JP2011054615A - アクチュエータ - Google Patents

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博 丸澤
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Abstract

【課題】より大きな変位量を得ることができ、かつ屈曲変位や伸長変位等、任意方向の変位を得ることができるアクチュエータを実現する。
【解決手段】シート状に形成された高分子材料からなる素子本体1と、該素子本体の両主面に形成された電極部2a、2bとを有している。電極部2a、2bは、導電性高分子からなる導体形成部3a、3bと導体の形成されていない導体非形成部4a、4bとを有している。導体形成部3a、3bは、線状乃至短冊状に多数列設され、幅長t毎に導体形成部3a、3bと導体非形成部4a、4bとが交互に設けられている。そして、素子本体1を挟んで導体形成部3aの対向部分には導体非形成部4bが設けられ、導体非形成部4aの対向部分には導体形成部3bが設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明はアクチュエータに関し、より詳しくは、高分子材料等の電歪又は圧電材料を使用した圧電アクチュエータや電歪アクチュエータ等のアクチュエータに関する。
近年、人工筋肉は、ロボット、介護機器、リハビリ機器等への応用が注目されており、盛んに研究されているが、その材料としては、低電界の印加で所望の歪み量を得ることができ、かつ、歪みが発生したときに容易には弾性変形しない剛性の高い材料が望まれる。
そして、圧電・電歪高分子材料は、小型・軽量化が可能であることから、上述した人工筋肉等への応用が期待されている。
例えば、非特許文献1には、図13に示すように、圧電高分子材料であるポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride;以下、「PVDF」という。)からなるシート部材101a、101bの一方の主面に、導電性高分子である3,4-ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルフォン酸(3,4-polyethlenedioxythiophene-polystyrenesulfonate;以下、「PEDOT/PSS」という。)で電極102a、102bが形成され、かつシート部材101aとシート部材101bとの間にエポキシ層103が介装され、さらにシート部材101a及びシート部材101bが矢印a方向に分極されたバイモルフ型の圧電アクチュエータが開示されている。
非特許文献1によれば、PEDOT/PSS等の導電性高分子材料は、PtやNi等の金属材料と比べるとヤング率が小さいので、圧電高分子材料の変位阻害を抑制することができ、したがって金属材料を電極として用いた場合よりも、大きな変位が得ることができるとされている。
すなわち、電極材料にPtやNi等の金属を用いた場合、圧電高分子材料であるPVDFのヤング率は約1.3GPaであるが、金属材料のヤング率は、例えば、Ptの場合で172GPa、Niの場合で199GPaと大きく、このため金属製電極によってシート部材101a、101bの変位が拘束され、所望の大きな変位量を得ることができない。
これに対し、PEDOT/PSSのヤング率は約2GPaであり、金属材料に比べて遥かに小さいため、PVDFからなるシート部材の変位阻害を抑制することができ、これにより大きな変位量を有する圧電アクチュエータを得ることが可能となる。
Joseph T. Polasik, V.Hugo Schmidt, "Conductive polymer PEDOT/PSS electrodes on the piezoelectric polymer PVDF", proceedings of SPIE, Vol. 5759, 2005, (アメリカ合衆国), p.114-120(p.117、Fig.5)
しかしながら、非特許文献1では、シート部材101a、101bをPVDFで形成し、電極102a、102bをPEDOT/PSSで形成しているものの、シート部材101a、101bの全面に亙って電極102a、102bが形成されているため、電極102a、102bによってシート部材102a、102bの変位が拘束されることには変わりなく、したがって変位量は、使用する高分子圧電材料の圧電定数や導電性高分子材料のヤング率等、材料の物性に依存する。すなわち、非特許文献1では、同一の材料系を使用している限り、変位量を増大させるのは困難である。また、非特許文献1に示すようなバイモルフ型のアクチュエータでは屈曲変位しか得られず、伸長方向の変位を得ることができない。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、より大きな変位量を得ることができ、かつ屈曲変位や伸長変位等、任意方向の変位を容易に得ることができるアクチュエータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係るアクチュエータは、シート状に形成された電歪又は圧電材料からなる素子本体と、該素子本体の両主面に形成された電極部とを有するアクチュエータであって、前記電極部は、導電材料からなる導体形成部と、前記素子本体が表面露出した導体非形成部とを有し、一方の導体非形成部は、少なくとも一部が前記素子本体を挟んで他方の導体形成部と対向し、他方の導体非形成部は、少なくとも一部が前記素子本体を挟んで一方の導体形成部と対向していることを特徴としている。
また、本発明のアクチュエータは、前記電歪又は圧電材料は、高分子材料からなり、前記導電材料は、導電性高分子からなることを特徴としている。
また、本発明のアクチュエータは、前記導体形成部は、線状乃至短冊状に多数列設され、前記導体形成部と前記導体非形成部とが交互に設けられていることを特徴としている。
また、本発明のアクチュエータは、前記導体形成部は、櫛状であることを特徴としている。
また、本発明のアクチュエータは、前記一方の導体非形成部は、前記素子本体の一方の主面の隅部以外の領域に設けられ、前記他方の導体非形成部は、前記素子本体の他方の主面の隅部に設けられていることを特徴とする。
また、本発明のアクチュエータは、前記導体形成部が、略環状及びL字状のいずれかを含むことを特徴としている。
さらに、本発明のアクチュエータは、前記素子本体と前記電極部とを一組とする素子が、複数積層されていることを特徴としている。
上記アクチュエータによれば、シート状に形成された電歪又は圧電材料(例えば、高分子圧電材料又は高分子電歪材料)からなる素子本体と、該素子本体の両主面に形成された電極部とを有するアクチュエータであって、前記電極部は、導電材料(例えば、導電性高分子)からなる導体形成部と、前記素子本体が表面露出した導体非形成部とを有し、一方の導体非形成部は、少なくとも一部が前記素子本体を挟んで他方の導体形成部と対向し、他方の導体非形成部は、少なくとも一部が前記素子本体を挟んで一方の導体形成部と対向しているので、電極部に電圧を印加しても、導体非形成部に相当する部分の素子本体は変位拘束を受けず伸長変位が促進される。すなわち、素子本体の両主面全域に導体を形成した場合に比べ、アクチュエータとしての変位量を増加させることが可能となる。また、電極形状を工夫することにより、変位拘束を受けない個所を自在に設けることができ、任意方向への伸長、屈曲が可能となる。
具体的には、導体形成部を、線状乃至短冊状に多数列設し、導体形成部と導体非形成部とを交互に設けたり、導体形成部を、櫛状に形成したりすることにより、導体形成部に隣接する導体非形成部では、素子本体が表面露出しているので、該導体非形成部に相当する素子本体表面は変位拘束を受けることなく、伸長方向の変位が促進され、変位量を増加させることができる。
また、前記一方の導体非形成部は、前記素子本体の一方の主面の隅部以外の領域に設けられ、前記他方の導体非形成部は、前記素子本体の他方の主面の隅部に設けられるので、導体非形成部に相当する素子本体の部分では変位拘束を受けないので、凹状に湾曲させた屈曲変位を容易に得ることができる。特に、モノモルフ型のアクチュエータで屈曲変位を得る場合は、電圧を印加しないインアクティブ層が必要となるが、本発明ではインアクティブ層がなくても屈曲変位を得ることができ、アクチュエータの簡素化を図ることが可能となる。
さらに、導体形成部を、略環状及びL字状のいずれかを含むようにするのも好ましい。
また、前記素子本体と前記電極部とを一組とする素子が、複数積層されているので、変位量をより一層増大させることが可能となる。
このように本発明によれば、電極形状を工夫して少なくとも一部が導体形成部と対向した導体非形成部を設けることにより、電極材料に依存することなく変位量を増大させることができ、しかも任意方向に伸長、屈曲させることのできるアクチュエータを得ることが可能となる。
本発明に係るアクチュエータとしての圧電アクチュエータの一実施の形態(第1の実施の形態)を示す斜視図である。 図1のA−A断面図である。 第1の実施の形態の変位状態を示す断面図である。 本発明に係るアクチュエータとしての圧電アクチュエータの第2の実施の形態を示す斜視図である。 図4のD−D断面図である。 第2の実施の形態の変位状態を示す断面図である。 本発明に係るアクチュエータの第3の実施の形態を示す斜視図である。 本発明に係るアクチュエータの第4の実施の形態を示す平面図である。 本発明に係るアクチュエータの第5の実施の形態を示す平面図である。 本発明に係るアクチュエータの第6の実施の形態を示す平面図である。 本発明に係るアクチュエータの第7の実施の形態を示す平面図である。 実施例における各試料の変位量を示す図である。 従来のアクチュエータの一例を示す断面図である。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づき詳説する。
図1は本発明に係るアクチュエータとしての圧電アクチュエータの一実施の形態(第1の実施の形態)を模式的に示す斜視図であり、図2は図1のA−A断面図である。
この圧電アクチュエータは、シート状に形成された高分子材料からなる素子本体1と、該素子本体の両主面に形成された電極部2a、2bとを有している。
電極部2a、2bは、導電性高分子からなる導体形成部3a、3bと導体の形成されていない導体非形成部4a、4bとを有し、一方の導体非形成部4aは、素子本体1を挟んで他方の導体形成部3bと対向し、他方の導体非形成部4bは、素子本体1を挟んで一方の導体形成部3aと対向している。
具体的には、導体形成部3a、3bは、線状乃至短冊状に多数列設され、幅長t毎に導体形成部3a、3bと導体非形成部4a、4bとが交互に設けられている。そして、素子本体1を挟んで導体形成部3aの対向部分には導体非形成部4bが設けられ、導体非形成部4aの対向部分には導体形成部3bが設けられている。
図3は、この圧電アクチュエータに電圧を印加した場合の変位状態を示した断面図であり、図中、仮想線は変位前の状態を示している。
すなわち、電極部2a、2bに電圧が印加されると、導体形成部3a、3bは、矢印Bに示すように、素子本体1側に歪む。そして、導体形成部3a、3bと対向した導体非形成部4a、4bは素子本体1が表面露出しているので、電極部2a、2bによる変位拘束を受けずに、矢印Cで示すように、図中、横方向(水平方向)に伸長変位する。そしてその結果、非特許文献1のように素子本体1の両主面全域に導体を形成した場合に比べ、アクチュエータとしての変位量を増加させることが可能となる。
このように本実施の形態では、電極部2a、2bは、導電性高分子からなる導体形成部3a、3bと導体の形成されていない導体非形成部4a、4bとを有し、一方の導体非形成部4aは、素子本体1を挟んで他方の導体形成部3bと対向し、他方の導体非形成部4bは、素子本体1を挟んで一方の導体形成部3aと対向しているので、導体形成部3a、3bに隣接する導体非形成部4a、4bでは、素子本体1が表面に露出した状態となる。したがって、電極部2a、2bに電圧を印加した場合、導体非形成部4a、4bに相当する素子本体1の表面は変位拘束を受けることなく、その結果、伸長方向の変位が助長され、変位量を増加させることができる。
尚、素子本体1を構成する高分子材料としては、強誘電性を有する高分子圧電材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、PVDF、VDFとクロロトリフルオロエチエレン(chlorotrifluoroethylene;以下:「CTFE」という。)の共重合体であるP(VDF−CTFE)、VDFとトリフルオロエチレン(trifluoroethylene;以下、「TrFE」という。)の共重合体であるP(VDF−TrFE)等を使用することができ、また、これらの材料を延伸加工した材料を使用することもできる。
また、導電性高分子としては、電圧印加により大きく歪み、かつヤング率の低いものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、PEDOT、PEDOT/PSS、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン等を使用することができる。
図4は本発明の第2の実施の形態を示す斜視図であり、図5はD−D断面図である。
すなわち、この圧電アクチュエータも、第1の実施の形態と同様、素子本体5と、該素子本体5の両主面に形成された電極部7a、7bとを有し、さらに、電極部7a、7bは、導電性高分子からなる導体形成部8a、8bと導体の形成されていない導体非形成部9a、9bとを有している。
具体的には、一方の主面の略中央部には、平面視正方形状の導体非形成部9aが4個設けられ、該導体非形成部9a以外の領域は導体形成部8aとされている。また、他方の主面の4つの隅部には導体非形成部9bが設けられ、該導体非形成部9b以外の領域には導体形成部8bが設けられている。すなわち、導体形成部8aと導体形成部8bとが素子本体5を挟んで重なり合わない部分を有するように、一方の導体非形成部9aを、一方の主面の隅部以外の領域に設け、他方の導体非形成部9bを、他方の主面の隅部に設けている。
図6は、この圧電アクチュエータに電圧を印加した場合の変位状態を示した断面図であり、図中、仮想線は変位前の状態を示している。
すなわち、電極部7a、7bに電圧が印加されると、導体形成部8a、8bは矢印Eに示すように、素子本体5側に歪む。そして、導体形成部8aと対向した導体非形成部9bに相当する素子本体5は変位拘束を受けることなく屈曲し、さらに導体非形成部9aに相当する素子本体5の部分は変位拘束を受けることなく、XY平面の対角線方向へも若干伸長し、圧電アクチュエータは、凹状に湾曲した屈曲変位を得ることができる。すなわち、例えば、モノモルフ型のアクチュエータで屈曲変位を得る場合は、電圧を印加しないインアクティブ層が必要となるが、本実施の形態では、インアクティブ層がなくても屈曲変位を得ることができ、構造的に簡素なアクチュエータを得ることが可能となる。
このように第1及び第2の実施の形態から明らかなように、電極形状を工夫するのみで、変位量を増加させることができ、しかも伸長方向、屈曲方向等の任意の方向に変位させることが可能となる。
図7は、本発明の第3の実施の形態を示す断面図である。
すなわち、この第3の実施の形態では、第1の実施の形態で示した素子本体1と電極部2a、2bとを一組とする素子10が2個積層されている。
このように素子10を2個積層することにより、第1の実施の形態から更に変位量を増大させることが可能となる。
図8は、本発明の第4の実施の形態を示す断面図である。
すなわち、この第4の実施の形態では、第1の実施の形態で示した素子本体1と電極部2a、2bとを一組とする素子10が4個積層されている。
このように素子10を4個積層することにより、第1の実施の形態に比べより変位量を増加させることができる。
図9は、本発明の第5の実施の形態を示す平面図である。
この第5の実施の形態も、上述と同様、素子本体11の両主面に、導体形成部13a、13bと導体非形成部14a、14bとからなる電極部12a、12bとを有している。そして、前記導体形成部13a、13bは、いずれも櫛形形状に形成されると共に、反対称状に配され、かつ導体形成部13aと導体形成部13bは、一部が素子本体11を介して重なり合い、一部が重なり合わないようにされている。
この第5の実施の形態でも、導体形成部13a、13bに隣接する導体非形成部14a、14bは素子本体11が表面露出しているので、変位拘束を受けるのを抑制でき、大きな変位伸長量を有する圧電アクチュエータを得ることができる。
図10は、本発明の第6の実施の形態を示す平面図である。
この第6の実施の形態も、上述と同様、素子本体15の両主面に、導体形成部17a、17bと導体非形成部18a、18bとからなる電極部16a、16bを有している。そして、導体形成部17a、17bは、いずれも略環状に形成されると共に、一端が素子本体15の端面に引き出されている。また、前記導体形成部17aと導体形成部17bとは、反対称状に配されると共に、導体形成部17aと導体形成部17bは、一部が素子本体15を介して重なり合い、一部が重なり合わないように配されている。
この第6の実施の形態でも、素子本体15の両主面の略中央部に導体形成部17a、17bが形成され、かつ、導体形成部17aは一部が導体非形成部18bと対向し、導体形成部17bは一部が導体非形成部18aと対向することによって、導体形成部17aと導体形成部17bとは、少なくとも一部が重なり合わないように配されているので、電極部16a、16bに電圧印加されても、導体非形成部18a、18bに対応する素子本体15は変位拘束されず、大きな変位量を有する圧電アクチュエータを得ることができる。
第5及び第6の実施の形態のように、導体形成部同士の少なくとも一部が重なり合わない部分があれば、重なり合わない部分は変位拘束されないので、素子本体の全面に導体形成部を設けた場合に比べ、変位量を増加させることができる。
図11は、本発明の第7の実施の形態を示す平面図である。
この第7の実施の形態も、上述と同様、素子本体20の両主面に、導体形成部22a、22bと導体非形成部23a、23bとからなる電極部21a、21bとを有している。そして、導体形成部22a、22bは、いずれもL字状に形成され、一端が素子本体20の端面に引き出されている。また、前記導体形成部22aと導体形成部22bとは、反対称状に配されると共に、導体形成部22aと導体形成部22bが、重なり合わないように配されている。
この第7の実施の形態でも、素子本体20の両主面のL字状の導体形成部22a、22bが形成され、かつ、導体形成部22aは一部が導体非形成部23bと対向し、導体形成部22bは一部が導体非形成部23aと対向することによって、導体形成部22aと導体形成部22bとは、少なくとも一部が重なり合わないように配されているので、電極部21a、21bに電圧印加されても、導体非形成部23a、23bに対応する素子本体20は表面露出しており、したがって当該部分では変位拘束を受けず、導体形成部を素子本体の両主面全域に形成した場合に比べ、大きな変位量を有する圧電アクチュエータを得ることができる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では、アクチュエータとして圧電アクチュエータについて述べたが、電歪アクチュエータに適用できるのはいうまでもなく、電極形状を工夫するのみで、変位量を増大させたり、任意方向への変位を得ることが可能である。
また、本発明は、上述したように電極形状を工夫することにより、非導体形成部を少なくとも一部が導体形成部と対向するように設け、電圧印加時に素子本体が拘束されるのを回避して変位量を増加させようとするものである。したがって、素子本体は高分子材料に限定されることなく、広く電歪又は圧電材料に適用可能であり、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、チタン酸バリウム、ニオブ酸リチウム等のセラミック材料にも適用でき、さらに導体形成部を構成する導電材料についても、導電性高分子に限定されることはなく、Pt、Ni等の金属材料であってもよい。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
〔試料の作製〕
VDFとTrFEとの重合比が75:25に調製されたP(VDF−TrFE)からなる共重合体を用意した。
そして、P(VDF−TrFE)が10〜20重量%となるように、P(VDF−TrFE)をDMF(N,N′−ジメチルホルムアミド)中でエアモータを使用して数時間溶解させ、溶解液を得た。
次いで、ドクターブレード法を使用し、厚みが約1.0μmの成形体を作製し、70℃の温度で乾燥させ、縦5mm、横5mmとなるように切断し、シート状の素子本体を得た。
次に、導電性高分子としてのPEDOT/PSSを機械的に粉砕し、アクリル樹脂(有機バインダ)と共にプロパノール(有機溶剤)中に溶解させ、機械的に撹拌し、PEDOT/PSSペーストを作製した。
次いで、PEDOT/PSSペーストを使用してスクリーン印刷し、厚さ0.3μmの短冊状の導体形成部を有する電極部を両主面に形成し、80℃で数時間乾燥し、上述した図1及び図2に示すような形状を有する実施例1の試料を作製した。尚、導体形成部、及び導体非形成部の幅は、いずれも0.25mmであった。
また、実施例1の試料を2個用意し、導電形成部同士をアクリル樹脂で接着させ、図7に示すような2層構造からなる実施例2の試料を作製した。
さらに、実施例1の試料を4個用意し、導電形成部同士をアクリル樹脂で接着させ、図8に示すような4層構造からなる実施例3の試料を作製した。
また、素子本体の両主面の全面にPEDOT/PSSペーストを塗付し、80℃で数時間乾燥し、比較例の試料を作製した。
〔試料の評価〕
実施例1〜3及び比較例の各試料について、1000MV/mの電界を印加し、レーザ変位計で横方向の変位量ΔL(μm)を測定し、変位前の横方向の長さLに対する変位率ΔL/L(%)、及び比較例に対する倍率を算出した。
表1は、各試料の測定結果を示している。
Figure 2011054615
この表1から明らかなように、PEDOT/PSSを素子本体の両主面に塗付した比較例は、変位量ΔLが12.3μmであり、変位率ΔL/Lは0.25(=12.3×10-6×100/5×10-3)であった。
これに対し実施例1は、短冊状の導体形成部と導体非形成部とが素子本体の上面と下面とで重なり合わないように交互に配しているので、変位量ΔLが15.4μm、変位率ΔL/Lは0.31(=15.4×10-6×100/5×10-3)となり、比較例に比べ1.24倍も増加した。
また、実施例1の試料を2層積層した実施例2は、変位量ΔLが19.2μm、変位率ΔL/Lは0.38(=19.2×10-6×100/5×10-3)となり、比較例に比べ1.52倍も増加した。
さらに、実施例1の試料を4層積層した実施例3は、変位量ΔLが30.9μm、変位率ΔL/Lは0.62(=19.2×10-6×100/5×10-3)となり、比較例に比べ2.48倍も増加した。
図12は、試料中の各点における変位状態を示す図であり、横軸が横方向の長さL(mm)、縦軸は変位量ΔL(μm)である。
この図12から明らかなように、各試料共、中央部では変位が認められなかったが、実施例1〜3は比較例に比べ、中央部から端部に架けて徐々に変位量が増大することが分かった。また、実施例1〜3から明らかなように、積層数を増加するに伴い、変位量は増大傾向となることが分かった。
以上より、短冊状の導体形成部と導体非形成部とを素子本体の上面と下面とで重なり合わないように交互に配することにより、横方向の変位量が増大する圧電アクチュエータを得ることができ、しかも積層することにより、より大きな変位量を有する圧電アクチュエータが実現可能であることが確認された。
〔実施例1〕と同様の方法・手順で素子本体、及びPEDOT/PSSペーストを作製した。
そして、図4に示すような電極形状となるように、PEDOT/PSSペーストを使用してスクリーン印刷し、厚さ0.3μmの電極部を両主面に形成し、80℃で数時間乾燥し、試料を作製した。尚、導体非形成部の寸法は、いずれも縦1mm、横1mmであり、上面の導体非形成部は、下面側の導体非形成部と重なり合わないように、端部から1mmの距離を空けて形成した。
そして、実施例1と同様、レーザ変位計で変位量を測定したところ、対角線方向の略中央で屈曲する変位が生じた。
電極形状を工夫するだけで、大きな変位量を得ることができ、かつ屈曲変位や伸長変位等、任意方向の変位を得ることができる圧電アクチュエータや電歪アクチュエータ等のアクチュエータを得ることができる。
1、5、11、15、20 素子本体
2a、2b、7a、7b、12a、12b、16a、16b、21a、21b 電極部
3a、3b、8a、8b、13a、13b、17a、17b、22a、22b 導体形成部
4a、4b、9a、9b、14a、14b、18a、18b、23a、23b 導体非形成部
10 素子

Claims (7)

  1. シート状に形成された電歪又は圧電材料からなる素子本体と、該素子本体の両主面に形成された電極部とを有するアクチュエータであって、
    前記電極部は、導電材料からなる導体形成部と、前記素子本体が表面露出した導体非形成部とを有し、
    一方の導体非形成部は、少なくとも一部が前記素子本体を挟んで他方の導体形成部と対向し、
    他方の導体非形成部は、少なくとも一部が前記素子本体を挟んで一方の導体形成部と対向していることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記電歪又は圧電材料は、高分子材料からなり、前記導電材料は、導電性高分子からなることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
  3. 前記導体形成部は、線状乃至短冊状に多数列設され、前記導体形成部と前記導体非形成部とが交互に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアクチュエータ。
  4. 前記導体形成部は、櫛状であることを特徴とする請求項3記載のアクチュエータ。
  5. 前記一方の導体非形成部は、前記素子本体の一方の主面の隅部以外の領域に設けられ、前記他方の導体非形成部は、前記素子本体の他方の主面の隅部に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアクチュエータ。
  6. 前記導体形成部は、略環状及びL字状のいずれかを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアクチュエータ。
  7. 前記素子本体と前記電極部とを一組とする素子が、複数積層されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のアクチュエータ。
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