JP2011057979A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】基本性能である洗浄特性を低減させることなく、低刺激性で、かつ洗浄後に生じやすい痒みを起こしにくいという効果を奏する洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る洗浄剤組成物は、陰イオン性界面活性剤(A)、マルトオリゴ糖(B)、およびスメクタイト系粘土鉱物(C)を含有することを特徴とする。陰イオン性界面活性剤(A)としては脂肪酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩から選ばれる少なくとも一種が好ましく、マルトオリゴ糖(B)としてはマルトテトラオース及びマルトペンタオースから選ばれる少なくとも一種が好ましく、スメクタイト系粘土鉱物(C)としてはスメクタイト族のモンモリロナイト及びサポナイトから選ばれる少なくとも一種が好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、基本性能である洗浄特性を低減させることなく、低刺激性で、かつ洗浄後に生じやすい痒みを起こしにくいという効果を奏する洗浄剤組成物に関する。
近年、生活スタイルの変化に伴って、家庭生活における清潔に対する意識が高まり、特に皮膚洗浄剤においては様々な機能や効果へのニーズが高まっている。化粧石鹸やボディ洗浄剤、洗顔料等の皮膚洗浄剤は、塵埃等による外因性の汚れや、皮脂、汗等による内因性の汚れを洗浄除去するという洗浄剤としての基本機能だけでなく、洗浄後の肌のつっぱり感やきしみ感といった不快感がなく、さっぱりとしたスベスベで滑らかな仕上がりにする機能、また、マッサージ効果や血液循環促進効果などの機能、さらにはリンスが不要で肌美白効果を与える機能などの付加的な機能が求められている。
かかる要求に応えるために、皮膚洗浄剤には、目的に応じて多様な機能性化合物が添加される傾向にある(例えば、特許文献1、特許文献2,特許文献3)。これに対して、皮膚洗浄剤として洗浄という基本機能を実現する基本成分以外に多種多様な添加剤が用いられるために、肌刺激が強くなることが懸念されるとの意見もある。
上述のように、皮膚洗浄剤には、各種付加機能を求める傾向がある反面において、近年、敏感肌、アトピー性皮膚炎等の患者が増加しており、洗浄後の皮膚の痒みを訴える人が多く、洗浄後に痒みを発生させない洗浄剤が強く求められているという状況がある。洗浄後に生じる痒みの原因の主要な一つとして、洗浄剤の洗浄性能を担う界面活性剤が挙げられており、洗浄性能を一定に維持するためには、界面活性剤の使用量を削減することができず、痒みを抑制することを困難にしている。
かかる状況に対して、皮膚刺激性が低く、温和な低刺激性洗浄剤組成物を成分に使用することが考えられるが、洗浄性能が低減するばかりでなく、目的とする「洗浄後に起きる皮膚の痒み及び皮膚刺激性の抑制」を十分に実現することができないというのが、現状である。
上述の問題点は、ヘヤーシャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔用洗浄剤などの狭義の皮膚洗浄剤に限ったものではなく、衣類用や食器用の洗剤などの洗浄剤が皮膚に触れる可能性のある洗剤においても同様もしくはより顕著であることが、判明している。
このように狭義の皮膚洗浄剤を含めて、洗浄剤が皮膚に触れる可能性のある洗浄剤組成物においては、洗浄性能を担う成分による皮膚刺激が原因の問題が発生している。
特開平10−183171号公報 特表2007−530608号公報 特表2007−513112号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、皮膚に触れる可能性のある洗浄剤組成物において、基本性能である洗浄特性を低減させることなく、低刺激性で、かつ洗浄後に生じやすい痒みを起こしにくい組成を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、下記構成を採用した洗浄剤組成物を提供する。
[1] 陰イオン性界面活性剤(A)、マルトオリゴ糖(B)、およびスメクタイト系粘土鉱物(C)を含有する洗浄剤組成物。
[2] 陰イオン性界面活性剤(A)が、脂肪酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[1]に記載の洗浄剤組成物。
[3] マルトオリゴ糖(B)がマルトテトラオース及びマルトペンタオースから選ばれる少なくとも一種である、上記[1]または[2]に記載の洗浄剤組成物。
[4] スメクタイト系粘土鉱物(C)がスメクタイト族のモンモリロナイト及びサポナイトから選ばれる少なくとも一種である、上記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の洗浄剤組成物。
本発明にかかる洗浄剤組成物は、基本性能である洗浄特性を低減させることなく、低刺激性で、かつ洗浄後に生じやすい痒みを起こしにくいという効果を奏する。
本発明に係る洗浄剤組成物は、上述のように、陰イオン性界面活性剤(A)、マルトオリゴ糖(B)、およびスメクタイト系粘土鉱物(C)を含有することを特徴とする。
以下、本発明に係る洗浄剤組成物の各必須成分について説明する。
(陰イオン性界面活性剤(A))
陰イオン性界面活性剤(A)は、本発明の洗浄剤組成物の基本機能である洗浄機能を担う成分である。
陰イオン性界面活性剤は、洗浄剤の基本性能である洗浄力や起泡性、すすぎ時のさっぱり感に優れ、古来より洗浄成分として広く使用されている。しかし、陰イオン性界面活性剤は、肌が敏感になっている人に対して、痒みや、かさつき感といった刺激を発現させるという問題がある。かかる問題点を緩和するために、本発明では、マルトオリゴ糖(B)とスメクタイト系粘土鉱物(C)を組み合わせた構成を採用している。
本発明で用いる陰イオン性界面活性剤(A)としては、具体的には、脂肪酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩を挙げることができ、これらから選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。
(脂肪酸塩)
本発明において陰イオン性界面活性剤(A)に用いられる脂肪酸塩としては、炭素数12〜18の脂肪酸塩が好ましい。かかる炭素数12〜18の脂肪酸塩としては、ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸等の炭素数12〜18の飽和及び不飽和脂肪酸、これらの混合物であるヤシ油脂肪酸、硬化ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、硬化パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸及び硬化牛脂脂肪酸等の塩が挙げられる。
前記塩としてはカリウム塩、ナトリウム塩、トリエタノールアミン塩及びアンモニウム塩が挙げられる。具体的には、ラウリル酸カリウム、ラウリル酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸トリエタノールアミン、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム等が挙げられる。
(硫酸塩)
本発明において陰イオン性界面活性剤(A)に用いられる硫酸塩としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。これらの中でも、炭素数10〜18のアルキル基のものが好ましく、特に炭素数12〜14が好ましい。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩のアルキレン部分は、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンが好ましく、特にポリオキシエチレンが好ましい。また、そのエチレン総平均付加モル数の範囲は2〜4が好ましい。塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
(スルホン酸塩)
本発明において陰イオン性界面活性剤(A)に用いられるスルホン酸塩としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩等が挙げられ、塩としてはカリウム塩、ナトリウム塩等が挙げられる。
(リン酸塩)
本発明において陰イオン性界面活性剤(A)に用いられるリン酸塩としては、アルキルリン酸エステル塩が挙げられ、塩としてはカリウム塩、ナトリウム塩等が挙げられる。
上記各塩の配合方法としては、塩の状態で配合してもよく、洗浄剤組成物中に酸とアルカリをそれぞれ別々に配合して、洗浄剤組成物中で中和して、洗浄剤組成物中に塩を生成することによってもよい。
(陰イオン性界面活性剤(A)の配合量)
陰イオン性界面活性剤(A)の配合量は、剤形より異なるが、洗浄剤組成物全量に対して0.5〜40質量%が好ましい。0.5質量%未満だと洗浄力及び起泡性が十分ではなく、40質量%を超えると組成物の粘度が上がる等の製造上の効率低下の要因が生じる場合がある。
(マルトオリゴ糖(B))
本発明者らの検討によれば、マルトオリゴ糖にはNK1阻害作用があり、サブスタンスPによる痒みを抑制する効果が認められる。洗浄剤にマルトオリゴ糖を添加することにより脂肪酸塩(A)によりもたらされる痒みを大きく緩和することができる。この痒み緩和作用は、スメクタイト系粘土鉱物(C)を併用することにより増強される。
本発明に用いるマルトオリゴ糖(B)としては、マルトテトラオース、マルトペンタオースなど4〜5糖のマルトオリゴ糖が好ましく、より好ましくは、マルトテトラオースで
ある。
(マルトオリゴ糖(B)の配合量)
マルトオリゴ糖(B)の配合量は、洗浄剤組成物全量に対して0.001質量%〜50質量%が好ましい。より好ましくは0.01質量%〜35質量%、さらに好ましくは0.1質量%〜15質量%である。
配合量が0.001質量%〜50質量%であると、成分(C)との併用による相乗効果を得ることができる。また、配合量が0.001質量%を下回ると、本発明の効果を発揮できない。また、配合量が50質量%を上回っても効果向上は見られず、処方によっては安定性や製造が困難になるものもあることから、50質量%を超えない方がよい。
(スメクタイト系粘土鉱物(C))
本発明に用いるスメクタイト系粘土鉱物(C)としては、天然物、天然物の精製品、天然の膨潤性を改質したもの、合成品等が挙げられ、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、天然又は合成されたモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、ヘクトライト、スチブンサイト等のスメクタイト族の粘土鉱物や、バーミキュライト、膨潤性合成フッ素雲母(Na型、Li型合成マイカ)等が挙げられる。また、上記粘土鉱物のイオン交換反応を行い、膨潤性を向上させた高金属イオン置換粘土鉱物を用いてもよい。
なお、天然から採取したスメクタイト系粘土鉱物には、カルサイト、トリジマイト、クリストパライト、石英、各種無機物などの非膨潤性の夾雑物が含まれているため、純度が90%以下ではこれらの夾雑物の影響で後述の包接効果が不充分となる可能性がある。よって、天然から採取したものを使用する場合には、純度が90%を超えるものを使用することが好ましい。
本発明の用いるスメクタイト系粘土鉱物(C)としては、上記スメクタイト系粘土鉱物のうち、好ましくは、天然または合成スメクタイトであり、その中でもスメクタイト族のモンモリロナイトを主成分とするベントナイト、精製ベントナイト、合成サポナイト等が、洗浄剤組成物中で分散性の点から望ましい。
本発明においては、前述のように、マルトオリゴ糖(B)が痒み緩和作用を発揮し、その作用がスメクタイト系粘土鉱物(C)を併用することにより増強される。かかる増強効果の作用機構は十分に解明されていないが、スメクタイト系粘土鉱物(C)が、膨潤性、吸着性、結合性、懸濁性、増粘性等の性質を有するほかに、層間に水分子を水和して取り込む交換性の陽イオンを含有しており、各種有機分子を包接する特性を有することに起因していると推測される。しかしながら、全ての有機分子の安定的な包接が可能であるわけではなく、各種有機分子の個々について丹念に評価する必要がある。本発明において痒み抑制成分として使用のマルトオリゴ糖(B)は、本発明者らの実験、検討の結果、スメクタイト系粘土鉱物(C)に安定した状態で包接されることが確認された。すなわち、スメクタイト系粘土鉱物(C)と上記マルトオリゴ糖(B)とを組み合わせると、洗浄剤組成物中でマルトオリゴ糖(B)はスメクタイト系粘土鉱物(C)に安定的に包接される。したがって、本発明の洗浄剤組成物を使用すると、使用中にスメクタイト系粘土鉱物(C)はマルトオリゴ糖(B)を包接した状態で皮膚に吸着する。その結果、マルトオリゴ糖(B)は急激に洗い流されることなく、使用中、皮膚に残存し、マルトオリゴ糖(B)の有する痒み抑制効果を顕著に発揮させることができる。
(スメクタイト系粘土鉱物(C)の配合量)
洗浄剤組成物全量に対して0.01〜3質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜2質量%である。この0.01〜3質量%という配合量範囲でより効果が得られる。そし
て、3質量%を超えると製品粘度が高くなり、容器からの排出性が悪くなったり、保存安定性が悪くなったりする場合がある。
(マルトオリゴ糖(B)とスメクタイト系粘土鉱物(C)の配合比率)
マルトオリゴ糖(B)とスメクタイト系粘土鉱物(C)の好ましい配合比率[(B)/(C)]は1/10〜50/1であり、より好ましくは1/5〜20/1である。
マルトオリゴ糖(B)とスメクタイト系粘土鉱物(C)の好ましい配合比率[(B)/(C)]が1/10〜50/1の範囲内にあると、スメクタイト系粘土鉱物(C)によりマルトオリゴ糖(B)の痒み抑制作用を効果的に発揮させることができる。
本発明の洗浄剤組成物には、上記必須成分の他に、通常、洗浄剤組成物に用いられる他の任意成分、例えば、他の界面活性剤(脂肪酸塩以外のアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤)、油分、シリコーン類、セルロース類、アルコール類、多価アルコール、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、香料、色素、滑沢剤、顔料、無機粉体、ビタミン類、アミノ酸類、水、エタノール等を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。また、これら成分は使用するpHの範囲も特に限定されない。
本発明の洗浄剤組成物の性状は、特に限定されるものではなく、例えば、クリーム状、ペースト状、ゲル状、液体状、固体状等の剤系とすることができる。また、可溶化系、乳化系、粉体分散系等特に限定されない。洗浄剤組成物の使用方法は特に限定されず、全身、顔及び手に通常の使用方法で使用することができる。
また、本発明の洗浄剤組成物は、上記必須成分と任意成分とを適当に配合し、洗浄剤組成物の常法に準じて調製することができる。
以下に、本発明にかかる洗浄剤組成物の実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明を説明するために好適な例示であり、発明を限定するものではない。
下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%を示し、表中の各成分の量は純分換算した量である。
(実施例1〜21)
下記(表2)〜(表6)に示す組成の洗浄剤組成物(実施例1〜21)を調製した。
すなわち、陰イオン性界面活性剤(A)として、3種の脂肪酸塩(ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム)、2種の硫酸塩(ドデシル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム(2E.O.))、1種のリン酸塩(モノアルキルリン酸エステルナトリウム)、および3種のスルホン酸塩(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、アシルメチルタウリンナトリウム)からなる計9種の陰イオン性界面活性剤を用いた。
また、マルトオリゴ糖(B)として、3種のマルトオリゴ糖(マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース)を用いた。
また、スメクタイト系粘土鉱物(C)として、2種のスメクタイト系粘土鉱物(モンモリロナイト、サポナイト)を用いた。
上記有効成分に、その他の成分として水を加えて、実施例1〜21のそれぞれのサンプルを調製した。
(比較例1〜5)
下記(表7)に示す組成の洗浄剤組成物を調製した(比較例1〜5)。
すなわち、陰イオン性界面活性剤(A)であるラウリン酸カリウムおよびステアリン酸カリウム、スメクタイト系粘土鉱物(C)であるモンモリロナイトおよび精製水の3成分系からなるサンプル(比較例1);陰イオン性界面活性剤(A)であるラウリン酸カリウムおよびステアリン酸カリウム、マルトテトラオース(マルトオリゴ糖(B))および精製水の3成分からなるサンプル(比較例2);陰イオン性界面活性剤(A)であるラウリン酸カリウムおよびステアリン酸カリウム、マルトオリゴ糖の比較品である3種の多糖類(マルトース、スクロース、イソマルトテトラオース)、スメクタイト系粘土鉱物(C)であるモンモリロナイトおよび精製水の4成分からなるサンプル(比較例3、4、5)を、それぞれ調製した。
(表2)〜(表6)に示す組成、(表7)に示す組成、そして後出の(表8)および(表9)に示す製品組成に使用した各原料成分の商品名および原料メーカー名は、後出の(表10)に一括して示した。
上記実施例1〜21および比較例1〜5の各サンプルの抑痒効果および皮膚刺激性を、以下の評価基準に従って、評価した。評価結果は、下記(表2)〜(表7)に併記した。
[評価実験1:抑痒効果(ヘアレスマウス自発性掻破行動に対する作用)]
被験動物として8週齢の雌性ヘアレスマウス(HOS:HR−1、日本エスエルシー株式会社)を購入し、被験体とした。
上記被験体を、温度23±1℃、湿度60±10%、明暗サイクルを(7:00〜19:00(明)→19:00〜7:00(暗))としたSPF(Specific Pathogen Free:無菌特殊環境)下に置き、通常の餌(日本農産工業株式会社製、商品名「CE2」)と水を自由摂取させて、1週間の予備飼育を行った。
上記予備飼育を終えた後、被験体の両足をソムノペンチル(共立製薬株式会社)を用いて麻酔し、両足の皮下にマグネット片(直径1mm、長さ3mm、ニューロサイエンス社製)を挿入し、実験に供した。
(掻痒行動の測定)
上記予備飼育を終えた後、ソムノペンチル(共立製薬株式会社)麻酔したマウスを37℃ホットプレート上に寝かせ、前記実施例1〜21および比較例1〜5の各サンプル(洗浄剤組成物)1mLを含浸したコットンをホットプレートとマウスの背部との間に挿入し、5分間の浸漬を行う。その後、1分間40℃の温水で付着したサンプルを洗い流す。以上の作業を4日間連続で1日2回実施した。
上記4日間の作業終了の翌日から掻痒行動を観察した。掻痒行動は、MicroAct装置(ニューロサイエンス社)を用いて自動的に1時間の掻痒回数を測定し客観的に評価を行った。
試験は1群12匹で行い、次式(1)により、浸漬による掻破回数により抑制率(Pir(%))を算出した。各掻破回数の有意差検定はt検定を用いて処理した。

ir(%)={(Astandard−Asample)/Astandard}×100 (1)

sample :各サンプル群の掻破回数
standard:各サンプル群に対応する界面活性剤と精製水のみからなる組成を使用した場合の掻破回数
(抑痒効果の評価基準)
5点:60分間の抑制率(Pir)が、60%以上
4点:60分間の抑制率(Pir)が、50%以上60%未満
3点:60分間の抑制率(Pir)が、40%以上50%未満
2点:60分間の抑制率(Pir)が、30%以上40%未満
1点:60分間の抑制率(Pir)が、10%以上30%未満
0点:60分間の抑制率(Pir)が、10%未満
[評価実験2:皮膚刺激性(モルモット皮膚に対する刺激性)]
8週齢の雌性モルモット(Hartley系、日本エスエルシー株式会社)を購入し、被験体とした。被験体を、温度23±1℃、湿度60±10%、明暗サイクルを(7:00〜19:00(明)→19:00〜7:00(暗))としたSPF(Specific Pat
hogen Free:無菌特殊環境)下に置き、通常の餌(日本農産工業株式会社製、商品名「ラボGスタンダード」)と水を自由摂取させて、1週間の予備飼育を行った。予備飼育を行った後の被験体の体表面をバリカンおよび電気シェーバーで予め剃毛処理し、実験に供した。
(皮膚刺激性の測定)
被験体の体表面に、被験体の正中線を境にして、2cm×2cmの枠を油性マジックで記入した後、前記実施例1〜21および、比較例1〜5の各サンプル50μLを前記枠内に塗布する。翌日、下記(表1)の基準(ドレイズスコア)に従いスコアリングする。
以上の作業を5日間連続で実施し、皮膚刺激スコアの推移を記録した。最終的な比較は通常5日目のスコアを用いて評価した。
Figure 2011057979
Figure 2011057979
Figure 2011057979
Figure 2011057979
Figure 2011057979
Figure 2011057979
Figure 2011057979
上記(表2)〜(表7)から明らかなように、陰イオン性界面活性剤(A)、マルトオリゴ糖(B)およびスメクタイト系粘土鉱物(C)を必須成分として含有する実施例1〜21の洗浄剤組成物は、陰イオン性界面活性剤(A)、マルトオリゴ糖(B)およびスメクタイト系粘土鉱物(C)のいずれかが欠けた構成の比較例と比べて、痒みを抑制する効果および皮膚刺激性の低さの両方の評価において、優れていることが確認できる。
(実施例22)
洗浄剤組成物として下記(表8)に示す組成のボディソープを調製した。
Figure 2011057979
上記組成を任意の容器(ボトル、ポンプボトル、袋状容器等)に充填し製品とした。
(実施例23)
洗浄剤組成物として下記(表9)に示す組成のハンドソープを調製した。
Figure 2011057979
上記組成を任意の容器(ボトル、ポンプボトル、袋状容器等)に充填し製品とした。
上記実施例22、23の製品の抑痒効果および皮膚刺激性を前記実施例1〜21と同様にして評価した。その結果、実施例22、23の製品はいずれも痒みを抑制する効果および皮膚刺激性の低さの両方の評価において、優れていた。
Figure 2011057979
以上のように、本発明に係る洗浄剤組成物は、基本性能である洗浄特性を低減させることなく、低刺激性で、かつ接触によって生じやすい痒みを起こしにくいという効果を奏する。したがって、本発明に係る洗浄剤組成物は、使用者が皮膚刺激に敏感な場合であっても、皮膚刺激に耐性のある使用者と同様に、皮膚疾患を生じることなく使用に供することができる。

Claims (4)

  1. 陰イオン性界面活性剤(A)、マルトオリゴ糖(B)、およびスメクタイト系粘土鉱物(C)を含有する洗浄剤組成物。
  2. 陰イオン性界面活性剤(A)が、脂肪酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  3. マルトオリゴ糖(B)がマルトテトラオース及びマルトペンタオースから選ばれる少なくとも一種である請求項1または2に記載の洗浄剤組成物。
  4. スメクタイト系粘土鉱物(C)がスメクタイト族のモンモリロナイト及びサポナイトから選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
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