JP2011050494A - 放射線画像取得装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射線画像取得装置において、装置コストを増大させたり画像品質を低下させたりすることなく長尺の放射線画像をより容易に取得する。
【解決手段】管球10Kから発せられた放射線を検出する1方向に移動可能な放射線像検出器15であって、管球10Kの側、かつ放射線検出器15の外周部における上記1方向の上流側および/または下流側に放射線に対して不透明な放射線遮断部材17を有する放射線像検出器15を用意する。この放射線像検出器15を被写体Mに沿って移動させ、この被写体M中の1方向に隣接する複数の領域M1,M2・・・を放射線撮影して得た複数の画像を合成して長尺の放射線画像を得る際に、部材像除外手段45が、前記合成に用いられる各画像中に放射線遮断部材17を表す放射線像が含まれないようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線画像取得装置に関し、詳しくは、被写体中の1方向に隣接する複数の領域を放射線撮影して得た複数の画像を合成して長尺の放射線画像を得る放射線画像取得装置に関するものである。
従来より、X線等の放射線を被写体へ通して検出しこの被写体を表す放射線画像を得る装置が知られている。
このような、装置に用いられる放射線検出器には、検出面にFPD(Flat Panel Detector)を配したものが知られている。このFPDは、被写体を通った放射線を検出して電気信号に変換しその被写体の放射線像を表す画像信号を出力するものである。
また、放射線検出器を1方向へ移動させて被写体中の隣接する複数の領域の放射線撮影を行い、各放射線撮影で得られた複数の画像を合成して被写体の全体を表す長尺の放射線画像、例えば全脊椎画像や全下肢画像を得る放射線画像取得装置が知られている。
このような、長尺の放射線画像を得る放射線撮影には、放射線源の位置を固定し、放射線検出器を一方向の上流側や下流側へ移動させて各放射線撮影を行う方式が知られている(特許文献1参照)。
また、このような装置においては、取得される画像の品質を向上させるために放射線検出器の検出面の前面に、放射線の散乱線を除去するための散乱線除去グリッドを配することがある。そのようなときには、放射線を検出するFPD、散乱線を除去する散乱線除去グリッド、これらを一体に保持するための保持カバー等から構成された放射線検出器が用いられる(特許文献1参照)。
特開2006−141905号公報
ところで、放射線源の位置を固定し、被写体を間に挟んで放射線源と対向配置される放射線検出器を被写体の体軸方向(1方向)に沿って移動させ、被写体中の体軸方向に隣接する複数の領域について放射線撮影を行うときには、放射線検出器が放射線源から離れるほどこの放射線源から発せられ放射線検出器の検出面に入射する放射線の入射角が大きくなる。
放射線検出器の検出面に入射する放射線の入射角が大きくなると、放射線検出器の検出面の前面の外周部に配された散乱線除去グリッドの外枠や、保持カバーを構成する保持部材等の放射線遮断部材を通った放射線が検出面に入射するようになる。このような状態で放射線撮影して得られた画像は、画像中に上記散乱線除去グリッドの外枠や保持カバーの保持部材を表す放射線像が含まれたものとなる。
さらに、長尺の放射線画像を得る際には、被写体中の1方向に隣接する2つの領域を表す2種類の画像について、一方の画像中の上記1方向の下流側の端部領域に形成された画像部分と、他方の画像中の上記1方向の上流側の端部領域に形成された画像部分とが接続されて長尺の画像が合成される。このとき、2つの画像部分のうちのいずれか一方にのみ上記外枠や保持部材を表す放射線像が含まれるが、画像の内容が大きく異なる2つの画像部分を接続して画像の合成を行うことが難しいという問題がある。また、上記外枠や保持部材を表す放射線像が含まれるように合成してなる画像品質が劣化した長尺の画像は、放射線画像として利用することが困難である。
なお、放射線検出器に配される散乱線除去グリッドや保持カバーのサイズを大きくすることにより、放射線検出器の検出面に入射する放射線の入射角が大きくなってもこの検出面に上記外枠や保持部材を通った放射線が入射しないようにすることも考えられる。しかしながら、通常の放射線撮影に比べて撮影頻度の少ない長尺の放射線撮影用に専用の放射線検出器を用意すると装置コストが高価になるため、従来より使用されている放射線検出器を用いて長尺の放射線撮影を行いたいという要請がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、装置コストを増大させたり、画像品質を低下させたりすることなく長尺の放射線画像をより容易に取得できる放射線画像取得装置を提供することを目的とするものである。
本発明の放射線画像取得装置は、放射線を発する管球と、管球から発せられ被写体を通った放射線を検出する1方向に移動可能な放射線像検出器と、放射線像検出器で検出された放射線像を読み取って放射線像を表す画像を得る読取り手段とを備え、被写体中の1方向に隣接する複数の領域を放射線撮影して得た複数の画像を合成して被写体の全体を表す長尺の放射線画像を得る放射線画像取得装置であって、放射線検出器が、管球の側、かつ放射線検出器の外周部における前記1方向の上流側および/または下流側に放射線に対して不透明な、放射線の強度を減衰させる放射線遮断部材が配されたものであり、前記合成に用いられる各画像中に放射線遮断部材の放射線像を表す画像が含まれないようにするための部材像除外手段を備えたことを特徴とするものである。
前記部材像除外手段は、放射線撮影を行って放射線検出器で検出された放射線像を読取り手段で読み取る際に、放射線遮断部材を表す放射線像が読み取られないように、放射線検出器の検出面中に定められる読取り領域を検出面中の上流側あるいは下流側へシフトさせ、このシフトさせた読取り領域で検出された放射線像のみが読み取られるようにするもの、すなわち読取領域設定手段とすることができる。
前記読取領域設定手段は、放射線検出器の上流側に配された放射線遮断部材を通り検出面および1方向に対して直交する上流側直交平面を、前記管球の下流側に位置させて放射線撮影を行う場合には、読取り領域を下流側へシフトさせ、放射線検出器の下流側に配された前記放射線遮断部材を通り、検出面および1方向に対して直交する下流側直交平面を、管球の上流側に位置させて放射線撮影を行う場合には、読取り領域を上流側へシフトさせるものとすることが望ましい。
前記読取領域設定手段は、放射線撮影で得られた被写体中の互いに隣接する領域を表す2種類の画像それぞれが被写体中の同一部位を表す共通の画像部分を含むものとなるように、読取り領域を定めるものとすることができる。
前記読取領域設定手段は、放射線撮影を行う際の放射線検出器の位置が管球から離れるほど、共通の画像部分の1方向における幅を拡大するように読取り領域を定めるものとすることができる。
前記読取領域設定手段は、共通の画像部分の1方向における幅を一定にするように読取り領域を定めるものとしてもよい。
前記管球は、放射線撮影を行う際に被写体が配される所定位置に対して位置が固定されているものとすることができる。
この放射線画像取得装置は、管球から発せられる放射線が検出面に照射されるように、放射線検出器の移動に応じて管球の向きを変更する管球向き変更手段を備えたものとすることができる。
前記部材像除外手段は、複数の画像を得るための各放射線撮影毎の管球と放射線像検出器との位置関係を得るための撮影配置取得手段と、各放射線撮影で得られた各画像中における放射線遮断部材を表す放射線像の形成される位置を、前記位置関係を用いた演算によって求める演算手段と、各画像中から放射線遮断部材を表す放射線像の形成される位置に対応する領域を除去する画像処理手段とを備えたものとし、前記放射線画像取得装置は、放射線遮断部材を表す放射線像の位置に対応する前記領域が除去された処理済の各画像を用いて前記合成を行うものとすることができる。
本発明の他の放射線画像取得装置は、放射線を発する管球と、管球から発せられ被写体を通った放射線を検出する1方向に移動可能な放射線像検出器と、放射線像検出器で検出された放射線像を読み取ってその放射線像を表す画像を得る読取り手段と、被写体中の1方向に隣接する複数の領域を放射線撮影して得た複数の画像を合成して被写体の全体を表す長尺の放射線画像を得る画像合成手段とを備えた放射線画像取得装置であって、放射線検出器が、管球の側かつ放射線検出器の外周部における1方向の上流側および/または下流側に放射線に対して不透明な、放射線の強度を減衰させる放射線遮断部材が配されたものであり、放射線撮影で得られる被写体中の互いに隣接する領域を表す2種類の画像それぞれが、被写体中の同一部位を表す共通の画像部分を有するものであり、画像合成手段が、前記2種類の画像それぞれが有する前記共通の画像部分のうち、放射線遮断部材の放射線像を表す画像が含まれている共通の画像部分を採用することなく、放射線遮断部材の放射線像を表す画像が含まれていない共通の画像部分を採用して前記合成を行うことを特徴とするものである。
前記画像合成手段は、放射線検出器中の上流側に配された放射線遮断部材を通り、検出面および1方向に対して直交する上流側直交平面を、管球の下流側に位置させて放射線撮影を行う場合、および、放射線検出器中の下流側に配された放射線遮断部材を通り、検出面および1方向に対して直交する下流側直交平面を、管球の上流側に位置させて放射線撮影を行う場合に、検出面中の管球に近い側の端部領域で検出された放射線像を表す共通の画像部分を採用することなく、検出面中の管球から遠い側の端部領域で検出された放射線像を表す共通の画像部分を採用して前記合成を行うものとすることができる。
本発明の放射線画像撮影装置によれば、被写体中の1方向に隣接する複数の領域を放射線撮影して得た複数の画像を合成して被写体の全体を表す長尺の放射線画像を得る放射線画像取得装置において、放射線検出器が、管球の側かつ放射線検出器の外周部における1方向の上流側および/または下流側に上記放射線に対して不透明な、放射線の強度を減衰させる放射線遮断部材が配されたものであり、前記合成に用いられる各画像中に放射線遮断部材を表す放射線像が含まれないようにするための部材像除外手段を備えるようにしたので、装置コストを増大させたり、画像品質を低下させたりすることなく、長尺の放射線画像をより容易に取得することができる。
また、部材像除外手段を、放射線撮影を行って放射線検出器で検出された放射線像を読取り手段で読み取る際に、放射線遮断部材を表す放射線像が読み取られないように、放射線検出器の検出面中に定められる読取り領域を検出面中の上流側あるいは下流側へシフトさせ、このシフトさせた読取り領域で検出された放射線像のみを読み取るもの、すなわち読取領域設定手段とすれば、より確実に、装置コストを増大させたり、画像品質を低下させたりすることなく、長尺の放射線画像をより容易に取得することができる。
すなわち、シフトさせた読取り領域で検出された放射線像のみを読み取るようにしたので、従来より使用されている放射線遮断部材が配された放射線検出器をそのまま用いることができ、また、読み取られた画像中に放射線遮断部材の放射線像を表す画像を含まないので、装置コストを増大させたり、画像品質を低下させたりすることなく、長尺の放射線画像の合成を容易に行なうことができる。
また、読取領域設定手段を、放射線検出器の上流側に配された放射線遮断部材を通り、かつ検出面および1方向に対して直交する上流側直交平面が管球の下流側に位置するようにして放射線撮影を行う場合には、読取り領域を下流側へシフトさせ、放射線検出器の下流側に配された放射線遮断部材を通り、かつ検出面および1方向に対して直交する下流側直交平面が管球の上流側に位置するようにして放射線撮影を行う場合には、読取り領域を上流側へシフトさせるものとすれば、より確実に、取得される画像中に放射線遮断部材の放射線像を表す画像が含まれないようにすることができるので、装置コストを増大させたり、画像品質を低下させたりすることなく長尺の放射線画像の合成を容易に行なうことができる。
また、部材像除外手段を、複数の画像を得るための各放射線撮影毎の管球と放射線像検出器との位置関係を得るための撮影配置取得手段と、各放射線撮影で得られた各画像中における放射線遮断部材を表す放射線像の形成される位置を、前記位置関係を用いた演算によって求める演算手段と、各画像中から放射線遮断部材を表す放射線像の形成される位置に対応する領域を除去する画像処理手段とを備えたものとし、前記放射線画像取得装置を、放射線遮断部材を表す放射線像の位置に対応する前記領域が除去された処理済の各画像を用いて前記合成を行うものとすれば、より確実に、装置コストを増大させたり、画像品質を低下させたりすることなく、長尺の放射線画像をより容易に取得することができる。
すなわち、各放射線撮影で得られた各画像中から放射線遮断部材を表す放射線像が除去された処理済の各画像を用いて前記合成を行うようにしたので、従来より使用されている放射線遮断部材が配された放射線検出器をそのまま用いることができ、また、読み取られた画像中に放射線遮断部材の放射線像を表す画像を含まないので、装置コストを増大させたり、画像品質を低下させたりすることなく、長尺の放射線画像の合成を容易に行なうことができる。
本発明の他の放射線画像撮影装置によれば、被写体中の1方向に隣接する複数の領域を放射線撮影して得た複数の画像を合成して被写体の全体を表す長尺の放射線画像を得る放射線画像取得装置において、放射線検出器が、管球の側かつ放射線検出器の外周部における1方向の上流側および/または下流側に放射線に対して不透明な、放射線の強度を減衰させる放射線遮断部材が配されたものであり、放射線撮影で得られる被写体中の互いに隣接する領域を表す2種類の画像それぞれを、被写体中の同一部位を表す共通の画像部分を有するものとし、画像合成手段を、2種類の画像のうち放射線遮断部材の放射線像を表す画像が含まれている共通の画像部分を採用することなく、放射線遮断部材の放射線像を表す画像が含まれていない共通の画像部分を採用して合成を行うものとしたので、装置コストを増大させたり、画像品質を低下させたりすることなく、長尺の放射線画像をより容易に取得することができる。
すなわち、放射線遮断部材の放射線像を表す画像が含まれている共通の画像部分を採用することなく、放射線遮断部材の放射線像を表す画像が含まれていない共通の画像部分を採用して合成を行うようにしたので、従来より使用されている放射線遮断部材が配された放射線検出器をそのまま用いることができ、また、長尺の放射線画像の合成に用いられる画像中に放射線遮断部材の放射線像を表す画像を含まないので、装置コストを増大させたり、画像品質を低下させたりすることなく長尺の放射線画像の合成を容易に行なうことができる。
また、画像合成手段を、放射線検出器中の上流側に配された放射線遮断部材を通り、かつ検出面および1方向に対して直交する上流側直交平面を、管球の下流側に位置させて放射線撮影を行う場合、および、放射線検出器中の下流側に配された放射線遮断部材を通り、かつ検出面および1方向に対して直交する下流側直交平面を、管球の上流側に位置させて放射線撮影を行う場合に、検出面中の管球に近い側のこの検出面中の端部領域で検出された放射線像を表す共通の画像部分を採用することなく、検出面中の管球から遠い側のこの検出面中の端部領域で検出された放射線像を表す共通の画像部分を採用して合成を行うものとすれば、より確実に、長尺の放射線画像の合成に用いられる画像中に放射線遮断部材の放射線像を表す画像を含まないようにすることができるので、装置コストを増大させたり、画像品質を低下させたりすることなく長尺の放射線画像の合成を容易に行なうことができる。
本発明の実施の形態による放射線画像取得装置の概略構成を示す図 放射線検出器の構成を拡大して示す図 放射線検出器の検出面に定められる読取り領域を示す図 読取り領域をシフトさせて画像合成に用いる複数の画像を得る様子を示す図 読取り領域を固定して画像合成に用いる複数の画像を得る様子を示す図 本発明の放射線画像取得装置の変形例を示す図 検出面中に定められる読取り領域を変更する様子を示す図 読み取られる共通の画像部分のオーバラップ量を変更する様子を示す図 フルサイズで読み取った後必要な領域を切り出す様子示す図で
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態による放射線画像撮影方法を実施するための放射線画像取得装置の一例を示す概略構成を示す概念図である。
図1に示す本発明の放射線画像取得装置100は、被写体M中の1方向(図中矢印Y方向)へ隣接して並ぶ複数の領域M1、M2・・・を順次放射線撮影して得た複数の画像を合成して被写体Mの全体を表す長尺の放射線画像を得るものである。
この放射線画像取得装置100は、放射線を発する管球10Kを備えた放射線源10と、放射線源10の管球10Kから発せられて被写体Mを通った放射線Hを検出する放射線検出器15であって1方向(図中矢印Y方向)に移動可能な放射線検出器15と、放射線像検出器15で検出された放射線像を読み取る読取り部40と、管球10Kと放射線像検出器15とを用い被写体M中の1方向に隣接する複数の領域M1、M2・・・を放射線撮影して得た複数の画像G1,G2・・・を合成して被写体Mの全体を表す長尺の放射線画像を得る画像合成部35とを備えている。
放射線検出器15は、管球10Kの側かつこの放射線検出器15の外周部における1方向の上流側(図中矢印+Y方向)および/または下流側(図中矢印−Y方向)に放射線に対して不透明な、すなわち、放射線の強度を減衰させる放射線遮断部材17を有している。
また、放射線画像取得装置100は、放射線撮影を行って放射線検出器15で検出された放射線像を読取り部40で読み取る際に、放射線遮断部材17を表す放射線像が読み取られないように、放射線検出器15の検出面16中に定められる読取り領域Wを検出面16中の上流側あるいは下流側へ移動させる部材像除外手段である読取領域設定部45を備えている。
この読取り部40は、読取領域設定部45により定められた検出面16中の読取り領域Wで検出された放射線像のみを読み取るものである。
さらに、この放射線画像取得装置100は、放射線検出器15を、1方向(図中矢印Y方向)へ移動させる検出器移動部20と、管球10Kの位置と向きが定まるように放射線源10の位置を移動させたり姿勢を変更させたりするための線源移動部25とを備えている。
なお、図1中に示す符号Crは、管球から発せられ被写体Mを通って放射線検出器15に入射する放射線Hの放射線束の中心を通る放射中心軸を示している。
図2に詳しく示すように、放射線検出器15は、放射線を検出する検出面16に後述するFPD(Flat Panel Detector)が配されており、放射線源10の側、かつ、この放射線検出器15の外周部における上記1方向の上流側(図中符号+Yの側)および下流側(図中符号−Yの側)に放射線Hに対して不透明な、すなわち、放射線Hの強度を減衰させる放射線遮断部材17が配されている。
このFPD(Flat Panel Detector)は、被写体を透過したこの被写体の放射線像を担持する放射線の強度を検出してその被写体の放射線像を表す電気的な信号を出力するものである。
なお、放射線検出器15の外周部における1方向の上流側に配された放射線遮断部材を符号17Hで示し、下流側に配された放射線遮断部材を符号17Lで示す。
これらの放射線遮断部材17(17H、17L)は、例えば、散乱線を除去する散乱線除去グリッド18における枠18A、および上記FPDや散乱線除去グリッド18を一体的に保持するための保持カバー19を構成する保持部19A等に対応するものである。
なお、読取領域設定部45は、放射線撮影を行って検出面16で検出された放射線像が読取り部40で読み取られる際に、放射線遮断部材17を表す放射線像を読み取らないように、検出面16中に定める読み取り領域Wを検出面16中の上流側(図中符号+Y側)あるいは下流側(図中符号−Y側)へシフトさせる。これにより、このシフトさせた検出面16中の読み取り領域Wで検出された放射線像のみが読取り部40によって読み取られる。
図3に示すように、FPDの検出面16は、上下方向の長さ18インチ、水平方向の長さ18インチの略正方形をなすものである。この検出面16中には、読取領域設定部45により、例えば17インチの幅を持つ読取り領域Wを、上記1方向(図中矢印Y方向)の上流側および下流側へ任意の量だけシフトさせて定めることができる。
また、図1に示すように、検出器移動部20は、床面5Fから鉛直方向(図中矢印Y方向)に起立する2つの支柱21間に放射線像検出器15を保持するとともに、この放射線像検出器15を長尺方向である支柱21の延びる鉛直方向に移動させる移動機構22を備えている。移動機構22は、例えば、従来より知られているリニアスライド機構等で放射線像検出器15を支持し、モータ等の駆動源を用いてこの放射線像検出器15を移動させるものとすることができる。
長尺の放射線画像を取得する放射線撮影を実施するときに、被写体Mは、この被写体Mの体軸が放射線像検出器15の移動方向である1方向(図中矢印Y方向)に平行となるように配置される。すなわち、被写体Mを床面5Fに対して鉛直方向に起立させた姿勢となるように配置して放射線撮影が行なわれる。
線源移動部25は、放射線源10が、被写体Mを間に挟んで検出面16と対向するように(図中矢印Z方向に対向するように)この放射線源10を保持し移動させるものである。
この線源移動部25は、天井5Eから鉛直方向に延びる支柱26と、この支柱26を天井5Eに沿って上記対向方向に(図中矢印Z方向に)移動させる天井ベース台27と、支柱26に係合されて、鉛直方向(図中矢印Y方向)へ移動可能であるとともに、紙面に垂直な軸(図中Y-Z平面に垂直なX軸に平行な軸)の回りに回転可能な回転台28とを有している。
この回転台28上に放射線源10が配置されており、放射線源10は、線源移動部25により、上下方向(図中矢印Y方向)および左右方向(図中矢印Z方向)に移動可能であるとともに、図中のX軸に平行な軸の周りに回転台28を介して回転可能である。
なお、放射線源10は、回転台28の回転軸が放射線源10の管球10Kを通るようにこの回転台28に保持されることが望ましいが、回転台28の回転軸は必ずしも管球10Kを通る場合に限らない。
上記線源移動部25についても、従来より知られているリニアスライド機構や回転機構、およびモータ等の駆動源を用いて構成することができる。
また、この放射線画像取得装置100は、検出器移動部20により放射線像検出器15を、被写体Mの体軸方向(図中Y軸方向、長尺方向でもある)に沿って放射線撮影を行うための各位置P1,P2・・・へ順次移動させるとともに、順次移動させた各位置において、放射線源10から発せられる放射線Hの照射方向が放射線検出面16の方向を向くように線源移動部25により放射線源10を回転させ、各位置P1,P2・・・毎に被写体M中の隣接する領域M1、M2・・・の放射線撮影を行って、この被写体Mの全体を表すための複数の放射線画像が得られるように制御する長尺撮影制御部30を備えている。
より詳しくは、長尺撮影制御部30が、線源移動部25、検出器移動部20、および読取り部40等を制御して、放射線源10や放射線像検出器15を所定の設定となるように移動させて放射線撮影を実行させ、読取り部40が放射線像検出器15で検出された放射線像を読み取る。さらに、長尺撮影制御部30から放射線撮影の設定情報を入力した読取領域設定部45が、放射線像検出器15の検出面16上に読取り部40の読取り対象とする読取り領域Wを定める。
なお、上記放射線撮影における全体の動作は、コンソール70によってコントロールされる。したがって、コンソール70には、被写体Mに関する情報や長尺の放射線画像を得るための撮影条件等が入力され、それらの情報は長尺撮影制御部30等に出力される。
上記のようなことにより、例えば、5回の放射線撮影を行って長尺の放射線画像を取得するための各種の設定を行なうことができ、コンソール70からの命令により上記長尺の放射線画像を得る動作を実行させることができる。
以下、この放射線画像取得装置100による5回の放射線撮影により長尺の放射線画像を取得する場合について説明する。
コンソール70に対し、被写体Mに関する情報や長尺の放射線画像を得るための設定情報の入力等が行われる。
上記各種情報が入力されたコンソール70は、5回の放射線撮影により長尺の放射線画像を取得するための情報を長尺撮影制御部30へ出力する。長尺撮影制御部30は、5回の放射線撮影により長尺の放射線画像が得られるように、各放射線撮影毎の、管球10Kの位置および姿勢、放射線像検出器15の位置、検出面16中における読取り領域W等を定められるように、線源移動部25、検出器移動部20、読取り部40、および読取領域設定部45等を制御する。
図4は、第1回〜第5回の放射線撮影が実行される様子を示す図である。
図4中の(a)部は、第1回〜第5回の放射線撮影における、管球10Kの位置、放射線検出器の位置、管球10Kから発せられ検出面16に到達する放射線の様子を示している。
図4中の(b)部は、第1回〜第5回の放射線撮影において、検出面16中に定められる読取り領域W1〜W5が上流側あるいは下流側にシフトして定められた様子を示す図である。
図4中の(c)部は、第1回〜第5回の放射線撮影で得た複数の画像を合成して長尺の放射線画像が得られる様子を示す図である。
<読取り領域をシフトさせる場合の第1回目の放射線撮影>
第1回目の放射線撮影では、図4中の最も上方に示すように、被写体Mに対して位置が固定され回転可能な管球10Kに対して、放射線検出器15を、最も上流側(図中矢印+Yの側)の位置P1に配置する(図4(a)参照)。この状態で、管球10Kから放射線を発すると、図4(a)に示すように、被写体M中の領域M1を通った放射線が検出面16に入射する。ここで、検出面16中の最も上流側に到達した有効な放射線を符号UH1で示し、検出面16中の最も下流側に到達した有効な放射線を符号UL1で示す。放射線UL1よりも下流側を通る放射線も検出面16中に入射するが、そのような放射線は、放射線遮断部材17Lの放射線像をも担持したものなので、その放射線の照射を受けて検出される放射線像は無効である。
したがって、検出面16中の下流側の端の領域(以後、下流端領域とも言う)では無効な放射線像が検出され、他の領域では有効な放射線像が検出される。
ここで、図4(b)に示すように、読取領域設定部45は、上記検出面16の下流端領域で検出された無効な放射線像を読み取らないように、読取り領域W1をこの検出面16の上流側(図中矢印+Y側)にシフトさせて定める。そして、読取り部40が、検出面16中の読取り領域W1で検出された放射線像、すなわち有効な放射線像のみを読み取る。
このようにして検出面16中の読取り領域W1で検出され読取り部40で読み取られた放射線像を表す画像G1は、画像合成部35へ出力される。この画像G1は、図4(c)に示すように、被写体Mの全体を表す画像GGを構成する複数の画像のうちの1つの画像として採用される。
<読取り領域をシフトさせる場合の第2回目の放射線撮影>
第2回目の放射線撮影では、図4中の上記第1回目の放射線撮影で説明した図の下に示すように、被写体Mに対して位置が固定され回転可能な管球10Kに対向配置される放射線検出器15を、第1回目の放射線撮影のときにこの放射線検出器15を配置した位置P1の下流側の位置P2に配置する(図4(a)参照)。この状態で、管球10Kから放射線を発すると、図4(a)に示すように、被写体M中の領域M2を通った放射線が検出面16に入射する。ここで、検出面16中の最も上流側に到達した有効な放射線を符号UH2で示し、検出面16中の最も下流側に到達した有効な放射線を符号UL2で示す。放射線UL2よりも下流側を通る放射線も検出面16中の下流端領域に入射するが、そのような放射線は、放射線遮断部材17Lを表す放射線像をも担持したものなので、その放射線の照射を受けて検出される放射線像は無効である。
したがって、検出面16中の下流端領域では無効な放射線像が検出され、他の領域では有効な放射線像が検出される。なお、管球10Kから発せられ検出器16に入射する放射線の入射角が第1回目よりも第2回目の放射線撮影のときの方が小さくなるので、第1回目よりも第2回目の放射線撮影のときの方が検出面16中の下流端におけて無効な放射線像が検出される領域は小さくなる。
ここで、図4(b)に示すように、読取領域設定部45は、上記検出面16の下流端領域で検出された無効な放射線像を読み取らないように、読取り領域W2をこの検出面16の上流側にシフトさせて定める。そして、読取り部40が、検出面16中の読取り領域W2で検出された放射線像、すなわち有効な放射線像のみを読み取る。
このようにして検出面16中の読取り領域W2で検出され読取り部40で読み取られた放射線像を表す画像G2は、画像合成部35へ出力される。この画像G2は、図4(c)に示すように、被写体Mの全体を表す画像GGを構成する複数の画像のうちの1つの画像として採用される。
<読取り領域をシフトさせる場合の第3回目の放射線撮影>
第3回目の放射線撮影では、図4中の上記第2回目の放射線撮影において説明した図の下に示すように、被写体Mに対して位置が固定され回転可能な管球10Kに対して、放射線検出器15を、第2回目の放射線撮影のときにこの放射線検出器15を配置した位置P2の下流側の位置P3に配置する(図4(a)参照)。この状態で、管球10Kから放射線を発すると、被写体M中の領域M3を通った放射線が検出面16に入射する。ここで、検出面16中の最も上流側に到達した有効な放射線を符号UH3で示し、検出面16中の最も下流側に到達した有効な放射線を符号UL3で示す。放射線UH3は検出面16中の最も上流側の端に入射し、放射線UL3は検出面16中の最も上流側の端に入射するので、検出面16には、放射線遮断部材17Lを通った放射線は入射しない。
ここで、図4(b)に示すように、読取領域設定部45は、読取り領域W3をこの検出面16の中央に定める。そして、読取り部40が、検出面16中の読取り領域W3で検出された放射線像、すなわち有効な放射線像のみを読み取る。
このようにして検出面16中の読取り領域W3で検出され読取り部40で読み取られた放射線像を表す画像G3は、画像合成部35へ出力される。この画像G3は、図4(c)に示すように、被写体Mの全体を表す画像GGを構成する複数の画像のうちの1つの画像として採用される。
<読取り領域をシフトさせる場合の第4回目の放射線撮影>
第4回目の放射線撮影では、図4中の上記第3回目の放射線撮影で説明した図の下に示すように、被写体Mに対して位置が固定され回転可能な管球10Kに対向配置される放射線検出器15を、第3回目の放射線撮影のときにこの放射線検出器15を配置した位置P3の下流側の位置P4に配置する(図4(a)参照)。この状態で、管球10Kから放射線を発すると、図4(a)に示すように、被写体M中の領域M4を通った放射線が検出面16に入射する。ここで、検出面16中の最も上流側に到達した有効な放射線を符号UH4で示し、検出面16中の最も下流側に到達した有効な放射線を符号UL4で示す。放射線UH4よりも上流側を通る放射線も検出面16中の上流側の端の領域(以後、上流端領域とも言う)に入射するが、そのような放射線は、放射線遮断部材17Lの放射線像をも担持したものになるので、その放射線の照射を受けて検出される放射線像は無効である。
したがって、検出面16中の上流端領域では無効な放射線像が検出され、他の領域では有効な放射線像が検出される。
ここで、図4(b)に示すように、読取領域設定部45は、上記検出面16の上流端領域で検出された無効な放射線像を読み取らないように、読取り領域W4をこの検出面16の下流側にシフトさせて定める。そして、読取り部40が、検出面16中の読取り領域W4で検出された放射線像、すなわち有効な放射線像のみを読み取る。
このようにして検出面16中の読取り領域W4で検出され読取り部40で読み取られた放射線像を表す画像G4は、画像合成部35へ出力される。この画像G4は、図4(c)に示すように、被写体Mの全体を表す画像GGを構成する複数の画像のうちの1つの画像として採用される。
<読取り領域をシフトさせる場合の第5回目の放射線撮影>
第5回目の放射線撮影では、図4中の最も下方に示すように、被写体Mに対して位置が固定され回転可能な管球10Kに対して、放射線検出器15を、最も下流側(図中矢印+Yの側)の位置P5に配置する(図4(a)参照)。この状態で、管球10Kから放射線を発すると、図4(a)に示すように、被写体M中の領域M5を通った放射線が検出面16に入射する。ここで、検出面16中の最も上流側に到達した有効な放射線を符号UH5で示し、検出面16中の最も下流側に到達した有効な放射線を符号UL5で示す。放射線UH5よりも上流側を通る放射線も検出面16中の上流端領域に入射するが、そのような放射線は、放射線遮断部材17Lの放射線像をも担持したものなので、その放射線の照射を受けて検出される放射線像は無効である。
したがって、検出面16中の上流端領域では無効な放射線像が検出され、他の領域では有効な放射線像が検出される。なお、管球10Kから発せられ検出器16に入射する放射線の入射角が第4回目よりも第5回目の放射線撮影のときの方が小さくなるので、第4回目よりも第5回目の放射線撮影のときの方が検出面16中の下流端における無効な放射線像が検出される領域は大きくなる。
ここで、図4(b)に示すように、読取領域設定部45は、上記検出面16の下流端領域で検出された無効な放射線像を読み取らないように、読取り領域W5をこの検出面16の下流側にシフトさせて定める。そして、読取り部40が、検出面16中の読取り領域W5で検出された放射線像、すなわち有効な放射線像のみを読み取る。
このようにして検出面16中の読取り領域W1で検出され読取り部40で読み取られた放射線像を表す画像G5は、画像合成部35へ出力される。この画像G5は、図4(c)に示すように、被写体Mの全体を表す画像GGを構成する複数の画像のうちの1つの画像として採用される。
<読取り領域をシフトさせる場合に取得された画像の合成>
上記のようにして取得されたG1〜G5の画像は、画像合成部35により被写体Mの全体を表す1つの画像GGに合成され、この合成された長尺の画像GGが表示器60に表示される。
ここで、第1回目の放射線撮影で検出面16に定められた読取り領域W1中の下流端領域JL1と第2回目の放射線撮影で検出面16に定められた読取り領域W2中の上流端領域JH2とは被写体M中の同一部位を表す放射線像が検出される重複領域である。ここでは、画像GGを合成する際に、第1回目の放射線撮影時に下流端領域JL1で検出された放射線像を表す共通の画像部分GL1と第2回目の放射線撮影時に上流端領域JH2で検出された放射線像を表す共通の画像部分GH2の両方を用いて画像GGの合成を行う。
同様に、重複領域である読取り領域W2中の下流端領域JL2と読取り領域W3中の上流端領域JH3についても、画像GGを合成する際に、下流端領域JL2で検出された放射線像を表す共通の画像部分GL2と上流端領域JH3で検出された放射線像を表す共通の画像部分GH3の両方を用いて画像GGの合成を行う。
また、重複領域である読取り領域W3中の下流端領域JL3と読取り領域W4中の上流端領域JH4についても、画像GGを合成する際に、下流端領域JL3で検出された放射線像を表す共通の画像部分GL3と上流端領域JH4で検出された放射線像を表す共通の画像部分GH4の両方を用いて画像GGの合成を行う。
さらに、重複領域である読取り領域W4中の下流端領域JL4と読取り領域W5中の上流端領域JH5についても、画像GGを合成する際に、下流端領域JL4で検出された放射線像を表す共通の画像部分GL4と上流端領域JH5で検出された放射線像を表す共通の画像部分GH5の両方を用いて画像GGの合成を行う。
上記のようなことにより、被写体M中の1方向に互に隣接する領域M1,M2・・・の放射線像を表す画像を合成するときに、上流側に配される画像の下流端領域を表す画像、および下流側に配される画像の上流端領域を表す画像のいずれにも、放射線遮断部材17Lの放射線像を示す画像が含まれていないので、両画像の合成を容易に行うことができる。これにより、装置コストを増大させたり、画像品質を低下させたりすることなく、長尺の放射線画像をより容易に合成することができる。
上記のように、読取領域設定部45は、放射線検出器15中の上流側(図中+Y側)に配されている放射線遮断部材17Hを通り検出面16および1方向(図中矢印Y方向)に対して直交する上流側直交平面SHを、管球10Kの下流側に位置させて放射線撮影を行う場合には、読取り領域Wを下流側へシフトさせ、放射線検出器15中の下流側(図中−Y側)に配されている放射線遮断部材17Lを通り検出面16および上記1方向に対して直交する下流側直交平面SLを、管球10Kの上流側に位置させて放射線撮影を行う場合には、読取り領域Wを上流側へシフトさせるものとすることができる。
また、読取領域設定部45は、放射線撮影で得られる被写体M中の互いに隣接する領域を表す2種類の画像(例えばG1、G2)それぞれが、被写体M中の同一部位を表す共通の画像部分(GL1、GH2)を含むように、読取り領域Wを設定するものとすることができる。さらに、読取領域設定部45は、放射線撮影を行う際の放射線検出器15の位置が管球10Kから離れるほど、共通の画像部分(GL1とGH2、GL2とGH3、GL3とGH4、GL4とGH5)の1方向(図中矢印Y方向)における幅が拡大されるように読取り領域(W1、W2、W3、W4、W5)を設定するものとすることができる。
さらに、読取領域設定部45は、共通の画像部分(GL1とGH2、GL2とGH3、GL3とGH4、GL4とGH5)の1方向(図中矢印Y方向)における幅を一定にするように読取り領域(W1、W2、W3、W4、W5)を設定するものとしてもよい。
なお、放射線検出器15の位置が管球10Kから離れるとは、例えば、放射線検出器15の中心を通り、この放射線検出器15の検出面16に直交する直線と管球10Kとの間隔が上記1方向について大きくなる場合を意味するものである。
また、管球10Kは、放射線撮影を行う際の被写体Mが配される所定位置に対して位置が固定されたものとすることができる。
また、管球10Kから発せられる放射線が検出面16に照射されるように、放射線検出器15の移動に応じて管球10Kの向きを変更する管球向き変更部85を備えるようにすることもできる。なお、管球0Kの向きの変更は、従来より知られているステッピングモータ等で駆動される回転機構等を採用することができる。
次に、放射線検出器15の検出面16中に定められる読取り領域をこの検出面16に対して固定し、この固定された読取り領域で検出された放射線像を読み取って得られた複数の画像を合成して長尺の放射線画像を得る場合であって、上記固定された読取り領域で検出されて取得された被写体中の互いに隣接する領域を表す2種類の画像それぞれが、各画像中の上記互に隣接する側に被写体中の同一部位を表す共通の画像部分を有するものとなるように放射線撮影が行われる場合について説明する。
ここでは、読取領域設定部45は、放射線検出器15の検出面16で検出された放射線像を読取り部40で読み取る際に、検出面16中に定められる読取り領域を、検出面16中でシフトさせずにこの検出面16に対して固定する。このような場合には、読取領域設定部45は実質的には不要となる。
一方、長尺撮影制御部30から放射線撮影の設定情報を入力した画像合成部35が、この設定情報に基づいて共通の画像部分のうち放射線遮断部材17Lの放射線像を含む無効なものと放射線遮断部材17Lの放射線像を含んでいない有効なのものとを判別し、無効な共通の画像部分を採用することなく、有効な共通の画像部分を採用して複数の画像を合成する。
すなわち、この画像合成部35は、設定情報に基づいて、共通の画像部分のうち放射線遮断部材17の放射線像を含む無効なものと放射線遮断部材17の放射線像を含んでいない有効なのものとを判別する判別部35Aと、無効な共通の画像部分を採用することなく、有効な共通の画像部分を採用して複数の画像を合成する合成部35Bとを備えたものとすることができる。
すなわち、画像合成部35は、長尺撮影制御部30から入力された放射線撮影の設定情報に基づいて、共通の画像部分のうち放射線遮断部材17Lの放射線像を含む無効なものと、放射線遮断部材17Lの放射線像を含んでいない有効なのものとを判別する判別機能を持つ判別部を有し、この判別部による判別結果に基づいて、無効な共通の画像部分を用いることなく、有効な共通の画像部分を用いて複数の画像を合成するものでもある。
図5は、検出面16中の読取り領域を固定して被写体中の隣接する複数の領域を放射線撮影して得られた複数の画像を合成して長尺の放射線画像を得る様子を示す図である。
図5中の(a)部は、読取り領域を固定した場合の第1回〜第5回の放射線撮影の様子を示すものであり、上記読取り領域をシフトさせる場合の第1回〜第5回の放射線撮影に関する図4中の(a)部と同じ内容を示すものである。すなわち、管球10Kの位置、放射線検出器15の位置、管球10Kから発せられ検出面16に到達する放射線の様子は、図4中の(a)部と同様である。
図5中の(b)部は、読取り領域を固定した場合の第1回〜第5回の放射線撮影において、検出面16中に固定された読取り領域Wを示す図である。
図5中の(c)部は、読取り領域を固定した第1回〜第5回の放射線撮影で得た複数の画像を合成して長尺の放射線画像が得られる様子を示す図である。
なお、図5中の(a)部に示す、被写体M中の隣接する複数の領域M1,M2・・・を順次放射線撮影する作用は、説明済みの上記読取り領域をシフトさせる場合の第1回〜第5回の放射線撮影と同様なので説明を省略する。
<読取り領域固定した場合の第1回目の放射線撮影>
第1回目の放射線撮影では、図5(a)に示すように、放射線検出器15を位置P1に配置した状態で、被写体Mに対して位置が固定された管球10Kから放射線が発せられて、被写体M中の領域M1を通った放射線が検出面16に入射する。
図5(b)に示すように、読取り部40が、検出面16中の読取り領域W′(固定された領域)で検出された放射線像、ずなわち、上記検出面16の下流端領域JL1′で検出された放射線遮断部材17Lを表す無効な放射線像をも含む放射線像を読み取る。
検出面16中の読取り領域W′で検出され読取り部40で読み取られた放射線像を表す画像G1′は画像合成部35へ出力される。この画像G1′は、図5(c)に示すように、被写体Mの全体を表す画像GG′を構成する複数の画像のうちの1つの画像として採用される。
<読取り領域固定した場合の第2回目の放射線撮影>
第2回目の放射線撮影では、図5中の上記第1回目の放射線撮影で説明した図の下に示すように、放射線検出器15を位置P2に配置した状態で、被写体Mに対して位置が固定された管球10Kから放射線が発せられて、被写体M中の領域M2を通った放射線が検出面16に入射する。
図5(b)に示すように、読取り部40が、検出面16中の読取り領域W′(固定された領域)で検出された放射線像、ずなわち、上記検出面16の下流端領域JL2′で検出された放射線遮断部材17Lを表す無効な放射線像をも含む放射線像を読み取る。
このようにして検出面16中の読取り領域W′で検出され読取り部40で読み取られた放射線像を表す画像G2′は、画像合成部35へ出力される。この画像G2′は、図5(c)に示すように、被写体Mの全体を表す画像GG′を構成する複数の画像のうちの1つの画像として採用される。
<読取り領域固定した場合の第3回目の放射線撮影>
第3回目の放射線撮影では、図5中の上記第2回目の放射線撮影で説明した図の下に示すように、放射線検出器15を位置P3に配置した状態で、被写体Mに対して位置が固定された管球10Kから放射線が発せられて、被写体M中の領域M3を通った放射線が検出面16に入射する。
図5(b)に示すように、読取り部40が、検出面16中の読取り領域W′(固定された領域)で検出された放射線像を読み取る。なお、検出面16では、放射線遮断部材17Lの放射線像を担持した放射線は検出されない。
このようにして検出面16中の読取り領域W′で検出され読取り部40で読み取られた放射線像を表す画像G3′は、画像合成部35へ出力される。この画像G3′は、図5(c)に示すように、被写体Mの全体を表す画像GG′を構成する複数の画像のうちの1つの画像として採用される。
<読取り領域固定した場合の第4回目の放射線撮影>
第4回目の放射線撮影では、図5中の上記第3回目の放射線撮影で説明した図の下に示すように、放射線検出器15を位置P4に配置した状態で、被写体Mに対して位置が固定された管球10Kから放射線が発せられて、被写体M中の領域M4を通った放射線が検出面16に入射する。
図5(b)に示すように、読取り部40が、検出面16中の読取り領域W′(固定された領域)で検出された放射線像、ずなわち、上記検出面16の上流端領域JL4′で検出された放射線遮断部材17Lを表す無効な放射線像をも含む放射線像を読み取る。
このようにして検出面16中の読取り領域W′で検出され読取り部40で読み取られた放射線像を表す画像G4′は、画像合成部35へ出力される。この画像G4′は、図5(c)に示すように、被写体Mの全体を表す画像GG′を構成する複数の画像のうちの1つの画像として採用される。
<読取り領域固定した場合の第5回目の放射線撮影>
第5回目の放射線撮影では、図5中の最も下方に示すように、放射線検出器15を位置P5に配置した状態で、被写体Mに対して位置が固定された管球10Kから放射線が発せられて、被写体M中の領域M5を通った放射線が検出面16に入射する。
図5(b)に示すように、読取り部40が、検出面16中の読取り領域W′(固定された領域)で検出された放射線像、ずなわち、上記検出面16の上流端領域JL5′で検出された放射線遮断部材17Lを表す無効な放射線像をも含む放射線像を読み取る。
ここで、検出面16中の上流端領域JL5′では無効な放射線像が検出され、他の領域では有効な放射線像が検出される。なお、管球10Kから発せられ検出器16に入射する放射線の入射角が第4回目よりも第5回目の放射線撮影のときの方が大きくなるので、第4回目よりも第5回目の放射線撮影のときの方が検出面16中の上流端における無効な放射線像が検出される領域は大きくなる。
このようにして検出面16中の読取り領域W′で検出され読取り部40で読み取られた放射線像を表す画像G5′は、画像合成部35へ出力される。この画像G5′は、図5(c)に示すように、被写体Mの全体を表す画像GG′を構成する複数の画像のうちの1つの画像として採用される。
<読取り領域固定した場合に取得された画像の合成>
上記のようにして取得されたG1′〜G5′の画像は、被写体Mの全体を表す1つの画像GGに合成される。
第1回目の放射線撮影で読み取られた読取り領域W′中の下流端領域JL1′と第2回目の放射線撮影で読み取られた読取り領域W′中の上流端領域JH2′とは被写体M中の同一部位を表す放射線像が検出される重複領域である。画像GG′を合成する際には、第1回目の放射線撮影時に下流端領域JL1′で検出された放射線遮断部材17Lの放射線像を含む共通の画像部分は採用せず、第2回目の放射線撮影時に上流端領域JH2′で検出された放射線遮断部材17Lの放射線像を含まない共通の画像部分GH2′を採用して画像GG′の合成を行う。
同様に、第2回目の放射線撮影で読み取られた読取り領域W′中の下流端領域JL2′と第3回目の放射線撮影で読み取られた読取り領域W′中の上流端領域JH3′とは被写体M中の同一部位を表す放射線像が検出される重複領域である。画像GG′を合成する際には、第2回目の放射線撮影時に下流端領域JL2′で検出された放射線遮断部材17Lの放射線像を含む共通の画像部分は採用せず、第3回目の放射線撮影時に上流端領域JH3′で検出された放射線遮断部材17Lの放射線像を含まない共通の画像部分GH3′を採用して画像GG′の合成を行う。
さらに、第3回目の放射線撮影で読み取られた読取り領域W′中の下流端領域JL3′と第4回目の放射線撮影で読み取られた読取り領域W′中の上流端領域JH4′とは被写体M中の同一部位を表す放射線像が検出される重複領域である。画像GG′を合成する際には、第3回目の放射線撮影時に下流端領域JL3′で検出された放射線遮断部材17Lの放射線像を含まない共通の画像部分を採用し、第4回目の放射線撮影時に上流端領域JH3′で検出された放射線遮断部材17Lの放射線像を含む画像GH4′を採用せずに画像GG′の合成を行う。
最後に、第4回目の放射線撮影で読み取られた読取り領域W′中の下流端領域JL4′と第5回目の放射線撮影で読み取られた読取り領域W′中の上流端領域JH5′とは被写体M中の同一部位を表す放射線像が検出される重複領域である。画像GG′を合成する際には、第4回目の放射線撮影時に下流端領域JL4′で検出された放射線遮断部材17Lの放射線像を含まない共通の画像部分を採用し、第5回目の放射線撮影時に上流端領域JH3′で検出された放射線遮断部材17Lの放射線像を含む共通の画像部分GH5′を採用せずに画像GG′の合成を行う。
上記のようなことにより、被写体M中の1方向に互に隣接する領域M1,M2・・・の放射線像を表す画像が接続されるときに、上流側に配される画像の下流端領域を表す画像部分、および下流側に配される画像の上流端領域を表す画像部分のいずれにも、放射線遮断部材17Lの放射線像を示す画像が含まれていないので、両画像の接続を容易に行うことができる。これにより、装置コストを増大させたり、画像品質を低下させたりすることなく、長尺の放射線画像をより容易に合成することができる。
上記のように、放射線撮影で得られる互いに隣接する2種類の画像(G1′とG2′、G2′とG3′、G4′とG5′)は、各画像中の上記互に隣接する側に被写体M中の同一部位を表す共通の画像部分を含むように放射線検出器15の位置(P1、P2、P3、P4、P5)を設定することができる。さらに、放射線撮影を行う際に、放射線検出器15の位置が管球10Kから離れるほど、共通の画像部分(GH2′、GH3′、GL3′、GL4′)の1方向(図中矢印Y方向)における幅を拡大することができる。
なお、画像合成部35は、放射線検出器15中の上流側(図中+Y方向)に配された放射線遮断部材17Hを通り検出面16および1方向(図中矢印Y方向)に対して直交する上流側直交平面SHを、管球10Kの下流側に位置させて放射線撮影を行う場合、および、放射線検出器15中の下流側(図中−Y方向)に配された放射線遮断部材17Lを通り検出面16および上記1方向に対して直交する下流側直交平面SLを、管球10Kの上流側に位置させて放射線撮影を行う場合に、検出面16中の管球10Kに近い側の端部領域で検出された放射線像を表す共通の画像部分を採用することなく、検出面16中の管球10Kから遠い側の端部領域で検出された放射線像を表す共通の画像部分を採用して画像の合成を行うものとすることができる。
図6は、本発明の放射線画像取得装置の変形例を示すものであり、放射線検出器で検出され読み取られた各画像中から放射線遮断部材17を表す放射線像の形成された領域を除いた処理済の各画像を合成して長尺の放射線画像を得る放射線画像取得装置100′を示す図である。なお、説明済の放射線画像取得装置100と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明については省略する。
放射線画像取得装置100′は、上記部材像除外手段として、読取領域設定部45の代わりに、各放射線撮影毎の管球と放射線像検出器との位置関係を得るための撮影配置取得部82と、各放射線撮影で得られた各画像中における放射線遮断部材17を表す放射線像の形成される位置を、上記撮影配置取得部82で得られた位置関係を用いた演算によって求める演算部84と、各画像中から放射線遮断部材17を表す放射線像の形成される領域を除去する画像処理部86を有する部材画像除去ユニット80を備え、画像合成部35が、放射線遮断部材17を表す放射線像の除去された上記処理済の各画像を用いて、長尺の放射線像画像を合成するようにしたものである。
この部材画像除去ユニット80は、被写体M中の1方向(放射線像検出器15の移動方向)に隣接する複数の領域M1、M2・・・を放射線撮影したときに放射線像検出器15で検出され読取り部40で読み取られた複数の画像G1,G2・・・が入力され、各画像G1,G2・・・から放射線遮断部材17を表す領域が除去された処理済の各画像G1′,G2′・・・を出力する。
ここでは、画像合成部35は、単に、被写体Mを放射線撮影して得た複数の処理済の各画像G1′,G2′・・・を合成して被写体Mの全体を表す長尺の放射線画像を得るものである。また、読取り部40は、単に、放射線像検出器15で検出された放射線像を読み取るものである。
その他の構成および作用等は、説明済の放射線画像取得装置100と同様である。
以下、この部材画像除去ユニット80を構成する撮影配置取得部82、演算部84、画像処理部86の作用等について詳しく説明する。
撮影配置取得部82は、長尺撮影制御部30から放射線撮影の設定情報等を入力し、各放射線撮影毎の管球10Kと放射線像検出器15との位置関係を得る
演算部84は、上記撮影配置取得部82で得た各放射線撮影毎の管球10Kと放射線像検出器15との位置関係等を用いた演算により、読取り部40から入力された各画像G1,G2・・・中に含まれる放射線遮断部材17を表す放射線像の位置を求める。なお、画像G1,G2・・・には、放射線遮断部材17を表す放射線像が含まれていないものもある。
画像処理部86は、各画像G1,G2・・・中の放射線遮断部材17を表す放射線像の位置を演算部84から入力するとともに、読取り部40から各画像G1,G2・・・を入力し、各画像G1,G2・・・中から放射線遮断部材17を表す放射線像の形成される領域を除去してなる処理済の各画像G1′,G2′・・・を出力する。
上記のことにより、部材画像除去ユニット80は、読取り部40から入力された各画像G1,G2・・・を、放射線遮断部材17を表す放射線像の形成される領域が除かれた処理済の各画像G1′,G2′・・・に補正して出力する。
画像合成部35は、部材像除外部80から出力された処理済の各画像G1′,G2′・・・を合成してなる長尺の放射線像画像を作成し出力する。
表示部60は、画像合成部35から出力された処理済の各画像G1′,G2′・・・を合成してなる長尺の放射線像画像を表示する。
このように、放射線画像取得装置100′は、上記放射線画像取得装置100と同様に、従来より使用されている放射線遮断部材が配された放射線検出器をそのまま用いても、画像品質を低下させることなく長尺の放射線画像の合成を行なうことができる。
以下、本発明の放射線画像取得装置の作用の概要について、図7,8,9を参照してまとめて示す。
図7は放射線像検出器の検出面中に定められる読取り領域を変更して、長尺の放射線画像の合成に用いられる各画像中に放射線遮断部材を表す放射線像が含まれないようにする様子を示す図、図8は放射線像検出器の検出面で検出され読み取られる複数の画像について、被写体中の同一部位を表す共通の画像部分のオーバラップ量を変更して、長尺の放射線画像の合成に用いられる各画像中に放射線遮断部材を表す放射線像が含まれないようにする様子を示す図、図9は、放射線像検出器の検出面中に定められるフルサイズ(18インチ)の読取り領域を読み取った後、標準サイズ(17インチ)の読取り領域に相当する領域を切り出す様子を概念的に示す図である。
図7の左方に示す読取り領域Wx11および読取り領域Wx12は、読取り領域を変更する前の、検出面16中に定められる第1回目の放射線撮影における標準サイズ(17インチ)の読取り領域Wx11と第2回目の放射線撮影における標準サイズ(17インチ)の読取り領域Wx12である。また、図7の右方に示す読取り領域Wx11′および読取り領域Wx12′は、読取り領域を変更した後の、検出面16中に定められる第1回目の放射線撮影における標準サイズ(17インチ)の読取り領域Wx11′と第2回目の放射線撮影における標準サイズ(17インチ)の読取り領域Wx12′である。
初期設定の放射線撮影において、放射線像検出器15の検出面16に入射する放射線について放射線遮断部材17によるケラレが生じる場合には、検出面16上のケラレが生じる領域Rkを読み取らないように初期設定時に検出面16上に定められる読取り領域Wx11、読取り領域Wx12を変更する。
すなわち、管球10Kの向きを示す角度情報から上記ケラレの生じる検出面16上の領域Rkの位置および検出面16の移動方向(図中矢印Y方向)における幅Lr1を算出し、このケラレの生じる領域Rkを含まないように読み取るために、検出面16中に定められる標準サイズ(17インチ)の読取り領域Wx11をシフトさせる。
ここで、読取り領域をシフトさせる前の、検出面16中に定められる第1回目の読取り領域Wx11と第2回目の読取り領域Wx12とのオーバラップ量、すなわち、被写体中の同一部位を表す共通の画像部分が読み取られる検出面16中の共通領域Gp1の幅と、読取り領域Wx11をシフトさせた後の、検出面16中に定められる第1回目の読取り領域Wx11′と第2回目の読取り領域Wx12′との共通領域Gp1の幅は同じである。
なお、上記検出面16中のケラレが生じる領域Rkを含まないように読取り領域Wx11をシフトさせようとするときに、例えば10mmを超えるような大きなシフト量が要求される場合には、シフトさせた読取り領域Wx11′、Wx12′が検出面16内に収まらなくなるので、放射線撮影時の管球10Kの位置を検出面16に対して上記1方向に移動させる。これにより、検出面16中のケラレの生じる領域Rkを含まないように検出面16に記録された放射線像を読み取ることができる。すなわち、放射線遮断部材17を表す放射線像が長尺の放射線画像の合成に用いられる各画像中に含まれないようにすることができる。
また、図8に示すように、放射線像検出器15で検出され読み取られる複数の画像について、被写体中の同一部位を表す共通の画像部分が読み取られる検出面中の共通領域Gp2の幅であるオーバラップ量を変更するようにしてもよい。
図8の左方に示す読取り領域Wx21および読取り領域Wx22は、読取り領域を変更する前の、検出面16中に定められる第1回目の放射線撮影における標準サイズ(17インチ)の読取り領域Wx21と第2回目の放射線撮影における標準サイズ(17インチ)の読取り領域Wx22である。また、図8の右方に示す読取り領域Wx21′および読取り領域Wx22′は、読取り領域を変更した後の、検出面16中に定められる第1回目の放射線撮影における標準サイズ(17インチ)よりも幅の狭い読取り領域Wx21′と第2回目の放射線撮影における標準サイズ(17インチ)の読取り領域Wx22′である。
ここでは、検出面16中に定められる初期設定の読取り領域である読取り領域Wx21はシフトさせないが、初期設定の共通領域Gp2中に放射線遮断部材17によってケラレが生じる領域Rkが含まれないようにその共通領域Gp2のY方向の幅を狭めた補正後の共通領域Gp2′を採用して処理済みの各画像を得る。すなわち、ケラレが生じる領域Rkの位置および検出面16の移動方向(図中矢印Y方向)における幅Lr1を算出し、ケラレが生じる領域Rkを含まないようにY方向の幅を狭めた第1回目の読取り領域Wx21′と第2回目のY方向の幅を狭めていない標準サイズ(17インチ)の読取り領域Wx22′とを定めて長尺の放射線画像の合成に用いられる処理済みの各画像を読み取る。ここで、第1回目の読取り領域Wx21′は、標準サイズ(17インチ)の読取り領域である読取り領域Wx22′よりも上記1方向(Y方向)における幅が狭い。
また、上記のように検出面16中に定められる読取り領域を変更する代わりに以下のようにしてもよい。
すなわち、図9に示すように、はじめに、放射線像検出器15の検出面16中に定めた標準サイズ(17インチ)読取り領域Wx30よりも大きなフルサイズ(18インチ)の読取り領域Wx31から読み取ったフルサイズの各画像を取得する。その後、上記フルサイズの各画像の一部を切り出して、検出面16中に定めた上記読取り領域Wx32や読取り領域Wx33から読み取った画像と同等の画像を得、それらの画像を用いて長尺の放射線像を合成するようにしてもよい。
すなわち、検出面16中に定めた、上記シフトさせた標準サイズ(17インチ)の読取り領域Wx32や、上記1方向における読取り領域の幅を標準サイズ(17インチ)よりも小さくした読取り領域Wx33を定めて読み取った各画像と同等の画像を上記フルサイズの各画像から得て長尺の放射線像を合成するようにしてもよい。
なお、上記実施の形態においては立位で長尺撮影を行う放射線画像取得装置について説明したが、本発明はこれに限らず臥位で長尺撮影を行う放射線画像取得装置等にも適用できる。
10 放射線源
10K 管球
15 放射線像検出器
16 検出面
17 放射線遮断部材
45 読取領域設定部
W 読取り領域
M 被写体

Claims (11)

  1. 放射線を発する管球と、前記管球から発せられ被写体を通った放射線を検出する1方向に移動可能な放射線像検出器と、前記放射線像検出器で検出された放射線像を読み取って前記放射線像を表す画像を得る読取り手段とを備え、前記被写体中の前記1方向に隣接する複数の領域を放射線撮影して得た複数の画像を合成して前記被写体の全体を表す長尺の放射線画像を得る放射線画像取得装置であって、
    前記放射線検出器が、前記管球の側かつ前記放射線検出器の外周部における前記1方向の上流側および/または下流側に前記放射線に対して不透明な放射線遮断部材が配されたものであり、
    前記合成に用いられる前記各画像中から前記放射線遮断部材を表す放射線像を除外する部材像除外手段を備えたことを特徴とする放射線画像取得装置。
  2. 前記部材像除外手段が、前記放射線撮影を行って前記放射線検出器で検出された放射線像を前記読取り手段で読み取る際に、前記放射線遮断部材を表す放射線像が読み取られないように、前記放射線検出器の検出面中に定められる読取り領域を前記検出面中の前記上流側あるいは下流側へシフトさせる読取領域設定手段であることを特徴とする請求項1記載の放射線画像取得装置。
  3. 前記読取領域設定手段が、前記放射線検出器の前記上流側に配された前記放射線遮断部材を通り、前記検出面および前記1方向に対して直交する上流側直交平面を、前記管球の下流側に位置させて放射線撮影を行う場合には、前記読取り領域を前記下流側へシフトさせ、前記放射線検出器の前記下流側に配された前記放射線遮断部材を通り前記検出面および前記1方向に対して直交する下流側直交平面を前記管球の上流側に位置させて放射線撮影を行う場合には、前記読取り領域を前記上流側へシフトさせるものであることを特徴とする請求項2記載の放射線画像取得装置。
  4. 前記読取領域設定手段が、前記放射線撮影で得られた前記被写体中の互いに隣接する領域を表す2種類の画像それぞれが、前記被写体中の同一部位を表す共通の画像部分を含むものとなるように、前記読取り領域を定めるものであることを特徴とする請求項2または3記載の放射線画像取得装置。
  5. 前記読取領域設定手段が、前記放射線撮影を行う際の前記放射線検出器の位置が前記管球から離れるほど、前記共通の画像部分の前記1方向における幅を拡大するように前記読取り領域を定めるものであることを特徴とする請求項4記載の放射線画像取得装置。
  6. 前記読取領域設定手段が、前記共通の画像部分の前記1方向における幅を一定にするように前記読取り領域を定めるものであることを特徴とする請求項5記載の放射線画像取得装置。
  7. 前記管球が、前記放射線撮影を行う際に前記被写体が配される所定位置に対して位置が固定されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の放射線画像取得装置。
  8. 前記管球から発せられる放射線が前記検出面に照射されるように、前記放射線検出器の移動に応じて前記管球の向きを変更する管球向き変更手段を備えていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の放射線画像取得装置。
  9. 前記部材像除外手段が、前記各放射線撮影毎の前記管球と前記放射線像検出器との位置関係を得るための撮影配置取得手段と、前記放射線撮影で得られた各画像中における前記放射線遮断部材を表す放射線像の形成される位置を、前記位置関係を用いた演算によって求める演算手段と、前記各画像中から前記放射線遮断部材を表す放射線像の形成される位置に対応する領域を除去する画像処理手段とを備えたものであり、
    前記放射線遮断部材を表す放射線像の位置に対応する前記領域が除去された処理済の各画像を用いて前記合成を行うものであることを特徴とする請求項1記載の放射線画像取得装置。
  10. 放射線を発する管球と、前記管球から発せられ前記被写体を通った放射線を検出する1方向に移動可能な放射線像検出器と、前記放射線像検出器で検出された放射線像を読み取って前記放射線像を表す画像を得る読取り手段と、前記被写体中の前記1方向に隣接する複数の領域を放射線撮影して得た複数の画像を合成して前記被写体の全体を表す長尺の放射線画像を得る画像合成手段とを備えた放射線画像取得装置であって、
    前記放射線検出器が、前記管球の側かつ前記放射線検出器の外周部における前記1方向の上流側および/または下流側に前記放射線に対して不透明な放射線遮断部材が配されたものであり、
    前記放射線撮影で得られる前記被写体中の互いに隣接する領域を表す2種類の画像それぞれが、前記被写体中の同一部位を表す共通の画像部分を有するものであり、
    前記画像合成手段が、前記放射線遮断部材の放射線像を表す画像が含まれている前記共通の画像部分を採用することなく、前記放射線遮断部材の放射線像を表す画像が含まれていない前記共通の画像部分を採用して前記合成を行うものであることを特徴とする放射線画像取得装置。
  11. 前記画像合成手段が、前記放射線検出器中の前記上流側に配された前記放射線遮断部材を通り、前記1方向に対して直交する上流側直交平面を、前記管球の下流側に位置させて前記放射線撮影を行う場合、および、前記放射線検出器中の前記下流側に配された前記放射線遮断部材を通り、前記1方向に対して直交する下流側直交平面を、前記管球の上流側に位置させて放射線撮影を行う場合に、前記検出面中の前記管球に近い側の端部で検出された放射線像を表す前記共通の画像部分を採用することなく、前記検出面中の前記管球から遠い側の端部で検出された放射線像を表す前記共通の画像部分を採用して前記合成を行うものであることを特徴とする請求項10記載の放射線画像取得装置。
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