JP2011052265A - 配線基板及びこれを用いた発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い放熱特性を実現しつつも、電気絶縁性を確保し、さらにクラックの発生を防止して良好な歩留まりを実現できる配線基板を提供すること。
【解決手段】金属基材12上に形成された陽極酸化皮膜部30と、陽極酸化皮膜部30上に形成された回路部11とを備えた配線基板であって、回路部11は、絶縁性樹脂を介さずに、陽極酸化皮膜部30上に直接、印刷して焼成することで形成され、陽極酸化皮膜部30は、金属基材12の表面に形成された最下層のバリヤ型陽極酸化皮膜23と、回路部11が形成された最上層のポーラス型陽極酸化皮膜21とを有し、最下層のバリヤ型陽極酸化皮膜23と最上層のポーラス型陽極酸化皮膜21との間に、最上層のポーラス型陽極酸化皮膜21に比べて高い耐熱性を有する中間層のポーラス型陽極酸化皮膜22が配置されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線基板及びこれを用いた発光装置に関し、特に金属基材と陽極酸化皮膜部と回路部を備える配線基板に関するものである。
従来、金属を基材とする配線基板が提案されている。この種の配線基板は、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された配線基板は、アルミニウム基材上にポーラス型の陽極酸化皮膜を形成した後、バリヤ型の陽極酸化皮膜を形成して、電流泳動法により絶縁性樹脂を電着することにより絶縁層を形成し、この絶縁性樹脂上にフォトエッチング法を用いて導体回路部を形成することで製造されている。
特開平1―181597号公報
ところで、高熱が生じる配線基板、例えば発光ダイオードやレーザーダイオード等の発光素子を実装する配線基板においては、その発生する高熱を放出するため、高い放熱特性を有する配線基板が要求されている。
ところが、上述した従来の配線基板には、絶縁層として絶縁性樹脂が配置されており、この絶縁性樹脂は熱伝導性が低いことから配線基板の放熱特性が悪く、従来の配線基板は、発光素子が実装される製品等には適していない。
そのため、陽極酸化皮膜の上に絶縁性樹脂を配置しない配線基板を採用することも考えられるが、絶縁性樹脂が配置されていないと、フォトエッチング法により回路部を確実に形成することができない。そこで、発明者は、フォトエッチング法により回路部を形成するのに代えて、陽極酸化皮膜の上に導電ペーストを印刷して焼成することで回路部を形成することを試みた。ところが、この印刷法で回路部を形成すると、今度は、陽極酸化皮膜にクラックが入り、歩留まり率が悪化してしまった。
また、絶縁性樹脂を配置しないと、配線基板の電気絶縁性も劣ってしまう。
本発明は、上記課題を解消するもので、高い放熱特性を実現しつつも、電気絶縁性を確保し、さらにクラックの発生を防止して良好な歩留まりを実現できる配線基板及びこれを利用した発光装置を提供することを目的とする。
上記目的は、請求項1の発明によれば、金属基材と、前記金属基材上に形成された陽極酸化皮膜部と、前記陽極酸化皮膜部上に形成された回路部と、を備えた配線基板であって、前記回路部は、絶縁性樹脂を介さずに、前記陽極酸化皮膜部上に印刷して焼成することで形成され、前記陽極酸化皮膜部は、前記金属基材の表面に形成された最下層のバリヤ型陽極酸化皮膜と、前記回路部が形成された最上層のポーラス型陽極酸化皮膜とを有し、前記最下層のバリヤ型陽極酸化皮膜と前記最上層のポーラス型陽極酸化皮膜との間に、前記最上層のポーラス型陽極酸化皮膜に比べて高い耐熱性を有する中間層のポーラス型陽極酸化皮膜が配置されている配線基板により達成される。
請求項1の構成によれば、陽極酸化皮膜部上には絶縁性樹脂を介さずに回路部が形成されているため、例えば実装された発光素子などにより発生した回路部の熱を効果的に放出できる。そして、この回路部は印刷法で形成されるため、陽極酸化皮膜部上に絶縁性樹脂がなくても、容易に形成できる。また、回路部が形成される最上層の陽極酸化皮膜はポーラス型であって細孔を有するため、アンカー効果により回路部の密着性を高めることもできる。
ここで、回路部は印刷して焼成することで形成されるが、この焼成の際、金属基材と陽極酸化皮膜部との間にひずみが生じて、クラックが生じる恐れがある。ところが、本発明の場合、最下層のバリヤ型陽極酸化皮膜と最上層のポーラス型陽極酸化皮膜との間に、最上層のポーラス型陽極酸化皮膜に比べて高い耐熱性を有する中間層のポーラス型陽極酸化皮膜が配置されている。このため、印刷したペーストを焼成する際、中間層のポーラス型陽極酸化皮膜は変形し難く、これにより、焼成時に発生する応力が最下層のバリヤ型陽極酸化皮膜に与える影響を小さくできる。従って、最下層のバリヤ型陽極酸化皮膜と金属基材との間のひずみを防止し、クラックの発生を防止できる。
また、このように中間層のポーラス型陽極酸化皮膜を設けることで、二層の陽極酸化皮膜に比べて電気絶縁性を向上させることが出来るし、最下層の陽極酸化皮膜はバリヤ型であるため電気絶縁性が高い。このため、最上層の陽極酸化皮膜の上に絶縁性樹脂を配置しなくても電気絶縁性に支障はない。
請求項2の発明は、請求項1の構成において、前記最上層のポーラス型陽極酸化皮膜の細孔の内径は、前記中間層のポーラス型陽極酸化皮膜の細孔の内径に比べて大きく形成されていることを特徴とする。このため、最上層のポーラス型陽極酸化皮膜の細孔の比較的大きな内径に印刷用ペーストが入り易くなってアンカー効果が高まり、回路部との密着性が高まる。
請求項3の発明は、請求項1または2の構成において、前記金属基材は、純アルミニウムあるいはアルミニウム合金であることを特徴とするため、銅製金属基材に比べて安価な製造が可能である。さらに、安価なアルミニウム材を使用したとしても、本発明の場合、請求項1の発明の構成とすることで、高い放熱特性を有するとされる銅製金属基材を有する配線基板と比べて、同等な高い放熱特性を発揮できる。
また、上記目的は、請求項4の発明によれば、発光ダイオードと、この発光ダイオード実装用の配線基板と、を備えた発光装置であって、前記発光ダイオード実装用の配線基板は、金属基材と、前記金属基材上に形成された陽極酸化皮膜と、前記陽極酸化皮膜上に形成された回路部とを備え、前記回路部は、絶縁性樹脂を介さずに、前記陽極酸化皮膜上に印刷して焼成することで形成され、前記陽極酸化皮膜は、前記金属基材の表面に形成された最下層のバリヤ型陽極酸化皮膜と、前記回路部が印刷された最上層のポーラス型陽極酸化皮膜とを有し、前記最下層のバリヤ型陽極酸化皮膜と前記最上層のポーラス型陽極酸化皮膜との間に、前記最上層のポーラス型陽極酸化皮膜に比べて高い耐熱性を有する中間層のポーラス型陽極酸化皮膜が配置されている発光装置により達成される。
本発明によれば、高い放熱特性を実現しつつも、電気絶縁性を確保し、さらにクラックの発生を防止して良好な歩留まりを実現できる配線基板及びこれを利用した発光装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る配線基板の部分縦断面図。 本発明の配線基板の放熱特性を試験するために用いられた発光ダイオード素子実装済み配線基板の概略平面図。 従来のアルミニウム製配線基板、従来の銅製配線基板、本発明の配線基板について、温度を計測して放熱特性を比較した図。 本発明の配線基板の電気絶縁性を試験するために用いられた配線基板のパターン図。 本発明の配線基板が、発光装置に適用された例を示す断面図。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る配線基板の部分縦断面図である。なお、図1の各部分の形状は模式的に図示してある。
図1に示すように、配線基板10はその好適な例として、発光ダイオードやレーザーダイオード等の発光素子が実装される回路部11と、金属基材12と、陽極酸化皮膜部30とから構成されている。この配線基板10は、回路基板あるいは金属ベース印刷回路基板とも呼ぶことができる。
回路部11は、発光素子が実装される面に設けられた電子回路の配線パターンであり、本実施形態の場合、発光素子が直接実装されるパッド(図示せず)を有している。
この回路部11は、絶縁性樹脂を介さずに、陽極酸化皮膜部30の表面に直接、印刷して焼成することで形成されている。具体的には、金属の粒子をポリマー等のバインダー中に分散させた導電ペーストをスクリーン印刷やインクジェット印刷などで印刷し、その後、焼成することで形成される。なお、本実施形態の場合、導電ペーストには、銀ペーストが用いられ、また、焼成温度は150〜200℃で行なわれている。
このように、回路部11は絶縁性樹脂を介さずに印刷法で形成されているため、絶縁性樹脂がない分、配線基板10の熱伝導性は向上する。従って、実装された発光素子の発熱を効果的に放出できる。さらに、絶縁性樹脂を設けなくてもよい分、配線基板10の製造時間は短縮し、その上、印刷法であるため、パターンエッチング等の化学的処理で回路を形成する場合に比べて製造時間を短縮できる。また、エッチング液(強酸性溶液)の廃液問題もないため、自然環境にも負担をかけないで済む。
金属基材12は、放熱特性の良好な金属材料で作られている例えば平板状の基材であり、好ましくはアルミニウム材料で形成されている。アルミニウム材料としては、99.5%以上のアルミニウムからなる純アルミニウムを採用できる。また、アルミニウム材料としては、純アルミニウム系の材料以外に、Al―Cu系合金を除く、全てのアルミニウム合金を採用できる。このように、金属基材12は、純アルミニウムあるいはアルミニウム合金であるので、銅材で作られた金属基材に比べて安価に金属基材を作成できるのでコストダウンが図れる。
本実施形態の場合、金属基材12は、後述する表2に示されるように電気絶縁性等を考慮して、99.5%のアルミニウムからなる純アルミニウムが用いられている。また、金属基材12は、陽極酸化皮膜部30を形成する前の前処理として、常法の苛性エッチング硝酸中和を行うとよい。
陽極酸化皮膜部30は三層以上の構造になっており、図1では、最下層のバリヤ型陽極酸化皮膜(以下、「最下層皮膜」という)23と、最上層のポーラス型陽極酸化皮膜(以下、「最上層皮膜」という)21と、最下層皮膜23と最上層皮膜21との間に形成された中間層のポーラス型陽極酸化皮膜(以下、中間層皮膜」という)22とを有して、三層構造とされている。すなわち、金属基材12に対して陽極酸化処理を行い、金属基材12の一方の面12Aに、表層側から最上層皮膜21、中間層皮膜22、最下層皮膜23の順に形成されるようになっている。
以下、最上層皮膜21、最下層皮膜23、中間層皮膜22について説明する。
先ず、最上層皮膜21について説明する。
最上層皮膜21は、主に回路部11の密着性を向上させるための皮膜である。すなわち、最上層皮膜21はポーラス型の陽極酸化皮膜であり、図1に概念的に示すように、多数の細孔(ポーラス)41を有している。この各細孔41は微細孔ではあるが、その内径D1は後述する中間層皮膜22の細孔42よりも大きく形成され、本実施形態の場合、略600Åとされている。そして、最上層皮膜21はこの比較的大きな孔41を有しているので、印刷法でその表面に形成された回路部11は、図1に示すように各細孔41に容易に入り込み、アンカー効果により確実に最上層皮膜21に密着される。
なお、本実施形態の最上層皮膜21は、各細孔41の内径D1を大きくするため、リン酸の電解液を用いて定電圧電解を行うようにしている。リン酸電解液が細孔42を大きく形成することについては、以下の表1から分かる。表1のピール強度測定は、配線基板の表面に幅10mmのエポキシ樹脂を塗布し、このエポキシ樹脂を90度方向に引き剥がして測定した値であり、ピール強度の高さは細孔の大きさ(密着性の高さ)を示している。そして、リン酸電解液で作られたリン酸皮膜は、それ以外の皮膜に比べてピール強度が高いことが分かる。
Figure 2011052265
また、最上層皮膜21の厚み(つまり細孔41の深さ:W1)は0.1μm〜1.0μmであることが好ましい。厚みW1が0.1μm未満であると均一な皮膜を得るのが極めて困難で、また、厚みW1が1.0μmを超えると、皮膜形成の処理時間が長く、経済的負担が大きいからである。
これら細孔41の深さW1と内径D1、および印刷法により回路部11を形成した結果、本実施形態の最上層皮膜21と回路部11との密着性は飛躍的に向上し、例えば、回路部11にセロハンテープを貼りつけて剥がした場合、セロハンテープの糊が配線基板10側に移るほど強力な密着性を有した。
次に、最下層皮膜23について説明する。
最下層皮膜23は、主に電気絶縁性を図るための皮膜である。すなわち、最下層皮膜23はバリヤ型の陽極酸化皮膜であり、図1に模式的に示すように、複数の細孔が存在しない。この最下層皮膜23を形成する際の電解液は、中性溶液(Neutral Solution)を使用して、定電流、定電圧電解を行う。最下層皮膜23の皮膜厚さW3は、設定電圧(v)×15オングストロームで計算でき、本実施形態の最下層皮膜23の厚みW3は、1μm〜2μmとされ、上述の最上層皮膜21の厚みW1に比べて大きく形成されている。本発明の場合、上述のように、陽極酸化皮膜部30の表面上に絶縁性樹脂を設けていないため、この電気絶縁性を図るバリヤ型の陽極酸化皮膜の意義は大きい。
次に、中間層皮膜22について説明する。
中間層皮膜22は、主に配線基板10の耐熱性および電気絶縁抵抗値(電気絶縁性)の向上を図るための皮膜である。すなわち、中間層皮膜22は耐熱性と電気絶縁性を向上させるため、以下の構成とされている。先ず、中間層皮膜22はポーラス型の陽極酸化皮膜とされ、図1に模式的に示すように、多数の細孔(ポーラス)42を有している。この各細孔42は微細孔であり、少なくとも、その内径D2が最上層21の細孔41の内径D1に比べて小さくなっている。本実施形態の内径D2は略200Å〜300Åであり、最上層21の細孔41の内径D1の3分の1〜2分の1とされている。
また、中間層皮膜22を形成する際の電解液には、シュウ酸などの有機酸(Organic Acid)の単独もしくは混酸溶液が使用されている。中間層皮膜22の皮膜厚さは、電流密度と時間に比例するが、最終的には要求される皮膜厚さにより決定される。本実施形態の中間層皮膜22の厚みW2は20μm〜30μmとされ、陽極酸化皮膜部30の他の皮膜21,23の内、最も厚みが大きく形成されている。
このようにして、中間層皮膜22は、その細孔42の内径D2が小さく、かつ、厚みW2が大きいため、形状が変形し難いという耐熱性を有すると共に、電気絶縁性を有している。
そして、この中間層皮膜22の耐熱性は、回路部11を形成する焼成時に、配線基板10にクラックが生じることを防止できる。すなわち、印刷用ペーストは焼成の際に変形するため、ペーストが入り込んだ細孔41を有する最上層皮膜21には大きな応力が発生する。一方、この応力は、金属基材12と最下層皮膜23との間に集中して、その間にひずみが生じ易い。しかし、この大きな応力が発生し易い最上層皮膜21と応力が集中し易い最下層皮膜23との間に、中間層皮膜22が介在し、この中間層皮膜22は形状が変形し難いという耐熱性を有すると共に、厚みW2も大きい。このため、中間層皮膜22はクッション材としての機能を果たし、焼成時の応力が金属基材12と最下層皮膜23との間に集中することを有効に防止できる。従って、本発明に係る配線基板10はクラックの発生が防止され(本実施形態の場合、回路部11を350℃の温度で焼成してもクラックが発生しなかった)、歩留まり率を向上することができる。
本発明の実施形態に係る配線基板10は以上のように構成され、このため、電気絶縁性、回路部の密着性、製造容易性(時間短縮、歩留まり向上含む)、環境性の全てを維持ないし向上させると共に、優れた放熱特性を発揮して、発光素子用の配線基板10として使用できる。
以下、本発明の実施形態に係る配線基板10の(イ)放熱特性(ロ)電気絶縁性に関する性能を確認するために行った試験について説明する。
(イ)放熱特性の試験
図2は本発明の上述した配線基板10の放熱特性を試験するために用いられた基板の平面図であって、表面に定格3.3Vの発光ダイオード素子(以下、「LEDという」)68を直列に7個実装したものである。このLED68を配置した配線基板には4枚の基板を用意した。一枚はアルミニウム材でなる金属基材上に従来の陽極酸化皮膜を施し、さらにその皮膜の上に絶縁性樹脂を配置した従来のアルミニウム製配線基板、もう一枚は、銅材でなる金属基材上に黒化処理皮膜を施し、その皮膜の上に絶縁性樹脂を配置した従来の銅製配線基板である。残りの二枚は、上述のようにアルミニウム材でなる金属基材上に三層の陽極酸化皮膜を施した本発明に係る配線基板である。そして、図示しない回路に21V、0.4Aを印加してLED68を点灯させて、LED68が実装された面と反対側の面の温度を測定した。
図3は、このような試験方法で10秒毎に温度測定したデータをまとめたグラフである。図3に示されるように、従来のアルミニウム製配線基板と本発明に係る配線基板1,2とでは、LED点灯9分経過後には約15℃もの差が生じた。そして、従来の銅製配線基板は、従来のアルミニウム製配線基板に比べて優れた高い放熱特性を有するが、本発明の実施例の配線基板1,2は、この優れた従来の銅製配線基板と同等の放熱特性を得ることができた。
(ロ)電気絶縁性の試験
図4は、本発明の上述した配線基板10の電気的特性を試験するために用いられた基板の配線パターン図である。この試験のための配線基板には、99.5%と99.85%のアルミニウムを含む二種類の純アルミニウムの金属基材を使用した。そして、この二種類の金属基材の夫々について、既に説明した三層構造の陽極酸化皮膜部を施し、その上に印刷法で銀ペーストにより図4に示す配線パターンを形成した。すなわち、パターン32,34,36の夫々の先端に、配線パターン30と対向する長さ10mmのパターン32a,34a,36aを形成し、パターン32aと配線パターン30とのギャップを0.3mm、パターン34aと配線パターン30とのギャップを0.5mm、パターン36aと配線パターン30とのギャップを0.7mmに設定した。そして、120時間、240時間、480時間、960時間の耐湿試験(40℃/90%RH)をした後、温度23±2℃、湿度40〜60%RHの雰囲気下で、印加電圧100Vとして、1分後の電気絶縁抵抗値を測定した。
その結果が以下の表2に示す通りである。絶縁性樹脂を陽極酸化皮膜部上に配置しなかったことで、電気絶縁性を確保することが課題とされたが、いずれの場合も電気的特性の低下は認められず、問題のない電気絶縁抵抗値が得られた。また、アルミニウム材として、99.5%のアルミニウムからなる純アルミニウムの方が、99.85%のアルミニウムからなる純アルミニウムに比べて、良好な電気抵抗値が得られた。
Figure 2011052265
このように、本発明が高い電気絶縁抵抗値を得られたのは、中間層皮膜22と最下層皮膜23(図1参照)を上述のような構成としたからだけではなく、回路部を印刷法によって形成したことも起因したと思われる。すなわち、もし、回路部を印刷法ではなく例えば銅メッキを施すことでパターニングすると、メッキ処理工程中に微量な金属イオンが陽極酸化皮膜の細孔に侵入してしまい電気的特性が低下してしまう。しかし、本発明の回路部は印刷法でパターニングすることで、このような金属イオンが微細孔に侵入することを防止して電気的特性が低下するのを防いだものと思われる。
図5は、本発明の上述した配線基板10が、発光装置80に適用された例を示す断面図である。なお、図5の発光装置80に用いられる配線基板の基本構成は、図1で説明した実施形態に係る配線基板と同様であるため、構成要素が対応する箇所には、図1に示す符号に100を加えたものを附してその詳細な説明を省略する。
図5の発光装置80は、例えば液晶パネル84のバックライト装置であり、内部空間Sを形成する箱状の絶縁材86の内側に配線基板が配置されている。すなわち、絶縁材86の内面には金属基材112が配置され、金属基材112の内部空間Sに露出した面であって、液晶パネル84と対向する部分には、陽極酸化皮膜部130として最下層皮膜123、中間層皮膜122、及び最上層皮膜121が形成されている。そして、最上層皮膜121の表面には絶縁性樹脂を設けることなく回路部111が印刷法により形成されて、発光ダイオード実装用の配線基板が構成されている。
そして、回路部111のパッドには複数の発光ダイオード素子90が実装されている。各発光ダイオード素子90は点光源であるが、複数の発光ダイオード素子90を配列して点灯させることで、複数の発光ダイオード素子90の発生する光は、拡散板92と光学シート91を通じて液晶パネル84を透過するようになっている。
このように、発光ダイオード実装用の配線基板には、絶縁性樹脂が設けられていないため放熱特性に優れている。したがって、この配線基板を用いた発光装置80は故障が少なく性能のよい装置となる。また、この配線基板では、回路部111は印刷法でパターン形成して焼成するので、例えば金属膜と絶縁膜を積層してエッチングを行う場合に比べて、製造時間を短縮できる。しかも、最上層皮膜121は、回路部111を密着して固着できる。すなわち、最上層皮膜121の細孔に、回路部111の一部が入り込んで、回路部111は最上層皮膜121に対していわゆるアンカー効果により密着する。
そして、このように印刷法で焼成して回路部111を形成したとしても、中間層皮膜122が耐熱性を有し、変形し難い構造とされているため、配線基板にクラックが生じることを防止できる。また、配線基板に絶縁性樹脂がなくても、中間層皮膜122と最下層皮膜123の存在、及び回路部111を印刷法により形成することで、電気絶縁性を確保することができる。
ところで、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形例を採用することができる。例えば、回路部に実装される電子部品としては、発光ダイオード素子に限らず、抵抗チップ、コンデンサチップ等、任意の部品を実装することができる。
10・・・配線基板、11・・・回路部、12・・・金属基材、21・・・最上層のポーラス型陽極酸化皮膜、22・・・中間層のポーラス型陽極酸化皮膜、23・・・最下層のバリヤ型陽極酸化皮膜、30・・・陽極酸化皮膜部、41・・・最上層のポーラス型陽極酸化皮膜の細孔、42・・・中間層のポーラス型陽極酸化皮膜の細孔、80・・・発光装置、90・・・発光ダイオード(LED)素子

Claims (4)

  1. 金属基材と、前記金属基材上に形成された陽極酸化皮膜部と、前記陽極酸化皮膜部上に形成された回路部と、を備えた配線基板であって、
    前記回路部は、絶縁性樹脂を介さずに、前記陽極酸化皮膜部上に印刷して焼成することで形成され、
    前記陽極酸化皮膜部は、前記金属基材の表面に形成された最下層のバリヤ型陽極酸化皮膜と、前記回路部が形成された最上層のポーラス型陽極酸化皮膜とを有し、
    前記最下層のバリヤ型陽極酸化皮膜と前記最上層のポーラス型陽極酸化皮膜との間に、前記最上層のポーラス型陽極酸化皮膜に比べて高い耐熱性を有する中間層のポーラス型陽極酸化皮膜が配置されている
    ことを特徴とする配線基板。
  2. 前記最上層のポーラス型陽極酸化皮膜の細孔の内径は、前記中間層のポーラス型陽極酸化皮膜の細孔の内径に比べて大きく形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記金属基材は、純アルミニウムあるいはアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。
  4. 発光ダイオードと、この発光ダイオード実装用の配線基板と、を備えた発光装置であって、
    前記発光ダイオード実装用の配線基板は、金属基材と、前記金属基材上に形成された陽極酸化皮膜部と、前記陽極酸化皮膜部上に形成された回路部とを備え、
    前記回路部は、絶縁性樹脂を介さずに、前記陽極酸化皮膜部上に印刷して焼成することで形成され、
    前記陽極酸化皮膜部は、前記金属基材の表面に形成された最下層のバリヤ型陽極酸化皮膜と、前記回路部が印刷された最上層のポーラス型陽極酸化皮膜とを有し、
    前記最下層のバリヤ型陽極酸化皮膜と前記最上層のポーラス型陽極酸化皮膜との間に、前記最上層のポーラス型陽極酸化皮膜に比べて高い耐熱性を有する中間層のポーラス型陽極酸化皮膜が配置されている
    ことを特徴とする発光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014127633A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Shindengen Electric Mfg Co Ltd 放熱構造を有する半導体装置およびその製造方法

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