本発明の一実施形態について、図1〜図15を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るコンベヤスケール10は、ベルトコンベヤ12を備えている。このベルトコンベヤ12は、屋外に設置されており、その一端側(図1における左側)には、ホッパ14が配置されている。そして、このホッパ14からベルトコンベヤ12上に、厳密にはコンベヤベルト16のキャリア側(図1における上方側)の上面に、コークスや石灰石等のバラ状の被計量物18が略一定量ずつ連続的に供給される。ベルトコンベヤ12は、図示しないモータやエンジン等の駆動力発生源からの駆動力を受けて、図1に矢印20で示すように、当該被計量物18を他端側に輸送する。そして、この他端側に輸送された被計量物18は、当該他端側から排出され、図示しない収容先に収容される。
さらに、コンベヤベルト16のキャリア側は、複数のローラ22,22,…によって支持されている。これらのローラ22,22,…は、コンベヤベルト16のキャリア側との摩擦によって回転するいわゆる自由回転ローラであり、当該コンベヤベルト16のキャリア側の走行方向(図1における矢印20の方向)に沿って等間隔La(図5参照)に並列配置されている。そして、これらのローラ22,22,…の1つは、計量ローラ24であり、荷重検出手段としての2つのロードセル26および28によって支持されている。
具体的には、図2に示すように、計量ローラ24の出力軸30の両端に、1対の適当なジョイント32および34を介して、当該2つのロードセル26および28(厳密には図示しない起歪体)の負荷側着力部(図2における左斜め上方の部分)が結合されている。そして、各ロードセル26および28の固定側着力部(図2における右斜め下方の部分)は、1対の適当な固定部材36および38を介して、図示しない基部に固定されている。なお、各ロードセル26および28は、互いに同一規格のものである。また、当該各ロードセル26および28による計量ローラ24の支持構造は、コンベヤベルト16の中心線を含む垂直面に関して、略面対称である。
図1に戻って、各ロードセル26および28(厳密には図示しない歪ゲージを含むのホイートストンブリッジ回路)は、当該各ロードセル26および28と共に測定装置100を構成するスレーブコントローラ200に接続されている。そして、各ロードセル26および28は、このスレーブコントローラ200から直流の駆動電圧Vw1およびVw2が供給されることによって動作し、詳しくはそれぞれに印加される荷重に応じた電圧のアナログ荷重検出信号W1(t)およびW2(t)(t;時間)を生成する。そして、これらのアナログ荷重検出信号W1(t)およびW2(t)は、スレーブコントローラ200に入力される。なお、スレーブコントローラ200は、ベルトコンベヤ12の近傍に設けられており、例えば図2に示すように一方のロードセル26の近傍に設けられている。
また、計量ローラ24とは別のローラ22、例えば当該計量ローラ24に隣接する前段側(図1において左側)のローラ40には、測定装置100の一構成要素であるパルス信号生成手段としてのパルス発生器42が取り付けられている。具体的には、上述の図2に示すように、当該ローラ40の出力軸44の一端、好ましくはスレーブコントローラ200に近い側の一端に、適当なカップリング46を介して、このパルス発生器42が取り付けられている。
より具体的には、図3に示すように、パルス発生器42は、図2に示したカップリング46に結合される回転軸48を備えており、この回転軸48に、概略円筒状の回転子50が固定されている。そして、この回転子50の周壁部分に、当該周壁の円周方向に沿って等間隔に、パルス生成用界磁極としての複数個(好ましくは偶数個)のパルス生成用永久磁石52,52,…が埋め込まれている。さらに、回転子50の周壁を取り囲むように、概略円筒状の固定子54が、当該回転子50の周壁との間に適当な隙間56を置いて設けられている。この固定子54は、1対のベアリング58および60を介して、回転子50と結合されており、その一方で、円筒状の筐体62を介して、図示しない固定部に固定されている。つまり、回転子50が、各パルス生成用永久磁石52,52,…を伴って回転するのに対して、固定子54は、常に固定された状態にある。そして、この固定子54の内壁部分であって、各パルス生成用永久磁石52,52,…の回転軌道と対峙する部分の1箇所に、1つのパルス生成用電機子巻線64が埋め込まれている。
このように構成されたパルス発生器42によれば、回転子50が回転すると、この回転子50に付属された各パルス生成用磁石52,52,…から発生される磁束に対して、固定子54側のパルス生成用電機子巻線64が順次鎖交する。そして、このパルス生成用電機子巻線64が各パルス生成用磁石52,52,…からの磁束と鎖交するたびに、当該パルス生成用電機子巻線64に電流が流れ、この電流に基づくパルス信号Spが誘起される。つまり、パルス発生器42は、インナロータ型の発電機と同様の原理で、言わば自発的に、パルス信号Spを生成する。そして、このパルス信号Spは、図1に示すように、スレーブコントローラ200に入力される。なお、パルス信号Spの特性、例えばパルス数は、回転子50の回転角度に比例し、つまりコンベヤベルト16の走行距離に比例する。
加えて、計量ローラ24に隣接する後段側(図1において右側)のローラ66には、測定装置100の一構成要素である発電手段としての直流発電機68が取り付けられている。具体的には、上述の図2に示すように、当該ローラ66の出力軸70の一端、好ましくはスレーブコントローラ200に近い側の一端に、適当なカップリング72を介して、この直流発電機68が取り付けられている。
より具体的には、図4に示すように、当該直流発電機68は、カップリング72に結合される回転軸74を備えており、この回転軸74に、概略円筒状の回転子76が固定されている。そして、この回転子76の周壁部分に、当該周壁の円周方向に沿って等間隔に、発電用界磁極としての偶数個の発電用永久磁石78,78,…が埋め込まれている。さらに、回転子76の周壁を取り囲むように、概略円筒状の固定子80が、当該回転子76の周壁との間に適当な隙間82を置いて設けられている。この固定子80は、1対のベアリング84および86を介して、回転子76と結合されており、その一方で、円筒状の筐体88を介して、図示しない固定部に固定されている。つまり、回転子76が、各発電用永久磁石78,78,…を伴って回転するのに対して、固定子80は、常に固定された状態にある。そして、固定子80の内壁部分であって、各発電用永久磁石78,78,…の回転軌道と対峙する部分に、当該固定子80の内壁の円周方向に沿って等間隔に、発電用永久磁石78,78,…と同数の発電用電機子巻線90,90,…が埋め込まれている。
この構成から明らかなように、直流発電機68は、インナロータ型であり、回転子76の回転速度に応じた、言い換えればコンベヤベルト16の走行速度に応じた、直流電圧Vgを生成する。そして、この直流電圧Vgは、図1に示すように、スレーブコントローラ200に供給される。なお、厳密には、当該直流電圧Vgは、図示しない整流器を介して、取り出される。
再び図2を参照して、コンベヤベルト16の内面(各ローラ22,22,…と接触する側の面)には、当該コンベヤベルト16の基準位置を表す2つのマークM1およびM2が付されている。具体的には、一方のマークM1は、コンベヤベルト16の一側縁から当該コンベヤベルト16の中心線に向かう途中にまで延伸するように付されている。そして、他方のマークM2は、コンベヤベルト16の他側縁から当該コンベヤベルト16の中心線に向かう途中にまで延伸するように付されている。なお、これらのマークM1およびM2は、コンベヤベルト16の走行方向において互いに異なる位置に付されており、両者間M1およびM2間の距離Lsは、後述する単位距離ΔLよりも遙かに大きい。また、各マークM1およびM2は、次に説明する光センサ92および94によって検出され易い性質を持つ。
即ち、一方の光センサ92は、一方のマークM1を検出するためのものであり、他方の光センサ94は、他方のマークM2を検出するためのものである。このため、一方の光センサ92は、一方のマークM1の移動軌跡と対峙するように、例えば計量ローラ24とその前段のローラ40との間に配置されている。そして、他方の光センサ94は、他方のマークM2の移動軌跡と対峙するように、コンベヤベルト16の走行方向において一方の光センサ92と並べて配置されている。これらの光センサ92および94は、図1に示すように、スレーブコントローラ200から直流の駆動電圧Vs1およびVs2が供給されることによって動作し、詳しくはそれぞれに対応するマークM1およびM2を当該各マークM1およびM2間の距離Lsに応じた時間差をもって検出する。そして、これらの光センサ92および94から出力されるマーク検出信号S1およびS2は、スレーブコントローラ200に入力される。なお、このような光センサ92および94としては、例えば反射型のもの、いわゆるフォトリフレクタが、採用される。これらの光センサ92および94もまた、測定装置100を成す。
スレーブコントローラ200は、上述の直流発電機68から供給される直流電圧Vgを電源電圧として動作する。従って、各ロードセル26および28用の駆動電圧Vw1およびVw2、ならびに各光センサ92および94用の駆動電圧Vs1およびVs2もまた、この直流電圧Vgを基に生成される。なお、パルス発生器42については、上述の如く自発的にパルス信号Spを生成するので、これを駆動するための電圧の供給は必要ない。
そして、スレーブコントローラ200は、各ロードセル26および28から得られるアナログ荷重検出信号W1(t)およびW2(t)と、パルス発生器42から得られるパルス信号Spと、に基づいて、ベルトコンベヤ12(コンベヤベルト16)による被計量物18の瞬間輸送量Qaを求める。この瞬間輸送量Qaとは、図5に示すように、計量ローラ24とその前段のローラ40との軸間中心C1と、当該計量ローラ24とその後段のローラ66との軸間中心C2と、の間の働長Ld(=La)上にある被計量物18の重量を言う。つまり、瞬間輸送量Qaは、当該働長Ldと、被計量物18の平均幅寸法B,平均高さ寸法Hおよび平均密度ρと、によって、次の式1のように表される。
《式1》
Qa=Ld・B・H・ρ
ただし、実際には、上述したように、当該瞬間輸送量Qaは、各ローラ26および28から得られるアナログ荷重検出信号W1(t)およびW2(t)と、パルス発生器42から得られるパルス信号Spと、に基づいて求められる。なお、この瞬間輸送量Qaの算出手順については、後で詳しく説明する。
また、この瞬間輸送量Qaを求めるための事前準備として、スレーブコントローラ200は、パルス発生器42から得られるパルス信号Spと、各光センサ92および94から得られるマーク検出信号S1およびS2と、に基づいて、単位距離ΔLを求める。この単位距離ΔLとは、パルス信号Spの1パルス当たりのコンベヤベルト16の走行距離であり、厳密に言えば、当該パルス信号Spの或る立ち上がり(または立ち下がり)タイミングが到来してから次の立ち上がりタイミングが到来するまでの間にコンベヤベルト16が走行する距離である。なお、この単位距離ΔLの算出手順についても、後で詳しく説明する。
さらに、スレーブコントローラ200は、瞬間輸送量Qaを積算することで、厳密には後述する期間輸送量Qxを積算することで、積算輸送量Qbを求める。この積算輸送量Qbについても、後で詳しく説明する。
このスレーブコントローラ200によって求められた瞬間輸送量Qaおよび積算輸送量Qbは、当該スレーブコントローラ200から離れた位置、例えば管理室、に設置されている監視手段としてのマスタコントローラ300に、無線で伝えられる。このため、スレーブコントローラ200は、例えばホイップ型のアンテナ202を備えており、マスタコントローラ300もまた、同様のアンテナ302を備えている。
マスタコントローラ300は、情報出力手段としてのディスプレイ304を備えており、このディスプレイ304に、スレーブコントローラ200からの瞬間輸送量Qaおよび積算輸送量Qbが表示される。これによって、作業者は、ベルトコンベヤ12から離れた位置に居ながらにして、当該瞬間輸送量Qaおよび積算輸送量Qbを認識することができる。なお、マスタコントローラ300は、スレーブコントローラ200用の電源電圧Vgとは別の電源電圧、例えば商用交流電圧ACV、の供給を受けて動作する。
図6に、スレーブコントローラ200の具体的な構成を示す。この図6に示すように、スレーブコントローラ200は、上述した直流発電機68からの直流電圧Vgの供給を受ける平滑回路204を有しており、この平滑回路204によって平滑化された直流電圧Vgは、充放電回路206を介して、電源回路208に供給される。電源回路208は、この直流電圧Vgを基に、スレーブコントローラ200を構成する各回路を動作させるための直流の電源電圧Vcc1を生成する。なお、図6においては、この電源電圧Vcc1が1種類であるように見受けられるが、実際には、複数種類の当該電源電圧Vcc1が適宜に生成される。
特に、ロードセル駆動回路210は、電源電圧Vcc1を基に、上述した各ロードセル26および28用の駆動電圧Vw1およびVw2を生成する。そして、この駆動電圧Vw1およびVw2は、ロードセル駆動回路210から各ロードセル26および28に供給される。これと同様に、光センサ駆動回路212もまた、電源電圧Vcc1を基に、各光センサ92および94用の駆動電圧Vs1およびVs2を生成する。そして、この駆動電圧Vs1およびVs2は、光センサ駆動回路212から各光センサ92および94に供給される。
なお、上述の充放電回路206は、直流電圧Vgを利用してバッテリ214を充電する。このバッテリ214は、ベルトコンベヤ12が停止しているときの当該スレーブコントローラ200の電源手段となる。即ち、ベルトコンベヤ12が停止しているときには、直流発電機68からの直流電圧Vgの供給がないので、放電回路206は、バッテリ214を放電させて、その放電電圧を電源回路208に供給する。これによって、当該バッテリ214が、スレーブコントローラ200の電源手段となる。
さらに、上述した各ロードセル26および28からのアナログ荷重検出信号W1(t)およびW2(t)は、加算回路216に入力され、ここで、互いに加算される。そして、この加算回路216による加算後のアナログ荷重検出信号W(t)は、増幅回路218を経て、A/D変換回路220に入力される。なお、図には示さないが、増幅回路218の前段または後段には、当該アナログ荷重検出信号W(t)に含まれる比較的に高い周波数帯域のノイズ成分、主に電気的な要因によるノイズ成分、を除去するためのローパスフィルタ回路が設けられている。
A/D変換回路220は、増幅回路218経由で入力されたアナログ荷重検出信号W(t)を、パルス生成手段としてのクロックパルス生成回路222から与えられるクロックパルスCLKの立ち上がり(または立ち下がり)に合わせてサンプリングする。これによって、アナログ荷重検出信号W(t)は、デジタル態様の信号W[k](k;サンプリング番号)に変換される。なお、このA/D変換回路220によるサンプリング周期、つまりクロックパルスCLKの周期ΔTは、上述したパルス信号Spの1パルス当たりの周期よりも遙かに短く、例えば1[ms]である。
このA/D変換回路220による変換後のデジタル荷重検出信号W[k]は、入出力インタフェース回路224を介して、演算手段としてのCPU(Central
Processing Unit)226に入力される。また、CPU226には、入出力インタフェース回路224を介して、クロックパルスCLKも入力される。さらに、CPU226には、入出力インタフェース回路224を介して、上述したパルス発生器42からのパルス信号Spが入力されると共に、各光センサ92および94からのマーク検出信号S1およびS2が入力される。ただし、パルス信号Spについては、その態様、特に電圧が、CPU226の入力仕様に即さないため、パルス整形回路228によって、当該CPU226の入力仕様に即するように整形されてから、CPU226に入力される。
併せて、CPU226には、記憶手段としてのメモリ回路230が接続されており、CPU226は、このメモリ回路230に記憶されている制御プログラム、言わばスレーブプログラム、に従って、上述した瞬間輸送量Qaおよび積算輸送量Qbの算出を含む適宜の処理を実行する。そして、このCPU226によって求められた瞬間輸送量Qaおよび積算輸送量Qb(厳密には瞬間輸送量Qaおよび積算輸送量Qbを含む信号)は、入出力インタフェース回路224を介して、送受信回路232に入力され、ここで、適当な変調処理を施され、例えばFSK(Frequency Shift Keying)信号に変換される。さらに、このFSK信号は、アンテナ202に入力され、当該アンテナ202から自由空間に発射され、ひいてはマスタコントローラ300に送られる。
なお、後述するが、スレーブコントローラ200からマスタコントローラ300へは、上述の瞬間輸送量Qaおよび積算輸送量Qb以外の各種の情報も送られる。また、これらスレーブコントローラ200とマスタコントローラ300との間では、双方向通信が行われる。つまり、マスタコントローラ300からスレーブコントローラ200へも、各種情報が送られる。このため、スレーブコントローラ200側のアンテナ202は、マスタコントローラ300から送られてくる当該各種情報を含むFSK信号を受信する受信アンテナとしても機能する。そして、このアンテナ202によって受信されたFSK信号は、送受信回路232によって復調処理を施され、この復調処理によって再現された各種情報は、入出力インタフェース回路224を介して、CPU226に入力される。
さらに、スレーブコントローラ200は、後述する外部装置としての外部コントローラ400との間で、有線による双方向通信が可能とされている。このため、スレーブコントローラ200は、当該外部コントローラ400が接続可能な外部通信端子234を有しており、この外部通信端子234は、入出力インタフェース回路224を介して、CPU226に接続されている。また、外部コントローラ400は、スレーブコントローラ200から電源電圧Vcc1の供給を受けて動作する。このため、スレーブコントローラ200は、外部通信端子234と対を成す外部電源端子236を有しており、この外部電源端子236に、電源回路208から当該電源電圧Vcc1が供給されている。
このように構成されたスレーブコントローラ200に対して、マスタコントローラ300は、図7に示すように構成されている。即ち、マスタコントローラ300もまた、スレーブコントローラ200との双方向通信を実現するべく、送受信回路306を有している。そして、この送受信回路306に、アンテナ302が接続されている。その一方で、送受信回路306は、入出力インタフェース回路308を介して、演算手段としてのCPU310に接続されている。また、CPU310には、入出力インタフェース回路308を介して、上述したディスプレイ304が接続されている。併せて、CPU310には、入出力インタフェース回路308を介して、当該CPU310に各種命令を入力するための命令入力手段としての操作キー312も接続されている。なお、操作キー312は、ディスプレイ304と一体化されたものでもよく、例えばタッチスクリーンによって実現されてもよい。
さらに、CPU310には、記憶手段としてのメモリ回路314が接続されている。CPU310は、このメモリ回路314に記憶されている制御プログラム、言わばマスタプログラム、に従って、上述したディスプレイ304への瞬間輸送量Qaおよび積算輸送量Qbの表示を含む適宜の処理を実行する。
そして、上述したように、マスタコントローラ300は、商用交流電圧ACVの供給を受けて動作し、詳しくは、当該商用交流電圧ACVの供給を受ける電源回路316を有している。この電源回路316は、商用交流電圧ACVを基に、マスタコントローラ300を構成する各回路を動作させるための直流の電源電圧Vcc2を生成する。なお、図7においても、この電源電圧Vcc2が1種類であるように見受けられるが、実際には、複数種類の当該電源電圧Vcc2が適宜に生成される。
これらのマスタコントローラ300およびスレーブコントローラ200を含む本実施形態のコンベヤスケール10は、次のようにして運用される。
まず、図8に示すように、マスタコントローラ300側において、調整モードを設定するための操作が成される。この操作は、操作キー312によって成され、この操作によって、マスタコントローラ300が調整モードに設定され、詳しくはCPU310が当該調整モードに入る。すると、スレーブコントローラ200についても調整モードに設定するべく、マスタコントローラ300からスレーブコントローラ200へ調整モード設定指令が送られる。なお、この調整モード設定指令を含め、マスタコントローラ300からスレーブコントローラ200へ送られる各種情報は、上述の如くFSK信号に変換され、無線によって送られる。
スレーブコントローラ200は、マスタコントローラ300から調整モード設定指令を受信することで、調整モードに設定される。そして、この調整モードに設定されたことを表す応答信号が、スレーブコントローラ200からマスタコントローラ300へ送られる。なお、この応答信号を含め、スレーブコントローラ200からマスタコントローラ300へ送られる各種情報もまた、FSK信号に変換され、無線によって送られる。
マスタコントローラ300は、スレーブコントローラ200から応答信号を受信すると、そのことを表すメッセージをディスプレイ304に表示する。これによって、作業者は、スレーブコントローラ200についても調整モードに設定されたことを認識することができる。なお、この応答受信メッセージの表示は、一定期間(例えば数秒程度)にわたって行われ、その後、終了する。
続いて、マスタコントローラ300側において、動作確認のための操作が成される。すると、マスタコントローラ300からスレーブコントローラ200へ動作確認指令が送られる。
スレーブコントローラ200は、この動作確認指令を受信すると、所定期間(例えば数秒〜数十秒程度)Taにわたって、上述したデジタル荷重検出信号W[k]を取得する。そして、この所定期間Taにわたるデジタル荷重検出信号W[k]の平均値Waを求め、これをマスタコントローラ300へ送る。
マスタコントローラ300は、スレーブコントローラ200から送られてきた平均値Waを受信すると、これをディスプレイ304に表示する。このディスプレイ304に表示された平均値Waを見ることで、作業者は、スレーブコントローラ200を含む測定装置100が正常に動作しているか否か、特に各ロードセル26および28が正常に動作しているか否かを、確認することができる。なお、この平均値Waの表示も、一定期間(例えば数秒程度)にわたって行われ、その後、終了する。
この動作確認においては、ベルトコンベヤ12が駆動していてもよいし、そうでなくてもよい。ただし、ベルトコンベヤ12が駆動していないときは、上述したようにマスタコントローラ300はバッテリ214を電源手段とする。また、当該動作確認においては、ベルトコンベヤ12上に被計量物18が供給されていないことが、望ましい。そして、次に説明する単位距離ΔLの測定の際には、被計量物18が供給されていない状態で、ベルトコンベヤ12が駆動され、言わば空駆動される。
即ち、上述の如くベルトコンベヤ12が空駆動されている状態で、図9に示すように、マスタコントローラ300側において、単位距離ΔLを測定するための操作が成される。すると、マスタコントローラ300からスレーブコントローラ200へ単位距離測定指令が送られる。
スレーブコントローラ200は、マスタコントローラ300から単位距離測定指令を受信すると、単位距離ΔLを測定するための処理に入る。具体的には、上述した一方の光センサ92によって一方のマークM1が検出されるのを待つ。そして、この一方の光センサ92によって一方のマークM1が検出されると、厳密には当該一方の光センサ92から得られるマーク検出信号S1の立ち上がり(または立ち下がり)が上述したクロックパルスCLKの立ち上がり(または立ち下がり)に同期して検出されると、スレーブコントローラ200は、パルス発生器42から得られるパルス信号Spのパルス数をカウントし始める。詳しくは、当該パルス信号Spの立ち上がりをクロックパルスCLKの立ち上がりに同期して検出すると共に、このパルス信号Spの立ち上がりの検出回数をカウントする。
これと並行して、スレーブコントローラ200は、他方の光センサ94によって他方のマークM2が検出されるのを待つ。そして、この他方の光センサ94によって他方のマークM2が検出されると、厳密には当該他方の光センサ94から得られるマーク検出信号S2の立ち上がり(または立ち下がり)がクロックパルスCLKの立ち上がりに同期して検出されると、その時点で、パルス信号Spのパルス数のカウント動作を終了する。そして、この間にカウントされたパルス数Nsによって各マークM1およびM2間の距離Lsを除することで、単位距離ΔLを求める。つまり、次の式2に基づいて、当該単位距離ΔLを求める。なお、各マークM1およびM2間の距離Lsは、既知であり、予めメモリ回路230に記憶されている。
《式2》
ΔL=Ls/Ns
そして、スレーブコントローラ200は、この式2によって求められた単位距離ΔLを、メモリ回路230に記憶する。併せて、当該単位距離ΔLを、マスタコントローラ300へ送る。
マスタコントローラ300は、スレーブコントローラ200から送られてきた単位距離ΔLを受信すると、これをメモリ回路314に記憶する。そして、この単位距離ΔLの測定が終了したことを表すメッセージをディスプレイ304に表示する。なお、このメッセージの表示も、一定期間(例えば数秒程度)にわたって行われ、その後、終了する。
次に、零点調整が行われる。即ち、引き続きベルトコンベヤ12が空駆動されている状態で、図10に示すように、マスタコントローラ300側において、零点調整を行うための操作が成される。すると、マスタコントローラ300からスレーブコントローラ200へ零点調整指令が送られる。
スレーブコントローラ200は、この零点調整指令を受信すると、当該零点調整を開始する。即ち、パルス信号Spが1パルス入力されるたびに、厳密には当該パルス信号Spの立ち上がりを1回検出するたびに、上述したデジタル荷重検出信号W[k]を取得し、これをW[i](i;パルス信号Spのパルス番号)という荷重値として捉える。そして、この荷重値W[i]をNzという所定のパルス数分だけ取得し、それらの平均値を零点荷重値Wzとする。つまり、次の式3に基づいて、当該零点荷重値Wzを求める。
《式3》
Wz=ΣW[i]/Nz where i=1〜Nz
スレーブコントローラ200は、この式3によって求められた零点荷重値Wzを、メモリ回路230に記憶する。併せて、当該零点荷重値Wzを、マスタコントローラ300へ送る。
マスタコントローラ300は、スレーブコントローラ200から送られてきた零点荷重値Wzを受信すると、これをメモリ回路314に記憶する。そして、零点調整が終了したことを表すメッセージをディスプレイ304に表示する。なお、このメッセージの表示も、一定期間(例えば数秒程度)にわたって行われ、その後、終了する。
さらに続いて、キャリブレーションが行われる。このキャリブレーションにおいては、単位長さ当たりの重量が既知Wc[kg/m]の図示しないテストチェーンがベルトコンベヤ12上に供給される。そして、このテストチェーンがベルトコンベヤ12によって輸送されている状態で、図11に示すように、マスタコントローラ300側において、当該キャリブレーションを行うための操作が成される。すると、マスタコントローラ300からスレーブコントローラ200へキャリブレーション指令が送られる。
スレーブコントローラ200は、マスタコントローラ300からのキャリブレーション指令を受信すると、当該キャリブレーションを行うための処理に入る。具体的には、まず、Ncという所定のパルス数分だけ上述した荷重値W[i]を取得する。ここで、テストチェーンの単位長さ当たりの重量がWc[kg/m]であり、パルス信号Spの1パルス当たりのコンベヤベルト16の走行距離(単位距離)がΔL[m/パルス]であることを鑑みると、当該1パルス相当分のテストチェーンの重量は、Wc・ΔL[kg/パルス]となる。そうすると、Ncパルス分のテストチェーンの重量は、これをQcという符号で表すと、次の式4のようになる。
《式4》
Qc=Wc・ΔL・Nc
一方、Ncパルス分の荷重値W[i]から上述した零点荷重値Wzを差し引いた値の合計Qc’は、次の式5によって表される。
《式5》
Qc’=Σ{W[i]−Wz} where i=1〜Nc
この式5によって表される合計値Qc’は、式4によって表されるテストチェーンの重量(言わば真の輸送量)Qcと相関する。従って、例えばαという変換係数を用いると、これら両者QcおよびQc’の関係は、次の式6のように表される。
《式6》
Qc=α・Qc’=α・Σ{W[i]−Wz} where i=1〜Nc
スレーブコントローラ200は、この式6が満足されるように、変換係数αを求める。この変換係数αを求めることが、本実施形態におけるキャリブレーションである。そして、スレーブコントローラ200は、このキャリブレーションによって求められた変換係数αを、メモリ回路230に記憶する。併せて、当該変換係数αを、マスタコントローラ300へ送る。
マスタコントローラ300は、スレーブコントローラ200から送られてきた変換係数αを受信すると、これをメモリ回路314に記憶する。そして、キャリブレーションが終了したことを表すメッセージをディスプレイ304に表示する。なお、このメッセージの表示も、一定期間(例えば数秒程度)にわたって行われ、その後、終了する。また、このキャリブレーションの終了後は、ベルトコンベヤ12上からテストチェーンが取り除かれる。
これをもって、調整モードによる一連の調整作業が終了する。そして、実際の稼働運転が可能となる。
実際の稼働運転においては、上述したように、ホッパ14からベルトコンベヤ12上に被計量物18が供給される。そして、この被計量物18は、ベルトコンベヤ12によって、当該ベルトコンベヤ12の一端側から他端側へ輸送される。
この状態で、図12に示すように、マスタコントローラ300側において、稼働モードを設定するための操作が成される。これにより、マスタコントローラ300が稼働モードに設定され、詳しくはCPU310が当該稼働モードに入る。そして、スレーブコントローラ200についても調整モードに設定するべく、マスタコントローラ300からスレーブコントローラ200へ稼働モード設定指令が送られる。
スレーブコントローラ200は、マスタコントローラ300から稼働モード設定指令を受信することで、稼働モードに設定される。そして、このスレーブコントローラ200が稼働モードに設定されたことを表す応答信号が、当該スレーブコントローラ200からマスタコントローラ300へ送られる。
マスタコントローラ300は、スレーブコントローラ200からの応答信号を受信すると、そのことを表すメッセージをディスプレイ304に表示する。これによって、作業者は、スレーブコントローラ200についても稼働モードに設定されたことを認識することができる。なお、この応答受信メッセージの表示は、一定期間(例えば数秒程度)にわたって行われ、その後、終了する。
続いて、マスタコントローラ300側において、稼働開始のための操作が成される。すると、マスタコントローラ300からスレーブコントローラ200へ稼働開始指令が送られる。
スレーブコントローラ200は、この稼働開始指令を受信すると、上述した積算輸送量Qbを求めるために用意された図示しないレジスタをリセット(Qb=0)する。併せて、上述した期間輸送量Qxを求めるために用意された図示しない別のレジスタをリセット(Qx=0)する。そして、パルス信号Spが1パルス入力されるたびに上述した荷重値W[i]を取得し、この荷重値W[i]をNxという所定のパルス数分だけ取得した時点で、当該Nxというパルス数分に相当する期間の輸送量Qxを、上述した式6に準拠する次の式7に基づいて求める。
《式7》
Qx=α・Σ{W[i]−Wz} where i=1〜Nx
さらに、スレーブコントローラ200は、この式7によって求められた期間輸送量Qxを次の式8に代入することで、瞬間輸送量Qaを求める。
《式8》
Qa=Qx・{Nd/Nx}
なお、この式8におけるNdは、働長Ldに相当するパルス数であり、次の式9によって求められる。このパルス数Ndは、上述した調整モードにおいて単位距離ΔLが求められたときに併せて求められ、メモリ回路230に記憶されるものとする。
《式9》
Nd=Ld/ΔL
そしてさらに、スレーブコントローラ200は、期間輸送量Qxを積算することで積算輸送量Qbを求める。つまり、次の式10に基づいて、当該積算輸送量Qbを求める。
《式10》
Qb+Qx→Qb
スレーブコントローラ200は、この式10によって求められた積算輸送量Qbと、上述の式8によって求められた瞬間輸送量Qaとを、マスタコントローラ300へ送る。そして、これ以降、期間輸送量Qxをリセットするところから繰り返す。なお、厳密には、スレーブコントローラ200は、マスタコントローラ300から定期的または不定期的(任意)に送られてくる読み取り指令に応答して、その時点での瞬間輸送量Qaおよび積算輸送量Qbを当該マスタコントローラ300に送る。
マスタコントローラ300は、スレーブコントローラ200から送られてきた瞬間輸送量Qaおよび積算輸送量Qbを受信すると、これらをディスプレイ304に表示する。そして、スレーブコントローラ200から新たな瞬間輸送量Qaおよび積算輸送量Qbが送られてくるたびに、当該ディスプレイ304の表示を更新する。
なお、マスタコントローラ300側において、所定のリセット操作が成されると、当該マスタコントローラ300からスレーブコントローラ200へリセット指令が送られる。この場合、スレーブコントローラ200は、稼働運転開始時と同じ状態に戻る。つまり、スレーブコントローラ200は、マスタコントローラ300から稼働開始指令が送られてきたときと同様に、積算輸送量Qbをリセットするところから実行する。
また、図示しないが、マスタコントローラ300側において、所定の終了操作が成されると、当該マスタコントローラ300からスレーブコントローラ200へ終了指令が送られる。すると、スレーブコントローラ200は、瞬間輸送量Qaおよび積算輸送量Qbを算出するための処理を停止し、稼働運転開始前の状態に戻る。そして、マスタコントローラ300へ終了信号を送る。マスタコントローラ300もまた、このスレーブコントローラ200からの終了信号を受けて、稼働運転開始前の状態に戻る。
以上のように、本実施形態によれば、ベルトコンベヤ12の近傍に設置されているスレーブコントローラ200と、当該ベルトコンベヤ12から離れた位置にあるマスタコントローラ300と、の間で無線通信によって各種情報が送受信されるので、これら両者200および300間に有線の信号線路を敷設する必要がない。また、スレーブコントローラ200用の電源電圧Vgは、各ロードセル26および28用の駆動電圧Vw1およびVw2,ならびに各光センサ92および94用の駆動電圧Vs1およびVs2を含め、当該スレーブコントローラ200の近傍にある直流発電機68によって賄われるので、当該両者200および300間に電源線路を敷設する必要もない。従って、ロードセルおよびパルスジェネレータから表示器に至る長い信号線路を少なくとも必要とする上述の従来技術に比べて、コンベヤスケール10全体の低コスト化を図ることができる。このことは、スレーブコントローラ200からマスタコントローラ300までの距離が長いほど、顕著である。
なお、本実施形態においては、計量ローラ24の前段のローラ40にパルス発生器42が取り付けられ、当該計量ローラ24の後段のローラ66に直流発電機68が取り付けられたが、これに限らない。例えば、これらパルス発生器42および直流発電機68の位置関係が、互いに入れ替えられてもよいし、別のローラ22,22,…のいずれかに、当該パルス発生器42および直流発電機68が取り付けられてもよい。また、1つのローラ22に、これらパルス発生器42および直流発電機68が取り付けられてもよい。つまり、当該1つのローラ22の一端側に、パルス発生器42および直流発電機68の一方が取り付けられ、当該ローラ22の他端側に、パルス発生器42および直流発電機68の他方が取り付けられてもよい。さらに、コンベヤベルト16のリターン側(例えば図1における下方側)に図示しない別のローラを介して、これらパルス発生器42および直流発電機68が取り付けられてもよい。
そしてさらに、パルス発生器42および直流発電機68は、互いに一体化されてもよい。例えば、図13に示すように、図3に示したパルス発生器42が図4に示した直流発電機68に組み込まれる構成とされてもよい。即ち、直流発電機68を構成する回転子76の周壁部分に、当該周壁の円周方向に沿って等間隔に、パルス生成用永久磁石52,52,…が埋め込まれる。なお、このパルス生成用永久磁石52,52,…は、発電用永久磁石78,78,…から離して設けられる。また、当該パルス生成用永久磁石52,52,…は、発電用永久磁石78,78,…よりも小さくてもよく、要するにパルス信号Spを発生し得る大きさであれば足りる。そして、固定子80の内壁部分であって、各パルス生成用永久磁石52,52,…の回転軌道と対峙する部分に、1つのパルス生成用電機子巻線64が埋め込まれる。このパルス生成用電機子巻線64もまた、発電用電機子巻線90,90,…から離れた位置に設けられ、当該発電用電機子巻線90,90,…よりも小さくてもよい。
また、パルス発生器42および直流発電機68は、例えば図14に示すように、アウタロータ型に一体形成されてもよい。即ち、任意のローラ22について、その出力軸500が固定軸とされる。そして、この出力軸500に、概略円筒状の固定子502が固定される。加えて、この固定子502の周縁部分に、発電用電機子巻線90,90,…とパルス生成用電機子巻線64とが埋め込まれる。具体的には、固定子502の周縁部分に、当該周縁の円周方向に沿って等間隔に、発電用電機子巻線90,90,…が埋め込まれる。そして、この発電用永久磁石78,78,…から出力軸500の軸方向に沿って少し離れた位置に、パルス生成用電機子巻線64が埋め込まれる。そしてさらに、固定子502の周囲を取り囲むように、概略円筒状の回転子504が、当該固定子502の周壁との間に適当な隙間506を置いて設けられる。この回転子504は、ベアリング508を介して、出力軸500(固定子502)と結合されており、その一方で、ローラ22の円筒状の筐体510に固定される。つまり、固定子502が、常に固定された状態にあるのに対して、回転子504は、ローラ22の筐体510と共に回転する。そして、この回転子504の内壁部分に、発電用永久磁石78,78,…とパルス生成用永久磁石52,52,…とが埋め込まれる。このうち、発電用永久磁石78,78,…は、回転子504に伴って回転したときに、固定子502側の各発電用電機子巻線90,90,…と順次対峙するように設けられる。そして、パルス生成用永久磁石52,52,…は、回転子504に伴って回転したときに、固定子502側のパルス生成用電機子巻線64と順次対峙するように設けられる。
このように一体形成されたアウタロータ型のパルス発生器42および直流発電機68によっても、上述したのと同様のパルス信号Spおよび直流電圧Vgが生成される。なお、出力軸500には、これらパルス信号Spおよび直流電圧Vgを外部に取り出すための配線孔512と配線路514とが設けられている。また、図には示さないが、パルス発生器42および直流発電機68は、それぞれ単独でアウタロータ型に形成されてもよい。この場合も、1つのローラ22に、これらパルス発生器42および直流発電機68が形成されてもよい。つまり、当該1つのローラ22の一端側に、パルス発生器42および直流発電機68の一方が形成され、当該ローラ22の他端側に、パルス発生器42および直流発電機68の他方が形成されてもよい。
さらに、パルス発生器42については、自発的にパルス信号Spを生成するもの、言い換えれば電源電圧の供給が不要なもの、が採用されたが、これに限らない。例えば、一般に知られている光学式のロータリ・エンコーダのように、電源電圧の供給が必要なものが、採用されてもよい。この場合は、言うまでもなく、当該パルス発生器42用の電源電圧は、スレーブコントローラ200から供給される。
また、図4に示した構成の直流発電機68によれば、厳密に言えば、直流電圧Vgではなく、上述した整流器によって整流された脈状の電圧が、生成される。そして、この脈状電圧Vgのピークの数は、コンベヤベルト16の走行距離に相関し、詳しくは比例する。従って、この脈状電圧Vgのピーク数を検出することによって、コンベヤベルト16の走行距離を求めることができ、とりわけ単位距離ΔLを求めることができる。そうすると、パルス発生器42が不要になり、言い換えれば、直流発電機68を当該パルス発生器42として兼用することができる。これは、コンベヤスケール10全体の構成のさらなる簡素化および低コスト化に、大きく貢献する。なお、直流発電機68が上述したアウタロータ型の場合も、同様である。
さらにまた、直流発電機68に代えて、交流発電機が採用されてもよい。この場合、当該交流発電機によって生成された交流電圧は、直流電圧に変換された上でスレーブコントローラ200に入力され、または、当該スレーブコントローラ200内で直流電圧に変換される。なお、このように交流発電機が採用される場合も、上述の如く当該交流発電機をパルス発生器42として兼用してもよい。
そして、各マークM1およびM2を検出するための光センサ92および94は、フォトリフレクタに限らず、透過型のフォトインタラプタであってもよい。また、光センサ92および94に代えて、磁気センサや接触センサ等の他のセンサが、採用されてもよい。さらに、各マークM1およびM2の態様、例えば幅や本数が、相違するように工夫されることで、当該各マークM1およびM2が、互いに共通の1つのセンサによって検出されるようにしてもよい。
加えて、各マークM1およびM2は、目視で検出されるようにしてもよい。即ち、図9に示した要領で単位距離ΔLが測定される際、当該各マークM1およびM2が目視で検出され、それぞれの検出時点が操作キー312の操作によってスレーブコントローラ200に伝えられ、ひいては単位距離ΔLが求められるようにしてもよい。このようにすれば、光センサ92および94等の各マークM1およびM2を検出するための手段が不要となる。また、この場合、各マークM1およびM2は、目視によって検出され易い態様であるのが望ましい。
さらに、スレーブコントローラ200とマスタコントローラ300との間で送受信される信号は、FSK信号に限らない。例えば、ASK(Amplitude Shift Keying)信号やPSK(Phase
Shift Keying)信号等の他のデジタル変調信号、或いはFM(Frequency Modulation)信号やAM(Amplitude Modulation)信号等のアナログ変調信号、さらにはPCM(Pulse Code Modulation)等のパルス変調等、適宜の無線通信信号が採用されてもよい。また、電波ではなく、赤外線等の適宜の光が通信媒体とされてもよい。
そして、本実施形態においては、スレーブコントローラ200側で瞬間輸送量Qaおよび積算輸送量Qbが求められ、これらが当該スレーブコントローラ200からマスタコントローラ300へ送られることとしたが、これに限らない。例えば、スレーブコントローラ200からマスタコントローラ300へデジタル荷重検出信号W[k]または荷重値W[i]が送られ、マスタコントローラ300側で当該デジタル荷重検出信号W[k]または荷重値W[i]に基づいて瞬間輸送量Qaおよび積算輸送量Qbが求められてもよい。つまり、各ロードセル26および28,ならびにパルス発生器42を含む言わば入力側から、ディスプレイ304を含む出力側まで、の経路の一部、特に長距離部分が、無線接続されることが、肝要である。
また、各ロードセル26および28は、いわゆるアナログ式のものではなく、デジタル式のものであってもよい。この場合、当該デジタル式の各ロードセル26および28から直接、それぞれのデジタル荷重検出信号W1[k]およびW1[k]が出力されるので、例えばスレーブコントローラ200内の増幅回路218やA/D変換回路220等が不要となり、当該スレーブコントローラ200の構成が簡素化される。
さらに、図11に示した要領でキャリブレーションが行われる際には、ベルトコンベヤ12上にテストチェーンを載置する必要があるので、マスタコントローラ300側で成される操作を当該ベルトコンベヤ12の近傍で行うことができれば、好都合である。そこで、上述した外部コントローラ400が登場する。
即ち、外部コントローラ400は、マスタコントローラ300の言わば簡易的な代替装置であり、図15に示すように、当該マスタコントローラ300(図7参照)に倣って、操作キー402およびディスプレイ404を有している。これらの操作キー402およびディスプレイ404は、入出力インタフェース回路406を介して、CPU408に接続されている。また、CPU408は、入出力インタフェース回路406を介して、通信端子410に接続されている。この通信端子410は、図示しない専用信号線路によって、スレーブコントローラ200(図6参照)の外部信号端子234に接続可能とされている。併せて、外部コントローラ400は、当該通信端子410と対を成す電源端子412を有している。そして、この電源端子412は、図示しない専用電源線路によって、スレーブコントローラ200の外部電源端子236に接続可能とされている。つまり、この電源端子412を介して、スレーブコントローラ200(電源回路208)から当該外部コントローラ200に電源電圧Vcc1が供給さる。この電源電圧Vcc1の供給を受けて、外部コントローラ400は動作し、詳しくは当該外部コントローラを構成する各回路が動作する。さらに、CPU408には、当該CPU408用の制御プログラムが記憶されたメモリ回路414が接続されている。
このように構成された外部コントローラ400は、スレーブコントローラ200に接続されることで、マスタコントローラ300と同様の機能を発揮する。特に、上述のキャリブレーションの際には、その操作をベルトコンベヤ12の近傍で行うことができるので、極めて好都合である。
なお、この外部コントローラ400と同様の機能(要するに操作キー402およびディスプレイ404)が、スレーブコントローラ200に設けられてもよい。ただし、この場合は、スレーブコントローラ200の構成が大規模になる。
また、本実施形態においては、瞬間輸送量Qaおよび積算輸送量Qbが求められ、ひいてはマスタコントローラ300のディスプレイ304に表示されるようにしたが、これに限らない。例えば、期間輸送量Qxや、これ以外の輸送量、とりわけ単位時間当たりの輸送量Qa’、が求められ、ひいてはディスプレイ304に表示されるようにしてもよい。ここで、単位時間当たりの輸送量Qa’は、上述したNxというパルス数に相当する時間Txにより期間輸送量Qxが除されることで、つまり次の式11に基づいて、求められる。なお、時間Txは、クロックパルスCLKの周期ΔTに合わせてカウントされる。勿論、この式11以外によって、当該単位時間当たりの輸送量Qa’が求められてもよい。
《式11》
Qa’=Qx/Tx
さらに、マスタコントローラ300については、ディスプレイ304に代えて、或いはこれに加えて、スピーカやプリンタ等の別の情報出力手段が設けられてもよい。