JP2017075773A - 蓄熱ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄熱ユニットの伝熱特性を改善すること、蓄熱ユニットの蓄熱効率を向上させることすること、蓄熱ユニットの構造強度を向上させること、及び蓄熱ユニットの形状の自由度を高め蓄熱ユニットを多種多様な熱制御対象に直接取り付け可能にすること。【解決手段】フィルムを備える密閉容器と、前記密閉容器に封入された相変化蓄熱材と、前記相変化蓄熱材と接触する熱伝導性部材と、を含む蓄熱ユニットであって、前記密閉容器は、その一部が熱伝導材料層をも備え、前記熱伝導性部材の一部は前記フィルムに熱伝導可能に接合され、前記熱伝導性部材は、前記密閉容器の密閉空間の内方に突出するように設けられている、蓄熱ユニット。【選択図】図1

Description

この発明は、蓄熱ユニットに関するものであり、より詳細には、相変化蓄熱材(Phase change material, PCM)を用いた蓄熱ユニットに関する。
相変化蓄熱材を用いた蓄熱ユニットが従来知られている。図15は、従来の相変化蓄熱材を用いた蓄熱ユニットの例(下記非特許文献1、2参照)の断面図である。蓄熱ユニット5において、底板511と蓋部513で構成される剛な密閉容器51に相変化蓄熱材53が封入されており、底板には相変化蓄熱材53と接する伝熱フィン55が取り付けられている。
Thomas O. Leimkuehler and Ryan A. Stephan, "Experimental Investigation of Ice Phase Change Material Heat Exchangers", 42nd International Conference on Environmental Systems (ICES2012), AIAA-2012-3520, 2012. Michael K. Choi,"Using Paraffin with -10℃ to 10℃ Melting Point for Payload Thermal Energy Storage in SpaceX Dragon Trunk", 11th International Energy Conversion Engineering Conference, AIAA 2013-4099, 2013.
しかしながら、真空環境下においては、密閉容器51は、容器内部から生じる圧力に耐える必要がある。また、密閉容器51の容積は、相変化蓄熱材53の相変化に伴う膨張/収縮に対処するために、相変化蓄熱材53の容積よりも大きくすることが必要である。そのため、密閉容器51の内部において、相変化蓄熱材53で満たされていない空間が生じる。その相変化蓄熱材53で満たされていない空間の圧力は、相変化蓄熱材53の蒸気圧と残留空気圧力の和となるので、大気圧下においては、真空環境下での使用を想定して真空排気後に相変化蓄熱材を充填している場合、相変化蓄熱材53で満たされていない空間と密閉容器51の外部の大気とで挟まれた密閉容器51の部分は外部から加わる大気圧と内部圧力の差圧に耐える必要があり、密閉容器51の重量が大きくなってしまう。一般に相変化蓄熱材は熱伝導率が非常に小さく、相変化蓄熱材が完全に融解する前に、発熱機器が上限温度を超過してしまう。そこで、伝熱フィン55が設けられるが、その重量が加わり更に蓄熱ユニット5の重量が大きくなってしまう。すなわち、従来の蓄熱ユニットは、密閉容器と伝熱フィンの重量が、蓄熱ユニットの総重量の半分以上を占め、蓄熱効率(単位質量辺りの蓄熱量)が非常に悪い。
また、伝熱フィン55は、密閉容器51の1つの面としか連結されておらず、荷重に耐えることを想定した形状になっていない。そのため、例えば、重量の大きい機器を蓄熱ユニット上に直接搭載することは困難である。
また、従来の蓄熱ユニットの形状に比して、蓄熱ユニットの熱制御の対象の形状は多種多様である。そのため、熱制御の対象からの熱を蓄熱ユニットに伝達するために、取付継手や流体ポンプ等による熱輸送が必要となり、更なる蓄熱効率の低下、そして各部品間の接触熱抵抗に起因する大幅な伝熱特性低下が生じる。
そこで、本発明は、蓄熱ユニットの伝熱特性を改善することを目的の1つとする。
また、本発明は、蓄熱ユニットの蓄熱効率を向上させることを目的の1つとする。
また、本発明は、蓄熱ユニットの構造強度を向上させることを目的の1つとする。
また、本発明は、蓄熱ユニットの形状の自由度を高め、蓄熱ユニットを多種多様な熱制御対象に直接取り付け可能にすることを目的の1つとする。
本発明の1つの態様は、フィルムを備える密閉容器と、前記密閉容器に封入された相変化蓄熱材と、前記相変化蓄熱材と接触する熱伝導性部材と、を含む蓄熱ユニットであって、前記密閉容器は、その一部が熱伝導材料層をも備え、前記熱伝導性部材の一部は前記フィルムに熱伝導可能に接合され、前記熱伝導性部材は、前記密閉容器の密閉空間の内方に突出するように設けられている、蓄熱ユニットを提供するものである。
前記熱伝導性部材は、第1の熱伝導性部材と第2の熱伝導性部材とを含み、前記第2の熱伝導性部材は、前記密閉空間で、前記第1の熱伝導性部材に対向して配置されることができる。
前記第1の熱伝導性部材及び前記第2の熱伝導性部材は、波状部材であり、前記第1の熱伝導性部材の谷部は前記フィルムに熱伝導可能に接合され、前記第1の熱伝導性部材と前記第2の熱伝導性部材は互いに噛み合うように配置され、前記第1の熱伝導性部材及び前記第2の熱伝導性部材の谷部は、前記フィルムに熱伝導可能に接合されることができる。
本発明の1つの態様は、それらの間に密閉空間が形成されるように配置された第1のシート部材と第2のシート部材を備え、前記密閉空間の周囲において、前記第1のシート部材と前記第2のシート部材が互いにシールされた密閉容器と、前記密閉容器に封入された相変化蓄熱材と、前記相変化蓄熱材と接触する熱伝導性部材と、を含む蓄熱ユニットであって、前記第1のシート部材及び前記第2のシート部材は、熱伝導材料層を含むフィルムであり、前記熱伝導性部材の一部は前記第1のシート部材に熱伝導可能に接合され、前記熱伝導性部材は、前記密閉容器の密閉空間の内方に突出するように設けられている、蓄熱ユニットを提供するものである。
本発明の1つの態様は、それらの間に密閉空間が形成されるように配置された第1のシート部材と第2のシート部材を備え、前記密閉空間の周囲において、前記第1のシート部材と前記第2のシート部材が互いにシールされた密閉容器と、前記密閉容器に封入された相変化蓄熱材と、前記相変化蓄熱材と接触する熱伝導性部材と、を含む蓄熱ユニットであって、前記第1のシート部材は、熱伝導材料層を含むフィルムであり、前記第2のシート部材は、前記第1のシート部材よりも剛性が高く、熱伝導材料部を含み、前記熱伝導性部材の一部は前記第1のシート部材の熱伝導材料層及び/又は前記第2のシート部材の熱伝導材料部に熱伝導可能に接合され、前記熱伝導性部材は、前記密閉容器の密閉空間の内方に突出するように設けられている、蓄熱ユニットを提供するものである。
前記熱伝導性部材は、第1の熱伝導性部材と第2の熱伝導性部材とを含み、前記第1の熱伝導性部材及び前記第2の熱伝導性部材は、波状部材であり、前記第1の熱伝導性部材の一部は前記第1のシート部材に熱伝導可能に接合され、前記第2の熱伝導性部材の一部は前記第2のシート部材に熱伝導可能に接合されることができる。
前記第1の熱伝導性部材の谷部は前記第1のシート部材に熱伝導可能に接合され、前記第2の熱伝導性部材の谷部は前記第2のシート部材に熱伝導可能に接合され、前記第1の熱伝導性部材と前記第2の熱伝導性部材は互いに噛み合うように配置されてことができる。
前記第1の熱伝導性部材及び前記第2の熱伝導性部材の少なくとも一方の、山部と谷部を結ぶ斜面に開口部が設けられることができる。
前記蓄熱ユニットが真空環境下にある場合、前記熱伝導性部材は、前記相変化蓄熱材と接触することができる。
前記相変化蓄熱材は、真空状態で前記密閉容器に封入されているものとすることができる。
前記第1のシート部材は、波状部材とすることができる。
本発明の1つの態様は、密閉容器と、前記密閉容器に封入される相変化蓄熱材と、前記相変化蓄熱材に接触する複数の第1の熱伝導部とを含み、前記密閉容器の内壁部は、熱伝導性を有し、前記複数の第1の熱伝導部の一端が、前記密閉容器の熱源に接する第1の内壁部分に連結され、前記複数の第1の熱伝導部のうちの少なくとも一部の他端が、前記第1の内壁部分に対して前記相変化蓄熱材を挟んだ位置にある第2の内壁部分に連結されている蓄熱ユニットを提供するものである。
前記複数の第1の熱伝導部のほぼ全ての他端が、前記密閉容器の内壁部に連結されているものとすることができる。
少なくとも1つの第2の熱伝導部を更に含み、前記少なくとも1つの第2の熱伝導部の各々は、前記複数の第1の熱伝導部のうちの少なくとも一部と交点を有し、該交点で連結されているものとすることができる。
前記少なくとも1つの第2の熱伝導部のうちの少なくとも一部の一端及び/又は他端が、前記密閉容器の内壁部に連結されているものとすることができる。
前記少なくとも1つの第2の熱伝導部のほぼ全ての一端及び/又は他端が、前記密閉容器の内壁部に連結されているものとすることができる。
前記密閉容器、前記複数の第1の熱伝導部、及び前記少なくとも1つの第2の熱伝導部のうちの少なくとも2つは、一体的に形成されているものとすることができる。
前記複数の第1の熱伝導部及び前記少なくとも1つの第2の熱伝導部のうちの少なくとも一部は、柱状又は線状の熱伝導部であるものとすることができる。
前記複数の第1の熱伝導部及び前記少なくとも1つの第2の熱伝導部は、柱状又は線状の熱伝導部であり、3次元網目構造体を形成しているものとすることができる。
前記少なくとも1つの第2の熱伝導部の数密度が、前記前記複数の第1の熱伝導部の数密度よりも小さいものとすることができる。
本発明の1つの態様は、密閉容器と、前記密閉容器に封入される相変化蓄熱材と、3次元網目構造体とを含み、前記密閉容器の内壁部は、熱伝導性を有し、前記3次元網目構造体は、複数の線状又は柱状の熱伝導部が互いに連結されることにより形成され、前記線状の熱伝導部の一部が、前記相変化蓄熱材に接触し、前記密閉容器の内壁部に連結される連結部を備えている蓄熱ユニットを提供するものである。
上記構成を有する本発明によれば、蓄熱ユニットの伝熱特性を改善することができる。
また、上記構成を有する本発明によれば、蓄熱ユニットの蓄熱効率を向上させることができる。
また、上記構成を有する本発明によれば、蓄熱ユニットの構造強度を向上させることができる。
また、上記構成を有する本発明によれば、蓄熱ユニットの形状の自由度を高め、蓄熱ユニットを多種多様な熱制御対象に直接取り付け可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る蓄熱ユニットの長手方向断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る蓄熱ユニットの大気圧環境下と真空環境下の状態を示す図である。 第1の熱伝導性部材及び第2の熱伝導性部材がない場合において、アルミ薄板を加熱面とし、アルミ薄板を水平に、フィルムを鉛直方向上側、鉛直方向下側にそれぞれ配置した場合の蓄熱ユニットの状態を示す図である。 図3(a)の構成の蓄熱ユニットの所定の熱入力に対する時間−温度特性についての実験結果を示す図である。 図3(b)の構成の蓄熱ユニットの所定の熱入力に対する時間−温度特性についての実験結果を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る蓄熱ユニットの所定の熱入力に対する時間−温度特性についての実験結果を示す図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る蓄熱ユニットの長手方向断面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る蓄熱ユニットの長手方向断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る蓄熱ユニットの斜視図である。 図7のVIII−VIII断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る蓄熱ユニットの効果の1つを説明する図である。 蓄熱ユニットの熱源に対する配置及び初期状態における相変化蓄熱材3の配置の典型例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る図8の配置における蓄熱ユニットの所定の熱入力に対する時間−温度特性についての実験結果を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る図10(c)の配置における蓄熱ユニットの所定の熱入力に対する時間−温度特性についての実験結果を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る蓄熱ユニットの断面模式図である。 枝分かれ構造を有する第1の熱伝導部の例を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る蓄熱ユニットの断面模式図である。 従来の相変化蓄熱材を用いた蓄熱ユニットの例の断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る蓄熱ユニットの長手方向断面図である。図1に示されるように、本実施形態に係る蓄熱ユニット1は、密閉容器11、相変化蓄熱材13、第1の熱伝導性部材15、第2の熱伝導性部材17を備える。
密閉容器11は、第1のシート部材であるフィルム111と、第2のシート部材であるアルミ薄板113を備える。
フィルム111は、多層フィルムであり、熱融着層であるポリプロピレン層と熱伝導材料層であるアルミ層を含む。フィルム111は、これに限定されるものではなく、単層フィルム/多層フィルムを問わず、他の適切な任意の熱伝導材料層を含むフィルム(例えば熱伝導材料層としてステンレス層を含むフィルムや高熱伝導グラファイト層を含むフィルム)を用いることができるし、熱伝導性材料層を含まないフィルムを用いることもできる。
フィルム111とアルミ薄板113は、フィルム111とアルミ薄板113との間に密閉空間115が形成されるように配置され、密閉空間115の周囲において、互いにシールされ、密閉容器11を構成する。フィルム111とアルミ薄板113は、両面熱融着フィルムにより融着され、互いにシールされている。したがって、フィルム111とアルミ薄板113は、熱伝導可能に接合されている。互いにシールされるシート部材の一方を、アルミ薄板といったフィルムよりも剛性の高いシート部材とすることによって、相変化蓄熱材の膨張/収縮に伴う変形を一方の面に集中させ、他方の面の変形を抑えることによって、熱源との接触面積を大きくとることができる。第2のシート部材としては、アルミ薄板に限定されるものではなく、例えば金属層の厚さが大きい多層フィルムといった、第1のシート部材よりも剛性の高い他の適切な任意のシート部材を用いることができる。また、第2のシート部材として、第1のシート部材と同様の熱伝導材料層を含むフィルム又は熱伝導性材料層を含まないフィルムを用いてもよいし、密閉容器11を互いにシールされる2つのシート部材でなく1つのシート部材により構成してもよいことは、当業者に明らかであろう。
密閉容器11には、相変化蓄熱材13が真空状態で封入されている。蓄熱ユニットを真空環境下で使用しないような場合には、相変化蓄熱材13が真空状態で封入される必要はない。また、相変化蓄熱材13としては、例えば、n−エイコサン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−トリデカン、n−テトラデカン、n−ペンタデカン、n−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン、n−オクタデカン、n−ノナデカン、n−ドコサン、n−オクタコサン等のパラフィン、混合ワックス、水、水に添加剤を加えて諸物性を調整した水溶液を用いることができるが、これに限定されるものではなく、他の適切な任意の材料を用いることができる。
このように密閉容器を可撓性を有する材料で構成し、従来の剛な容器に対して柔軟な容器とすることで、蓄熱ユニットの蓄熱効率を向上させることができる。
すなわち、図2に示すように、大気圧環境下においては、密閉容器11が変形可能であるので、密閉容器11に封入されている相変化蓄熱材13が自己支持することができる。一方、上述のように、相変化蓄熱材13は、密閉容器11に真空状態で封入されているが、蓄熱ユニット1が真空環境下にある場合、残留空気や相変化蓄熱材13の蒸気により、密閉容器11が膨張し、残留空気や相変化蓄熱材13の蒸気から形成されるガス層による圧力が密閉容器11内部から生じる。しかしながら、従来の剛な容器では密閉容器に曲げの力が加わるのに対して、本実施形態の柔軟な容器では、可撓性部材に対する引っ張りの力が加わるが、可撓性部材は引っ張りの力に対して強いので、支持が可能となる。ここで、ガス層による圧力自体も、相変化蓄熱材13の封入時の残留空気の圧力が、真空引きに油回転ポンプを使用した場合で数Pa程度、相変化蓄熱材13の蒸気圧も、例えばオクタデカンで常温では数Pa程度と非常に小さく、これは、従来の剛な容器が耐えるべき大気圧に比べて1/10000である。したがって、密閉容器11を可撓性部材で構成できるので、従来の蓄熱ユニットの密閉容器と比べて、重量を格段に小さくすることができる。
第1の熱伝導性部材15及び第2の熱伝導性部材17は、樹脂強化グラファイトシートであり、波状の形状を有している。樹脂強化グラファイトシートとしては、ポリエチレンテレフタレート層の支持層として、その上にグラファイト層が形成された積層体を用いることができる。第1の熱伝導性部材15の谷部151は、両面熱融着フィルムにより、フィルム111に融着され、熱伝導可能に接合されている。また、第2の熱伝導性部材17の谷部171は、両面熱融着フィルムにより、アルミ薄板113に融着され、熱伝導可能に接合されている。第1の熱伝導性部材15及び第2の熱伝導性部材17は、樹脂強化グラファイトシートに限定されるものでなく、他の適切な任意の材料のものとすることができる。例えば、ポリプロピレン層と熱伝導層を含む多層フィルムとすることができ、この場合、フィルム111及びアルミ薄板113への融着は、両面熱融着フィルムを使うこと無く、自身が有するポリプロピレン層のみで熱融着することが可能である。第1の熱伝導性部材15と第2の熱伝導性部材17は、互いに噛み合うように配置されている。第1の熱伝導性部材15及び第2の熱伝導性部材17の、山部と谷部を結ぶ斜面には、融解した相変化蓄熱材13の流動を容易とするために、任意の数、形状の開口部をそれぞれ設けてもよい。
本実施形態においては、第1の熱伝導性部材15及び第2の熱伝導性部材17の形状は、断面が「く」の字形であるが、断面が台形状、矩形状等他の適切な波状の形状とすることができる。また、熱伝導性部材の数は少なくとも1つであればよく、その形状も波状に限定されるものではなく、他の適切な任意の形状とすることができる。更に、蓄熱ユニットを真空環境下で使用しないような場合には、容器が大きく膨張してフィルム111とアルミ薄板113との間の距離が大きくなる事象が発生しにくいため、熱伝導性部材は、密閉容器の密閉空間の内方に突出するように設けられていれば、相変化蓄熱材と接触が保たれるので、そのように構成してもよい。
第1の熱伝導性部材15及び前記第2の熱伝導性部材17は、蓄熱ユニット1が真空環境下にある場合であっても、相変化蓄熱材13と接触するようにされている。これは、以下の理由による。
上述のように、蓄熱ユニット1が真空環境下にある場合、残留ガスや相変化蓄熱材13の蒸気により、密閉容器11が膨張し、残留ガスや相変化蓄熱材13の蒸気から形成されるガス層が生じることとなるが、このガス層により熱伝導が妨げられるので、蓄熱ユニット1の伝熱特性が悪化する。
すなわち、第1の熱伝導性部材15及び第2の熱伝導性部材17がない場合、例えば、図3(a)、(b)に示されるように、アルミ薄板113を加熱面とし、アルミ薄板113を水平に、フィルム111を鉛直方向上側、鉛直方向下側にそれぞれ配置した場合を考える。フィルム111を鉛直方向上側に配置した図3(a)においては、アルミ薄板113の全面に相変化蓄熱材13が接触するため、相変化蓄熱材13に熱が効率よく伝えられ、また自然対流により伝熱が促進される。これに対して、フィルム111を鉛直方向下側に配置した図3(b)においては、アルミ薄板113に接触する相変化蓄熱材13の面積が減少し、ガス層に接触する面積が大きいため、相変化蓄熱材13に熱が伝わりにくくなっている。更に、相変化蓄熱材13の固相部分が重力によって沈降するので、対流による伝熱も行われなくなってしまう。
そのため、本実施形態において、第1の熱伝導性部材15及び前記第2の熱伝導性部材17は、蓄熱ユニット1が真空環境下にある場合であっても、相変化蓄熱材13と接触するようにすることによって、蓄熱ユニット1の配置の向きにかかわらず、相変化蓄熱材13に熱を伝えやすくすることができる。
図4(a)〜(c)は、所定の熱入力に対する時間−温度特性についての、図3(a)、(b)の構成の蓄熱ユニットと本実施形態による蓄熱ユニットの比較実験結果を示す図である。
各実験において、熱源2として、ヒータを取り付けたアルミ板を用いた。そして、アルミ板のヒータが取り付けられた面とは反対側の面に蓄熱ユニット1を取り付け、相変化蓄熱材13のアルミ薄板113と接している部分の温度とほぼ等しいと考えられるアルミ板の温度と、相変化蓄熱材13の最も温度が低いと考えられる部分の温度とほぼ等しいと考えられるフィルム111の中央部の温度を測定した。相変化蓄熱材13はオクタデカンを用い、入力した熱量は各図に示されるように、約10Wであった。
上述のようにフィルム中央部の温度が相変化蓄熱材13の最も低い温度と考えられるので、フィルム中央部の温度の各グラフにおける変曲点が、相変化蓄熱材13が完全に融解したことを示す点と考えられる。図3(b)の構成に対応する図4(b)から、図3(b)の構成においては、相変化蓄熱材13が完全に融解する前に、アルミ板の温度が上昇してしまっていることが分かる。
これに対して、第1の熱伝導性部材15と第2の熱伝導性部材17を有する本実施形態によれば、アルミ板の温度が、図3(a)の構成に対応する図4(a)と同様の変化を示し、熱伝導が効率よく行われていることが分かる。また、相変化蓄熱材13の完全融解に対応する変曲点におけるアルミ板とオクタデカンの融点の温度差ΔTが、図3(b)の構成に対応する図4(b)に比べて、約40℃から約13℃まで抑制された。
次に、本実施形態に係る蓄熱ユニットの製造方法について説明する。
まず、2枚の樹脂強化グラファイトシートを波状に折り曲げる。
続いて、波状に折り曲げた矩形の樹脂強化グラファイトシートと、予め凸型にプレス成型された、ポリプロピレン層とアルミ層を含む矩形の多層フィルムとの間に両面熱融着フィルムを挟み、局所熱融着装置で加熱/押し付けを行い融着する。もう1枚の波状に折り曲げた樹脂強化グラファイトシートとアルミ薄板についても、同様にして融着する。樹脂強化グラファイトシートと多層フィルムとの接合方法は、融着に限定されるものでなく、非常に厚みの小さい接着剤層による等、熱伝導可能な接合であれば、他の適切な任意の方法を使用することができる。また、樹脂強化グラファイトシートに換えてポリプロピレン層と熱伝導層を含む多層フィルムを使う場合は、両面熱融着フィルムを使うこと無く、自身が有するポリプロピレン層のみで熱融着することが可能である。
多層フィルムには、内部の真空排気を行うために真空排気チューブを取り付けて、リークしないように接着をしておくこともできる。
次に、多層フィルムとアルミ薄板を重ねて位置合わせを行い、相変化蓄熱材13の充填用に1辺を残して、インパルス熱融着装置で3辺を熱融着し、袋体を作成する。
事前に融解させた相変化蓄熱材13を未融着の1辺から袋体に流し込み、冷蔵装置で冷却して相変化蓄熱材13を凝固させ、袋体を冷蔵装置から取り出す。
その後、真空環境下で熱融着を行う真空熱融着装置内に、袋体をセットし、未融着の1辺を熱融着する。
真空熱融着装置を用いることに換えて、以下のようにしてもよい。すなわち、袋体内部の相変化蓄熱材13が融解する前に、真空排気チューブを用いて袋体内部の真空引きを行い、必要な真空度(相変化蓄熱材の蒸気圧以下が望ましい)に到達したら、真空引きを継続したまま、相変化蓄熱材充填部と真空排気チューブ取り付け部の間を、インパルス熱融着装置で熱融着することによって密閉容器11を形成し、真空引きを停止する。その後、温度・圧力・時間を制御可能な熱板式熱融着装置で密閉容器11の全辺を、再シールする。このような方法によれば、より高い真空度で相変化蓄熱材13を密閉容器11に封入することができる。
上記実施形態においては、相変化蓄熱材13の融解/凝固による体積変化による力が、第1の熱伝導性部材15及び第2の熱伝導性部材17に加わる。そのため、相変化蓄熱材13の融解/凝固による体積変化による力によって第1の熱伝導性部材15及び第2の熱伝導性部材17の破壊を防止するために、第3の熱伝導性部材をフィルム111と第1の熱伝導性部材15との間に配置してもよい。
例えば、図5に示されるように、第1の熱伝導性部材の凹凸の間隔が最も短くなる方向に長く、その長手方向両端部がコの字状に折り曲げられているアルミ薄板117を、両面熱融着フィルムにより、フィルム111に接合し、第1の熱伝導性部材15の谷部を、両面熱融着フィルムにより、アルミ薄板117に接合してもよい。このような構成により、第1の熱伝導性部材の凹凸の間隔が最も短くなる方向に対する柔軟性を保ちつつ、第1の熱伝導性部材の凹凸の間隔が最も短くなる方向と直交する方向に対しては曲がりにくくすることができる。第3の熱伝導性部材の長手方向両端部の折り曲げ形状は、コの字状に限定されるものではなく、第1の熱伝導性部材の凹凸の間隔が最も短くなる方向に対する柔軟性を保ちつつ、第1の熱伝導性部材の凹凸の間隔が最も短くなる方向と直交する方向に対しては曲がりにくくするものであれば、他の適切な任意の形状とすることができる。
また、図6に示されるように、第1の熱伝導性部材の凹凸の間隔が最も短くなる方向に長く、山部と谷部の間の深さが、第1の熱伝導性部材15の山部と谷部の間の深さよりも浅い波状のアルミ薄板119を、両面熱融着フィルムにより、フィルム111に接合し、第1の熱伝導性部材15の谷部を、両面熱融着フィルムにより、アルミ薄板119に接合してもよい。このような構成により、第1の熱伝導性部材の凹凸の間隔が最も短くなる方向に対する柔軟性を保ちつつ、第1の熱伝導性部材の凹凸の間隔が最も短くなる方向と直交する方向に対しては曲がりにくくすることができる。このような構成に換えて、フィルム111自体を第1の熱伝導性部材15の山部と谷部の間の深さよりも浅い波状の形状とし、フィルム111の谷部に第1の熱伝導性部材15の谷部を接合してもよい。
また、第3の熱伝導性部材をフィルム111と第1の熱伝導性部材15との間に配置する構成に換えて、第1の熱伝導性部材15を用いずに、フィルム111自体を波状の形状としてもよい。このような構成により、密閉容器11に収容可能な相変化蓄熱材13の量は少なくなるものの、第1の熱伝導性部材の凹凸の間隔が最も短くなる方向に対する柔軟性を保ちつつ、第1の熱伝導性部材の凹凸の間隔が最も短くなる方向と直交する方向に対しては曲がりにくくすることができる。
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態に係る蓄熱ユニットの斜視図である。また、図8は、図7のVIII−VIII断面図である。ここでこの斜視図において、蓄熱ユニットの内部を見やすくするために、蓄積ユニットの側壁と相変化蓄熱材は除いている。この図7、図8を参照して、本発明の第2の実施形態の構成及び動作原理を説明する。第1の実施形態と重複する説明は省略する。
本実施形態に係る蓄熱ユニット3は、密閉容器31、相変化蓄熱材33、3次元網目構造体35を含む。
密閉容器31は、直方体の形状を有し、熱伝導性を有する材料で構成されている。密閉容器31の形状は直方体に限定されるものではなく、任意の形状とすることができる。また、この密閉容器31を構成する熱伝導性を有する材料としては、例えば、アルミ、銅、アルミや銅の合金を用いることができるが、これに限定されるものではなく、他の適切な任意の材料を用いることができる。密閉容器31には、相変化蓄熱材33を真空状態で封入されている。相変化蓄熱材33は、大気圧状態で封入されてもよい。相変化蓄熱材33としては、例えば、n−エイコサン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−トリデカン、n−テトラデカン、n−ペンタデカン、n−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン、n−オクタデカン、n−ノナデカン、n−ドコサン、n−オクタコサン等のパラフィン、混合ワックス、エリスリトール、ペンタエリスリトール、高密度ポリエチレン、硝酸リチウム水、水に添加剤を加えて諸物性を調整した水溶液を用いることができるが、これに限定されるものではなく、他の適切な任意の材料を用いることができる。
密閉容器31の1つの面上には、真空排気や相変化蓄熱材33を密閉容器31に充填するための中空の円筒状のポート357が設けられ、真空排気や相変化蓄熱材33の充填後、封止されている。
3次元網目構造体35は、断面が円形の複数の線状の第1の熱伝導部351a及び第2の熱伝導部351bが互いに連結されることにより形成されている。具体的には、互いに垂直な3つの方向に所定の間隔で配置された線状の第1の熱伝導部351a及び第2の熱伝導部が互いにその交点353で連結されており、3次元網目構造体35が形成されている。各線状の熱伝導部351a及び第2の熱伝導部の方向は、互いに垂直な3つの方向に限定されるものではなく、3次元網目構造体を形成するものであれば、他の適切な任意の方向とすることができ、また線状の熱伝導部351a及び第2の熱伝導部間の間隔は、一定の間隔に限定されるものではなく、変動するものであってもよい。また、線状の熱伝導部351の断面形状は、円形に限定されるものではなく、矩形、多角形、星形等の他の適切な任意の形状とすることができる。また、線状の熱伝導部351a、351bの太さ(断面の寸法)は、一定の太さに限定されるものではなく、変動するものであってもよい。複数の第1の熱伝導部351a'−1、351a'−2は、線状、柱状、板状等の適切な任意の形状とすることができる。また、複数の第1の熱伝導部351a'−1、351a'−2は、異なる形状の熱伝導部の組合せ(例えば、異なる太さの線状の熱伝導部と異なる厚さの板状の熱伝導部の組合せ)で構成してもよい。
線状の第1の熱伝導部351a及び第2の熱伝導部351bのうちの一部は、相変化蓄熱材33に接触している。線状の第1の熱伝導部351a及び第2の熱伝導部351bは、ポート357の開口部に相当する部分を除いて、密閉容器31の内壁部311に連結される連結部355を備えている。具体的には、線状の第1の熱伝導部351aは、ポート357の開口部に相当する部分を除いて、その一端が、密閉容器31の熱源4に接する部分である第1の壁に対応する内壁部311である第1の内壁部分311aに連結され、その他端が、第1の内壁部分311aに対して相変化蓄熱材33を挟んで対向する第2の壁に対応する内壁部311である第2の内壁部分311bに連結されている。また、線状の第2の熱伝導部351bは、その両端が、密閉容器31の側壁31c、31dに対応する第3の内壁部分311c及び第4の内壁部分311dに連結されている。ここで、複数の線状の第1の熱伝導部351aのうちの一部を、その一端が第1の内壁部分311aに連結され、その他端は第2の内壁部分311bに連結されていないものとしてもよい。この場合、他端が第2の内壁部分311bに連結しているものと、連結していないものの数やその比は、任意に決定することができる。また、線状の第2の熱伝導部351bの一端及び/又は両端は、第3の内壁部分311c及び/又は第4の内壁部分311dに連結されていなくてもよい。この線状の第1の熱伝導部351a及び第2の熱伝導部351bを構成する熱伝導性を有する材料としては、例えば、アルミ、銅、アルミや銅の合金を用いることができるが、これに限定されるものではなく、他の適切な任意の材料を用いることができる。
密閉容器31、3次元網目構造体35、ポート357は一体的に形成されており、この一体的な構成は、3Dプリンタを用いて製造することができる。本実施形態による蓄熱ユニットは、3Dプリンタを用いて製造することができるので、蓄熱ユニットを配置可能なスペースに応じた密閉容器の形状の蓄熱ユニットを個別に製造することができる。このように、密閉容器を3次元網目構造体と一体化して形成しているので、従来のように密閉容器に対して別部品の熱伝導部を取り付けた場合に比べて、密閉容器と熱伝導部の間の接触熱抵抗に起因する伝熱特性低下を回避することができ、蓄熱ユニットへの効率の高い伝熱が可能となる。
本実施形態においては、線状の第1の熱伝導部351a及び第2の熱伝導部351bが、熱伝導性を有する密閉容器31の内壁311に連結され、互いに垂直な3つの方向に所定の間隔で配置された線状の第1の熱伝導部351a及び第2の熱伝導部351bが互いに連結されているので、密閉容器31の熱源4に接している第1の壁の壁面からだけでなく、密閉容器の側壁31c、31dや側壁31c、31d及び第1の壁に対向する第2の壁を介して上方と側面方向からも熱が流入し、相変化蓄熱材33全体に熱を伝えることが可能となる。また、図9、図15に示されるように、従来の蓄熱ユニットにおいては、容器と伝熱フィンが構造的に結合されていないため、蓄熱ユニットが真空環境下にある場合、ガス層の圧力に対して、容器の稜部のみで支持する必要があり、また、蓄熱ユニットが大気圧下にある場合や蓄熱ユニットにその他の荷重がかかっている場合、大気圧や荷重に対して、容器の稜部のみで支持する必要があったが、本実施形態によれば、線状の第1の熱伝導部351a及び第2の熱伝導部351bが密閉容器31と連結する連結部355を有し、該連結部355が支持点となり、支持点が増加する。また、座屈の観点からは、線状の第1の熱伝導部351a及び第2の熱伝導部351bの柱の長さが、線状の第1の熱伝導部351a及び第2の熱伝導部351bの各交点355間の間隔まで減少するので、座屈が生じにくくなる。よって、耐圧性や耐荷重性が向上し、容器の軽量化を図ることができる。また、従来の蓄熱ユニットの伝熱フィンは、板状の形状であったため、密閉容器の内容積に対して伝熱フィンの占める体積が大きく、相変化蓄熱材の充填率が小さかったが、本実施形態による蓄熱ユニットは、線状の熱伝導部が互いに連結されることにより形成される3次元網目構造体を伝熱部材としているので、相変化蓄熱材の充填率を大きくすることが可能となった。このように、本実施形態による蓄熱ユニットは、蓄熱ユニットの伝熱特性、蓄熱効率、耐圧性、耐荷重性を大きく改善するものである。
本実施形態において、熱流の支配的な流れは、密閉容器31の熱源4に接している第1の壁から、側壁31c、31dや側壁31c、31d及び第1の壁に対向する第2の壁を介さずに、直接線状の第1の熱伝導部351aを介して相変化蓄熱材33に流れる流れである。一方、密閉容器31の第1の壁に連結している線状の熱伝導部351aの方向とは異なる方向の線状の熱伝導部である、密閉容器31の側壁31c、31dに連結している線状の第2の熱伝導部351bは、密閉容器31の強度を大きくする役割も担っている。したがって、必要な強度が担保される範囲において、相変化蓄熱材の充填率を大きくするために、密閉容器31の第1の壁に連結している線状の第1の熱伝導部351aの方向とは異なる方向の線状の第2の熱伝導部351bの数密度を、密閉容器31の第1の壁に連結している線状の第1の熱伝導部351aの数密度よりも小さくしてもよい。本実施形態においては、密閉容器31の第1の壁に連結している線状の第1の熱伝導部351aの方向に直交する方向の線状の第2の熱伝導部351bのピッチを、密閉容器31の第1の壁に連結している線状の第1の熱伝導部351aのピッチよりも大きくしている。
このように、熱の流れや、所望の耐圧性や耐荷重性等に応じて、密閉容器の内壁部の各部分毎に、連結される熱伝導部の数密度を変動させることができる。また、熱の流れや、所望の耐圧性や耐荷重性等に応じて、連結される熱伝導部の断面積を変動させたり、相変化蓄熱材との接触面積を増加させるために連結される熱伝導部の断面形状を変えたりしてもよい。また、相変化蓄熱材が溶けにくいと想定される部分に対して同様の構成を適用してもよい。
蓄熱ユニット3の熱源4に対する配置及び初期状態における相変化蓄熱材33の配置は、図8に示されるように、蓄熱ユニット3が熱源4に対して鉛直方向上側に配置され、初期状態において相変化蓄熱材33が第1の壁に接して配置される場合の他に、図10(a)〜(c)に示されるように、蓄熱ユニット3が熱源4に対して鉛直方向上側に配置され、初期状態において相変化蓄熱材33が第2の壁に接して配置される場合、蓄熱ユニット3が熱源4に対して鉛直方向下側に配置され、初期状態において相変化蓄熱材33が第1の壁に接して配置される場合、蓄熱ユニット3が熱源4に対して鉛直方向下側に配置され、初期状態において相変化蓄熱材33が第2の壁に接して配置される場合が、典型的な場合として考えられる。
このうち、第1の実施形態において述べたと同様に、図10(a)及び(c)の配置においては、熱源4側にガス層が存在するため、相変化蓄熱材33に熱が伝わりにくくなっている。また、図10(b)、(c)の配置においては、相変化蓄熱材13の固相部分が重力によって沈降するので、対流による伝熱が行われない。よって、図10(c)の配置の場合が最も伝熱特性や蓄熱効率が悪いと考えられる。
図11a、11bは、所定の熱入力に対する時間−温度特性についての、図8の配置と、最も伝熱特性や蓄熱効率が悪いと考えられる図10(c)の配置の蓄熱ユニット実験結果を示す図である。
各実験において、熱源4として、ヒータを取り付けたアルミ板を用いた。そして、アルミ板のヒータが取り付けられた面とは反対側の面に蓄熱ユニット3を取り付け、相変化蓄熱材33の第1の壁と対向している部分の温度とほぼ等しいと考えられるアルミ板の温度と、相変化蓄熱材33の最も温度が低いと考えられる部分の温度とほぼ等しいと考えられる第2の壁の中央部の温度を測定した。相変化蓄熱材33はオクタデカンを用い、入力した熱量は、0.3W/cm2であった。
第2の壁の中央部の温度が相変化蓄熱材33の最も低い温度と考えられるので、第1の実施形態において述べたと同様に、第2の壁の中央部の温度の各グラフにおける変曲点が、相変化蓄熱材33が完全に融解したことを示す点と考えられる。本実施形態の図8の配置及び図10(c)の配置のいずれにおいても、アルミ板の温度が、第1の実施形態の図4(a)と同様の変化を示し、熱伝導が効率よく行われていることが分かる。また、相変化蓄熱材33の完全融解に対応する変曲点におけるアルミ板とオクタデカンの融点の温度差ΔTは、図8の配置では11.5°、図10(c)の配置では11.3°と、第1の実施形態と同様に小さい値に抑制された。
図10(a)及び(b)の配置についても、図8及び図10(c)と同様の実験結果が得られ、蓄熱ユニット3や相変化蓄熱材33の配置にかかわらず、三次元網目構造体35によって、伝熱特性や蓄熱効率が大きく改善されていることが分かる。
次に、本実施形態の蓄熱ユニットの設計手法について述べる。
(1)まず、(i)密閉容器の使用可能なフットプリント面積及び形状、並びに許容最大高さ、(ii)熱源から蓄熱ユニットに入力される熱量又は熱流束(入力熱量又は入力熱流速)、(iii)熱源の発熱の継続時間(発熱継続時間)、(iv)その他の各種制約(重量など)を規定する。
(2)続いて、密閉容器の高さを算出する。まず、密閉容器に充填すべき相変化蓄熱材の質量を、相変化蓄熱材の質量[kg]=入力熱量[W]×発熱継続時間[sec]/相変化蓄熱材の融解潜熱[J/kg]から算出する。次いで、最低限必要な密閉容器の内容積を、最低限必要な密閉容器の内容積[m3]=充填すべき相変化蓄熱材の質量[kg]/相変化蓄熱材の密度[kg/m3]から算出する。ここで、相変化蓄熱材の密度は、固体状態・液状態を含めた密度の最小値を用いる。そして、密閉容器の高さを、密閉容器の高さ[m]=最低限必要な密閉容器の内容積[m3]/フットプリント面積[m2]から算出する。
(3)線状の熱伝導部の径及びピッチの設定
本実施形態においては、密閉容器の熱源に接している第1の壁からだけでなく、密閉容器の側壁や側壁及び第2の壁を介して第2の壁の壁面と側面方向からも熱が流入するが、その寄与度は、フットプリントの大きさが大きくなるほど小さくなる。そのため、フットプリントの大きさが大きい場合、密閉容器の壁面から遠い位置である、密閉容器の中央部では、密閉容器の第2の壁の壁面や側面方向からの熱の流入が非常に小さくなる。
そこで、熱の流入が最も少ない場合として、密閉容器の第2の壁の壁面と側面方向からの熱の流入がない場合を考えて、密閉容器の第1の壁及び第2の壁とそれらを連結する1つの線状の熱伝導部フィン、並びに1つの線状の熱伝導部と周囲の相変化蓄熱材(1つの線状の熱伝導部が受け持つ領域)のみをモデル化した簡易的な熱解析を行い、相変化蓄熱材が最も高温になる部分(加熱される下壁に接する部分)と、最も低温になる部分(線状の熱伝導部から最も遠い部分)の最大温度差ΔTを評価する。ここで、ΔTは、加熱時間に対する温度変化特性において、相変化蓄熱材の最も低温になる部分の温度が融点付近から急上昇する瞬間(変曲点の位置)における相変化蓄熱材の最も高温になる部分と最も低温になる部分の温度差とする。ΔTは、対象の熱制御要求により決まるため、許容される値以下になるまで、線状の熱伝導部の径やピッチを調整する。
線状の熱伝導部の径とピッチが決まると、相変化蓄熱材の充填率(体積比率又は重量比率)が決まる。
(1)のステップでは線状の熱伝導部を無視して密閉容器の外形寸法を決定しており、線状の熱伝導部が増加した分だけ、密閉容器に充填できる相変化蓄熱材の量が減少するため、必要に応じて(1)、(2)のステップを反復して線状の熱伝導部の径及びやピッチを決定する。
このような手順で設計を行えば、側壁や側壁及び第2の壁経由での伝熱を無視しているため、実際に製作された密閉容器は、側壁や側壁及び第2の壁を介した伝熱の効果の分だけ予測よりも優れた伝熱性能を発揮する(ΔTが小さくなる)ことが期待される。
本実施形態においては、線状の熱伝導部は、ポートの断面に相当する部分を除いて、密閉容器の内壁部に連結される連結部を備えているが、線状の熱伝導部の一部が、密閉容器の内壁部に連結される連結部を備えていれば、熱源からの熱が伝達され、また支持点も増加するので、そのように構成することもできる。
(第3の実施形態)
図12は、本発明の第3の実施形態に係る蓄熱ユニットの断面模式図である。この図12を参照して、本発明の第3の実施形態の構成及び動作原理を説明する。第1及び第2の実施形態と重複する説明は省略する。
本実施形態に係る蓄熱ユニット3は、円筒状の熱源に適応したものである。
本実施形態に係る蓄熱ユニット3'は、2つの密閉容器31'−1、31'−2、相変化蓄熱材33'−1、33'−2、複数の第1の熱伝導部351a'−1、351a'−2を含む。
2つの密閉容器31'−1、31'−2は、それぞれ、円筒状の熱源4'に接する半円筒状の第1の壁31a'−1、31a'−2、第1の壁31a'−2、31a'−2に対して相変化蓄熱材33'−1、33'−2を挟んで対向する半円筒状の第2の壁31b'−1、31b'−2、第1の壁31a'−1、31a'−2と第2の壁31b'−1、31b'−2の間に密閉空間が形成されるように第1の壁31a'−1、31a'−2と第2の壁31b'−1、31b'−2の外縁部に接続される矩形状の板状の第3の壁31c'−1、31c'−2を備える。そして、2つの密閉容器31'−1、31'−2は、それぞれの第3の壁31c'−1、31c'−2が互いに接するようにボルトで連結されている。
2つの密閉容器31'−1、31'−2の内部には、相変化蓄熱材33'−1、33'−2が充填されている。
複数の第1の熱伝導部351a'−1、351a'−2は、径方向に放射状に設けられ、その一端が第1の壁31a'−1、31a'−2の内壁部に連結され、その他端が第2の壁の内壁部31b'−1、31b'−2に連結され、相変化蓄熱材33'−1、33'−2と接触している。
密閉容器31'−1、31'−2、複数の第1の熱伝導部351a'−1、351a'−2は一体的に形成されており、この一体的な構成は、3Dプリンタを用いて製造することができる。
上記構成に加えて、図12に破線で示されるように、複数の第1の熱伝導部351a'−1、351a'−2と連結する複数の第2の熱伝導部351b'−1、351b'−2を複数の第一の熱伝導部熱伝導部351a'−1、351a'−2の間を橋渡しする形に設けてもよい。第2の熱伝導部351b'−1、351b'−2は単数としてもよい。
上記実施形態においては、複数の第1の熱伝導部351a'−1、351a'−2同士の間隔は、第2の壁31b'−1、31b'−2に近づくほど大きくなり、相変化蓄熱材に熱を伝えにくくなる。そこで、図13に示されるように、複数の第1の熱伝導部351a'−1の構造を枝分かれ構造とすれば、第2の壁31b'−1、31b'−2側でも熱伝導部の各枝部同士の間隔が小さくなり、相変化蓄熱材33'−1、33'−2に熱を伝えやすくなる。このとき、熱伝導部の各枝部の太さを、第1の壁31a'−1、31a'−2に近いほど太く、第2の壁31b'−1、31b'−2に近いほど細くすると、効率よく相変化蓄熱材に熱を伝えることができる。
このような構成により、蓄熱ユニットを熱源の形状に合わせて直接取り付けることができ、熱源からの熱を蓄熱ユニットに効率よく伝えることができる。
(第4の実施形態)
図14は、本発明の第4の実施形態に係る蓄熱ユニットの断面模式図である。この図14を参照して、本発明の第4の実施形態の構成及び動作原理を説明する。第1〜第3の実施形態と重複する説明は省略する。
本実施形態に係る蓄熱ユニットは、熱流体が流れる配管に適応したものである。
本実施形態に係る蓄熱ユニット3''は、配管31''a、配管31''aとの間に密閉空間が形成されるように両端部が配管31''aに接続された円筒状の外殻31''b、相変化蓄熱材33''、複数の第1の熱伝導部351a''を含む。
本実施形態においては、配管31''a、外殻31''b、複数の第1の熱伝導部351a''が一体的に形成されており、配管31''aと外殻31''bにより密閉容器が構成される。
配管31''aと外殻31''bにより構成される密閉容器の内部には、相変化蓄熱材33''が充填されている。
複数の第1の熱伝導部351a''は、径方向に放射状に設けられ、その一端が第1の壁の内壁部に連結され、その他端が第2の壁の内壁部に連結され、相変化蓄熱材33''と接触している。
本実施形態によれば、配管を蓄熱ユニットと一体化して形成しているので、配管に対して蓄熱ユニットを取り付けた場合に比べて、配管と蓄熱ユニットの間の接触熱抵抗に起因する伝熱特性低下を回避することができ、蓄熱ユニットへの効率の高い伝熱が可能となる。
上述のように、本実施形態による蓄熱ユニットは、3Dプリンタを用いて製造することができるので、配置可能なスペースに応じた密閉容器の形状の蓄熱ユニットを個別に製造することができる。また、上述のように、本実施形態による蓄熱ユニットは、耐荷重性を有するので、蓄熱ユニット上に直接機器を搭載することも可能である。したがって、蓄積ユニットを配置可能なスペースに蓄積ユニットを配置する場合に、蓄積ユニットの上に機器を搭載する必要があっても、機器を載置する台を別に設けることなく、直接蓄熱ユニット上に機器を搭載することができる。
上記実施形態の構成に加えて、グラファイトシートを密閉容器の外表面に貼り付けてもよい。このような構成によれば、グラファイトシートを介して、熱源からの熱を、側壁や熱源から遠い第2の壁に伝えることができるので、密閉容器の全方向から相変化蓄熱材に熱を伝えることができる。よって、熱源から第2の壁の距離が大きい場合、特に有利である。そして、グラファイトシートは、例えばアルミに比べて10倍近くの単位質量当たりの熱伝導率を有するので、蓄熱ユニットを軽量化することができる。
以上、本発明について、例示のためにいくつかの実施形態に関して説明してきたが、本発明はこれに限定されるものでなく、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、形態及び詳細について、様々な変形及び修正を行うことができることは、当業者に明らかであろう。
1 蓄熱ユニット
11 密閉容器
111 フィルム
113 アルミ薄板
115 密閉空間
117 アルミ薄板
119 アルミ薄板
13 相変化蓄熱材
15 第1の熱伝導性部材
151 谷部
153 山部
17 第2の熱伝導性部材
171 谷部
173 山部
2 熱源
3 蓄熱ユニット
31、31'−1、31'−2 密閉容器
31a、31a'−1、31a'−2 第1の壁
31b、31b'−1、31b'−2 第2の壁
31c、31d 側壁
31c'−1、31c'−2 第3の壁31''a 配管
31''b 外殻
311 内壁部
311a 第1の内壁部分
311b 第2の内壁部分
311c 第3の内壁部分
311d 第4の内壁部分
33、33'−1、33'−2、33'' 相変化蓄熱材
35 3次元網目構造体
351a、351a'−1、351a'−2、351a'' 第1のの熱伝導部
351b、351b'−1、351b'−2、351b'' 第2のの熱伝導部
353 交点
355 連結部
357 ポート
4、4' 熱源
5 蓄熱ユニット
51 密閉容器
511 底板
513 蓋部
53 相変化蓄熱材
55 伝熱フィン
6 熱源

Claims (21)

  1. フィルムを備える密閉容器と、
    前記密閉容器に封入された相変化蓄熱材と、
    前記相変化蓄熱材と接触する熱伝導性部材と、
    を含む蓄熱ユニットであって、
    前記密閉容器は、その一部が熱伝導材料層をも備え、
    前記熱伝導性部材の一部は前記フィルムに熱伝導可能に接合され、
    前記熱伝導性部材は、前記密閉容器の密閉空間の内方に突出するように設けられている、
    蓄熱ユニット。
  2. 前記熱伝導性部材は、第1の熱伝導性部材と第2の熱伝導性部材とを含み、
    前記第2の熱伝導性部材は、前記密閉空間で、前記第1の熱伝導性部材に対向して配置されている、
    請求項1に記載の蓄熱ユニット。
  3. 前記第1の熱伝導性部材及び前記第2の熱伝導性部材は、波状部材であり、
    前記第1の熱伝導性部材の谷部は前記フィルムに熱伝導可能に接合され、
    前記第1の熱伝導性部材と前記第2の熱伝導性部材は互いに噛み合うように配置され、 前記第1の熱伝導性部材及び前記第2の熱伝導性部材の谷部は、前記フィルムに熱伝導可能に接合されている請求項2に記載の蓄熱ユニット。
  4. それらの間に密閉空間が形成されるように配置された第1のシート部材と第2のシート部材を備え、前記密閉空間の周囲において、前記第1のシート部材と前記第2のシート部材が互いにシールされた密閉容器と、
    前記密閉容器に封入された相変化蓄熱材と、
    前記相変化蓄熱材と接触する熱伝導性部材と、
    を含む蓄熱ユニットであって、
    前記第1のシート部材及び前記第2のシート部材は、熱伝導材料層を含むフィルムであり、
    前記熱伝導性部材の一部は前記第1のシート部材に熱伝導可能に接合され、
    前記熱伝導性部材は、前記密閉容器の密閉空間の内方に突出するように設けられている、
    蓄熱ユニット。
  5. それらの間に密閉空間が形成されるように配置された第1のシート部材と第2のシート部材を備え、前記密閉空間の周囲において、前記第1のシート部材と前記第2のシート部材が互いにシールされた密閉容器と、
    前記密閉容器に封入された相変化蓄熱材と、
    前記相変化蓄熱材と接触する熱伝導性部材と、
    を含む蓄熱ユニットであって、
    前記第1のシート部材は、熱伝導材料層を含むフィルムであり、
    前記第2のシート部材は、前記第1のシート部材よりも剛性が高く、熱伝導材料部を含み、
    前記熱伝導性部材の一部は前記第1のシート部材の熱伝導材料層及び/又は前記第2のシート部材の熱伝導材料部に熱伝導可能に接合され、
    前記熱伝導性部材は、前記密閉容器の密閉空間の内方に突出するように設けられている、
    蓄熱ユニット。
  6. 前記熱伝導性部材は、第1の熱伝導性部材と第2の熱伝導性部材とを含み、
    前記第1の熱伝導性部材及び前記第2の熱伝導性部材は、波状部材であり、
    前記第1の熱伝導性部材の一部は前記第1のシート部材に熱伝導可能に接合され、
    前記第2の熱伝導性部材の一部は前記第2のシート部材に熱伝導可能に接合されている請求項5に記載の蓄熱ユニット。
  7. 前記第1の熱伝導性部材の谷部は前記第1のシート部材に熱伝導可能に接合され、
    前記第2の熱伝導性部材の谷部は前記第2のシート部材に熱伝導可能に接合され、
    前記第1の熱伝導性部材と前記第2の熱伝導性部材は互いに噛み合うように配置されている請求項6に記載の蓄熱ユニット。
  8. 前記第1の熱伝導性部材及び前記第2の熱伝導性部材の少なくとも一方の、山部と谷部を結ぶ斜面に開口部が設けられている請求項3、6、7のいずれか1項に記載の蓄熱ユニット。
  9. 前記蓄熱ユニットが真空環境下にある場合、前記熱伝導性部材は、前記相変化蓄熱材と接触する請求項1〜8のいずれか1項に記載の蓄熱ユニット。
  10. 前記相変化蓄熱材は、真空状態で前記密閉容器に封入されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の蓄熱ユニット。
  11. 前記第1のシート部材は、波状部材である請求項1〜10のいずれか1項に記載の蓄熱ユニット。
  12. 密閉容器と、
    前記密閉容器に封入される相変化蓄熱材と、
    前記相変化蓄熱材に接触する複数の第1の熱伝導部と、
    を含み、
    前記密閉容器の内壁部は、熱伝導性を有し、
    前記複数の第1の熱伝導部の一端が、前記密閉容器の熱源に接する第1の内壁部分に連結され、前記複数の第1の熱伝導部のうちの少なくとも一部の他端が、前記第1の内壁部分に対して前記相変化蓄熱材を挟んだ位置にある第2の内壁部分に連結されている、
    蓄熱ユニット。
  13. 前記複数の第1の熱伝導部のほぼ全ての他端が、前記密閉容器の内壁部に連結されている請求項12に記載の蓄熱ユニット。
  14. 少なくとも1つの第2の熱伝導部を更に含み、
    前記少なくとも1つの第2の熱伝導部の各々は、前記複数の第1の熱伝導部のうちの少なくとも一部と交点を有し、該交点で連結されている請求項12又は13に記載の蓄熱ユニット。
  15. 前記少なくとも1つの第2の熱伝導部のうちの少なくとも一部の一端及び/又は他端が、前記密閉容器の内壁部に連結されている請求項14に記載の蓄熱ユニット。
  16. 前記少なくとも1つの第2の熱伝導部のほぼ全ての一端及び/又は他端が、前記密閉容器の内壁部に連結されている請求項14に記載の蓄熱ユニット。
  17. 前記密閉容器、前記複数の第1の熱伝導部、及び前記少なくとも1つの第2の熱伝導部のうちの少なくとも2つは、一体的に形成されている請求項12〜16のいずれか1項に記載の蓄熱ユニット。
  18. 前記複数の第1の熱伝導部及び前記少なくとも1つの第2の熱伝導部のうちの少なくとも一部は、柱状又は線状の熱伝導部である請求項12〜17のいずれか1項に記載の蓄熱ユニット。
  19. 前記複数の第1の熱伝導部及び前記少なくとも1つの第2の熱伝導部は、柱状又は線状の熱伝導部であり、3次元網目構造体を形成している請求項14〜18のいずれか1項に記載の蓄熱ユニット。
  20. 前記少なくとも1つの第2の熱伝導部の数密度が、前記複数の第1の熱伝導部の数密度よりも小さい請求項12〜19のいずれか1項に記載の蓄熱ユニット。
  21. 密閉容器と、
    前記密閉容器に封入される相変化蓄熱材と、
    3次元網目構造体と、
    を含み、
    前記密閉容器の内壁部は、熱伝導性を有し、
    前記3次元網目構造体は、複数の線状又は柱状の熱伝導部が互いに連結されることにより形成され、
    前記線状の熱伝導部の一部が、前記相変化蓄熱材に接触し、前記密閉容器の内壁部に連結される連結部を備えている、
    蓄熱ユニット。
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