以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明の実施の形態に係る照明システムの概略構成を示すブロック図である。照明システムは、1つの電源回路と、該電源回路により電力が供給されて駆動される2つの光源とを有してなる照明装置(以下、親子灯具という)1を複数備えている。また、照明システムは、1つの電源回路と、該電源回路により電力が供給されて駆動される1つの光源とを有してなる照明装置(以下、単体灯具という)2を備えている。これら親子灯具1,1…及び単体灯具2には、使用者の入力操作を受付ける操作スイッチ(以下、操作SWという)31を有する入力装置3が接続してある。
操作SW31は、光源を点灯/消灯する操作を受付ける電源スイッチと、光源の明るさを0%から100%までの範囲において任意の明るさを選択して変更する操作を受付ける調光ボリュームとを含んでなる。なお、調光ボリュームとして、ロータリスイッチ、スライドスイッチ等を用いることができる。選択可能な明るさの範囲についても、0%から100%までの範囲に限定されず、他の範囲であってもよい。
図2は、本発明に係る親子灯具1の概略構成を示すブロック図である。親子灯具1は、外部電源から電力が供給され、交流電圧を直流電圧に変換する電源回路4を備えている。電源回路4の出力端には、制御部5が接続してあり、制御部5には、電源回路4から直流電圧の電力が供給される。
制御部5は、電源回路4から供給された直流電圧を降圧して、降圧した直流電圧を制御用マイクロコンピュータ(以下、制御用マイコンという)52に供給する制御電源供給回路51を備えている。制御用マイコン52には、操作スイッチ入力部(以下、操作SW入力部という)53が接続してある。操作SW入力部53は、入力装置3の操作SW31により与えられた信号を制御用マイコン52に与える。
また、制御用マイコン52には、光源を駆動する駆動回路54が接続してある。制御用マイコン52は、操作SW入力部53により与えられた信号に応じて、光源の調光を制御する制御信号を駆動回路54に与える。駆動回路54は、制御用マイコン52からの制御信号に応じて、光源に対する給電/遮断を行う電界効果型トランジスタ等のスイッチング素子を有している。駆動回路54には、電源回路4から供給される直流電圧で駆動される光源としての2つのLEDモジュール6A,6Bが接続してある。LEDモジュール6A,6Bは、例えば、複数の表面実装型LEDを備えている。なお、制御信号は、LEDモジュール6A,6Bを構成するLEDの電流−輝度特性に従った電流信号であり、本実施の形態においては、PWM信号である。
図3は、本発明に係る単体灯具2の概略構成を示すブロック図である。単体灯具2は、光源として1つのLEDモジュール6のみを備えている。その他の構成は、図2に示す親子灯具1と同様であるため、対応する構成部材に図2と同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。なお、本実施の形態においては、親子灯具1,1…及び単体灯具2において、同一出力の電源回路4と、同一負荷の光源を用いている(LEDモジュール6,LEDモジュール6A,LEDモジュール6Bの負荷が夫々同一である)。これは、親子灯具1と単体灯具2の部品を共通化することにより、生産を効率化すると共に、コストを低減するためである。
以上のように構成された親子灯具1と単体灯具2の光出力制御特性、換言すると調光制御による照度変化量は異なる。図4は、本発明に係る制御値と照度との関係を示す図である。図4の横軸は制御値であるPWM出力値を、縦軸は照度(Lx)を夫々示している。図において、親子灯具1の光出力制御特性を破線にて、単体灯具2の光出力制御特性を実線にて夫々示している。なお、図4に示す照度は、親子灯具1(単体灯具2)直下の所定位置における測定照度であり、諸条件により異なる値であり、あくまでも参考値である。
単体灯具2は、前述した如く、負荷である光源が親子灯具1の半分であるが、図に示すように、PWM出力値は半分にはなっていない。例えば、照度Ea(全点灯状態であり、光出力100%)を得るために必要なPWM出力値は、親子灯具1においては167である一方、単体灯具2においては92である。また照度Ebを得るために必要なPWM出力値は、親子灯具1においては75である一方、単体灯具2においては59である。このように同一照度に対して単体灯具2のPWM出力値は親子灯具1の半分にはなっていないから、単純に親子灯具1の半分の値のPWM出力値を用いても同一の照度にはならない。また、特に親子灯具1において、同一の照度変化量であっても、例えば、照度を0.1×Eaから0.2×Eaへ変化させた場合と照度を0.8×Eaから0.9×Eaへ変化させた場合において、PWM出力値の変化量が異なることがわかる。即ち、PWM出力値を同じ変化の割合で変更した場合、変更開始から目標明るさに到達するまでの時間である調光時間が異なることになる。
ところで、光源の光出力を急に変更して照度を急激に変化させた場合、使用者の目にはフリッカ(ちらつき)として知覚されてしまい、使用者に違和感又は不快感を与えてしまう。特に、照度変化がない状態(光出力が一定である状態)から変更を開始したときに、フリッカを知覚しやすい。そこで、使用者にフリッカを知覚させないためには、変更開始時は照度(光出力)の変化率を低くする必要がある。但し、変化率の低いまま照度を変更すると変更開始から目標の照度に到達するまでの時間(調光時間、調光制御時間)が長くなりすぎるので、光出力を段階的に変更して、徐々に変化率を大きくして調光時間を適切な長さに調整する必要がある。特に使用者が自ら照度調整する場合は、使用者の操作に追従して照度を変化させなければ、好みの照度へ調整することが難しくイライラ感を招きかねないためである。
そこで、前述した光出力制御特性が異なる親子灯具1及び単体灯具2を同時に調光する場合に、使用者に違和感又は不快感を与えることを抑制すべく、照度を同一にすることは当然であるが、調光時間を略同一にすると共に、フリッカを抑制する必要がある。以下、光出力制御特性が異なる、換言すると同一の目標明るさを得るためのPWM変化量が異なる照明装置間において、フリッカを感じることなく、調光時間も略同一とすることができる調光制御方法について説明する。
本発明においては、親子灯具1の調光時間に合わせて単体灯具2の調光時間を設定することにより調光時間を略一致させるようにしてある。なお、単体灯具2の調光時間に合わせて親子灯具1の調光時間を設定することも可能であるが、親子灯具1の方が、前述したように、PWM変化量が大きい。従って、PWM変化量の大きい方に合わせた方が、時間当たりの光出力の変化量を大きくし過ぎることなく適正量に抑えることができ、特に光出力の変更開始時において発生し易いフリッカを抑制することができるため、より望ましい。
まず、親子灯具1の調光時間の設定方法について述べる。時間が異なる複数の時間テーブルを予め用意し、PWM変化量に応じて使用する時間テーブルの数を決定する。変更開始時は、単位PWM変化量当たりの時間が長い、換言すると時間当たりの光出力の変化量が小さい(変化率の小さい)時間テーブルを用い、徐々に単位PWM変化量当たりの時間が短い、換言すると時間当たりの光出力の変化量が大きい(変化率の大きい)時間テーブルに変更していく。PWM変化量が小さいときは、変化率の小さい時間テーブルのみを使用し、PWM変化量が大きいときは、変化率の小さい時間テーブルから変化率の大きい時間テーブルに段階的に移行することにより、PWM変化量の違いによる調光時間の差を小さくしつつ、目標明るさに調光するように構成してある。
本実施の形態においては、この時間テーブルとして、時間テーブル1(T1)=160(msec)、時間テーブル2(T2)=40(msec)、時間テーブル3(T3)=10(msec)、時間テーブル4(T4)=2.5(msec)の4つの時間テーブルを用いている。そして、PWM出力値の1の変化を1段階として調光しており、1段階目にT1を、2段階目にT2を、3段階目にT3を、4段階目以降にT4を用い、PWM変化量が5以上であるとき、T4を複数回使用するようにしてある。親子灯具1の調光時間は、目標明るさに基づいてPWM変化量が求まることにより、前述した時間テーブルにより算出される。
なお、本実施の形態においては、時間テーブルとして、T1、T2、T3、T4の4つを用いているが、時間テーブルの数はこれに限定されず、照明装置の光出力制御特性に応じて適切に選定される。また、各時間テーブルの時間は、あくまでも例示であり、これに限定されないことは言うまでもない。但し、各段階における時間は、変更開始時点から前記目標明るさに達する時点に向けて、降順になるように決定してあることが望ましく、また変更開始時に用いるT1を150(msec)以上にすることが望ましい。
以上のように調光制御される親子灯具1の調光時間に単体灯具2の調光時間を合わせるために、まず、親子灯具1のPWM変化量と単体灯具2のPWM変化量を夫々算出する。PWM変化量は、|調光前のPWM出力値−調光後のPWM出力値|により求められる。調光前のPWM出力値は、換言すると変更開始時点のPWM出力値であり、調光後のPWM出力値は、換言すると目標明るさに対応するPWM出力値である。本実施の形態においては、親子灯具1の明るさとPWM出力値(制御値)との対応関係を示す情報(例えば、テーブル)と、調光時間の算出方法に関する情報(例えば、制御プログラム)とを単体灯具2の制御部5の記憶部(図示せず)に予め記憶させておき、単体灯具2の制御部5において、親子灯具1の調光時間の算出が可能なように構成してある。
例えば、明るさが20%から90%へ変更された場合のPWM変化量は、親子灯具1においては109となり、単体灯具2においては65となる。単体灯具2の調光時間の設定についての考え方は親子灯具1と同じ考え方で行う。即ち、用いる時間テーブルの数は4つとし、調光中にPWM変化量が更新された場合においても随時使用する時間テーブルを更新することによって変更対応可能とする。調光中に目標明るさが変更された場合における調光時間の変更設定については後述する。
また、単体灯具2のPWM変化量の方が、親子灯具1のPWM変化量よりも少ない(又は同じである)から、調光時間を略同じにすべく、単体灯具2において使用する時間テーブルの時間を親子灯具1よりも長い時間にする必要がある。そこで、単体灯具2は親子灯具1の時間テーブルに時間係数を乗算して、本実施の形態においては簡易的に親子灯具1の時間テーブルの整数倍の時間テーブルを作成することにより、複雑な計算をすることなく時間テーブルの設定を行う。
ここで、具体例を挙げて説明する。まず、前述した目標明るさが20%から90%へ変更された場合を例に、単体灯具2の時間テーブルの設定について説明する。この例の場合、親子灯具1の変更段階数は109である。時間テーブルはT1からT4までの4つ全てを使用する。この場合の親子灯具1の調光時間は、次式により計算される。なお、T1からT3は各1回、T4は複数回使用している。
T1×T1を用いる段階数+T2×T2を用いる段階数+T3×T3を用いる段階数+T4×T4を用いる段階数
=160×1+40×1+10×1+2.5×(109−3)=475(msec)
一方、単体灯具2の変更段階数は65であり、T4に乗算する時間係数により調光時間を調整すべく、T4を何倍する必要があるかを考える。
Q=(109−3)/(65−3)=1余り44・・・(1)
なお、本実施の形態においては、乗徐算機能を有しない8ビット程度のマイコンを制御用マイコン52として用いている。従って、この除算は実際には減算により行っている。具体的には、親子灯具1のT4を用いる段階数から単体灯具2のT4を用いる段階数を引けなくなるまで引き算し、引き算した回数を商Qとする。
各時間テーブルT1,T2,T3,T4に乗算する時間係数をT1UP,T2UP,T3UP,T4UP(全て初期値は1)とすると、式(1)により、
T4UP=1
が求まる。
なお、時間テーブルの比は、T1:T2:T3:T4=64:16:4:1となっているから、T4UPが5以上である場合は、4段階目以降(便宜上4段階目とする)の時間が3段階目の時間よりも長くなる。前述した如く、各段階における時間は、光出力の変更開始時点から前記目標明るさに達する時点に向けて、降順になるように設定することが望ましいから、T4UPの大きさによって、T1UP、T2UP、T3UPも1よりも大きな値にする必要がある。なお、この例においては、T4UPは1であるから、全ての時間係数は1のままである。
次に式(1)の余りAに着目する。PWM変化量、換言すると変更段階数が大きい場合は、余りAの数も大きくなるので、調光時間を略一致させるために考慮する必要がある。そこで、補正係数としてT1UP’、T2UP’、T3UP’(全て初期値は0)を夫々計算する。
T1:T2:T3:T4=64:16:4:1であるから、余りAを比率と同じ数で割ってその商を補正係数とする。
T1UP’=44/64=0
T2UP’=44/16=2余り12
T3UP’=12/4=3余り0
先に求めた時間係数に補正係数を加え、次に示すように新たな数を時間係数とする。
T1UP=1+0=1
T2UP=1+2=3
T3UP=1+3=4
T4UP=1
従って、単体灯具2の調光時間は、次式により計算される。
T1×T1UP×T1を用いる段階数+T2×T2UP×T2を用いる段階数+T3×T3UP×T3を用いる段階数+T4×T4UP×T4を用いる段階数
=160×1×1+40×3×1+10×4×1+2.5×1×(65−3)=475(msec)
このように単体灯具2の各段階における時間(T1×T1UP等の親子灯具1の時間テーブルを整数倍した時間テーブル)を設定することにより、この例においては、単体灯具2の調光時間は親子灯具1の調光時間と同じになる。
他の例として、前述した目標明るさが100%から95%へ変更された場合について説明する。この例の場合、親子灯具1の変更段階数は28であり、時間テーブルはT1からT4までの4つ全てを使用する。この場合の親子灯具1の調光時間は、以下となる。
160×1+40×1+10×1+2.5×(28−2)=275(msec)
一方、単体灯具2の変更段階数は5である。T4に乗算する時間係数T4UPをまず求めると、
Q=(28−3)/(5−3)=12余り1・・・(2)
となる。T4UPが4以上になるので、前述した如く、各段階における時間は、光出力の変更開始時点から目標明るさに達する時点に向けて降順になるように設定することが望ましいから、T4UPに加えて他の時間係数も用いて調光時間を調整する。そこで、3段階目の時間係数T3UPを求めるべく、式(2)の商を4で割ると、
12/4=3余り0
となり、余りが0になる。前述したように、親子灯具1と単体灯具2の使用するテーブルの数を同じにするから、余りが0となってもT4UPを0にはできない。そこで、この式を
12/4=2余り4・・・(3)
とし、
T4UP=4
とする。式(3)の商を用いてT3UPの計算を行うため4段階目の段階数を掛ける。
2×(5−3)=4
T3UPが4以上になるので、T2UPを求めるべく、4で割ると
4/4=1余り0
よって、
T3UP=1+0=1、T2UP=1+1=2、T1UP=1
となる。式(2)の余りは1であるから、
T1UP’=T2UP’=T3UP’=0
となる。よって、単体灯具2の調光時間は、
160×1×1+40×2×1+10×1×1+2.5×4×(5−3)=270(msec)
となり、親子灯具1の調光時間より5(msec)短いが、略同一の長さになる。
他の例として、前述した目標明るさが35%から40%へ変更された場合について説明する。この場合、親子灯具1の変更段階数は20であるから、時間テーブルはT1からT3までの3つを使用する。
160×1+40×1+10×(20−2)=380(msec)
一方、単体灯具2の変更段階数は18であり、T3に乗算する時間係数T3UPにより調整すると考えて、T3を何倍する必要があるかを考える。
Q=(20−2)/(18−2)=1余り2・・・(4)
式(4)により、T3UP=1、T2UP=1、T1UP=1
余りは2しかないので、T1UP’=T2UP’=T3UP’=0
先に求めた時間係数に補正係数を加えると
T1UP=1+0=1
T2UP=1+0=1
T3UP=1+0=1
よって、単体灯具2の調光時間は
160×1×1+40×1×1+10×1×(18−2)=360(msec)
となり、親子灯具1の調光時間より20(msec)短いが、略同一の長さになる。
なお、親子灯具1と単体灯具2のPWM変化量(変更段階数)が同じである場合は、調光時間も同じであるため、調光時間を合わせる必要はなく(時間係数を考える必要がなく)、単体灯具2も親子灯具1と同じ時間テーブルを用いて調光を行えばよい。一方、親子灯具1のPWM変化量が1以上であるのに対して、単体灯具2のPWM変化量が0の場合は、単体灯具2のPWM出力値は変化しないので調光時間を合わせることは不可能となる。
また、単体灯具2のPWM変化量が1の場合は、親子灯具1の調光時間と同一の時間をかけて、T1の時間テーブルのみを用いて単体灯具2の調光を行う必要がある。よって、親子灯具1の調光時間を計算し、T1の時間(例えば160(msec))で除算して商を時間係数T1UPに採用して調光する。
また、単体灯具2のPWM変化量が2の場合は、親子灯具1の調光時間と同一の時間をかけて、T1とT2の時間テーブルを用いて単体灯具2の調光を行う。例えば、目標明るさが91%から94%へ変更された場合、親子灯具1の変更段階数は8なので、親子灯具1の調光時間は
160+40×(8−1)=440(msec)
となる。これに対して、単体灯具2において目標明るさが91%から94%へ変更された場合では、変更段階数は2なので、
T1UP=440/160=2余り120
T2UP=120/40=3
となる。よって、単体灯具2の調光時間は、次式により計算される。
160×2+40×3=440(msec)
となり、親子灯具1の調光時間と同一の長さになる。
単体灯具2のPWM変化量が3の場合は、親子灯具1の調光時間と同一の時間をかけて、T1からT3の3つの時間テーブルを用いて単体灯具2の調光を行う。例えば、目標明るさが75%から79%へ変更された場合、変更段階数は8なので、親子灯具1の調光時間は、
160+40×(8−1)=440(msec)
となる。これに対して、単体灯具2において目標明るさが75%から79%へ変更された場合では、変更段階数は3なので、
T1UP=440/160=2余り120
T2UP=120/40=3
となり、120は40で割り切れてしまい、余り0となる。そこで、この式を
T2UP=120/40=2余り4
とし、
T3UP=4
とする。よって、単体灯具2の調光時間は、次式により計算される。
160×2+40×2+10×4=440(msec)
となり、親子灯具1の調光時間と同一の長さになる。
次に、調光中に、目標明るさが変更された場合の調光時間変更設定処理について説明する。親子灯具1においては、調光中に、目標明るさが変更された場合には、次のように対応している。
1段階目は無条件にT1の時間テーブルを用いるため、目標明るさの変更時点がT1の時間テーブルを用いた調光処理中であるときは、2段階目以降の時間により調光時間の調整を行う。T1の時間テーブルを用いた調光処理が終了した時点からT2の時間テーブルを用いた調光処理中までの間に目標明るさの変更時点があるときは、残りのPWM変化量が21より大きい場合はT4の時間テーブルまでを使用することを決定し、8より大きく21より小さい場合はT3の時間テーブルまでを使用することを決定し、8よりも小さい場合は調光が終了するまでT2の時間テーブルの使用を継続する。よって、目標明るさの変更のタイミングがT2の時間テーブルを用いた調光処理中であれば、変更結果によってどの時間テーブルまで使用するかどうかを再決定することができる。
T2の時間テーブルを用いた調光処理が終了した時点からT3の時間テーブルを用いた調光処理中までの間に目標明るさの変更時点があるときは、残りのPWM変化量が21より大きい場合はT4の時間テーブルまで使用することを決定し、21より小さい場合はT3の時間テーブルの使用を継続する。よって、目標明るさの変更のタイミングがT3の時間テーブルを用いた調光処理中であれば、変更結果によってT4の時間テーブルへ進むかどうかを再決定することができる。目標明るさの変更のタイミングがT4の時間テーブルを用いた調光処理中である場合は、残りのPWM変化量についてはT4の時間テーブルをそのまま用いて調光処理を行う。
単体灯具2の調光時間変更設定処理においては、このような親子灯具1の調光時間変更設定処理に合うように調光時間の変更設定処理を行う必要がある。
以下、調光中において、目標明るさが変更されたときの処理について、具体例をあげて説明する。例えば、目標明るさが100%から95%へ変更している途中に、更に90%へ変更された場合について考える。最初の目標明るさが100%から95%へ変更する場合の親子灯具1の変更段階数は28であり、調光時間は、
160+40+10+2.5×(28−3)=272.5(msec)
となる。これ対して、単体灯具2の変更段階数は5であり、調光時間は
160×1×1+40×2×1+10×1×1+2.5×4×(5−3)=270(msec)
となっている。単体灯具2においてT1の時間テーブルを用いて150(msec)経過時点において、目標明るさが90%へ変更されたとき、親子灯具1の残りの段階数である28に、95%から90%への変更分の変更段階数(増加分)である13を加えると、新たな変更段階数は41となる。一方、単体灯具2の残りの段階数である5に、95%から90%への変更分の変更段階数(増加分)である4を加えると、新たな変更段階数は9となる。この例の場合、調光開始時点でT4までの時間テーブル使用を前提として時間係数を算出しており、調光途中での変更後も使用する時間テーブルの数に変更はないので時間係数は同じものを使用し、変更により増えた段階についてはT4の時間テーブルを使用することにより対応する。
従って、親子灯具1については最初の変更開始からの調光時間は
272.5+2.5×13=305(msec)
となる。これに対して、単体灯具2の調光時間は、
270+2.5×4×4=310(msec)
となる。
調光中において、目標明るさが変更されたときの処理の他の例を示す。例えば、目標明るさが45%から50%へ変更している途中に、更に80%へ変更された場合について考える。最初の目標明るさが45%から50%へ変更する場合の親子灯具1の変更段階数は6であり、調光時間は、
160+40×(6−1)=360(msec)
となる。これに対して、単体灯具2の変更段階数は3であり、調光時間は
160×1+40×2×(3−1)=320(msec)
となっている。単体灯具2においてT2の時間テーブルを用いて190(msec)経過時点において、目標明るさが80%へ変更されたとき、親子灯具1の残りの段階数である5に、50%から80%への変更分の変更段階数(増加分)である52を加えると、新たな変更段階数は57となる。一方、単体灯具2の残りの段階数である2に、50%から80%への変更分の変更段階数(増加分)である29を加えると、新たな変更段階数は31となる。この例の場合、調光開始時点でT2までの時間テーブルの使用を前提として時間係数を算出していたが、調光途中での変更によりT4までの時間テーブル使用に変更する。
従って、親子灯具1については最初の変更開始からの調光時間は、
160+40+10+2.5×(57−2)=347.5(msec)
となる。これに対して、単体灯具2も同様に、T4までの時間テーブルを使用するように変更する必要があるが、新たに設定をするT3及びT4の時間係数として1を設定する。従って単体灯具2の調光時間は、
160+40×2+10+2.5×(31−2)=322.5(msec)
となる。
調光中において、目標明るさが変更されたときの処理の他の例を示す。例えば、目標明るさが90%から70%へ変更している途中に、逆に85%へ変更された場合について考える。最初の目標明るさが90%から70%へ変更する場合の親子灯具1の変更段階数は42であり、調光時間は、
160+40+10+2.5×(42−3)=307.5(msec)
となる。これに対して、単体灯具2の変更段階数は19であり、調光時間は、
160×1+40×1+10×2+2.5×2×(19−3)=300(msec)
となっている。単体灯具2においてT2の時間テーブルを用いて190(msec)経過時点において、目標明るさが85%へ変更されたとき、親子灯具1の残りの段階数である41から、70%から85%への変更分の変更段階数(減少分)である29を引くと、新たな変更段階数は、12となる。一方、単体灯具2の残りの段階数である18から、70%から85%への変更分の変更段階数(減少分)である14を引くと、新たな変更段階数は4となる。この例の場合、調光開始時点でT4までの時間テーブルの使用を前提として時間係数を算出していたが、調光途中での変更によりT3までの時間テーブル使用に変更する。
従って、親子灯具1については最初の変更開始からの調光時間は、
160+40+10×(12−1)=310(msec)
となる。これに対して、単体灯具2も同様に、T3までの時間テーブルを使用するように変更する必要があるので、時間係数T4UPは0を設定する。単体灯具2の調光時間は、
160+40+10×2×(4−1)=260(msec)
となる。
本発明に係る照明装置においては、以上のように光出力制御特性の異なる照明装置の調光時間に応じて調光時間を設定して、設定された調光時間にて目標明るさまで調光するように構成してある。図5及び図6は、本発明に係る単体灯具2の調光制御の処理手順を示すフローチャートである。
まず、制御用マイコン52は、操作SW入力部53からの入力の有無に応じて、スイッチ(SW)入力変更があるか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1において、SW入力変更があると判定された場合(ステップS1:YES)、SW入力処理(ステップS2)に進み、SW入力変更がないと判定された場合(ステップS1:NO)、調光制御の処理動作を終了する。なお、SW入力処理は、操作SW入力部53により与えられた入力信号に基づいて、必要なLEDモジュールの光出力に対応するPWM出力値を求める処理のことである。例えば、LEDモジュールに供給する電流のデューティ比に対応するPWM出力値と明るさとの関係を表すテーブルを制御用マイコン52内に設けられた記憶部(図示せず)に予め格納しておき、入力信号に基づいて求めた目標明るさを前記テーブルに適用してPWM出力値を求める。このSW入力処理は、入力信号の種類や入力形態により処理方法は異なることから、詳細な説明は省略する。
次に、ステップS2において処理されて得られたPWM出力値を目標PWM出力値として決定する(ステップS3)。なお、目標PWM出力値は、親子灯具1及び単体灯具2夫々について求める。
次に、調光中であるか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4において、調光中でないと判定された場合(ステップS4:NO)、ステップS3において決定された目標PWM出力値とこの変更開始時点(現在)のPWM出力値との差であるPWM変化量(△P,△S)を、親子灯具1及び単体灯具2夫々について算出する(ステップS5)。この調光中か否かの判定は、後述する調光中フラグの有無によりなされる。
ステップS5において算出された単体灯具2のPWM変化量(△S)が0であるか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6において、△Sが0であると判定された場合(ステップS6:YES)、調光制御の処理動作を終了する。これは制御値の変化量であるPWM変化量△Sが0である場合、単体灯具2の調光変更はないから、調光時間を親子灯具1に合わせることができないためである。一方ステップS6において、△Sが0ではない、換言すると1以上であると判定された場合(ステップS6:NO)、各段階における時間係数(T1UP,T2UP,T3UP,T4UP)を1に初期化する(ステップS7)。
次に、調光時間設定処理を行う(ステップS8)。ステップS8において、後述するように、各段階における時間係数が夫々求められる。調光時間Tに1段階目の調光時間T1の値を入れ、時間係数TUに、ステップS8において求められた1段階目の時間係数T1UPを入れ(ステップS9)、調光中フラグをセットして(ステップS10)、調光制御の処理動作を終了する。
一方、ステップS4において、調光中であると判定された場合(ステップS4:YES)、ステップS3において決定された目標PWM出力値とこの変更開始時点(現在)のPWM出力値との差である新PWM変化量(△P_NEW,△S_NEW)を、親子灯具1及び単体灯具2夫々について算出する(ステップS11)。
次に、ステップS11において算出された単体灯具2の新PWM変化量(△S_NEW)が0であるか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12において、△S_NEWが0であると判定された場合(ステップS12:YES)、単体灯具2の調光変更はないため、調光中フラグをクリアして(ステップS13)、調光制御の処理動作を終了する。
一方、ステップS12において、△S_NEWが0ではない、換言すると1以上であると判定された場合(ステップS12:NO)、調光時間変更設定処理を行って(ステップS14)、調光制御の処理動作を終了する。
ステップS8における調光時間設定処理において、各段階における時間係数を夫々求める。図7乃至図12は、本発明に係る調光時間設定の処理手順を示すフローチャートである。なお、本処理は、基本的には除算処理を用いて演算するものであるが、本実施の形態においては、乗徐算機能を有しない8ビット程度のマイコンを制御用マイコン52として用いているため、加減算処理のみを用いて演算を行う。
ところで、親子灯具1の光出力を変更する段階数は、△Pの大きさに応じて決定される。そして、親子灯具1の調光時間に単体灯具2の調光時間を合わせると共に、調光中に変更があった場合にも変更の対応ができるように、前述したように、親子灯具1と単体灯具2において使用する段階数を同じにする必要がある。そこで、△Pを判定値として用いて、以下、段階数毎に場合分けして各段階における時間係数を夫々求めている。
まず、変数を初期化する(ステップS20)。次に、親子灯具1のPWM変化量△Pが21より大きいか否かを判定する(ステップS21)。これは、△Pが21より大きい場合、親子灯具1において使用する時間テーブルはT4まで(4段階目以降もT4を使用)であるから、単体灯具2の調光時間を調整する際に、T4を用いることが可能であるか否かを判定するためである。T4が4つの時間テーブルの中で最も時間が短いから、単体灯具2の調光時間を調整する際に、T4を用いた方が調整しやすいからである。
ステップS21において、△Pが21より大きいと判定された場合(ステップS21:YES)、単体灯具2のPWM変化量△Sが4以上であるか否かを判定する(ステップS22)。これは、△Sが3以下の場合、使用する時間テーブルはT3までとなり、T4を使用できないので他の方法で時間係数を求める必要があるためである。
ステップS22において、△Sが4以上であると判定された場合(ステップS22:YES)、親子灯具1の△P及び単体灯具2の△SのうちT4を用いる段階数A、△S’を夫々求める(ステップS23)。ステップS23において求めた親子灯具1にてT4を用いる段階数Aから単体灯具2にてT4を用いる段階数△S’を減算して、Qに1を加算する(ステップS24)。ステップS24において求めたAが△S’より大きいか否かを判定する(ステップS25)。
ステップS25において、Aが△S’より大きいと判定された場合(ステップS25:YES)、ステップS24に戻って一連の動作を繰り返す。一方、ステップS25において、Aが△S’より小さいと判定された場合(ステップS25:NO)、ステップS26に進む。これらステップS24及びS25の処理は、△P−3を△S−3で除算して、商をQ、余りをAとする処理であり、この除算は本実施の形態においては減算により行っているから、親子灯具1のT4を用いる段階数から単体灯具2のT4を用いる段階数を引けなくなるまで引き算し、引き算した回数を商Qとし、残った値を余りAとしている。
ステップS26において、Qが4より大きいか否かを判定する(ステップS26)。ステップS26において、Qが4より大きいと判定された場合(ステップS26:YES)、Qから4を減算して、Q1に△S’を加算し(ステップS27)、ステップS26に戻って一連の動作を繰り返す。一方、ステップS26において、Qが4より小さいと判定された場合(ステップS26:NO)、T4UP=Qとする(ステップS28)。
これらステップS26乃至S28の処理は、各段階における時間は、光出力の変更開始時点から前記目標明るさに達する時点に向けて、降順になるように設定することが望ましいから、単純にT4をQ倍にしたときに、T3よりも長くなる場合、T3UPにより調整するためである。そこで、Qを4で除算して(ステップS26及びS27参照)、余りをT4UPとする(ステップS28参照)。但し、Qが4で割り切れる場合はT4UPが0となり時間係数として不適当となるので、その場合はT4UP=4とし、商も1少なくなるよう処理を行っている(ステップS26及びS28参照)。また、商にT4の使用段数(△S’)を掛けた値をT3UPとする(ステップS27参照)。
次に、ステップS27において求めたQ1が4より大きいか否かを判定する(ステップS29)。ステップS29において、Q1が4より大きいと判定された場合(ステップS29:YES)、Q1から4を減算して、Q2に1を加算し(ステップS30)、ステップS29に戻って一連の動作を繰り返す。ステップS29において、Q1が4より小さいと判定された場合(ステップS29:NO)、T3UPにQ1を加算する(ステップS31)。
これらステップS29乃至S31の処理は、Q1が4より大きい場合は、同様に、T2UPにより調整する方が望ましいためである。そこで、Q1を4で除算して、余りをT3UPとし、また、商をT2UPとしている。
次に、ステップS30において求めたQ2が4より大きいか否かを判定する(ステップS32)。ステップS32において、Q2が4より大きいと判定された場合(ステップS32:YES)、Q2から4を減算して、Q3に1を加算し(ステップS33)、ステップS32に戻って一連の動作を繰り返す。ステップS32において、Q2が4より小さいと判定された場合(ステップS32:NO)、T2UPにQ2を加算し、T1UPにQ3を加算する(ステップS34)。
これらステップS32乃至S34の処理は、Q2が4より大きい場合は、同様に、T1UPで調整する方が望ましいためである。そこで、Q2を4で除算し、余りをT2UPとし、また、商をT1UPとしている。
次に、ステップS24及びS25の一連の処理において求めた余りAが64より大きいか否かを判定する(ステップS35)。ステップS35において、Aが64より大きいと判定された場合(ステップS35:YES)、Aから64を減算し、T1UP’に1を加算して(ステップS36)、ステップS35に戻って一連の動作を繰り返す。Aが64より小さいと判定された場合(ステップS35:NO)、Aが16より大きいか否かを判定する(ステップS37)。ステップS37において、Aが16より大きいと判定された場合(ステップS37:YES)、Aから16を減算し、T2UP’に1を加算して(ステップS38)、ステップS37に戻って一連の動作を繰り返す。ステップS37において、Aが16より小さいと判定された場合(ステップS37:NO)、Aが4より大きいか否かを判定する(ステップS39)。ステップS39において、Aが4より大きいと判定された場合(ステップS39:YES)、Aから4を減算し、T3UP’に1を加算して(ステップS40)、ステップS39に戻って一連の動作を繰り返す。ステップS39において、Aが4より小さいと判定された場合(ステップS39:NO)、ステップS34及びステップS31において求められたT1UP、T2UP、T3UPに、ステップS36、ステップS38及びステップS40において求められたT1UP’、T2UP’、T3UP’を加算して時間係数T1UP、T2UP、T3UPを夫々求めて(ステップS41)、リターンして、ステップS8の調光時間設定処理を終了する。
これらステップS35乃至S41の処理は、△Sが大きい場合、Aも大きい値となりQだけを用いた時間係数では調光時間の差が大きくなる虞があるためである。そこで、ステップS24及びS25で求められた余りAを用いて時間係数T1UP、T2UP、T3UPを補正している。
一方、ステップS21において、△Pが21より小さいと判定された場合(ステップS21:NO)、△Pが8より大きいか否かを判定する(ステップS42)。
ステップS42において、△Pが8より大きいと判定された場合(ステップS42:YES)、単体灯具2のPWM変化量△Sが3以上であるか否かを判定する(ステップS43)。これは、△Pが8より大きい場合、親子灯具1において使用する時間テーブルはT3までであるから、単体灯具2の調光時間を調整する際に、T3を用いることが可能であるか否かを判定するためである。T3が使用される3つの時間テーブルの中で最も時間が短いから、単体灯具2の調光時間を調整する際に、T3を用いた方が調整しやすいからである。そして、△Sが2以下の場合、使用する時間テーブルはT2までとなり、T3を使用できないので他の方法で時間係数を求める必要がある。
ステップS43において、△Sが3以上であると判定された場合(ステップS43:YES)、親子灯具1の△P及び単体灯具2の△SのうちT3を用いる段階数A、△S’を夫々求める(ステップS44)。ステップS44において求めた親子灯具1にてT3を用いる段階数Aから単体灯具2にてT3を用いる段階数△S’を減算して、Qに1を加算する(ステップS45)。ステップS45において求めたAが△S’より大きいか否かを判定する(ステップS46)。
ステップS46において、Aが△S’より大きいと判定された場合(ステップS46:YES)、ステップS45に戻って一連の動作を繰り返す。一方、ステップS46において、Aが△S’より小さいと判定された場合(ステップS46:NO)、ステップS47に進む。これらステップS45及びS46の処理は、△P−2を△S−2で除算して、商をQ、余りをAとする処理である。
ステップS47において、Qが4より大きいか否かを判定する(ステップS47)。ステップS47において、Qが4より大きいと判定された場合(ステップS47:YES)、Qから4を減算して、Q1に△S’を加算し(ステップS48)、ステップS47に戻って一連の動作を繰り返す。一方、ステップS47において、Qが4より小さいと判定された場合(ステップS47:NO)、T3UP=Qとする(ステップS49)。
これらステップS47乃至S49の処理は、各段階における時間は、光出力の変更開始時点から前記目標明るさに達する時点に向けて、降順になるように設定することが望ましいから、単純にT3をQ倍にしたときに、T2よりも長くなる場合、T2UPにより調整することが望ましいためである。そこで、Qを4で除算して(ステップS47及びS48参照)、余りをT3UPとする(ステップS49参照)。但し、Qが4で割り切れる場合はT3UPが0となり時間係数として不適当となるので、その場合はT3UP=4とし、商も1少なくなるよう処理を行っている(ステップS47及びS49参照)。また、商にT3の使用段数(△S’)を掛けた値をT2UPとする(ステップS48参照)。
次に、ステップS48において求めたQ1が4より大きいか否かを判定する(ステップS50)。ステップS50において、Q1が4より大きいと判定された場合(ステップS50:YES)、Q1から4を減算して、Q2に1を加算し(ステップS51)、ステップS50に戻って一連の動作を繰り返す。ステップS50において、Q1が4より小さいと判定された場合(ステップS50:NO)、T2UPにQ1を加算し、T1UPにQ2を加算して、T4UPを0とする(ステップS52)。
これらステップS50乃至S52の処理は、Q1が4より大きい場合は、同様に、T1UPで調整する方が望ましいためである。そこで、Q1を4で除算し、余りをT2UPとし、また、商をT1UPとしている。T4UPは使用しないので0としている。
次に、ステップS45及びS46の一連の処理において求めた余りAが16より大きいか否かを判定する(ステップS53)。ステップS53において、Aが16より大きいと判定された場合(ステップS53:YES)、Aから16を減算し、T1UP’に1を加算して(ステップS54)、ステップS53に戻って一連の動作を繰り返す。ステップS53において、Aが16より小さいと判定された場合(ステップS53:NO)、Aが4より大きいか否かを判定する(ステップS55)。ステップS55において、Aが4より大きいと判定された場合(ステップS55:YES)、Aから4を減算し、T2UP’に1を加算して(ステップS56)、ステップS55に戻って一連の動作を繰り返す。ステップS55において、Aが4より小さいと判定された場合(ステップS55:NO)、ステップS52において求められたT1UP及びT2UPに、ステップS54及びステップS56において求められたT1UP’及びT2UP’を加算して時間係数T1UP及びT2UPを夫々求めて(ステップS57)、リターンして、ステップS8の調光時間設定処理を終了する。
これらステップS53乃至S57の処理は、△Sが大きい場合、Aも大きい値となりQだけを用いた時間係数では調光時間の差が大きくなる虞があるためである。そこで、ステップS45及びS46で求められた余りAを用いて時間係数T1UP及びT2UPを補正している。
一方、ステップS42において、△Pが8より小さいと判定された場合(ステップS42:NO)、△Pが1であるか否かを判定する(ステップS58)。
ステップS58において、△Pが1ではない、換言すると△Pが2以上8以下であると判定された場合(ステップS58:NO)、単体灯具2のPWM変化量△Sが2以上であるか否かを判定する(ステップS59)。これは、△Pが2以上8以下である場合、親子灯具1において使用する時間テーブルはT2までであるから、単体灯具2の調光時間を調整する際に、T2を用いることが可能であるか否かを判定するためである。T2が使用される2つの時間テーブルのうち時間が短い方であるから、単体灯具2の調光時間を調整する際に、T2を用いた方が調整しやすいからである。そして、△Sが1以下の場合、使用する時間テーブルはT1のみとなり、T2を使用できないので他の方法で時間係数を求める必要があるためである。一方、ステップS58において、△Pが1であると判定された場合(ステップS58:YES)、調光時間の設定処理を行わずにリターンする。
ステップS59において、△Sが2以上であると判定された場合(ステップS59:YES)、親子灯具1の△P及び単体灯具2の△SのうちT2を用いる段階数A、△S’を夫々求める(ステップS60)。ステップS60において求めた親子灯具1にてT2を用いる段階数Aから単体灯具2にてT2を用いる段階数△S’を減算して、Qに1を加算する(ステップS61)。ステップS61において求めたAが△S’より大きいか否かを判定する(ステップS62)。
ステップS62において、Aが△S’より大きいと判定された場合(ステップS62:YES)、ステップS61に戻って一連の動作を繰り返す。一方、ステップS62において、Aが△S’より小さいと判定された場合(ステップS62:NO)、ステップS63に進む。これらステップS61及びS62の処理は、△P−1を△S−1で除算して、商をQ、余りをAとする処理である。
ステップS63において、Qが4より大きいか否かを判定する(ステップS63)。ステップS63において、Qが4より大きいと判定された場合(ステップS63:YES)、Qから4を減算して、Q1に△S’を加算し(ステップS64)、ステップS63に戻って一連の動作を繰り返す。一方、ステップS63において、Qが4より小さいと判定された場合(ステップS63:NO)、T2UP=Qとし、T1UP=T1UP+Q1とし、T4UP=T3UP=0とする(ステップS65)。
これらステップS63乃至S65の処理は、各段階における時間は、光出力の変更開始時点から前記目標明るさに達する時点に向けて、降順になるように設定することが望ましいから、単純にT2をQ倍にしたときに、T1よりも長くなる場合、T1UPにより調整することが望ましいためである。そこで、Qを4で除算して(ステップS63及びS64参照)、余りをT2UPとする(ステップS65参照)。但し、Qが4で割り切れる場合はT2UPが0となり時間係数として不適当となるので、その場合はT2UP=4とし、商も1少なくなるよう処理を行っている(ステップS63及びS65参照)。また、商にT2の使用段数(△S’)を掛けた値をT1UPとする(ステップS64参照)。また、T3UP及びT4UPは使用しないので0としている。
次に、ステップS61及びS62の一連の処理において求めた余りAが4より大きいか否かを判定する(ステップS66)。ステップS66において、Aが4より大きいと判定された場合(ステップS66:YES)、Aから4を減算し、T1UP’に1を加算して(ステップS67)、ステップS66に戻って一連の動作を繰り返す。ステップS66において、Aが4より小さいと判定された場合(ステップS66:NO)、ステップS65において求められたT1UPに、ステップS67において求められたT1UP’を加算して時間係数T1UPを求めて(ステップS68)、リターンして、ステップS8の調光時間設定処理を終了する。
これらステップS66乃至S68の処理は、△Sが大きい場合、Aも大きい値となりQだけを用いた係数では調光時間の差が大きくなる虞があるためである。そこで、ステップS61及びS62で求められた余りAを用いて時間係数T1UPを補正している。
ステップS22において、△Sが3以下であると判定された場合(ステップS22:NO)、ステップS43において、△Sが2以下であると判定された場合(ステップS43:NO)、ステップS59において、△Sが1であると判定された場合(ステップS59:NO)、換言すると、親子灯具1よりも単体灯具2が使用する時間テーブル数が少ない場合、親子調光時間算出処理を行う(ステップS69)。この親子調光時間算出処理において、親子灯具1の調光時間(TP)を算出する。詳細については後述する。
ステップS69において算出された親子灯具1の調光時間(TP)をQに格納する(ステップS70)。次に、QがT1より大きいか否かを判定する(ステップS71)。ステップS71において、QがT1より大きいと判定された場合(ステップS71:YES)、QからT1を減算し、Q1に1を加算して(ステップS72)、ステップS71に戻って一連の処理を繰り返す。ステップS71において、QがT1より小さいと判定された場合(ステップS71:NO)、T1UPにQ1を加算する(ステップS73)。これらはQをT1により除算し、商Q1をT1UPに加える処理である。
次に、△Sが1であるか否かを判定する(ステップS74)。ステップS74において、△Sが1である場合(ステップS74:YES)、T2UP、T3UP及びT4UPを0とし(ステップS75)、リターンして、ステップS8の調光時間設定処理を終了する。
一方、ステップS74において、△Sが2以上である場合(ステップS74:NO)、QがT2より大きいか否かを判定する(ステップS76)。ステップS76において、QがT2より大きいと判定された場合(ステップS76:YES)、QからT2を減算し、Q2に1を加算して(ステップS77)、ステップS76に戻って一連の処理を繰り返す。ステップS76において、QがT2より小さいと判定された場合(ステップS76:NO)、T2UPにQ2を加算する(ステップS78)。QをT2により除算し、商Q2をT1UPに加える処理である。
次に、△Sが2であるか否かを判定する(ステップS79)。ステップS79において、△Sが2である場合(ステップS79:YES)、T3UP及びT4UPを0とし(ステップS80)、リターンして、ステップS8の調光時間設定処理を終了する。
一方、ステップS79において、△Sが3以上である場合(ステップS79:NO)、QがT3より大きいか否かを判定する(ステップS81)。ステップS81において、QがT3より大きいと判定された場合(ステップS81:YES)、QからT3を減算し、Q3に1を加算して(ステップS82)、ステップS81に戻って一連の処理を繰り返す。ステップS81において、QがT3より小さいと判定された場合(ステップS81:NO)、T3UPにQ3を加算する(ステップS83)。QをT3により除算し、商Q3をT1UPに加える処理である。そして、T4UPを0とし(ステップS84)、リターンして、ステップS8の調光時間設定処理を終了する。
ステップS69における親子調光時間算出処理について説明する。図13は、本発明に係る親子調光時間算出の処理手順を示すフローチャートである。親子灯具1のPWM変化量△Pにより、段階数が判明するから、以下の手順により調光時間を算出する。
まず、親子灯具1のPWM変化量△Pが21より大きいか否かを判定する(ステップS100)。ステップS100において、△Pが21より大きいと判定された場合(ステップS100:YES)、△Pから3を減算した値を段階数Iとし、TPに210を格納する(ステップS101)。ここでは、△Pが21より大きい場合は、使用する時間テーブルはT4までであるから、トータルの段階数である△Pから時間テーブルT3までの段階数を引いた段階数(時間テーブルT4を用いる段階数)を求め、時間テーブルT3までの調光時間210(msec)をTPに格納している。
ステップS101において求められたTPに2.5を加算し(ステップS102)、段階数Iから1を減算する(ステップS103)。ステップS103において求められたIが0より大きいか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104において、Iが0より大きいと判定された場合(ステップS104:YES)、ステップS102に戻って一連の処理を繰り返す。ステップS104において、Iが0であると判定された場合(ステップS104:NO)、リターンして、ステップS69の親子調光時間算出処理を終了する。これら一連の処理は、時間テーブルT4を用いる時間(=I×2.5(msec))をTPに加算して、トータルの親子灯具1の調光時間を算出する処理である。
一方、ステップS100において、△Pが21より小さいと判定された場合(ステップS100:NO)、△Pが8より大きいか否かを判定する(ステップS105)。ステップS105において、△Pが8より大きいと判定された場合(ステップS105:YES)、△Pから2を減算した値を段階数Iとし、TPに200を格納する(ステップS106)。ここでは、△Pが21以下で8より大きい場合は、使用する時間テーブルはT3までであるから、トータルの段階数である△Pから時間テーブルT2までの段階数を引いた段階数(時間テーブルT3を用いる段階数)を求め、時間テーブルT2までの調光時間200(msec)をTPに格納している。
ステップS106において求められたTPに10を加算し(ステップS107)、段階数Iから1を減算する(ステップS108)。ステップS108において求められたIが0より大きいか否かを判定する(ステップS109)。ステップS109において、Iが0より大きいと判定された場合(ステップS109:YES)、ステップS107に戻って一連の処理を繰り返す。ステップS109において、Iが0であると判定された場合(ステップS109:NO)、リターンして、ステップS69の親子調光時間算出処理を終了する。これら一連の処理は、時間テーブルT3を用いる時間(=I×10(msec))をTPに加算して、トータルの親子灯具1の調光時間を算出する処理である。
一方、ステップS105において、△Pが8より小さいと判定された場合(ステップS105:NO)、△Pが1より大きいか否かを判定する(ステップS110)。ステップS110において、△Pが1より大きいと判定された場合(ステップS110:YES)、△Pから1を減算した値を段階数Iとし、TPに160を格納する(ステップS111)。ここでは、△Pが8以下で1より大きい場合は、使用する時間テーブルはT2までであるから、トータルの段階数である△Pから時間テーブルT1の段階数である1を引いた段階数(時間テーブルT2を用いる段階数)を求め、時間テーブルT1における調光時間160(msec)をTPに格納している。
ステップS111において求められたTPに40を加算し(ステップS112)、段階数Iから1を減算する(ステップS113)。ステップS113において求められたIが0より大きいか否かを判定する(ステップS114)。ステップS114において、Iが0より大きいと判定された場合(ステップS114:YES)、ステップS112に戻って一連の処理を繰り返す。ステップS114において、Iが0であると判定された場合(ステップS114:NO)、リターンして、ステップS69の親子調光時間算出処理を終了する。これら一連の処理は、時間テーブルT2を用いる時間(=I×40(msec))をTPに加算して、トータルの親子灯具1の調光時間を算出する処理である。
一方、ステップS110において、△Pが1であると判定された場合(ステップS110:NO)、TPに160を格納し(ステップS115)、リターンして、ステップS69の親子調光時間算出処理を終了する。△Pが1である場合は、使用する時間テーブルはT1のみであるので、トータルの調光時間はT1の時間160(msec)である。
ステップS14における調光時間変更設定処理について説明する。図14及び図15は、本発明に係る調光時間変更設定の処理手順を示すフローチャートである。
まず、単体灯具2の現在使用している時間テーブルTがT1又はT2であるか否かを判定する(ステップS130)。この判定は、単体灯具2の調光時間の変更処理を、親子灯具1の調光時間の変更処理に合うように行う必要があるから、最初に単体灯具2の現在の使用テーブルを求める必要があるためである。ステップS130において、TがT1又はT2であると判定された場合(ステップS130:YES)、親子灯具1の新PWM変化量(△P_NEW)が21よりも大きい、又は親子灯具1の現在使用している時間テーブルP_TABLEが4であるか否かを判定する(ステップS131)。
ステップS131において、△P_NEWが21よりも大きい(親子灯具1はT4まで使用する)、又は親子灯具1の現在使用している時間テーブルP_TABLEが4である(親子灯具1が現在T4を用いて調光中である)場合(ステップS131:YES)、T3UPが0であるか否かを判定する(ステップS132)。なお、親子灯具1の現在使用中の時間テーブルは、調光開始時の親子灯具1のPWM変化量△Pからどの親子灯具1がどの時間テーブルまで使用するかが分かるので、その結果と変更開始時点からの時間計測により求めることができる。
ステップS132において、T3UPが0であると判定された場合(ステップS132:YES)、T3UPに1を設定して(ステップS133)、ステップS134に進む。ステップS132において、T3UPが0ではないと判定された場合(ステップS132:NO)、ステップS134に進む。
ステップS134において、T4UPが0であるか否かを判定する(ステップS134)。ステップS134において、T4UPが0であると判定された場合(ステップS134:YES)、T4UPに1を設定し(ステップS135)、リターンして、ステップS14の調光時間変更設定処理を終了する。一方、T4UPが0ではないと判定された場合(ステップS134:NO)、リターンして、ステップS14の調光時間変更設定処理を終了する。これらの処理は、親子灯具1がT4まで使用する又は使用しているので、単体灯具2も時間テーブルとしてT4まで使用するようにするためである。なお、最初の調光時間設定時にT3UPやT4UPが設定されている場合(ステップS132:NO、ステップS134:NO)は、設定された最初の時間係数をそのまま使用するため、特に再設定は行なっていない。
一方、ステップS131において、△P_NEWが21よりも小さい、又は親子灯具1の現在使用している時間テーブルP_TABLEが4ではない場合(ステップS131:NO)、△P_NEWが8よりも大きい、又は親子灯具1の現在使用している時間テーブルP_TABLEが3であるか否かを判定する(ステップS136)。
ステップS136において、△P_NEWが8よりも大きい(親子灯具1はT3まで使用する)、又は親子灯具1の現在使用している時間テーブルP_TABLEが3である(親子灯具1が現在T3を用いて調光中である)場合(ステップS136:YES)、T3UPが0であるか否かを判定する(ステップS137)。
ステップS137において、T3UPが0であると判定された場合(ステップS137:YES)、T3UPに1を設定して(ステップS138)、ステップS139に進む。ステップS137において、T3UPが0ではないと判定された場合(ステップS137:NO)、ステップS139に進む。
ステップS139において、T4UPが0でないか否かを判定する(ステップS139)。ステップS139において、T4UPが0であると判定された場合(ステップS139:NO)、リターンして、ステップS14の調光時間変更設定処理を終了する。一方、T4UPが0ではないと判定された場合(ステップS139:YES)、T4UPに0を設定し(ステップS140)、リターンして、ステップS14の調光時間変更設定処理を終了する。これらの処理は、親子灯具1がT3まで使用する又は使用しているので、単体灯具2も時間テーブルとしてT3まで使用する、T4は使用しないように設定するためである。なお、最初の調光時間設定時にT3UPが設定されている場合(ステップS137:NO)は、設定された最初の時間係数をそのまま使用するため、特に再設定は行なっていない。
ステップS136において、△P_NEWが8よりも小さい、又は親子灯具1の現在使用している時間テーブルP_TABLEが3ではない場合(ステップS136:NO)、T3UP及びT4UPに0を設定し(ステップS141)、リターンして、ステップS14の調光時間変更設定処理を終了する。
一方、ステップS130において、TがT1又はT2でないと判定された場合(ステップS130:NO)、TがT3であるか否かを判定する(ステップS142)。ステップS142において、TがT3であると判定された場合(ステップS142:YES)、ステップS143に進み、TがT3ではないと判定された場合(ステップS142:NO)、そのままリターンして、ステップS14の調光時間変更設定処理を終了する。これは、単体灯具2が使用する時間テーブルがT4の場合は、すでにT4まで使用しているので、そのまま残り段数もT4テーブルで調光を行うためなにもせずに処理を終了するからである。
ステップS143において、△P_NEWが21よりも大きい、又は親子灯具1の現在使用している時間テーブルP_TABLEが4である場合(ステップS143:YES)、T4UPが0であるか否かを判定する(ステップS144)。
ステップS144において、T4UPが0であると判定された場合(ステップS144:YES)、T4UPに1を設定し(ステップS145)、リターンして、ステップS14の調光時間変更設定処理を終了する。ステップS144において、T4UPが0ではないと判定された場合(ステップS144:NO)、そのままリターンして、ステップS14の調光時間変更設定処理を終了する。これらの処理は、親子灯具1がT4まで使用する又は使用しているので、単体灯具2も時間テーブルとしてT4まで使用するようにするためである。なお、最初の調光時間設定時にT4UPが設定されている場合(ステップS144:NO)は、設定された最初の時間係数をそのまま使用するため、特に再設定は行なっていない。
一方、ステップS143において、△P_NEWが21よりも小さい、又は親子灯具1の現在使用している時間テーブルP_TABLEが4ではない場合(ステップS143:NO)、T4UPに0を設定し(ステップS146)、そのままリターンして、ステップS14の調光時間変更設定処理を終了する。これは、親子灯具1がT4まで使用しない又は使用していないので、単体灯具2が使用する時間テーブルをT3までとして、T4を使用しないように設定するためである。
本実施の形態に述べる調光制御においては、調光時間、時間係数を決定する処理とは別に、実際に調光出力変更を行う処理としてタイマ割込みを用いる。この調光割込処理は、一定時間に割込みをかけ、そのタイミングにおいてLEDモジュールのPWM出力を変更することにより、時分割して徐々に次の値の割合を上げていく方法である。図16及び図17は、本発明に係る調光割込の処理手順を示すフローチャートである。
割込処理が発生したとき、まず、調光中フラグがセットしてあるか否かを判定する(ステップS160)。ステップS160において、調光中フラグがセットしてあると判定された場合(ステップS160:YES)、現在使用している時間テーブルTがT4であるか否かを判定する(ステップS161)。一方、ステップS160において、調光中フラグがクリアしてあると判定された場合(ステップS160:NO)、そのまま調光割込処理を終了する。
ステップS161において、TがT4であると判定された場合(ステップS161:YES)、ステップS164に進み、一方、TがT4でないと判定された場合(ステップS161:NO)、ステップS162に進む。ステップS162において、TがT1であると判定された場合(ステップS162:YES)、ステップS165に進み、一方、TがT1でないと判定された場合(ステップS162:NO)、ステップS163に進む。ステップS163において、TがT2であると判定された場合(ステップS163:YES)、ステップS166に進み、一方、TがT2でないと判定された場合(ステップS163:NO)、ステップS167に進む。これらの判定処理は、現在使用している時間テーブルに応じて場合分けするためである。
ステップS164において、現在使用している時間テーブルであるT4における調光変更処理を行い(ステップS164)、調光時間(T4の時間)が経過したか否かを判定する(ステップS168)。ステップS168において、調光時間が経過したと判定された場合(ステップS168:YES)、ステップS178に進み、一方、調光時間が経過していないと判定された場合(ステップS168:NO)、ステップS164に戻って一連の動作を繰り返す。
ステップS165において、現在使用している時間テーブルであるT1における調光変更処理を行い(ステップS165)、調光時間(T1の時間)が経過したか否かを判定する(ステップS169)。ステップS169において、調光時間が経過したと判定された場合(ステップS169:YES)、ステップS172に進み、一方、調光時間が経過していないと判定された場合(ステップS169:NO)、ステップS165に戻って一連の動作を繰り返す。
ステップS172において、T2UPが0であるか否かを判定する(ステップS172)。ステップS172において、T2UPが0であると判定された場合(ステップS172:YES)、ステップS178に進む。一方、ステップS172において、T2UPが0でないと判定された場合(ステップS172:NO)、調光時間Tに2段階目の調光時間T2を格納し、時間係数TUに2段階目の時間係数T2UPを格納して(ステップS175)、ステップS178に進む。
ステップS166において、現在使用している時間テーブルであるT2における調光変更処理を行い(ステップS166)、調光時間(T2の時間)が経過したか否かを判定する(ステップS170)。ステップS170において、調光時間が経過したと判定された場合(ステップS170:YES)、ステップS173に進み、一方、調光時間が経過していないと判定された場合(ステップS170:NO)、ステップS166に戻って一連の動作を繰り返す。
ステップS173において、T3UPが0であるか否かを判定する(ステップS173)。ステップS173において、T3UPが0であると判定された場合(ステップS173:YES)、ステップS178に進む。一方、ステップS173において、T3UPが0でないと判定された場合(ステップS173:NO)、調光時間Tに3段階目の調光時間T3を格納し、時間係数TUに3段階目の時間係数T3UPを格納して(ステップS176)、ステップS178に進む。
ステップS167において、現在使用している時間テーブルであるT3における調光変更処理を行い(ステップS167)、調光時間(T3の時間)が経過したか否かを判定する(ステップS171)。ステップS171において、調光時間が経過したと判定された場合(ステップS171:YES)、ステップS174に進み、一方、調光時間が経過していないと判定された場合(ステップS171:NO)、ステップS167に戻って一連の動作を繰り返す。
ステップS174において、T4UPが0であるか否かを判定する(ステップS174)。ステップS174において、T4UPが0であると判定された場合(ステップS174:YES)、ステップS178に進む。一方、ステップS174において、T4UPが0でないと判定された場合(ステップS174:NO)、調光時間Tに4段階目の調光時間T4を格納して(ステップS177)、ステップS178に進む。
ステップS168乃至S177の処理は、各段階における調光時間が終了したとき、次の段階における調光時間をセットする処理である。
ステップS178において、単体灯具2のPWM変化量ΔSから1を減算する(ステップS178)。ステップS178において算出されたΔSが0であるか否かを判定する(ステップS179)。ステップS179において、ΔSが0であると判定された場合(ステップS179:YES)、調光中フラグをクリアして(ステップS180)、割込処理を抜ける。一方、ステップS179において、ΔSが0でないと判定された場合(ステップS179:NO)、調光中フラグをそのままにして割込処理を抜ける。
以上のように、本発明においては、光源であるLEDモジュールの光出力制御特性が異なる親子灯具1及び単体灯具2の複数の照明装置を備え、親子灯具1及び単体灯具2夫々の光出力を共通の目標明るさに基づいて変更するように構成された照明システムにおいて、単体灯具2の調光時間を親子灯具1の調光時間に合わせるようにしてあるから、親子灯具1及び単体灯具2の調光時間を略同一にすることができ、使用者に違和感又は不快感を与えることを抑制することができる。
また、単体灯具2が、親子灯具1の明るさと制御値との対応関係を用いて、目標明るさに基づいて親子灯具1の調光時間(より詳細には、親子灯具1の光源の光出力を変更する段階数及び各段階における時間)を求め、求めた親子灯具1の調光時間に単体灯具2の調光時間を合わせているから、親子灯具1との信号の送受信を行うことなく、単体灯具2のみによる簡易な制御構成によって親子灯具1及び単体灯具2の調光時間を略同一にすることができる。
そして、目標明るさに対応する制御値の目標値と変更開始時点の制御値との差を算出して、親子灯具1の調光時間に合わせるべく、算出した差に基づいて光源の光出力を変更する段階数及び各段階における時間を求め、求めた各段階における時間に係数を乗算して単体灯具2の調光時間を親子灯具1の調光時間に合わせて設定している。単体灯具2の調光制御において各段階における時間に係数を乗算するという簡易な調整により、親子灯具1及び単体灯具2の調光時間を略同一にすることができる。
制御値の目標値と変更開始時点の制御値との差が小さい単体灯具2を、調光時間を合わせる対象としている。前記差が小さい、即ち制御変化量が小さい方を、大きい方に合わせているから、時間当たりの光出力の変化量が大きくなり過ぎることなく、適正量に抑えることができ、フリッカを抑制することができる。
更に親子灯具1及び単体灯具2の光源の光出力の変更中に目標明るさが変更されたときに、変更後の新たな親子灯具1の調光時間に合うように単体灯具2の段階数を変更して調光時間を再設定するように構成してあるから、調光中においても目標明るさの変更に応じて親子灯具1及び単体灯具2間の調光時間をある程度合わせつつ光出力を変更することができ、使用者の利便に資すると共に、使用者に不快感を与えずに済む。
なお、以上の実施の形態においては、目標明るさに対応する制御値の目標値と変更開始時点の制御値との差を算出して、親子灯具1の調光時間に合わせるべく、算出した差に基づいて光源の光出力を変更する段階数及び各段階における時間を求め、求めた各段階における時間に係数を乗算して単体灯具2の調光時間を設定することにより、単体灯具2の調光時間を親子灯具1の調光時間に合わせるようにしてあるが、これに限定されない。例えば、親子灯具1の調光時間に合わせるように、まず単体灯具2の調光時間を求めてから、求めた調光時間を段階数に応じて分配するという方法も可能である。また、以上の実施の形態においては、各段における時間に乗算する係数を整数としたが、整数に限定されない。
また、以上の実施の形態においては、単体灯具2の制御部5において、親子灯具1の調光時間の算出を行うように構成してあるが、これに限定されず、親子灯具1から単体灯具2に親子灯具1の調光時間に関する情報を与え、与えられた情報に基づいて単体灯具2の調光時間を設定するように構成することも可能である。
また、以上の実施の形態においては、入力装置3により入力された使用者の設定に応じて調光制御を行うように構成してあるが、これに限定されず、照度センサ又はタイマを用いて自動的に調光変更が可能なように構成してもよい。
また、以上の実施の形態においては、光出力制御特性の異なる複数の照明装置として、負荷である光源の数が異なる親子灯具1及び単体灯具2を例に説明したが、これに限定されない。光出力制御特性の異なる複数の照明装置のうち、一つを基準として、他を基準となる照明装置の調光時間に合わせるように構成してあればよい。
また、以上の実施の形態においては、操作SW入力部53により与えられた入力信号に基づいて、PWM出力値を求めるときに、明るさとPWM出力値との関係を示すテーブルに前記入力信号に基づいて求めた目標明るさを適用してPWM出力値を求めるように構成した例について述べたが、これに限定されない。明るさとPWM出力値との関係を示すテーブルではなく、明るさとPWM出力値との関係を示す関数を用いるように構成してもよい。また、前記入力信号に基づいて目標明るさを求めるとしたが、この明るさとして、例えば、照度、輝度等の明るさを表す物性値を用いることができる。
また、以上の実施の形態においては、制御用マイコン52として、乗徐算機能を有しない8ビット程度のマイコンを用いているが、これに限定されず、例えば、32ビット程度のマイコンを用いてもよい。この場合、乗除算機能も充実しており演算速度も高速であるため、よりなめらかな照度変更が可能となる。本実施の形態においては、全点灯(光出力100%)に対する1%の照度変化を1段階としているが、0.1%又は0.01%を1段階として調光時間を規定することでより細かい時間配分が可能となる。また、処理速度が速いため、細かい調光時間変化をつけることも可能である。但し、その場合であっても、調光開始時の変化率は小さく、徐々に変化率を大きくしていく制御が必要である原則は変わらない。また、徐々に時間を変えて調光変更したとしても、全体の変更時間が高速であれば人間の眼には一瞬の出来事に映るためフリッカを感じることから、最初は100(msec/%)程度、その後も1(msec/%)程度の調光変更時間が必要であることも前述した8ビット程度のマイコンを使用した場合と同様である。
また、以上の実施の形態においては、光源としてLEDモジュールを例示して説明したが、これに限定されず、蛍光灯、白熱電球、EL(Electro Luminescence)等の他の光源であってもよい。
さらに、本発明は、その他、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において種々変更した形態にて実施することが可能であることは言うまでもない。