JP2011054408A - 非水系二次電池および非水系二次電池の充電方法 - Google Patents

非水系二次電池および非水系二次電池の充電方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サイクル特性を向上しつつ、電池の内部抵抗の上昇を抑制することができる非水系二次電池を提供する。
【解決手段】正極、負極、セパレータおよび電解質を含む非水系二次電池であって、
4.1V以下の充電電圧で充電され、前記電解質に含まれる溶媒が水素原子の一部がフッ素原子で置換された環状カーボネートを含有する、非水系二次電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水系二次電池、組電池および非水系二次電池の充電方法に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、携帯電話やノートパソコン等に使用される民生用非水系二次電池と比較して極めて高い出力特性、及び高いエネルギーを有することが求められている。したがって、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有する非水系二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。
近年、非水系二次電池のサイクル特性を向上させる方法が検討されている。例えば、特許文献1では、サイクル特性の向上を目的として、電解液に水素原子の一部がフッ素原子で置換された環状カーボネート(以下、単にフッ素化環状カーボネートとも称する)およびフッ素化鎖状カーボネートの双方を含ませる方法が提案されている。
特開2008−123714号公報
しかしながら、上記従来技術においては、充放電を繰り返すと電池の内部抵抗が上昇するといった問題点があった。したがって、本発明の目的は、電池の内部抵抗の上昇を抑制しつつ、サイクル特性を向上させることができる非水系二次電池を提供することである。
上記目的を達成するための本発明による非水系二次電池は、フッ素化環状カーボネートを含む電解質を用い、充電電位を4.1V以下に制御した非水系二次電池である。
本発明の非水系二次電池は、充電電圧を4.1V以下に制御することで、負極表面に形成されたフッ素化環状カーボネート由来の被膜が電解質に溶解している状態を保持することができ、電解質の抵抗を低減させることができる。したがって、電池の内部抵抗の上昇を抑制しつつサイクル特性を向上させることができる。
非双極型の積層型のリチウムイオン二次電池の全体構造を模式的に表した概略断面図である。 リチウムイオン二次電池の外観を示す斜視図である。 電池システムを説明するためのブロック図である。 電池システムの動作手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照して説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
まず、本実施形態に係る非水系二次電池について説明する。非水系二次電池は、たとえば、形態・構造で区別した場合には、積層型(扁平型)電池、巻回型(円筒型)電池などさまざまな形態・構造である。本実施形態においても、これらの形態が適用可能であるが、ここでは積層型(扁平型)電池構造を採用した場合について説明する。もちろん、本発明そのものは、巻回型(円筒型)電池など積層型(扁平型)電池構造以外の構造のものでも実施可能である。
非水系二次電池としては、非水電解質を用いる電池であれば、特に制限されるものではないが、実用性の観点から、リチウムイオン二次電池であることが好ましい。
図1は、非双極型の積層型のリチウムイオン二次電池の全体構造を模式的に表した断面概略図である。なお、非水系二次電池内の電気的な接続形態(電極構造)で見た場合、非双極型(内部並列接続タイプ)電池および双極型(内部直列接続タイプ)電池がある。図1では非双極型電池を図示し、説明するが、これに限定されず、双極型電池であってもよい。
図1に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素(電池要素)21が、外装であるラミネートシート29の内部に封止された構造を有する。詳しくは、高分子−金属複合ラミネートシートを電池の外装として用いて、その周辺部の全部を熱融着にて接合することにより、発電要素21を収納し密封した構成を有している。
発電要素21は、正極集電体11の両面に正極活物質層13が配置された正極と、電解質層17と、負極集電体12の両面に負極活物質層15が配置された負極とを積層した構成を有している。具体的には、1つの正極活物質層13とこれに隣接する負極活物質層15とが、電解質層17を介して対向するようにして、正極、電解質層および負極がこの順に積層されている。本実施形態では、電解質層17は、セパレータに電解液が含浸されてなる。また、正負極活物質層中にも電解液が含浸されてなる。電解液は、水素原子の一部がフッ素原子で置換された環状カーボネートを含有している。なお、電解液は、電解液を含浸させたゲル電解質であってもよい。
これにより、隣接する正極、電解質層および負極は、1つの単電池層19を構成する。したがって、本実施形態の非水系二次電池10は、単電池層19が複数積層されることで、電気的に並列接続されてなる構成を有する。
発電要素21の両最外層に位置する最外層正極集電体には、いずれも片面のみに正極活物質層13が配置されているが、両面に活物質層が設けられてもよい。なお、正極および負極の配置を逆にすることで、発電要素21の両最外層に最外層負極集電体が位置するようにし、該最外層負極集電体の片面のみに負極活物質層が配置されているようにしてもよい。
正極集電体11および負極集電体12は、正極タブ25および負極タブ27がそれぞれ取り付けられている。正極集電体11および負極集電体12と正極タブ25および負極タブ27との取り付けは、たとえば超音波溶接や抵抗溶接等により取り付けられる。なお、正極タブ25および負極タブ27はそれぞれ必要に応じて正極リードおよび負極リード(図示せず)を介して、各電極の正極集電体11および負極集電体12に取り付けられていてもよい。
非水系二次電池10は、4.1V以下の充電電圧で充電されてなる。充電電圧を4.1V以下とすると、電池の内部抵抗の上昇を抑制することができる。
充電電圧を上記所定値以下にすることで、電池の内部抵抗の上昇が抑制されるメカニズムとしては、以下のことが考えられる。なお、下記メカニズムに限定されるものではない。
水素原子の一部がフッ素原子で置換された環状カーボネート(以下、単にフッ素化環状カーボネートとも称する)を含む電解液系(電解液および電解液を含むゲル電解質)では、負極上に、フッ素化環状カーボネート由来の被膜が形成される。特に、電解液の溶媒中のフッ素化環状カーボネートの含有割合が高くなるほど、被膜の形成割合は高くなる。この被膜の存在により電解液の分解が抑制され、サイクル特性が向上すると考えられる。しかしながら、被膜が負極に堆積することにより、電池の内部抵抗が上昇するという問題点を本願発明者らは見出した。
一方で、負極上に形成された被膜は電解液中へ溶解するが、電解液中へ溶解した被膜成分が、電解液の抵抗を極端に低下させる効果があると本願発明者らは推測した。したがって、サイクル特性および電池の内部抵抗の双方を考慮すると、被膜の形成と、電解液に溶解する被膜成分との維持が重要であるものと本願発明者らは考えた。電解液に溶解する被膜成分を維持させる方法を鋭意検討した結果、充電電圧が非常に重要な役割を果たしていることを見出した。一般的に正極で使用されるリチウム酸化物の充電電位(vs Li/Li+)は、4.2V程度であり、かような高い正極電位では電解液に溶解する被膜成分が分解してしまう。逆に、充電電圧を低くすることによって、負極から溶解した成分が高い正極電位で分解してしまうことを防ぎ、電解液に溶解している被膜成分を保持することができるという結論を導いた。すなわち、フッ素化環状カーボネートを含む電解液系であっても、充電電圧を低くすることにより、サイクル特性の向上と、電池の内部電圧の上昇の抑制とを両立した電池を得ることができる。
なお、電解質の溶媒中のフッ素化環状カーボネートの含有量が多いほど、電解液が被膜形成に消費されるが、必要な寿命を満たす量の電解質を電池に投入すれば問題ない。また、作動電圧を低くする(正極電位を下げる)ことにより、溶解した被膜成分が分解されることがなく保持されるので、この点においても充電電圧を低くすることの意義があるものと考えられる。
本実施形態の電池は、4.1V以下で充電されてなる。充電方法としては、特に限定されるものではない。例えば、4.1V以下の上限電圧まで定電流充電を行った後、4.1V以下の上限電圧にて定電圧充電を行う方法が挙げられる。定電圧充電においては、セル電圧が当該一定の電圧を超えないように電流量が絞られる。上限電圧は、上述したように電池の内部電圧の上昇抑制の観点から、4.1V以下であるが、4.0V以下であることが好ましい。また、上限電圧の下限は特に制限されるものではないが、エネルギー密度向上の観点から、3.8V以上であることが好ましい。定電圧充電における充電時間は、特に限定されるものではないが、通常2〜25時間である。
以下、上記実施形態のリチウムイオン二次電池の構成要素について、簡単に説明するが、下記の形態のみには限定されない。
(電解質)
電解質としては、電解液(液体電解質)または電解液を含むゲル電解質が挙げられる。
ゲルポリマー電解質は、流動性がないため、異常時信頼性が向上するという利点がある。ゲルポリマー電解質としては、特に制限されないが、マトリックスポリマーに、上記の電解液が注入されてなる構成を有する。マトリックスポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシドを主鎖または側鎖に持つポリマー(PEO)、ポリプロピレンオキシドを主鎖または側鎖に持つポリマー(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリル酸エステル、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(PVdF−HFP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリ(メチルアクリレート)(PMA)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリビニルクロライド(PVC)などが挙げられる。また、上記のポリマー等の混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体なども使用できる。これらのうち、PEO、PPOおよびそれらの共重合体、PVdF、PVdF−HFPを用いることが望ましい。ゲル電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。
電解液は、溶媒と支持塩(電解質塩)とを含む。溶媒は、フッ素化環状カーボネートを含む。フッ素化環状カーボネートを用いることにより、サイクル特性が向上する。
フッ素化環状カーボネートは特に限定されるものではないが、具体的には下記化学式(1)で表される環状カーボネートが挙げられる。
Figure 2011054408
この際、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基を示す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、または臭素原子が挙げられ、中でもフッ素原子、塩素原子が好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。また、ハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基におけるアルキル基の炭素数は1〜8であり、好ましくは1〜4、より好ましくは1または2である。
〜Rのうち少なくとも1つ、好ましくは1つまたは2つは、フッ素原子またはフッ素原子で置換されたアルキル基を示す。この際、アルキル基の炭素数は1〜8であり、好ましくは1〜4、より好ましくは1または2である。
また、化学式(1)において、nは、0〜5の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。
フッ素化環状カーボネートは、負極−電解質界面に緻密で良好な被膜が形成され、サイクル特性が向上するため、フルオロエチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネートおよび4−フルオロプロピレンカーボネートであることが好ましい。
フッ素化環状カーボネートは1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
電解質の溶媒に対するフッ素化環状カーボネートの含有量としては20体積%以上含有させることが好ましく、30体積%以上含有させることが好ましい。かような範囲であれば、負極−電解質界面に緻密で良好な被膜が形成され、サイクル特性が向上するため、好ましい。フッ素化環状カーボネートの電解質の溶媒に対する含有量の上限は、特に限定されるものではないが、70体積%以下であることが好ましく、50体積%以下であることがより好ましい。上記電解質の溶媒に対するフッ素化環状カーボネートの含有量は分析により解析可能である。また、電解質を準備した段階でのフッ素化環状カーボネートの含有量と、これを注液等により活物質層やセパレータに含浸させた後の電解質溶媒に対するフッ素化環状カーボネートの含有量との間に変化はない。
負極−電解質界面に緻密で良好な被膜を形成する、また初期抵抗値の低減という観点からは、溶媒に下記化学式(2);
Figure 2011054408
で表される鎖状カーボネートを含むことが好ましい。以下、化学式(2)で表される鎖状カーボネートを単に鎖状カーボネートとも称する。
上記化学式(2)において、RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1〜8、好ましくは1〜4のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、または臭素原子が挙げられ、中でもフッ素原子、塩素原子が好ましく、フッ素原子であることが好ましい。好適には、RおよびRは、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。アルキル基が、複数のハロゲン原子を含んでも良いことは言うまでもない。
このような鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、n−プロピルイソプロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート、n−ブチルイソブチルカーボネート、n−ブチル−t−ブチルカーボネート、イソブチル−t−ブチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、n−ブチルメチルカーボネート、イソブチルメチルカーボネート、t−ブチルメチルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、n−ブチルエチルカーボネート、イソブチルエチルカーボネート、t−ブチルエチルカーボネート、n−ブチル−n−プロピルカーボネート、イソブチル−n−プロピルカーボネート、t−ブチル−n−プロピルカーボネート、n−ブチルイソプロピルカーボネート、イソブチルイソプロピルカーボネート、t−ブチルイソプロピルカーボネート;およびこれらの化合物の水素原子の一部がハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)で置換された化合物が挙げられる。
鎖状カーボネートは、負極−電解質界面に緻密で良好な被膜が形成され、サイクル特性が向上するため、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびこれらの化合物の水素原子の一部がハロゲン原子、好ましくはフッ素原子で置換された化合物(例えば、エチルトリフルオロメチルカーボネート)であることが好ましい。
鎖状カーボネートは1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
鎖状カーボネートの電解質の溶媒に対する含有量としては、50体積%以上であることが好ましく、60体積%以上であることが好ましい。かような範囲であれば、負極−電解質界面に緻密で良好な被膜が形成され、サイクル特性が向上するため、好ましい。鎖状カーボネートの電解質の溶媒に対する含有量の上限は、特に限定されるものではないが、80体積%以下であることが好ましい。
電解質に含まれる溶媒には、鎖状カーボネートおよびフッ素化環状カーボネートの他に、他の溶媒を含んでいてもよい。他の溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテルなどのエーテル類;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;アセトニトリルなどのニトリル類;プロピオン酸メチルなどのエステル類;ジメチルホルムアミドなどのアミド類;酢酸メチル、ギ酸メチルなどのエステル類;スルホラン;ジメチルスルホキシド;または3−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−オンなどが挙げられる。
電解質に含まれる支持塩としては、特に限定されず、公知の支持塩(リチウム塩)が使用できる。例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩;LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩などが挙げられ、これらのうち、LiPFが好ましく使用される。これらの支持塩は、単独で使用されてもまたは2種以上混合して使用してもよい。支持塩の溶媒への添加量は、特に限定されず、従来と同様の量が使用できる。溶媒における支持塩のモル濃度が、好ましくは0.5〜2mol/dmとなるような量である。このような範囲であれば、十分な反応性(イオン伝導度)を達成できる。
本実施形態では、セパレータおよび活物質層にフッ素化環状エステルを含む電解液を用いているが、これに限定されるものではない。例えば、セパレータにゲル電解質を用い、活物質層に電解液を用いる形態等、電解質の適用形態は、部材ごとに異なっていてもよい。しかしながら、本発明の効果および生産性の観点からは、セパレータおよび活物質層のいずれにもフッ素化環状カーボネートを含む電解液、またはゲル電解質を用いることが好ましい。
また、本実施形態では電解質として電解液を用いているが、ゲルポリマー電解質を用いてもよいことはもちろんである。また、例えば、セパレータにゲル電解質を用い、正負極活物質層に電解液を用いる
(正極(正極活物質層)及び負極(負極活物質層))
活物質層13または15は活物質を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含む。
正極活物質層13は、正極活物質を含む。正極活物質としては、例えば、LiFePOに代表される、LiMPO(M=Fe、Mn、Co、Ni)などのオリビン型材料、LiMn、LiCoO、LiNiO、Li(Ni−Co−Mn)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム−遷移金属複合酸化物、リチウム−遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。なお、上記以外の正極活物質が用いられてもよいことは勿論である。材料の熱安定性が優れ、耐熱性に優れた電池を得ることができるので、好ましくは、LiMPO(M=Fe、Mn、Co、Ni)であり、より好ましくは、LiFePOで表されるオリビン型リン酸鉄リチウムである。
負極活物質層15は、負極活物質を含む。負極活物質としては、例えば、グラファイト、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、リチウム−遷移金属複合酸化物(例えば、LiTi12、LiMnN)、金属リチウム、リチウム含有合金(例えば、Li−Pb系合金、Li−Al系合金)、SiやSnなどの金属、あるいはTiO、Ti、TiO、もしくはSiO、SiO、SnOなどの金属酸化物などが挙げられる。なお、上記以外の負極活物質が用いられてもよいことは勿論である。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。なお、上記以外の負極活物質が用いられてもよいことは勿論である。材料の容量が大きく、高エネルギー密度の電池が得られるので、好ましくは、炭素材料、チタン酸リチウム、金属リチウム、リチウム含有合金である。
各活物質層13、15に含まれるそれぞれの活物質の平均粒子径は特に制限されないが、高出力化の観点からは、好ましくは1〜20μmである。
正極活物質層および負極活物質層には、通常電解質が含まれる。電解質については上記で説明したフッ素化環状エステルを含む電解質を用いることが好ましい。フッ素化環状エステルを含む電解質については上記で説明したとおりであるので、ここでは説明を割愛する。
正極活物質層13および負極活物質層15には、添加剤として、例えば、バインダ、導電助剤などを含んでいてもよい。
活物質層に用いられるバインダとしては、特に限定されないが、例えば、以下の材料が挙げられる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物などの熱可塑性高分子、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴム、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミドであることがより好ましい。これらの好適なバインダは、耐熱性に優れ、さらに電位窓が非常に広く正極電位、負極電位双方に安定であり活物質層に使用が可能となる。これらのバインダは、1種単独で用いてもよいし、2種併用してもよい。
活物質層中に含まれるバインダ量は、活物質を結着することができる量であれば特に限定されるものではないが、好ましくは活物質層に対して、0.5〜15質量%であり、より好ましくは1〜10質量%である。
導電助剤とは、正極活物質層または負極活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、気相成長炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。活物質層が導電助剤を含むと、活物質層の内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
正極活物質層および負極活物質層中に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、非水溶媒二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。各活物質層の厚さについても特に制限はなく、電池についての従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、各活物質層の厚さは、2〜100μm程度である。
(電解質層)
電解質層は、正極活物質層と負極活物質層との間の空間的な隔壁(スペーサ)として機能する。また、これと併せて、充放電時における正負極間でのリチウムイオンの移動媒体である電解質を保持する機能をも有する。
電解質については、上記電解質の欄で説明したのでここでは説明を割愛する。
電解質層にはセパレータを用いる。セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィンやポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)等の炭化水素、ガラス繊維などからなる微多孔膜が挙げられる。
(集電体)
集電体は、正極側、負極側共に導電性材料から構成される。そして正極側、負極側共に同じ材料からなってもよいし異なる材料からなってもよい。たとえば、金属や導電性高分子が採用されうる。具体的には、たとえば、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、銅などの金属材料が挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であってもよい。なかでも、電子伝導性、電池作動電位という観点からは、アルミニウム、銅が好ましい。
なお、集電体の大きさや厚さについては特に制限はなく、電池容量に見合った大きさであり、かつ集電体としての機能を果たしうる厚さであればよい。
(正極タブおよび負極タブ)
正極タブおよび負極タブは、電池外部に電流を取り出す目的で、各集電体に電気的に接続される。その材料は集電体と同じでもよいし、異なるものでもよい。さらには、各集電体を延長することにより正極タブおよび負極タブとしてもよい。
(電池外装材)
電池外装材としては、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた袋状のケースを用いることができる。このラミネートフィルムには、たとえば、ポリプロピレン、アルミニウム、ポリアミド系合成樹脂をこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルムを用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。また、図示しないが、ラミネート形態の電池外装材に代えて、金属缶ケースを用いることもできる。
[非水電解質二次電池の外観構成]
図2は、本発明に係る非水電解質二次電池の代表的な実施形態である積層型の扁平な非双極型のリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
図2に示すように、積層型の扁平なリチウムイオン二次電池50では、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための正極タブ58、負極タブ59が引き出されている。発電要素(電池要素)57は、リチウムイオン二次電池50の電池外装材52によって包まれ、その周囲は熱融着されており、発電要素(電池要素)57は、正極タブ58及び負極タブ59を外部に引き出した状態で密封されている。ここで、発電要素(電池要素)57は、先に説明した図1に示す非双極型のリチウムイオン二次電池10の発電要素(電池要素)21に相当するものである。また、正極(正極活物質層)13、電解質層17および負極(負極活物質層)15で構成される単電池層(単セル)19が複数積層されたものである。
なお、本発明のリチウムイオン電池は、図1に示すような積層型の扁平な形状のものに制限されるものではない。巻回型のリチウムイオン電池では、円筒型形状のものであってもよいし、こうした円筒型形状のものを変形させて、長方形状の扁平な形状にしたようなものであってもよい。上記円筒型の形状のものでは、その外装材に、ラミネートフィルムを用いてもよいし、従来の円筒缶(金属缶)を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。
また、図2に示すタブ58、59の取り出しに関しても、特に制限されるものではない。正極タブ58と負極タブ59とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし、正極タブ58と負極タブ59をそれぞれ複数に分けて、各辺から取り出しようにしてもよいなど、図2に示すものに制限されるものではない。また、巻回型のリチウムイオン電池では、タブに変えて、例えば、円筒缶(金属缶)を利用して端子を形成すればよい。
(充電方法)
本発明はまた、正極、負極、セパレータおよび電解質を含み、前記電解質に含まれている溶媒が水素原子の一部がフッ素原子で置換された環状カーボネートを含有する非水系二次電池の充電方法であって、前記非水系二次電池の充電電圧を4.1V以下にする、非水系二次電池の充電方法に関する。
充電方法としては、特に限定されるものではない。例えば、4.1V以下の上限電圧まで定電流充電を行った後、4.1V以下の上限電圧にて定電圧充電を行う方法が挙げられる。定電圧充電においては、セル電圧が当該一定の電圧を超えないように電流量が絞られる。上限電圧は、上述したように電池の内部電圧の上昇抑制の観点から、4.1V以下であるが、4.0V以下であることが好ましい。また、上限電圧の下限は特に制限されるものではないが、エネルギー密度向上の観点から、3.8V以上であることが好ましい。定電圧充電における充電時間は、特に限定されるものではないが、通常2〜25時間である。
充電する際に用いる充電制御装置としては、通常の装置を用いることができる。図3に充電制御装置およびこれを用いた電池システムの一例を示す。この電池システム100は、(充電前の)リチウムイオン電池10’(充電されていないことを除いては、上述のリチウムイオン電池10と同じ)とこのリチウムイオン電池10’を充電する充電制御装置110(充電制御手段)からなる。
充電制御装置110は、スイッチ102、電圧計103、電流計104、および制御装置105を有する。電圧計103は正極タブ25と負極タブ27の間に接続され、この間の電圧を測定する。すなわち、リチウムイオン電池10’の正極−負極間の受電電圧を測定する。電流計104は負極タブ27と直流電源120との間に設けられていて電池内に流れる電流を測定する。
制御装置105は、直流電源120からリチウムイオン電池10’に供給される電力の電圧を制御する。このとき制御装置105は、電圧計103および電流計104を監視して、供給されている電圧が制御電圧となっているかどうかと、規定の電流以上の電流が流れていないかを監視している。
直流電源120は外部の電源である。スイッチ102は、充電のオン、オフの切り替えのためのものであり、制御装置105によって制御される。制御装置105は、たとえばマイクロプロセッサーやクロック、メモリなどを有する小型の電子計算機であり、後述する手順からなるプログラムを記憶していて、それを実行することで充電の制御を行う。
この充電制御装置110は、リチウムイオン電池10’と一体化させた電池システム100として提供してもよいし、リチウムイオン電池10’から着脱自在にして単独の充電器として提供してもよい。充電器とする場合は、充電制御装置110は通常の充電器で用いられているその他の機能を有するようにしてもよい。
図4は、この電池システムの充電動作手順を示すフローチャートである。
この充電動作手順の基本は定電流定電圧充電である。そして、定電圧充電領域における充電電圧を、4.1V以下の電圧とするものである。
以下、図4を参照して説明する。なお、以下の説明ではリチウムイオン電池10’を単に電池と称する。
まず、制御装置105は、スイッチ102をオンにして定電流充電を開始する(S1)。このとき制御装置105は、充電開始と同時に充電が終了するまで電圧計103、および電流計104を監視する。この時点での充電は定電流充電であり、電流計104の値から一定の電流が電池に流れるように直流電源120の出力を制御する。
その後、制御装置105は、充電中の電流を定電流とすることができなくなったか否かを判断し(S2)、定電流充電ができなくなった時点で定電圧充電となるように電源120を制御する(S3)。ここで、定電圧充電は4.1V以下の一定電圧となるように制御する。なお、ここで一定電圧とは、4.1V以下の範囲内の電圧であれば多少変動してもよい。
S4において制御装置105は、電流値が充電終了電流値以下となったか否かを判断して(S4)、終了電流値以下であればスイッチ102をオフにして充電動作を終了する。
既に説明したとおり、充電電圧を4.1V以下にすることによって、フッ素化環状カーボネートを含む電解液系であっても、サイクル特性の向上と、電池の内部電圧の上昇の抑制とを両立した電池を得ることができる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
(実施例1)
(1)正極の作製
正極活物質として炭素含有量2質量%のLiFePO(平均粒子径1.9μm)(86質量%)、導電助剤として、アセチレンブラック(6質量%)、およびバインダとして、PVDF(8質量%)を混合した。できあがった正極混合物に対して、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量加えて十分に撹拌して粘度20000cpsのスラリーを調製した。
このようにして得られたスラリーを、正極集電体となるアルミニウム箔(厚さ20μm)上に塗布して乾燥後プレスし、2.9cm×4.0cmで打ち抜いて正極を得た。乾燥後、プレスを行った後の正極活物質層の厚さは、96μmであった。
(2)負極の作製
負極活物質としてグラファイト(平均粒子径5μm)(90質量%)、およびバインダとしてPVDF(10質量%)を混合した。できあがった負極混合物に対して、溶媒としてNMPを適量加えて十分に撹拌して粘度5000cpsのスラリーを調製した。
このようにして得られたスラリーを、負極集電体としての銅箔(厚さ10μm)上に塗布して乾燥後プレスし、3.1cm×4.2cmで打ち抜いて負極とした。乾燥後の負極活物質層の厚さは、62μmであった。
(3)電解質の調製
フルオロエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合溶媒(混合体積比3:7)にLiPFを1モル/Lの割合で混合し、電解質を調製した。
(4)電極組立物の作製
正極、負極およびセパレータ(厚さ25μmのポリエチレン(PE)製の微多孔質膜)を7層積層し、電解質を含浸させた後、アルミラミネート材を用いて封止・成型し、積層型ラミネート電池とした。
(5)電極組立物の充電
充電を25mA(0.05CA)で3.8Vまで定電流充電の後、3.8Vでの定電圧充電を含め合計25時間実施した(初回充電)。その後25mA(0.05CA)で2.0Vまでの放電を実施した。ガス抜き後、500mA(1CA)の電流値で充放電サイクルを200サイクル実施した。
(実施例2〜4)
電解質の溶媒種および溶媒組成比を表1に記載のように変更した(実施例2 フルオロエチレンカーボネート:エチルトリフルオロメチルカーボネート=30:70(体積比)、実施例3 フルオロエチレンカーボネート:4−フルオロプロピレンカーボネート=30:70(体積比)、実施例4 フルオロエチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=50:50(体積比))こと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
(実施例5)
定電圧充電の電圧を3.8Vから4.0Vに変更したこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
(実施例6)
定電圧充電の電圧を3.8Vから4.0Vに変更したこと以外は、実施例2と同様にして電池を作製した。
(比較例1〜5)
電解質の溶媒種および溶媒組成比を表1に記載のように変更したこと、および表1に記載の電圧で定電圧充電を行ったこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
(評価例:電池の内部抵抗)
電池の内部抵抗は以下のように測定した。
初期抵抗値は、初期充放電後、定電流(電流:220mA(1CA))で30分間充電したところで直流抵抗を測定した。直流抵抗の測定は30秒間放電し、セル電圧変化ΔVと電流値から抵抗値を計算した。
比較例1の初期抵抗値を100とした場合の各実施例および比較例の初期抵抗値を表1に示す。
200サイクル目の抵抗値は、充放電サイクルを200サイクル実施した後の電池について、初期充電と同様の条件で充電し、定電流(電流:500mA(1CA))で30分間充電したところで30秒間放電し、セル電圧変化ΔVと電流値から抵抗値を計算した。
比較例1の200サイクル目の抵抗値を100とした場合の各実施例および比較例の初期抵抗値を表1に示す。
結果を表1に示す。
Figure 2011054408
表1から、実施例1〜6の電池は、初期抵抗値およびサイクル後の抵抗値のいずれも良好であることがわかる。具体的には、実施例1および比較例1、実施例5および比較例2を比較すると、フッ素化環状カーボネートを電解質の溶媒として含有させることにより、初期およびサイクル後の電池内部抵抗が抑制されることがわかる。次に、実施例1および比較例3を比較することにより、フッ素化環状カーボネートを電解質の溶媒として含有させ、充電電圧を低くすることにより、電池の内部抵抗、特にサイクル後の内部抵抗の上昇をより抑制できることがわかる。これは、溶媒がフッ素化環状カーボネートから構成される実施例3においても同様である。また、実施例1(実施例5)および比較例4、実施例2(実施例6)および比較例5を比較することにより、溶媒にフッ素化環状カーボネートおよび鎖状カーボネートを含む場合であっても、充電電圧を低くすることにより、サイクル後の内部抵抗の上昇を効果的に抑制できることがわかる。溶媒中のフッ素化環状カーボネートと鎖状カーボネートとの比率を実施例1から変更した実施例4においても、実施例1と同様の効果が発揮された。
これらの結果から、溶媒中にフッ素化環状カーボネートを電解質が含み、充電電圧を4.1V以下にすることで、電池抵抗が上昇することなくサイクル特性が向上することが分かる。
以上、本発明の実施形態および実施例を説明したが、本発明は上述した実施形態や実施例に限定されるものではない。
たとえば、4.1V以下とする充電電圧は、充電のたびに毎回行わなくてもよく、少なくとも1回行えばよい。特に充電初期段階では、劣化寄与が激しいので、繰り返し充電の初期段階で4.1V以下とする充電電圧を行うことが好ましい。また、4.1V以下とする充電電圧は、複数回の充電に1回でもよい。具体的には、たとえば10回に1回や50回に1回など定期的に、またはこれらの回数を超えない回数のうちに不定期的に実施してもよい。この充電電圧は、既に説明したとおり、溶解した被膜成分の分解を抑制するためである。したがって、複数回に1回でも電圧を下げて被膜成分の分解を抑制する作業を行えば、内部電圧を抑制し、サイクル特性の向上を見込むことができる。
10、10’ 積層型電池、
11 正極集電体、
12 負極集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21、57 発電要素、
25、58 正極タブ、
27、59 負極タブ、
29、52 ラミネートシート、
50 リチウムイオン二次電池、
102 スイッチ、
103 電圧計、
104 電流計、
105 制御装置、
110 充電制御装置、
120 直流電源。

Claims (5)

  1. 正極、負極、セパレータおよび電解質を含む非水系二次電池であって、
    4.1V以下の充電電圧で充電され、前記電解質に含まれる溶媒が水素原子の一部がフッ素原子で置換された環状カーボネートを含有する、非水系二次電池。
  2. 前記環状カーボネートが、フルオロエチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネートおよび4−フルオロプロピレンカーボネートからなる群のうち少なくとも1種であり、前記環状カーボネートを電解質に含まれる溶媒100体積%に対して20体積%以上含有する、請求項1に記載の非水系二次電池。
  3. 前記電解質が、下記化学式(2);
    Figure 2011054408
    この際、RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1〜8のアルキル基、またはハロゲン原子を表す;
    で表される鎖状カーボネートを前記電解質に含まれている溶媒100体積%に対して50体積%以上含む、請求項1または2に記載の非水系二次電池。
  4. 正極、負極、セパレータおよび電解質を含み、前記電解質に含まれている溶媒が水素原子の一部がフッ素原子で置換された環状カーボネートを含有する非水系二次電池の充電方法であって、
    前記非水系二次電池の充電電圧を4.1V以下にする、非水系二次電池の充電方法。
  5. 前記充電電圧が3.8〜4.1Vである、請求項4に記載の非水系二次電池の充電方法。
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