JP2011049638A - 口径食データ算出装置、撮像装置、および口径食データ算出装置の動作方法 - Google Patents
口径食データ算出装置、撮像装置、および口径食データ算出装置の動作方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】絞り開放時の口径食データのみを利用できる場合に、実際の絞り開度に応じたシェーディング補正を実現することが可能な技術を提供する。
【解決手段】口径食データ算出装置は、絞り32を開放したときの光学系に関する口径食データを取得するレンズデータ取得部111と、絞り32の開度を検出する検出手段と、検出された絞り開度と、絞り32を開放したときの口径食データとに基づいて、絞り開度における口径食データを算出する口径食データ算出部120とを備える。
【選択図】図5
【解決手段】口径食データ算出装置は、絞り32を開放したときの光学系に関する口径食データを取得するレンズデータ取得部111と、絞り32の開度を検出する検出手段と、検出された絞り開度と、絞り32を開放したときの口径食データとに基づいて、絞り開度における口径食データを算出する口径食データ算出部120とを備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、光学系で生じる口径食の改善技術に関する。
撮像装置においては、レンズを保持する枠などに起因する口径食によって、像高が大きいほど瞳径が実質的に小さくなることがあり、取得された画像において周辺照度の低下が生じる場合がある。
このような口径食による周辺照度の低下は、レンズの特性に起因して発生しているが、例えば、特許文献1では、交換レンズに記憶された口径食データを用いて、取得された画像データに対するシェーディング補正を行う技術が記載されている。
特許文献1に記載の技術では、口径食データとして、絞り開放時、および絞り開放時以外の口径食データが交換レンズに格納され、撮影時の絞りの開度に応じた口径食データを用いてシェーディング補正が行われる。
しかし、交換レンズによっては、絞り開放時の口径食データのみしか有していない場合もあり、この場合には、撮影時の絞りの開度に応じたシェーディング補正を行うことができない。また、絞り開放時の口径食データのみしか参照できない場合にも、同様の事態が発生しうる。
そこで、本発明は、絞り開放時の口径食データのみを利用できる場合に、実際の絞り開度に応じたシェーディング補正を実現することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明は、口径食データ算出装置であって、絞りを開放したときの光学系に関する口径食データを取得するデータ取得手段と、前記絞りの開度を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された絞り開度と、前記絞りを開放したときの口径食データとに基づいて、前記絞り開度における口径食データを算出する口径食データ算出手段とを備える。
本発明によれば、絞り開放時の口径食データのみを利用できる場合に、実際の絞り開度に応じたシェーディング補正を実現することが可能になる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<1.第1実施形態>
[1−1.構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置1Aの要部構成を示す縦断面図である。図2は、口径食によって光束断面が変化する様子を示す図である。図3は、交換レンズに記憶された絞りデータを示す図であり、図4は、交換レンズに記憶された口径食データを示す図である。
[1−1.構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置1Aの要部構成を示す縦断面図である。図2は、口径食によって光束断面が変化する様子を示す図である。図3は、交換レンズに記憶された絞りデータを示す図であり、図4は、交換レンズに記憶された口径食データを示す図である。
図1に示されるように、撮像装置1Aは、レンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルカメラとして構成されている。具体的には、撮像装置1Aは、撮像装置本体(カメラボディ)2と、この撮像装置本体2のレンズマウント部Mtに着脱可能な交換レンズ3とを有している。
交換レンズ3は、レンズ群31と、絞り32とを備えるとともに、レンズ駆動部33と絞り駆動部34とを備えている。また、交換レンズ3は、ROM35を備えており、コネクタ36を介してROM35内のデータを撮像装置本体2に伝送可能に構成されている。
レンズ群31には、各レンズを保持するレンズ保持枠31vが設けられており、当該保持枠31vによって口径食が生じる場合がある。口径食による周辺照度低下では、撮像素子23(例えば、CCD)の撮像面での像高(光軸Lからの距離)hが大きくなるにつれて、照度低下量が大きくなる。これは、図2に示されるように、像高が大きくなると、口径食によるけられによって、光学系を通過した光束の断面(光束断面)が変形し小さくなるためである。図2では、光束断面が小さくなる場合の具体例として、像高h=0mmに結像する光束の断面が、円形ENで表され、像高h=Gmmに結像する光束の断面が、楕円形DNで表されている。
レンズ駆動部33は、例えばモータによってレンズ群31を駆動するとともに、各レンズの位置を検出する。
絞り駆動部34は、例えばモータによって絞り32の開度(絞り開度)を変更する。また、絞り駆動部34は、現在の絞り32の開度(「実効絞り値」または「現在の絞り開度」とも称する)を検出する開度検出手段としても機能する。
ROM35には、交換レンズ3の特性に関するデータ(レンズデータ)として絞りデータがデータテーブル形式で格納されている。
絞りデータとしては、図3に示されるように、絞り32を開放したときのF値(開放F値)をAPEX方式で表したAV値「AV0」と、最大F値つまり絞り32を最も絞ったときのF値をAPEX方式で表したAV値「AVmax」とが記録されている。
また、ROM35には、レンズデータとして絞り32を開放したときの口径食データ(絞り開放時の口径食データ)がデータテーブル形式でさらに格納されている。具体的には、図4に示されるように、絞り32を開放したときの口径食データとして、像高7mm、像高10mm、像高13mmにおける各光量の、像高0mm(すなわち、光軸L)における光量に対する比(「光量比」とも称する)がそれぞれ記憶されている。図4の口径食データにおいては、像高7mmでは光量比「0.9」、像高10mmでは光量比「0.8」、像高13mmでは光量比「0.5」となっている。
このようにROM35に格納される各レンズデータは、交換レンズに固有のものであるため、各レンズデータは交換レンズの種類に応じて異なる。撮像装置1Aは、装着された交換レンズ3から当該交換レンズ3に対応した各レンズデータを取得してシェーディング補正を行う。
撮像装置本体2では、交換レンズ3の後方に、枢支部21に回動可能に枢支されたクイックリターンミラーM1が配設され、さらにこのクイックリターンミラーM1の後方には、シャッター22と、撮像手段として機能する撮像素子23とが配置されている。
また、撮像装置本体2では、クイックリターンミラーM1の上方位置において、ファインダー光学系25が形成されており、このファインダー光学系25には、焦点板251の上方にペンタプリズム252が設けられている。また、ペンタプリズム252とファインダー窓254との間には、接眼レンズ253が配置されている。このように、撮像装置1Aでは、接眼レンズ253、ペンタプリズム252およびクイックリターンミラーM1によって光学ファインダーが形成されている。
撮像装置1Aにおいてオートフォーカスを行う場合、クイックリターンミラーM1は、シャッターボタン(レリーズボタン)が撮影者によって全押しされるまで、光軸Lに対して45度の角度で傾斜した定常位置にあり、交換レンズ3の撮影光学系からの光学像を焦点板251へと向かわせる。そして、シャッターボタンが全押しされると、クイックリターンミラーM1は、枢支部21を中心として、ほぼ水平位置まで上方に回動(アップ)して交換レンズ3から撮像素子23に至る被写体光の光路(「撮影光路」とも称する)から待避する。
サブミラーM2は、クイックリターンミラーM1に部分的に設けられたハーフミラー部を透過した光学像を、位相差AFモジュール(単に「AFモジュール」とも称する)26に向かわせる。
AFモジュール26は、被写体のピント情報を検出する測距素子等からなる所謂AFセンサとして構成されている。具体的には、AFモジュール26は、撮影領域に設定された測距エリア(「フォーカスエリア」または「AFエリア」とも称する)における被写体からの光を受光して、被写体像の合焦度合いに応じた位相差検出信号を出力する位相差検出機能を有している。AFモジュール26から出力された位相差検出信号は、後述の全体制御部101に入力され、合焦時の撮影レンズ位置を特定する合焦レンズ位置特定動作に用いられる。
また、撮像装置本体2には、ペンタプリズム252の後方で被写体の光量を測定する測光センサ27が設けられるとともに、撮像素子23の出力に基づいて得られた画像を表示する液晶ディスプレイ(LCD)等の表示部28が設けられている。
[1−2.機能ブロック]
次に、撮像装置1Aの機能の概要について説明する。図5は、撮像装置1Aの機能構成を示すブロック図である。
次に、撮像装置1Aの機能の概要について説明する。図5は、撮像装置1Aの機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、撮像装置1Aは、位相差AFモジュール(以下、単にAFモジュールとも称する)26、測光センサ27、操作部80、シャッター22、撮像素子23、A/D変換回路52、デジタル信号処理回路50、画像メモリ56、および全体制御部101等を備える。
測光センサ27は、被写体像の明るさ、換言すれば、被写体からの光の強度を測定する機能を有している。測光センサ27の出力に基づいてAE制御動作が行われ、撮影画像の明るさが調整される。
操作部80は、シャッターボタンを含む各種ボタンおよびスイッチ等を備えて構成される。操作部80に対するユーザーの入力操作に応答して、全体制御部101が各種動作を実現する。
撮像素子23は、その撮像面で受光された被写体像を光電変換作用により電気的信号に変換して、本撮影画像に係る画像信号を生成する。撮像素子23は、撮影画像取得用のセンサ(イメージセンサ)であるとも表現される。
撮像素子23は、タイミング制御回路(不図示)から入力される駆動制御信号(蓄積開始信号および蓄積終了信号)に応答して、受光面(撮像面)に結像された被写体像の露光(光電変換による電荷蓄積)を行い、当該被写体像に係る画像信号を生成する。
撮像素子23で取得された画像信号(アナログ信号)はA/D変換回路52によってデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された画像信号は、デジタル信号処理回路50に入力される。
デジタル信号処理回路50は、A/D変換回路52から入力される画像信号に対してデジタル信号処理を行う。具体的には、黒レベル補正処理、ホワイトバランス(WB)処理、γ補正処理およびシェーディング補正処理等の信号処理を行う。当該信号処理後の画像信号(画像データ)は、画像メモリ56に格納される。
画像メモリ56は、生成された画像データを一時的に記憶するための、高速アクセス可能な画像メモリであり、複数フレーム分の画像データを記憶可能な容量を有する。
本撮影時には、画像メモリ56に一時記憶される画像データは、全体制御部101において適宜画像処理(圧縮処理等)が施された後、メモリカード90に記憶される。
全体制御部101は、マイクロコンピュータとして構成され、主にCPU、メモリ、およびROM等を備える。全体制御部101は、ROM内に格納されるプログラムを読み出し、当該プログラムをCPUで実行することによって、各種機能を実現する。
全体制御部101は、上述のプログラムの実行によって、レンズデータ取得部111、絞り開度取得部112、および口径食データ算出部120等を機能的に実現する。
レンズデータ取得部111は、交換レンズ3のレンズ側制御部30と通信して、ROM35に格納されたレンズデータを取得する。
絞り開度取得部112は、レンズ側制御部30と通信して、絞り駆動部34によって検出された現在の絞り開度を取得する。
口径食データ算出部120は、レンズデータ取得部111によって取得された絞り32開放時の口径食データと、絞り開度取得部112によって取得された現在の絞り開度とに基づいて、現在の絞り開度における口径食データを算出する。
このように、口径食データ算出部120では、現在の絞り開度における口径食データが算出されるが、当該算出には、口径食データ算出部120で機能的に実現される第1変化情報取得部121と、第2変化情報取得部122と、断面情報取得部123と、光量比算出部124とが用いられる。
第1変化情報取得部121は、絞り開度に応じた光束断面の変化に関する第1変化情報を取得する。
第2変化情報取得部122は、レンズデータ取得部111によって取得された絞り開放時の口径食データに基づいて、像高に応じた口径食による光束断面の変化に関する第2変化情報を取得する。
断面情報取得部123は、第1変化情報と第2変化情報とに基づいて、現在の絞り開度の特定像高における光束断面の断面情報を取得する。
光量比算出部124は、断面情報取得部123によって取得された断面情報に基づいて、現在の絞り開度の特定像高における口径食データを演算する。
上記各機能部121〜124を有する口径食データ算出部120によって算出された、現在の絞り開度における口径食データは、デジタル信号処理回路50において画像データのシェーディング補正に用いられる。
なお、口径食データ算出部120を有する全体制御部101を備えた撮像装置本体2は、口径食データ算出装置としても機能する。
[1−3.口径食データ算出動作]
次に、撮像装置1Aで実行される、口径食データの算出動作について説明する。図6は、撮像装置1Aで実行される口径食データ算出動作のフローチャートである。図7、図8、および図9は、光束断面の変化の様子を示す図である。
次に、撮像装置1Aで実行される、口径食データの算出動作について説明する。図6は、撮像装置1Aで実行される口径食データ算出動作のフローチャートである。図7、図8、および図9は、光束断面の変化の様子を示す図である。
上述のように、レンズ保持枠31vによって入射光の一部がけられると口径食が発生し、照度が低下することになる。そこで、本実施形態の撮像装置1Aでは、口径食データ算出動作によって、絞り32を開放したときの口径食データを用いて絞り非開放のときの口径食データが取得される。そして、取得された口径食データに基づいて、シェーディング補正が行われる。なお、以下では、開放絞りがF1.4であって、図4に示される口径食データを有する交換レンズ3において、絞りがF2.0のときの特定像高13mmにおける口径食データを取得する場合をモデルケースにして説明する。
図6に示されるように、口径食データ算出動作では、まず、ステップSP1において、レンズデータ取得部111によって交換レンズ3の開放F値が取得される。上記モデルケースでは、交換レンズ3に記憶された開放絞りがF1.4であることから、撮像装置本体2は、交換レンズ3から開放F値としてF1.4を取得する。
ステップSP2では、絞り開度取得部112によって現在の絞り開度(実効絞り値)が取得される。上記モデルケースでは、撮像装置本体2は、交換レンズ3から現在の絞り開度としてF2.0を取得する。
ステップSP3では、第1変化情報取得部121によって、絞り開度に応じた光束断面の変化に関する第1変化情報が取得される。
具体的には、当該ステップSP3では、図7に示されるように、像高0mmにおける絞り開放時の光束断面が半径「1」の円CR1にモデル化される。そして、開放F値「Fk」を現在の絞り開度「Fr」で除することにより、実効絞り時の絞り開放時に対する光束断面の半径比「Ra」が算出される。なお、算出された半径比「Ra」は、円CR1の形状を特定するパラメータとしての半径「1」に対する比であるとも表現できる。
上記モデルケースでは、開放F値「1.4」が現在の絞り開度「2.0」で除されて、半径比Ra=0.7が算出される。当該半径比「0.7」は、像高0mmにおける実効絞りF2.0のときの光束断面が、図7に示されるような半径0.7の円CR2であることを示している。
このように光束断面の半径比を算出することによれば、絞り開度に応じた光束断面の変化を特定することができ、光束断面の半径比が、絞り開度に応じた光束断面の変化に関する第1変化情報として取得される。
次のステップSP4では、レンズデータ取得部111によって、絞り開放時の口径食データが交換レンズ3から取得される。
ステップSP5では、第2変化情報取得部122によって、絞り開放時の口径食データに基づいて、像高に応じた口径食による光束断面の変化に関する第2変化情報が取得される。
具体的には、当該ステップSP5では、図8に示されるように、絞り開放時の像高0mmにおける光束断面は半径「1」の円CR1にモデル化され、口径食の影響を受けて光束断面がけられた場合、縦方向のみのけられによって円CR1が楕円になると想定される。そして、絞り開放時の特定像高における口径食データに基づいて、絞り開放時の特定像高における楕円光束断面の形状が特定される。
より詳細には、図4に示されるように、像高13mmの光量比は0.5であることから、絞り開放時の像高13mmにおける光束断面の面積(光束断面積)は、「0.5π」であると推定できる。ここで、口径食によってけられる光束断面は、楕円であるとの上記想定に基づくと、図8に示されるように、像高0mmでは面積「π」の円CR1であった光束断面は、像高13mmでは面積「0.5π」の楕円DE1になったことになる。楕円DE1は、半径「1」の円CR1が縦方向のみけられることによって生じる上下左右対称の形状であることから、楕円DE1の長半径(長辺)と短半径(短辺)との比は1:0.5となる。すなわち、絞り開放時の像高13mmにおける楕円光束断面では、短半径の長半径に対する比(「短半径比」とも称する)は、「0.5」となる。なお、楕円DE1の長半径は、基準モデルとしての円CR1の半径と等しいことから、短半径比「0.5」は、円CR1の形状を特定するパラメータとしての半径「1」に対する比であるとも表現できる。
このように、ステップSP5では、絞り開放時の像高に応じた口径食による光束断面の変化が特定され、絞り開放時の特定像高における楕円光束断面の短半径比が、像高に応じた口径食による光束断面の変化に関する第2変化情報として取得される。
ステップSP6では、断面情報取得部123によって、第1変化情報と第2変化情報とに基づいて、現在の絞り開度の特定像高における光束断面が口径食の影響を受けるか否かが判定される。具体的には、実効絞り時の絞り開放時に対する光束断面の半径比と、絞り開放時の特定像高における楕円光束断面の短半径比とが比較される。当該比較により、半径比が短半径比よりも小さかった場合は、光束断面への口径食の影響はないものとして、実効絞り時の像高0mmにおける光束断面が絞り開放時の特定像高における光束断面として特定され、当該光束断面の断面情報が取得される。そして、動作工程は、ステップSP8に移行される。
一方、半径比が短半径比よりも大きかった場合は、光束断面は口径食の影響を受けるものとして、動作工程は、ステップSP7に移行される。
ステップSP7では、断面情報取得部123によって、第2変化情報に基づいて、現在の絞り開度の特定像高における光束断面の断面情報が取得される。具体的には、実効絞り時の像高0mmにおける光束断面の形状が、絞り開放時の特定像高における楕円光束断面の形状に基づいて変形され、現在の絞り開度の特定像高における光束断面が特定され、当該光束断面の断面情報が取得される。
より詳細には、実効絞りF2.0のときの像高0mmにおける光束断面が半径0.7の円CR2であり、絞り開放時の像高13mmにおける光束断面が短半径比「0.5」の楕円DE1であった場合を例にして説明する。この場合、図9に示されるように、実効絞りF2.0のときの像高0mmにおける円CR2を基準にすると、実効絞りF2.0のときの像高13mmにおける光束断面KD2は、0mmから13mmへの像高の変化に応じた口径食によって、円CR2の縦方向の幅(縦幅)を狭めた楕円DE2となる。すなわち、絞り開放時の像高13mmにおける光束断面の短半径比「0.5」は、実効絞りF2.0のときの像高13mmにおける光束断面KD2の短半径として採用される。すなわち、実効絞りF2.0のときの像高13mmにおける光束断面KD2は、長半径0.7、短半径0.5の楕円DE2と特定され、特定された光束断面の情報(ここでは、長半径0.7、短半径0.5の楕円DE2)が、断面情報として取得される。
このように、ステップSP6およびステップSP7では、断面情報取得部123によって、第1変化情報と第2変化情報とに基づいて、現在の絞り開度の特定像高における光束断面の断面情報が取得される。
なお、絞りによる光束断面の変化と口径食による光束断面の変化とは、それぞれ独立した要因によって生じる変化であることから、ステップSP7の工程は、口径食による光束断面の変化が、絞りによる光束断面の変化量に収まらないときに実行されるとも表現できる。
ステップSP8では、光量比算出部124によって、現在の絞り開度の特定像高における光束断面に関する断面情報に基づいて現在の絞り開度の特定像高における光量比が算出される。現在の絞り開度の特定像高における光量比は、現在の絞り開度の特定像高における光量の、像高0mmにおける光量に対する比として与えられる。
例えば、図9に示されるように、実効絞りF2.0のときの像高0mmにおける光束断面KD1と、実効絞りF2.0のときの像高13mmにおける光束断面KD2との面積比が0.49:0.35であった場合は、実効絞りF2.0のときの像高13mmにおける光量比は、0.35/0.49=0.71となる。
ステップSP9では、口径食データ算出動作を終了するか否かが判定される。口径食データ算出動作の終了判定は、例えば、交換レンズ3に記録された絞り開放時の口径食データの各像高に応じた実効絞り時の光量比が算出されたか否かに基づいて行うことができる。各像高(ここでは、像高7mm,10mm,13mm)に応じた実効絞り時の光量比が算出されたと判定された場合、口径食データ算出動作は終了される。一方、各像高に応じた実効絞り時の光量比が算出されていないと判定された場合、動作工程はステップSP5に移行され、各像高に応じた実効絞り時の光量比が算出されるまで、ステップSP5〜ステップSP9の処理が繰り返し実行される。
また、このような口径食データ算出動作では、光学系を通過した光束の光束断面が所定形状にモデル化され、所定形状の光束断面を用いて口径食データが算出されるとも見ることができる。図10は、口径食データ算出動作の概念図である。
具体的には、絞り開放時の像高0mmにおける光束断面が半径「1」の円CR1にモデル化されるとともに、口径食の影響を受けた光束断面は、円CR1の縦方向のみがけられた楕円であるとモデル化される。
そして、円CR1の基準モデルに基づいて、絞りによる光束断面の変化を考慮した、実効絞り時(図10では、F2.0)の像高0mmにおける光束断面KD1が特定される(ステップSP3)。また、円CR1の基準モデルに基づいて、口径食による光束断面の変化を考慮した、絞り開放時の特定像高(図10では、13mm)における楕円光束断面KD0が特定される(ステップSP5)。
さらに、光束断面KD1から取得される第1変化情報と、楕円光束断面KD0から取得される第2変化情報とに基づいて、現在の絞り開度の特定像高における所望の光束断面KD2が特定され、所望の光束断面KD2から取得される情報に基づいて現在の絞り開度の特定像高における口径食データが演算される。
以上のような構成を有する撮像装置1Aによれば、絞り開放時の口径食データのみを利用できる場合においても、現在の絞り開度における口径食データを算出することができるので、実際の絞り開度に応じたシェーディング補正を実現することが可能になる。
また、第1変化情報および第2変化情報は、絞り開放時の像高0mmにおける光束断面をモデル化した円CR1のパラメータに対する比として表されることから、第1変化情報および第2変化情報を用いた動作における演算量を減少させることができる。
<2.第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態に係る撮像装置1Aでは、口径食によってけられる光束断面が上下左右対称の楕円形状にモデル化されていたが、第2実施形態に係る撮像装置1Bでは、口径食によってけられる光束断面が左右対称かつ上下非対称の略楕円形状にモデル化される。なお、撮像装置1Bは、口径食によってけられる光束断面のモデル形状を変更する点以外は、撮像装置1Aとほぼ同様の構造および機能(図1〜図5参照)を有しており、共通する部分については同じ符号を付して説明を省略する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態に係る撮像装置1Aでは、口径食によってけられる光束断面が上下左右対称の楕円形状にモデル化されていたが、第2実施形態に係る撮像装置1Bでは、口径食によってけられる光束断面が左右対称かつ上下非対称の略楕円形状にモデル化される。なお、撮像装置1Bは、口径食によってけられる光束断面のモデル形状を変更する点以外は、撮像装置1Aとほぼ同様の構造および機能(図1〜図5参照)を有しており、共通する部分については同じ符号を付して説明を省略する。
上述のように、撮像装置1Bでは、口径食によってけられる光束断面が左右対称であって、上下非対称の略楕円形状とされる。上下非対称の度合いは、交換レンズ3のROM35に予め記憶されていてもよく、撮像装置本体2において設定可能としてもよい。ここでは、略楕円の上部と下部とは、3:1の割合でけられるものとする。
以下では、このようなモデルを用いた場合の口径食データ算出動作について説明する。なお、撮像装置1Bにおける口径食データ算出動作では、図6に示される撮像装置1Aの口径食データ算出動作とほぼ同様の動作工程(ステップSP1〜ステップSP9)が実行されるので、ここでは相違点を中心に説明する。
具体的には、ステップSP1〜ステップSP4では、上述の動作工程と同じ内容の処理が実行される。
ステップSP5では、図11に示されるように、絞り開放時の像高0mmにおける光束断面は半径「1」の円CR1であるとされ、口径食の影響を受けて光束断面がけられた場合、縦方向のみのけられによって円CR1が左右対称かつ上下非対称の略楕円になると想定される。そして、絞り開放時の特定像高における口径食データに基づいて、絞り開放時の特定像高における略楕円光束断面の形状が特定される。
より詳細には、図4に示されるように、像高13mmの光量比は0.5であることから、絞り開放時の像高13mmにおける光束断面の面積(光束断面積)は、「0.5π」であると推定できる。ここで、口径食によってけられる光束断面は、略楕円であるとの上記想定に基づくと、図11に示されるように、像高0mmでは面積「π」の円CR1であった光束断面は、像高13mmでは面積「0.5π」の略楕円DR1になったことになる。また、略楕円DR1は、半径「1」の円CR1が縦方向のみけられる上下非対称の形状であり、そのけられ度合いは、略楕円の上部と下部とで3:1の割合であることから、長半径と短半径との比は、略楕円DR1の上部では1:0.25となり、略楕円DR1の下部では1:0.75となる。すなわち、絞り開放時の像高13mmにおける略楕円光束断面では、短半径の長半径に対する比(「短半径比」とも称する)は、略楕円DR1の上部では「0.25」となり、略楕円DR1の下部では「0.75」となる。
このように、ステップSP5では、絞り開放時の像高に応じた口径食による光束断面の変化が特定され、絞り開放時の特定像高における略楕円光束断面の2つの短半径比が、像高に応じた口径食による光束断面の変化に関する第2変化情報として取得される。
次のステップSP6では、断面情報取得部123によって、第1変化情報と第2変化情報とに基づいて、現在の絞り開度の特定像高における光束断面が口径食の影響を受けるか否かが判定される。具体的には、実効絞り時の絞り開放時に対する光束断面の半径比と、絞り開放時の特定像高における略楕円光束断面の短半径比とが比較される。半径比と短半径比との比較は、略楕円DR1の上部に関する短半径比、および略楕円DR1の下部に関する短半径比それぞれについて行われる。
当該比較により、半径比がどちらの短半径比よりも小さかった場合は、光束断面への口径食の影響はないものとして、実効絞り時の像高0mmにおける光束断面が絞り開放時の特定像高における光束断面として特定され、当該光束断面の断面情報が取得される。そして、動作工程は、ステップSP8に移行される。
一方、半径比がどちらかの短半径比よりも大きかった場合は、光束断面は口径食の影響を受けるものとして、動作工程は、ステップSP7に移行される。
ステップSP7では、断面情報取得部123によって、第1変化情報と第2変化情報とに基づいて、現在の絞り開度の特定像高における光束断面の断面情報が取得される。具体的には、実効絞り時の像高0mmにおける光束断面の形状が、絞り開放時の特定像高における楕円光束断面の形状に基づいて変形され、現在の絞り開度の特定像高における光束断面が特定され、当該光束断面の断面情報が取得される。
より詳細には、実効絞りF2.0のときの像高0mmにおける光束断面が半径0.7の円CR2であり、絞り開放時の像高13mmにおける光束断面が上下非対称の略楕円DR1であった場合を例にして説明する。この場合、図12に示されるように、実効絞りF2.0のときの像高0mmにおける円CR2を基準にすると、実効絞りF2.0のときの像高13mmにおける光束断面KD12は、0mmから13mmへの像高の変化に応じた口径食によって、円CR2の縦方向の幅(縦幅)を狭めた略楕円DR2となる。すなわち、絞り開放時の像高13mmにおける光束断面の上部の短半径比「0.25」は、実効絞りF2.0のときの像高13mmにおける光束断面KD12の上部の短半径として採用される。一方、絞り開放時の像高13mmにおける光束断面の下部の短半径比「0.75」は、実効絞りF2.0のときの像高0mmにおける光束断面KD11の半径比「0.7」よりも大きいため、光束断面KD12の下部の短半径としては採用されない。
すなわち、実効絞りF2.0のときの像高13mmにおける光束断面KD12は、長半径0.7、短半径0.25の半楕円と、長半径0.7、短半径0.7の半楕円とを上下に組み合わせた略楕円DR2と特定される。そして、特定された光束断面の情報(ここでは、長半径0.7、短半径0.25の半楕円と、長半径0.7、短半径0.7の半楕円とを組み合わせた略楕円DR2)が、断面情報として取得される。
このように、ステップSP6およびステップSP7では、断面情報取得部123によって、第1変化情報と第2変化情報とに基づいて、現在の絞り開度の特定像高における光束断面の断面情報が取得される。
ステップSP8では、光量比算出部124によって、実効絞り時の特定像高における光束断面に関する断面情報に基づいて実効絞り時の特定像高における光量比が算出される。実効絞り時の特定像高における光量比は、実効絞り時の特定像高における光量の、像高0mmにおける光量に対する比として与えられる。
例えば、図12に示されるように、実効絞りF2.0のときの像高0mmにおける光束断面KD11と、実効絞りF2.0のときの像高13mmにおける光束断面KD12との面積比が0.49:0.33であった場合は、実効絞りF2.0のときの像高13mmにおける光量比は、0.33/0.49=0.67となる。
ステップSP9では、第1実施形態と同様に、口径食データ算出動作を終了するか否かが判定される。
以上のように、第2実施形態の撮像装置1Bは、口径食によるけられの状態をより忠実に反映したモデルを用いているので、より正確な実行絞り時の口径食データを算出することができる。ひいては、より高精度なシェーディング補正を実現することができる。
<3.変形例>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は、上記に説明した内容に限定されるものではない。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は、上記に説明した内容に限定されるものではない。
例えば、撮像装置本体2と交換レンズ3とを接続するアダプタが口径食データ算出部120を有する態様としてもよい。この場合、アダプタ、或いはアダプタおよび撮像装置本体2が、口径食データ算出装置として機能する。
また、上記各実施形態では、デジタル信号処理回路50において、画像データに対して直接シェーディング補正を行う態様としていたが、これに限定されない。
具体的には、測光センサ27の出力に対して口径食データに基づいたシェーディング補正を行い、シェーディング補正の施された測光センサ27の出力に基づいてAE制御動作を行う態様としてもよい。当該態様では、撮像素子23で取得される画像データに対して間接的にシェーディング補正が行われることになる。
1A,1B 撮像装置
2 撮像装置本体
3 交換レンズ
31 レンズ群
31v レンズ保持枠
33 レンズ駆動部
35 ROM
50 デジタル信号処理回路
111 レンズデータ取得部
112 絞り開度取得部
120 口径食データ算出部
121 第1変化情報取得部
122 第2変化情報取得部
123 断面情報取得部
124 光量比算出部
L 光軸
2 撮像装置本体
3 交換レンズ
31 レンズ群
31v レンズ保持枠
33 レンズ駆動部
35 ROM
50 デジタル信号処理回路
111 レンズデータ取得部
112 絞り開度取得部
120 口径食データ算出部
121 第1変化情報取得部
122 第2変化情報取得部
123 断面情報取得部
124 光量比算出部
L 光軸
Claims (6)
- 絞りを開放したときの光学系に関する口径食データを取得するデータ取得手段と、
前記絞りの開度を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された絞り開度と、前記絞りを開放したときの口径食データとに基づいて、前記絞り開度における口径食データを算出する口径食データ算出手段と、
を備える口径食データ算出装置。 - 前記口径食データ算出手段は、
光学系を通過した光束の光束断面の、前記絞り開度に応じた変化に関する第1の変化情報を取得する第1変化情報取得手段と、
前記データ取得手段によって取得された絞りを開放したときの口径食データに基づいて、像高に応じた口径食による前記光束断面の変化に関する第2の変化情報を取得する第2変化情報取得手段と、
前記第1の変化情報と前記第2の変化情報とに基づいて、前記絞り開度の特定像高における光束断面の情報を取得する断面情報取得手段と、
前記前記絞り開度の特定像高における光束断面の情報に基づいて、前記絞り開度の特定像高における口径食データを演算する演算手段と、
を有する請求項1に記載の口径食データ算出装置。 - 前記第1変化情報取得手段は、
絞りを開放したときの像高0mmにおける光束断面を所定形状にモデル化し、前記第1の変化情報を、前記所定形状を特定するパラメータに対する比として取得し、
前記第2変化情報取得手段は、
絞りを開放したときの像高0mmにおける光束断面を前記所定形状にモデル化し、前記第2の変化情報を前記パラメータに対する比として取得する請求項2に記載の口径食データ算出装置。 - 前記口径食データ算出手段は、
光学系を通過した光束の光束断面を所定形状にモデル化し、前記所定形状にモデル化された光束断面を用いて、前記絞り開度の特定像高における光束断面を特定する請求項1に記載の口径食データ算出装置。 - 絞りを開放したときの光学系に関する口径食データを取得するデータ取得手段と、
前記絞りの開度を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された絞り開度と、前記絞りを開放したときの口径食データとに基づいて、前記絞り開度における口径食データを算出する口径食データ算出手段と、
を備える撮像装置。 - a)絞りを開放したときの光学系に関する口径食データを取得する工程と、
b)前記絞りの開度を検出する工程と、
c)前記b)工程で検出された絞り開度と、前記絞りを開放したときの口径食データとに基づいて、前記絞り開度における口径食データを算出する工程と、
を備える口径食データ算出装置の動作方法。
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JP6017641B1 (ja) * | 2015-07-13 | 2016-11-02 | オリンパス株式会社 | 撮像装置,信号処理方法,信号処理プログラム |
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JP2003163826A (ja) * | 2001-11-27 | 2003-06-06 | Minolta Co Ltd | デジタルカメラおよび交換レンズ |
-
2009
- 2009-08-25 JP JP2009194107A patent/JP2011049638A/ja active Pending
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