JP2011052638A - 流体分散ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 2つの流体、特に気体と液体とを分散させながら分散流体を搬送することができる流体分散ポンプを提供する。
【解決手段】 回転可能に支持され円板状の本体部50の一面に遠心羽根51を有する流体搬送用のインペラ48と、一方の軸方向端部が前記インペラ48に接続され、前記インペラを回転させるモータ12と、前記インペラ48を収容し第1流体及び第2流体の供給口44,45と第1及び第2流体の分散流体の流出口43を有する収容室40が画定された筐体39と、前記収容室40内の前記インペラ48の遠心羽根51に対し循環空間42に位置し、前記第1液体が前記循環空間42で前記インペラ48の本体部50の遠心方向及び求心方向へ循環流動することで前記第2流体の供給口45から供給された第2流体を第1流体中に分散させる気泡分散部53と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、気体及び液体などの2つの流体を分散させながら、これらの分散流体を送液するための流体分散ポンプに関する。
工業的分野において、2つの流体を分散させ、さらに分散流体を搬送する操作については広く行なわれているところである。
特に近年、例えば、液体に気体を分散する分野において、工程の多様化に伴い、また、反応の効率化や迅速化などのため、気体を微細化して液体中に分散したいという要求が多くなってきている。
気泡を微細化するための微細気泡発生装置は、非特許文献1などに多種類のものが提案されている。例えば、(a)ベンチュリ管等を用いた流路拡大方式(非特許文献2及び特許文献1を参照)、(b)加圧溶解気体の過飽和析出方式(加圧溶解式)、(c)旋回流気泡せん断方式(旋回流式)、(d)オリフィス等を用いた高圧開放方式、(e)微細孔からの気体吐出方式、(f)超音波や機械による気泡破壊方式などである。
いずれの方法も気泡発生方式や発生気泡の破壊方法を様々に工夫している。特に、(a)〜(d)の方法は圧力変動や水流によるもの、(e)の方法は気体を吐出する孔径を小さくすることによるもの、(f)の方法は水流以外の動力(媒質の振動や機械によるせん断)によるものである。
特開2003−230824
大成博文,「マイクロバブルの基礎」,泡のエンジニアリング,2005年,pp.423−429 藤原暁子,「ベンチュリ管を用いたマイクロバブル発生手法」,エコインダストリー,2006,Vol.11,No.3,27−30
これらの各種方法には、それぞれ利点及び欠点があるが、特に問題となるのは、圧力を発生させるためのポンプを必要とすることである。例えば、(a)の方式では、ベンチュリ管に気液混合流体を搬送するため、(b)(d)の方式では加圧のため、(e)の方式では流体を微細孔に通すため、などにそれぞれ流体を加圧させるためのポンプが必要となる。
さらに、上記の各種方法では、気泡を微細化して分散させた気液分散流体を使用目的に応じて反応槽などへ流動させるために別にポンプが必要となる。すなわち、微細気泡を作成するためと微細気泡を作成した気液混合流を搬送するために、それぞれポンプが必要となり、その結果、装置が全体として大型化するという問題を生じていた。
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、2つの流体を分散させながら、これらの分散流体を送液することができる流体分散ポンプを提供することである。
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の流体分散ポンプを提供する。
本発明の第1態様によれば、回転可能に支持され、円板状の本体部の一面に遠心羽根を有する第1流体を吸排するインペラと、
一方の軸方向端部が前記インペラに接続され、前記インペラを回転させるモータと、
前記インペラを収容し第1流体の吸込口と分散流体の吐出口及び第2流体の吸込口を有する収容室が画定された筐体と、
一部が半径方向に拡大する流路が画定され、前記インペラの回転により液体に与えられた遠心力により高圧化された液体が前記流路を通過するように構成され、前記筐体の内側面から離間して配置された環状の分散部と、
を備えたことを特徴とする、流体分散ポンプを提供する。
本発明の第2態様によれば、前記分散部は、前記収容室内の前記インペラの遠心羽根に対する背面側の循環空間に、前記インペラ背面側の筐体の対向面に密接し、
前記インペラは、前記本体部の他面に、前記分散部の流路を通過した流体を前記インペラの遠心方向に送る循環羽根を有することを特徴とする、第1態様の流体分散ポンプを提供する。
本発明の第3態様によれば、前記分散部は、前記収容室内の前記インペラの遠心羽根に対し外径側領域に設けられたことを特徴とする、第1態様の流体分散ポンプを提供する。
本発明の第4態様によれば、前記分散部の流路は、断面積が徐々に縮小するように構成された流路縮小部と、前記流路の断面積が徐々に拡大するように構成された流路拡大部と、前記流路縮小部と流路拡大部との接続部分に環状の隙間最小部を備えた、環状スリットとして構成されていることを特徴とする、第1から第3態様のいずれか1つの流体分散ポンプを提供する。
本発明の第5態様によれば、前記分散部は、
対向して設けられた複数枚の円板で構成された分散部本体を備え、
前記流路は、これらの円板間に設けられたことを特徴とする、第4態様の流体分散ポンプを提供する。
本発明の第6態様によれば、前記分散部の流路は、第2流体の吸込口と連通していることを特徴とする、第1から第5態様のいずれか1つの流体分散ポンプを提供する。
本発明の第7態様によれば、前記循環羽根は、前記遠心羽根よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする、第2態様の流体分散ポンプを提供する。
なお、前記第1流体の吸込み口は、前記インペラの回転軸の延伸位置に設けられていることが好ましい。
本発明の第8態様によれば、前記モータはキャンドモータであることを特徴とする第1から第7態様のいずれか1つの流体分散ポンプを提供する。
本発明によれば、筐体の収容室内に設けられたインペラにより、流体を送ることができるとともに、当該インペラの回転遠心力により高圧化された第1流体が回転軸側に移動する方向に流動する。この圧力を利用して分散部の流路に第1流体及び第2流体を通過させて、両流体を分散させる。すなわち、本発明によれば、インペラの遠心羽根の回転によって生じた圧力を利用して、流体の搬送だけではなく、循環空間で両流体の分散を行なうように構成されているため、流体の分散及び搬送を同時に行なうことができる。
本発明の第2態様によれば、収容室内をインペラで2つの空間に区画し、分散部をインペラの背面領域である循環空間に設ける。また、分散部を筐体の対向面に密接し循環羽根の延伸方向面には離間して配置しているため、遠心羽根の回転によって生じた圧力分布を両流体が流路を通る原動力として利用することができる。さらに、インペラに設けられた循環羽根により、分散部の流路を通過した流体をインペラの遠心方向に送ることができる。これらの作用により、遠心羽根と循環羽根によって作り出された高圧を利用して求心方向の流れが促進される。そして、遠心羽根と循環羽根による遠心方向の流れ及び高圧化された流体による求心方向の流れが組み合わされることにより循環流が発生する。流体を背面領域内で循環させることで両流体が分散し、分散流体の吐出口から流出させることができる。したがって、本発明によれば、インペラの遠心羽根の回転によって生じた圧力分布によって、流体の搬送だけではなく、循環空間で両流体の分散を行なうように構成されているため、流体の分散及び搬送を同時に行なうことができる。
本発明の第3態様によれば、分散部がインペラの遠心羽根に対し外側領域に設けられているため、インペラの回転により流体に与えられた遠心力の方向沿いに分散部を配置することができる。これにより分散部の流路に流体を通過させやすく、簡単な構成で両流体を分散することができる。
本発明の第4態様によれば、循環空間に設けられた分散部の流路がベンチュリ管と同様の効果を呈し、流体として気液混合流体を用いる場合には循環空間で循環する気液混合流体中の気泡を微細化することができる。流路の具体的な構成は、環状スリットでもよいし、単なる管路であってもよい。
本発明の第6態様によれば、第2流体吸込口が流路に連通しているため、流路内を流れる第1流体中に直接第2流体を供給し、さらに、分散効果を高めることができる。また、流路を通る流体の速度が大きいため、負圧が大きくなり第2流体の自吸を促進することができる。
本発明の第7態様によれば、循環羽根を遠心羽根よりも大きくすることで、遠心羽根によって与えられた圧力よりもさらに大きい圧力を循環流に与えることができ、循環空間内の流体を流出口側へ導きやすくすることができる。
本発明の第8態様によれば、キャンドモータの特性により液漏れのおそれがなく、どのような設置場所にも設置でき、さらに、高温、高圧、高真空の系にも使用することができる。
本発明の第1実施形態にかかる気液分散ポンプの断面図である。 図1の気液分散ポンプの送液分散部の部分拡大図である。 図1の気液分散ポンプの収容室の部分拡大図である。 図1の気液分散ポンプに用いられる気泡分散部の変形例を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる気液分散ポンプの断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる気液分散ポンプの断面図である。 本発明の第4実施形態にかかる気液分散ポンプの断面図である。
以下、本発明の流体分散ポンプにかかる実施形態の気液分散ポンプについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下、各実施形態は、第1流体として液体、第2流体として気体を用い、微細気泡にした気体を液体中に分散させて流出する気液分散ポンプについて説明するが、本発明の流体分散ポンプは気液分散ポンプに限定されるものではなく、液体中に液体を分散させるポンプなどを含むものである。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかる気液分散ポンプの断面図である。図1において、気液分散ポンプ1aは、液体中に供給された気体を微細気泡として分散させるものであり、キャンドモータ12と送液分散部13とを備えている。
キャンドモータ12は、回転子16と固定子26とを備える。回転子16には回転軸17が圧入固着され、この回転軸17の前後部にそれぞれスリーブ18,19およびスラストカラー20,21が装着されている。回転軸17は、これらスリーブ18,19およびスラストカラー20,21を介して前後部の軸受22,23に回転自在に支持されている。これら軸受22,23は、各々前部軸受箱24、後部軸受箱25に挿入されて固定されている。
前部軸受箱24は、固定子26を挿入固着した固定子枠27の前部フランジ28面に締結固定され、後部軸受箱25はガスケット30を介して固定子枠27の後部端面31に液密に締結固定されている。
回転子16は非磁性で薄肉円筒状の回転子キャン33と側板34とが液密に溶着されて密封されており、固定子26は固定子枠27の端部と非磁性で薄肉円筒状の固定子キャン35とが液密に溶着されており、回転子16と固定子26とはキャン隙間36を介して対向配設されている。
後部軸受箱25には、潤滑液注入口37が設けられている。本実施形態では潤滑液は、本実施形態にかかる気液分散ポンプの吐出液であり、潤滑液流出口38から吐出され、潤滑液管路46を通って潤滑液注入口37へ供給される。
筐体39は、前部軸受箱24に液密に締結固定されている。筐体39と前部軸受箱24は、収容室40を画定する。
筐体39には、液体供給口44及び液体流出口43が設けられている。液体供給口44は、回転子16の回転軸17の延在位置に設けられ、液体流出口43は、筐体39の回転軸17に対し交差する方向に位置する面に設けられる。
収容室40内には、インペラ48が収納される。インペラ48は、キャンドモータ12の回転軸17の先端にボルト49により締結される。図1および図2に示すように、インペラ48は、クローズタイプの遠心インペラで構成され、インペラ本体部50に内部に送液用の遠心羽根51を備えた構成となっている。また、インペラ本体部50の後面側には、循環羽根52が設けられている。循環羽根52は、遠心羽根51に比較して大径に構成されている。
インペラ48は、収容室40内において、前部軸受箱24のインペラ本体部50の対向面24aとインペラ48との間に十分な隙間が生じるように構成されている。インペラ本体部50によって、収容室40内は、送液空間41と循環空間42に区画される。送液空間41では、インペラ48の遠心羽根51によって、収容室40内の流体を液体流出口43側に搬送し、循環空間42では、供給された流体が、インペラ48の遠心羽根51及び循環羽根52によって生じた圧力差によって、インペラ本体部50の遠心方向及び求心方向へ循環する。
前部軸受箱24のインペラ本体部50の対向面24aとインペラ48との間には、気泡分散部53が設けられる。気泡分散部53は、前部軸受箱24の対向面24aに当接するとともに、筐体39の内側壁から離間した状態に配置される。また、気泡分散部53と循環羽根52との間に隙間が設けられている。
気泡分散部53は、図3に示すように、2枚の円盤54,55で構成された分散部本体を備え、これら円盤54,55間の隙間には、円盤54,55の全周にわたって分散流路56が形成されている。
2枚の円盤54,55が互いに対向する対向面にはそれぞれ、図3に示すように、突起が対向して形成されている。突起の先端部分はテーパー状に構成されており、分散流路56に、外径側から内径側に向かうに従って分散流路56の間隙が縮小していく流路縮小部56aと、この流路縮小部56aの内径側で分散流路56の間隙が外径側から内径側に向かうに従って拡大していく流路拡大部56bが形成される。これら流路縮小部56aと流路拡大部56bとの間に分散流路56の間隙が最も小さくなる隙間最小部56cが設けられている。
前部軸受箱24を貫通する管路として設けられた気体供給流路45は、送液空間41の回転軸17の近接位置に開口する。
次に、図1から図3を用いて気液分散ポンプ1aの動作を説明する。なお、以下、液体供給口44から供給される流体を液体とし、気体供給流路45から供給され液体に気泡分散部で分散する流体を空気として説明する。
キャンドモータ12に対して供給される潤滑液は、矢印81、82に示すように、潤滑液注入口37より注入され、矢印83に示すように、後部の軸受23とスリーブ19の間を通過して軸受23を潤滑冷却する。また、キャン隙間36を通って回転子16と固定子26とを冷却し、矢印84に示すように前部の軸受22とスリーブ18の間を通過して軸受22を潤滑冷却し、収容室40内に戻って装置外部に排出される。
キャンドモータ12の回転軸17が回転すると、インペラ48も一体に回転し、矢印90に示すように、液体を液体供給口44より取り入れる。インペラ48が回転することにより、矢印90に示すように、液体が回転軸から遠心方向に送られ、一部が液体流出口43から流出する。
インペラ48の回転により収容室40内の液体の圧力分布が生じる。回転軸17から離れるにつれて圧力が高くなり、図3に示すように、回転軸17から遠い側の領域A2の方が、回転軸17に近い側の領域A1よりも高圧になる。
矢印91に示すように、液体流出口43から流出しなかった一部の液体は、インペラ48背面の循環空間42へ移動する。循環空間42では、気体供給流路45から取り込まれた空気と液体とが存在している。循環空間42の圧力は、回転軸17近傍の流体の領域A3の圧力よりも高いため、流体は回転軸17に近づく方向に移動する。
気泡分散部53は、前部軸受箱24の対向面24aに密接して設けられているため、回転軸17方向へ流れる気体と液体との混合流体は、気泡分散部53の分散流路56を通って回転軸17に近づく方向に移動する。そして、気体と液体との混合物が流路縮小部56aを経て流路拡大部56bを通るとき、流路間隙の変化により気体と液体との混合物は流速が変化して圧力が変化し、気体が微細化される。
この気体の微細化は、主として、液体の流速、気体の量、隙間最小部56cおよび流路拡大部56bの間隙寸法などによって決定される。例えば、液体の流速がある閾値以下であると、気泡の径が小さくならず十分な微細化が行われない。この場合、微細化される気泡の径は、主として、隙間最小部56cおよび流路拡大部56aの間隙寸法によって調整することができる。一方、液体の流速が閾値以上になると、気泡の径が小さくなって十分な微細化が行われる。分散流路56に設けられた流路拡大部56bがベンチュリ管と同様の効果を呈し、気体を伴った液体が気泡分散部53の分散流路56内を通過することにより、気体を微細化することができる。
なお、気体と液体との混合物が気泡分散部53の分散流路56を通るとき、分散流路56を流れる流体のために気体供給流路45は負圧になり、空気が自吸されて収容室40内へ供給される。
インペラ本体部50の後面側に設けられた循環羽根52は、放射流を発生させ、循環空間42内の気液分散流体を回転軸17側から遠心方向に移動させる。上記の通り、循環空間42内の回転軸近傍には、気泡分散部53を通過して微細化された気液分散流体が存在しているため、この流体が矢印92に示すように回転軸17側から遠心方向に移動する。なお、上記のように循環羽根52は、遠心羽根51よりも大径に構成されているため、循環羽根52によって発生する圧力は、遠心羽根51のすぐ外側の領域A2の圧力を比較して大きくなる。
また、循環羽根52の回転により、回転軸17近傍の領域A3と循環羽根52の外側領域A4における流体の圧力が高くなるため、インペラ本体部50の循環空間41内の流体が遠心方向及び求心方向へ循環流動する。また、流体が循環羽根の回転による遠心圧力場の形成により、気体供給流路45の出口は負圧になり、空気の自吸が促進される。
なお、本実施形態では、循環空間42内の流体の循環を促進するため、気泡分散部53のインペラに近い側に設けられている円盤55には、回転軸側へ伸びる仕切り部55aが設けられている。円盤55によって、循環空間41内を仕切ることにより、循環羽根が位置するインペラの本体部と円盤55との空間では、流体が遠心方向へ移動するため,仕切り部55aを含む円盤55とインペラの本体部に対する対向面との空間、すなわち、分散流路56では、流体は求心方向へ移動しやすくなる。このような構成を採用することにより、循環空間41内の流体の循環が促進され、また、流体が気泡分散部53をより効率よく通過することとなるため、微細気泡の発生を促進することができる。
本実施形態にかかる気液分散ポンプは、収容室40内で遠心羽根51によって加圧された流体の一部が遠心羽根51の背後で循環空間に移動して気泡分散部の流路を通過するように構成されている。また、循環流路に空気を自給させることができ、その自給させた空気を遠心羽根51の流れに合流させて、液体流出口43から流出させることができる。また、循環流の途中に気泡分散部を備え、気泡の微細化を行なうことができるため、流体の搬送と微細気泡の生成とを1つの装置で行なうことができる。また、収容室内に循環羽根を備えることで、加圧条件下での使用であっても、差圧を発生させることができ、循環空間内での循環流を発生させやすくすることができ、気泡の微細化を行なうことができる。
図4は、気泡分散部の変形例を示す図である。図4の気泡分散部53は、環状のスリットではなく、環状の分散部本体に放射状に伸びて貫通する管路状の分散流路56を備えている点において、図1の気泡分散部と相違する。環状の分散流路56はそれぞれ、外径側から内径側に向かうに従って分散流路56の間隙が縮小していく流路縮小部56aが設けられる。また、この流路縮小部56aの内径側で分散流路56の間隙が外径側から内径側に向かうに従って拡大していく流路拡大部56bが形成され、これら流路縮小部56aと流路拡大部56bとの間に分散流路56の間隙が最も小さくなる隙間最小部56cが設けられている。
図4に示す構成の気泡分散部であっても、分散流路56に設けられた流路拡大部56bがベンチュリ管と同様の効果を呈し、気体を伴った液体が気泡分散部53の分散流路56内を通過することにより、気体を微細化することができる。
以上説明したように、本発明の実施形態にかかる分散ポンプによれば、流体搬送機能を有するポンプの遠心羽根の背後に流体を循環させることができる循環空間を確保し、当該循環空間に設けられた気泡分散部により、流体中に分散されている気体を微細化して分散させることができる。循環空間で気泡分散部に設けられた流路の流体を通過させるために、流動用の遠心羽根によって生じた圧力差を原動力として用いることができる。また、循環羽根によって微細化した気泡を表側領域に戻して液体流出口から流出させることができるため、本実施形態にかかる分散ポンプのみで、微細気泡の分散と分散した流体の吐出を行うことができる。
気泡分散部によって分散される気泡のサイズは、液体の流速、気体の量、気泡分散部の構成などによって決定され、マイクロバブルのレベルにまで微細化することができる。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態にかかる気液分散ポンプの断面図である。第2実施形態にかかる気液分散ポンプ1bは、第1実施形態にかかる気液分散ポンプ1aと共通にする構成を有するため、以下、構成が異なる部分を中心に説明する。
第2実施形態にかかる気液分散ポンプ1bにおいては、気泡分散部53は、1枚の円板状の部材で構成されている。気泡分散部53を構成する円板状部材53aは、前部軸受箱24のインペラ対向面24aに隣接して設けられており、両者の対向面に形成された隙間によって分散流路を画定する。
気泡分散部53が、1枚の円筒状部材53aで構成されているため、気泡分散部53が薄型に構成されており、その分、第1実施形態にかかる気液分散ポンプ1aと比較して前部軸受箱24の厚み寸法が大きく構成されている。結果として、分散空間43を小さく構成することができ、装置を小型にすることができる。なお、気泡分散部53の厚み分だけ筐体39の厚み寸法を小さく構成してもよい。分散流路56が形成される側の面には、突起が設けられており、当該突起により、流路縮小部56a、流路拡大部56b、隙間最小部56cが形成される。
また、気体供給流路45は、分散流路56の隙間最小部56c近傍に開口する。隙間最小部56c近傍は、分散流路56が細く、液体の流れが速くなるため、当該部分に気体供給流路45が直接開口することにより、空気の微細化を促進することができる。
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態にかかる気液分散ポンプの断面図である。本実施形態にかかる気液分散ポンプ1cは、インペラの外径側領域に気泡分散部53が設けられている点で、第1及び第2実施形態の気液分散ポンプとは異なる。
気液分散ポンプ1cでは、収容室40は循環空間を持たず、インペラ48の背後すぐに前部軸受箱24とする構成である。前部軸受箱24及び前部フランジ28には、気体供給流路45が設けられており、遠心羽根51と気泡分散部53との間の空間に空気を供給する。
なお、気体供給流路45は、図6中に破線で示したように、液体供給口44の近傍に設けられていてもよい。この場合は、インペラ48に気液混合流体が直接供給される。
また、インペラ48と前部軸受箱24との間は、ダブルオリフィス60が設けられており、インペラ48から遠心方向に送り出された流体がインペラ48の背面側に移動しにくいように構成されている。
また、インペラ本体部50の中間部分に貫通孔61が設けられている。貫通孔61は、インペラの背後に存在する流体(潤滑液)をインペラの前面側に移動させる。
気泡分散部53は、2枚の円板が対向配置されて構成されており、その対向面の間に形成された隙間が分散流路56となっている。分散流路56は、インペラ48の遠心方向に沿って伸びる環状に形成されたスリットで構成され、インペラ48の回転による遠心方向へ移動する流体に付された圧力により流体が通過する。
気泡分散部53の外側には、液体流出口43が設けられており、気泡分散部53を通過して微細気泡が分散された流体がポンプ外へ流出する。
本実施形態にかかる気液分散ポンプ1cによれば、インペラ48によって遠心方向に移動した流体がすべて気泡分散部53を通過するため、微細気泡の発生量を多くすることができ、インペラ48の裏側に位置する隙間が小さいため、流体の送りだし効率を高くすることができる。
(第4実施形態)
図7は、本発明の第4実施形態にかかる気液分散ポンプの断面図である。本実施形態にかかる気液分散ポンプ1dは、図6に示した第3実施形態にかかる気液分散ポンプ1cの構成に加えて、回転軸17に気体の給気通路62が設けられている。
また、気体供給流路45は、前部軸受箱24及び前部フランジ28に設けられており、回転軸17に設けられた気体の給気通路62の開口部近傍に気体を供給する。
給気通路62は、回転軸の周囲面からインペラ48内の回転軸の中心部分に開口する。給気通路62は、気体供給流路45から供給された気体をインペラ48の回転により吸込み、キャン隙間から前部軸受22を通過したインペラ48の後面側に存在する循環液とともにインペラ48の表側に給気するための通路である。インペラ48は回転により遠心羽根51の遠心力により中心部分に流体(液体)を吸引するように構成されているため、当該部分に給気通路62を設けることにより、収容室40内に供給された気体をインペラ48の後面側に存在する循環液とともに吸引してインペラ48の表側に送ることができる。
なお、気体供給流路45は、第3の実施形態と同様に、液体供給口44の近傍に設けられていてもよい。この場合は、インペラ48に気液混合流体が直接供給される。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
本発明にかかる分散ポンプは、2つの流体、特に気体を微細気泡のレベルにまで微細化して液体中に分散させ、さらに流出することができるため、化学プラントなどの種々のプラントにおいて好適に利用することができる。
1a、1b、1c、1d 気液分散ポンプ
12 キャンドモータ
13 送液分散部
16 回転子
17 回転軸
18,19 スリーブ
20,21 スラストカラー
22,23 軸受
24 前部軸受箱
25 後部軸受箱
26 固定子
27 固定子枠
28 前部フランジ
30 ガスケット
31 後部端面
33 回転子キャン
34 側板
35 固定子キャン
36 キャン隙間
37 潤滑液注入口
38 潤滑液流出口
39 筐体
40 収容室
41 送液空間
42 循環空間
43 液体流出口
44 液体供給口
45 気体供給流路
46 潤滑液管路
48 インペラ
50 インペラ本体部
51 遠心羽根
52 循環羽根
53 気泡分散部
54,55 円盤
56 分散流路
56a 流路縮小部
56b 流路拡大部
56c 隙間最小部
60 ダブルオリフィス
61 貫通孔
62 給気通路

Claims (8)

  1. 回転可能に支持され、円板状の本体部の一面に遠心羽根を有する第1流体を吸排するインペラと、
    一方の軸方向端部が前記インペラに接続され、前記インペラを回転させるモータと、
    前記インペラを収容し第1流体の吸込口と分散流体の吐出口及び第2流体の吸込口を有する収容室が画定された筐体と、
    一部が半径方向に拡大する流路が画定され、前記インペラの回転により液体に与えられた遠心力により高圧化された液体が前記流路を通過するように構成され、前記筐体の内側面から離間して配置された環状の分散部と、
    を備えたことを特徴とする、流体分散ポンプ。
  2. 前記分散部は、前記収容室内の前記インペラの遠心羽根に対する背面側の循環空間に、前記インペラ背面側の筐体の対向面に密接し、
    前記インペラは、前記本体部の他面に、前記分散部の流路を通過した流体を前記インペラの遠心方向に送る循環羽根を有することを特徴とする、請求項1に記載の流体分散ポンプ。
  3. 前記分散部は、前記収容室内の前記インペラの遠心羽根に対し外径側領域に設けられたことを特徴とする、請求項1に記載の流体分散ポンプ。
  4. 前記分散部の流路は、断面積が徐々に縮小するように構成された流路縮小部と、前記流路の断面積が徐々に拡大するように構成された流路拡大部と、前記流路縮小部と流路拡大部との接続部分に環状の隙間最小部を備えた、環状スリットとして構成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1つに記載の流体分散ポンプ。
  5. 前記分散部は、
    対向して設けられた複数枚の円板で構成された分散部本体を備え、
    前記流路は、これらの円板間に設けられたことを特徴とする、請求項4に記載の流体分散ポンプ。
  6. 前記分散部の流路は、第2流体の吸込口と連通していることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1つに記載の流体分散ポンプ。
  7. 前記循環羽根は、前記遠心羽根よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の流体分散ポンプ。
  8. 前記モータはキャンドモータであることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1つに記載の流体分散ポンプ。
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