JP2011051086A - 穴加工装置、及び、穴加工方法 - Google Patents

穴加工装置、及び、穴加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】一つおきにボアを加工するに際して、加工しているボアの間に位置するボアの周辺に高い応力が発生したり、ワークの平行度が悪化したりすることを防止でき、加工しているボアの間に位置するボアの形状変形を抑制することができる、穴加工装置、及び、穴加工方法を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る穴加工装置10においては、第二加工チップ33は、第一加工チップ31に対して同位相とならず、かつ、第一加工チップ31に対して180度回転して対向する位相ともならないように、第二軸頭23に配設される。具体的には、第二加工チップ33は、第一加工チップ31に対して平面視で第二軸頭23の回転方向に45度回転した位相となるように第二軸頭23に配設される。
【選択図】図2

Description

本発明は、ボアを有するワークに対して穴を加工する技術に関する。
従来、例えばシリンダブロックのように複数個の直列したボアを有するワークに対し、前記ボアの内周側面を加工して真円形状にするための穴加工装置が用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2、及び、特許文献3参照)。
前記特許文献に記載の穴加工装置によれば、4個のボアを有する直列4気筒型シリンダブロックを、ボアを可動型に向けて固定型に配置した状態で、第一の軸頭及び第二の軸頭を回転させながら可動型をシリンダブロックに近接させるように構成されている。そして、前記4個のボアに対して第一の軸頭及び第二の軸頭を一つおきに同時に挿入することにより、第一の加工チップ及び第二の加工チップで前記ボアの内周側面を中ぐり加工するのである(図5参照)。
前記従来技術においては、例えば、第一ボアから第四ボアまでの内周側面を中ぐり加工する場合であれば、先に第二ボア及び第四ボアを同時に加工した後に、第一ボア及び第三ボアを同時に加工する。このように構成することにより、隣接する軸頭の間隔を確保し、加工しやすくしているのである。
前記特許文献1においては、第一の加工チップと第二の加工チップとが相対的に180度回転して対向する位相となるように配設された穴加工装置が記載されている。以下に、特許文献1に記載の従来技術の如く、第一の加工チップと第二の加工チップとを相対的に180度回転して対向する位相となるように配設した場合について、図5から図8を用いて説明する。図5は従来技術に係る穴加工装置の概略正面図、図6は従来技術に係る第一・第二軸頭とワークとの関係を示した平面図、図7は従来技術において第一・第三ボア加工時に第二ボアに加わる力を示した平面図、図8はそれぞれのボアにおける加工後の形状を示した平面図である。
なお、以下においては、説明の便宜上、図5における上側を上方、下側を下方とし、同じく図5における右側を右側方、左側を左側方として説明する。
図5に示す如く、従来技術における穴加工装置は、固定型と、該固定型の上方に配設された可動型とを備える。該可動型は、図示しない昇降機構により、固定型に対して上下方向(図5中の矢印Aの方向)に近接離間可能に構成されるとともに、図示しないスライド機構により、前記固定型と等距離に左右方向にスライド可能に構成される。そして、該可動型には、下方に向けて配置した回転軸を中心に回転可能な第一軸頭と、同じく下方に向けて配置した回転軸を中心に回転可能な、第一軸頭と略同形状の第二軸頭と、が隣接して配設されている。さらに、第一軸頭及び第二軸頭のそれぞれには、側面の下端部に第一加工チップ及び第二加工チップが、図5及び図6に示す如く相対的に180度回転して対向する位相となるように配設されている。
そして、第一ボアから第四ボアまでの4個のボアが直列して開口されたワーク(シリンダブロック)を、前記ボアの開口面を前記可動型側である上方に向けて、前記固定型の治具に配置する。このような状態で、前記第一軸頭及び第二軸頭をそれぞれ図5中の矢印αの方向に回転させながら、前記可動型を下方に移動させて前記ワークに近接させる。そして、図6に示す如く、前記第一ボアに対して第一軸頭を、第三ボアに対して第二軸頭を同時に挿入することにより、第一加工チップで第一ボアの内周側面を、第二加工チップで第三ボアの内周側面を中ぐり加工するのである。なお、第二ボア及び第四ボアについては、前記の如く、既に第一軸頭及び第二軸頭により加工がなされているものとする。
上記の如く第一ボア及び第三ボアの内周面を加工する際においては、第一加工チップによって図7中の矢印に示す力F1が発生し、第二加工チップによって図7中の矢印に示す力F2が発生する。これにより、加工済みの第二ボアを同時に挟み込む力F1及び力F2によって、第二ボアの周辺に高い応力が発生するため、図7に示すように第二ボアの形状が崩れてしまうという問題があった。
それぞれのボアにおける詳細な形状について、図8を用いて説明する。図8(a)は従来技術に係る加工後の第一ボアの形状を示した平面図、図8(b)は同じく第二ボアの形状を示した平面図、図8(c)は同じく第三ボアの形状を示した平面図、図8(d)は同じく第四ボアの形状を示した平面図である。
それぞれのボアの形状についての加工精度は、幾何学的に正しい円(幾何学的円)に対する半径方向の距離の差を真円度として比較する。即ち、幾何学的円からの距離の最大値と最小値との差が小さければ、ボアの形状は真円に近く、加工精度が良好であるとする。逆に、幾何学的円からの距離の最大値と最小値との差が大きければ大きいほど、ボアの形状は真円からの歪が大きく、加工精度が悪いということである。
図8は、それぞれ第一ボアから第四ボアの各点における幾何学的に正しい円(幾何学的円)に対する半径方向の距離を示している。前記の如く、図8(b)に示す第二ボアの真円度r2は、図8(a)に示す第一ボアの真円度r1、及び、図8(c)に示す第三ボアの真円度r3と比較して大きく、加工精度が悪くなるのである。なお、図8(d)に示す第四ボアの真円度r4についても、第二加工チップから受ける力によって応力が発生するため、比較的大きくなっている。
即ち、前記特許文献1に記載の技術によれば上記の如く、第一ボア及び第三ボアの内周面を加工する際に生じる力によって、既に加工済みの第二ボアを同時に挟み込むような高い応力が発生することにより、図8(b)に示すように第二ボアの真円度が悪化し、形状が崩れてしまうという問題があったのである。
一方、前記特許文献2及び特許文献3においては、第一の加工チップと第二の加工チップとが同位相となるように配設した穴加工装置が記載されている。前記特許文献2及び特許文献3の如く、第一の加工チップと第二の加工チップとが同位相となるように配設した場合は、第一の加工チップと第二の加工チップとによって、第一ボアと第三ボアに対して常に同じ方向に力が加わる。これにより、シリンダブロックが傾いて平行度が悪くなり、第二ボアの真円度が悪くなるという問題があった。
実開昭61−148511号公報 特開平4−304913号公報 実公平7−7050号公報
そこで本発明は上記現状に鑑み、一つおきにボアを加工するに際して、加工しているボアの間に位置するボアの形状変形を抑制することができる、穴加工装置、及び、穴加工方法を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、固定型と、該固定型に対して近接離間可能に配設された可動型と、前記可動型の前記固定型に対する近接離間方向に向けて配置した回転軸を中心に回転可能に、前記可動型に配設された第一の軸頭と、前記第一の軸頭の回転軸と平行な方向に向けて配置した回転軸を中心に、前記第一の軸頭と同じ方向に回転可能に、前記第一の軸頭と隣接して前記可動型に配設された、前記第一の軸頭と略同形状の第二の軸頭と、前記第一の軸頭及び前記第二の軸頭のそれぞれにおける側面の前記固定型側端部に配設された第一の加工チップ及び第二の加工チップと、を備え、3個以上のボアが直列して開口されたワークを、前記ボアの開口面を前記可動型側に向けて前記固定型に配置した状態で、前記第一の軸頭及び第二の軸頭を回転させながら前記可動型を前記ワークに近接させ、前記ボアに対して前記第一の軸頭及び第二の軸頭を一つおきに同時に挿入することにより、前記第一の加工チップ及び第二の加工チップで前記ボアの内周側面を加工する、穴加工装置であって、前記第二の加工チップは、前記第一の加工チップに対して同位相とならず、かつ、前記第一の加工チップに対して180度回転して対向する位相ともならないように、前記第二の軸頭に配設されるものである。
請求項2においては、前記第二の加工チップは、前記第一の加工チップに対して平面視で前記軸頭の回転方向に45度回転した位相となるように、前記第二の軸頭に配設されるものである。
請求項3においては、前記第二の加工チップは、前記第一の加工チップに対して平面視で前記軸頭の回転方向と反対の方向に90度回転した位相となるように、前記第二の軸頭に配設されるものである。
請求項4においては、回転可能に構成された第一の軸頭と、前記第一の軸頭と同じ方向に回転可能に、前記第一の軸頭と平行となるように隣接して構成された、前記第一の軸頭と略同形状の第二の軸頭とを、3個以上のボアが直列して開口されたワークにおける前記ボアに対して一つおきに同時に挿入して回転駆動することにより、前記第一の軸頭及び第二の軸頭のそれぞれにおける側面の前記固定型側端部に配設した第一の加工チップ及び第二の加工チップで前記ボアの内周側面を加工する、穴加工方法であって、前記第二の加工チップを、前記第一の加工チップに対して同位相とならず、かつ、前記第一の加工チップに対して180度回転して対向する位相ともならないように、前記第二の軸頭に配設するものである。
請求項5においては、前記第二の加工チップを、前記第一の加工チップに対して平面視で前記軸頭の回転方向に45度回転した位相となるように、前記第二の軸頭に配設するものである。
請求項6においては、前記第二の加工チップを、前記第一の加工チップに対して平面視で前記軸頭の回転方向と反対の方向に90度回転した位相となるように、前記第二の軸頭に配設するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明により、一つおきにボアを加工するに際して、加工しているボアの間に位置するボアの周辺に高い応力が発生したり、ワークの平行度が悪化したりすることを防止でき、加工しているボアの間に位置するボアの形状変形を抑制することができる。
本発明の第一実施形態に係る穴加工装置の概略正面図。 (a)は第一実施形態に係る第一・第二加工チップの配置を示した平面図、(b)は第二実施形態に係る第一・第二加工チップの配置を示した平面図、(c)は第一の従来技術に係る第一・第二加工チップの配置を示した平面図、(d)は第二の従来技術に係る第一・第二加工チップの配置を示した平面図。 第一・第二軸頭の位相差と第二ボアを変形させる力との関係を示した図。 (a)は第一実施形態に係る加工後の第二ボアの形状を示した平面図、(b)は第二実施形態に係る加工後の第二ボアの形状を示した平面図、(c)は第一の従来技術に係る加工後の第二ボアの形状を示した平面図、(d)は第二の従来技術に係る加工後の第二ボアの形状を示した平面図。 第一の従来技術に係る穴加工装置の概略正面図。 第一の従来技術に係る第一・第二軸頭とワークとの関係を示した平面図。 第一の従来技術において第一・第三ボア加工時に第二ボアに加わる力を示した平面図。 (a)は第一の従来技術に係る加工後の第一ボアの形状を示した平面図、(b)は同じく第二ボアの形状を示した平面図、(c)は同じく第三ボアの形状を示した平面図、(d)は同じく第四ボアの形状を示した平面図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
なお、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る穴加工装置10について、図1から図4を用いて説明する。なお、本明細書においては、説明の便宜上、図1における上側を上方、下側を下方とし、同じく図1における右側を右側方、左側を左側方として説明する。
本実施形態に係る穴加工装置10は、前記従来技術に係る穴加工装置と比較して、加工チップの配置形態を除いてほぼ同じように構成されている。
即ち、本実施形態に係る穴加工装置10は図1に示す如く、固定型11と、該固定型11の上方に配設された可動型12とを備える。該可動型12は、図示しない昇降機構により上下方向(図1中の矢印Aの方向)に移動して、固定型11に対して近接離間可能に構成されるとともに、図示しないスライド機構により、前記固定型11と等距離を維持した状態で、前記近接離間方向と直交する方向(左右方向)へスライド可能に構成される。そして、該可動型12には、下方に向けて配置した回転軸を中心に回転可能な第一軸頭21と、同じく下方に向けて配置した回転軸を中心に回転可能な、第一軸頭21と略同形状の第二軸頭23と、が隣接して配設されている。さらに、第一軸頭21及び第二軸頭23のそれぞれには、側面の下端部に第一加工チップ31及び第二加工チップ33が配設されている。なお、本実施形態においては、可動型12を固定型11に対してスライドする構成としたが、固定型11を可動型12に対してスライドする構成とすることも可能である。
そして、複数のボアが直列して開口されたワークWを、前記ボアの開口面を前記可動型12の側である上方に向けて、前記固定型11の治具15に配置する。本実施形態においては、ワークWとして第一ボアB1、第二ボアB2、第三ボアB3、及び、第四ボアB4の4個のボアが直列して開口された、直列4気筒型エンジンに用いられるシリンダブロックが配置される。なお、本発明は3個以上のボアが直列して開口されたワークであれば適用することが可能であり、ワークにおけるボアの個数及び配置形態は本実施形態に限定されるものではない。例えば、直列3気筒型エンジンに用いられるシリンダブロックを初めとして、直列5気筒型、直列6気筒型、V型6気筒型、V型8気筒型等の各種エンジンに用いられるシリンダブロックに適用することも可能である。
上記のような状態で、前記第一軸頭21及び第二軸頭23をそれぞれ図1中の矢印αの方向に回転させながら、前記可動型12を下方に移動させて前記ワークWに近接させる。そして、従来技術の場合と同様に、前記第一ボアB1に対して第一軸頭21を、第三ボアB3に対して第二軸頭23を、回転駆動した状態で同時に挿入することにより、第一加工チップ31で第一ボアB1の内周側面を、第二加工チップ33で第三ボアB3の内周側面を中ぐり加工するのである。なお、第二ボアB2及び第四ボアB4については、第一ボアB1及び第三ボアB3に先立って、既に第一軸頭21及び第二軸頭23により加工がなされている。また、本実施形態においては第一軸頭21及び第二軸頭23には第一加工チップ31及び第二加工チップ33のみが配設される構成としているが、第一軸頭21及び第二軸頭23のそれぞれに先行刃や中仕上げチップ等の他のチップを配設する構成にすることも可能である。
そして、本実施形態に係る穴加工装置10においては、第二加工チップ33は、第一加工チップ31に対して同位相とならず、かつ、第一加工チップ31に対して180度回転して対向する位相ともならないように、第二軸頭23に配設されている。
具体的には図1及び図2(a)に示す如く、第二加工チップ33は、第一加工チップ31に対して平面視で第二軸頭23の回転方向(図2の平面視においては時計周りの方向)に45度回転した(45度進んだ)位相となるように第二軸頭23に配設されているのである。換言すれば、第一加工チップ31と第二加工チップ33とは、図2(c)に示すような、互いに180度回転して対向する位相となる形態(以下、第一従来技術とする)や、図2(d)に示すような、互いに同位相(0度)となる形態(以下、第二従来技術とする)とならないように配設されているのである。
本実施形態においては上記の如く構成することにより、第一ボアB1及び第三ボアB3の内周面を加工する際に、第一加工チップ31が第二ボアB2に力を加えるタイミングと、第二加工チップ33が第二ボアB2に力を加えるタイミングとをずらすことができる。即ち、第二ボアB2を同時に挟み込むような高い応力が発生せず、また、第一ボアB1と第三ボアB3に対する力が常に異なる方向に加わるため、第二ボアB2が変形して形状が崩れてしまうことを防ぐことができるのである。換言すれば、一つおきに二つのボアを加工するに際して、加工しているボアの間に位置するボアの周辺に高い応力が発生したり、ワークの平行度が悪化したりすることを防止でき、加工しているボアの間に位置するボアの形状変形を抑制することが可能となるのである。
第一加工チップ31及び第二加工チップ33が第二ボアB2を変形させる力について、図3を用いて説明する。図3は第一従来技術において第一加工チップ31及び第二加工チップ33が第二ボアB2を変形させる力の最大値を1とした場合に対して、本実施形態において第一加工チップ31及び第二加工チップ33が第二ボアB2を変形させる力の第一軸頭21の位相に対する推移を、圧縮方向を正の値、引張方向を負の値として示した図である。
なお、図3においては、第一加工チップ31が図2における上側に位置する状態(第二ボアB2に対して90度の位置関係にある状態)を第一軸頭21の位相0度とし、第一軸頭21が平面視で時計周りに回転する角度を第一軸頭21の位相として記載している。つまり、図3における第一軸頭21の位相が90度の状態は、第一加工チップ31が第二ボアB2に最も近づいた状態を示している。
図3に示す如く、本実施形態においては、第一軸頭21が1回転する間(第一軸頭21の位相が0度から360度の間)において、第二ボアB2を変形させる力は、第一従来技術における最大値よりも小さくすることができた。即ち、本実施形態によれば、第二ボアB2を同時に挟み込むような高い応力が発生せず、また、第一ボアB1と第三ボアB3に対する力が常に異なる方向に加わるため、第一従来技術のような第二ボアB2の形状変形を抑制することができるのである。
本実施形態と従来技術との第二ボアB2の形状変形の違いについて、図4を用いて説明する。図4(a)は本実施形態に係る加工後の第二ボアB2の形状を示した平面図である。図4(c)は第一従来技術に係る加工後の第二ボアB2の形状を示した平面図である。図4は、それぞれ第二ボアB2の各点における幾何学的に正しい円(幾何学的円)に対する半径方向の距離を示している。
図4(a)に示す如く、本実施形態における第二ボアB2の真円度R1は、図4(c)に示す第一従来技術における第二ボアB2の真円度R3よりも小さくすることができ、加工精度を向上させることができた。即ち、本実施形態によれば、第二ボアB2を同時に挟み込むような高い応力が発生せず、また、第一ボアB1と第三ボアB3に対する力が常に異なる方向に加わるため、第一従来技術のような第二ボアB2の形状変形を抑制することができたのである。
また、図4(d)は第二従来技術に係る加工後の第二ボアB2の形状を示す。本実施形態における第二ボアB2の真円度R1は、図4(d)に示す第二従来技術における第二ボアB2の真円度R4よりも小さくすることができたのである。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る穴加工装置について、図2から図4を用いて説明する。
本実施形態に係る穴加工装置は、前記第一実施形態に係る穴加工装置と比較して、加工チップの配置形態を除いてほぼ同じように構成されているため、前記第一実施形態と共通する部分については、同符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る穴加工装置において第二加工チップ33は、図2(b)に示す如く、第一加工チップ31に対して平面視で第二軸頭23の回転方向と反対の方向(図2における反時計周りの方向)に90度回転した(90度遅れた)位相となるように第二軸頭23に配設されているのである。
本実施形態においても上記の如く構成することにより、第一ボアB1及び第三ボアB3の内周面を加工する際に、第一加工チップ31が第二ボアB2に力を加えるタイミングと、第二加工チップ33が第二ボアB2に力を加えるタイミングとをずらすことができる。即ち、第二ボアB2を同時に挟み込むような高い応力が発生せず、また、第一ボアB1と第三ボアB3に対する力が常に異なる方向に加わるため、第二ボアB2の形状が崩れてしまうことを防ぐことが可能となるのである。
即ち、図3に示す如く、本実施形態においても、第一軸頭21が1回転する間(第一軸頭21の位相が0度から360度の間)において、第二ボアB2を変形させる力は、第一従来技術における最大値よりも小さくすることができた。即ち、本実施形態によっても、第二ボアB2を同時に挟み込むような高い応力が発生せず、また、第一ボアB1と第三ボアB3に対する力が常に異なる方向に加わるため、第一従来技術のような第二ボアB2の形状変形を抑制することができるのである。
また、図4(b)に示す如く、本実施形態における第二ボアB2の真円度R2は、図4(c)に示す第一従来技術における第二ボアB2の真円度R3よりも小さくすることができ、加工精度を向上させることができた。即ち、本実施形態によっても、第二ボアB2を同時に挟み込むような高い応力が発生せず、また、第一ボアB1と第三ボアB3に対する力が常に異なる方向に加わるため、第一従来技術のような第二ボアB2の形状変形を抑制することができたのである。
上記の如く、本発明に係る穴加工方法においては、回転可能に構成された第一軸頭21と、前記第一軸頭21と同じ方向に回転可能に、前記第一軸頭21と平行となるように隣接して構成された、前記第一軸頭21と略同形状の第二軸頭23とを、3個以上のボアが直列して開口されたワークWにおける前記ボアに対して一つおきに同時に挿入して回転駆動することにより、前記第一軸頭21及び第二軸頭23のそれぞれにおける側面の前記固定型側端部に配設した第一加工チップ31及び第二加工チップ33で前記ボアの内周側面を加工する。そして、前記第二加工チップ33を、前記第一加工チップ31に対して同位相とならず、かつ、前記第一加工チップ31に対して180度回転して対向する位相ともならないように、前記第二軸頭23に配設するのである。
また、第一実施形態に係る穴加工方法によれば、第二加工チップ33を、第一加工チップ31に対して平面視で第二軸頭23の回転方向に45度回転した位相となるように、第二軸頭23に配設するものである。
さらに、第二実施形態に係る穴加工方法によれば、第二加工チップ33を、第一加工チップ31に対して平面視で第二軸頭23の回転方向と反対の方向に90度回転した位相となるように、第二軸頭23に配設するものである。
上記の如く構成することにより、一つおきにボアを加工するに際して、加工しているボアの間に位置するボアの周辺に高い応力が発生したり、ワークの平行度が悪化したりすることを防止でき、加工しているボアの間に位置するボアの形状変形を抑制することができる。換言すれば、加工しているボアの間に位置するボアを同時に挟み込むような高い応力が発生しないため、前記間のボアの形状が崩れてしまうことを防ぐことが可能となるのである。
10 穴加工装置
11 固定型
12 可動型
21 第一軸頭
23 第二軸頭
31 第一加工チップ
33 第二加工チップ
W ワーク(シリンダブロック)
B ボア

Claims (6)

  1. 固定型と、
    該固定型に対して近接離間可能に配設された可動型と、
    前記可動型の前記固定型に対する近接離間方向に向けて配置した回転軸を中心に回転可能に、前記可動型に配設された第一の軸頭と、
    前記第一の軸頭の回転軸と平行な方向に向けて配置した回転軸を中心に、前記第一の軸頭と同じ方向に回転可能に、前記第一の軸頭と隣接して前記可動型に配設された、前記第一の軸頭と略同形状の第二の軸頭と、
    前記第一の軸頭及び前記第二の軸頭のそれぞれにおける側面の前記固定型側端部に配設された第一の加工チップ及び第二の加工チップと、を備え、
    3個以上のボアが直列して開口されたワークを、前記ボアの開口面を前記可動型側に向けて前記固定型に配置した状態で、前記第一の軸頭及び第二の軸頭を回転させながら前記可動型を前記ワークに近接させ、前記ボアに対して前記第一の軸頭及び第二の軸頭を一つおきに同時に挿入することにより、前記第一の加工チップ及び第二の加工チップで前記ボアの内周側面を加工する、穴加工装置であって、
    前記第二の加工チップは、前記第一の加工チップに対して同位相とならず、かつ、前記第一の加工チップに対して180度回転して対向する位相ともならないように、前記第二の軸頭に配設される、
    ことを特徴とする、穴加工装置。
  2. 前記第二の加工チップは、前記第一の加工チップに対して平面視で前記軸頭の回転方向に45度回転した位相となるように、前記第二の軸頭に配設される、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の穴加工装置。
  3. 前記第二の加工チップは、前記第一の加工チップに対して平面視で前記軸頭の回転方向と反対の方向に90度回転した位相となるように、前記第二の軸頭に配設される、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の穴加工装置。
  4. 回転可能に構成された第一の軸頭と、前記第一の軸頭と同じ方向に回転可能に、前記第一の軸頭と平行となるように隣接して構成された、前記第一の軸頭と略同形状の第二の軸頭とを、3個以上のボアが直列して開口されたワークにおける前記ボアに対して一つおきに同時に挿入して回転駆動することにより、前記第一の軸頭及び第二の軸頭のそれぞれにおける側面の前記固定型側端部に配設した第一の加工チップ及び第二の加工チップで前記ボアの内周側面を加工する、穴加工方法であって、
    前記第二の加工チップを、前記第一の加工チップに対して同位相とならず、かつ、前記第一の加工チップに対して180度回転して対向する位相ともならないように、前記第二の軸頭に配設する、
    ことを特徴とする、穴加工方法。
  5. 前記第二の加工チップを、前記第一の加工チップに対して平面視で前記軸頭の回転方向に45度回転した位相となるように、前記第二の軸頭に配設する、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の穴加工方法。
  6. 前記第二の加工チップを、前記第一の加工チップに対して平面視で前記軸頭の回転方向と反対の方向に90度回転した位相となるように、前記第二の軸頭に配設する、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の穴加工方法。
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