JP2011057936A - 硬化促進剤、エポキシ樹脂成型物、エポキシ樹脂系接着剤、硬化剤及び固形結晶体 - Google Patents

硬化促進剤、エポキシ樹脂成型物、エポキシ樹脂系接着剤、硬化剤及び固形結晶体 Download PDF

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Noriyuki Saito
則之 斉藤
Takao Kudo
孝夫 工藤
Hiroshi Uchiyama
浩 内山
Yusuke Suzuki
悠介 鈴木
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Abstract

【課題】促進効果が向上し、また硬化時間が短縮されるなどの良好な特性を有するエポキシ樹脂硬化促進剤及び固形結晶体、並びにこれらを用いたエポキシ樹脂成型物、及びエポキシ樹脂系接着剤を提供する。
【解決手段】4級アンモニウム塩からなり、アニオン部分が珪酸イオン又は炭酸イオンである、エポキシ樹脂硬化促進剤。
【選択図】図5

Description

本発明は硬化促進剤、エポキシ樹脂成型物、エポキシ樹脂系接着剤、硬化剤及び固形結晶体に関し、例えばエポキシ樹脂の硬化を促進する硬化促進剤に適用して好適なものである。
従来、エポキシ樹脂は、様々な成型物や接着剤として広く使用されている。このエポキシ樹脂は、グリシジル基を有するエポキシ主剤と、当該グリシジル基と硬化反応を生じるアミノ基、チオール基、酸無水物基及びヒドロキシ基などを有する硬化剤とを重合させることにより得ることができる。
エポキシ主剤と硬化剤とが混合されると、硬化反応が開始されるが、その重合速度は一般的に遅い。特に室温下におけるエポキシ主剤と硬化剤との硬化反応は、その進行が非常に遅いため、多くの場合、硬化反応を触媒的に促進させる硬化促進剤の添加が必要不可欠とされる。
そこで、エポキシ樹脂の硬化促進剤として、N,N,N”,N”−テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどの3級アミンを使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−122947公報
ところで、常温で混合されたエポキシ樹脂を接着剤や成型品として使用しようとすると、上述した3級アミンでは硬化促進の効果が不十分であり、硬化反応に多大な時間を要してしまうなど、特性が十分でないという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、良好な特性を有するエポキシ樹脂硬化促進剤及び固形結晶体、並びにこれらを用いたエポキシ樹脂成型物、及びエポキシ樹脂系接着剤を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、4級アンモニウム塩でなり、アニオン部分が珪酸イオン又は炭酸イオンでなる。
これにより、本発明は、エポキシ樹脂の硬化反応を著しく促進することができる。
また、本発明の結晶体は、アニオン部分が珪酸イオン又は炭酸イオンでなる4級アンモニウム塩である。
これにより、本発明は、4級アンモニウム塩の各種溶媒に対する相溶性を著しく向上させることができる。
本発明によれば、エポキシ樹脂の硬化反応を著しく促進することができ、かくして良好な特性を有するエポキシ樹脂硬化促進剤及び固形結晶体、並びにこれらを用いたエポキシ樹脂成型物、エポキシ樹脂系接着剤及び硬化剤を実現できる。
炭酸テトラメチルアンモニウムのIRチャートを示す略線図である。 炭酸水素テトラメチルアンモニウムのIRチャートを示す略線図である。 メタ珪酸テトラメチルアンモニウムのIRチャートを示す略線図である。 炭酸二(2−ヒドロキシエチル・トリメチルアンモニウム)のIRチャートを示す略線図である。 発熱温度と時間の関係(1)を示す略線的グラフである。 発熱温度と時間の関係(2)を示す略線的グラフである。 発熱温度と時間の関係(3)を示す略線的グラフである。 波長と透過率との関係を示す略線的グラフである。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
<1.実施の形態>
[1−1.エポキシ樹脂の構成]
エポキシ樹脂は、少なくともエポキシ樹脂主剤と、硬化剤と、硬化促進剤とから構成される。エポキシ樹脂は、当該エポキシ樹脂として要求される特性に応じて、さらに添加剤や特性改良剤などが混合されても良い。添加剤や特性改良剤とは、充填剤、顔料、カップリング剤、難燃剤、可塑剤、溶剤、反応性希釈剤、可撓性付与剤、酸化防止剤などである。エポキシ樹脂は、種々の用途でなる成型物や、様々な被着体に対する接着剤として使用されることが想定されている。
エポキシ樹脂を接着剤として使用する場合、例えば硬化剤及び硬化促進剤の混合物(以下、これを硬化混合物と呼ぶ)を予め作製しておく。そして接着剤の使用時において、エポキシ主剤と硬化混合物とを混合し、一方の被着体に対して塗布し、他方の被着体に対して塗布面を貼り合わせる。接着剤は、エポキシ主剤と硬化混合物とが混合されてから数分〜数十分以内に硬化し、被着体同士を接着することができる。また、硬化促進剤をエポキシ樹脂に混合しておいても良い。液状の硬化促進剤を作製しておき、接着剤として使用する直前に硬化剤及び主剤と混合させる3液混合型の接着剤として用いることも可能である。接着剤は、室温で硬化させるだけでなく、硬化促進のため、加熱することももちろん可能である。
エポキシ樹脂の接着剤としての用途に制限はなく、種々の用途に使用可能である。例えば、プラスチック同士又は金属同士の接着や、金属とプラスチックとの接着などが挙げられる。接着剤として要求される特性に応じて、エポキシ主剤又は硬化剤若しくはその両方の種類や配合、添加剤又は特性改良材の有無及び種類などが適宜選択されることが望ましい。例えば、樹脂製のカードに対して薄膜のICチップを接着する場合には、ICチップをカードに追従させる必要があり、接着剤として可撓性が要求される。この場合、エポキシ主剤としてウレタン変性化合物を用いたり、可塑剤を添加する。また、大きい強度が要求される場合には、凝集力の大きいエポキシ主剤及び硬化剤を組み合わせる。
また、エポキシ樹脂を成型物として使用する場合も同様であり、硬化混合物を予め作製しておく。そして成型物の作製時において、エポキシ主剤と硬化混合物とを混合し、離型剤が塗布された金型などに当該混合されたエポキシ樹脂を充填する。エポキシ樹脂は、エポキシ主剤と硬化混合物とが混合されてから数分〜数十分以内に硬化する。この後、金型などから硬化物を取り出すことにより、成型物が形成される。
エポキシ樹脂の成型物としての用途に制限はなく、種々の用途に使用可能である。例えば、光学部品や光記録媒体、電子部品などが挙げられる。成型物として要求される特性に応じて、エポキシ主剤又は硬化剤若しくはその両方の種類や配合、添加剤又は特性改良材の有無及び種類などが適宜選択されることが望ましい。
例えば、記録用の光ビームに応じて気化する気化材料を含有させることにより、エポキシ樹脂の成型物を光記録媒体の記録層として用いることができる。記録層は、記録用の光ビームに応じて気泡でなる記録マークを形成することにより、情報を記録する。光記録媒体は、記録層の両面又は片面に当該記録層を保護する基板又は保護層を有していても良い。この光記録媒体の詳細な構成は、例えば特許文献2に記載されている。
特開2009−140528公報
エポキシ主剤は、分子中にグリシジル基を少なくとも1以上有するモノマー又はオリゴマー(以下、これらをまとめてエポキシモノマー類と呼ぶ)である。エポキシ主剤は、1種類のエポキシモノマー類で構成されても良く、複数種類のエポキシモノマー類が混合されていても良い。
硬化剤は、分子中にグリシジル基と反応する官能基を少なくとも2以上有する化合物である。硬化剤は、1種類の化合物で構成されても良く、複数種類の化合物が混合されていても良い。
エポキシ主剤及び硬化剤の配合比は、硬化後に要求されるエポキシ樹脂の特性により様々な値をとることができる。この配合比は、例えばエポキシ主剤に含まれる全てのグリシジル基の数と、硬化剤に含まれる全ての官能基の数が99:1〜1:1であることが好ましい。
すなわち、グリシジル基は、活性水素を有する官能基と結合してヒドロキシル基を生じ、当該ヒドロキシル基がさらに他のグリシジル基と反応することが可能である。このため、エポキシ主剤中のグリシジル基の数が硬化剤中の官能基より少なくても、硬化反応が十分に進行する。
一方、グリシジル基の数が硬化剤中の官能基の数よりも少ないと、グリシジル基が消費された段階で反応が停止する。硬化反応に寄与しない硬化剤は、低分子量成分として悪影響を与える可能性がある。このため、エポキシ樹脂の硬化反応を十分に進行させるためには、グリシジル基の数が官能基の数以上になるように配合することが好ましい。
エポキシ樹脂として、エポキシ主剤及び硬化剤の両方の性質を活かすためには、グリシジル基と硬化剤中の官能基の数を1:1〜1:2とし、グリシジル基と官能基とが直接結合するようにすることがさらに好ましい。
硬化促進剤としては、固体結晶の状態のものを使用することが好ましい。通常、アンモニウム塩は、水溶液として得られるが、水溶液の状態であると硬化剤に添加することが困難なためである。なお、固体結晶の製造方法については後述する。
硬化促進剤の添加量としては、エポキシ主剤及び硬化剤の合計量に対し、0.1〜10[重量%]であることが好ましく、0.5〜2.0[重量%]であることがさらに好ましい。硬化促進剤の添加量が少ないと、エポキシ主剤及び硬化剤の反応速度を増大させる硬化が不十分となり、硬化促進剤の添加量が多いと、硬化促進剤が低分子量成分としてエポキシ樹脂の特性に悪影響を及ぼすからである。
硬化促進剤(固形結晶の状態)はエポキシ主剤又は硬化剤に対して直接配合(溶解)させても良く、また、一旦溶剤に溶解させたものをエポキシ主剤又は硬化剤に対して配合することができる。このときの溶剤としては、以下の溶剤が挙げられる。
メタノール、エタノール、イソプロパノール、スルホラン、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジグライム、ジオキサン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、水。
なお、グリシジル基と反応する活性水素を有するフェノール類、カルボン酸類、アミン類、チオール類などは溶剤として不適当である。
エポキシ樹脂の硬化温度に制限はなく、通常は室温(25[℃])から150[℃]の間で所定の硬化時間(例えば5分間)に渡って硬化反応を進行させる。
次に、エポキシ樹脂に使用されるエポキシ樹脂主剤と、硬化剤と、硬化促進剤についてそれぞれ説明する。
[1−2.エポキシ樹脂主剤]
エポキシモノマー類としては、グリシジル基を有する公知の化合物を使用することができ、その種類に制限はない。例えば、モノマー類として、各種フェノール化合物、アミノ化合物、カルボン酸化合物、アルコール化合物などと、エピハロヒドリンとの反応で得られる種々のエポキシ化合物を用いることができる。
エピハロヒドリンとの反応によりエポキシモノマー類(グリシジルエーテル型)を生成するフェノール化合物またはアルコール化合物として、例えば、以下の化合物が挙げられる。
アセトフェノ−ル、アニリノフェノ−ル、2−アミノ−4−クロロフェノ−ル、4−アミノ−2,6−ジクロロフェノ−ル、アミノチオフェノ−ル、2−アミノ−5−ニトロフェノ−ル、4−アミノ−2−ニトロフェノ−ル、アミノフェノ−ル、2−アミノ−4−tert−ブチルフェノ−ル、2−アミノ−4−メチルフェノ−ル、2−アミノ−5−メチルフェノ−ル、4−アミノ−3−メチルフェノ−ル、4−tert−アミノフェノ−ル、4−アリル−2,6−ジメトキシフェノ−ル、アリルフェノ−ル、4−アリル−2−メトキシフェノ−ル、4,4’−イソプロピリデンジフェノ−ル、2−イソプロピルフェノ−ル、4−イソプロピルフェノ−ル、2−イソプロピル−5−メチルフェノ−ル、2−イソプロポキシフェノ−ル、4−(イミダゾ−ル−1−イル)フェノ−ル、2−〔(N−エチルアミノ)メチル〕−4−ニトロフェノ−ル、エチルフェノ−ル、エトキシフェノ−ル、オクチルオキシフェノ−ル、オクチルフェノ−ル、p−(α−クミル)フェノ−ル、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノ−ル、4−クロロテトラフルオロチオフェノ−ル、2−クロロ−6−ニトロフェノ−ル、クロロフェノ−ル、2−クロロ−5−フルオロフェノ−ル、3−クロロ−4−フルオロフェノ−ル、4−クロロ−3−フルオロフェノ−ル、4−クロロ−3−メチルフェノ−ル、2−クロロ−5−メチルフェノ−ル、4−クロロ−2−メチルフェノ−ル、2−クロロ−4−メトキシフェノ−ル、2−シアノフェノ−ル、4−シアノフェノ−ル、2,6−ジイソプロピルフェノ−ル、3−ジエチルアミノフェノ−ル、2,6−ジクロロチオフェノ−ル、2,3−ジクロロフェノ−ル、2,4−ジクロロフェノ−ル、2,5−ジクロロフェノ−ル、3,4−ジクロロフェノ−ル、2,6−ジクロロ−4−メチルスルホニルフェノ−ル、2,6−ジニトロフェノ−ル、2,5−ジニトロフェノ−ル、2,3−ジフルオロフェノ−ル、2,4−ジフルオロフェノ−ル、2,5−ジフルオロフェノ−ル、2,6−ジフルオロフェノ−ル、3,4−ジフルオロフェノ−ル、3,5−ジフルオロフェノ−ル、ジ−sec−ブチルフェノ−ル、2,4−ジ−tert−ブチルフェノ−ル、2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノ−ル、3,5−ジプロポキシフェノ−ル、2,5−ジメチルチオフェノ−ル、2,3−ジメチルフェノ−ル、2,4−ジメチルフェノ−ル、2,5−ジメチルフェノ−ル、2,6−ジメチルフェノ−ル、3,4−ジメチルフェノ−ル、3,5−ジメチルフェノ−ル、2,3−ジメチトキシフェノ−ル、2,6−ジメチトキシフェノ−ル、3,5−ジメチトキシフェノ−ル、4,4’−スルホニルジフェノ−ル、4,4’−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノ−ル)、チオフェノ−ル、2,3,5,6−テトラフルオロチオフェノ−ル、2,3,5,6−テトラフルオロフェノ−ル、4’−(1H−1,2,4−トリアゾ−ル−1−イル)フェノ−ル、2,4,6−トリスクロロフェノ−ル、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル、2,4,6−トリニトロフェノ−ル、2,3,4−トリフルオロフェノ−ル、2,3,6−トリフルオロフェノ−ル、2,4,6−トリフルオロフェノ−ル、3−(トリフルオロメトキシ)フェノ−ル、4−(トリフルオロメトキシ)フェノ−ル、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノ−ル、2,3,5−トリメチルフェノ−ル、2,4,6−トリメチルフェノ−ル、3,4,5−トリメトキシフェノ−ル、p−ドデシルフェノ−ル、p−ニトロチオフェノ−ル、4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェノ−ル、ニトロフェノ−ル、p−ノニルフェノ−ル、4−(3−ヒドロキシ−1−プロペニル)−2−メトキシフェノ−ル、3,5−ビス(クロロメチル)−2,4,6−トリメチルフェノ−ル、ビフェノ−ル、4−フェニルアゾフェノ−ル、フェニルフェノ−ル、3−フェノキシフェノ−ル、p−フェノキシフェノ−ル、フェノ−ル、4−フルオロチオフェノ−ル、2−フルオロ−4−ニトロフェノ−ル、3−フルオロ−4−ニトロフェノ−ル、4−フルオロ−2−ニトロフェノ−ル、5−フルオロ−2−ニトロフェノ−ル、フルオロフェノ−ル、3−フルオロフェノ−ル、4−フルオロフェノ−ル、4−フルオロ−2−メチルフェノ−ル、o−sec−ブチルフェノ−ル、o−tert−ブチルフェノ−ル、m−tert−ブチルフェノ−ル、p−ブチルフェノ−ル、p−tert−ブチルフェノ−ル、2−tert−ブチル−4−メチルフェノ−ル、2−tert−ブチル−4−メチトキシフェノ−ル、p−ブトキシフェノ−ル、4,4’−iso−プロピリデンジフェノ−ル、p−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェノ−ル、p−プロピルフェノ−ル、2−iso−プロピル−5−メチルフェノ−ル、p−プロポキシフェノ−ル、4−ヘキシルオキシフェノ−ル、p−ヘキシルオキシフェノ−ル、p−ヘキシルフェノ−ル、p−ヘプチルオキシフェノ−ル、4−ヘプチルオキシフェノ−ル、p−ヘプチルフェノ−ル、p−ベンジルオキシフェノ−ル、p−ベンジルフェノ−ル、m−n−ペンタデシルフェノ−ル、ペンタフルオロチオフェノ−ル、ペンタフルオロフェノ−ル、p−ペンチルオキシフェノ−ル、p−ペンチルオキシフェノ−ル、p−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノ−ル、p−ペンチルフェノ−ル、2−メチルアミノフェノ−ル、4−メチルスルホニルフェノ−ル、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロチオフェノ−ル、3−メチル−4−ニトロフェノ−ル、4−メチル−2−ニトロフェノ−ル、メチルフェノ−ル、2−メチルフェノ−ル、3−メチルフェノ−ル、4−メチルフェノ−ル、2−メチル−5−(1−メチルエチル)フェノ−ル、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノ−ル)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノ−ル)、4−メトキシチオフェノ−ル、4−メトキシ−2−ニトロフェノ−ル、o−メトキシフェノ−ル、m−メトキシフェノ−ル、p−メトキシフェノ−ル、p−ラウリルフェノ−ル、ビスフェノ−ルA、ビスフェ−ルF、ビスフェノ−ルAD、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジメチルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエ−テル、フェノ−ルノボラック、クレゾ−ルノボラック、ビスフェノ−ルAノボラック、ジシクロベンタジエンフェノ−ル、フェノ−ルアラルキル、ナフト−ルノボラック。
アニシルアルコール、アニスアルコール、アミノフェニルエチルアルコール、アミノフェネチルアルコール、アミノベンジルアルコール、アリルアルコール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソプロピルベンジルアルコール、イソペンチルアルコール、n−ウンデシルアルコール、n−エイコシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、エナントアルコール、n−オクタデシルアルコール、オクチルアルコール、オレイルアルコール、クミンアルコール、クリサンテミルアルコール、クロチルアルコール、けい皮アルコール、コニフェリルアルコール、サリチルアルコール、α−シクロプロピル−4−フルオロベンジルアルコール、ジアセトンアルコール、ジニトロベンジルアルコール、ジフルオロベンジルアルコール、ジメトキシベンジルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、テトラデシルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、(トリフルオロメチル)ベンジルアルコール、(トリフルオロメトキシ)ベンジルアルコール、ニトロベンジルアルコール、ノニルアルコール、バニリルアルコール、パーフルオロ−tert−ブチルアルコール、4−ヒドロキシフェネチルアルコール、ο−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジルアルコール、ヒドロけい皮アルコール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、フェニルプロピルアルコール、フェネチルアルコール、フルオロフェネチルアルコール、フルオロベンジルアルコール、4−フルオロ−α−メチルベンジルアルコール、フルフリルアルコール、ブチルアルコール、プロパルギルアルコール、プロピルアルコール、プロピルベンジルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、ベンジルアルコール、ベンジルオキシベンジルアルコール、ベンジルベンジルアルコール、ペリリルアルコール、n−ペンタデシルアルコール、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジルアルコール、ペンチルアルコール、ポリビニルアルコール、ミリスチルアルコール、4−(メチルチオ)ベンジルアルコール、メチル(トリフルオロメチル)ベンジルアルコール、メチルブチルアルコール、3,4−メチレンジオキシベンジルアルコール、メトキシベンジルアルコール、ラウリルアルコール、3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオール、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、オクタフルオロオクタンジオール、オクタンジオール、キノリンジオール、プロパンジオール、シクロヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、エタンジオール、ジフェニルエタンジオール、ジフェニルシランジオール、ジメチルプロパンジオール、テトラデカンジオール、テトラフェニル−1,2−エタンジオール、テトラフルオロブタンジオール、デカンジオール、トリメチルペンタンジオール、ドデカンジオール、ナフタレンジオール、ビフェニルジオール、ピナンジオール、ピリミジンジオール、フェニルエタンジオール、フェニルプロパンジオール、フェノキシプロパンジオール、ブタンジオール、ヘキシンジオール、ベンゼンジオール、ペンタンジオール、ブタントリオール、プロパントリオール、ベンゼントリオール。
エピハロヒドリンとの反応によりエポキシモノマー類を生成するアミノ化合物(グリシジルアミン型)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
N−アセチルエタノ−ルアミン、2−(4−アミノフェニル)エチルアミン、アリルアミン、イソプロパノ−ルアミン、N−イソプロピルエチレンジアミン、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン、N−イソプロピル−1,3−プロパンジアミン、n−ウンデシルアミン、エタノ−ルアミン、N−エチルエタノ−ルアミン、N−エチルジシクロヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−オクタデシルアミン、オクタメチレンジアミン、1,8−オクタンジアミン、n−オクチルアミン、tert−オクチルアミン、オレイルアミン、m−キシリレンジアミン、2−(2−クロロフェニル)エチルアミン、2−(4−クロロフェニル)エチルアミン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロロベンジルアミン、グリコシアミン、シクロオクチルアミン、シクロドデシルアミン、シクロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘキセニルエチルアミン、ジアリルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N’−ジイソプロピルエチレンジアミン、ジエタノ−ルアミン、ジエチルアミン、N,N−ジエチルエタノ−ルアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、2,2’−ジエチルジヘキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、1,1−ジエチルプロパルギルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジエチル−N’−メチルエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、4,9−ジオキサ−1,12−ドデカンジアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジオレオイルホスファチジルエタノ−ルアミン、2,4−ジクロロベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジシクロヘキシルエチルアミン、N,N−ジ−n−デシル−1−デカンアミン、ジ−n−ドデシルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2−ジフェニルエチルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、3,3−ジフェニルプロピルアミン、2,4−ジフルオロベンジルアミン、2,5−ジフルオロベンジルアミン、2,6−ジフルオロベンジルアミン、3,4−ジフルオロベンジルアミン、N,N−ジブチルトリメチレンジアミン、N,N−ジ−iso−プロピルエチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジベンジルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン、N,N−ジメチルエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、sym−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルトリメチレンジアミン、N,N−ジメチル−n−ドデシルアミン、p−N,N−ジメチル−4−ピリジンアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチルプロパノ−ルアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、1,1−ジメトキシ−N,N−ジメチルエチルアミン、2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミン、3,4−ジメトキシフェネチルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、2−チアジルアミン、テトラアセチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’ −テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’ −テトラエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’ −テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’ −テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、テトラヒドロフルフリルアミン、N,N,N’,N’ −テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’ −テトラメチルグルタリルジアミン、N,N,N’,N’ −テトラメチル−2−ブテン−1,4−ジアミン、N,N,N’,N’ −テトラメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’ −テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、テトラメチレンジアミン、n−デシルアミン、2,2,2−トリフルオロエチルアミン、2−(トリフルオロメチル)ベンジルアミン、3−(トリフルオロメチル)ベンジルアミン、4−(トリフルオロメトキシ)ベンジルアミン、N,N,N’−トリメチル−1,3−プロパンジアミン、トリメチレンジアミン、N−〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、2−(p−トリル)エチルアミン、n−ドデシルアミン、1,5−ナフタレンジアミン、1,5−ナフチレンジアミン、2−ニトロ−1,4−フェニレンジアミン、4−ニトロ−1,2−フェニレンジアミン、ノナメチレンジアミン、1,9−ノナンジアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ビス(2−アミノエチル)アミン、N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン、ビス(2−エチルヘキシル)アミン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジルアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(フェニルメチレン)−1,2−エチレンジアミン、2−(1−ピペラジニル)エチルアミン、N−フェニルエタノ−ルアミン、2−フェニルエチルアミン、N−フェニルジエタノ−ルアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、3−フェニル−1−プロピルアミン、N−フェニルベンジルアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、フェネチルアミン、2−フルオロベンジルアミン、3−フルオロベンジルアミン、4−フルオロベンジルアミン、フルフリルアミン、1,4−ブタンジアミン、N−n−ブチルジエタノ−ルアミン、N−ブチルベンジルアミン、iso−プロパノ−ルアミン、n−プロパノ−ルアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、N−プロピルエチレンジアミン、N−プロピル−1,3−プロパンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、n−ヘキサデシルアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、n−ヘキシルアミン、ヘプタメチレンジアミン、ベンジルアミン、N−ベンジルエタノ−ルアミン、N−ベンジル−N−メチルエタノ−ルアミン、1,4−ベンゾジオキサン−6−アミン、ペンタメチレンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、ホモベラトリルアミン、N−メチルエタノ−ルアミン、N−メチルエチレンジアミン、N−メチル−n−オクタデシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジエタノ−ルアミン、4−メチル−1,2−フェニレンジアミン、4−メチル−1,3−フェニレンジアミン、N−メチルフェネチルアミン、5−メチル−2−フランメタンアミン、N−メチル−N−プロパギルベンジルアミン、2−メチルプロピルアミン、N−メチルプロピルアミン、3−メチルベンジルアミン、4−メチルベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−(4−メトキシフェニル)エチルアミン、2−メトキシベンジルアミン、3−メトキシベンジルアミン、4−メトキシベンジルアミン、モノエタノ−ルアミン、ラウリルアミン。
エピハロヒドリンとの反応によりエポキシモノマー類(グリシジルエステル型)を作るカルボン酸化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
アウリントリカルボン酸、アセチレンジカルボン酸、1,3−アセトンジカルボン酸、1−アダマンタンカルボン酸、DL−1−アミノインダン−1−カルボン酸、1−(アミノカルボニル)−1−シクロプロパンカルボン酸、1−アミノ−1−シクロプロパンカルボン酸、1−アミノ−1−シクロヘキサンカルボン酸、cis−2−アミノ−1−シクロヘキサンカルボン酸、trans−2−アミノ−1−シクロヘキサンカルボン酸、cis−2−アミノ−4−シクロヘキセン−1−カルボン酸、trans−2−アミノ−4−シクロヘキセン−1−カルボン酸、1−アミノ−1−シクロペンタンカルボン酸、cis−2−アミノ−1−シクロペンタンカルボン酸、2−アミノ−4,5,6−7−テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフェン−3−カルボン酸、2−アミノトトラリン−2−カルボン酸、3−exo−アミノビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2−exo−カルボン酸、3−endo−アミノビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2−endo−カルボン酸、2−アミノピラジン−2−カルボン酸、9−アントラセンカルボン酸、1−イソキノリンカルボン酸、4,5−イミダゾ−ルジカルボン酸、インド−ル−3−カルボン酸、インド−ル−5−カルボン酸、インド−ル−6−カルボン酸、4−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−2−カルボン酸、カルコンカルボン酸、3−(4−カルボキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−5−カルボン酸、3−キノリンカルボン酸、6−キノリンカルボン酸、2−クロロ−6−メチル−3−ピリジンカルボン酸、1−シアノ−1−シクロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、シクロプロパンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、trans−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−ジクロヘキサンジカルボン酸、1−シクロヘキセン−1−カルボン酸、3−シクロヘキセンカルボン酸、cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、1−(2,4−ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボン酸、4,8−ジヒドロキシ−2−キノリンカルボン酸、p−ジメチルアミノアゾベンゼン−o−カルボン酸、cis−2−(2−チオフェンカルボニル)−1−シクロヘキサンカルボン酸、trans−2−(2−チオフェンカルボニル)−1−シクロヘキサンカルボン酸、2−チオフェンカルボン酸、3−チオフェンカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、cis−5−ノルボルネン−endo−2,3−ジカルボン酸、5−ヒドロキシ−2−インド−ルカルボン酸、cis−2−ヒドロキシ−1−シクロペンタンカルボン酸、4−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−3−キノリンカルボン酸、3−ヒドロキシ−2−ピリジンカルボン酸、4−ヒドロキシ−2−ピロリジンカルボン酸、9−ヒドロキシ−9−フルオレンカルボン酸、2−ビフェニルカルボン酸、4−ビフェニルカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸、2−ピペリジンカルボン酸、2−ピラジンカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸、4−ピリジンカルボン酸、3−ピリジンカルボン酸、2−ピリジンカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,3−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、3,4−ピリジンジカルボン酸、3,5−ピリジンジカルボン酸、DL−2−ピロリジンカルボン酸、DL−2−ピロリドン−5−カルボン酸、ピロ−ル−3−カルボン酸、フェニルアセチレンカルボン酸、2−フェニル−4−キノリンカルボン酸、1−フェニル−1−シクロプロパンカルボン酸、trans−2−フェニルシクロプロパン−1−カルボン酸、1−フェニル−1−シクロヘキサンカルボン酸、4−trans−フェニルシクロヘキサン−cis−1,2−ジカルボン酸、1−フェニルシクロペンタンカルボン酸、2−フランカルボン酸、3−フランカルボン酸、9−フルオレノン−2−カルボン酸、9−フルオレンカルボン酸、1−(2−フルオロフェニル)シクロペンタンカルボン酸、1−(3−フルオロフェニル)シクロペンタンカルボン酸、1−(4−フルオロフェニル)シクロペンタンカルボン酸、cis−2−(4−フルオロベンゾイル)−1−シクロヘキサンカルボン酸、trans−2−(4−フルオロベンゾイル)−1−シクロヘキサンカルボン酸、trans−4−ブチルシクロヘキサンカルボン酸、4−tert−ブチルシクロヘキサンカルボン酸、cis−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−シクロペンタンカルボン酸、trans−4−プロピルシクロヘキサンカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2−4−ベンゼントリカルボン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、cis−2−ベンゾイル−1−シクロヘキサンカルボン酸、trans−2−ベンゾイル−1−シクロヘキサンカルボン酸、diendo−3−ベンゾイルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2−カルボン酸、2−trans−ベンゾイル−5−trans−フェニル−1−シクロヘキサンカルボン酸、ベンゾフェノン−2−カルボン酸、trans−4−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸、メチレンカルボン酸、1−メチル−1−シクロヘキサンカルボン酸、3−メチル−2−チオフェンカルボン酸、1−(4−メチルフェニル)−1−シクロプロパンカルボン酸、2−メチル−1H−ベンズイミダゾ−ル−5−カルボン酸、p−メチルベンゼンスルホン酸4−フェニル−4−ピペリジンカルボン酸、cis−2−(p−メチルベンゾイル)−1−シクロヘキサンカルボン酸、trans−2−(p−メチルベンゾイル)−1−シクロヘキサンカルボン酸、DL−3−メチレンシクロプロパン−trans−1,2−ジカルボン酸、5−メトキシインド−ル−2−カルボン酸、1−(4−メトキシフェニル)−1−シクロプロパンカルボン酸。
[1−3.硬化剤]
硬化剤は、その種類に制限はなく、グリシジル基と反応する官能基を2以上有する公知の化合物を使用することができる。
グリシジル基と反応する官能基としては、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、酸無水物基などが挙げられる。
官能基としてヒドロキシル基を有する化合物としては、例として、上述したエピハロヒドリンとの反応によりエポキシモノマー類を生成するフェノール化合物又はアルコール化合物として例示した化合物などが挙げられる。また、官能基としてヒドロキシル基を有する化合物として、各種アルコール類なども挙げられる。
官能基としてアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物としては、例として、上述したエピハロヒドリンとの反応によりエポキシモノマー類を生成するアミノ化合物及びカルボン酸化合物として例示した化合物などが挙げられる。
官能基としてチオール基を有する化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
5−アミノ−1,3,4−ジアジアゾール−2−チオ−ル、2−アミノ−6−プリンチオール、エタンジチオール、2,2‘−オキシジエンチオール、1,8−オクタンジチオール、2,3−キノキサリンジチオール、4,6−ジアミノ−2−ピリミジンチオール、ジチオール、1,10−デカンジチオール、デュレン−α1,α2−ジチオール、トルエン−3,4−ジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,3−プロパンジチオール。
官能基として酸無水物基を有する化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
二無水cis,cis,cis,−1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、二無水ピロメリット酸、二無水3,3’、4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,4,9,10−二無水3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、無水安息香酸、無水イタコン酸、無水3−エチル−3−メチルグルタル酸、無水3,6−exo−オキソ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、無水4−カルボキシフタル酸、無水環状テトラブロモ−2−スルホ安息香酸、無水グルタル酸、無水こはく酸、無水cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、無水シトラコン酸、無水2,2−ジメチルグルタル酸、無水3,3−ジメチルグルタル酸、無水2,2−ジメチルこはく酸、無水2,3−ジメチルマレイン酸、無水2−スルホ安息香酸、無水テトラクロロフタル酸、無水cis−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、無水3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、無水テトラブロモフタル酸、無水3,3−テトラメチレングルタル酸、無水トリメリット酸、無水トリメリット酸クロリド、無水ドデセニルこはく酸、無水2−ドデセン−1−イルこはく酸、無水1,8−ナフタル酸、無水3−ニトロ−1,8−ナフタル酸、無水3−ニトロフタル酸、無水4−ニトロフタル酸、無水ノネニルこはく酸、無水5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、無水endo−ビシクロ〔2.2.2〕オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、無水2,3−ピリジンカルボン酸、無水2−フェニルグルタル酸、無水フェニルマレイン酸、無水フタル酸、無水3−フルオロフタル酸、無水1,4,5,6,7,7−ヘキサクロロ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、無水ヘキサヒドロ−4−メチルフタル酸、無水ヘキサフルオログルタル酸、無水ホモフタル酸、無水マレイン酸、無水3−メチルグルタル酸、無水4−メチルフタル酸。
[1−4.硬化促進剤]
硬化促進剤としては、アニオン部分が珪酸イオン(Si0 2−)又は炭酸イオン(CO 2−)でなり、少なくとも1つのアンモニウムカチオンがこれらのアニオンに配位したアンモニウム塩が好適に用いられる。これにより、硬化促進剤は、触媒作用により、エポキシ主剤及び硬化剤の反応速度を著しく向上させることができるからである。
硬化促進剤としては、固体結晶の状態のものを使用することが好ましい。通常、アンモニウム塩は、水溶液又はアルコール溶液として得られるが、水溶液又はアルコール溶液の状態であると硬化剤に添加することが困難であり、相溶する溶媒にも制限がある。特に水溶液は、硬化剤に添加することが著しく困難である。硬化促進剤として固体結晶を用いることにより、相溶する溶媒の種類を著しく拡大することができ、使用する用途を大幅に拡大できる。なお、固体結晶の製造方法については後述する。また、固体結晶は、水分子を含有していても良い。少量の水分子であれば、溶解性に大きく影響を与えないからである。
アンモニウムカチオンとしては、NH で表される、いわゆるアンモニウムカチオンでも良いが、水素の一部又は全部が置換基に置換されたアンモニウムカチオンであることが好ましい。有機溶剤や硬化剤に対する相溶性を向上し得るからである。
好ましいアンモニウムカチオンの例を、以下に挙げる。
2−アセトキシエチルトリメチルアンモニウム、アルキルベンジルジメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、カルバゾイルメチルトリメチルアンモニウム、2−クロロエチルアンモニウム、N−(2−クロロエチル)−N,N−ジメチルアンモニウム、(2−クロロエチル)トリメチルアンモニウム、N−(2−クロロプロピル)−N,N’−ジメチルアンモニウム、N−(3−クロロプロピル)−N,N−ジメチルアンモニウム、N,N−ジエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、N,N−ジメチル−2−メルカプトエチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、テトラデシルメチルベンジルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラ−n−ヘキシルアンモニウム、テトラヘプチルアンモニウム、テトラ−n−ペンチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、トリカプリルメチルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、n−ドデシルトリメチルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、ビニルベンジルトリメチルアンモニウム、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、N−ベンジル−N−ドデシル−N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、メチルトリオクチルアンモニウム、N−メチルヒドロキシルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム。
アンモニウムカチオンは、一般式(1)で表される4級アンモニウムカチオンであることが特に好ましい。一般式(1)において、R〜Rは炭素を有する置換基である。置換基の種類に制限はなく、エポキシ主剤及び硬化剤の反応速度、並びに硬化剤や有機溶剤との相溶性など、硬化促進剤としての各種特性に応じて適宜選択されることが好ましい。
Figure 2011057936
置換基R〜Rは、メチル基、エチル基ブチル基などの親油性を有するアルキル基であっても良い。また、置換基R〜Rは、ヒドロキシル基やカルボン酸基などの極性基を含有するようにしてもよい。置換基R〜Rの分子量を増大、又は極性を増大させることにより、硬化剤や有機溶剤との相溶性を向上させることができる。
置換基R〜Rは、相互に相違していても同一でも良い。分子量の大きい置換基を例えば1つだけ有することにより、4級アンモニウムカチオンのヘテロ性を増大させて硬化剤や有機溶剤との相溶性を向上させることができる。また、アニオンに対して一般式(1)に示されるアンモニウムカチオンと、一般式(1)以外のカチオンを配位させることにより、4級アンモニウム塩全体としてのヘテロ性を向上させることも有効である。
置換基R〜Rは、4級アンモニウムカチオンにおける中心の窒素との間で環構造を形成していても良い。硬化促進剤としての本質的な効果に与える影響は小さいと考えられるからである。
硬化促進剤としては、一般式(2)〜(6)に示す化合物を用いることが特に好ましい。以下に、各一般式に対応する化学名を挙げる。
一般式(2):炭酸二テトラメチルアンモニウム
一般式(3):炭酸水素テトラメチルアンモニウム
一般式(4):メタ珪酸テトラメチルアンモニウム
一般式(5):炭酸二(2−ヒドロキシエチル・トリメチルアンモニウム)
一般式(6):炭酸(テトラメチルアンモニウム)(2−ヒドロキシエチル・トリメチルアンモニウム)
Figure 2011057936
Figure 2011057936
Figure 2011057936
Figure 2011057936
Figure 2011057936
[1−5.実施例]
[1−5−1.結晶粉末の作製]
以下のように、化合物A〜Eの結晶体を作製した。
ステンレス耐圧容器に水酸化テトラメチルアンモニウム・メタノール溶液を注入した密封した。容器を氷冷し、圧縮ボンベから炭酸ガスを注入した。この状態で水酸化テトラメチルアンモニウム・メタノール溶液を攪拌し、さらに炭酸ガスを注入した。
さらに攪拌を続けながら、ステンレス耐圧容器内の圧力を監視し、圧力がほぼ一定値に収束した時点で、ステンレス耐圧容器の圧力を開放し、開封した。得られた反応液を40[℃]で減圧蒸留し、炭酸テトラメチルアンモニウム(化合物A)の結晶を得た。図1に、得られた結晶体のIRチャートを示している。
ステンレス耐圧容器に水酸化テトラメチルアンモニウム・メタノール溶液を注入した密封した。容器を氷冷し、水酸化テトラメチルアンモニウムと当量のドライアイスを加え、密封した。この状態で水酸化テトラメチルアンモニウム・メタノール溶液を攪拌した。
ステンレス耐圧容器内の圧力を監視し、圧力がほぼ一定値に収束した時点で、ステンレス耐圧容器の圧力を開放し、開封した。得られた反応液を40[℃]で減圧蒸留し、炭酸水素テトラメチルアンモニウム(化合物B)の結晶を得た。図2に、得られた結晶体のIRチャートを示している。
ステンレス耐圧容器に水酸化テトラメチルアンモニウム・メタノール溶液に珪酸粉末を加え、50[℃]に加熱して攪拌することにより、珪酸粉末を溶解させた。水素ガスの発泡が終了した時点で、反応液を濾過した。
得られた濾液を40[℃]で減圧蒸留し、メタ珪酸テトラメチルアンモニウム(化合物C)の結晶を得た。図3に、得られた結晶体のIRチャートを示している。
ステンレス耐圧容器に水酸化2−ヒドロキシエチル・トリメチルアンモニウムの5%水溶液を注入した密封した。容器を氷冷し、圧縮ボンベから炭酸ガスを注入した。この状態で溶液を攪拌し、さらに炭酸ガスを注入した。
さらに攪拌を続けながら、ステンレス耐圧容器内の圧力を監視し、圧力がほぼ一定値に収束した時点で、ステンレス耐圧容器の圧力を開放し、開封した。得られた反応液を40[℃]で減圧蒸留し、炭酸二(2−ヒドロキシエチル・トリメチルアンモニウム)(化合物D)の結晶を得た。図4に、得られた結晶体のIRチャートを示している。
ステンレス耐圧容器に水酸化2−ヒドロキシエチル・トリメチルアンモニウムの5%水溶液、及び水酸化テトラメチルアンモニウム・メタノール溶液の当量混合液を注入した密封した。容器を氷冷し、圧縮ボンベから炭酸ガスを注入した。この状態で当量混合液を攪拌し、さらに炭酸ガスを注入した。
さらに攪拌を続けながら、ステンレス耐圧容器内の圧力を監視し、圧力がほぼ一定値に収束した時点で、ステンレス耐圧容器の圧力を開放し、開封した。得られた反応液を40[℃]で減圧蒸留し、炭酸(テトラメチルアンモニウム)(2−ヒドロキシエチル・トリメチルアンモニウム)(化合物E)の結晶を得た。
[1−5−2.硬化促進剤の相溶性]
硬化促進剤として、本発明の化合物A〜E、及び比較対象としての化合物O〜Sを準備した。化合物A〜Eは、アニオン部分が珪酸イオン(Si0 2−)又は炭酸イオン(CO 2−)でなる4級アンモニウム塩であり、上述した固体結晶体の製造方法に従って調整されたものを使用した。化合物A〜Eは、一般式(2)〜(6)にそれぞれ示される化合物である。
化合物O及びPは、エポキシ樹脂の硬化促進剤として一般に使用される3級アミン化合物であり、市販されている固体のものを使用した。化合物Pを一般式(7)として示す。
Figure 2011057936
化合物Q〜Xは、アニオン部分がホウ酸イオン(B0 3−)、酢酸イオン(CHCOO)又はフタル酸イオン(C(COO)、ヨウ素イオン(I)、四フッ化ホウ酸(BF )、六フッ化リン酸(PF )でなる4級アンモニウム塩である。化合物Q〜Xは、上述した固体結晶体の製造方法と同様に、アンモニウム溶液に対して酸を添加し、蒸溜することにより、固体結晶体を得た。
以下に、化合物O〜Xに対応する化合物の化学名を示す。
化合物O:トリエタノールアミン(一般式(7))
化合物P:4−(ジメチルアミノ)ピリジン
化合物Q:ホウ酸テトラメチルアンモニウム
化合物R:酢酸テトラメチルアンモニウム
化合物S:フタル酸テトラメチルアンモニウム
化合物T:ヨウ化エチルメチルピロリジニウム
化合物U:ヨウ化テトラプロピルアンモニウム
化合物V:四フッ化ホウ酸テトラエチルアンモニウム
化合物W:四フッ化ホウ酸トリエチルメチルアンモニウム
化合物X:六フッ化リン酸テトラブチルアンモニウム
化合物A〜E及び化合物O〜Xの硬化剤に対する相溶性について確認した。硬化剤は、一般式(8)に示す化合物であり、化学名を以下に示す。以下、この化合物をPEMPと略す。
硬化剤:ペンタエリスリトール・テトラキス(3−メルカプト・プロピオネート)
Figure 2011057936
PEMP20重量部に対し、硬化促進剤1重量部を添加して攪拌することにより、硬化促進剤をPEMPに溶解させた。硬化促進剤がPEMPに相溶しない場合には、PEMP及び硬化促進剤の混合物をアルコールなどの極性溶媒で希釈することにより、硬化促進剤がPEMPに相溶する相溶条件を確認した。
表1に、化合物A〜E及び化合物O〜XのPEMPに対する相溶及び相溶条件を示す。
Figure 2011057936
表からわかるように、化合物A、C及びQは、PEMPに対して相溶性せず、アルコールによる希釈を必要とした。他の化合物B、D及びE、並びにO、P、R、S、T及びUは、PEMPに相溶した。また、化合物V、W及びXは、DMSO(ジメチルスルホキシド)による希釈を必要とした。
ここで、PEMPに対して相溶しなかった化合物A及び相溶した化合物Bの化学式を比較する。化合物A(一般式(2))は、炭酸イオンの両側にアンモニウムカチオンが配位しているのに対し、化合物B(一般式(3))は、炭酸イオンの片側にのみアンモニウムカチオンが配位している。すなわち、化合物Bは、その構造が非対称性が化合物Aよりも大きいため、PEMPに対する相溶性を向上させたものと推測される。
化合物Q〜Xについても同様であり、同じテトラメチルアンモニウムを配位させている。しかしながら、2つのアンモニウムカチオンを配位させ対称性の高い化合物QではPEMPに対する相溶性が低く、対称性の低い化合物R及びSではPEMPに対する相溶性が高くなった。
また、化合物A及び化合物C(一般式(4))では、アンモニウムカチオンがテトラメチルアンモニウムである。これに対して化合物D及びE(一般式(5)及び(6))は、アンモニウムカチオンとして2−ヒドロキシエチル・トリメチルアンモニウムを含有している。
すなわち、化合物D及びEでは、化合物Aにおけるアンモニウムカチオンのメチル基の一部を2−ヒドロキシエチル基に置き換えた構造を有している。これにより、化合物D及びEでは、PEMPに対する相溶性が向上することが確認された。
また、化合物Tでは、置換基Rが環を形成することにより、アンモニウムカチオン内での対称性が低くなり、PEMPに対する相溶性を向上させたものと推測される。化合物Uは、置換基R(プロピル基)の炭素数が多いため、PEMPに対する相溶性が向上したものと考えられる。
なお、化合物O及びPは、3級アミン化合物であり、PEMPに対する相溶性は高かった。化合物V、W及びXは、置換基Rの構造に拘わらず、PEMPに対する相溶性が変化しなかった。これは、アニオンの構造に起因するものと考えられる。
このように、4級アンモニウム塩では、置換基R〜Rの構造又は4級アンモニウム塩としての対称性によって、硬化剤などに対する相溶性を変化させ得ることが確認された。具体的に、アニオンに対してアンモニウムカチオンを1つのみ配位させた方が、2つ配位させるよりもPEMPに対する相溶性を高くできた。また、置換基R〜Rにおける炭素数を増大させたり、非対称性を向上させたりすることにより、PEMPに対する相溶性を向上できた。
これらのことは、各種有機溶剤に対する相溶性に対しても同様であり、4級アンモニウム塩としての構造を変化させることにより、所望する溶媒に対する相溶性を調整することが可能である。
[1−5−3.硬化速度向上の確認]
表2に示すように、エポキシ樹脂として、DGEBA及びDGE2EGに対し、硬化促進剤(化合物A〜E及びO〜X)を溶解させたPEMPを混合し、サンプルS1〜S4、及び比較サンプルR1〜R10を調整した。DGEBA及びDGE2EGの化学式を以下に示す。
DGEBA :ビスフェノールA・ジグリシジルエーテル(一般式(9))
DGE2EG :ジエチレングリコール・ジグリシジルエーテル(一般式(10))
Figure 2011057936
Figure 2011057936
Figure 2011057936
混合直後からの混合液の温度を測定した。表3に、混合開始から最高温度に到達するまでのピーク時間と、当該最高温度であるピーク温度の一覧を示している。また、図5〜図7に、実際に測定された温度曲線を示している。なお、図8及び図9は、図7の一部を拡大したものである。
Figure 2011057936
表3及び図5からわかるように、サンプルS1〜S4では、いずれもピーク時間が2〜5[min]と短く、ピーク温度も120[℃]以上と高かった。この温度上昇は、硬化反応によって生じるものである。従って、サンプルS1〜S4では、混合開始から短時間で硬化反応が進行することが確認された。
これに対して、表3、図6及び図7からわかるように、比較サンプルR1〜R3では、ピーク時間が20分以上といずれも長時間を要した。従って、比較サンプルR1〜R3では、混合開始から硬化反応が進行するまでに長時間を要することが確認された。
また、図7からわかるように、比較サンプルR4〜R10では、殆ど温度上昇が観測されなかった。これは、測定時間内において硬化反応が殆ど進行していないことを意味している。従って、比較サンプルR4〜R10では、混合開始から硬化反応が進行するまでに極めて長時間を要することが確認された。
このように、4級アンモニウム塩でなり、アニオン部分が炭酸又は珪酸でなる硬化促進剤(化合物A〜D)を含有するサンプルS1〜S4では、硬化反応が著しく促進されることが確認された。このときのピーク時間から、サンプルS1〜S4における化合物A〜Dの硬化促進の効果は、3級アミン(化合物O及びP)よりも大きいことが確認された。
また、同じ4級アンモニウム塩であっても、アニオン部分が炭酸又は珪酸以外でなる化合物Q〜Xでは、化合物A〜Dのような著しい硬化促進効果が確認されなかった。このことから、エポキシ樹脂に対する硬化促進効果は、4級アンモニウム塩におけるアニオン部分の構造が大きく寄与していることが確認された。
これに対して、化合物Dは、第2位の置換基Rがメチル基ではなくヒドロキシエチル基に置換されているにも拘らず、置換基R〜Rの全てがメチル基でなる化合物A〜Cと同様の硬化促進効果が確認された。このことから、4級アンモニウム塩におけるカチオン部分(アンモニウムイオン)の置換基R〜Rの構造が変化しても、硬化促進剤として十分な効果が発揮されることが確認された。
1つのアニオンに1つのアンモニウムカチオンが配位(化合物B及びC)していても、1つのアニオンに2つ以上のアンモニウムカチオンが配位(化合物A及びD)していても、4級アンモニウム塩の硬化促進剤として十分な効果が発揮されることが確認された。すなわち、4級アンモニウム塩の硬化促進剤としての効果は、アニオンに対して配位するアンモニウムカチオンの数に影響されないことが確認された。
[1−5−4.ウェザーメータ試験]
サンプルS1〜S3、及び比較サンプルR1〜4について、ウェザーメータ試験(照射量90000[kJ/m]、光源:キセノンランプ)を行い、試験後のサンプルについて、分光光度計による透過率測定を行った。
図10に示すように、比較サンプルR2では明らかな変色が見られたものの、他のサンプルについては殆ど着色が見られなかった。また、比較サンプルR2以外のサンプルでは、いずれの波長に対しても高い透過率を示した。このことから、硬化促進剤として化合物A〜Cを用いたサンプルS1〜S3は、透明性が高く、かつ光照射に対して非常に安定であることが確認された。
すなわち、アニオンが炭酸又は珪酸でなる4級アンモニウム塩を硬化促進剤として用いることにより、光照射に対して変色しにくいエポキシ樹脂成形品を作製することができる。また、エポキシ樹脂の透明性も高いことから、光ディスクや光学材料など、高い透明性が要求される樹脂に対する使用も有望であると考えられる。
[1−6.動作及び効果]
以上の構成によれば、エポキシ樹脂の硬化促進剤は、4級アンモニウム塩でなり、アニオン部分が珪酸イオン又は炭酸イオンでなる。
これにより、硬化促進剤は、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を著しく促進し得、硬化促進剤として良好な特性を呈することができる。
従来、エポキシ樹脂の硬化促進剤としては、3級アミンが最も一般的に用いられてきた。この3級アミンは、変異原性を有することが知られている。3級アミンの中でも、特に揮発性の高い化合物は環境汚染の原因とされている。
他にも、エポキシ樹脂の硬化促進剤として、有機リン化合物、有機金属化合物、ルイス酸、アニオンがハロゲン又は有機酸でなる4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩などが知られている。
有機リン酸化合物は、神経毒性を有するものが多く、一般的に毒性が高いという欠点を有する。有機金属化合物は、調整が非常に煩雑である他、回路基板など電子機器に使用すると、マイグレーションの原因となってしまう。ルイス酸は、特にハロゲン化金属が用いられることが多い。ハロゲン化金属は、腐食性、毒性、刺激性及び分解性が高く、材料としての取り扱いが困難である上、エポキシ樹脂への着色が避けられない。
アニオンがハロゲン又は有機酸でなる4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩は、アニオンが重合反応の阻害要因や、樹脂の分解要因、樹脂を保管する金属容器などの腐食原因となってしまう。
本発明の4級アンモニウム塩は、これまでエポキシ樹脂の硬化促進剤として一般的に使用されてきた3級アミンと比較して、アニオンの酸性が低いため、刺激性が弱く、作業員の安全性を向上させることができる。
硬化促進剤としての4級アンモニウム塩は、一般式(1)に示されるカチオンを有し、R、R、R及びRは、炭素を有する置換基である。
これにより、硬化促進剤は、R、R、R及びRが水素原子でなる場合と比して、4級アンモニウム塩としての極性を低減させ、有機溶剤や硬化剤などに対する相溶性を向上させ得、、硬化促進剤として良好な特性を呈することができる。
、R、R及びRは、少なくとも一部がアルキルアルコール基でなる。これにより、硬化促進剤は、有機溶剤や硬化剤などに対する相溶性をさらに向上させ得る。これにより、硬化促進剤は、硬化剤に溶解させた(すなわち硬化促進剤を含有する)状態で硬化剤として製品化されることができる。
、R、R及びRは、ヘテロ性を有するように置換基が選択されている。これにより、硬化促進剤は、置換基の疎水部分と溶媒とを近接させることができるため、有機溶剤や硬化剤などに対する相溶性をさらに向上させ得る。
、R、R及びRは、その一部が共有結合することにより環状構造を有することができる。これにより、硬化促進剤は、ヘテロ性を向上させることができ、有機溶剤や硬化剤などに対する相溶性をさらに向上させ得る。
4級アンモニウム塩は、化合物B及びCのように、アニオン1分子に対し、一般式(1)に示されるカチオンと、一般式(1)でないカチオンとを配位させる。これにより、硬化促進剤は、4級アンモニウム塩としてのヘテロ性を向上させ、有機溶剤や硬化剤などに対する相溶性をさらに向上させ得る。
4級アンモニウム塩は、アニオン部分が珪酸イオン又は炭酸イオンでなる結晶体でなる。通常、アンモニウム塩は、水溶液又はアルコール溶液として得られる。しかしながら、本発明では、4級アンモニウム塩を、油溶性のカチオン部を有する結晶体として作製することにより、PEMPなどの硬化剤や各種有機溶剤への溶解性を向上させることに成功した。
すなわち、本発明の4級アンモニウム塩は、エポキシ樹脂の硬化促進剤としてだけでなく、種々の触媒や硬化促進剤などとして幅広く使用されることが期待される。特に、本発明の4級アンモニウム塩は、アニオンの酸性度も低いことから、その作用が比較的マイルドであり、合成化学反応に対する作用の大きすぎない触媒としてなど、様々な用途が期待される。
以上の構成によれば、アニオン部分が珪酸イオン又は炭酸イオンでなる4級アンモニウム塩をエポキシ樹脂の硬化促進剤として使用するようにした。これにより、エポキシ主剤と硬化剤との硬化反応を著しく促進することができる。かくして本発明は、良好な特性を呈することができるエポキシ樹脂の硬化促進剤を実現できる。
本発明のエポキシ樹脂の硬化剤は、例えばエポキシ樹脂を用いた種々の製品に利用することができる。
S1〜S4……サンプル、R1〜R10……比較サンプル。

Claims (12)

  1. 4級アンモニウム塩でなり、アニオン部分が珪酸イオン又は炭酸イオンでなる
    エポキシ樹脂の硬化促進剤。
  2. 上記4級アンモニウム塩は、
    一般式(1)に示されるカチオンを有し、R、R、R及びRは、炭素を有する置換基である
    Figure 2011057936
    請求項1に記載のエポキシ樹脂の硬化促進剤。
  3. 上記R、R、R及びRは、
    少なくとも一部がアルキルアルコール基でなる
    請求項2に記載のエポキシ樹脂の硬化促進剤。
  4. 上記R、R、R及びRは、
    ヘテロ性を有するように置換基が選択されている
    請求項3に記載のエポキシ樹脂の硬化促進剤。
  5. 上記R、R、R及びRは、
    その一部が共有結合することにより環状構造を有する
    請求項2に記載のエポキシ樹脂の硬化促進剤。
  6. 上記4級アンモニウム塩は、
    アニオン1分子に対し、上記一般式(1)に示されるカチオンと、上記一般式(1)でないカチオンとを配位させる
    請求項1に記載のエポキシ樹脂の硬化促進剤。
  7. 上記4級アンモニウム塩は、
    一般式(2)〜(6)のいずれかに示される化合物である
    Figure 2011057936
    Figure 2011057936
    Figure 2011057936
    Figure 2011057936
    Figure 2011057936
    請求項1に記載のエポキシ樹脂の硬化促進剤。
  8. アニオン部分が珪酸イオン又は炭酸イオンでなる4級アンモニウム塩を含有する
    エポキシ樹脂成型物。
  9. アニオン部分が珪酸イオン又は炭酸イオンでなる4級アンモニウム塩を含有する
    エポキシ樹脂系接着剤。
  10. アニオン部分が珪酸イオン又は炭酸イオンでなる4級アンモニウム塩を含有する
    エポキシ系の硬化剤。
  11. 4級アンモニウム塩でなり、アニオン部分が珪酸イオン又は炭酸イオンでなる
    4級アンモニウム塩の固形結晶体。
  12. 上記結晶体は、
    水分子を含有する
    請求項11に記載の4級アンモニウム塩の固形結晶体。
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