JP2011057979A - 洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る洗浄剤組成物は、陰イオン性界面活性剤(A)、マルトオリゴ糖(B)、およびスメクタイト系粘土鉱物(C)を含有することを特徴とする。陰イオン性界面活性剤(A)としては脂肪酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩から選ばれる少なくとも一種が好ましく、マルトオリゴ糖(B)としてはマルトテトラオース及びマルトペンタオースから選ばれる少なくとも一種が好ましく、スメクタイト系粘土鉱物(C)としてはスメクタイト族のモンモリロナイト及びサポナイトから選ばれる少なくとも一種が好ましい。
【選択図】 なし
Description
かかる状況に対して、皮膚刺激性が低く、温和な低刺激性洗浄剤組成物を成分に使用することが考えられるが、洗浄性能が低減するばかりでなく、目的とする「洗浄後に起きる皮膚の痒み及び皮膚刺激性の抑制」を十分に実現することができないというのが、現状である。
[2] 陰イオン性界面活性剤(A)が、脂肪酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[1]に記載の洗浄剤組成物。
[3] マルトオリゴ糖(B)がマルトテトラオース及びマルトペンタオースから選ばれる少なくとも一種である、上記[1]または[2]に記載の洗浄剤組成物。
[4] スメクタイト系粘土鉱物(C)がスメクタイト族のモンモリロナイト及びサポナイトから選ばれる少なくとも一種である、上記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の洗浄剤組成物。
以下、本発明に係る洗浄剤組成物の各必須成分について説明する。
陰イオン性界面活性剤(A)は、本発明の洗浄剤組成物の基本機能である洗浄機能を担う成分である。
陰イオン性界面活性剤は、洗浄剤の基本性能である洗浄力や起泡性、すすぎ時のさっぱり感に優れ、古来より洗浄成分として広く使用されている。しかし、陰イオン性界面活性剤は、肌が敏感になっている人に対して、痒みや、かさつき感といった刺激を発現させるという問題がある。かかる問題点を緩和するために、本発明では、マルトオリゴ糖(B)とスメクタイト系粘土鉱物(C)を組み合わせた構成を採用している。
本発明において陰イオン性界面活性剤(A)に用いられる脂肪酸塩としては、炭素数12〜18の脂肪酸塩が好ましい。かかる炭素数12〜18の脂肪酸塩としては、ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸等の炭素数12〜18の飽和及び不飽和脂肪酸、これらの混合物であるヤシ油脂肪酸、硬化ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、硬化パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸及び硬化牛脂脂肪酸等の塩が挙げられる。
前記塩としてはカリウム塩、ナトリウム塩、トリエタノールアミン塩及びアンモニウム塩が挙げられる。具体的には、ラウリル酸カリウム、ラウリル酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸トリエタノールアミン、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム等が挙げられる。
本発明において陰イオン性界面活性剤(A)に用いられる硫酸塩としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。これらの中でも、炭素数10〜18のアルキル基のものが好ましく、特に炭素数12〜14が好ましい。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩のアルキレン部分は、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンが好ましく、特にポリオキシエチレンが好ましい。また、そのエチレン総平均付加モル数の範囲は2〜4が好ましい。塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明において陰イオン性界面活性剤(A)に用いられるスルホン酸塩としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩等が挙げられ、塩としてはカリウム塩、ナトリウム塩等が挙げられる。
本発明において陰イオン性界面活性剤(A)に用いられるリン酸塩としては、アルキルリン酸エステル塩が挙げられ、塩としてはカリウム塩、ナトリウム塩等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤(A)の配合量は、剤形より異なるが、洗浄剤組成物全量に対して0.5〜40質量%が好ましい。0.5質量%未満だと洗浄力及び起泡性が十分ではなく、40質量%を超えると組成物の粘度が上がる等の製造上の効率低下の要因が生じる場合がある。
本発明者らの検討によれば、マルトオリゴ糖にはNK1阻害作用があり、サブスタンスPによる痒みを抑制する効果が認められる。洗浄剤にマルトオリゴ糖を添加することにより脂肪酸塩(A)によりもたらされる痒みを大きく緩和することができる。この痒み緩和作用は、スメクタイト系粘土鉱物(C)を併用することにより増強される。
ある。
マルトオリゴ糖(B)の配合量は、洗浄剤組成物全量に対して0.001質量%〜50質量%が好ましい。より好ましくは0.01質量%〜35質量%、さらに好ましくは0.1質量%〜15質量%である。
配合量が0.001質量%〜50質量%であると、成分(C)との併用による相乗効果を得ることができる。また、配合量が0.001質量%を下回ると、本発明の効果を発揮できない。また、配合量が50質量%を上回っても効果向上は見られず、処方によっては安定性や製造が困難になるものもあることから、50質量%を超えない方がよい。
本発明に用いるスメクタイト系粘土鉱物(C)としては、天然物、天然物の精製品、天然の膨潤性を改質したもの、合成品等が挙げられ、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、天然又は合成されたモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、ヘクトライト、スチブンサイト等のスメクタイト族の粘土鉱物や、バーミキュライト、膨潤性合成フッ素雲母(Na型、Li型合成マイカ)等が挙げられる。また、上記粘土鉱物のイオン交換反応を行い、膨潤性を向上させた高金属イオン置換粘土鉱物を用いてもよい。
洗浄剤組成物全量に対して0.01〜3質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜2質量%である。この0.01〜3質量%という配合量範囲でより効果が得られる。そし
て、3質量%を超えると製品粘度が高くなり、容器からの排出性が悪くなったり、保存安定性が悪くなったりする場合がある。
マルトオリゴ糖(B)とスメクタイト系粘土鉱物(C)の好ましい配合比率[(B)/(C)]は1/10〜50/1であり、より好ましくは1/5〜20/1である。
マルトオリゴ糖(B)とスメクタイト系粘土鉱物(C)の好ましい配合比率[(B)/(C)]が1/10〜50/1の範囲内にあると、スメクタイト系粘土鉱物(C)によりマルトオリゴ糖(B)の痒み抑制作用を効果的に発揮させることができる。
下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%を示し、表中の各成分の量は純分換算した量である。
下記(表2)〜(表6)に示す組成の洗浄剤組成物(実施例1〜21)を調製した。
すなわち、陰イオン性界面活性剤(A)として、3種の脂肪酸塩(ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム)、2種の硫酸塩(ドデシル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム(2E.O.))、1種のリン酸塩(モノアルキルリン酸エステルナトリウム)、および3種のスルホン酸塩(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、アシルメチルタウリンナトリウム)からなる計9種の陰イオン性界面活性剤を用いた。
下記(表7)に示す組成の洗浄剤組成物を調製した(比較例1〜5)。
すなわち、陰イオン性界面活性剤(A)であるラウリン酸カリウムおよびステアリン酸カリウム、スメクタイト系粘土鉱物(C)であるモンモリロナイトおよび精製水の3成分系からなるサンプル(比較例1);陰イオン性界面活性剤(A)であるラウリン酸カリウムおよびステアリン酸カリウム、マルトテトラオース(マルトオリゴ糖(B))および精製水の3成分からなるサンプル(比較例2);陰イオン性界面活性剤(A)であるラウリン酸カリウムおよびステアリン酸カリウム、マルトオリゴ糖の比較品である3種の多糖類(マルトース、スクロース、イソマルトテトラオース)、スメクタイト系粘土鉱物(C)であるモンモリロナイトおよび精製水の4成分からなるサンプル(比較例3、4、5)を、それぞれ調製した。
被験動物として8週齢の雌性ヘアレスマウス(HOS:HR−1、日本エスエルシー株式会社)を購入し、被験体とした。
上記被験体を、温度23±1℃、湿度60±10%、明暗サイクルを(7:00〜19:00(明)→19:00〜7:00(暗))としたSPF(Specific Pathogen Free:無菌特殊環境)下に置き、通常の餌(日本農産工業株式会社製、商品名「CE2」)と水を自由摂取させて、1週間の予備飼育を行った。
上記予備飼育を終えた後、被験体の両足をソムノペンチル(共立製薬株式会社)を用いて麻酔し、両足の皮下にマグネット片(直径1mm、長さ3mm、ニューロサイエンス社製)を挿入し、実験に供した。
上記予備飼育を終えた後、ソムノペンチル(共立製薬株式会社)麻酔したマウスを37℃ホットプレート上に寝かせ、前記実施例1〜21および比較例1〜5の各サンプル(洗浄剤組成物)1mLを含浸したコットンをホットプレートとマウスの背部との間に挿入し、5分間の浸漬を行う。その後、1分間40℃の温水で付着したサンプルを洗い流す。以上の作業を4日間連続で1日2回実施した。
試験は1群12匹で行い、次式(1)により、浸漬による掻破回数により抑制率(Pir(%))を算出した。各掻破回数の有意差検定はt検定を用いて処理した。
Pir(%)={(Astandard−Asample)/Astandard}×100 (1)
Asample :各サンプル群の掻破回数
Astandard:各サンプル群に対応する界面活性剤と精製水のみからなる組成を使用した場合の掻破回数
5点:60分間の抑制率(Pir)が、60%以上
4点:60分間の抑制率(Pir)が、50%以上60%未満
3点:60分間の抑制率(Pir)が、40%以上50%未満
2点:60分間の抑制率(Pir)が、30%以上40%未満
1点:60分間の抑制率(Pir)が、10%以上30%未満
0点:60分間の抑制率(Pir)が、10%未満
8週齢の雌性モルモット(Hartley系、日本エスエルシー株式会社)を購入し、被験体とした。被験体を、温度23±1℃、湿度60±10%、明暗サイクルを(7:00〜19:00(明)→19:00〜7:00(暗))としたSPF(Specific Pat
hogen Free:無菌特殊環境)下に置き、通常の餌(日本農産工業株式会社製、商品名「ラボGスタンダード」)と水を自由摂取させて、1週間の予備飼育を行った。予備飼育を行った後の被験体の体表面をバリカンおよび電気シェーバーで予め剃毛処理し、実験に供した。
被験体の体表面に、被験体の正中線を境にして、2cm×2cmの枠を油性マジックで記入した後、前記実施例1〜21および、比較例1〜5の各サンプル50μLを前記枠内に塗布する。翌日、下記(表1)の基準(ドレイズスコア)に従いスコアリングする。
以上の作業を5日間連続で実施し、皮膚刺激スコアの推移を記録した。最終的な比較は通常5日目のスコアを用いて評価した。
洗浄剤組成物として下記(表8)に示す組成のボディソープを調製した。
洗浄剤組成物として下記(表9)に示す組成のハンドソープを調製した。
Claims (4)
- 陰イオン性界面活性剤(A)、マルトオリゴ糖(B)、およびスメクタイト系粘土鉱物(C)を含有する洗浄剤組成物。
- 陰イオン性界面活性剤(A)が、脂肪酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の洗浄剤組成物。
- マルトオリゴ糖(B)がマルトテトラオース及びマルトペンタオースから選ばれる少なくとも一種である請求項1または2に記載の洗浄剤組成物。
- スメクタイト系粘土鉱物(C)がスメクタイト族のモンモリロナイト及びサポナイトから選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
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