JP5857208B2 - 蓄熱ユニット及びそれを用いた蓄熱モジュール - Google Patents

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Description

本開示は、蓄熱ユニット及びそれを用いた蓄熱モジュールに関する。
従来、水化の多いゲル相と、水化の少ない結晶相との間を潜熱の発生、吸収を伴って可逆的に相転移する塩水和物からなる蓄熱媒体と、蓄熱媒体に混合された金属伝熱材とを含む蓄熱材を用いる蓄熱装置があった(例えば、特許文献1を参照)。
特開平07−331233号公報
本開示の一態様は、放熱性能を向上させることが可能な、蓄熱ユニット及びそれを用いた蓄熱モジュールを提供する。
本開示の一態様に係る蓄熱ユニットは、上流から下流に向かって流れる熱媒体に浸される蓄熱ユニットであって、液相と固相との間を潜熱の発生又は吸収を伴って可逆的に相転移する蓄熱材と、蓄熱材と接するように配置され、蓄熱材と接する接触面の蓄熱材に対する濡れ性は、熱媒体の下流側の方が上流側よりも高く、蓄熱材よりも熱伝導率が高い熱伝導材とを備える。
本開示の一態様によれば、放熱性能を向上させることができる。
図1は、第1の実施形態に係る蓄熱ユニットを示す斜視図である。 図2は、比較例に係る蓄熱ユニットの過冷却の蓄熱材に生じる生成核を示す模式的な平面図である。 図3は、第1の実施形態に係る蓄熱ユニットの過冷却の蓄熱材に生じる生成核を示す模式的な平面図である。 図4(a)は、第1の実施形態に係る蓄熱ユニットと熱媒体の流れとの関係を示す模式的な斜視図である。図4(b)は、図4(a)に示される熱伝導材の側面図、及び熱伝導材の濡れ角と厚さ方向の位置との関係を示す図である。 図5(a)は、第1の実施形態に係る蓄熱ユニットと熱媒体の流れとの関係を示す模式的な斜視図である。図5(b)は、図5(a)に示される熱伝導材の側面図、及び熱伝導材の濡れ角と熱媒体の流れる方向の位置との関係を示す図である。 図6(a)は、第1の実施形態に係る蓄熱ユニットと熱媒体の流れとの関係を示す模式的な斜視図である。図6(b)は、図6(a)に示される熱伝導材の側面図、熱媒体の流れる方向と任意の方向とが成す角度φを示す図、及び熱伝導材の濡れ角と角度φとの関係を示す図である。 図7は、熱伝導材の接触面付近における蓄熱材の固相の生成核の生成頻度と、熱伝導材の濡れ角との関係を示す図である。 図8は、第1の実施形態に係る蓄熱ユニットの他の形態を示す斜視図である。 図9は、第2の実施形態に係る蓄熱ユニットを示す斜視図である。 図10は、第2の実施形態の一変形例に係る蓄熱ユニットを示す斜視図である。 図11は、第3の実施形態に係る蓄熱ユニットを示す斜視図である。 図12(a)は、第3の実施形態に係る蓄熱ユニットを構成するサブユニットを示す斜視図である。図12(b)は、図12(a)のXIIb−XIIb線における断面図である。図12(c)は、図12(a)のXIIc−XIIc線における断面図である。 図13は、第4の実施形態に係る蓄熱モジュールを示す斜視図である。 図14は、第4の実施形態に係る蓄熱モジュールを構成する蓄熱ユニットを示す斜視図である。 図15は、第4の実施形態に係る蓄熱モジュールを構成する蓄熱ユニットの他の形態を示す斜視図である。 図16は、第4の実施形態に係る蓄熱モジュールを用いた応用例を示すブロック図である。
本開示の一態様に係る蓄熱ユニットは、上流から下流に向かって流れる熱媒体に浸される蓄熱ユニットであって、液相と固相との間を潜熱の発生又は吸収を伴って可逆的に相転移する蓄熱材と、蓄熱材と接するように配置され、蓄熱材と接する接触面の蓄熱材に対する濡れ性は、熱媒体の下流側の方が上流側よりも高く、蓄熱材よりも熱伝導率が高い熱伝導材とを備える。
本開示の一態様に係る蓄熱ユニットにおいて、熱伝導材は、熱媒体が流れる方向と垂直な方向の長さに比して、熱媒体が流れる方向の長さが長くてもよい。
本開示の一態様に係る蓄熱ユニットにおいて、蓄熱材は板状であり、熱伝導材は、蓄熱材の平面に垂直な方向に配置されていてもよい。
本開示の一態様に係る蓄熱ユニットにおいて、蓄熱材を封止する封止材をさらに備えてもよい。
この場合、熱伝導材は、封止材の内部に固定的に配置されてもよい。
熱伝導材は、熱媒体が流れる方向と垂直な方向の両端において封止材と熱的に結合し、両端間で互いに対向する1対の接触面において蓄熱材と接触してもよい。
封止材は、熱伝導材と一体に形成されていてもよい。
封止材は、金属、グラファイト又はセラミックにより構成されてもよい。
本開示の一態様に係る蓄熱ユニットにおいて、熱伝導材における蓄熱材と接する接触面の蓄熱材に対する濡れ性は、接触面の短手方向の中央部の方が両端部よりも高くてもよい。
本開示の一態様に係る蓄熱ユニットにおいて、熱伝導材における蓄熱材と接する接触面の蓄熱材に対する濡れ性は、熱媒体の流れる方向と比べて、熱媒体の流れる方向と直交する方向の方が高くてもよい。
本開示の一態様に係る蓄熱ユニットにおいて、蓄熱ユニットは、互いに隣接する複数のサブユニットを備え、複数のサブユニットのそれぞれは、蓄熱材と、蓄熱材を封止する熱伝導材とから構成されてもよい。
本開示の一態様に係る蓄熱ユニットにおいて、熱伝導材は、金属、グラファイト又はセラミックにより構成されてもよい。
本開示の一態様に係る蓄熱ユニットにおいて、熱伝導材の接触面の少なくとも一部に、ナノ構造体を形成する処理、プラズマ処理若しくは酸化処理による表面処理、又は接触面に樹脂材を固着させる表面処理が施されていてもよい。
本開示の一態様に係る蓄熱ユニットにおいて、蓄熱材よりも熱伝導率が高い材料により構成され、熱媒体が流れる方向と交差する方向に延びる少なくとも1つの仕切り板をさらに備え、蓄熱材は仕切り板によって分割されていてもよい。
この場合、仕切り板には、開口部が形成されていてもよい。
仕切り板は、複数設けられており、複数の仕切り板の間の間隔は、熱媒体の上流側と比べて下流側の方が小さくてもよい。仕切り板によって分割される蓄熱材の各領域は、熱媒体の下流側の領域の方が、上流側の領域よりも小さくてもよい。
本開示の一態様に係る蓄熱モジュールは、上記のいずれかの蓄熱ユニットと、蓄積ユニットを内部に保持する筐体とを備え、筐体には、流入口及び流出口が設けられ、流入口から熱媒体が流入し、流出口から熱媒体が流出してもよい。この場合、筐体には、複数の板状の蓄熱ユニットが、互いに間隔を置き且つ積層されて収容されてもよい。
本開示のその他の態様に係る蓄熱ユニットは、上流から下流に向かって流れる熱媒体に浸される蓄熱ユニットであって、液相と固相との間を潜熱の発生又は吸収を伴って可逆的に相転移する蓄熱材と、蓄熱材に接するように配置され、蓄熱材に接する接触面の蓄熱材に対する濡れ性は、接触面の短手方向の中央部の方が両端部よりも高く、蓄熱材よりも熱伝導率が高い熱伝導材とを備えていてもよい。
本開示のその他の態様に係る蓄熱ユニットは、上流から下流に向かって流れる熱媒体に浸される蓄熱ユニットであって、液相と固相との間を潜熱の発生又は吸収を伴って可逆的に相転移する蓄熱材と、蓄熱材に接するように配置され、蓄熱材に接する接触面の蓄熱材に対する濡れ性は、熱媒体の流れる方向と比べて、熱媒体の流れる方向と直交する方向の方が高く、蓄熱材よりも熱伝導率が高い熱伝導材とを備えていてもよい。
(第1の実施形態)
[蓄熱ユニット100の全体構成]
以下、第1の実施形態に係る蓄熱ユニットについて図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る蓄熱ユニット100は、板状の蓄熱材10と、板状の複数の熱伝導材20とを有している。複数の熱伝導材20は、蓄熱材10を複数の板状に分割している。各熱伝導材20は、蓄熱材10の側面と接するように配置されている。蓄熱材10は、液相と固相との間を潜熱の発生又は吸収を伴って可逆的に相転移する材料である。蓄熱材10には、例えば、酢酸ナトリウム、硫酸ナトリウム又はチオ硫酸ナトリウム等の水和物を用いることができる。なお、液相は、水化の多いゲル相を含み、固相は、水化の少ない結晶相を含む。
熱伝導材20は、蓄熱材10よりも熱伝導率が高い材料であればよい。熱伝導材20には、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス、銅、グラファイト又はセラミック等を用いることができる。
図2は、比較例に係る蓄熱ユニットの模式的な平面図である。蓄熱材10が過冷却の液相状態にある場合、蓄熱材10は、機械的な振動又は急激な温度変化等によって、固相に相転移する。相転移の過渡期に、固相の生成核10aが生じる。
図3は、本実施形態に係る蓄熱ユニット100の模式的な平面図である。図3に示すように、本実施形態に係る蓄熱ユニット100には、蓄熱材10と接する複数の熱伝導材20を設けている。また、熱伝導材20は、蓄熱材10と接する接触面の蓄熱材10に対する濡れ性が高められている。これにより、過渡期に生じる固相の生成核10aの発生頻度(発生確率)を高くすることができる。その結果、蓄熱材10が凝固しやすくなるので、蓄熱ユニット100における放熱性を向上させることができる。なお、熱伝導材20の接触面の濡れ性が均一に高められている場合、蓄熱材10は全体が均一に凝固しやすくなる。
蓄熱ユニット100は、例えば、後述する封止材によって封止され、熱媒体に浸される。この場合、熱伝導材20は、封止材の内部に固定的に配置されていてもよい。熱伝導材20は、熱媒体が流れる方向と垂直な方向の両端において封止材と熱的に結合し、両端間で互いに対向する1対の接触面において蓄熱材10と接触する。例えば、熱伝導材20が、蓄熱ユニット100の厚さ方向に上端部及び下端部を有する板状部材である場合、その上端部および下端部が封止材と熱的に結合しており、かつ、その板状部材を構成する1対の主面が両隣の蓄熱材10と接する接触面を有していてもよい。
熱伝導材20は、例えば、熱媒体が流れる方向と垂直な方向の長さに比して、熱媒体が流れる方向の長さが長くなるように配置される。
[熱伝導材20の濡れ性に関する第1の例]
以下、図4(a)及び図4(b)を参照しながら、熱伝導材20の濡れ性に関する第1の例について説明する。
図4(a)は、蓄熱ユニット100に対する熱媒体の流れる方向を示している。図4(a)は、熱媒体が、熱伝導材20で分割された複数の板状の蓄熱材10の長手方向に流れる様子を表している。熱媒体は、加熱対象となる液体等である。この場合、各蓄熱材10の上部及び下部からの熱媒体への放熱量が、中央部からの熱媒体への放熱量よりも多くなる。言い換えれば、各蓄熱材10の中央部からの放熱量がその上部及び下部からの放熱量よりも少ないため、各蓄熱材10の中央部の熱は熱媒体に伝わりにくい。これは、蓄熱材10の上部及び下部で発生する潜熱が、蓄熱材10の中央部から外部への放熱を妨げるような温度勾配を形成するためである。
蓄熱ユニット100は、各蓄熱材10の中央部の熱を熱媒体に伝わり易くするために、熱伝導材20を各蓄熱材10と接するように配置している。
第1の例では、熱伝導材20の上記効果に加え、下記の特徴によって、さらなる放熱性の向上を実現する。なお、本開示において「熱伝導材の濡れ性」とは、特に断りの無い限り、熱伝導材の接触面(熱伝導材のうち蓄熱材と接する接触面)が有する、蓄熱材に対する濡れ性を意味する。
図4(b)の側面図に示すように、板状の熱伝導材20における蓄熱材10と接する接触面の蓄熱材10に対する濡れ性は、接触面における長手方向に垂直な方向(短手方向)の上端部20a及び下端部20aと比べて中央部20bの方が高い。ここで、熱伝導材20と蓄熱材10との接触角である濡れ角θ(°)が小さいほど、熱伝導材20の濡れ性が高い。
熱伝導材20のうち蓄熱材10と接する接触面の中央部20bにおける蓄熱材10に対する濡れ性が、上端部20a及び下端部20aよりも高くなることから、熱伝導材20の接触面の中央部20b付近における蓄熱材10の固相の核の生成頻度が、熱伝導材20の側面の上端部20a及び下端部20a付近における核の生成頻度よりも高くなる。
これにより、凝固反応の初期において、蓄熱材10の中央部の凝固が優先的に促進され、蓄熱材10の中央部に潜熱が発生する。その潜熱は、中央部から外部に向かって放熱しやすい温度勾配を形成し、これによって放熱が効率的に促進される。そして、凝固反応が蓄熱材10の中央部から上部及び下部へと順次発生する。
このように、蓄熱材10と接する中央部20bの蓄熱材10に対する表面の濡れ性を向上させた熱伝導材20を、蓄熱材10の内部に均一に配置することにより、蓄熱材10における熱伝導材20の中央部の領域での固相の核の生成頻度が高くなる。このため、蓄熱材10の中央部の凝固を促進できるので、全体として凝固反応が促進されて、潜熱の発生速度を高めることが可能となる。その上、蓄熱材10の凝固時に発生した潜熱を、複数の熱伝導材20によって速やかに熱媒体に伝熱することができる。すなわち、単位時間当たりの放熱レートを増大させることが可能となる。従って、放熱性能を向上させることができる。
また、蓄熱ユニット100は、ヒーター又は攪拌器等を備えない場合であっても、放熱性能を向上できる。これにより、蓄熱ユニットの小型化が可能となる。
なお、熱伝導材20における濡れ性は、蓄熱材10との接触面にナノ構造体を形成するか、接触面にプラズマ処理又は酸化処理等による表面処理を施すことによって変化させることができる。
例えば、熱伝導材20の接触面にナノ構造体を形成することによって、接触面の表面積を大きくした場合、接触面の濡れ性が高くなる。例えば、熱伝導材20の接触面に表面処理を施して、接触面の表面粗さを大きくした場合、接触面の濡れ性が高くなる。なお、ナノ構造体を形成する領域または表面処理を施す領域は、熱伝導材20の接触面の一部の領域であってもよいし、全領域であってもよい。
例えば、接触面にナノ構造体を形成するには、リソグラフィやエッチングを用いればよい。
また、プラズマ処理は、熱伝導材20の接触面を酸素プラズマ又は窒素プラズマ等に曝す処理を行えばよい。また、酸化処理は、熱伝導材20の基材が金属の場合は、酸性のガス又は酸性の溶液により、熱伝導材20の接触面を選択的に酸化すればよい。
また、熱伝導材20における濡れ性は、蓄熱材10との接触面に、フッ素樹脂又はシリコーン樹脂等の樹脂材をコーティング又は固着させる等の表面処理を施すことによっても変化させることができる。
なお、濡れ性は、熱伝導材20の基材に対して所定の処理を施すことによって、熱伝導材20の基材の基本性能よりも高くする方向に変化させてもよく、また、低くする方向に変化させてもよい。例えば、非常に濡れ性が高い熱伝導材20の一部の領域に対してフッ素樹脂材をコーティングすることにより、当領域の濡れ性を低くしてもよい。
また、図4(b)のように、濡れ性が変化する領域では、濡れ性を徐々に変化させてもよく、また、段階的(ステップ状)に変化させてもよい。
なお、濡れ角の数値範囲の一例は後述する。
[熱伝導材20の濡れ性に関する第2の例]
以下、図5(a)及び図5(b)を参照しながら、熱伝導材20の濡れ性に関する第2の例について説明する。
図5(a)及び図5(b)に示すように、第2の例においては、熱伝導材20における蓄熱材10と接する接触面の蓄熱材10に対する濡れ性を、熱媒体の上流側の端部と比べて下流側の端部の方を高くする。
ここで、熱媒体は、上流側を通過する際に蓄熱材10から熱伝導材20を介して受け取った熱により、下流側ではその温度が上昇している。従って、蓄熱材10の下流側は、熱媒体との温度差が小さく、すなわち温度勾配が緩やかになっている。そのため、蓄熱材10の下流側部分は放熱しにくい。
従って、第2の例では、熱伝導材20の蓄熱材10との接触面の濡れ性を、熱媒体の上流側よりも下流側を高くする。
このようにすると、熱伝導材20における蓄熱材10と接する下流側部分の濡れ性がその上流側部分よりも高くなるので、熱伝導材20の接触面の下流側部分付近の蓄熱材10における固相の核の生成頻度が、上流側部分付近の蓄熱材10における核の生成頻度よりも高くなる。
これにより、蓄熱材10の下流側部分において、凝固反応が促進され、単位時間当たりに発生する潜熱の量が大きくなる。そのため、熱媒体の温度が高い下流側においても、熱媒体と蓄熱材10との間の温度差を大きくすることができる。
従って、蓄熱材10の凝固時に蓄熱材10の下流側部分において発生した潜熱も、速やかに熱媒体に伝熱することができる。すなわち、単位時間当たりの放熱レートを増大させることが可能となる。従って、熱性能を向上させることができる。
また、蓄熱ユニット100は、ヒーター又は攪拌器等を備えない場合であっても、放熱性能を向上できる。これにより、蓄熱ユニットの小型化が可能となる。
なお、濡れ性が変化する領域では、濡れ性を徐々に変化させてもよく、また、段階的(ステップ状)に変化させてもよい。
[熱伝導材20の濡れ性に関する第3の例]
以下、図6(a)及び図6(b)を参照しながら、熱伝導材20の濡れ性に関する第3の例について説明する。
図6(a)及び図6(b)に示すように、第3の例においては、熱伝導材20における蓄熱材10と接する接触面の蓄熱材10に対する濡れ性を、熱媒体の流れる方向の濡れ性よりも、厚さ方向の濡れ性が高くなるようにする。
例えば、熱媒体の流れる方向に対する角度φ(°)が90°の偶数倍となる方向(0°、180°)は、濡れ性の指標となる濡れ角θ(°)を大きく、すなわち濡れ性を小さくする。また、角度φ(°)が90°の奇数倍となる方向(90°、270°)は、濡れ角を小さく、すなわち濡れ性を大きくする。
このようにすると、熱伝導材20における蓄熱材10と接する領域の濡れ性が、熱媒体の流れる方向と直交する方向、すなわち、熱伝導材20の厚さ方向において高くなる。また、熱媒体の流れる方向、すなわち、熱伝導材20の長手方向において濡れ性が低くなる。したがって、熱伝導材20の接触面の厚さ方向における固相の核の生成頻度は、長手方向における生成頻度よりも高くなる。その結果、厚さ方向の凝固反応速度を加速できるため全体として凝固反応を促進し、潜熱の発生速度を高めることが可能となる。
従って、蓄熱材10の凝固時に蓄熱材10の中央部分で発生した潜熱を、速やかに熱媒体に伝熱することができる。すなわち、単位時間当たりの放熱レートを増大させることが可能となる。従って、放熱性能を向上させることができる。
また、蓄熱ユニット100は、ヒーター又は攪拌器等を備えない場合であっても、放熱性能を向上できる。これにより、蓄熱ユニットの小型化が可能となる。
なお、第2の例及び第3の例においても、熱伝導材20の接触面の濡れ性を変化させるには、第1の例で上述した方法を採ることができる。
また、濡れ性が変化する領域では、濡れ性を徐々に変化させてもよく、また、段階的(ステップ状)に変化させてもよい。
なお、熱伝導材20の濡れ性は、第1の例、第2の例、及び第3の例を任意に組み合わせることができる。例えば、熱伝導材20は、熱伝導材20の厚さ方向の位置に対して第1の例で説明された濡れ性の高低が設けられるとともに、熱伝導材20の熱媒体が流れる方向の位置に対して第2の例で説明された濡れ性の高低が設けられていてもよい。例えば、熱伝導材20は、熱伝導材20の厚さ方向の位置に対して第1の例で説明された濡れ性の高低が設けられるとともに、熱伝導材20の各位置において第3の例で説明された濡れ性の高低の方向依存性を有していてもよい。
[濡れ角の数値範囲の一例]
図7は、核の生成頻度の濡れ角θの依存性を示す関数とそのグラフを示す。母相が液相である蓄熱材10は、熱伝導材20の付近で固相の核を生成することによって、固相へと変化する。関数f(θ)は、固相の核の生成頻度I(生成確率)を決定するパラメータの1つであり、f(θ)の値が大きいほど、核の生成頻度が小さくなる。
従って、濡れ性を良好にするために、濡れ角θの範囲として、0°以上且つ25°以下の値を用いることができる。これにより、核生成頻度Iが0.7を超える。
図8に、蓄熱ユニット100の他の形態として、蓄熱ユニット100が封止材30によって上下から一体に封止された蓄熱ユニット100Aを示す。
このように、封止材30を設けることにより、蓄熱材10の粘度を低くすることが可能となり、その扱いが容易となる。
封止材30における蓄熱材10と接する接触面の蓄熱材10に対する濡れ性は、熱媒体の上流側の端部と比べて下流側の端部の方を高くしてもよい。
ここで、熱媒体は、上流側を通過する際に蓄熱材10から封止材30を介して受け取った熱により、下流側ではその温度が既に上昇している。従って、蓄熱材10の下流側は、熱媒体との温度差が小さく、すなわち温度勾配が緩やかになっている。そのため、蓄熱材10の下流側部分は放熱しにくい。
従って、熱伝導材20の第2の例と同様に、封止材30の蓄熱材10との接触面の濡れ性は、熱媒体の上流側よりも下流側を高くしてもよい。
このようにすると、封止材30における蓄熱材10と接する下流側部分の濡れ性がその上流側部分よりも高くなるので、封止材30の接触面の下流側部分付近の蓄熱材10における固相の核の生成頻度が、上流側部分付近の蓄熱材10における核の生成頻度よりも高くなる。
これにより、蓄熱材10の凝固時に蓄熱材10の下流側部分において発生した潜熱も、速やかに熱媒体に伝熱することができる。すなわち、単位時間当たりの放熱レートを増大させることが可能となる。従って、放熱性能を向上させることができる。
また、蓄熱ユニット100は、ヒーター又は攪拌器等を備えない場合であっても、放熱性能を向上できる。これにより、蓄熱ユニットの小型化が可能となる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態に係る蓄熱ユニットについて図9を参照しながら説明する。
図9に示すように、本実施形態に係る蓄熱ユニット100Bは、複数の仕切り用熱伝導材21が設けられている。仕切り用熱伝導材21は、蓄熱材10の長手方向(熱媒体の流れる方向)に延びる各熱伝導材20と交差する方向に配置されている。仕切り用熱伝導材21は、各熱伝導材20の位置決めと熱伝導の役割を担っている。仕切り用熱伝導材21には、開口部21aが設けられていてもよい。仕切り用熱伝導材21に開口部21aを設けると、蓄熱材10の上流側から凝固(結晶化)が始まった場合に、上流側から下流側へ進行する結晶化を阻害することが無くなる。その結果、下流側の凝固が速まることにより、単位時間当たりの放熱レートを増大させることが可能となる。
仕切り用熱伝導材21には、蓄熱材10よりも熱伝導率が高い材料、例えば上述した金属等を用いることができる。仕切り用熱伝導材21には、熱伝導材20と同一の材料を用いることができるし、熱伝導材20と異なる材料を用いることができる。
また、仕切り用熱伝導材21の形状は、図9に示すような板状だけでなく、ワイヤ状の形状であってもよい。
このように、第2の実施形態によると、蓄熱材10の凝固時に発生した潜熱を、複数の熱伝導材20及び複数の仕切り用熱伝導材21によって熱媒体に速やかに伝熱することができる。すなわち、単位時間当たりの放熱レートを増大させることが可能となる。従って、小型化を可能としながら、放熱性能を向上させることができる。
なお、各熱伝導材20における蓄熱材10と接する接触面には、図4から図6に示したような、濡れ性を選択的に向上させる構成を付加してもよい。この場合、熱伝導材20のうち濡れ性を向上させた領域の付近、及び仕切り用熱伝導材21のうち濡れ性を向上させた領域の付近において、蓄熱材10の固相の核の生成頻度が高くなる。そのため、蓄熱材10の凝固が速まることにより、放熱性能をさらに向上することができる。
(第2の実施形態の一変形例)
以下、図10を参照しながら、本実施形態の一変形例について説明する。
図10に示すように、本変形例に係る蓄熱ユニット100Cは、複数の仕切り用熱伝導材21の間の間隔が、熱媒体の上流側と比べて下流側の方を小さくしている。すなわち、仕切り用熱伝導材21によって分割される蓄熱材10の各領域は、熱媒体の下流側の領域の方が、上流側の領域よりも小さくなっている。
このようにすると、蓄熱材10の凝固時に、蓄熱材10の下流側部分において発生した潜熱も、速やかに熱媒体に伝熱することができる。すなわち、単位時間当たりの放熱レートを増大させることが可能となる。従って、小型化を可能としながら、放熱性能を向上させることができる。
なお、各熱伝導材20における蓄熱材10と接する接触面には、図4及び図6に示したような、濡れ性を選択的に向上させる構成を付加してもよい。この場合、熱伝導材20のうち濡れ性を向上させた領域の付近、及び仕切り用熱伝導材21のうち濡れ性を向上させた領域の付近において、蓄熱材10の固相の核の生成頻度が高くなる。そのため、蓄熱材10の凝固が速まることにより、放熱性能をさらに向上することができる。
また、第2の実施形態に係る蓄熱ユニット100B及びその変形例に係る蓄熱ユニット100Cにおいても、図8に示したように、その上面及び下面が封止材30によって封止されていてもよい。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態に係る蓄熱ユニットについて図11を参照しながら説明する。
図11に示すように、本実施形態に係る蓄熱ユニット100Dは、複数の短冊状の熱伝導材22を有する。熱伝導材22の長手方向の側面は、隣り合う他の熱伝導材22の長手方向の側面と固着されている。熱伝導材22の内部には、蓄熱材10が封止されている。熱伝導材22同士の固着には、熱伝導性が良好な固着方法、例えば、熱伝導性接着剤による接着固定、又は溶接等を用いることができる。
図12(a)は、サブユニットを構成する1つの熱伝導材22の斜視図である。図12(b)は幅方向(長手方向に垂直な方向)の断面であり、図12(c)は長手方向の断面である。図12(b)及び(c)に示すように、蓄熱材10は、中空の熱伝導材22の内部に封止されている。
すなわち、各熱伝導材22は蓄熱材10を封止する封止材として用いられる。そして、熱伝導材22と蓄熱材10とがサブユニットを構成する。各サブユニットは隣接して一体となり、蓄熱ユニット100Dを構成する。この蓄熱ユニット100Dは、例えば、熱媒体に浸される。蓄熱ユニット100Dの各サブユニットは、例えば、熱媒体が流れる方向と垂直な方向の長さに比して、熱媒体が流れる方向の長さが長くなるように配置される。
図12(a)に示す、蓄熱材10が封止された1つの熱伝導材22を作製する方法の一例を説明する。まず、短冊状で中空の熱伝導材22を用意し、熱伝導材22の一方の端部を、熱伝導材22と同一又は同等の材料を固着して密閉する。熱伝導材22が金属の場合は、熱伝導材22の一方の端部を圧着により密閉することも可能である。その後、開放状態にある熱伝導材22の他方の端部から、液相状態にある蓄熱材10を流し込む。その後、熱伝導材22の他方の端部を、一方の端部と同様にして密閉する。
また、図12(b)に示した熱伝導材22の内側面22aは、蓄熱材10との接触面である。熱伝導材22の内側面22aに対して、図4〜図6に示したような、濡れ性を選択的に向上させる構成が付加されてもよい。図12(c)に示した熱伝導材22の内側上下面22bは、蓄熱材10との接触面である。熱伝導材22の内側上下面22bにおける蓄熱材10に対する濡れ性は、熱媒体の上流側の端部と比べて下流側の端部の方が高くてもよい。
第3の実施形態によると、蓄熱材10を封止した短冊状の熱伝導材22を均等に配置することにより、熱伝導材22の付近の領域における蓄熱材10の固相の核の生成頻度が高くなる。そのため、蓄熱材10の全体が均一に凝固する。その上、蓄熱材10の凝固時に発生した潜熱を、複数の熱伝導材22によって速やかに熱媒体に伝熱することができる。すなわち、短時間当たりの放熱レートを増大させることが可能となる。従って、小型化を可能としながら、放熱性能を向上させることができる。
また、本実施形態に係る蓄熱ユニット100Dは、内部に蓄熱材10を封止した複数の短冊状の熱伝導材22を、熱伝導材22の幅方向で互いが隣り合うように順次固着することによって、複数の熱伝導材22を連結できる。そのため、用途に応じて、1ユニット当たりの熱容量を容易に設定することができる。
なお、図10に示した第2の実施形態と同様に、サブユニットには、少なくとも1つの仕切り用熱伝導材21を設けてもよい。また、仕切り用熱伝導材21には、開口部21aを設けてもよい。
また、図11に示した第2の実施形態の一変形例と同様に、サブユニットに複数の仕切り用熱伝導材21を設ける場合には、複数の仕切り用熱伝導材21の間の間隔を、熱媒体の上流側と比べて下流側が小さくなるようにしてもよい。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態に係る蓄熱モジュールについて図13を参照しながら説明する。
図13に示すように、本実施形態に係る蓄熱モジュール200は、例えば、互いに間隔をあけて上下方向に積層された複数の蓄熱ユニット100Aと、複数の蓄熱ユニット100Aを収容する直方体状の筐体51と、脱着可能であって、且つ装着時に筐体51を密閉可能な蓋体52とから構成されている。
例えば、蓋体52の右下の角部には、熱媒体が流入する流入口52aが設けられ、筐体51における蓋体52と対向する側面(後面)の対角位置には、熱媒体が流出する流出口51aが設けられている。
なお、流入口52aは、必ずしも蓋体52に設ける必要はなく、筐体51の側面における流出口51aとの距離が遠くなる位置に設けてもよい。
また、流入口52aが筐体51に設けられてもよく、流出口51aが蓋体52又は筐体51の蓋体52に近い位置に設けられてもよい。
筐体51及び蓋体52には、熱媒体の熱が奪われないように、熱伝導性が低い材料、例えば樹脂材を用いることができる。また、筐体51及び蓋体52に金属等の熱伝導性が高い材料を用いる場合には、筐体51及び蓋体52の内壁面、並びに筐体51及び蓋体52の外壁面の少なくとも一方に断熱材を設けてもよい。これにより、筐体51及び蓋体52の保温性が向上する。
図14は、複数の蓄熱ユニット100Aの一構成例である。図14に示すように、所定の数の複数の蓄熱ユニット100Aが、スペーサ(図示せず)を介して上下方向に積層されている。
また、図15は、複数の蓄熱ユニット100Aの他の構成例である。図15に示すように、所定の数の複数の蓄熱ユニット100Aが、保持可能な保持部材53によって保持され、互いに間隔をあけて上下方向に積層されている。保持部材53は、金属又は樹脂材により構成することができる。
なお、本実施形態に係る蓄熱モジュール200に用いる蓄熱ユニットは、蓄熱ユニット100Aに限られず、蓄熱ユニット100、100B、100C又は100Dであってもよい。
(応用例)
以下、第4の実施形態に係る蓄熱モジュールの応用例について図16を参照しながら説明する。
図16に示すように、本応用例では、第3の実施形態に係る蓄熱モジュール200を、例えば、エンジンを搭載した車両における迅速な暖機及び迅速な暖房に用いている。この場合の熱媒体は、水又は不凍液(エチレングリコールの水溶液)である。
タンク201に収容されている熱媒体(以下、冷却液と呼ぶ。)は、例えば電動ポンプ202により、蓄熱モジュール200を介して又は迂回して車室内熱交換器203に流入する。車室内熱交換器203から流出した冷却液は、ラジエータ204を介して又は迂回してエンジン205の外部に流入し、その後、タンク201に戻る。
外気温と同程度の温度状態にあるエンジン205を始動すると、電動ポンプ202によって、タンク201内の冷却液が蓄熱モジュール200、車室内熱交換器203及びエンジン205を介して循環する。このとき、エンジン205によって暖められた冷却液は、その熱を蓄熱モジュール200内の複数の蓄熱材10に伝える。冷却水の温度上昇は、過冷却の液相状態にある蓄熱材10の中に多数の固相の生成核を生成させ、蓄熱材10を凝固させる。これにより、蓄熱材10が潜熱を速やかに冷却水に放出することにより、冷却液の温度は所定の温度に近づく。潜熱を放出し終わった蓄熱材10は、エンジン205によって暖められた冷却液が、蓄熱材10の凝固温度を超えると、液相に戻る。
なお、本応用例では、蓄熱材10に固相の核を生成させるトリガを、エンジン205の始動後の冷却水の急激な温度上昇としたが、これに限られず、エンジン205の始動時の機械的振動をトリガとすることができる。
また、蓄熱モジュール200は、生成核を生じさせる補機として、以下のような発核装置を備えてもよい。例えば、振動発生装置、超音波照射装置、又は電圧の印加装置等を用いてもよい。
また、上記のような発核装置を用いる場合には、エンジン205を搭載しない車両、例えば電気自動車にも、本実施形態に係る蓄熱モジュール200を搭載することができる。
本開示に係る蓄熱ユニット及びそれを用いた蓄熱モジュールは、例えば、車両等に用いることができる。
10 蓄熱材
10a 生成核
20 熱伝導材
20a 上端部、下端部
20b 中央部
21 仕切り用熱伝導材
21a 開口部
22 熱伝導材
22a 内側面
22b 内側上下面
30 封止材
51 筐体
51a 流出口
52 蓋体
52a 流入口
53 保持部材
100,100A,100B,100C,100D 蓄熱ユニット
200 蓄熱モジュール
201 タンク
202 電動ポンプ
203 車室内熱交換器
204 ラジエータ
205 エンジン

Claims (19)

  1. 上流から下流に向かって流れる熱媒体に浸される蓄熱ユニットであって、
    液相と固相との間を潜熱の発生又は吸収を伴って可逆的に相転移する蓄熱材と、
    前記蓄熱材と接するように配置され、前記蓄熱材と接する接触面の前記蓄熱材に対する濡れ性は、前記熱媒体の下流側の方が上流側よりも高く、前記蓄熱材よりも熱伝導率が高い熱伝導材とを備える、蓄熱ユニット。
  2. 前記熱伝導材は、前記熱媒体が流れる方向と垂直な方向の長さに比して、前記熱媒体が流れる方向の長さが長い、請求項1に記載の蓄熱ユニット。
  3. 前記蓄熱材は板状であり、
    前記熱伝導材は、前記蓄熱材の平面に垂直な方向に配置された、請求項1又は2に記載の蓄熱ユニット。
  4. 前記蓄熱材を封止する封止材をさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の蓄熱ユニット。
  5. 前記熱伝導材は、前記封止材の内部に固定的に配置される、請求項4に記載の蓄熱ユニット。
  6. 前記熱伝導材は、前記熱媒体が流れる方向と垂直な方向の両端において前記封止材と熱的に結合し、前記両端間で互いに対向する1対の接触面において前記蓄熱材と接触する、請求項4に記載の蓄熱ユニット。
  7. 前記熱伝導材における前記蓄熱材と接する接触面の前記蓄熱材に対する濡れ性は、前記接触面の短手方向の中央部の方が両端部よりも高い、請求項1から6のいずれか1項に記載の蓄熱ユニット。
  8. 前記熱伝導材における前記蓄熱材と接する接触面の前記蓄熱材に対する濡れ性は、前記熱媒体の流れる方向と比べて、該熱媒体の流れる方向と直交する方向の方が高い、請求項1から7のいずれか1項に記載の蓄熱ユニット。
  9. 前記封止材は、前記熱伝導材と一体に形成された、請求項2から8のいずれか1項に記載の蓄熱ユニット。
  10. 前記蓄熱ユニットは、互いに隣接する複数のサブユニットを備え、
    前記複数のサブユニットのそれぞれは、前記蓄熱材と、前記蓄熱材を封止する前記熱伝導材とから構成される、請求項1に記載の蓄熱ユニット。
  11. 前記熱伝導材は、金属、グラファイト又はセラミックにより構成された、請求項1から10のいずれか1項に記載の蓄熱ユニット。
  12. 前記封止材は、金属、グラファイト又はセラミックにより構成された、請求項4から6のいずれか1項に記載の蓄熱ユニット。
  13. 前記熱伝導材の前記接触面の少なくとも一部に、ナノ構造体を形成する処理、プラズマ処理若しくは酸化処理による表面処理、又は前記接触面に樹脂材を固着させる表面処理が施されている、請求項1から12のいずれか1項に記載の蓄熱ユニット。
  14. 該蓄熱材よりも熱伝導率が高い材料により構成され、前記熱媒体が流れる方向と交差する方向に延びる少なくとも1つの仕切り板をさらに備え、
    前記蓄熱材は前記仕切り板によって分割される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の蓄熱ユニット。
  15. 前記仕切り板には、開口部が形成されている、請求項14に記載の蓄熱ユニット。
  16. 前記仕切り板は、複数設けられており、
    前記複数の仕切り板の間の間隔は、前記熱媒体の上流側と比べて下流側の方が小さい、請求項14又は15に記載の蓄熱ユニット。
  17. 前記仕切り板によって分割される前記蓄熱材の各領域は、前記熱媒体の下流側の領域の方が、上流側の領域よりも小さい、請求項14又は15に記載の蓄熱ユニット。
  18. 請求項1から17のいずれか1項に記載の蓄熱ユニットと、
    前記蓄ユニットを内部に保持する筐体とを備え、
    前記筐体には、流入口及び流出口が設けられ、前記流入口から前記熱媒体が流入し、前記流出口から前記熱媒体が流出する、蓄熱モジュール。

  19. 前記筐体には、複数の板状の蓄熱ユニットが、互いに間隔を置き且つ積層されて収容された、請求項18に記載の蓄熱モジュール。
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