JP2011049017A - 接点装置および電磁リレー - Google Patents

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Abstract

【課題】シャフトが挿通されるコイルばねからなる復帰ばねが座屈してシャフトに摺接した場合にシャフトに生じる摺動抵抗を低減する。
【解決手段】接点装置1は、器体30と、固定接点を備え器体30に固定された固定端子11と、固定接点に接離する可動接点を備えた可動接触子12と、棒状に形成され軸方向に移動することにより可動接触子12を移動させて接点を開閉するシャフト13と、シャフト13が挿通されるコイルばねから成り、器体30の定位置に固定されたストッパキャップ26に一端が支持されシャフト13に結合された可動鉄心22に他端が支持され可動鉄心22がストッパキャップ26側に移動することにより圧縮される復帰ばね14とを備える。復帰ばね14は、中心軸方向の中央部に当該当該中央部を挟んだ両部よりも直径が大きい大径部14aを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸方向に移動することで接点を開閉させるシャフトが挿通され接点の開閉に応じて圧縮される復帰ばねを備えた接点装置、および、接点装置を使用した電磁リレーに関するものである。
従来より、固定接点を備えた固定端子と、固定接点と接離する可動接点を備え固定接点と可動接点とを結ぶ方向に移動自在な可動接触子と、可動接触子を移動させて接点を開閉する軸方向に移動自在なシャフトとを有する接点装置が提供されている。
この種の接点装置は、シャフトが挿通されるコイルばねから成り、シャフトに外力が作用して可動接触子が固定端子に当接する位置と固定端子から離間する位置との一方から他方に移動すると圧縮されシャフトに外力が作用しなくなったときに弾性力により可動接触子を当該一方の位置に復帰させる復帰ばねを備える(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、図7に示すように、接点装置1と電磁石装置2とを備えた電磁開閉器が記載されている。電磁石装置2は、固定鉄心21と、シャフト13が結合されシャフト13の軸方向において固定鉄心21と対向する可動鉄心22と、固定鉄心21および可動鉄心22の周囲に巻回された励磁巻線33とを備えている。復帰ばね14は、シャフト13が挿通され且つ固定鉄心21の一面と可動鉄心22の一面とを支持座として両端が支持されるように配置されている。復帰ばね14は、可動鉄心22が固定鉄心21に吸引されると圧縮され、可動鉄心22が固定鉄心21に吸引されなくなると可動鉄心22を固定鉄心21から引き離して可動接触子12を元の位置に復帰させる。
ところで、特許文献1に記載された接点装置1では、復帰ばね14は、外形が円筒状に形成されている。円筒状に形成された復帰ばね14は、圧縮されたときに座屈することがある。復帰ばね14が座屈すると、復帰ばね14がシャフト13に摺接して、シャフト13に摺動抵抗が生じる。
外形を円筒状に形成した復帰ばね14よりも座屈が生じ難いコイルばねとして、図8に示すように、一部を円錐状に形成したコイルばね14’が提供されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載されたコイルばね14’は、円筒状の直線状部14b’と、円錐状の円錐状部14c’とを備えている。
特開2006−19148号公報 特開平11−072686号公報
特許文献2に記載されたコイルばね14’のように、復帰ばね14の一部を円錐状に形成すると、座屈が生じ難くなるが、軸方向の端部の直径が大きくなり、当該直径に応じた大きな支持座が必要になるという問題が生じる。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、復帰ばねの端部の直径を大きくすることなく、復帰ばねの座屈によりシャフトに生じる摺動抵抗を低減できる接点装置および電磁リレーを提供することにある。
請求項1の発明は、固定接点を備える固定端子と、固定接点と接離する可動接点を備え固定接点と可動接点とを結ぶ方向に移動自在な可動接触子と、固定接点および可動接触子を収容する器体と、可動接触子の移動方向に長い棒状に形成され、可動接触子を連続一体で移動させるシャフトと、シャフトが挿通されるコイルばねであって、器体の定位置に固定された支持部材に設けられる第1の支持座と、可動接触子とシャフトとの一方に連続一体に設けられる第2の支持座との間に挟まれるように配置され、圧縮されることにより可動接触子を固定端子に近づく向きと固定端子から離れる向きとの一方の向きに付勢する復帰ばねとを有し、復帰ばねは、中心軸方向の中央部が当該中央部を挟んだ両部よりも直径が大きく形成されていることを特徴とする。
請求項2の発明では、前記器体が気密空間を形成し、前記固定接点と前記可動接触子と前記シャフトと前記復帰ばねとが気密空間に封止されていることを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項2記載の接点装置と、前記シャフトが結合される電磁石装置とを有し、電磁石装置は、シャフトと結合される可動鉄心と、可動鉄心に当接して可動鉄心をシャフトの軸方向にガイドするガイド部材と、シャフトの軸方向において可動鉄心と対向するように器体の定位置に固定された固定鉄心と、固定鉄心および可動鉄心の周囲に巻回された励磁巻線とを備え、固定鉄心と可動鉄心とが前記気密空間に封止されていることを特徴とする。
本発明の構成によれば、復帰ばねは、中心軸方向の中央部が当該中央部を挟んだ両部よりも直径が大きく形成されているから、圧縮されて座屈した場合は、当該両部の2箇所でシャフトに摺接し、外形が円筒状に形成され座屈した場合に1箇所でシャフトに摺接するコイルばねに比べ、シャフトに及ぼす力を分散させることができ、その結果、端部の直径を大きくすることなく座屈した場合にシャフトに生じる摺動抵抗を低減できるという利点がある。
本実施形態の動作を説明する説明図である。 同上の水平断面図である。 同上の垂直断面図である。 同上の分解斜視図の一部である。 同上の分解斜視図の他の一部である。 同上を使用した電磁リレーを示す図であり、(a)は正面図で、(b)は側面図である。 従来例の断面図である。 他の従来例の平面図である。
以下では、本発明の接点装置1(図2参照)を電磁リレーに用いた例を説明する。電磁リレーは、接点装置1と電磁石装置2とを図4に示す矩形箱状のケース50に収納した構成を有する。図3の上下方向を上下方向として以下説明する。
接点装置1は、図2〜5に示すように、ケース50の下面の長手方向(図3における左右方向)に長い形状に形成されケース10に固定される器体30を備え、それぞれ固定接点(図示せず)を備えた一対の固定端子11を固定接点が器体30に収納されるように器体30の長手方向の壁(図3における左壁)にそれぞれ取り付け、当該長手方向において各固定接点の一方にそれぞれ対向するとともに各固定接点の一方にそれぞれ接離する一対の可動接点(図示せず)を備えた可動接触子12を移動自在に器体30に収納した構成を有する。可動接触子12は、両固定端子11間を短絡、または、開放する。
また、接点装置1は、器体30の長手方向に長い棒状に形成されるとともに器体30に収納され、後述するように軸方向に移動することにより可動接触子12を移動させるシャフト13を備える。つまり、接点装置1は、シャフト13が軸方向に移動することにより接点が開閉する構成を有する。
電磁石装置2は、器体30の長手方向の中央部に固定される固定鉄心21と、固定鉄心21を挟んで可動接触子12の反対側において器体30に収納され器体30の長手方向(すなわち、シャフト13の軸方向)に移動自在な可動鉄心22と、器体30の周囲であって、且つ、固定鉄心21および可動鉄心22の周囲(固定鉄心21と可動鉄心22とを結ぶ直線の周り)を囲むボビン27に巻装された励磁巻線23とを備えた構成を有する。
シャフト13は、固定鉄心21を貫通し、長手方向の一端部が可動鉄心22に結合される。つまり、電磁石装置2の可動鉄心22が移動することにより接点装置1の接点が開閉する。
器体30は、絶縁材料(例えば、セラミックスなどの耐熱および絶縁性を備えた材料)で一面が開放する箱状に形成されたベース31と、ベース31の開口面に開口面が対向し中心軸が器体30の長手方向に一致する有底筒状の筒状体32aを備えたプランジャキャップ32とを、継鉄板24とフランジ33とを用いて接続した構成を有する。
ベース31は、一対の固定端子11の一方がそれぞれ挿通される一対の円形状の挿通孔31aが底壁(図2における左壁)に貫設される。
固定端子11は、円柱状に形成された円柱状体11aと、円柱状体11aの周面における中心軸方向の中央部を囲み円柱状体11aと一体に形成されたリング状の当接片11bとを備える。固定端子11は、円柱状体11aの中心軸方向の一端部に固定接点が設けられ、他端部は、基板(図示せず)に実装される主端子53と結合される。固定端子11は、固定接点が設けられた端部がベース31に設けた挿通孔31aに挿通され、当接片11bがベース31の底壁に固着される。本実施形態では、当接片11bは、リング状に形成されたフランジ35と、リング状に形成された銀ろうから成る固着部材36、37によりベース31の底壁に固着される。すなわち、フランジ35は、固着部材36、37により、それぞれ固定端子11の当接片11bとベース31の底壁(挿通孔31aの周壁)とに固着される。固定端子11の当接片11bとフランジ35と固着部材36とがそれぞれリング状に形成されることにより、ベース31の挿通孔31aが固定端子11により閉塞される。
プランジャキャップ32は、筒状体32aの周面における開口側の端部を囲み筒状体32aと一体に形成されたリング状の鍔片32bを備える。鍔片32bには、継鉄板24の厚み方向の一面が全面に亘って当接する。
継鉄板24は、矩形状に形成され、プランジャキャップ32の内部空間とベース31の内部空間とを連通する連通孔24aが中央部に貫設される。継鉄板24は、例えば溶接により、プランジャキャップ32の鍔片32bの全面に亘って固着される。
フランジ33は、継鉄板24の厚み方向の面(プランジャキャップ32の鍔片32bに当接する側とは反対側の面)の縁端部に全周に亘って当接する矩形枠状の継鉄側枠状片33aと、継鉄側枠状片33aと段差を介して繋がりベース31の側壁の先端面に厚み方向の面が全周に亘って固着されるベース側枠状片33bとを備える。フランジ33は、例えば、板状の金属枠を絞って形成する。本実施形態では、フランジ33のベース側枠状片33bは、枠状に形成した銀ろうから成る固着部材34により、ベース31の側壁の先端面の全面に亘って固着される。また、フランジ33の継鉄側枠状片33aは、例えば溶接により、継鉄板24の縁端部に全周に亘って固着される。
上述のように、ベース31の挿通孔31aは固定端子11により閉塞され、ベース31の側壁の先端面とプランジャキャップ32の鍔片32bとは、継鉄板24とフランジ33とにより全周に亘って結合されるから、器体30により気密空間が形成され、その結果、固定接点と可動接触子12とが気密空間に封止される。器体30には、接点に生じるアークを短時間で消弧する気体(例えば、水素)が封入される。
可動接触子12は、厚み方向が固定端子11の円柱状体11aの中心軸方向に一致する板状に形成される。各可動接点は、可動接触子12の厚み方向の面(固定端子11側の面)にそれぞれ設けられ、各固定接点の一方に、当該厚み方向においてそれぞれ対向する。
可動接触子12における一対の可動接点の中間部(図2における上下方向の中間部)には、シャフト13が挿通されるシャフト孔12aが貫設される。
シャフト13は、軸方向の一端部がプランジャキャップ26に収納され、他端部が可動接触子12に設けたシャフト孔12aに挿通される形で器体30に収納される。シャフト13の他端部には、可動接触子12の支持用の支持片13aが周面から突出する形で設けられる。
本実施形態では、シャフト13に設けた支持片13aと、シャフト13が挿通され一端が可動接触子12の厚み方向の面(可動接点が設けられた側とは反対側の面)に当接するコイルばねから成る接圧ばね15と、継鉄板24に固着された後述のストッパキャップ26を用いて器体30に固定され接圧ばね15の他端を支持するホルダ16とを用いて、可動接触子12を移動させる。以下、具体的に説明する。
ホルダ16は、シャフト13が挿通されるシャフト孔16aが貫設され厚み方向の一面に接圧ばね15が当接する板状の基片16bを備える。基片16bの当該一面には、接圧ばね15の端部が内側に嵌まる円環状の嵌合突起16dが突設され、他面には、ストッパキャップ26が内側に圧入される矩形枠状の嵌合突起16cが突設される。
可動接触子12の厚み方向の一面(可動接点が設けられた側とは反対側の面)には、接圧ばね15の端部が嵌まる嵌合凹所12bが凹設される。可動接触子12は、接圧ばね15により固定端子11に向かって付勢される。つまり、可動接触子12は、シャフト13の支持片13aに当接しているときは支持片13aに押圧され、固定端子11に当接して支持片13aに当接していないときは、固定端子11に押圧される。したがって、可動接触子12は、シャフト13の支持片13aに押圧されているときは、シャフト13と連続一体であってシャフト13とともに移動する。
ところで、本実施形態では、接点装置1は、接点に生じるアークの消弧用として、ベース31の互いに対向する一対の側壁の外側面(図3における上下両面)の一方に厚み方向の面がそれぞれ当接する矩形板状の一対の永久磁石17と、鉄などの磁性金属材料でコの字状に形成され互いに対向する一対の腕片18aの一方が一対の永久磁石17の一方をそれぞれベース31の前記側壁に押圧する形でベース31に取着されるカプセルヨーク18とを備える。カプセルヨーク18の一対の腕片18aの互いに対向する対向面には、永久磁石17の4つの側面の1つにそれぞれ当接して永久磁石17の位置決めを行う4個の位置決め突起18bがそれぞれ突設される。
一対の永久磁石17は、異極が互いに対向するように配置される。したがって、永久磁石17とカプセルヨーク18とによりベース31内に形成される磁界の向きは、可動接触子12の移動方向と直交し、当該磁界によりアークを引き伸ばす力がアークに作用し、アークが短時間で消弧する。
次に、電磁石装置2について説明する。固定鉄心21は、円柱状に形成され中心軸部にシャフト13が挿通されるシャフト孔21cが貫設された円柱状体21aと、円柱状体21aの周面における軸方向の端部を囲み円柱状体21aと一体に形成されたリング状の鍔片21bとを備える。鍔片21bには、リング状に形成された鉄心ゴム42が鍔片21bを囲むように取着される。
固定鉄心21は、鍔片21bが設けられた端部がプランジャキャップ32から露出し且つ鉄心ゴム42が継鉄板24に当接するように配置され、継鉄板24に固着されるストッパキャップ26を用いて継鉄板24に固定される。
ストッパキャップ26は、シャフト13が挿通されるシャフト孔26cが貫設されるとともに継鉄板24とともに鉄心ゴム42を挟む矩形板状の中央片26aと、中央片26aの長手方向の両端の一方とそれぞれ段差を介して繋がる中央片26aにそれぞれ平行な一対の取付片26bとを備え、一対の取付片26bがそれぞれ継鉄板24に固着されることで固定鉄心31を継鉄板24に固定する。ストッパキャップ26は、例えば、金属板を折り曲げて形成する。
また、ストッパキャップ26は、中央片26aがホルダ16に設けた矩形枠状の嵌合突起16cの内側に圧入されることで、固定鉄心21とは反対側にホルダ16を固定する。
可動鉄心22は、直径がプランジャキャップ32の内径と略同一寸法に設定された円柱状に形成されるとともにプランジキャップ32に収納され、径方向の移動がプランジャキャップ32により規制される。つまり、プランジャキャップ32は、可動鉄心22をガイドするガイド部材になっている。プランジャキャップ32の内底面には、可動鉄心22が当該内底面に衝突することを防止する円板状のダンパゴム41が着設される。
可動鉄心22の中心軸部には、シャフト13の前記一端部(支持片13aが設けられた側とは反対側の端部)が貫装される取付孔22aが貫設される。
ボビン27は、中空円筒状に形成されプランジャキャップ26が挿入される筒状体27aを備え、筒状体27の外周面に励磁巻線23が巻回される構成を有する。プランジャキャップ32の中心軸方向の端部(底側の端部)とボビン27との間には隙間が設けられ、当該隙間に円筒状のブッシュ43が圧入される。
また、ボビン27の筒状体27aの外周面における中心軸方向の中央部からは、励磁巻線23の両端の一方がそれぞれ接続される一対の端子片54がそれぞれ先端から突出する取付片27bが突設される。
継鉄板24は、コの字状に形成され互いに対向する一対の腕片25aの先端部に継鉄板24の両端部の一方が嵌まる嵌合切欠25bがそれぞれ設けられた継鉄板25とともに枠体を形成し、励磁巻線23を囲む。継鉄板24,25は、固定鉄心21および可動鉄心22とともに、閉ループ状の磁路を形成する。一対の腕片25aを繋ぐ中央片25cには、ブッシュ43の端部が嵌る嵌合孔25dが貫設される。
ところで、接点装置1は、シャフト13が挿通されるコイルばねから成る復帰ばね14を備える。復帰ばね14は、固定鉄心21に設けたシャフト孔21cに挿通され、器体30に固定された支持部材であるストッパキャップ26の中央片26aの固定鉄心21側の面を第1の支持座26dとして一端が支持され、シャフト13と結合された可動鉄心22の固定鉄心21側の面を第2の支持座22bとして他端が支持された形で器体30に収納される。復帰ばね14は、圧縮されることにより可動鉄心22を固定鉄心21から離れる向き(図2における右向き)に付勢する。
上述したように、接圧ばね15は、可動接触子12を固定端子11側(図2における左向き)に付勢する。したがって、可動接触子12が固定端子11から離間しシャフト13の支持片13aに当接しているときは、接圧ばね15と復帰ばね14とは、互いに反対向きに可動接触子12を付勢する。
ここに、復帰ばね14は、接圧ばね15が可動接触子12を付勢する力よりも大きな力で可動接触子12を付勢するように、長さやばね定数が設定される。したがって、可動接触子12は、励磁巻線23が通電されていないときは、固定端子11から離間した位置にある。
接点装置1と電磁石装置2とは、ケース50に、上述の一対の主端子53と一対の端子片54とがそれぞれケース50の一面(図4における下面)から突出するように収納される。ケース50は、図4に示すように、板状の下ケース51と、一面(図における下面)が開放された上ケース52とで形成される。下ケース51の厚み方向の一面(図4における上面)には、一対の主端子53の一方が挿通される取付孔51aが貫設された一対の取付突起51bと、一対の端子片54の一方がそれぞれ挿通される一対の取付孔51cが貫設された取付突起51dとが突設される。つまり、接点装置1と電磁石装置2とは、主端子53と端子片54とによりケース10に固定される。
図2、3を参照して動作について説明する。励磁巻線23への通電が行われていないときは、上述したように可動接触子12は固定端子11から離間した位置にあって、両固定端子11間が開放している。励磁巻線23への通電が行われ可動鉄心22が固定鉄心21に吸引されて可動接触12が両固体端子11に当接すると、両固定端子11間が短絡するとともに、復帰ばね14が圧縮される。励磁巻線23への通電が停止すると、復帰ばね14の弾性力によりシャフト13が移動して可動接触子12が両固定端子11から離れ、両固定端子11間が開放する。
ところで、本実施形態では、コイルばねからなる復帰ばね14の中心軸方向の中央部に、当該中央部を挟んだ両部よりも直径が大きい大径部14aを設けた構成を採用している。
復帰ばね14は、可動鉄心22が固定鉄心21に吸引されて圧縮されると座屈することがあるが、上述したように復帰ばね14に大径部14aを設けたことにより、図1に示すように、座屈してシャフト13に当接する場合は、大径部14aを挟んだ両部がそれぞれシャフト13に当接する。したがって、本実施形態では、復帰ばね14は座屈した場合に2箇所でシャフト13に当接し、外形が円筒状に形成され座屈した場合に1箇所でシャフト13に当接する復帰ばねに比べ、シャフト13に及ぼす力を分散させることができ、その結果、両端の直径を大きくすることなく、座屈した場合にシャフト13に生じる摺動抵抗を低減することができる。摺動抵抗を低減できるから、可動接触子12の移動速度の低下を抑えることができ、その結果、座屈が生じた場合のアークの消弧時間の増加を抑えることができる。
また、上述したように、固定端子11における固定接点が設けられた端部と、可動接触子12と、シャフト13と、復帰ばね14と、固定鉄心21および可動鉄心22とを器体30に収納するとともに、器体30により形成した気密空間にアークの発生を抑える気体を封入したことにより、座屈が生じた場合のアークの消弧時間の増加を抑えることができることに加えて、アークの発生を抑えることができる。
なお、本実施形態では、接点が気密空間に封止された封止接点装置を説明したが、接点が気密空間に封止されない接点装置にも本発明を用いることができる。
また、本実施形態では接点装置1を電磁リレーに用いた例を説明したが、電磁リレーに用途を限定する主旨ではない。
1 接点装置
2 電磁石装置
11 固定端子
12 可動接触子
13 シャフト
14 復帰ばね
21 固定鉄心
22 可動鉄心
23 励磁巻線
26 ストッパキャップ(支持部材)
30 器体
31 ベース
32 プランジャキャップ(ガイド部材)

Claims (3)

  1. 固定接点を備える固定端子と、固定接点と接離する可動接点を備え固定接点と可動接点とを結ぶ方向に移動自在な可動接触子と、固定接点および可動接触子を収容する器体と、可動接触子の移動方向に長い棒状に形成され、可動接触子を連続一体で移動させるシャフトと、シャフトが挿通されるコイルばねであって、器体の定位置に固定された支持部材に設けられる第1の支持座と、可動接触子とシャフトとの一方に連続一体に設けられる第2の支持座との間に挟まれるように配置され、圧縮されることにより可動接触子を固定端子11に近づく向きと固定端子から離れる向きとの一方の向きに付勢する復帰ばねとを有し、復帰ばねは、中心軸方向の中央部が当該中央部を挟んだ両部よりも直径が大きく形成されていることを特徴とする接点装置。
  2. 前記器体は、気密空間を形成し、前記固定接点と前記可動接触子と前記シャフトと前記復帰ばねとは、気密空間に封止されていることを特徴とする請求項1記載の接点装置。
  3. 請求項2記載の接点装置と、前記シャフトが結合される電磁石装置とを有し、電磁石装置は、シャフトと結合される可動鉄心と、可動鉄心に当接して可動鉄心をシャフトの軸方向にガイドするガイド部材と、シャフトの軸方向において可動鉄心と対向するように器体の定位置に固定された固定鉄心と、固定鉄心および可動鉄心の周囲に巻回された励磁巻線とを備え、固定鉄心と可動鉄心とが前記気密空間に封止されていることを特徴とする電磁リレー。
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