JP6783702B2 - X線断層撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、複数のX線検出器を備えたX線断層撮影装置に関する。
近年、X線断層撮影装置(X線CT装置)は、1回のスキャンで広範囲の撮影が可能なコーンビーム方式が主流となっている。それを担う最も主要な構成要素は画素が二次元に配列されたX線検出器である。医療用ではライン状の画素配列を複数並べた多列と呼ばれるX線検出器が、産業用ではフラットパネルディテクタ(FPD)と呼ばれるX線検出器が、それぞれ主として用いられている。このうち、FPDは最大でも430×430mm程度であり、撮影領域としてはオフセットスキャンを用いても480mm程度である。
例えば、両手を広げた木彫の仏像などを撮影する場合、1500mm程度の撮影領域を必要とするが、二次元X線検出器には測定したX線量を変換したり外部へ転送したりする周辺回路部品を配置するために視野の外周に幅数十mm程度の額縁状の不感領域が必要であり、複数のX線検出器を、その視野が連続するように並べることができない。そのため、特許文献1〜4に示すように、CTスキャンとX線検出器の平行移動を交互に繰り返して、複数回のスキャンをするなどの手法が考案されているが、これには長時間を要する。
特許第4561990号公報 特許第4569763号公報 特許第4788272号公報 特許第5138279号公報
特許文献1〜4においては、二次元配列の画素をもつX線検出器の位置を移動し複数の位置で停止させて、それぞれの位置で被検査物を回転させて複数の方向からの透視画像を収集する。この透視画像を対応する位置と角度ごとにつなぎ合わせることによって視野の大きなX線検出器と等価な投影データを収集する。
しかし、X線検出器の位置を移動し複数の位置で停止させてそれぞれの位置で被検査物を回転させるスキャンを要する。そのため、1回の回転スキャンに比べて長時間を要する。その間のX線検出器の画素ごとのオフセット値とゲイン値の経時変化、および、X線検出器の移動に伴う位置の誤差に起因して断層像が劣化する。
本実施形態は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものである。本実施形態の第一の目的は、X線検出器の移動を伴わないので、1回の回転スキャンでデータ収集をすることができ、それによって、データ収集時間が短時間で済み、その間のX線検出器の画素ごとのオフセット値とゲイン値の経時変化、および、X線検出器の移動に伴う位置の誤差に起因する断層像の劣化を抑制することができるX線断層撮影装置を提供することにある。
本実施形態の第二の目的は、小型のX線検出器を複数個所に移動させて被検査物の全体像を撮影する場合であっても、X線検出器の不感領域の影響を考慮する必要が無く、しかも、少ない移動回数によって全体像を連続して撮影することができるX線断層撮影装置を提供することにある。
第一実施形態のX線断層撮影装置は、次のような構成を有する。
(1)空間的な広がりをもつX線を発生するX線発生器。
(2)前記X線の進路に設置される被検査物を、X線の光軸と直交する軸を中心として回転させる試料テーブル。
(3)隣接する他のX線検出器とは所定の間隔を保って配置された複数のX線検出器。
(4)前記複数のX線検出器のそれぞれに設けられた平面状の入力面。
(5)前記複数のX線検出器中の少なくとも一つであって、前記入力面がX線光軸に対して垂直な面内に設けられ、且つ、前記入力面の感度領域の端に近い部分にX線光軸が位置する第一のX線検出器。
(6)前記複数のX線検出器中の少なくとも一つであって、前記入力面が前記被検査物の撮影領域の周辺部の透過X線を捕えるように配置された第二のX線検出器。
(7)前記被検査物の撮影領域と前記試料テーブルの回転角度から構成されるサイノグラムであって、前記複数の入力面の受光データに基づいて複数組の順パス領域と逆パス領域を有するサイノグラムを生成するサイノグラム生成部。
(8)前記サイノグラムにおける前記複数の順パス領域間に形成された非受光部分の順パス領域のデータを、前記複数の逆パス領域のデータを順パス領域のデータに変換することによって補間するデータ補間部。
第一実施形態において、次のような構成を採用すると良い。
(1)前記複数のX線検出器が3個以上設けられる。
(2)前記第二のX線検出器はその入力面の法線がX線焦点を向くように配置される。
(3)前記データ補間部が非受光部分の順パス領域のデータを、前記複数の逆パス領域のデータによって補間する場合に、非受光部分の順パス領域のデータと補間する逆パス領域のデータとがその隣接部分でオーバラップする位置に、前記複数のX線検出器が配置される。
(4)前記データ補間部が非受光部分の順パス領域のデータを、前記複数の逆パス領域のデータによって補間する場合に、非受光部分の順パス領域のデータと補間する逆パス領域のデータとがその隣接部分でオーバラップすることなく画素が隣接する位置に、前記複数のX線検出器が配置される。
他の実施形態のX線断層撮影装置は、次のような構成を有する。
(1)空間的な広がりをもつX線を発生するX線発生器。
(2)前記X線の進路に設置される被検査物を、X線の光軸と直交する軸を中心として回転させる試料テーブル。
(3)前記被検査物を透過したX線を受光する平面状の入力面を有するX線検出器。
(4)前記入力面がX線光軸に対して垂直な面内に設けられ、且つ、前記入力面の感度領域の端に近い部分にX線光軸が位置する第一の位置と、前記入力面が前記被検査物の撮影領域の周辺部の透過X線を捕えるように配置される第二の位置との間で、前記X線検出器を移動させる機構。
(5)前記被検査物の撮影領域と前記試料テーブルの回転角度とを基準とするサイノグラムであって、前記第一と第二の位置における入力面の受光データに基づいて複数組の順パス領域と逆パス領域を有するサイノグラムを生成するサイノグラム生成部。
(6)前記サイノグラムにおける前記複数の順パス領域間に形成された非受光部分の順パス領域のデータを、前記複数の逆パス領域のデータを順パス領域のデータに変換することによって補間するデータ補間部。
第二実施形態において、次のような構成を採用すると良い。
(1)前記X線検出器の移動機構は、前記第一の位置及び第二の位置に加えて、より多くの位置に停止するように前記X線検出器を移動させるものであり、前記サイノグラム生成部とデータ補間部が、前記X線検出器の各停止位置においてサイノグラムの生成とデータ変換を実行する。
(2)前記X線検出器の移動機構は、前記X線検出器の各停止位置において、その入力面の法線がX線焦点を向くように前記X線検出器を移動させる。
(3)前記データ補間部が非受光部分の順パス領域のデータを、前記複数の逆パス領域のデータによって補間する場合に、非受光部分の順パス領域のデータと補間する逆パス領域のデータとがその隣接部分でオーバラップする位置に、前記複数のX線検出器が配置される。
(4)前記データ補間部が非受光部分の順パス領域のデータを、前記複数の逆パス領域のデータによって補間する場合に、非受光部分の順パス領域のデータと補間する逆パス領域のデータとがその隣接部分でオーバラップすることなく画素が隣接する位置に、前記複数のX線検出器が配置される。
(5)複数台の前記X線検出器と、これら複数台のX線検出器を被検査物の撮影領域の復数箇所において停止させるように移動する移動機構を備え、前記サイノグラム生成部とデータ補間部が、前記X線検出器の各停止位置においてサイノグラムの生成とデータ変換を実行する。
第一実施形態及び/または第二実施形態において、次のような構成を採用することができる。
(1)前記X線検出器によって得られた順パス領域と補間された非受光部分の順パス領域の接続部分におけるオーバラップする部分のデータを再配置後のサイノグラム上で正しく重なるように位置を合わせ、対応する画素同士の輝度値を平均化するオーバラップ処理部。
(2)前記X線検出器によって得られた順パス領域と補間された非受光部分の順パス領域の接続部分におけるデータの接続状態の適否を検出する検出部。
(3)前記接続状態を検出する検出部によって両領域のデータの接続状態に欠落が検出された場合に、その欠落を補間するデータ補間部。
第一実施形態のX線断層撮影装置を模式的に示す平面図。 パラレルビームのデータ収集体系における順パスと逆パスの例を示す図。 図2のパラレルビームのデータ収集体系によって取得されたデータに基づいて作成されたサイノグラム。 ファンビームのデータ収集体系における順パスと逆パスの例を示す図。 図4のファンビームのデータ収集体系によって取得されたデータに基づいて作成されたサイノグラム。 第一実施形態のサイノグラム生成部によって得られたサイノグラム。 第一実施形態のデータ補間部によって得られたサイノグラム。 回転角θ=0のときの順パスの通過点が点Aまたは点Bのファンビームのデータ収集体系を示す図。 回転角θ=0のときの順パスの通過点が点Cのファンビームのデータ収集体系を示す図。 回転角θ=0のときの順パスの通過点が点Pのファンビームのデータ収集体系を示す図。 図8から図10のデータ収集体系で得られるサイノグラムと、そのサイノグラム中の点A、B、C、Pの軌跡を示す図。 第一実施形態の動作を示すフローチャート。 第二実施形態のX線断層撮影装置を模式的に示す平面図。 第三実施形態のX線断層撮影装置を模式的に示す平面図。 第四実施形態のX線断層撮影装置を模式的に示す平面図。 第五実施形態のX線断層撮影装置を模式的に示す平面図。 第六実施形態のX線断層撮影装置を模式的に示す平面図。 第七実施形態のX線断層撮影装置を模式的に示す平面図。
[1.第一実施形態]
[1−1.実施形態の構成]
以下、第一実施形態を、図面に従って具体的に説明する。第一実施形態は2台のX線検出器31、32を使用して被検査物Wの全体像の断層像を撮影するものである。
第一実施形態のX線断層撮影装置では、図1の平面図に示すように、放射線源であるX線発生器1と、被検査物Wを載せる試料テーブル2と、X線発生器1から放射されたX線ビームを受光する第一のX線検出器31と第二のX線検出器32が、X線の光軸に沿って所定の間隔を保って配置される。
X線発生器1は、その焦点から水平方向に円錐状のX線ビームを発するもので、X線ビームはテーブル2上に載置された被検査物Wを透過して、第一のX線検出器31と第二のX線検出器32に達する。試料テーブル2は、図示しない回転テーブルやXYZ駆動機構によって、垂直方向の軸を中心として回転する。試料テーブル2は、それに載置する被検査物Wの寸法や撮影する際の拡大率に応じて、X線の光軸方向X及び光軸と直交する水平方向Yと垂直方向Zに移動する。
第一のX線検出器31と第二のX線検出器32のそれぞれは、X線ビームを2次元の空間分解能をもって検出する平面状の入力面を備える。第一のX線検出器31と第二のX線検出器32は、それらの入力面がX線の光軸と直交するように、所定の間隔を保って配置される。両者の間隔は、両者の入力面の感度領域のX線光軸と直交する方向の寸法(以下、感度領域の幅とも言う)と等しいか、感度領域の幅よりも100画素程度小さい。第一のX線検出器は、入力面の感度領域の端に近い部分にX線光軸が位置するように配置される。第二のX線検出器は、入力面が被検査物Wの撮影領域の周辺部の透過X線を捕えるように配置される。
第一のX線検出器31と第二のX線検出器32は必ずしも同じ寸法の入力面を有する必要はない。しかし、両者の入力面の水平方向の合計幅は、被検査物Wを透過したX線の撮影領域の直径の1/2以上必要である。具体的には、第一のX線検出器31の入力面と第二のX線検出器32の入力面との間隔L1(すなわちX線を受光できない第一の欠落部分の幅)よりも、第一のX線検出器31の入力面の幅W1が大きい。また、第一のX線検出器31の入力面におけるX線光軸と反対側端部と被検査物Wの撮影領域における第二のX線検出器側の端部との間隔L2(すなわちX線を受光できない第二の欠落部分の幅)よりも、第二のX線検出器32の入力面の幅W2が大きい。
入力面の高さ方向の寸法は、幅方向の寸法と同一でも良いし、被検査物Wの高さに応じた寸法でも良い。被検査物Wの高さに対して入力面の高さ方向の寸法が小さい場合には、第一のX線検出器31と第二のX線検出器32を垂直方向に移動させて、複数回のスキャンを行うこと、または、試料テーブル2(すなわち被検査物W)をZ方向に移動させて複数回のスキャンを行うことで、被検査物W全体の撮影データを取得することができる。
X線断層撮影装置は、試料テーブル2を回転させながら被検査物WにX線を照射する。また、第一のX線検出器31と第二のX線検出器32を前記の位置に停止させる必要がある。そのため、X線断層撮影装置には、試料テーブル2及び第一のX線検出器31と第二のX線検出器32を所定の位置に移動させて停止させる移動機構4と、移動機構4による移動方向及び移動量を制御する制御部5が接続される。制御部5には、試料テーブル2及び第一のX線検出器31と第二のX線検出器32の移動位置や移動方向をユーザが予め設定するための入力部6が設けられる。入力部6は、図示しないキーボード、マウスなどの入力装置、ネットワークなどの外部装置などから構成される。
第一のX線検出器31と第二のX線検出器32の出力側には、各検出器で受光したX線量に基づいてサイノグラムを生成するサイノグラム生成部7が設けられる。サイノグラムとは、スキャン時に収集された各投影位置(projection)における検出器(channel)の出力データを示すもので、各検出器の1列分の出力データを必要に応じて適宜変換して各投影位置で並べたものである。サイノグラム生成部7の出力側には、得られたサイノグラム中のデータ欠落領域を補間するデータ補間部8が設けられる。データ補間部8の出力側には、公知のFDK法などを用いてCT画像の再構成を行う画像再構成処理部9が接続される。
図2及び図3によりパラレルビームによって得られるサイノグラムを、また、図4及び図5によりファンビームによって得られるサイノグラムをそれぞれ説明する。
図2は、パラレルビームのデータ収集体系における順パスと逆パスの例を示す図である。図中、FCDはX線焦点から被検査物の回転中心までの距離、FDDはX線焦点からX線検出器の入力面までの距離である。x=0は被検査物Wの回転中心を通るX線の入力面における受光位置、+xは入力面においてx=0から+側に離れた受光位置、−xは入力面においてx=0から−側に離れた受光位置である。
例えば、被検査物の撮影領域中の点Pは、被検出物の回転中心からr、X線光軸からxθ=0、X線光軸に対する角度θ0の位置に有る。試料テーブル2が0°から180°まで回転すると、点Pは回転角180°+θ0の位置P´に移動するが、その間X線発生器1から投射されたX線が移動中の点Pを通過し、その透過像はX線検出器の入力面の画素上に順次入力される。このような点Pの起点(θ=0°)からθ=180°までのデータ収集を順パスという。試料テーブル2が180°を越えて360°まで回転すると、点Pは回転角180°+θ0のP´位置から元の角度θ0のP位置に移動するが、この間、X線発生器1から投射されたX線が移動中の点Pを通過し、その透過像はX線検出器の入力面の画素上に順次入力される。このような点Pの180°から360°までのデータ収集を逆パスという。図2におけるP位置と位置P´位置から分かるように、順パスと逆パスとでは、被検出物を通過するX線の光路は方向が異なるだけで同一であり、入力面の画素の受光量は等しい。
図3のサイノグラムは、図2のパラレルビームによって得られた受光量のデータを試料テーブル2の回転角ごとに抽出して並べたもので、二次元の画素配列の入力面を持つX線検出器のX線光軸上に位置する水平な1列の画素配列だけを横軸に表示し、それを試料テーブル2の回転角ごとに縦軸方向に並べた図である。図3中の領域aとbが順パスのデータ、領域cとdが逆パスのデータである。このサイノグラムにおいて、図2の点Pは、次の各点を通るサインカーブで表される。
(1) 入力面の位置x=xθ=0、回転角0°
(2) 入力面の位置x=0、回転角180°−θ0
(3) 入力面の位置x=−xθ=0、回転角180°
(4) 入力面の位置x=0、回転角360°−θ0
(5) 入力面の位置x=xθ=0、回転角360°
図4は、焦点から放射されたX線のファンビームのデータ収集体系における順パスと逆パスの例を示す図である。図中、ファン角αF、xは焦点を中心とした撮影領域の角度、αは焦点を中心としたX線光軸と点Pを通るX線ビームとの角度であり、X線光軸上で0°、図4における反時計回りを正の数、時計回りを負の数とする。試料テーブル2が角度θを起点0°として180°−2α回転すると点PはP´に移動し、その間に入力面が受光したデータが順パスである。試料テーブル2が180°−2αの角度から角度360°にまで180°+2α回転し、点PがP´の位置から元の位置に戻り、その間に入力面が受光したデータが逆パスである。
ファンビームにおいては、逆パスが得られる試料テーブルの回転角度が順パスに対して必ずしも180°ではなく、θ=0°のときのxの値であるxθ=0によって変化する。その結果、ファンビームのサイノグラムにおいては、図5に示すように、順パスの領域aと領域bとは異なった形状であり、同様に逆パスの領域cと領域dも異なった形状である。順パスの領域a、bと逆パスの領域c、dとの境界は試料テーブル2の回転角度180°−αF、x、180°、180°+αF、xを通る曲線である。
前記のように、本実施形態では、第一のX線検出器31と第二のX線検出器32で受光したX線量に基づいてサイノグラムを生成するサイノグラム生成部7が設けられる。第一のX線検出器31と第二のX線検出器32の入力面は、図4のファンビームで示されたX線検出器のように被検査物Wの撮影領域全体を受光するものではなく、各検出器の入力面は間隔を保って配置され、撮影領域の一部のみを受光する。そのため、サイノグラム生成部7によって得られるサイノグラムは、図6に示すように、第一のX線検出器31で得られた順パスの収集領域1−1と逆パスの収集領域1−2、第二のX線検出器32で得られた順パスの収集領域2−1と逆パスの収集領域2−2、及びこれらの収集領域に隣接したデータ欠落領域を有する。
データ補間部8は、図6の順パスの収集領域1−1と順パスの収集領域2−1の間に形成されたデータ欠落領域3−1を、第一のX線検出器31で得られた逆パスの収集領域1−2のデータで補間する。同様に、図6の順パスの収集領域1−1と入力面の−x側の端部との間に形成されたデータ欠落領域4−1を、第二のX線検出器31で得られた逆パスの収集領域2−2のデータで補間する。具体的には、回転角θ’、位置x’を逆パスとしてそれを次の式にしたがって回転角θ、位置xの順パスに変換し、サイノグラム上でデータを並べ替える。
図8は、本実施形態において、X線光軸上の点Aと、撮影領域のX線が通過する最も+x側の端部の点Bの順パスと逆バスを説明する図で、回転角θ=0のときの順パスの通過点が点Aまたは点Bの場合を示す。点Aは、パラレルビームの場合と同様に、X線光軸上にあるため回転角θ=0から180°の間が順パスであり、順パスの間に被検査物Wの中心を挟んでX線光軸上の反対側にある点A´に移動する。点Aの逆パスは、点A´を起点として180°から360°まで回転して元の点Aの位置に戻る間の移動である。点Bの順パスは、撮影領域のX線が通過する最も+x側の端部の点Bから、撮影領域のX線が通過する最も−x側の端部の点B´まで試料テーブル2が回転する間であり、その角度θBは、光軸と直交する直線からαF、x/2の角度を起点として、光軸と直交する直線よりαF、x/2手前の角度を終点とする範囲である。
図9は、本実施形態において、撮影領域のX線が通過する最も−x側の端部の点Cの順パスと逆バスを説明する図で、回転角θ=0のときの順パスの通過点が点Cの場合を示す。点Cの順パスは、撮影領域のX線が通過する最も−x側の端部の点Cから、撮影領域のX線が通過する最も+x側の端部の点C´まで試料テーブル2が回転する間であり、その角度θCは、光軸と直交する直線よりαF、x/2手前の角度を起点として、光軸と直交する直線よりαF、x/2大きい角度を終点とする範囲である。
図10は、本実施形態において、被検査物Wの内部にある任意の点Pの順パスと逆パスを示す図である。この図10の点Pは、図4で説明した点Pと同じものである。
図11は、撮影領域全体を受光することができる+xから−xの入力面を有するX線検出器によって得られたサイノグラムを示すもので、このサイノグラム中に、試料テーブルの回転角が0°のときの順パスの各通過点A、B、C、Pが順パスと逆パスを通過して360°回転した場合の軌跡を示す。このサイノグラムから分かるように、各通過点A、B、C、Pが、それぞれの逆パスが得られる位置A’、B’、C’、P’に達する試料テーブル2の回転角θA、θB、θC、θPは、それぞれ次のとおりである。
・Aの逆パスの通過点A’に達するための回転角θA=180°
・Bの逆パスの通過点B’に達するための回転角θB=180°−αF、x・・・θが最小
・Cの逆パスの通過点C’に達するための回転角θC=180°+αF、x・・・θが最大
・Pの逆パスの通過点P’に達するための回転角θP=180°−2α
そして、反対にP’を順パス、Pを逆パスとすると回転角θP’=180°+2αとなる。
以上のことから、回転角θ、位置xの順パスに対する逆パスの回転角θ’、位置x’は、
であり、
によって逆パスを順パスに置き換えることができる。
[1−2.実施形態の作用]
本実施形態の作用を図12のフローチャートにより説明する。
まず、断層撮影装置のX線スキャン条件を設定する(ステップ1)。スキャン条件としては、通常設定するX線管、第一のX線検出器31と第二のX線検出器32の固定位置、試料テーブル2の回転に関する条件、および、FCDとFDDなどに加えて、二台のX線検出器31、32のデータ間のオーバラップ量を設定する。撮影領域を最大化するときは、オーバラップ量を0または小さく、最大化を要しないときはオーバラップ量をできるかぎり大きく設定する。
次に、被検査物Wを試料テーブル2上に載置した状態で、試料テーブル2を360°回転させながらX線発生器1からX線をコーン状に放射して、各X線検出器31、32の入力面で透過X線を受光する(ステップ2)。
入力面で受光された透過X線の輝度に関するデータはサイノグラム生成部7に送られる。サイノグラム生成部7においては、図6に示すような各X線検出器31、32の受光データに基づいた順パス領域1−1、2−1と逆パス領域1−2、2−2と、データ欠落領域を有する3−1、3−2及び4−1、4−2とを有するサイノグラムが生成される(ステップ3)。
本実施形態においては、第一のX線検出器31と第二のX線検出器32は、その入力面において、被検査物Wが360°回転する間の一定の角度ごとに被検査物Wの透過データを同時に収集する。各X線検出器31、32によって得られた透過データに基づいて、サイノグラム生成部7は、図6に示すような、第一のX線検出器31による順パスと逆パスの収集領域1−1、1−2と、第二のX線検出器32による順パスと逆パスの収集領域2−1、2−2を有するサイノグラムを生成する。第一のX線検出器31と第二のX線検出器32は、全撮影領域の直径の略1/2の透過X線のみを受光する幅の入力面を持つことから、このサイノグラムにおいては、収集領域1−1、1−2、2−1、2−2の間にX線を受光できないデータ欠落領域3−1、3−2及び4−1、4−2が形成される。
一方、ファンビームのサイノグラムを図5に示すように領域a〜dの4つの領域に分けると、領域cのデータは領域bに、領域dのデータは領域aにそれぞれ含まれている。これは、図1に示すファンビームのデータ収集体系の逆パスの透過データが順パスの透過データと等しいからである。領域aとbを順パスとすると、領域cとdは逆パスである。この「データの対称性」については、図3に示すパラレルビームのサイノグラムで考えると明らかである。
このようにファンビーム型のX線断層撮影装置に最小限必要なデータは、サイノグラム中の領域aとbであり、試料テーブルの回転角θが0°から(180°−ファン角αF、x)または(180°+ファン角αF、x)までの領域の透過データがあればCT像を正しく再構成することができる。この必要な透過データのθ方向の範囲は、θ=0のときのX線検出器上の位置xθ=0によって、θ=0°から下記までである。
データ補間部8によりデータ欠落領域のデータを補間するための演算は、X線焦点、試料テーブルの回転中心、第一のX線検出器31と第二のX線検出器32のそれぞれの配置を考慮して行う。そこで、データ補間部8は、図6に示すサイノグラムの各X線検出器31、32の逆パスの領域1−2と領域2−2を、データ欠落部分の順パスのデータとみなしてそれぞれ適宜並べ替えて再配置する演算を行う(ステップ4)。具体的には、データ補間部8は、図6のデータ欠落領域3−1を第一のX線検出器31で得られた逆パスの収集領域1−2のデータで補間し、データ欠落領域4−1を第二のX線検出器31で得られた逆パスの収集領域2−2のデータで補間する。その結果、図7に示すように、撮影領域の+xから−xに至る全幅の順パスデータを有するサイノグラムが得られ、CT像の再構成に必要なデータを得られる。ここで図6に示す△、○などの記号はそれぞれの記号を付した画素付近の逆パスの透過データが順パスとして補間されるときに移動される箇所の対応を示す。
前記のようにして、データの欠落領域がなく、全ての順パス領域にデータが補間されたサイノグラムが得られた後は、データ補間部8の出力側に接続された画像再構成処理部9により、公知のFDK法などを用いてCT画像の再構成を行うことで、被検査物Wの撮影領域全体のCT画像を得る(ステップ5)。
[1−3.実施形態の効果]
本実施形態は、次のような効果を有する。
(1)第一のX線検出器31と第二のX線検出器32の入力面の合計が全撮影領域の直径の約1/2あれば、全撮影領域について順パスの透過データを得ることができるので、2台の小型のX線検出器を使用してより大きな被検査物Wの撮影領域全体のX線断層画像を得ることができる。
(2)従来技術の小型のX線検出器では、X線検出器を複数箇所に移動させることで大きな被検査物Wの透過データを撮影していたが、移動の都度、被検査物Wを360゜回転させる必要があるため、撮影に時間がかかる不都合があった。本実施形態では、2台のX線検出器31、32は固定したままで被検査物Wを1回転させるだけで全撮影領域のデータを得ることができるので、撮影時間が短縮できる。
(3)本実施形態においては、再配置後のサイノグラムにおける4つの領域の間は第一のX線検出器31と第二のX線検出器32の位置方向のデータがある一定の画素数(必ずしも画素の整数倍でなくても良い)だけオーバラップするように各X線検出器を固定する位置を決める。このオーバラップする領域のデータを利用してX線検出器を配置する位置の調整、および、補正を行う。その方法は、例えばこのオーバラップする領域に映っている被検査物Wの同一の部分をパターンマッチングによって抽出し、それが再配置後のサイノグラム上で重なるようにX線検出器を配置する位置の調整及び補正を行う。
一度この調整及び補正を行った後であっても、X線焦点や試料テーブル2、及び第一のX線検出器31と第二のX線検出器32の位置が、それぞれを支持する機構部も含めた熱的及び/または経時的な変動によって移動することがあるため、このオーバラップする領域のデータを利用して第一のX線検出器31と第二のX線検出器32を配置する位置の調整及び補正を適宜行う。このようにすると、熱的及び/または経時的な変動による移動の影響が軽減されたより良いCT像を得ることができる。
[2.第二実施形態]
図13に示す第二実施形態は、第二のX線検出器32の構成が第一実施形態とは異なるもので、他の構成は第一実施形態と同様である。第一実施形態と同様な構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。第二実施形態では、第二のX線検出器32はその入力面の法線がX線焦点を向くように配置される。二台のX線検出器31、32のそれぞれのX線入力面とX線焦点との距離は同じであることを基本とするが、それに限定するものではない。
第二実施形態においては、第一実施形態と共通する効果に加え、第二のX線検出器32が収集するX線の領域が水平面方向に少し広がり、撮影領域を第一実施形態より広げることができる。また、第一実施形態と比較して、第二のX線検出器32の撮影領域の周辺に近い部分の画素ほどX線焦点に近づくのでX線入射線量率が増し、さらに、水平方向の画素ごとのX線入射線量率が均等に近づき、断層像の画質が向上する。
[3.第三実施形態]
図14に示す第三実施形態は、全撮影領域に比較してより幅の狭い入力面を有する三台のX線検出器31〜33を配置したもので、他の構成は第一実施形態と同様である。すなわち、間隔を開けて配置された複数のX線検出器によって被検査物Wの全撮影領域のデータを取得するためには、本発明のデータ補間を行ったとしても、全X線検出器の入力面の幅は全撮影領域の直径の1/2以上必要である。そのため、第一実施形態では、被検査物Wの全撮影領域がX線検出器31、32の入力面の幅の合計寸法の2倍を越える場合には欠落領域のデータを逆パスのデータで完全には補間することはできない。第三実施形態では、X線検出器の数を増やすことによって、全ての欠落領域を補間することのできるデータを三台のX線検出器31〜33から取得する。
三台のX線検出器31〜33中の二台は、第一実施形態と同様に、第一のX線検出器31は入力面の感度領域の端に近い部分にX線光軸が位置するように配置され、第二のX線検出器32は入力面が被検査物Wの撮影領域の周辺部の透過X線を捕えるように配置される。第三のX線検出器33は、被検査物Wの全撮影領域における第一のX線検出器31と第二のX線検出器32の撮影領域の間の部分を透過するX線を受光する位置に配置される。各X線検出器の入力面の幅の合計寸法は、全撮影領域の直径の1/2以上である。第一実施形態と同様に、隣接するX線検出器の入力面が所定画素数分オーバラップするか、あるいはオーバラップすることなく隙間がないように配置される。
第三実施形態においては、第一実施形態と共通する効果に加え、次のような効果を有する。すなわち、全撮影領域に対してより小型の入力面を有する複数台のX線検出器によって得られた逆パスのデータを用いて、データの欠落領域を補間することができるため、第一実施形態と同一寸法のX線検出器を使用した場合には、より大きな被検査物Wを小型のX線検出器で、しかも、被検査物Wを一回転させるだけでその透視画像を取得できる。
第三実施形態では、三台のX線検出器31〜33により補間用の逆パスデータを取得するが、各X線検出器の入力面に比較して全撮影領域がより大きい場合には、X線検出器の数を四台以上としても良い。
[4.第四実施形態]
図15に示す第四実施形態は、第三実施形態の変形例である。第四実施形態では、第二のX線検出器32と第三のX線検出器33はその入力面の法線がX線焦点を向くように配置される。三台のX線検出器31〜33のそれぞれのX線入力面とX線焦点との距離は同じであることを基本とするが、それに限定するものではない。
第四実施形態においては、第三実施形態と共通する効果に加え、第二のX線検出器32と第三のX線検出器33が収集するX線の領域が水平面方向に少し広がり、撮影領域を第一実施形態より広げることができる。また、第三実施形態と比較して、第二のX線検出器32と第三のX線検出器33の撮影領域の周辺に近い部分の画素ほどX線焦点に近づくのでX線入射線量率が増し、さらに、水平方向の画素ごとのX線入射線量率が均等に近づき、断層像の画質が向上する。
[5.第五実施形態]
図16に示す第五実施形態は、一台のX線検出器30と、そのX線検出器30をX線光軸と直交する方向に移動させる移動機構4を有する。他の構成は、第1実施形態と同様である。
第五実施形態では、一台のX線検出器30を第一実施形態又は第二実施形態に示す第一のX線検出器31の位置30aに配置して試料テーブルを360°回転する第一のスキャンを行い、続いて、そのX線検出器30を第一実施形態又は第二実施形態に示す第二のX線検出器32の位置30bに移動して試料テーブルを360°回転する第二のスキャンを行う。その後、第一実施形態と同様に、サイノクラム生成部7及びデータ補間部8を用いて欠落部のデータを補間する。
第五実施形態によれば、試料テーブル2はX線検出器30が第一の位置30aと第二の位置30bに停止した状態においてそれぞれ被検査物Wを360°回転させてデータを収集する必要はある。しかし、X線検出器は1台で済み、しかも、その入力面は全撮影領域の直径の1/2若しくはオーバラップ分を含めても1/2程度で済むので、被検査物Wに比較して小型のX線検出器によって透視画像を得ることができる。
[6.第六実施形態]
図17に示す第六実施形態は第五実施形態の変形例で、一台のX線検出器30を三ヵ所以上移動させて、その都度被検査物Wを360°回転させてデータを収集する。第六実施形態は、一台のX線検出器30とその移動機構4を有し、そのX線検出器30を第三実施形態又は第4実施形態に示す第一のX線検出器31の位置30aに配置して被検査物Wを360°回転する第一のスキャンを行い、続いて、そのX線検出器30を第三実施形態又は第4実施形態に示す第二のX線検出器32の位置30bに移動して被検査物Wを360°回転する第二のスキャンを行い、さらに、第三実施形態又は第4実施形態に示す第三のX線検出器33の位置30cに移動して被検査物Wを360°回転する第三のスキャンを行う。その後、サイノクラム生成部7及びデータ補間部8を用いて欠落部のデータを補間する。
この変形例によれば、一台の小型のX線検出器30を使用してより大型の被検査物のCT画像を得ることができる。
[7.第七実施形態]
図18に示す第七実施形態は、二台のX線検出器31、32と、そのX線検出器31、32をX線光軸と直交する方向に移動させる移動機構4を有する。他の構成は、第五実施形態と同様である。すなわち、それぞれが独立して移動することができる機構を有する二つのX線検出器31、32のそれぞれが第一の位置31a、32aに互いの感度領域が離れて配置され、その状態で被検査物Wを360°回転する第一のスキャンを行う。続いて、それぞれのX線検出器31、32を移動した位置31b、32bにおいて被検査物Wを360°回転する第二のスキャンを行い、第一、第二のスキャンによって得られるサイノグラムを再配置する。
この場合、各X線検出器31、32の移動位置は、再配置後のサイノグラムにおける領域の間において隣接する領域のデータと100画素程度オーバラップするデータが得られる位置でも良いし、オーバラップすることなく連続してデータが得られる位置でも良い。また、X線検出器の数は三つ以上であっても良い。再配置後のサイノグラムにおける領域の間においてX線検出器の位置方向のデータがオーバラップする部分は、パターンマッチングなどの手法を用いて、被検査物の同一の部分が再配置後のサイノグラム上で正しく重なるように位置を合わせ、対応する画素同士の輝度値を平均化することは、前記実施形態と同様である。
第七実施形態によれば、少ないX線検出器の数と2回のスキャンでより大きな撮影領域を得ることができる。
[8.他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。具体的には、次のような他の実施形態も包含する。
(1)各実施形態において、X線検出器のそれぞれの入力面は同一の平面上にあることを基本とするが、それに限定されるものではない。
(2)再配置後のサイノグラムにおける領域の間においてX線検出器の位置方向のデータがオーバラップせずに画素が隣接するようにX線検出器を固定する位置を決めることができる。この場合、各X線検出器の位置決めは、まず、前記オーバラップが予め定めた100画素などの画素数になるようにX線検出器を配置する位置を調整・補正し、その後、前記オーバラップが0画素となるようにX線検出器を配置する位置を調整する。
(3)再配置後のサイノグラムにおける領域の間においてX線検出器の位置方向、および、試料テーブルの回転方向のデータが正しくつながっていることを、被検査物のサイノグラムの像が正弦波曲線を描くことを利用して検出する検出部を備え、そのつながりが正常でないと検出されたとき、そのことを警告することができる。すなわち、X線検出器によって得られた順パス領域と補間された非受光部分の順パス領域の接続部分におけるデータの接続状態の適否を検出する検出部を備え、この検出部の判定結果を外部の表示装置などに警報として表示させる。このようにすると、投影データのつながりが異常な場合、CT像を再構成する前に警告を発することができる。
(4)再配置後のサイノグラムにおける領域の間においてX線検出器の位置方向、および、試料テーブルの回転方向のデータが正しくつながっていることを、被検査物のサイノグラムの像が正弦波曲線を描くことを利用して検出するデータ補間部を備え、そのつながりに隙間があることが検出されたとき、その間を補間することも可能である。すなわち、図11に示すように、サイノグラムにおける各点の軌跡は正弦波曲線を描く。そのため、各点の軌跡に欠落があった場合、その欠落部分は正弦波曲線状にあると推定することで、欠落部分のデータを補間することができる。このようにすると、投影データのつながりに隙間がある場合、それによるCT像の影響を軽減することができる。
1…X線発生器
2…試料テーブル
3…X線検出器
4…移動機構
5…制御部
6…入力部
7…サイノグラム生成部
8…データ補間部
9…画像再構成処理部

Claims (14)

  1. 空間的な広がりをもつX線を発生するX線発生器と、
    前記X線の進路に設置される被検査物を、X線の光軸と直交する軸を中心として回転させる試料テーブルと、
    隣接する他のX線検出器とは所定の間隔を保って配置された複数のX線検出器と、
    前記複数のX線検出器のそれぞれに設けられた平面状の入力面と、
    前記複数のX線検出器中の少なくとも一つであって、前記入力面がX線光軸に対して垂直な面内に設けられ、且つ、前記入力面の感度領域の端に近い部分にX線光軸が位置する第一のX線検出器と、
    前記複数のX線検出器中の少なくとも一つであって、前記入力面が前記被検査物の撮影領域の周辺部の透過X線を捕えるように配置された第二のX線検出器と、
    前記被検査物の撮影領域と前記試料テーブルの回転角度とを基準とするサイノグラムであって、前記複数の入力面の受光データに基づいて複数組の順パス領域と逆パス領域を有するサイノグラムを生成するサイノグラム生成部と、
    前記サイノグラムにおける前記複数の順パス領域間に形成された非受光部分の順パス領域のデータを、前記複数の逆パス領域のデータを順パス領域のデータに変換することによって補間するデータ補間部と、
    を備えるX線断層撮影装置。
  2. 前記複数のX線検出器が3個以上設けられる請求項1に記載のX線断層撮影装置。
  3. 前記第二のX線検出器はその入力面の法線がX線焦点を向くように配置される請求項1に記載のX線断層撮影装置。
  4. 前記データ補間部が非受光部分の順パス領域のデータを、前記複数の逆パス領域のデータによって補間する場合に、非受光部分の順パス領域のデータと補間する逆パス領域のデータとがその隣接部分でオーバラップする位置に、前記複数のX線検出器が配置される請求項1に記載のX線断層撮影装置。
  5. 前記データ補間部が非受光部分の順パス領域のデータを、前記複数の逆パス領域のデータによって補間する場合に、非受光部分の順パス領域のデータと補間する逆パス領域のデータとがその隣接部分でオーバラップすることなく画素が隣接する位置に、前記複数のX線検出器が配置される請求項1に記載のX線断層撮影装置。
  6. 空間的な広がりをもつX線を発生するX線発生器と、
    前記X線の進路に設置される被検査物を、X線の光軸と直交する軸を中心として回転させる試料テーブルと、
    前記被検査物を透過したX線を受光する平面状の入力面を有するX線検出器と、
    前記入力面がX線光軸に対して垂直な面内に設けられ、且つ、前記入力面の感度領域の端に近い部分にX線光軸が位置する第一の位置と、前記入力面が前記被検査物の撮影領域の周辺部の透過X線を捕えるように配置される第二の位置との間で、前記X線検出器を移動させる機構と、
    前記被検査物の撮影領域と前記試料テーブルの回転角度とを基準とするサイノグラムであって、前記第一と第二の位置における入力面の受光データに基づいて複数組の順パス領域と逆パス領域を有するサイノグラムを生成するサイノグラム生成部と、
    前記サイノグラムにおける前記複数の順パス領域間に形成された非受光部分の順パス領域のデータを、前記複数の逆パス領域のデータを順パス領域のデータに変換することによって補間するデータ補間部と、
    を備えるX線断層撮影装置。
  7. 前記X線検出器の移動機構は、前記第一の位置及び第二の位置に加えて、より多くの位置に停止するように前記X線検出器を移動させるものであり、前記サイノグラム生成部とデータ補間部が、前記X線検出器の各停止位置においてサイノグラムの生成とデータ変換を実行する請求項6に記載のX線断層撮影装置。
  8. 前記X線検出器の移動機構は、前記X線検出器の各停止位置において、その入力面の法線がX線焦点を向くように前記X線検出器を移動させる請求項6に記載のX線断層撮影装置。
  9. 前記データ補間部が非受光部分の順パス領域のデータを、前記複数の逆パス領域のデータによって補間する場合に、非受光部分の順パス領域のデータと補間する逆パス領域のデータとがその隣接部分でオーバラップする位置に、前記複数のX線検出器が配置される請求項6に記載のX線断層撮影装置。
  10. 前記データ補間部が非受光部分の順パス領域のデータを、前記複数の逆パス領域のデータによって補間する場合に、非受光部分の順パス領域のデータと補間する逆パス領域のデータとがその隣接部分でオーバラップすることなく画素が隣接する位置に、前記複数のX線検出器が配置される請求項6に記載のX線断層撮影装置。
  11. 複数台の前記X線検出器と、これら複数台のX線検出器を被検査物の撮影領域の復数箇所において停止させるように移動する移動機構を備え、前記サイノグラム生成部とデータ補間部が、前記X線検出器の各停止位置においてサイノグラムの生成とデータ変換を実行する請求項6に記載のX線断層撮影装置。
  12. 前記X線検出器によって得られた順パス領域と補間された非受光部分の順パス領域の接続部分におけるオーバラップする部分のデータを再配置後のサイノグラム上で正しく重なるように位置を合わせし、対応する画素同士の輝度値を平均化するオーバラップ処理部を備える請求項1または請求項6に記載のX線断層撮影装置。
  13. 前記X線検出器によって得られた順パス領域と補間された非受光部分の順パス領域の接続部分におけるデータの接続状態の適否を検出する検出部を備える請求項1または請求項6に記載のX線断層撮影装置。
  14. 前記接続状態を検出する検出部によって両領域のデータの接続状態に欠落が検出された場合に、その欠落を補間するデータ補間部を備える請求項1または請求項6に記載のX線断層撮影装置。
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