JP2011047833A - ビーム照射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリンドリカルレンズ等のビーム整形用レンズを用いることなく、所望の形状のビームを目標領域に照射可能なビーム照射装置を提供する。
【解決手段】 レーザ光を出射するレーザ光源410と、レーザ光源410から出射されたレーザ光が入射される収束レンズ430と、収束レンズ430を透過したレーザ光を目標領域において走査させるためのミラーアクチュエータ100を備える。レーザ光源100は、レーザチップのpn接合面が鉛直方向に平行となるように配される。レーザ光源100の発光部の鉛直方向に平行な方向の長さによって、目標領域における前記レーザ光の鉛直方向の長さが設定される。
【選択図】図7
【解決手段】 レーザ光を出射するレーザ光源410と、レーザ光源410から出射されたレーザ光が入射される収束レンズ430と、収束レンズ430を透過したレーザ光を目標領域において走査させるためのミラーアクチュエータ100を備える。レーザ光源100は、レーザチップのpn接合面が鉛直方向に平行となるように配される。レーザ光源100の発光部の鉛直方向に平行な方向の長さによって、目標領域における前記レーザ光の鉛直方向の長さが設定される。
【選択図】図7
Description
本発明は、目標領域に光を照射するビーム照射装置に関し、特に、レーザレーダに搭載されるビーム照射装置に用いて好適なものである。
近年、走行時の安全性を高めるために、レーザレーダが、家庭用乗用車等に搭載されている。一般に、レーザレーダは、レーザ光を目標領域内でスキャンさせ、各スキャン位置における反射光の有無から、各スキャン位置における障害物の有無を検出する。さらに、各スキャン位置におけるレーザ光の照射タイミングから反射光の受光タイミングまでの所要時間をもとに、障害物までの距離が検出される。
レーザレーダには、目標領域においてレーザ光を走査させるためのビーム照射装置が組み込まれる。レーザレーダが乗用車に搭載される場合、鉛直方向に比べ水平方向の検出精度が高められる。このため、この種のレーザレーダに搭載されるビーム照射装置は、鉛直方向に長く、水平方向に狭い形状のビームを目標領域に照射する。
ビーム照射装置の光源として、半導体レーザが用いられる場合、出射されるレーザ光の発散角は、pn接合面に垂直な方向(以下、「短手方向」という)が大きく、pn接合面に平行な方向(以下、「長手方向」という)が小さい。このため、光源として半導体レーザが用いられる場合には、目標領域におけるビームの形状を所望の形状に整えるための構成が必要となる。この場合、収束レンズの他に、シリンドリカルレンズ等のビーム整形用レンズが用いられ得る。ビーム整形用レンズを用いる場合の構成例が、たとえば、以下の特許文献1に記載されている。
しかしながら、上記構成では、収束レンズの他に、シリンドリカルレンズ等のビーム調整用のレンズが必要となるため、部品点数およびコストの上昇を招くとの問題が生じる。また、シリンドリカルレンズ等により生じる収差によって、目標領域におけるビームの形状に歪が生じるとの問題も起こり得る。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、シリンドリカルレンズ等のビーム整形用のレンズを用いることなく、所望の形状のビームを目標領域に照射可能なビーム照射装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係るビーム照射装置は、レーザ光を出射する光源と、前記光源から出射されたレーザ光が入射される収束レンズと、前記収束レンズを透過した前記レーザ光を目標領域において走査させるための走査部とを備える。前記レーザ光源は、レーザチップのpn接合面が鉛直方向に平行となるように前記レーザ光源が配される。前記レーザ光源の発光部の鉛直方向に平行な方向の長さによって、前記目標領域における前記レーザ光の鉛直方向の長さが設定される。
本発明の第2の態様に係るビーム照射装置は、pn接合面が鉛直方向に平行となるように複数のレーザチップが鉛直方向に並べて配置された光源と、前記光源から出射されたレーザ光が入射される収束レンズと、前記収束レンズを透過した前記レーザ光を目標領域において走査させるための走査部と、前記光源を制御する光源制御部とを備える。前記光源制御部は、前記複数のレーザチップを全て同時に発光させる。
本発明によれば、シリンドリカルレンズ等のビーム整形用レンズを用いることなく、所望の形状のビームを目標領域に照射可能なビーム照射装置を提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施の形態は、車載用のレーザレーダに本発明に係るビーム照射装置を搭載したときのものである。
図1は、実施の形態に係るビーム照射装置の搭載形態を示す図である。
図示の如く、ビーム照射装置1は、自動車B1の前側に配置され、走行方向前方に設定された目標領域にレーザ光を照射する。目標領域には、鉛直方向に3段の照射ブロックが設定されている。各ブロックは、鉛直方向に細長い形状となっている。ビーム照射装置1から出射されたレーザ光は、たとえば、目標領域の各ブロックを水平方向の一列ずつ左から右に順次走査する。図示の如く、目標領域におけるレーザ光の照射領域はブロックよりもやや広めになっている。ビーム照射装置1は、走査位置が各ブロックの位置になったタイミングで、レーザ光をパルス発光させる。
図2は、ビーム照射装置1におけるレーザ光源の構成方法を説明する図である。
同図(a)に示す如く、レーザ光源(半導体レーザ)のレーザチップを収束レンズの焦点位置に配置すると、収束レンズを透過した後の、長手方向(pn接合面に平行な方向)におけるレーザ光の発散角θL0と、レーザチップの長手方向の長さ(発光部の長さ)の半値Y0および収束レンズの焦点距離f0との間には、次の関係が成り立つ。ただし、次の関係式は、発散角θL0がゼロに近い場合に成り立つ。
Y0=f0・tan(θL0) …(1)
θL0=tan−1(Y0/f0) …(2)
θL0=tan−1(Y0/f0) …(2)
この場合、収束レンズを透過した後の、短手方向(pn接合面に垂直な方向)におけるレーザ光の発散角はゼロとなる。すなわち、短手方向に広がって出射されたレーザ光は、収束レンズと透過した後、光軸に平行に進む。なお、レーザ光は、レンズに対して、たとえば、同図(b)に示すように入射する。
上記式(1)、(2)から、レーザチップを収束レンズの焦点位置に配置すると、レーザ光は長手方向において所定の発散角θL0を持つことになる。よって、図1に示す如く目標領域におけるレーザ光の形状を鉛直方向に細長い形状とするためには、長手方向が鉛直方向に平行となるようにレーザチップを配置するのが望ましい。こうすると、長手方向(鉛直方向)におけるレーザチップの長さの半値Y0またはレンズの焦点距離f0を調整することにより、目標領域における鉛直方向のレーザ光の長さを所望の長さに設定することができる。
この場合、目標領域における水平方向のレーザ光の幅は、レーザチップの位置を、同図(a)の位置、すなわち、収束レンズの焦点距離f0の位置から、収束レンズに近づく方向に移動させることによって調整され得る。すなわち、レーザチップの位置を、収束レンズの焦点位置から収束レンズに近づけると、収束レンズを透過した後の、短手方向(水平方向)におけるレーザ光の発散角θs0は、次式で求まる。
θs0=λ/(πω) …(3)
ここで、λはレーザ光の波長、ωは虚像位置におけるビームウエスト半径である。また、この式は、短手方向におけるレーザチップの幅が小さく、レーザチップが点光源と見なされる場合に成り立つものである。
上記式(3)から、レーザチップの位置を、収束レンズの焦点位置から収束レンズに近づけて短手方向(水平方向)における発散角θs0を調整することにより、目標領域における水平方向のレーザ光の幅を所望の幅に設定することができる。
なお、この場合、レーザチップの位置を、収束レンズの焦点距離の位置から僅かに移動させることで、発散角θs0を、所望の値に設定できる。このため、このようにレーザチップの位置を移動させても、同図(a)に示す長手方向(鉛直方向)のレーザ光の発散角θL0は、レーザチップが焦点距離の位置にある場合とそれほど変わらない。よって、短手方向(水平方向)における発散角θs0の調整の際にレーザチップの位置を移動させても、目標領域における鉛直方向のレーザ光の長さを所望の長さに維持することができる。
上記の如く、長手方向が鉛直方向に平行となるようにレーザチップを配置することにより、目標領域におけるレーザ光の形状を鉛直方向に細長い形状とすることができる。また、上記式(1)、(2)より、長手方向(鉛直方向)におけるレーザチップの長さの半値Y0またはレンズの焦点距離f0を調整することによって、目標領域における鉛直方向のレーザ光の長さを所望の長さに設定することができる。
たとえば、図2(c)に示すように、収束レンズの焦点距離をf0からf1に縮めることにより、収束レンズを透過した後のレーザ光の発散角をθL0からθL1を広げることができる。ただし、この場合には、同図(d)に示す如く、収束レンズに入射する際のレーザ光のビーム径が小さくなってしまう。このようにビーム径が小さくなると、収束レンズに付着した塵埃や水滴等によってレーザ光が影響を受け易くなり、目標領域にレーザ光を適正に照射できなくなる惧れがある。
また、図3(c)に示すように、長手方向(鉛直方向)におけるレーザチップの長さの半値をY0からY1に広げることにより、収束レンズを透過した後のレーザ光の発散角をθL0からθL2を広げることができる。図3(a)、(b)には、比較のため、図2(a)、(b)と同じ図が示されている。ただし、図3(c)の構成では、レーザチップから出射される際の、長手方向におけるレーザ光の発散角βが、同図(a)の場合の発散角αに比べ小さくなる。よって、この場合も、同図(d)に示す如く、収束レンズに入射する際のレーザ光のビーム径が、同図(a)、(b)の場合に比べて小さくなってしまう。
図2(c)および図3(c)の構成による問題は、図4(c)に示す構成を用いることにより解消され得る。図4(a)、(b)には、比較のため、図2(a)、(b)と同じ図が示されている。
図4(c)の構成では、pn接合面が長手方向(鉛直方向)に平行となるように、2つのレーザチップが長手方向(鉛直方向)に並べて配置される。こうして、長手方向(鉛直方向)におけるレーザチップ(発光部)の全長の半値が、Y0から2・Y0に広げられる。これにより、収束レンズを透過した後のレーザ光の発散角がθL0からθL2に広げられる。この場合、各レーザチップから出射される際のレーザ光の発散角αは、同図(a)の場合と同じである。よって、同図(d)に示す如く、収束レンズに入射する際のレーザ光のビーム径は、同図(a)、(b)の場合よりも大きくなる。
以上のとおり、目標領域に対し鉛直方向に長い形状のレーザ光を照射するには、長手方向が鉛直方向に平行になるようにレーザチップを配置するのが望ましい。この場合、目標領域におけるレーザ光の鉛直方向の長さを調整するには、pn接合面が長手方向(鉛直方向)に平行となるように、複数のレーザチップを長手方向(鉛直方向)に並べて配置する方法をとるのが望ましい。この構成では、目標領域におけるレーザ光の鉛直方向の長さに応じて、各レーザチップの長手方向の長さと、長手方向に配置されるレーザチップの個数が、適宜調整される。こうすると、収束レンズに入射する際のレーザ光のビーム径を大きく維持しながら、所望の形状のレーザ光を目標領域に照射することができる。
<具体的構成例>
以下、本実施の形態に係るビーム照射装置の具体的構成例について説明する。
以下、本実施の形態に係るビーム照射装置の具体的構成例について説明する。
まず、図5を参照して、目標領域においてレーザ光を走査させるためのミラーアクチュエータ100の構成について説明する。
図5において、110は、チルトユニットである。チルトユニット110は、支軸111と、支軸111に回動可能に装着された軸受部112と、軸受部112に対して左右対称な位置に配されたコイル支持板113、114と、コイル支持板113、114に装着されるコイル115、116と、軸受部112とコイル支持板113、114を連結する連結部117とを備えている。
軸受部112には、左右方向に貫通する軸孔112aが設けられている。この軸孔112aに、支軸111が通される。軸受部112は、支軸111の中央部分に装着される。また、軸受部112の上面には、孔112bが設けられている。
コイル支持板113、114の上部側面には、それぞれ、左右方向に突出する鍔部が形成されており、これら鍔部に、それぞれ、留め孔113a、114aが設けられている。留め孔113a、114aは、軸受部112に対して左右方向に対称となる位置に設けられ、また、上下方向および前後方向の位置は同じである。
コイル支持板113、114には、それぞれ、方形状に巻回されたコイル115、116が装着される。コイル115の出力端は、信号線(図示せず)によりコイル116の入力端に接続されている。
120は、パンユニットである。パンユニット120は、チルトユニット110を収容するための凹部121と、凹部121の上部に連接された軸受部122と、凹部121の下部に連接された受け部123と、凹部121の背面に装着されるコイル124と、支軸125と、Eリング126と、バランサ127とを備えている。
軸受部122には、上下方向に貫通する軸孔122aが設けられている。軸孔122aには、後述のように、チルトユニット110とパンユニット120のアセンブルの際に、支軸125が上下方向に通される。支軸125には、図示の如く、Eリング126が留められるための溝125aが形成されており、支軸125の上部には、バランサ127が装着されるためのネジ溝125bが形成されている。
受け部123には、留め孔123a、123bが設けられている。留め孔123a、123bは、支軸125に対して左右方向に対称となる位置に設けられ、また、上下方向および前後方向の位置は同じである。また、受け部123には、下端に凹部123cが形成されている。凹部123cの前後方向のギャップは、透明体200の厚みと略同じ寸法となっており、この凹部123cに透明体200の上部が装着される。
パンユニット120の背面には、コイル装着部(図示せず)が形成されている。このコイル装着部に、方形状に巻回されたコイル124が装着される。
130は、マグネットユニットである。マグネットユニット130は、パンユニット120を収容するための凹部131と、支軸111の両端に係合する溝132、133と、コイル115、116に磁界を印加する8個のマグネット134と、コイル124に磁界を印加する2個のマグネット135とを備えている。
8個のマグネット134は、凹部131の左右の内側面に、上下2段に分けて装着されている。また、2個のマグネット135は、図示の如く、凹部131の内側面に、前後方向に傾くように装着されている。さらに、凹部131には、給電バネ151a、151b、152a、152bが挿入される孔136、137が形成されている。
ミラーアクチュエータ100のアセンブル時には、まず、チルトユニット110のアセンブルが行われる。すなわち、軸孔112aに支軸111が装着され、さらにコイル115、116がコイル支持板113、114に装着される。
その後、アセンブルされたチルトユニット110が、パンユニット120の凹部121に入れられる。そして、チルトユニット110の孔112bと、パンユニット120の軸孔122aが、上下方向に合わせられた状態で、支軸125が上から通される。支軸125の下端は、孔112bに固定される。しかる後、Eリング126が、溝125aに留められる。こうすると、支軸125が、パンユニット120に対してEリング126が留められた位置から下方向に移動しなくなる。こうして、パンユニット120が、チルトユニット110に対し、支軸125により回動自在に支持される。
しかる後、バランサ127が、支軸125のネジ溝125bに留められる。また、凹部123cに透明体200が装着される。さらに、パンユニット120の前面にミラー140が装着される。こうして、図6(a)に示す如く、チルトユニット110と、パンユニット120と、ミラー140のアセンブルが完了する。
なお、バランサ127は、支軸111のまわりを回動するミラーアクチュエータ100の構成部品が、支軸111を軸として回動するとき、かかる回動がバランス良く行われるよう調整するためのものである。かかる回動のバランスは、バランサ127の重さによって調整される他、バランサ127が、支軸125のネジ溝125bにより上下方向の位置を微調整されることにより行われる。
しかる後、図6(a)に示す構成体がマグネットユニット130に装着される。
図5に戻って、まず、支軸111の両端が、上方向から、マグネットユニット130の溝132、133に固定される。支軸111の両端には、溝132、133に係合する係合部が形成されており、これら係合部が溝132、133に嵌め込まれることにより、支軸111が回動することなく溝132、133に固定される。
続いて、給電バネ151a、151b、152a、152bが、凹部131の背面側から孔136、137に通される。このとき、給電バネ151a、151bの先端が、それぞれ、チルトユニット110の留め孔113a、114aに係止される。さらに、係止された給電バネ151a、151bの先端が、それぞれ、半田等によって、コイル115の入力端とコイル116の出力端に電気的に接続される。給電バネ151a、151bの後端は、マグネットユニット130の背面側に設けられた留め孔に係止される。
また、給電バネ152a、152bの先端は、それぞれ、パンユニット120の留め孔123a、123bに係止される。さらに、係止された給電バネ152a、152bの先端が、それぞれ、半田等によって、コイル124の入力端と出力端に電気的に接続される。給電バネ152a、152bの後端は、マグネットユニット130の背面側に設けられた留め孔に係止される。
なお、マグネットユニット130の背面に中継基板が配される場合には、この中継基板に形成された留め孔に、給電バネ151a、151b、152a、152bの後端が係止される。
なお、給電バネ151a、151b、152a、152bの素材には、抵抗値が小さく耐久性に優れたベリリウム銅等が用いられる。本実施の形態では、給電バネ151a、151b、152a、152bとして、導電性に優れた線材がコイル状に巻かれたコイルバネが用いられている。
こうして、図6(b)に示す如く、ミラーアクチュエータ100のアセンブルが完了する。アセンブルされたミラーアクチュエータ100を、図5に示す上下方向が鉛直方向に平行となるように設置すると、支軸111と支軸125が、それぞれ、図5に示す左右方向と上下方向に平行となり、ミラー140は正面前方を向く。
給電バネ151a、151b、152a、152bは、アセンブル後にミラーアクチュエータ100のミラー140が正面前方を向くように、長さやバネ係数等が設定される。さらに、給電バネ151a、151b、152a、152bは、ミラーアクチュエータ100のアセンブル後に、ミラー140の回動許容範囲で伸びしろと縮みしろを有するように設定される。
図5および図6を参照して、パンユニット120がチルトユニット110に対し、支軸125を軸として回動すると、これに伴ってミラー140が回動する。また、チルトユニット110がマグネットユニット130に対し、支軸111を軸として回動すると、これに伴ってパンユニット120が回動し、パンユニット120と一体的にミラー140が回動する。このように、ミラー140は、互いに直交する支軸111、125によって回動可能に支持され、コイル115、116、124への通電によって、支軸111、125の周りに回動する。このとき、パンユニット120に装着された透明体200も、ミラー140の回動に伴って回動する。
なお、図6(b)に示すアセンブル状態において、8個のマグネット134は、給電バネ151a、151bを介して、コイル115、116に電流を印加することにより、チルトユニット110に支軸111を軸とする回動力が生じるよう配置および極性が調整されている。したがって、コイル115、116に電流を印加すると、コイル115、116に生じる電磁駆動力によって、チルトユニット110が、支軸111を軸として回動する。
また、図6(b)に示すアセンブル状態において、2個のマグネット135は、コイル124に電流を印加することにより、パンユニット120に支軸125を軸とする回動力が生じるよう配置および極性が調整されている。したがって、コイル124に電流を印加すると、コイル124に生じる電磁駆動力によって、パンユニット120が、支軸125を軸として回動し、これに伴って、透明体200が回動する。
次に、図7および図8を参照して、ビーム照射装置の光学系について説明する。
まず、図7を参照して、走査光学系について説明する。図中、500は、ベースである。同図では、ベース500の上面が水平になっている。ベース500には、ミラーアクチュエータ100の設置位置に開口503aが形成され、この開口503aに透明体200が挿入されるようにして、ミラーアクチュエータ100がベース500上に装着されている。ミラーアクチュエータ100は、図5に示す上下方向が、図7に示す鉛直方向となるように、ベース500に装着される。
ベース500の上面には、レーザ光源410と、収束レンズ430が配置されている。レーザ光源410は、ベース500の上面に配されたレーザ光源用の基板420に装着されている。レーザ光源410は、所定波長のレーザ光を出射する。収束レンズ430は、所定の焦点距離を持つ凸レンズである。収束レンズ430のレンズ面は、光軸を軸として回転対象な形状を有している。
同図(b)に模式的に示すように、レーザ光源410のCAN内には、pn接合面が互いに平行となるように、2つのレーザチップ411、412が並べて配置されている。ここで、2つのレーザチップ411、412の、pn接合面に平行な方向の全長Lは、上記図4(c)を参照して説明したように、目標領域においてレーザ光が所望の形状となるよう調整されている。レーザ光源410は、これら2つのレーザチップ411、412が鉛直方向に並ぶように配置されている。また、2つのレーザチップ411、412は、収束レンズ430を透過したレーザ光が水平方向に所定の角度だけ広がるよう、収束レンズ430の焦点距離の位置から僅かに収束レンズ430に近づいた位置に位置づけられる。
なお、ここでは、レーザ光源410のCAN内に2つのレーザチップ411、412が配置されたが、3つ以上のレーザチップがレーザ光源410のCAN内に配置されても良い。この場合も、これらレーザチップからなる発光部の鉛直方向の全長Lは、目標領域においてレーザ光が所望の形状となるよう調整される。この他、ただ一つのレーザチップがレーザ光源410のCAN内に配置されても良い。この場合、当該レーザチップ(発光部)の鉛直方向の長さLは、目標領域においてレーザ光が所望の形状となるよう調整される。
レーザ光源410から出射されたレーザ光(以下、「走査用レーザ光」という)は、ビーム整形用のレンズおよびアパーチャを介することなく収束レンズ430に入射する。収束レンズ430を透過したレーザ光は、目標領域(たとえば、ビーム照射装置のビーム出射口から前方100m程度の位置に設定される)において、所定の大きさ(たとえば、縦2m、横1m程度の大きさ)となるよう、鉛直方向および水平方向にやや発散した状態で、目標領域へと進む。
収束レンズ430を透過した走査用レーザ光は、ミラーアクチュエータ100のミラー140に入射し、ミラー140によって目標領域に向かって反射される。ミラーアクチュエータ100によってミラー140が二軸駆動されることにより、走査用レーザ光が目標領域内においてスキャンされる。
ミラーアクチュエータ100は、ミラー140が中立位置にあるときに、収束レンズ430からの走査用レーザ光がミラー140のミラー面に対し水平方向において45度の入射角で入射するよう配置されている。なお、「中立位置」とは、ミラー面が鉛直方向に対し平行で、且つ、走査用レーザ光がミラー面に対し水平方向において45度の入射角で入射するときのミラー140の位置をいう。ミラー140は、上記コイル115、116、124に通電されていない状態で、この中立位置に位置づけられる。
ベース500の下面には、回路基板300が配されている。さらに、ベース500の裏面と側面にも回路基板301、302が配されている。
図8(a)は、ベース500を裏面側から見たときの一部平面図である。同図(a)には、ベース500の裏側に配されたサーボ光学系とその周辺の構成が示されている。
図示の如く、ベース500の裏側周縁には、壁501、502が形成されており、壁501、502よりも中央側は、壁501、502よりも一段低い平面503となっている。壁501には、半導体レーザ303を装着するための開口が形成されている。この開口に半導体レーザ303を挿入するようにして、半導体レーザ303が装着された回路基板301が壁501の外側面に装着されている。他方、壁502の近傍には、PSD308が装着された回路基板302が装着されている。
ベース500裏側の平面503には、取り付け具307によって集光レンズ304と、アパーチャ305と、ND(ニュートラルデンシティ)フィルタ306が装着されている。さらに、この平面503には上記開口503aが形成されており、この開口503aを介して、ミラーアクチュエータ100に装着された透明体200がベース500の裏側に突出している。ここで、透明体200は、ミラーアクチュエータ100のミラー140が中立位置にあるときに、2つの平面が、鉛直方向に平行で、且つ、半導体レーザ303の出射光軸に対し45度傾くように位置づけられる。
半導体レーザ303から出射されたレーザ光(以下、「サーボ光」という)は、集光レンズ304を透過した後、アパーチャ305によってビーム径が絞られ、さらにNDフィルタ306によって減光される。その後、サーボ光は、透明体200に入射され、透明体200によって屈折作用を受ける。しかる後、透明体200を透過したサーボ光は、PSD308によって受光され、PSD308から、受光位置に応じた位置検出信号が出力される。
図8(b)は、透明体200の回動位置がPSD308によって検出されることを模式的に示す図である。なお、同図(b)では、便宜上、同図(a)の透明体200、半導体レーザ303、PSD308のみが図示されている。
サーボ光は、レーザ光軸に対し傾いて配置された透明体200によって屈折され、PSD308に受光される。ここで、透明体200が破線矢印のように回動すると、サーボ光の光路が図中の点線のように変化し、PSD308上におけるサーボ光の受光位置が変化する。これにより、PSD308にて検出されるサーボ光の受光位置によって、透明体200の回動位置を検出することができる。透明体200の回動位置は、目標領域における走査用レーザ光の走査位置に対応する。よって、PSD308からの信号をもとに目標領域における走査用レーザ光の走査位置を検出することができる。
図9は、上記構成を有するビーム照射装置を搭載したレーザレーダの構成を示す図である。図示の如く、レーザレーダは、上記構成を備えたビーム照射装置1と、受光部2と、PSD信号処理回路3と、サーボLD駆動回路4と、アクチュエータ駆動回路5と、スキャンLD駆動回路6と、PD信号処理回路7と、DSP8を備えている。
なお、図6には、便宜上、ビーム照射装置1の構成として、レーザ光源410、ミラーアクチュエータ100、半導体レーザ303およびPSD308のみが図示されている。受光部2は、目標領域から反射された走査用レーザ光を集光する集光レンズ440と、集光された走査用レーザ光を受光するPD(Photo Detector)450を備えている。
PSD信号処理回路3は、PSD308からの出力信号から位置検出信号を生成してDSP8に出力する。
サーボLD駆動回路4は、DSP8からの信号をもとに、半導体レーザ303に駆動信号を供給する。具体的には、ビーム照射装置1の作動時において、一定出力のサーボ光が、半導体レーザ303から出力される。
アクチュエータ駆動回路5は、DSP8からの信号をもとに、ミラーアクチュエータ100を駆動する。具体的には、目標領域において走査用レーザ光を所定の軌道に沿って走査させるための駆動信号がミラーアクチュエータ100に供給される。
スキャンLD駆動回路6は、DSP8からの信号をもとに、レーザ光源410に駆動信号を供給する。具体的には、目標領域内において走査用レーザ光のスキャン位置が所定の位置になったタイミングで半導体レーザ303がパルス発光される。
PD信号処理回路7は、PD450からの信号を増幅およびデジタル化してDSP8に供給する。
DSP8は、PSD信号処理回路3から入力された位置検出信号をもとに、目標領域における走査用レーザ光の走査位置を検出し、ミラーアクチュエータ100の駆動制御や、レーザ光源410の駆動制御等を実行する。また、DSP8は、PD処理回路7から入力される信号にもとづいて、目標領域内の走査用レーザ光の照射位置に障害物が存在するかを判定し、同時に、レーザ光源410から出力される走査用レーザ光の照射タイミングと、PD450にて受光される目標領域からの反射光の受光タイミングの間の時間差をもとに、障害物までの距離を測定する。
以上、本実施の形態によれば、レーザチップのpn接合面が鉛直方向に平行となるようレーザ光源を配置することにより、鉛直方向におけるレーザ光の発散角を容易に調整することができる。このとき、具体的構成例のように、2つのレーザチップ411、412を鉛直方向に並べ、これにより発光部の全長Lを調整するようにすると、上記図4(c)、(d)を参照して説明したように、収束レンズ430に入射する際のレーザ光のビーム径を大きくすることができ、収束レンズ430に付着した塵埃や水滴等によるレーザ光への影響を抑えることができる。よって、この構成によれば、目標領域に適正にレーザ光を照射することができ、結果、目標領域における障害物の検出精度を高めることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も上記以外に種々の変更が可能である。
たとえば、上記実施の形態および具体的構成例では、レーザチップの位置を収束レンズの焦点距離の位置から収束レンズに近づけることにより、水平方向におけるレーザ光の発散角を調整するようにしたが、長手方向と同様、短手方向における発光部の長さを調整することにより、水平方向におけるレーザ光の発散角を調整するようにしても良い。この場合、短手方向における発光部の長さは、たとえば、レーザチップを短手方向にスタックすることにより調整することができる。
また、図9に示す構成のうち、PSD信号処理回路3、サーボLD駆動回路4、アクチュエータ駆動回路5およびスキャンLD駆動回路6の全部または一部が、ビーム照射装置1の構成として含まれても良い。
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲内において、適宜、変更することができる。
1 … ビーム照射装置
100 … ミラーアクチュエータ(走査部)
410 … レーザ光源(光源)
411、412 … レーザチップ
430 … 収束レンズ
100 … ミラーアクチュエータ(走査部)
410 … レーザ光源(光源)
411、412 … レーザチップ
430 … 収束レンズ
Claims (6)
- レーザ光を出射する光源と、
前記光源から出射されたレーザ光が入射される収束レンズと、
前記収束レンズを透過した前記レーザ光を目標領域において走査させるための走査部と、を備え、
レーザチップのpn接合面が鉛直方向に平行となるように前記レーザ光源が配されるとともに、前記レーザ光源の発光部の鉛直方向に平行な方向の長さによって、前記目標領域における前記レーザ光の鉛直方向の長さが設定されている、
ことを特徴とするビーム照射装置。 - 請求項1に記載のビーム照射装置において、
前記目標領域における前記レーザ光の鉛直方向の長さを所定の長さとするときの、前記収束レンズを通過した後の前記レーザ光の発散角がθであるとき、鉛直方向に平行な方向における前記発光部の長さの半値yが、y=f・tanθとなるように、鉛直方向に平行な方向における前記発光部の長さが設定されている、
ことを特徴とするビーム照射装置。 - 請求項1または2に記載のビーム照射装置において、
前記光源は、前記pn接合面に平行な方向に並べて配置された複数のレーザチップを有するとともに、前記複数のレーザチップによって前記発光部が構成され、
前記光源を制御する光源制御部をさらに備え、
前記光源制御部は、前記複数のレーザチップを全て同時に発光させる、
ことを特徴とするビーム照射装置。 - 請求項3に記載のビーム照射装置において、
前記目標領域における前記レーザ光の鉛直方向の長さを所定の長さとするときの、前記収束レンズを通過した後の前記レーザ光の発散角がθであるとき、前記複数のレーザチップは、前記鉛直方向に平行な方向における前記発光部の長さの半値yが、y=f・tanθとなるように、レーザチップの配置数が設定されている、
ことを特徴とするビーム照射装置。 - pn接合面が鉛直方向に平行となるように複数のレーザチップが鉛直方向に並べて配置された光源と、
前記光源から出射されたレーザ光が入射される収束レンズと、
前記収束レンズを透過した前記レーザ光を目標領域において走査させるための走査部と、
前記光源を制御する光源制御部と、を備え、
前記光源制御部は、前記複数のレーザチップを全て同時に発光させる、
ことを特徴とするビーム照射装置。 - 請求項5に記載のビーム照射装置において、
前記複数のレーザチップは、鉛直方向に並べて配置されている、
ことを特徴とするビーム照射装置。
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