JP2011052106A - インクジェット記録用水性インク組成物および画像形成方法 - Google Patents

インクジェット記録用水性インク組成物および画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温保存した後であっても吐出回復性に優れ、耐光性が良好なインクジェット記録用水性インク組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるアゾ顔料を含む色材と、分散剤と、ウレタン変性ポリエステル樹脂と、を含むインクジェット記録用水性インク組成物。
Figure 2011052106

(一般式(1)中、Zは5〜8員の含窒素ヘテロ環に由来する2価の基を表し、Y、Y、R11、およびR12は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、GおよびGは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、WおよびWはそれぞれ独立にアルコキシ基、アミノ基、アルキル基またはアリール基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用水性インク組成物および画像形成方法に関する。
インクジェットプリンタ用のインクとして、顔料系インクがある。顔料は、染料に比べて耐光性および耐水性に優れており、近年、耐光性および耐水性を改善する目的でインクジェットプリンタ用インク組成物の着色剤として利用されている。しかしながら、顔料は一般に水には不溶であるため、顔料を水系インク組成物に利用する場合には、顔料を水溶性樹脂などの分散剤と共に混合し、水に安定分散させた後にインク組成物として調製する必要がある。
顔料が水系に安定に分散するためには、顔料の種類、粒径、用いる樹脂の種類、および分散手段等を検討する必要があり、これまで多くの分散方法およびインクジェット記録用インク組成物が提案されている。
例えば、ポリエステル樹脂を必須成分とするインク組成物が開示されており、インクの保存安定性が良好で、画像の光沢性に優れるとされている(例えば、特許文献1参照)。
特許4174666号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインク組成物では、インク組成物を長期間保存あるいは高温保存した後の吐出性が十分とは言い難かった。
本発明は、インク組成物を高温保存した後であっても吐出回復性に優れ、耐光性が良好なインクジェット記録用水性インク組成物と、該インクジェット記録用水性インク組成物を用いたインクジェット画像形成方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 下記一般式(1)で表されるアゾ顔料およびその互変異性体ならびにそれらの塩および水和物の少なくとも1種を含む色材と、分散剤と、ウレタン変性ポリエステル樹脂と、を含むインクジェット記録用水性インク組成物。
Figure 2011052106
(一般式(1)中、Zは5〜8員の含窒素ヘテロ環に由来する2価の基を表し、Y、Y、R11、およびR12は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、GおよびGは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、WおよびWはそれぞれ独立にアルコキシ基、アミノ基、アルキル基またはアリール基を表す)
<2> 前記一般式(1)中のWおよびWは、それぞれ独立に総炭素数3以下のアルコキシ基、アミノ基、または総炭素数3以下のアルキルアミノ基である前記<1>に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
<3> 前記一般式(1)中のGおよびGは、それぞれ独立に総炭素数3以下のアルキル基である前記<1>または<2>に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
<4> 前記一般式(1)中のZは、6員の含窒素ヘテロ環に由来する2価の基である前記<1>〜<3>のいずれかに1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
<5> 前記ウレタン変性ポリエステル樹脂が、アルカンジオールおよび多塩基酸又はその酸無水物から得られるポリエステルポリオールに由来する構造単位と、有機ポリイソシアネートに由来する構造単位とを含む前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
<6> 前記アルカンジオールは3−メチルペンタンジオールを含み、前記多塩基酸はアジピン酸を含み、前記有機ポリイソシアネートはイソホロンジイソシアネートを含む前記<5>に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
<7> 前記色材に対する前記ウレタン変性ポリエステル樹脂の質量比(ウレタン変性ポリエステル樹脂/色材)が、0.05以上である前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
<8> 前記色材を0.3〜8質量%含む前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
<9> 前記色材の体積平均粒子径は、150nm以下である前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
<10> 前記分散剤は、親水性の構成単位および疎水性の構成単位を含む共重合体である前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
<11> 前記<1>〜<10>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物を、記録媒体上にインクジェット法で吐出する工程を含むインクジェット画像形成方法。
本発明によれば、インク組成物を高温保存した後であっても吐出回復性に優れ、耐光性が良好なインクジェット記録用水性インク組成物と、該インクジェット記録用水性インク組成物を用いたインクジェット画像形成方法を提供することができる。
<インクジェット記録用水性インク組成物>
本発明のインクジェット記録用水性インク組成物(以下、単に「インク組成物」ということがある)は、下記一般式(1)で表されるアゾ顔料およびその互変異性体ならびにそれらの塩および水和物の少なくとも1種を含む色材と、分散剤の少なくとも1種と、ウレタン変性ポリエステル樹脂の少なくとも1種と、を含み、必要に応じてその他の成分をさらに含んで構成される。
特定構造のアゾ顔料と、ウレタン変性ポリエステル樹脂とを含むことで、高温保存した後であっても吐出回復性に優れ、かつ耐光性が良好なインクジェット記録用水性インク組成物を構成することができる。
Figure 2011052106
一般式(1)中、Zは5〜8員の含窒素ヘテロ環に由来する2価の基を表し、Y、Y、R11、およびR12は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、GおよびGは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、WおよびWはそれぞれ独立にアルコキシ基、アミノ基、アルキル基またはアリール基を表す。
(ウレタン変性ポリエステル樹脂)
本発明におけるウレタン変性ポリエステル樹脂は、ウレタン結合を含む構造単位を含むポリエステル樹脂であれば特に制限はない。中でも水溶性もしくは水分散性ウレタン変性ポリエステル樹脂であることが好ましく、水溶性ウレタン変性ポリエステル樹脂であることがより好ましい。
本発明におけるウレタン変性ポリエステル樹脂は、水酸基含有ポリエステル樹脂(ポリエステルポリオール)に由来する構造単位の少なくとも1種と、有機ポリイソシアネートに由来する構造単位の少なくとも1種とを含むことが好ましい。
本発明においては、水酸基含有ポリエステル樹脂(ポリエステルポリオール)に、ポリイソシアネート化合物を反応させることで、前記ウレタン変性ポリエステル樹脂を構成することができるが、必要に応じて親水性基を有する成分をさらに含んで構成することができる。
また前記水酸基含有ポリエステル樹脂は、多塩基酸成分の少なくとも1種と多価アルコール成分の少なくとも1種とから、エステル化反応またはエステル交換反応によって形成される樹脂である。
前記多塩基酸成分の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸などの二塩基酸、トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸、およびこれらの酸無水物、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などが挙げられる。
前記多塩基酸成分としては、上述の二塩基酸から選ばれる1種以上の二塩基酸、これらの酸の低級アルキルエステル化合物、および酸無水物が主として用いられる。また必要に応じて、安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸や、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などをさらに併用することができる。
本発明における多塩基酸成分としては、インク組成物の保存安定性の観点から、少なくともアジピン酸を含むことが好ましい。
前記多価アルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの2価アルコールや、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールが挙げられる。
前記多価アルコール成分としては、上述の2価アルコールが主に用いられ、必要に応じて、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールをさらに併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における多価アルコール成分としては、インク組成物の保存安定性の観点から、少なくとも3−メチルペンタンジオールを含むことが好ましい。
多塩基酸成分および多価アルコール成分のエステル化反応又はエステル交換反応は、通常用いられる方法を特に制限なく用いて行うことができる。
前記水酸基含有ポリエステル樹脂(ポリエステルポリオール)と反応させる有機ポリイソシアネート化合物の具体例としては、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4(または2,6)−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどの環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシナネートなどの芳香族ジイソシアネート類;リジントリイソシアネートなどの3価以上のポリイソシアネートなどの有機ポリイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂若しくは水素との付加物、あるいは上記した各ジイソシアネート化合物同士の環化重合体(たとえば、イソシアヌクレート)、ビウレット型付加物などが挙げられる。
本発明における有機ポリイソシアネート化合物は、インク組成物の保存安定性の観点から、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の非黄変タイプのものから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、少なくともイソホロンジイソシアネートを含むことがより好ましい。
尚、有機ポリイソシアネート化合物は、1種単独で又は2種以上混合して使用することができる。
前記水酸基含有ポリエステル樹脂(ポリエステルポリオール)と前記有機ポリイソシアネート化合物の反応条件としては、通常用いられる反応条件を特に制限なく用いることができる。
また前記水酸基含有ポリエステル樹脂(ポリエステルポリオール)と前記有機ポリイソシアネート化合物の反応においては、必要に応じて、前記多価アルコールや、モノアルコールをさらに加えることができる。
また、前記ウレタン変性ポリエステル樹脂における前記水酸基含有ポリエステル樹脂(ポリエステルポリオール)と前記有機ポリイソシアネート化合物の質量比としては特に制限はなく、インク組成に応じて適宜選択することができる。
また前記親水性基を有する成分の具体例としては、ジヒドロキシカルボン酸、ジヒドロキシスルホン酸、ジアミノカルボン酸などが挙げられる。
本発明におけるウレタン変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量としては特に制限はないが、例えば、1,000〜20,000の範囲内とすることができる。また、ウレタン変性ポリエステル樹脂の酸価は、例えば5〜100mgKOH/gとすることができ、好ましくは10〜60mgKOH/gの範囲内にあることが好適である。
本発明におけるウレタン変性ポリエステル樹脂は、インク安定性の観点から、熱エージング処理されたものであることが好ましい。前記熱エージング処理は、上記のようにして得られたウレタン変性ポリエステル樹脂を予め定めた温度で予め定めた時間処理し、人為的にエージングを引き起こす処理を意味する。これにより、例えば、ウレタン変性ポリエステル樹脂の加水分解によるインク粘度の低下を抑制することができる。
前記熱エージング処理は、下記式(I)で表されるウレタン変性ポリエステル樹脂の粘度変化率(ΔV)が、6〜15%の範囲となるように行われることが好ましく、6〜10%の範囲となるように行われることがより好ましい。
ΔV(%)=|V−V|/V×100 (I)
式(I)において、Vは熱エージング処理後の20℃における粘度であり、Vは熱エージング処理前の20℃における粘度である。尚、粘度は市販の粘度計、例えば、逆流式粘度管を使用して常法により測定される。
粘度変化率(ΔV)が上記範囲となるように熱エージング処理する条件としては、例えば、ウレタン変性ポリエステル樹脂の水溶液を60〜70℃の温度で、3〜6日間静置することが挙げられる。
本発明のインク組成物は、上記ウレタン変性ポリエステル樹脂を必須成分とするものであり、かかるインク組成物により形成される画像の良好な光沢性を付与する観点から、後述する色材に対するウレタン変性ポリエステル樹脂の質量比(ウレタン変性ポリエステル樹脂/色材)が0.05以上であることが好ましく、0.05〜0.8であることがより好ましく、0.1〜0.6であることがさらに好ましい。
(色材)
本発明のインクジェット記録用水性インク組成物は、下記一般式(1)で表されるアゾ顔料およびその互変異性体ならびにそれらの塩および水和物の少なくとも1種を含む色材を含む。
本発明に用いられる色材を構成するアゾ顔料は、代表的には一般式(1)で表される。また、前記アゾ顔料は一般式(1)で表される構造であっても、その互変異性体であってもよい。かかる特定構造のアゾ顔料であることで、耐光性と吐出安定性(特に吐出回復性)に優れるインク組成物を構成することができる。
以下、下記一般式(1)で表されるアゾ顔料について説明する。
一般式(1)で表される化合物は、その特異的な構造により分子間相互作用を形成しやすく、水または有機溶媒等に対する溶解性が低く、アゾ顔料とすることができる。
顔料は、水や有機溶媒等に分子分散状態で溶解させて使用する染料とは異なり、溶媒中に分子集合体等の固体粒子として微細に分散させて用いるものである。
Figure 2011052106
一般式(1)中、Zは5〜8員の含窒素ヘテロ環に由来する2価の基を表し、Y、Y、R11、およびR12は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、GおよびGは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、WおよびWはそれぞれ独立にアルコキシ基、アミノ基、アルキル基またはアリール基を表す。
一般式(1)において、Zは5〜8員の含窒素ヘテロ環に由来する2価の基を表す。好ましい含窒素ヘテロ環を、置換位置を限定せずに例示すると、ピロール環、ピラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピリダジン環である。より好ましくは、6員含窒素ヘテロ環であり、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、s−トリアジン環が挙げられる。Zとして特に好ましくは、ピリミジン環に由来する2価の基である。
Zが6員含窒素ヘテロ環の場合、色素分子の分子内、分子間作用が、水素結合性、分子の平面性の点からもより向上しやすい点で好ましい。
尚、Zで表される5〜8員の含窒素ヘテロ環に由来する2価の基は、さらに縮環していてもよい。
およびYが置換基を表す場合の例としては、ハロゲン原子、アルキル基(直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基であり、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基等のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す)、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
およびYとして特に好ましくは、水素原子、アルキル基(例えば、メチル基)、アリール基(例えば、フェニル基)、ヘテロ環基(例えば2−ピリジル基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基)であり、更に好ましくは水素原子、メチル基、フェニル基、メチルチオ基であり、その中でも水素原子が最も好ましい。尚、YおよびYは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)において、R11およびR12は水素原子または置換基を表す。R11およびR12が置換基を表す場合の置換基としては、炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル)、炭素数7〜18の直鎖または分岐鎖アラルキル基(例えば、ベンジル)、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルケニル基(例えば、ビニル)、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルキニル基(例えば、エチニル)、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル)、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルケニル基(例えば、シクロペンテニル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メチルスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルボニルフェノキシ、3−メトキシカルボニルフェニルオキシ、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、アルキルスルホニルアミノ基およびアリールスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、p−トルエンスルホニルアミノ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基および4級アンモニウム基)が挙げられる。
一般式(1)において、好ましいR11およびR12は、置換もしくは無置換の総炭素数1〜8のアシルアミノ基、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基であり、より好ましくは、総炭素数1〜8の直鎖アルキル基または分岐アルキル基であり、更にメチル基またはt−ブチル基が好ましく、その中でも特にt−ブチル基が最も好ましい。
11およびR12を総炭素数の少ない(例えば、炭素数1〜4)直鎖アルキル基または分岐アルキル基にすることで、よりすぐれた色相、着色力、画像堅牢性を達成できる。
尚、R11およびR12は同一であっても異なっていてもよい。
およびGは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、特に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、ベンジル基、2−フェネチル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、プロパルギル基、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基が好ましく、更に水素原子、メチル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基が好ましく、その中でもメチル基、2−ピリジル基、2,6−ピリミジニル基、2,5−ピラジニル基が好ましい。
またGおよびGがアルキル基を表す場合、総炭素数5以下のアルキル基であることが好ましく、総炭素数3以下のアルキル基であることがより好ましく、メチル基が最も好ましい。尚、GおよびGは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)において、WおよびWはアルコキシ基、アミノ基、アルキル基またはアリール基を表す。
およびWで表されるアルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基が好ましく、特に炭素数1から5の置換もしくは無置換のアルコキシ基が好ましい。例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
およびWで表されるアミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基が挙げられ、その中でもアミノ基、炭素数1から8の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から18の置換もしくは無置換のアニリノ基が好ましく、更にアミノ基、炭素数1から4の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から12の置換もしくは無置換のアニリノ基が好ましく、例えば、アミノ基(−NH)、メチルアミノ基(−NHCH)、ジメチルアミノ基{−N(CH}、アニリノ基(−NHPh)、N−メチル−アニリノ基{−N(CH)Ph}、ジフェニルアミノ基{−N(Ph)}等が挙げられる。
およびWで表されるアルキル基としては、それぞれ独立に直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。
具体的には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられる。ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1.2.2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
およびWで表されるアリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基が挙げられ、その中でも、炭素数6から18の置換もしくは無置換のアリール基が好ましく、更に炭素数6から12の置換もしくは無置換のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
その中でも好ましいWおよびWは、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基)、アミノ基(例えば、−NH基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基)またはアリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基)が好ましく、その中でもアルコシキ基、アミノ基、フェニル基またはアルキル基が好ましく、更にアルコキシ基、アミノ基が好ましい。
より好ましくは、総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数5以下のアルキルアミノ基であり、WおよびWが総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基、総炭素数5以下のアルキルアミノ基の場合、色素分子が分子内および分子間の少なくとも一方で水素結合を強固に形成しやすくなり、良好な色相、高い堅牢性(例えば、耐光、耐ガス、耐熱、耐水、耐薬品等)の点で好ましい。
色相、光堅牢性、耐溶剤性の点から特に好ましくは、総炭素数3以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数3以下のアルキルアミノ基であり、その中でも特にメトキシ基(−OCH基)またはエトキシ基(−OC基)が好ましく、良好な色相と光堅牢性向上の点からメトキシ基が特に好ましい。
尚、WおよびWは同一であっても異なっていてもよい。
本発明において、Z、Y、Y、R11、R12、G、G、W、およびWが、更に置換基を有する場合の置換基としては、下記の置換基を挙げることができる。
例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
本発明におけるアゾ顔料は、一般式(1)で表されるアゾ顔料の互変異性体もその範囲に含むものである。一般式(1)は、化学構造上取りうる数種の互変異性体の中から極限構造式の形で示しているが、記載された構造以外の互変異性体であってもよく、複数の互変異性体を含有した混合物として用いても良い。
例えば、一般式(1)で表されるアゾ顔料には、下記一般式(1’)で表されるアゾ−ヒドラゾンの互変異性体が考えられる。
本発明は、一般式(1)で表されるアゾ顔料の互変異性体である以下の一般式(1’)で表される化合物もその範囲に含むものである。
Figure 2011052106
一般式(1’)中、R11、R12、W、W、Y、Y、G、GおよびZは、一般式(1)中のR11、R12、W、W、Y、Y、G、GおよびZとそれぞれ同義である。
尚、前記一般式(1)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の一般式(1)で表されるアゾ顔料として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ホ)の少なくとも1つを含むものである。
(イ)WおよびWはそれぞれ独立に、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基)、アミノ基(例えば、−NH基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基)またはアリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基)が好ましく、その中でもアルコシキ基、アミノ基またはアルキル基が好ましく、アルコキシ基、アミノ基がより好ましく、さらに好ましくは、総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数5以下のアルキルアミノ基であり、特に好ましくは、総炭素数3以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数3以下のアルキルアミノ基であり、その中でも特にメトキシ基(−OCH基)が最も好ましい。
(ロ)R11およびR12はそれぞれ独立に、水素原子、または置換基(例えば、置換もしくは無置換の総炭素数1〜8のアシルアミノ基、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基)が好ましく、より好ましくは、総炭素数1〜8の直鎖アルキル基または分岐アルキル基であり、更にメチル基、i−プロピル基またはtert−ブチル基が好ましく、その中でも特にtert−ブチル基が最も好ましい。
(ハ)Zは、5〜8員の含窒素ヘテロ環基に由来する2価の基を表し、それらは更に縮環していてもよい。Zにおける含窒素ヘテロ環としては、5または6員の置換もしくは無置換の含窒素ヘテロ環、例えば、ピロール環、ピラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピリダジン環が好ましく、特に好ましくは、炭素数3から10の6員含窒素ヘテロ環基である。更に好ましいヘテロ環の例は、ピリジン環、ピリミジン環、s−トリアジン環、ピリダジン環、ピラジン環であり、より好ましくは、ピリジン環、ピリミジン環、s−トリアジン環、ピリダジン環、ピラジン環であり、更に好ましくは、ピリミジン環、s−トリアジン環であり、その中でも特にピリミジン環が最も好ましい。
(ニ)GおよびGはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、特に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、ベンジル基、2−フェネチル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、プロパルギル基、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基が好ましく、更に水素原子、メチル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基が好ましく、その中でもメチル基、2−ピリジル基、2,6−ピリミジニル基、2,5−ピラジニル基が好ましい。
またGおよびGで表されるアルキル基としては、総炭素数5以下のアルキル基がより好ましく、総炭素数3以下のアルキル基がより好ましく、メチル基が最も好ましい。
(ホ)YおよびYはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基(例えば、メチル基)、アリール基(例えば、フェニル基)、ヘテロ環基(例えば2−ピリジル基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基)であり、好ましくは水素原子、メチル基、フェニル基、メチルチオ基であり、その中でも水素原子が特に好ましい。
本発明における上記一般式(1)で表されるアゾ顔料のうち、好ましくは下記一般式(2)で表されるアゾ顔料である。
Figure 2011052106
上記一般式(2)中のG、G、R11、R12、W、W、YおよびYは、上記一般式(1)中のG、G、R11、R12、W、W、YおよびYとそれぞれ同義である。
11、X12は、それぞれ独立に上記一般式(1)中のZで表される含窒素ヘテロ環化合物に由来する2価の基(Het.)中のヘテロ原子を表す。
本発明において、上記一般式(1)で表されるアゾ顔料においては多数の互変異性体が考えられる。
また、本発明において、一般式(1)で表されるアゾ顔料は、分子内水素結合または分子内交叉水素結合を形成する置換基を有することが好ましい。本発明における一般式(1)で表されるアゾ顔料は、少なくとも1個以上の分子内交叉水素結合を形成する置換基を有することが好ましく、少なくとも3個以上の分子内水素結合を形成する置換基を有することがより好ましく、少なくとも3個以上の分子内水素結合を形成する置換基を有し、且つ、それらの水素結合の少なくとも2個が分子内交叉水素結合を形成する置換基を有する場合が特に好ましい。
一般式(1)で表されるアゾ顔料のうち、前述したように特に好ましいアゾ顔料の一般式の例としては、上記一般式(2)で表されるアゾ顔料を挙げることができる。
この構造が好ましい要因としては、一般式(2)で示すようにアゾ顔料構造に含有するヘテロ環を構成する窒素原子、水素原子およびヘテロ原子(アゾ基またはその互変異性体であるヒドラゾン基の窒素原子とカルボニル基の酸素原子またはアミノ基の窒素原子)が少なくとも1個以上の分子内の交叉水素結合(分子内水素結合)を容易に形成し易いことが挙げられる。
これらの構造が好ましい要因としては、上記一般式(2)で示すように、アゾ顔料が含有するヘテロ環基を構成する窒素原子、アミノ基の水素原子およびヘテロ原子(例えば、アゾ基またはその互変異性体であるヒドラゾン基の窒素原子、カルボニル基の酸素原子またはアミノ基の窒素原子)が少なくとも4個以上の分子内水素結合を容易に形成し易く、且つ、少なくとも2個以上の分子内の交叉水素結合を容易に形成し易いことが挙げられる。
その結果、分子の平面性が上がり、更に分子内・分子間相互作用が向上し、例えば一般式(2)で表されるアゾ顔料の結晶性が高くなり(高次構造を形成し易くなり)、顔料としての要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性およびまたは耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
また、本発明におけるアゾ顔料においては、一般式(1)で表される化合物中に同位元素(例えば、H、H、13C、15N)を含有していてもよい。
以下に前記一般式(1)で表されるアゾ顔料の具体例として、Pig.−1〜Pig.−48を示すが、本発明に用いられるアゾ顔料は、下記の例に限定されるものではない。また、以下の具体例の構造は化学構造上取りうる数種の互変異性体の中から極限構造式の形で示されているが、記載された構造以外の互変異性体構造のものであっても良いことは言うまでもない。
Figure 2011052106
Figure 2011052106
Figure 2011052106
Figure 2011052106
本発明における一般式(1)で表されるアゾ顔料は、化学構造式が一般式(1)またはその互変異性体であれば良く、その結晶形態についても特に制限はない。例えば、多形(結晶多形)とも呼ばれるいかなる結晶形態のアゾ顔料であっても良い。
結晶多形は、同じ化学組成を有するが、結晶中におけるビルディングブロック(分子またはイオン)の配置が異なる結晶のことを言う。結晶多形においては、その結晶構造によって化学的および物理的性質が決定され、各結晶多形は、レオロジー、色相、および他の色特性によってそれぞれ区別することができる。また、異なる結晶多形は、X-Ray Diffraction(粉末X線回折測定結果)やX-Ray Analysis(X線結晶構造解析結果)によって確認することもできる。
本発明における一般式(1)で表されるアゾ顔料に結晶多形が存在する場合、その結晶型はどの多形であってもよく、また2種以上の多形の混合物であっても良いが、結晶型が単一のものを主成分とすることが好ましい。すなわち結晶多形の混入が少ないものが好ましく、単一の結晶型を有するアゾ顔料の含有量はアゾ顔料全体に対し70%〜100%、好ましくは80%〜100%、より好ましくは90%〜100%、更に好ましくは95%〜100、特に好ましくは100%である。
単一の結晶型を有するアゾ顔料を主成分とすることで、色素分子の配列に対して規則性が向上し、分子内・分子間相互作用が強まり高次な3次元ネットワークを形成しやすくなる。その結果として色相の向上・光堅牢性・熱堅牢性・湿度堅牢性・酸化性ガス堅牢性および耐溶剤性等、顔料に要求される性能の点で好ましい。
アゾ顔料における結晶多形の混合比は、単結晶X線結晶構造解析、粉末X線回折(XRD)、結晶の顕微鏡写真(TEM)、IR(KBr法)等の固体の物理化学的測定値から確認できる。
本発明において、一般式(1)で表されるアゾ顔料が酸基を有する場合には、酸基の一部あるいは全部が塩型のものであってもよく、塩型の顔料と遊離酸型の顔料が混在していてもよい。上記の塩型の例としてNa、Li、K等のアルカリ金属の塩、アルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムの塩、または有機アミンの塩が挙げられる。有機アミンの例として、低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換低級アルキルアミン、カルボキシ置換低級アルキルアミンおよび炭素数2〜4のアルキレンイミン単位を2〜10個有するポリアミン等が挙げられる。これらの塩型の場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していてもよい。
更に、本発明で使用するアゾ顔料の構造において、その1分子中に酸基が複数含まれる場合は、その複数の酸基は、それぞれ独立に塩型あるいは酸型であり、互いに異なるものであってもよい。
本発明において、前記一般式(1)で表されるアゾ顔料は、結晶中に水分子を含む水和物であっても良く、また結晶中に含まれる水分子の数にも特に制限はない。
次に上記一般式(1)で表されるアゾ顔料の製造方法の一例について説明する。例えば、下記一般式(A)で表されるヘテロ環アミンを酸性条件でジアゾニウム化し、下記一般式(B)で表される化合物とカップリング反応を行い、常法による後処理を行って上記一般式(1)で表されるアゾ顔料を製造することができる。
Figure 2011052106
一般式(A)および(B)中、Wは一般式(1)におけるWおよびWと同義であり、Gは一般式(1)におけるGおよびGと同義であり、R11、R12、およびZは一般式(1)におけるR11、R12、およびZとそれぞれ同義である。
上記一般式(A)で表されるヘテロ環アミンは、一般的には公知慣用の方法、例えば、Helv.Chim.Acta,41,1958,1052〜1056やHelv.Chim.Acta,42,1959,349〜352等に記載の方法、および、それに準じた方法で製造することができる。
また、上記一般式(B)で表される化合物は、国際公開第06/082669号や特開2006−57076号公報に記載の方法、および、それに準じた方法で製造することができる。
上記一般式(A)で表されるヘテロ環アミンのジアゾニウム化反応は、例えば、硫酸、リン酸、酢酸、塩酸、メタンスルホン酸などの酸性溶媒中、亜硝酸ナトリウム、ニトロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等の試薬を15℃以下の温度で10分〜6時間程度反応させることで行うことができる。
カップリング反応は、上述の方法で得られたジアゾニウム塩と上記一般式(B)で表される化合物とを40℃以下、好ましくは、25℃以下で10分〜12時間程度反応させることで行うことができる。
このようにして反応させたものは、結晶が析出している場合もあるが、一般的には、反応液に水、あるいはアルコール系溶媒を添加し、結晶を析出させ、結晶を濾取することができる。また、反応液にアルコール系溶媒、水等を添加して結晶を析出させて、析出した結晶を濾取することができる。濾取した結晶を必要に応じて洗浄・乾燥して、一般式(1)で表されるアゾ顔料を得ることができる。
上記の製造方法によって、上記一般式(1)で表されるアゾ顔料は粗アゾ顔料(クルード)として得られるが、本発明における色材として用いる場合、後処理を行うことが望ましい。この後処理の方法としては、例えば、ソルベントソルトミリング、ソルトミリング、ドライミリング、ソルベントミリング、アシッドペースティング等の磨砕処理、溶媒加熱処理などによる顔料粒子制御工程、樹脂、界面活性剤および分散剤等による表面処理工程が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表されるアゾ顔料は後処理として溶媒加熱処理および/またはソルベントソルトミリングを行うことが好ましい。
溶媒加熱処理に使用される溶媒としては、例えば、水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性非プロトン性有機溶媒、氷酢酸、ピリジン、またはこれらの混合物等が挙げられる。上記で挙げた溶媒に、さらに無機または有機の酸または塩基を加えても良い。溶媒加熱処理の温度は所望する顔料の一次粒子径の大きさによって異なるが、40〜150℃が好ましく、60〜100℃がさらに好ましい。また、処理時間は、30分〜24時間が好ましい。
ソルベントソルトミリングとしては、例えば、粗アゾ顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練磨砕を行うことが挙げられる。上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。当該無機塩の使用量は、粗アゾ顔料に対して3〜20質量倍とするのが好ましく、5〜15質量倍とするのがより好ましい。有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好適に使用できるが、混練時の温度上昇により溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。
このような水溶性有機溶剤としては、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールまたはこれらの混合物が挙げられる。当該水溶性有機溶剤の使用量は、粗アゾ顔料に対して0.1〜5質量倍が好ましい。混練温度は、20〜130℃が好ましく、40〜110℃が特に好ましい。混練機としては、例えばニーダーやミックスマーラー等が使用できる。
本発明に使用されるアゾ顔料(色材)の含有量は、インク組成物中、好ましくは0.1〜15質量%、さらに好ましくは1〜8質量%である。なお、本発明に利用される顔料の配合量は、濃淡インク組成物等のインク組成物の種類に応じて適宜調整される。
また、本発明に使用されるアゾ顔料(色材)の体積平均粒子径は、インク組成物の安定性の観点から250nm以下であり、より好ましくは150nm以下であることが好ましい。さらに、前記体積平均粒子径が120nm以下からなるアゾ顔料を用いると、本発明の効果を一段と向上できるためより好ましい。
尚、体積平均粒子径は、動的光散乱法を用いて通常の条件によって測定される。
(分散剤)
本発明のインクジェット記録用水性インク組成物は、分散剤の少なくとも1種を含むが、分散剤によって前記アゾ顔料が水性媒体中に分散されていることが好ましい。
本発明における分散剤としては特に制限はなく、通常用いられる分散剤を適宜選択して用いることができる。中でもインク組成物の分散安定性と吐出回復性の観点から、合成高分子化合物であることが好ましく、親水性の構成単位の少なくとも1種と疎水性の構成単位の少なくとも1種とを含む共重合体であることがより好ましい。尚、共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体など、その形態に特に制限されない。
前記分散剤の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。
これらは、使用に際して1種単独でも、2種以上を混合して用いることができる。
前記分散剤が塩を形成している場合、塩を形成する塩基としては、ジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンなどが挙げられる。
このような塩は、例えば、前記塩基と、塩を形成する前の分散剤との中和反応によって得ることができる。この際、塩を形成するための化合物の使用量は、塩を形成する前の分散剤の中和当量に対して、例えば、0.7〜1.5当量とすることができる。特にインク組成物を被記録媒体に印字した後のインクの記録媒体への定着性が向上する点から、中和当量に対して0.9〜1.2当量であることが好ましい。
これらの合成高分子化合物の重量平均分子量は、好ましくは1000〜50000であり、より好ましくは1000〜15000であり、さらに好ましくは3000〜10000である。また、合成高分子化合物の酸価は、50〜300であることが好ましく、より好ましくは70〜150である。さらに、合成高分子化合物はラジカル共重合、グループトランスファー重合等の公知の重合法によって製造される。
また、前記分散剤として、天然高分子化合物を用いることもできる。その具体例としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミンなどのタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類、サポニンなどのグルコシド類、アルギン酸及びアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロシキエチルセエルロース、エチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
また分散剤としては、市販のものを使用することができ、その具体例としては、BASFジャパン株式会社製、ジョンクリル61J(分子量10000、酸価195)、ジョンクリル68(分子量10000、酸価195)、ジョンクリル450(分子量10000〜20000、酸価100)、ジョンクリル550(分子量7500、酸価200)、ジョンクリル555(分子量5000、酸価200)、ジョンクリル586(分子量3100、酸価105)、ジョンクリル680(分子量3900、酸価215)、ジョンクリル682(分子量1600、酸価235)、ジョンクリル683(分子量7300、酸価150)、ジョンクリルB−36(分子量6800、酸価250)等が挙げられる。なお、分子量とは、重量平均分子量を示す。
本発明において、特に好ましい分散剤は、分散安定性等の点で、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の塩である。かかるスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の塩は、基本的にはその構造中に少なくともスチレン骨格と(メタ)アクリル酸の塩の骨格を含んでなるものを示し、構造中に(メタ)アクリル酸エステル骨格等の他の不飽和基を有するモノマー由来の骨格を有していても構わない。かかるスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の塩の共重合形態、製造法、酸価及び重量平均分子量それぞれについては、前述した合成高分子についての好適事項と同様である。
分散剤は、これを水中に添加してエマルションの形態等として使用することができる。
また分散剤の含有量は、顔料100質量部に対して1〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜70質量部である。
本発明において前記アゾ顔料は、前記分散剤によって分散された顔料分散液として用いられることが好ましい。顔料分散液は、前記アゾ顔料と前記分散剤と水性媒体とを、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミル等の適当な分散機で行なわれる。
また、顔料分散液の調製に使用できる水性媒体としては、水、有機溶媒、又は水と有機溶媒との混合物が挙げられる。ここで用いられる水は純水が好ましく、また、有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール等の1価アルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン等が挙げられる。これらの有機溶媒は、1種単独でまた2種以上を混合して用いることができる。
有機溶媒の配合量は、本発明に係るインク組成物中、好ましくは0.5〜40重量%、更に好ましくは1.5〜20重量%の範囲である。
(水溶性有機溶剤)
本発明のインクジェット記録用水性インク組成物は、水系媒体を含むことが好ましい。水系媒体は少なくとも水を溶媒として含むが、水と水溶性有機溶剤の少なくとも1種とを含むことが好ましい。水溶性有機溶剤は湿潤剤あるいは浸透剤などの目的で用いられる。
湿潤剤は、インク噴射口におけるインクの乾燥によって発生し得るノズルの目詰まりを効果的に防止することができる。また湿潤剤は、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶媒であることが好ましい。
湿潤剤の具体的な例としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。これらの湿潤剤は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
湿潤剤として、特にグリセリンを用いると、グリセリンの高い水溶性及び水分蒸発抑制効果によってインク組成物が固化しにくくなるため、プリンタヘッドのノズル中での目詰まりを防止する効果がより大きくなるので好ましい。
湿潤剤の含有量は、本発明に係るインク組成物中、好ましくは0.05〜30質量%であり、更に好ましくは3〜25質量%である。
浸透剤は、インク組成物を記録媒体(例えば、印刷用紙等)により良く浸透させる目的で、好適に使用される。
浸透剤の具体的な例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルの多価アルコールのアルキルエーテル類(グリコールエーテル);1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール等のジオールが挙げられ、これらの浸透剤は1種単独で用いても、2種以上の混合物として用いてもよい。
本発明においては、浸透剤として、特に1,2−ヘキサンジオールやトリエチレングリコールモノブチルエーテルを用いることが好ましい。
浸透剤の配合量は、本発明に係るインク組成物中、好ましくは0.1〜20重量%であり、更に好ましくは0.5〜15重量%である。
また、水溶性有機溶媒は、上記以外にも、粘度の調整に用いることができる。粘度の調整に用いることができる水溶性有機溶媒の具体的な例としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。
また本発明のインク組成物は、界面活性剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。かかる界面活性剤としては、下記の一般式(11)で表わされるアセチレングリコール系界面活性剤(例えば、オルフィンY、E1010及びSTG、並びにサーフィノール82、104、440、465及び485(何れも日信化学工業株式会社製)等)や、下記の一般式(12)で表されるポリシロキサン系化合物(例えば、ビッグケミー・ジャパン株式会社より市販されているシリコン系界面活性剤BYK−345、BYK−346、BYK−347、又はBYK−348)を使用することもできる。その他、アニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等)等を用いることができる。
Figure 2011052106
一般式(11)中、0≦m+n≦50であって、R21〜R24はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基を表わす。
一般式(12)中、R31〜R37はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基であり、j、k及びgはそれぞれ独立して1以上の整数であり、EOはエチレンオキシ基であり、POはプロピレンオキシ基であり、p及びqは0以上の整数であるが、但しp+qは1以上の整数であり、EO及びPOは、[ ]内においてその順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい。
これらの界面活性剤は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
界面活性剤の配合量は、本発明のインク組成物中、好ましくは0.01〜10質量%であり、更に好ましくは0.1〜5質量%である。
(その他の添加剤)
本発明のインクジェット用インク組成物は、上記成分に加えて必要に応じてその他の添加剤を含むことができる。
本発明におけるその他の添加剤としては、例えば、褪色防止剤、乳化安定剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、インクジェット用インク組成物を調製後に直接添加してもよく、インクジェット用インク組成物の調製時に添加してもよい。具体的には特開2007−100071号公報の段落番号[0153]〜[0162]に記載のその他の添加剤などが挙げられる。
本発明のインク組成物の表面張力としては、紙等の被記録媒体への浸透性の向上、被記録媒体上でのドットの良好な広がり、及びカラーブリードの防止、乾燥性等の観点から、40mN/m以下であること好ましく、28〜35mN/mであることがより好ましい。
インク組成物の表面張力は、例えば、Face自動表面張力計「CPVP−Z」〔協和界面科学(株)製〕等の測定装置により測定することができる。
本発明のインク組成物の粘度としては、打滴安定性の観点から、1〜30mPa・sの範囲が好ましく、1〜20mPa・sの範囲がより好ましく、2〜15mPa・sの範囲がさらに好ましく、2〜10mPa・sの範囲が特に好ましい。
インク組成物の粘度は、例えば、ブルックフィールド粘度計を用いて20℃で測定することができる。
本発明のインク組成物のpHとしては、インク安定性の観点から、pH7.5〜10であることが好ましく、pH8〜9であることがより好ましい。尚、インク組成物のpHは25℃で通常用いられるpH測定装置(例えば、東亜ディーケーケー(株)製、マルチ水質計MM−60R)によって測定される。
またインク組成物のpHは、酸性化合物または塩基性化合物を用いて適宜調製することができる。酸性化合物または塩基性化合物としては通常用いられる化合物を特に制限なく用いることができる。
本発明のインクジェット記録用水性インク組成物は、上記一般式(1)で表されるアゾ顔料およびその互変異性体ならびにそれらの塩および水和物の少なくとも1種を含む色材と、前記分散剤の少なくとも1種と、前記ウレタン変性ポリエステル樹脂の少なくとも1種に加えて、必要に応じて水溶性有機溶剤の少なくとも1種と界面活性剤等とを混合して調製することができる。前記成分を混合して得られる液体組成物をインク組成物としてもよく、また、前記液体組成物に濾過、殺菌処理(例えば、熱処理)等の処理を行ってインク組成物としてもよい。
濾過の方法としては、例えば、メンブレンフィルタ(例えば、PVDF5μmフィルタ)を用いた濾過を挙げることができる。また殺菌処理としては、熱処理(例えば、60〜80℃で1〜4時間)を挙げることができる。
本発明においては、インク安定性の観点から、前記液体組成物を殺菌処理(好ましくは、熱処理)することが好ましい。
<インクジェット画像形成方法>
本発明のインクジェット画像形成方法は、前記インクジェット記録用水性インク組成物を、記録媒体上に吐出して画像を形成するインク吐出工程を含み、必要に応じてその他の工程を含んで構成される。
本発明のインクジェット記録用水性インク組成物を用いて画像を形成することで、耐光性に優れた画像を形成することができる。また、インク組成物を長期間保存、高温で経時した後であっても吐出安定性、吐出回復性に優れるため、良好な画像を形成することができる。
インク吐出工程では、既述の本発明のインクジェット記録用水性インク組成物を、記録媒体上にインクジェット法で付与する。本工程では、記録媒体上に選択的にインク組成物を付与でき、所望の可視画像を形成できる。本発明のインク組成物における各成分の詳細及び好ましい態様などの詳細については、既述した通りである。
インクジェット法を利用した画像の記録は、具体的には、エネルギーを供与することにより、所望の被記録媒体、すなわち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載のインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に液体組成物を吐出することにより行なえる。なお、本発明に好ましいインクジェット記録方法として、特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105に記載の方法が適用できる。
インクジェット法は、特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等のいずれであってもよい。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(イエロー顔料の合成)
[合成例1]
〜例示化合物(Pig.−1)の合成〜
例示化合物(Pig.−1)の合成スキームを下記に示す。
Figure 2011052106
(1)中間体(a)の合成
シアノ酢酸メチル29.7g(0.3モル)にオルトギ酸トリメチル42.4g(0.4モル)、無水酢酸20.4g(0.2モル)、p−トルエンスルホン酸0.5gを加えて110℃(外温)に加熱し、反応系から生じる低沸点成分を留去しながら20時間攪拌した。この反応液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラム精製を行い、前記中間体(a)を14.1g(黄色粉末、収率30%)で得た。得られた中間体(a)のNMR測定結果は以下の通りである。
1H-NMR(300MHz、CDCl3)7.96(s,1H), 4.15(s,3H), 3.81(s,3H)
(2)中間体(b)の合成
メチルヒドラジン7.4mL(141ミリモル)にイソプロパノール150mLを加えて15℃(内温)に冷却し、この混合液に中間体(a)7.0g(49.6ミリモル)を徐々に添加した後、50℃に加熱して1時間40分攪拌した。この反応液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラム精製を行い、前記中間体(b)を10.5g(白色粉末、収率50%)で得た。得られた中間体(b)のNMR測定結果は以下の通りである。
1H-NMR(300MHz、CDCl3)7.60(s,1H), 4.95(brs,2H), 3.80(s,3H), 3.60(s,3H)
(3)中間体(c)の合成
ヒドラジン1水和物130mLにメタノール100mLを加えて10℃(内温)に冷却し、この混合液に4,6−ジクロロピリミジン50.0g(336ミリモル)を徐々に添加(内温20℃以下)した後、50℃に加熱して4時間30分攪拌した。反応液から析出した結晶をろ取、イソプロパノールでかけ洗い後、乾燥を行い、前記中間体(c)を43.1g(白色粉末、収率92%)で得た。得られた中間体(c)のNMR測定結果は以下の通りである。
1H-NMR(300MHz、d6-DMSO)7.82(s,1H), 7.55(s,2H), 5.96(s,1H), 4.12(s,4H)
(4)中間体(d)の合成
中間体(c)35.0g(0.25モル)、ピバロイルアセトニトリル68.8g(0.55モル)に水900mLを加えて室温で攪拌した。この懸濁液に1M塩酸水をpH3になるように滴下した後、50℃に加熱して8時間攪拌した。この反応液に8M水酸化カリウム水溶液を滴下してpH8に調整して、更に1M塩酸水を滴下してpH6に調整して析出した結晶をろ取、イソプロパノールでかけ洗い後、乾燥を行い前記中間体(d)を83.0g(白色粉末、収率94%)で得た。得られた中間体(d)のNMR測定結果は以下の通りである。
1H-NMR(300MHz、d6-DMSO)8.73(s,1H), 7.97(s,1H), 6.88(s,4H), 5.35(s,2H), 1.22(s,18H)
(5)例示化合物(Pig.−1)の合成
濃硫酸4.1mLに酢酸18.5mLを加えて氷冷で攪拌し、40%ニトロシル硫酸3.85g(12.1ミリモル)を滴下した。この混合液に中間体(b)1.71g(11.0ミリモル)を徐々に添加(内温0℃以下)した後、0℃で2時間攪拌した。この反応液に尿素150mgを添加し、さらに0℃で15分攪拌して、ジアゾ液Aを調製した。
中間体(d)にメタノール50mLを加えて加熱溶解させた後、氷冷で攪拌した混合液に前記ジアゾ液Aをゆっくり滴下した(内温10℃以下)。この反応液を室温で2時間攪拌した後、析出した結晶をろ取、メタノールでかけ洗いして前記例示化合物(Pig.−1)の粗結晶を得た。さらに前記粗結晶に水を加えて攪拌した後、この懸濁液を水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整し、さらにジメチルアセトアミド20mLを加えて、80℃で2時間攪拌した。析出した結晶をろ取、さらにメタノールで懸濁洗浄し得られた結晶をろ取、乾燥して例示化合物(Pig.−1)を2.0g(黄色粉末、収率79%)で得た。
尚、上記合成スキームと同様にして、例示化合物(Pig.−2)〜(Pig.−4)、(Pig.−6)、(Pig.−9)〜(Pig.−12)、(Pig.−15)、(Pig.−18)、(Pig.−19)、(Pig.−21)、(Pig.−24)、(Pig.−25)、(Pig.−34)〜(Pig.−37)をそれぞれ合成した。
(ウレタン変性ポリエステル樹脂の調製)
温度計および攪拌機をつけた加圧重合器に、3−メチルペンタンジオールとアジピン酸を脱水共重合して得られるアジペートジオール(数平均分子量2000)205.0部に、1,4−ブタンジオール8.5部、n−ブタノール3.8部、ジメチロールプロピオン酸48.5部、イソホロンジイソシアネート140.0部およびメチルエチルケトン265.5部を仕込み、反応系を窒素ガスで置換した後、7時間反応させてウレタン変性ポリエステル樹脂を得た。得られた溶液を室温まで冷却し、トリエチルアミン31.5部を加えた後、イオン交換水1400部を加え、メチルエチルケトンを減圧留去して25%ウレタン変性ポリエステル樹脂水溶液を得た。この樹脂の分子量は13500、酸価は67であった。
<実施例1>
(イエロー顔料分散体YD-1の調製)
イエロー顔料分散体YD−1を以下のようにして調製した。
イエローアゾ顔料である例示化合物(Pig.−1)10.0部に、スチレン−アクリル酸系高分子分散剤(BASFジャパン社製、「ジョンクリル68」、重量平均分子量10,000、酸価195mgKOH/g)4.0部、および、全量が100部となる量のイオン交換水を混合した後、該混合液をディゾルバーで均一になるまで攪拌して予備分散液を得た。得られた予備分散液をビーズミルで0.1mmφジルコニアビーズを用いて5時間分散処理した。分散後、ジルコニアビーズを取り除き、顔料分散液を得た。70℃3hrの殺菌処理を行なった後、顔料濃度が10%になるよう純水を加えて、イエロー顔料分散体YD−1を調製した。
−イエロー顔料分散体の粒子径測定−
得られたイエロー顔料分散体について、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用い、動的光散乱法により体積平均粒径(Mv)を測定し、下記評価基準に従って評価した。
〜評価基準〜
A :Mvが90nm未満であった。
B :Mvが90nm以上、120nm未満であった。
C :Mvが120nm以上であった。
(インクジェット記録用水性インク組成物YI−1の調製)
上記で得られたイエロー顔料分散体YD−1、ウレタン変成ポリエステル樹脂を用い、以下のインク組成となるように各成分を混合して、インクジェット記録用水性インク組成物YI−1を調製した。
<水性イエロー顔料インクYI-1の組成>
・前記イエロー顔料分散体YD−1 ・・・ 25.0部
・BYK347 ・・・ 0.5部
・1,2−ヘキサンジオール ・・・ 10.0部
・グリセリン ・・・ 12.0部
・トリエタノールアミン ・・・ 1.0部
・25%ウレタン変性ポリエステル樹脂水溶液 ・・・ 1.0部
・プロキセルXL−2 ・・・ 0.05部
(アーチ・ケミカルズ・ジャパン(株)製)
・ベンゾトリアゾール ・・・ 0.05部
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・ 1.0部
・イオン交換水 ・・・ 全量が100部となる残量
<評価>
上記で得られたインクジェット記録用水性インク組成物について、以下の評価を行った。評価結果を表1に示した。
(インク安定性)
上記で得られたインクジェット記録用水性インク組成物について、PET製容器に密栓し60℃恒温槽中で14日間保存する前と保存後に、粘度及び体積平均粒子径を測定し、下記の評価基準にしたがってインク安定性の評価をした。
尚、粘度はR100型粘度計(東機産業社製)により、25℃、コーンの回転数20〜100rpmの条件により測定した。また体積平均粒子径は、光ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用い、動的光散乱法により測定した。
〜評価基準〜
A : 保存後の粘度及び体積平均粒子径はともに、保存前の値の±6%以内であった。
B : 保存後の粘度及び体積平均粒子径いずれかの値が、保存前の値の±6%を超えるものであった。
(吐出回復性)
上記で得られたインクジェット記録用水性インク組成物、PET製容器に密栓し60℃恒温槽中で14日間保存した。記録媒体として富士フイルム社製「画彩写真仕上げPro」を用い、インクジェット記録装置として、600dot/25.4mm、256ノズルの試作プリントヘッドを備えたインクジェット装置を用意し、60℃恒温槽中で14日間保存した後のインク組成物を装填した。
ヘッドから30分間吐出した後、メンテナンス作業として、15KPaの圧力で10秒間加圧した後にクリーンワイパーFF−390c((株)クラレ製)でワイプを行ない、その後さらに5分間吐出を継続し、5分経過後に富士フイルム社製「画彩写真仕上げPro」に形成されたベタ画像及び細線画像(ともに5cm×5cm)を目視により観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
〜評価基準〜
A : 白抜けの発生等による画像故障が認められなかった。
B : 白抜けの発生等の画像故障がわずかに認められたが、実用上問題にならない程度であった。
C : 白抜けの発生等の画像故障が多く認められ、実用上問題があった。
(耐光性)
上記吐出回復性評価と同様に、インクジェット記録装置として、600dot/25.4mm、256ノズルの試作プリントヘッドを備えたインクジェット装置を用意し、これに得られたインクジェット記録用水性インク組成物を装填し、富士フイルム社製「画彩写真仕上げPro」にベタ画像を形成し、評価用サンプルを得た。得られた評価用サンプルを、キセノンウェザーメーター(スガ試験機社製)を用いて屋外直接暴露相当条件(9.9klux)で20日間照射した後、照射前の光学濃度ODが1.00であったベタ画像について、色素残存率[(照射後濃度/照射前濃度)×100%]を求め、下記評価基準に従って耐光性を評価した。
〜評価基準〜
A : 色素残存率が80%以上であった。
B : 色素残存率が50%以上80%未満であった。
C : 色素残存率が50%未満だった。
(光沢性)
上記吐出回復性評価と同様に、インクジェット記録装置として、600dot/25.4mm、256ノズルの試作プリントヘッドを備えたインクジェット装置を用意し、これに上記で得られたインクジェット記録用水性インク組成物を装填し、富士フイルム社製「画彩写真仕上げPro」上に、20%、40%、60%、80%、100%のそれぞれの印画Dutyでベタ画像を形成し、評価用サンプルを得た。十分に乾燥した後、得られた評価用サンプルを様々な角度から目視で観察し、光沢性を判断した。評価結果は表1に示す。
〜評価基準〜
A : 印画部に蛍光灯の光を映すと蛍光灯が鮮明に映った。
B : 印画部に蛍光灯の光を映すと蛍光灯の鮮映性が若干低下した
C : 印字部に蛍光灯の光を映すと蛍光灯の光がくすんで鮮明に映らなかった。
<実施例2〜19>
実施例1において、イエローアゾ顔料として例示化合物(Pig.−1)の代わりに、下記表1に示したイエローアゾ顔料(以下、単に「顔料」ということがある)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用水性インク組成物を作製した。得られたインクジェット記録用水性インク組成物について実施例1と同様にして評価を行なった。評価結果は表1に示す。
<実施例20〜21>
実施例1のインクジェット記録用水性インク組成物の調製において、25%ウレタン変性ポリエステル樹脂水溶液の添加量を、3部または0.5部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録用水性インク組成物を作製した。得られたインクジェット記録用水性インク組成物について実施例1と同様にして評価を行った。評価結果は表1に示す。
<比較例1>
実施例1のインクジェット記録用水性インク組成物の調製において、25%ウレタン変性ポリエステル樹脂水溶液の添加量を、0部としてこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録用水性インク組成物を作製した。得られたインクジェット記録用水性インク組成物について実施例1と同様にして評価を行った。評価結果は表1に示す。
<比較例2>
実施例1のインクジェット記録用水性インク組成物の調製において、イエローアゾ顔料として例示化合物(Pig.−1)の代わりに、SUIMEI Fast Yellow L5G(山水色素工業株式会社製、C.I.ピグメント・イエロー74、以下、「PY−74」ということがある)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用水性インク組成物を作製した。得られたインクジェット記録用水性インク組成物について実施例1と同様にして評価を行なった。
<比較例3>
実施例1のインクジェット記録用水性インク組成物の調製において、イエローアゾ顔料として例示化合物(Pig.−1)の代わりに、PV Fast Yellow 4GP(クラリアントジャパン株式会社製、C.I.ピグメント・イエロー155、以下、「PY−155」ということがある)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用水性インク組成物を作製した。得られたインクジェット記録用水性インク組成物について実施例1と同様にして評価を行なった。
<比較例4>
実施例1のインクジェット記録用水性インク組成物の調製において、イエローアゾ顔料として例示化合物(Pig.−1)の代わりに、SUIMEI Fast Yellow L5G(山水色素工業株式会社製、C.I.ピグメント・イエロー74)を用い、25%ウレタン変性ポリエステル樹脂水溶液の添加量を、0.5部としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用水性インク組成物を作製した。得られたインクジェット記録用水性インク組成物について実施例1と同様にして評価を行なった。
<比較例5>
実施例1のインクジェット記録用水性インク組成物の調製において、25%ウレタン変性ポリエステル樹脂水溶液の代わりに、TAD3000(東洋紡株式会社製アクリル変性ポリエステル樹脂:ポリマー成分34%)を用い、添加量を0.75部としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用水性インク組成物を作製した。得られたインクジェット記録用水性インク組成物について実施例1と同様にして評価を行なった。
<比較例6>
実施例1のインクジェット記録用水性インク組成物の調製において、25%ウレタン変性ポリエステル樹脂水溶液の代わりに、ボンディック1610NS(大日本インキ社製 ウレタン変性ポリエーテル樹脂:ポリマー成分25%)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用水性インク組成物を作製した。得られたインクジェット記録用水性インク組成物について実施例1と同様にして評価を行なった。
Figure 2011052106
表1から、本発明のインクジェット記録用水性インク組成物は、インク安定性と吐出回復性に優れることが分かる。また、形成される画像の耐光性と光沢性に優れることが分かる。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表されるアゾ顔料およびその互変異性体ならびにそれらの塩および水和物の少なくとも1種を含む色材と、分散剤と、ウレタン変性ポリエステル樹脂と、を含むインクジェット記録用水性インク組成物。
    Figure 2011052106

    (一般式(1)中、Zは5〜8員の含窒素ヘテロ環に由来する2価の基を表し、Y、Y、R11、およびR12は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、GおよびGは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、WおよびWはそれぞれ独立にアルコキシ基、アミノ基、アルキル基またはアリール基を表す。)
  2. 前記一般式(1)中のWおよびWは、それぞれ独立に総炭素数3以下のアルコキシ基、アミノ基、または総炭素数3以下のアルキルアミノ基である請求項1に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
  3. 前記一般式(1)中のGおよびGは、それぞれ独立に総炭素数3以下のアルキル基である請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
  4. 前記一般式(1)中のZは、6員の含窒素ヘテロ環に由来する2価の基である請求項1〜請求項3のいずれかに1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
  5. 前記ウレタン変性ポリエステル樹脂が、アルカンジオールおよび多塩基酸又はその酸無水物から得られるポリエステルポリオールに由来する構造単位と、有機ポリイソシアネートに由来する構造単位とを含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
  6. 前記アルカンジオールは3−メチルペンタンジオールを含み、前記多塩基酸はアジピン酸を含み、前記有機ポリイソシアネートはイソホロンジイソシアネートを含む請求項5に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
  7. 前記色材に対する前記ウレタン変性ポリエステル樹脂の質量比(ウレタン変性ポリエステル樹脂/色材)が、0.05以上である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
  8. 前記色材を0.3〜8質量%含む請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
  9. 前記色材の体積平均粒子径は、150nm以下である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
  10. 前記分散剤は、親水性の構成単位および疎水性の構成単位を含む共重合体である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物を、記録媒体上にインクジェット法で吐出する工程を含むインクジェット画像形成方法。
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