媒体7を排出する第1の熱媒体排出部11と、第2の熱媒体9を排出する第2の熱媒体排出部12とが設けられている。本実施形態に係る上記第1の熱媒体導入部8は、軸に沿うように設けられたパイプ状の断熱性配管部材によって構成されているととともに、第2の熱媒体導入路10は、上記第1の熱媒体導入路8の外周に形成された筒状空間13aを介して側部から第2の熱媒体9を蓄熱機内部に導入できるように構成されている。また、上記第1の熱媒体排出部11及び上記第2の熱媒体排出部12も同様の構成を備えている。
図5に示すように、上記蓄熱体3は、円柱状の蓄熱材3aに、軸方向に貫通する第1の熱媒体流動路17及び第2の熱媒体流動路18を設けて構成されている。
上記第1の熱媒体流動路17は、上記熱伝導性多孔質体15の軸に沿って設けられた貫通孔17aに、銅、アルミ等の金属製の熱伝導性パイプ17bを通挿して構成されている。一方、上記第2の熱媒体流動路18は、上記蓄熱体3の軸と平行に設けられた複数の貫通孔18aから構成されている。
本実施形態では、上記蓄熱体3は、外周部に設けられた断熱材20を介して、上記断熱容器2の内周部に収容保持されている。
図5及び図6に示すように、上記蓄熱材3aは、空隙14を有する熱伝導性多孔質体15と、上記空隙14内に充填保持された蓄熱部材16とを備えて構成される。また、図7に示すように、上記蓄熱部材16は、粒子状の蓄熱要素33と、上記蓄熱要素33を上記空隙内に流動させて充填するとともに固定する耐熱性の樹脂マトリックス34とを備えて構成されている。
図2に、上記熱伝導性多孔質体15の外観形態を示す。上記熱伝導性多孔質体15は、通気性を有する3次元網状構造を備える。本実施形態では、空隙率が90%以上のニッケル金属多孔質体を採用している。
上記熱伝導性多孔質体15は、種々の手法を用いて製造されたものを採用することができる。たとえば、発泡させた多孔質樹脂支持体に、無電解メッキ、真空蒸着、スパッタリング等の方法で、カーボンや金属を被覆して導電性を付与する。この導電性を付与した多孔質樹脂支持体をメッキ浴中で給電ブスバーを兼ねた回転軸の周りに回転する陰極体の表面に密着させることにより、陽極から金属を上記多孔質体に電気メッキする。その後、上記多孔質樹脂支持体を除去することにより、図2に示すような、三角柱状の骨格が3次元に連なった連続気孔(空隙)をもつ金属多孔質体を得ることができる。
図3示すように、本実施形態では、所定厚みを有する複数の円板状の熱伝導性多孔質部材15aを積層して組み付けることにより、所要の高さを有する円柱状の熱伝導性多孔質体15が構成される。
上記熱伝導性多孔質部材15aは、図示しないシート状の熱伝導性多孔質体から、プレス等によって切り出される。切り出された各熱伝導性多孔質部材15aに、ドリル等を用いて、上記第1の熱媒体流動路17を構成する貫通孔17aと、第2の熱媒体流動路18を構成する貫通孔18aを形成する貫通孔が形成される。なお、上記貫通孔を形成する工程は、上記切り出す前のシート状熱伝導性多孔質体に対して行うこともできる。
複数の熱伝導性多孔質部材15aを、上記各貫通孔17a、18aが一致するように積層することにより、所定の高さを有する円柱状の熱伝導性多孔質体15が形成される。
図4に示すように、軸芯に設けた上記貫通孔17aに、第1の熱媒体流動路17を構成する銅製の熱伝導性パイプ17bが通挿される。熱伝導性パイプ17bを採用することにより、上記第1の熱媒体との熱交換を効率よく行うことができる。また、上記熱伝導性パイプ17bと、上記熱伝導性多孔質体の貫通孔17aの内周部とを圧着やロウ付けの手法を用いて接合することにより、これら部材間の熱伝導効率をさらに高めることができる。
上記熱媒体流動路を設けた熱伝導性多孔質体15の上記連続気孔14に、蓄熱部材16が充填される。本実施形態では、図4に示すように、上記熱伝導性パイプ17bの両端部に栓22を設けた後、熱伝導性多孔質体15を、浸漬槽23内で溶融状態にある樹脂蓄熱部材16に浸漬し、上記蓄熱部材16を上記熱伝導性多孔質体1の連続気孔14に充填する。
上記蓄熱部材16を充填した後、所定時間冷却乾燥させることにより、上記蓄熱部材16を固化させて、上記熱伝導性多孔質体内に固定する。なお、熱硬化性樹脂から構成された上記樹脂マトリックス34を採用する場合は、所定温度に加熱する硬化工程が行われる。
本実施形態に係る蓄熱要素33は、パラフィン樹脂を主成分とする上記蓄熱部31と、メラミン樹脂を主成分とする上記被覆層32とを備えるマイクロカプセルの形態を備える粒子状の蓄熱要素が採用されている。上記蓄熱要素33は、数μm〜数十μmの直径を有するとともに、厚さ0.7〜1.0μmの樹脂被覆層を備えて構成されている。なお、図7では、理解を容易にするため、各蓄熱要素を上記蓄熱部31と樹脂被覆層32を備える粒状に表現しているが、実際は、複数の蓄熱要素33が一体的に集合して、直径が50〜100μmの粒状体を構成している。
上記パラフィン樹脂は、30℃〜80℃の融点を有する。このため、温水等から蓄熱する場合に相変化による潜熱を利用して蓄熱する場合に好適である。また、大きな潜熱を有するため、大量の熱を蓄熱することができる。しかも、安価であり、安定性も高い。
上記メラミン樹脂は、引っ張り強度、硬度及び耐衝撃性が高い。また、耐水性、耐候性、耐摩耗性に優れる。したがって、耐熱性及び強度が高く、樹脂被覆層が加工途中に破壊されることもない。このため、上記蓄熱性樹脂を確実に封止することができ。
上記耐熱被覆層32は、少なくとも、上記熱伝導性多孔質体15に充填する温度における耐熱性を備える必要がある。なお、蓄熱材が使用される温度における耐熱性を有する耐熱被覆層を採用するのが好ましい。この構成を採用することにより、流動化する温度が充填加工温度より低い樹脂蓄熱物質を蓄熱部に採用することが可能となる。すなわち、熱硬化性樹脂を採用する場合、硬化処理の工程において高い温度が作用する場合があるが、上記耐熱被覆層32を設けることにより、蓄熱要素の粒状形態を保持したまま加工を行うことが可能となる。たとえば、上記蓄熱要素及び樹脂マトリックスを採用する場合は、室温において蓄熱部材16が上記熱伝導性多孔質体15に充填され、少なくとも100℃以下の温度で硬化処理が施される。また、自動車のエンジンルームで使用する場合、硬化後の上記樹脂マトリックスは、120℃以上の耐熱性を備えるように構成される。
上記構成の蓄熱材3aでは、上記樹脂蓄熱物質が液状化した場合にも、上記耐熱被覆層32及び上記樹脂マトリックス34が存在するため、蓄熱部31を構成するパラフィン樹脂が液状化しても上記熱伝導性多孔質体15から流出することはない。したがって、使用温度範囲の広い蓄熱材を構成できる。
また、上記樹脂蓄熱物質の相変化による潜熱を利用して蓄熱することが可能となり、蓄熱容量を大幅に増加させることも可能となる。
蓄熱部31を構成する樹脂蓄熱物質として、たとえば、天然パラフィンワックス、合成パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、エチレン−プロピレン共重合ワックス、ステアリン酸、脂肪酸等の炭化水素化合物を採用できる。
上記耐熱被覆層32として、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等の熱硬化性樹脂を採用するのが好ましい。耐熱被覆層に熱硬化性樹脂を採用することにより、耐熱被覆層の耐熱性が高まる。
上記蓄熱要素33の形態も特に限定されることはない。上記熱伝導性多孔質体内に充填できる大きさを備える球状粉体の蓄熱要素を採用できる。充填加工を行う場合の流動性を考慮すると、直径1〜100μmの球形粒子状の蓄熱要素を採用するのが好ましい。また、上記耐熱被覆層の厚さも特に限定されることはないが、熱伝導性を確保するため、厚みの小さい耐熱被覆層を備えるのが好ましい。たとえば、0.1〜5μmの厚さの耐熱被覆層を備える蓄熱要素を採用できる。
上記耐熱被覆層を備える蓄熱要素33の製造手法も特に限定されることはなく、公知のマイクロカプセル化手法を利用して製造することができる。たとえば、蓄熱性樹脂材料、高分子材料及び界面活性剤を含むエマルジョンを乾燥させる手法、蓄熱性樹脂の表面に耐熱被覆層を構成する樹脂を噴霧する手法、蓄熱性樹脂の表面に液中で樹脂被覆層を形成する手法、蓄熱性樹脂表面でモノマーを重合させて被覆層を形成する手法等を採用できる。
熱伝導性多孔質体15の空隙14に充填する温度で固体形状を維持できれば、上記蓄熱要素33として、種々の蓄熱性樹脂材料から形成された粒子を採用することもできる。たとえば、上記パラフィン樹脂の他、高級脂肪酸類等の有機系蓄熱樹脂粒子や、無機化合物の水和塩等の無機系蓄熱物質粒子を採用できる。好ましくは、融点が80℃〜130℃の有機系蓄熱物質を採用するのが好ましい。たとえば、天然パラフィンワックス、合成パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、エチレン−プロピレン共重合ワックス等の炭化水素化合物、高級アルコール類や高級脂肪酸類、及びその金属塩、高級脂肪酸の長鎖エステル類を採用できる。
樹脂マトリックスを利用して充填加工することができれば、上記蓄熱要素33の形態も特に限定されることはない。
上記樹脂マトリックス34は、熱伝導性多孔質体15の空隙14に充填できるとともに、所要の耐熱性を備えていれば、種々の樹脂材料を採用できる。また、樹脂マトリックス34は、上記蓄熱要素33が流動化する温度以下の温度において上記熱伝導性多孔質体に充填できるように構成される。また、少なくとも、上記蓄熱要素33が流動化する温度以上の耐熱性を備えるように構成される。なお、蓄熱器の使用環境温度以上の耐熱性を備えるように構成するのが望ましい。例えば、自動車エンジンルームに設置する場合、100℃以上の耐熱性を備えるように構成するのが望ましい。ここで、上記耐熱性は、少なくとも上記蓄熱要素が上記熱伝導性多孔質体から流出するのを阻止できる保形機能を有していることを意味する。
上記樹脂マトリックス34を、上記蓄熱要素33の流動化温度より高い耐熱性を備える樹脂材料から構成することにより、上記蓄熱要素が液状化した場合にも、上記熱伝導性多孔質体から流出することはない。このため、上記蓄熱要素の相変化による潜熱を利用して蓄熱することが可能となり、蓄熱材の熱容量を大幅に高めることが可能となる。
樹脂マトリックス34を構成する材料として、所要の耐熱性を備える種々の樹脂材料を採用できる。上記蓄熱要素を熱伝導性多孔質体に充填できれば、熱可塑性樹脂を採用することもできる。たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂を採用できる。
充填加工時の温度を低く抑えるとともに、高い耐熱性を要求される場合には、樹脂マトリックス34を構成する樹脂に熱硬化性樹脂を採用するのが好ましい。たとえば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を採用できる。
図5に示すように、本実施形態に係る蓄熱体3は、上記第1の熱媒体流動路17と上記第2の熱媒体流動路18を設けた部分以外の多孔質体の連続気孔14内に、蓄熱部材16が充填保持されている。
上記樹脂マトリックス34を構成するエポキシ樹脂及び耐熱被覆層32を構成するメラミン樹脂は、上記蓄熱部を構成する樹脂蓄熱物質の流動温度以下の加工温度で加工できるとともに、120℃以上の耐熱温度(ガラス転移温度)を備えるものが採用されている。このため、蓄熱部31を構成する樹脂蓄熱部材16が融点以上に加熱された場合であっても、上記蓄熱部材16が上記熱伝導性多孔質体15内に保持される。この構成を採用することにより、高温に晒される自動車のエンジンルーム等に配置した場合であっても、固体性状を備える蓄熱物質として使用することが可能となる。
また、本実施形態に係る上記蓄熱体3は、一体的につながる3次元網目状の熱伝導性多孔質体15の連続気孔14内に、蓄熱物部材6を保持させた形態を備える。また、上記熱伝導性多孔質体15の熱伝導率は、上記蓄熱部材16より大きい。このため、上記蓄熱体3の内部では、主として上記熱伝導性多孔質体15を介して熱が移動させられ、上記蓄熱体3の内部における熱移動の速度が速い。したがって、蓄熱体3の一部から入熱された熱を、上記蓄熱体3の全域に移動させて蓄熱することができる。また、上記蓄熱体3の全域から放熱部位に熱を移動させて、短時間に大量の熱を放熱させることもできる。
しかも、本実施形態では、上記第1の熱媒体流動路17を構成する熱伝導性パイプ17bの外周部が、上記熱伝導性多孔質体15及び上記蓄熱部材16に直接接触するように構成されている。このため、第1の熱媒体7と上記蓄熱部材16の熱交換効率を高めることが可能となる。
一方、上記第2の熱媒体流動路18は、蓄熱体3に貫通孔18aを設けただけの構成であるが、上述したように、上記蓄熱部材16が流動化する温度以上の温度が作用した場合にも、上記蓄熱体3内から上記蓄熱部材16やこれを構成する上記樹脂蓄熱物質が漏れ出る恐れはない。しかも、上記蓄熱体3と直接熱交換を行えるため、第2の熱媒体との熱交換効率も高い。
この結果、本実施形態に係る上記蓄熱器1は、暖房等の空調用に利用できるばかりでなく、自動車の駆動系を暖機運転するために用いることも可能となる。
上記実施形態では、円筒状の断熱容器2内に円柱状の蓄熱体3を充填するとともに、上記第1の熱媒体流動路17を構成する熱伝導性パイプ17bの両端部が、上記第1の熱媒体導入部8を構成する断熱性パイプと、第1の熱媒体排出部11を構成する断熱性パイプに接続されている。一方、上記第2の熱媒体流動路18は、上記蓋部5,6の空間を介して集合させられ、上記第1の熱媒体導入路及び第1の熱媒体排出路の外周部にそれぞれ形成された環状空間13a,13bを介して、図示しない第2の熱媒体が流動する回路に接続されている。
銅等の熱伝導率の高い熱伝導性パイプ17bから形成された第1の熱媒体流動路17は、エンジンもしくはモータやインバータの冷却回路につながっており、図示しないポンプによってエンジンもしくはモータやインバータで加熱された熱媒体7が流動させられる。
上記蓄熱体3を構成する熱伝導性多孔質体15は、上記熱伝導性パイプ17bの外周部に圧接あるいはロウ付けされている。このため、上記熱伝導性パイプ17bの外周面から上記熱伝導性多孔質体15に熱が放熱されるとともに、上記熱伝導性多孔質体15を介して蓄熱部材16の隅々まで熱が移動させられて、蓄熱部31に蓄熱が行われる。
上述した実施形態においては、耐熱被覆層を備える蓄熱要素を採用したが、加工温度が低い場合には、上記耐熱被覆層を備えていない粒状の蓄熱要素を採用できる。
また、上記蓄熱部材を充填する工程を、ディッピングの手法を用いて行ったが、これら工程は、上記実施形態に限定されることはない。
たとえば、所定の金型内に熱伝導性多孔質体あるいは熱伝導性多孔質部材を保持した状態で、蓄熱部材を射出成形の手法を用いて充填することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
熱媒体との熱交換効率が高く、また、耐熱性の高い蓄熱器を形成できる。
1 蓄熱材
14 連続気孔(空隙)
15 熱伝導性多孔質体
16 蓄熱部材
33 蓄熱要素
34 樹脂マトリックス
31 蓄熱部
32 耐熱被覆層

Claims (9)

  1. 空隙を有する熱伝導性多孔質体と、
    上記空隙内に充填保持された蓄熱部材とを備え、
    上記蓄熱部材は、粒子状の蓄熱要素と、上記蓄熱要素を上記空隙内に流動させて充填するとともに固定する耐熱性の樹脂マトリックスとを備える、蓄熱材。
  2. 上記蓄熱要素は、
    樹脂蓄熱物質を含む蓄熱部と、
    上記蓄熱部の周囲に形成された耐熱被覆層とを備えて構成されている、請求項1に記載の蓄熱材。
  3. 樹脂マトリックスは、少なくとも上記蓄熱要素が流動化する温度以下の温度において上記熱伝導性多孔質体に充填できるとともに、硬化後は、少なくとも上記蓄熱要素の上記流動化温度以上、又は所定の耐熱温度を備える、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の蓄熱材。
  4. 上記蓄熱要素は、
    融点が30℃〜100℃の有機系蓄熱物質を主成分とする上記蓄熱部と、
    融点が100℃以上の熱硬化性樹脂を主成分とする上記耐熱被覆層とを備えて構成されている、請求項2又は請求項3のいずれかに記載の蓄熱材。
  5. 上記蓄熱部材は、上記蓄熱要素を、少なくとも70〜95質量%含んで構成されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の蓄熱材。
  6. 上記熱伝導性多孔質体の空隙率が70%以上であるとともに、この空隙に上記蓄熱部材が充填保持されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の蓄熱材。
  7. 上記熱伝導性多孔質体は、複数の熱伝導性多孔質部材から構成されている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の蓄熱材。
  8. 請求項1から請求項7に記載した蓄熱材を備える蓄熱器であって、
    上記蓄熱材の内部を通過する熱媒体流動路が形成された蓄熱体と、
    上記蓄熱体を収容する断熱容器とを備える、蓄熱器。
  9. 上記熱媒体流動路は、上記蓄熱材に設けた貫通孔である、請求項8に記載の蓄熱器。
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